(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電気光学装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20221206BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20221206BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 550
G09G3/20 611J
G09G3/20 612A
G09G3/20 621F
G09G3/20 621M
G09G3/20 623B
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G09G3/20 623R
G09G3/20 641C
G09G3/20 670Q
G09G3/20 680G
(21)【出願番号】P 2018137117
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】藤川 紳介
【審査官】道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-286639(JP,A)
【文献】特開2010-102146(JP,A)
【文献】特開2010-127955(JP,A)
【文献】特開2004-145224(JP,A)
【文献】特開2007-156469(JP,A)
【文献】特開2004-061631(JP,A)
【文献】特開2007-017828(JP,A)
【文献】特開2005-331744(JP,A)
【文献】特開2006-011194(JP,A)
【文献】特開2014-134647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線、信号線、前記走査線と前記信号線との交差に対応して設けられる画素、プリチャージ制御信号に基づいて前記信号線にプリチャージ信号を供給するプリチャージ回路、前記プリチャージ回路に前記プリチャージ制御信号を供給するプリチャージ制御信号線
、前記プリチャージ回路に前記プリチャージ信号を供給するプリチャージ電源線
、画像信号が供給されるデータ線、および、前記信号線と前記データ線との間の電気的な接続状態を書き込み選択信号に応じて導通状態と非導通状態との間で切り替える書き込み用のスイッチング素子を含む電気光学パネルと、
前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ制御信号線に供給し、前記書き込み選択信号を前記書き込み用のスイッチング素子に供給し、前記
データ線に
前記画像信号を供給する信号線駆動回路とを備え、
前記プリチャージ回路は、
前記プリチャージ制御信号に応じて、前記信号線と前記プリチャージ電源線との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替えるプリチャージ用のスイッチング素子と、
前記プリチャージ制御信号線を介して受ける前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力するバッファー回路とを備え
、
前記プリチャージ制御信号線が接続されるプリチャージ制御信号端子と、前記信号線駆動回路から前記画像信号を受ける画像信号端子との両方が前記電気光学パネルの第1辺に配置され、
前記書き込み用のスイッチング素子は、前記第1辺と、前記画素を含む画素領域との間に位置し、
前記画素領域は、前記書き込み用のスイッチング素子と前記プリチャージ用のスイッチング素子との間に位置し、
前記プリチャージ用のスイッチング素子は、前記画素領域と前記バッファー回路との間に位置する、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記バッファー回路に電源電圧を供給する高電位側電源線および低電位側電源線のうちの低電位側電源線に電位を与える第1電源と、
前記第1電源とは分離され、非選択状態の前記走査線に電位を与える第2電源とを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記電気光学パネルにおいて、前記プリチャージ電源線が接続されるプリチャージ電源端子および前記バッファー回路の低電位側電源線が接続される第1電源端子の一方、または、前記プリチャージ電源端子および前記第1電源端子の両方は、前記
第1辺とは異なる辺に配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記プリチャージ電源端子および前記第1電源端子の一方を含む端子群、または、前記プリチャージ電源端子および前記第1電源端子の両方を含む端子群に接続されるフレキシブルプリント基板を備えている、
ことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記電気光学パネル
は、
検査線と、
前記信号線と前記検査線との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える検査用のスイッチング素子と、
前記検査用のスイッチング素子の状態を制御する検査制御信号を前記検査用のスイッチング素子に出力する検査選択回路とを備えている、
ことを特徴とする請求項
1から4のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記検査選択回路は、前記画像信号に応じて画像を表示する通常動作では、前記検査制御信号を用いて、前記検査用のスイッチング素子を非導通状態に設定する、
ことを特徴とする請求項
5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記検査用のスイッチング素子は、ゲートで受ける電圧に応じて、導通状態または非導通状態に設定される第1のトランジスターであり、
前記プリチャージ用のスイッチング素子は、ゲートで受ける電圧に応じて、導通状態または非導通状態に設定される第2のトランジスターであり、
前記第1のトランジスターのゲート幅Wおよびゲート長Lの比W/Lは、前記第2のトランジスターのゲート幅Wおよびゲート長Lの比W/Lより小さい、
ことを特徴とする請求項
5または6に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記電気光学パネルにおいて、前記画像信号が入力される前記信号線の入力端を始点にして前記信号線の延在する方向を第1方向とする場合、前記プリチャージ用のスイッチング素子および前記検査用のスイッチング素子は、前記画素領域に対して前記第1方向の側に配置され、前記バッファー回路は、前記プリチャージ用のスイッチング素子および前記検査用のスイッチング素子に対して前記第1方向の側に配置され、前記検査選択回路は、前記バッファー回路に対して前記第1方向の側に配置される、
ことを特徴とする請求項
5から7のいずれか1項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
走査線、信号線、前記走査線と前記信号線との交差に対応して設けられる画素、プリチャージ制御信号に基づいて前記信号線にプリチャージ信号を供給するプリチャージ回路、前記プリチャージ回路に前記プリチャージ制御信号を供給するプリチャージ制御信号線および前記プリチャージ回路に前記プリチャージ信号を供給するプリチャージ電源線を含む電気光学パネルと、
前記信号線に画像信号を供給する信号線駆動回路とを備え、
前記プリチャージ回路は、
前記プリチャージ制御信号に応じて、前記信号線と前記プリチャージ電源線との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替えるプリチャージ用のスイッチング素子と、
前記プリチャージ制御信号線を介して受ける前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力するバッファー回路とを備え、
前記信号線は、複数であり、
前記プリチャージ用のスイッチング素子は、複数の前記信号線の各々に対応して設けられ、
前記電気光学パネルは、
前記信号線を検査する検査動作において、複数の前記信号線のうちの検査対象の前記信号線に対応する前記プリチャージ用のスイッチング素子を選択する検査制御信号を前記バッファー回路に出力する検査選択回路と、
前記プリチャージ制御信号線に接続され、前記画像信号に応じて画像を表示する通常動作ではハイインピーダンスに設定される検査パッドと、
をさらに備え、
前記バッファー回路は、
前記プリチャージ用のスイッチング素子に対応して設けられ、
前記検査動作では、対応する前記プリチャージ用のスイッチング素子が前記検査制御信号により選択されている場合、前記検査パッドに供給された前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力し、対応する前記プリチャージ用のスイッチング素子が前記検査制御信号で選択されていない場合、前記プリチャージ用のスイッチング素子を非導通状態に設定する信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力し、
前記通常動作では、前記信号線駆動回路から前記プリチャージ制御信号線に供給された前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力する、
ことを特徴とす
る電気光学装置。
【請求項10】
前記電気光学パネルにおいて、前記画像信号が入力される前記信号線の入力端を始点にして前記信号線の延在する方向を第1方向とする場合、前記プリチャージ用のスイッチング素子は、前記画素を含む画素領域に対して前記第1方向の側に配置され、前記バッファー回路は、前記プリチャージ用のスイッチング素子に対して前記第1方向の側に配置され、前記検査選択回路は、前記バッファー回路に対して前記第1方向の側に配置される、
ことを特徴とする請求項
9に記載の電気光学装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶素子を用いて画像を表示する電気光学装置は、各画素の階調を指定する画像信号に基づくビデオ電圧を、信号線を介して各画素に供給することで、各画素が有する液晶の透過率をビデオ電圧に基づく透過率に制御する。この結果、各画素の階調は、画像信号で指定される階調に設定される。
【0003】
各画素にビデオ電圧を供給する時間を十分に確保できない場合等、各画素へのビデオ電圧の書き込みが不十分な場合には、各画素が画像信号の指定する階調を正確に表示することができない場合がある。このため、従来の電気光学装置では、例えば、信号線を所定の電圧レベルに予め充電するプリチャージを実行することで、各画素に対するビデオ電圧の書き込み不足を対策している。例えば、特許文献1には、1水平走査期間に、全ての信号線に対するプリチャージと、ビデオ電圧の画素への書き込みとを時分割で実行する液晶装置が開示されている。また、特許文献2には、1水平走査期間に、複数の信号線のうちの一部の信号線に対するプリチャージと、ビデオ電圧の画素への書き込みとを同時に実行する電気光学装置が開示されている。
【0004】
この種の電気光学装置では、信号線は、プリチャージ信号が供給されるプリチャージ電源線に、プリチャージ用のスイッチング素子を介して接続される。例えば、プリチャージ用のスイッチング素子は、プリチャージ制御信号線に接続される制御端子を有し、プリチャージ制御信号線を介して制御端子に供給されるプリチャージ制御信号のレベルに応じて、導通状態または非導通状態に設定される。
【0005】
プリチャージ用のスイッチング素子から信号線に流れる電流を大きくするほど、プリチャージを高速に実行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】再表99/004384号公報
【文献】特開2015-106108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、プリチャージ用のスイッチング素子から信号線に流れる電流を大きくするためにプリチャージ用のスイッチング素子の能力を高くすると、プリチャージ用のスイッチング素子を駆動する際の駆動負荷も大きくなる。このため、プリチャージ用のスイッチング素子の制御端子をプリチャージ制御信号線で直接制御する従来の構成では、高速にプリチャージ可能なプリチャージ用のスイッチング素子を駆動できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の電気光学装置の一態様は、走査線、信号線、前記走査線と前記信号線との交差に対応して設けられる画素、プリチャージ制御信号に基づいて前記信号線にプリチャージ信号を供給するプリチャージ回路、前記プリチャージ回路に前記プリチャージ制御信号を供給するプリチャージ制御信号線および前記プリチャージ回路に前記プリチャージ信号を供給するプリチャージ電源線を含む電気光学パネルと、前記信号線に画像信号を供給する信号線駆動回路とを備え、前記プリチャージ回路は、前記プリチャージ制御信号に応じて、前記信号線と前記プリチャージ電源線との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替えるプリチャージ用のスイッチング素子と、前記プリチャージ制御信号線を介して受ける前記プリチャージ制御信号を前記プリチャージ用のスイッチング素子に出力するバッファー回路とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の説明図である。
【
図2】第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る電気光学装置の動作タイミングの一例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【
図6】プリチャージ回路および検査選択回路の構成を示す回路図である。
【
図7】互いに隣接する信号線の短絡を検査する際に電気光学パネルに供給する信号の一例を示す図である。
【
図8】互いに隣接する信号線の短絡を検査する短絡検査の説明図である。
【
図9】信号線の断線を検査する際に電気光学パネルに供給する信号の一例を示す図である。
【
図10】信号線の断線を検査する断線検査の説明図である。
【
図11】プリチャージ信号の経路の断線を検査する際に電気光学パネルに供給する信号の一例を示す図である。
【
図12】プリチャージ信号の経路の断線を検査する断線検査の説明図である。
【
図13】電気光学パネルの端子配置の一例を示す図である。
【
図14】第3実施形態に係る電気光学装置のプリチャージ回路および検査選択回路の構成を示す回路図である。
【
図15】第4実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【
図16】プリチャージ回路および検査選択回路の構成を示す回路図である。
【
図17】信号線の状態を検査する際に電気光学パネルに供給する信号の一例を示す図である。
【
図18】互いに隣接する信号線の短絡を検査する短絡検査の説明図である。
【
図19】信号線の断線を検査する断線検査の説明図である。
【
図20】第5実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【
図21】プリチャージ回路および検査選択回路の構成を示す回路図である。
【
図22】互いに隣接する信号線の短絡を検査する短絡検査の一例の説明図である。
【
図23】互いに隣接する信号線の短絡を検査する短絡検査の別の例の説明図である。
【
図24】互いに隣接する信号線の短絡を検査する短絡検査の別の例の説明図である。
【
図25】信号線の断線を検査する断線検査の一例の説明図である。
【
図26】信号線の断線を検査する断線検査の別の例の説明図である。
【
図27】第6実施形態に係る電気光学装置のプリチャージ回路および検査選択回路の構成を示す回路図である。
【
図28】信号線の状態を検査する際に電気光学パネルに供給する信号の一例を示す図である。
【
図29】電気光学パネルの端子配置の一例を示す図である。
【
図30】電子機器の一例であるパーソナルコンピューターを示す斜視図である。
【
図31】電子機器の一例であるスマートフォンを示す正面図である。
【
図32】電子機器の一例である投射型表示装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について
図1から
図4を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置1の説明図である。なお、
図1は、電気光学装置1に対する信号伝送系の構成を示す。電気光学装置1は、電気光学パネル100と、ドライバーIC(Integrated Circuit)等の駆動用集積回路200と、フレキシブル回路基板300とを有する。電気光学パネル100は、駆動用集積回路200が搭載されるフレキシブル回路基板300に接続される。また、電気光学パネル100は、フレキシブル回路基板300および駆動用集積回路200を介して、図示しないホストCPU(Central Processing Unit)装置に接続される。駆動用集積回路200は、画像信号および駆動制御のための各種の制御信号をホストCPU装置からフレキシブル回路基板300を介して受信し、フレキシブル回路基板300を介して電気光学パネル100を駆動する装置である。フレキシブル回路基板300は、フレキシブルプリント基板の一例である。
【0011】
電気光学装置1は、液晶素子を用いて画像を表示する。例えば、電気光学装置1は、各画素の階調を指定する画像信号に基づくビデオ電圧を、信号線を介して各画素に供給することで、各画素が有する液晶の透過率をビデオ電圧に基づく透過率に制御する。この結果、各画素の階調は、画像信号で指定される階調に設定される。なお、電気光学装置1では、電気光学材料の電気的な劣化を防止するため、液晶素子に印加する電圧の極性を一定周期毎に反転する極性反転駆動が採用される。例えば、電気光学装置1は、信号線を介して画素に供給する画像信号のレベルを、画像信号の中心電圧に対して1垂直走査期間毎に反転する。なお、極性を反転させる周期は任意に設定することができ、例えば、垂直走査期間の自然数倍であってもよい。本明細書においては、画像信号の電圧が中心電圧等の所定電圧に対して高電圧となる場合を正極性とし、画像信号の電圧が所定電圧に対して低電圧となる場合を負極性とする。
【0012】
図2は、第1実施形態に係る電気光学装置1の構成を示すブロック図である。電気光学装置1の電気光学パネル100は、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115、画素領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]およびプリチャージ回路150を有する。なお、m、nおよびkは、自然数である。
図2に示す例では、n本の信号線111が8個の信号線111を含むk個の信号線群に分類されるため、kはnを8で除算して得られる値である。電気光学装置1の駆動用集積回路200は、信号線111に画像信号Sを供給する信号線駆動回路210、プリチャージ電源220、第1電源230、第2電源232および第3電源234を有する。なお、駆動用集積回路200は、プリチャージ電源220、第1電源230、第2電源232および第3電源234の各電源と信号線駆動回路210とを分離した形態としてもよい。
【0013】
画素領域120は、m本の走査線110とn本の信号線111との各交差に対応して設けられる画素122を含む。画素122は、
図3に示すように、印加電圧に応じて透過率が変化する液晶123cを有する。液晶123cに印加される電圧に応じて液晶123cの透過率が変化することにより、画素122の表示階調が変化する。
図2では、図の一番上側に記載された画素122の行を1行目とし、図の一番左側に記載された画素122の列を1列目とする。
【0014】
走査線駆動回路130は、第2電源232および第3電源234から供給される電源電圧で動作し、駆動用集積回路200から受ける制御信号に基づいて走査信号G[1]~G[m]を生成し、走査信号G[1]~G[m]をm本の走査線110の各々に出力する。例えば、走査線駆動回路130は、垂直走査期間内に各走査線110に対する走査信号G[1]~G[m]を1水平走査期間毎に順次アクティブにする。走査信号Gは、第3電源234に基づいて生成されるハイレベル等の選択電圧に維持されている期間にアクティブとなり、第2電源232に基づいて生成されるローレベル等の非選択電圧に維持されている期間に非アクティブとなる。すなわち、第3電源234は、選択状態の走査線110に電位を与え、第2電源232は、非選択状態の走査線110に電位を与える。
【0015】
例えば、第p行に対応する走査信号G[p]が選択電圧に維持されている期間では、第p行に対応する走査線110が選択状態であり、第p行のn個の画素122の各々が有する各液晶123cは、n本の信号線111にそれぞれ電気的に接続される。なお、pは、1~mの自然数である。また、走査信号G[p]が非選択電圧に維持されている期間では、第p行に対応する走査線110が非選択状態であり、第p行のn個の画素122の各々が有する各液晶123cとn本の信号線111との間の電気的な接続状態は、非導通状態である。
【0016】
k個のデマルチプレクサー140[1]~130[k]は、k個の信号線群にそれぞれ対応している。例えば、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]は、信号線駆動回路210からk本のデータ線112[1]~112[k]にそれぞれ供給される画像信号Sをそれぞれ受ける。なお、本実施形態では、信号線111を8本単位で区分しているため、1本のデータ線112に8画素分の画像信号Sが信号線駆動回路210から時分割で供給される。したがって、各デマルチプレクサー140は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111に画像信号Sを時分割で供給する。
【0017】
各デマルチプレクサー140は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111にそれぞれ接続される8個の書き込みスイッチ142[1]~142[8]を有する。すなわち、iを1~kの自然数とすると、デマルチプレクサー140[i]の8個の書き込みスイッチ142[1]~142[8]の各々の一方の接点は、8×i-7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、デマルチプレクサー140[i]の8個の書き込みスイッチ142[1]~142[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、データ線112[i]に共通に接続される。k本のデータ線112[1]~112[k]は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。なお、電気光学パネル100の端子配置は、例えば、
図13に示す電気光学パネル100Aの端子配置と同様である。
【0018】
書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、例えば、TFT(thin film transistor)等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける書き込み選択信号SL[1]~SL[8]のレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、Pチャネル型のトランジスターでもよいし、TFT以外のスイッチング素子でもよい。以下では、書き込み選択信号SL[j]で制御される書き込みスイッチ142[j]は、第j系列の書き込みスイッチ142とも称される。なお、jは、1以上8以下の自然数である。また、第j系列の書き込みスイッチ142[j]に接続される信号線111は、第j系列の信号線111とも称される。したがって、書き込み選択信号SLの符号の角括弧内の数字等は、制御対象の信号線111の系列番号に対応する。同様に、後述するプリチャージ制御信号PSLの角括弧内の数字等も、制御対象の信号線111の系列番号に対応する。
【0019】
各デマルチプレクサー140の8個の書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、書き込み選択信号SL[1]~SL[8]を、駆動用集積回路200の信号線駆動回路210から書き込み選択信号線114を介して受ける。書き込み選択信号線114は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。書き込み選択信号SL[1]~SL[8]は、信号線111に画像信号Sを出力する開始タイミングを指定する。
【0020】
例えば、1個の書き込み選択信号SL[1]がハイレベル、他の7個の書き込み選択信号SL[2]~SL[8]がローレベルである場合には、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]の各々に含まれるk個の書き込みスイッチ142[1]のみが導通状態となる。したがって、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]の各々は、k本のデータ線112に供給される画像信号Sを各信号線群の第1系列の信号線111にそれぞれ出力する。以下、同様にして、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]の各々は、k本のデータ線112に供給される画像信号Sを各信号線群の第2系列、第3系列、第4系列、第5系列、第6系列、第7系列および第8系列の信号線111にそれぞれ出力する。
【0021】
プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]に基づいて信号線111にプリチャージ信号PRCを供給する。なお、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]は、信号線駆動回路210からプリチャージ制御信号線113を介してプリチャージ回路150に供給される。また、プリチャージ信号PRCは、プリチャージ電源220からプリチャージ電源線115を介してプリチャージ回路150に供給される。すなわち、プリチャージ制御信号線113は、プリチャージ回路150にプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]を供給し、プリチャージ電源線115は、プリチャージ回路150にプリチャージ信号PRCを供給する。
【0022】
例えば、プリチャージ回路150は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]と、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路170[1]~170[k]とを有する。
【0023】
各プリチャージ選択回路160は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111にそれぞれ接続される8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]を有する。すなわち、プリチャージスイッチ162は、信号線111に対応して設けられる。例えば、プリチャージ選択回路160[i]の8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]の各々の一方の接点は、8×i-7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、プリチャージ選択回路160[i]の8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115に共通に接続される。プリチャージ電源線115は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200のプリチャージ電源220に接続される。
【0024】
プリチャージスイッチ162[1]~162[8]は、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]に応じて、信号線111とプリチャージ電源線115との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える。例えば、プリチャージスイッチ162[1]~162[8]は、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受けるプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]のレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、プリチャージスイッチ162[1]~162[8]は、Pチャネル型のトランジスターでもよいし、TFT以外のスイッチング素子でもよい。プリチャージスイッチ162は、プリチャージ用のスイッチング素子の一例である。
【0025】
各プリチャージ選択回路160の8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]は、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]を、駆動用集積回路200の信号線駆動回路210からプリチャージ制御信号線113およびスイッチ駆動回路170を介して受ける。プリチャージ制御信号線113は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200の信号線駆動回路210に接続される。プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]は、信号線111にプリチャージ信号PRCを出力する開始タイミングを指定する。
【0026】
例えば、1個のプリチャージ制御信号PSL[1]がハイレベル、他の7個のプリチャージ制御信号PSL[2]~PSL[8]がローレベルである場合には、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]の各々に含まれるk個のプリチャージスイッチ162[1]のみが導通状態となる。したがって、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]の各々は、プリチャージ電源線115に供給されるプリチャージ信号PRCを各信号線群の第1系列の信号線111にそれぞれ出力する。以下、同様にして、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]の各々は、プリチャージ電源線115に供給されるプリチャージ信号PRCを各信号線群の第2系列、第3系列、第4系列、第5系列、第6系列、第7系列および第8系列の信号線111にそれぞれ出力する。
【0027】
各スイッチ駆動回路170は、第1電源230および第3電源234から供給される電源電圧で動作する8個のバッファー回路172[1]~172[8]を有する。例えば、バッファー回路172は、直列に接続される偶数個のインバーターにより構成される。なお、バッファー回路172の構成は、直列に接続される偶数個のインバーターに限定されない。
【0028】
スイッチ駆動回路170[i]の8個のバッファー回路172[1]~172[8]の入力端子は、第1系列から第8系列までの8本のプリチャージ制御信号線113にそれぞれ接続される。そして、スイッチ駆動回路170[i]の8個のバッファー回路172[1]~172[8]の出力端子は、プリチャージ選択回路160[i]の8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]の制御端子にそれぞれ接続される。すなわち、バッファー回路172は、プリチャージ制御信号線113を介して受けるプリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162の制御端子に出力する。
【0029】
駆動用集積回路200は、信号線駆動回路210と走査線駆動回路130とプリチャージ回路150とを同期制御する。信号線駆動回路210は、8画素分の画像信号Sを時系列的なシリアル信号として、各デマルチプレクサー140に出力する。例えば、信号線駆動回路210は、画像信号S[1]~S[8]をデマルチプレクサー140[1]に順番に出力するとともに、画像信号S[n-7]~S[n]をデマルチプレクサー140[k]に順番に出力する。同じ系列の信号線111に供給される画像信号Sは、信号線駆動回路210から各デマルチプレクサー140に並列に出力される。すなわち、信号線駆動回路210は、同じ系列の信号線111に供給するそれぞれの画像信号Sを、複数の信号線群の各々に並列に出力する。
【0030】
第1電源230は、第1の低電位側電源線116に電位を与え、第2電源232は、第2の低電位側電源線117に電位を与える。この結果、例えば、第1の低電位側電源線116に第1電源電圧VSSXが供給され、第2の低電位側電源線117に第2電源電圧VSSYが供給される。なお、第1電源230および第2電源232は、互いに分離している。
【0031】
第3電源234は、第1の低電位側電源線116に与えられる電位および第2の低電位側電源線117に与えられる電位より高い電位を、高電位側電源線118に与える。この結果、第1電源電圧VSSXおよび第2電源電圧VSSYより高い第3電源電圧VDDYが高電位側電源線118に供給される。
【0032】
すなわち、第1電源230は、バッファー回路172に電源電圧を供給する高電位側電源線118および第1の低電位側電源線116のうちの第1の低電位側電源線116に電位を与える。また、第2電源232は、第1電源230とは分離され、非選択状態の走査線110に電位を与える。第2電源232が第1電源230から分離されているため、第1電源230の電位変動が走査線110に与える影響を低減することができる。次に、
図3を用いて、画素122の構成を説明する。
【0033】
図3は、画素122の構成を示す回路図である。各画素122は、液晶素子123、保持容量124および画素トランジスター125を有する。液晶素子123は、互いに対向する画素電極123aおよびコモン電極123bと、画素電極123aおよびコモン電極123b間に配置される液晶123cとを含む電気光学素子である。画素電極123aとコモン電極123bとの間の印加電圧に応じて液晶123cの透過率が変化することにより、表示階調が変化する。なお、コモン電極123bには、図示しないコモン線を介して、一定の電圧であるコモン電圧Vcomが供給される。
【0034】
保持容量124は、液晶素子123と並列に設けられている。保持容量124の一方の端子は、画素トランジスター125に接続され、他方の端子は、図示しない容量線を介してコモン電極123bに接続される。
【0035】
画素トランジスター125は、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、液晶素子123と信号線111との間に設けられる。そして、画素トランジスター125は、ゲートに接続される走査線110に供給される走査信号Gのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。すなわち、画素トランジスター125は、液晶素子123と信号線111との間の電気的な接続を制御する。例えば、走査信号G[p]が選択電圧に設定されることで、第p行目の各画素122における画素トランジスター125が同時またはほぼ同時に導通状態に遷移する。
【0036】
画素トランジスター125が導通状態に制御されると、液晶素子123には、信号線111から供給される画像信号Sが印加される。液晶123cは、画像信号Sが印加されることにより、画像信号Sに基づく透過率に設定される。また、図示しない光源が点灯状態になると、光源から出射される光は、画素122が有する液晶素子123の液晶123cを透過して、電気光学装置1の外部に出力される。すなわち、液晶素子123に画像信号Sが印加され、かつ、光源が点灯状態となることで、画素122は、画像信号Sに基づく階調を表示する。
【0037】
また、液晶素子123と並列に設けられる保持容量124は、液晶素子123に印加される電圧に充電される。すなわち、各画素122は、画像信号Sに対応する電位を保持容量124に保持する。次に、
図4を参照して、電気光学装置1の動作を説明する。
【0038】
図4は、第1実施形態に係る電気光学装置1の動作タイミングの一例を示す図である。なお、
図4は、正極性駆動における各水平走査期間Hの動作タイミングを示す。
【0039】
第1水平走査期間H[1]は、画像信号Sに基づくビデオ電圧を1行目の画素122に書き込むための水平走査期間Hである。第1水平走査期間H[1]では、1行目の走査線110に供給される走査信号G[1]の電位がハイレベルに設定される。1行目以外の走査線110に供給される走査信号G[2]~G[m]は、ローレベルに維持される。書き込み選択信号SL[1]~SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[1]~SL[8]の順に切り替わる。すなわち、第1系列の信号線111から第8系列の信号線111までの各系列の信号線111に対して、画像信号Sの供給期間が順番に割り当てられる。この結果、各系列の信号線111に画像信号Sが順番に供給される。
【0040】
また、書き込み選択信号SL[1]~SL[7]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[2]~PSL[8]の各々のハイレベル期間が切り替わる。例えば、プリチャージ制御信号PSL[2]は、書き込み選択信号SL[1]がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。プリチャージ制御信号PSL[2]がハイレベルに維持されている第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線111に対するプリチャージが実行される。すなわち、第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線111にプリチャージ信号PRCが供給される。このため、第2系列の信号線111は、プリチャージ信号PRCに基づく正極性のプリチャージ電圧Vprcpに充電される。なお、第1水平走査期間H[1]では、プリチャージ制御信号PSL[1]は、ローレベルに維持される。
【0041】
第2水平走査期間H[2]では、2行目の走査線110に供給される走査信号G[2]の電位がハイレベルに設定され、2行目以外の走査線110に供給される走査信号Gは、ローレベルに維持される。第2水平走査期間H[2]では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線111に画像信号Sを順番に供給する際の順番が第1水平走査期間H[1]と異なる。例えば、書き込み選択信号SL[1]~SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[2]~SL[8]、SL[1]の順に切り替わる。書き込み選択信号SL[2]~SL[8]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[3]~PSL[8]、PSL[1]の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。なお、第2水平走査期間H[2]では、プリチャージ制御信号PSL[2]は、ローレベルに維持される。
【0042】
第m水平走査期間H[m]では、m行目の走査線110に供給される走査信号G[m]の電位がハイレベルに設定され、m行目以外の走査線110に供給される走査信号Gは、ローレベルに維持される。
図4に示す例では、mは8の倍数である。第m水平走査期間H[m]では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線111に画像信号Sを順番に供給する際の順番が第1水平走査期間H[1]と異なる。例えば、書き込み選択信号SL[1]~SL[8]の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SL[8]、SL[1]~SL[7]の順に切り替わる。書き込み選択信号SL[8]、SL[1]~SL[6]の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[7]の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。なお、第m水平走査期間H[m]では、プリチャージ制御信号PSL[8]は、ローレベルに維持される。
図4に示す動作タイミングでは、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線111を8つの水平走査期間Hで異ならせる。
【0043】
なお、負極性駆動における各水平走査期間Hの動作タイミングでは、プリチャージ動作で、プリチャージ信号PRCに基づく負極性のプリチャージ電圧に信号線111が充電される。走査信号G、書き込み選択信号SLおよびプリチャージ制御信号PSLは、正極性駆動の場合と同様に制御される。
【0044】
ところで、プリチャージスイッチ162を駆動する際の駆動負荷が大きくなるほど、プリチャージスイッチ162の状態を切り替えるバッファー回路172の駆動電流、すなわち、バッファー回路172の消費電流が大きくなる。このため、バッファー回路172に電源電圧を供給する高電位側電源線118および第1の低電位側電源線116には、プリチャージスイッチ162の状態を切り替える度に、ノイズが重畳される。例えば、第1の低電位側電源線116の電圧である第1電源電圧VSSXは、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]のいずれかがハイレベルからローレベルに遷移する度に、第1の低電位側電源線116の配線抵抗によって上昇して元のレベルに戻る。
【0045】
例えば、電気光学装置1の構成と異なる構成として、バッファー回路172と走査線駆動回路130とで電源が共有される構成が考えられる。バッファー回路172と走査線駆動回路130とで低電位側の電源が共有される場合、すなわち、第1の低電位側電源線116に第2電源232から電圧が供給される場合、
図4に示す第1の低電位側電源線116の電位変動と同様のノイズが非選択状態の走査線110に重畳される。例えば、非選択状態の走査線110の電圧が
図4の一点鎖線で示すレベルより高くなると、
図3の画素トランジスター125が導通状態に遷移し、画素122からリーク電流が発生する。この場合、画素122からリーク電流が発生することにより表示画像の画質が低下する。
【0046】
これに対し、電気光学装置1では、バッファー回路172の低電位側の電源である第1電源230と、走査線駆動回路130の低電位側の電源である第2電源232とが互いに分離されているため、プリチャージ動作に伴う電位変動は、非選択状態の走査線110に重畳されない。このため、電気光学装置1では、画像信号Sに基づく電位を保持している画素122からリーク電流が発生することを低減でき、表示画像の画質低下を抑制できる。なお、バッファー回路172が、直列に接続される偶数個のインバーターにより構成される場合、最終段のインバーターを含む一部のインバーターの低電位側の電源が走査線駆動回路130の低電位側の電源である第2電源232から分離され、他のインバーターの低電位側の電源は第2電源232と共有されてもよい。この場合でも、画像信号Sに基づく電位を保持している画素122からリーク電流が発生することを低減できる。
【0047】
また、電気光学装置1では、バッファー回路172がプリチャージスイッチ162の制御端子を制御するため、プリチャージスイッチ162の制御端子をプリチャージ制御信号線113で直接制御する場合に比べて、駆動負荷の大きいプリチャージスイッチ162を駆動できる。すなわち、高速にプリチャージ可能なプリチャージスイッチ162を駆動することができる。
【0048】
以上、第1実施形態では、電気光学装置1の電気光学パネル100は、プリチャージスイッチ162およびバッファー回路172を含むプリチャージ回路150を有する。プリチャージスイッチ162は、プリチャージ制御信号線113に応じて、信号線111とプリチャージ電源線115との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える。バッファー回路172は、プリチャージ制御信号線113を介して受けるプリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。この結果、プリチャージスイッチ162の制御端子をプリチャージ制御信号線113で直接制御する場合に比べて、駆動負荷の大きいプリチャージスイッチ162を駆動することができる。すなわち、高速にプリチャージ可能なプリチャージスイッチ162を駆動することができる。
【0049】
さらに、電気光学装置1は、バッファー回路172に電源電圧を供給する高電位側電源線118および第1の低電位側電源線116のうちの第1の低電位側電源線116に電位を与える第1電源230と、第1電源230とは分離され、非選択状態の走査線110に電位を与える第2電源232とを有する。電気光学装置1では、バッファー回路172の低電位側の電源である第1電源230と、走査線駆動回路130の低電位側の電源である第2電源232とが互いに分離されているため、プリチャージ動作に伴う電位変動が非選択状態の走査線110に重畳されることを抑制できる。この結果、電気光学装置1では、画像信号Sに基づく電位を保持している画素122からリーク電流が発生することを低減でき、表示画像の画質低下を抑制できる。
【0050】
<第2実施形態>
第2実施形態と第1実施形態の主な相違点は、
図5に示す電気光学パネル100Aが信号線111の断線等の検査に使用される検査選択回路180を有する点である。
【0051】
図5は、第2実施形態に係る電気光学装置1Aの構成を示すブロック図である。
図1から
図4で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図5の第1方向D1は、電気光学パネル100Aにおいて、画像信号Sが入力される信号線111の入力端を始点にして信号線111の延在する方向を示す。
【0052】
電気光学装置1Aは、
図1の電気光学パネル100の代わりに電気光学パネル100Aを有することを除いて、
図1の電気光学装置1と同一である。例えば、電気光学装置1Aは、電気光学パネル100Aと、駆動用集積回路200と、
図1のフレキシブル回路基板300とを有する。駆動用集積回路200は、
図2の駆動用集積回路200と同一である。
【0053】
電気光学パネル100Aでは、検査選択回路180、
図6に示す第1の検査パッド183等の検査パッドおよび検査線119が
図2の電気光学パネル100に追加されている。また、電気光学パネル100Aは、
図2のプリチャージ回路150の代わりにプリチャージ回路151を有する。電気光学パネル100Aのその他の構成は、
図2の電気光学パネル100と同一である。例えば、電気光学パネル100Aは、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115、画素領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]、プリチャージ回路151および検査選択回路180を有する。また、電気光学パネル100Aは、
図6に示す第1の検査パッド183等の検査パッドおよび検査線119を有する。なお、
図5では、図を見やすくするために、検査パッドの記載を省略している。
【0054】
プリチャージ回路151は、
図2のプリチャージ選択回路160の代わりにプリチャージ選択回路161を有することを除いて、
図2のプリチャージ回路150と同一である。例えば、プリチャージ回路151は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路161[1]~161[k]と、k個のプリチャージ選択回路161[1]~161[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路170[1]~170[k]とを有する。プリチャージ回路151の詳細は、
図6で説明する。
【0055】
検査選択回路180は、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]をプリチャージ回路151に出力する。検査選択回路180の詳細は、
図6で説明する。
【0056】
図6は、プリチャージ回路151および検査選択回路180の構成を示す回路図である。
図6の第1方向D1の意味は、
図5の第1方向D1と同じである。符号183~189は、検査工程等で使用される検査パッドを示す。例えば、第1の検査パッド183には、第1クロック信号CLKが供給され、第2の検査パッド184には、第1クロック信号CLKの反転信号である第2クロック信号CLKBが供給される。また、第3の検査パッド185には、スタートパルスDXが供給され、第4の検査パッド186には、検査モード信号TXが供給される。また、第5の検査パッド187[1]~187[8]は、8本のプリチャージ制御信号線113にそれぞれ接続され、第6の検査パッド188[1]~188[8]は、8本の検査線119にそれぞれ接続される。第7の検査パッド189には、第1電源電圧VSSXおよび第2電源電圧VSSYより高い第4電源電圧VDDXが供給される。なお、
図6では、図を見やすくするために、データ線112の検査パッド、書き込み選択信号線114の検査パッド、プリチャージ電源線115の検査パッドおよび第1の低電位側電源線116の検査パッド等の記載を省略している。
【0057】
プリチャージ回路151は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路161[1]~161[k]と、k個のプリチャージ選択回路161[1]~161[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路170[1]~170[k]とを有する。スイッチ駆動回路170は、
図2のスイッチ駆動回路170と同一である。
【0058】
プリチャージ選択回路161は、検査スイッチ163が
図2のプリチャージ選択回路160に追加されることを除いて、
図2のプリチャージ選択回路160と同一である。例えば、各プリチャージ選択回路161は、対応する信号線群に含まれる8本の信号線111にそれぞれ接続される8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]と、8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]にそれぞれ対応して設けられる8個の検査スイッチ163[1]~163[8]とを有する。プリチャージスイッチ162[1]~162[8]は、
図2のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]と同一である。
【0059】
プリチャージ選択回路161[i]の8個の検査スイッチ163[1]~163[8]の各々の一方の接点は、8×i-7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。すなわち、8個の検査スイッチ163[1]~163[8]の各々の一方の接点は、対応するプリチャージスイッチ162の一方の接点に接続される。また、プリチャージ選択回路161[i]の8個の検査スイッチ163[1]~163[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、8本の検査線119にそれぞれ接続される。
【0060】
プリチャージ選択回路161[i]の8個の検査スイッチ163[1]~163[8]の各々の制御端子は、互いに接続され、検査制御信号SOUT[i]を検査選択回路180から受ける。プリチャージ選択回路161[i]の8個の検査スイッチ163[1]~163[8]は、検査制御信号SOUT[i]に応じて、信号線111と検査線119との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える。
【0061】
例えば、検査スイッチ163[1]~163[8]は、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける検査制御信号SOUTのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、検査スイッチ163[1]~163[8]は、Pチャネル型のトランジスターでもよいし、TFT以外のスイッチング素子でもよい。検査スイッチ163は、検査用のスイッチング素子の一例である。
【0062】
検査スイッチ163は、通常動作時には使用されないため、プリチャージスイッチ162に比べて駆動能力を小さくできる。このため、検査スイッチ163とプリチャージスイッチ162とが信号線111に接続される電気光学装置1Aでは、検査スイッチ163の駆動能力をプリチャージスイッチ162に比べて小さくすることで、信号線111からのリーク電流を低減でき、表示画像の画質低下を抑制できる。例えば、検査スイッチ163を第1のトランジスターとし、プリチャージスイッチ162を第2のトランジスターとする場合、第1のトランジスターのゲート幅Wおよびゲート長Lの比W/Lは、第2のトランジスターのゲート幅Wおよびゲート長Lの比W/Lより小さい。
【0063】
検査選択回路180は、例えば、第7の検査パッド189および第2の低電位側電源線117から供給される電源電圧で動作するシフトレジスターであり、検査スイッチ163の状態を制御する検査制御信号SOUTを検査スイッチ163に出力する。例えば、検査選択回路180は、第1のクロックドインバーター181a、第1のインバーター181b、第2のクロックドインバーター181cおよびk個の単位回路182[1]~182[k]を有する。
【0064】
第1のクロックドインバーター181aの入力端子は、第3の検査パッド185に接続され、第1のクロックドインバーター181aの出力端子は、第1のインバーター181bの入力端子に接続される。そして、第1のクロックドインバーター181aは、第1クロック信号CLKと第2クロック信号CLKBに基づいて動作する。なお、
図6では、第1のクロックドインバーター181aに第2クロック信号CLKBを供給する信号経路の記載を省略している。例えば、第1のクロックドインバーター181aは、第1クロック信号CLKがハイレベル、かつ第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベル、かつ第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
【0065】
第1のインバーター181bは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第1のインバーター181bの入力端子は、第1のクロックドインバーター181aの出力端子および第2のクロックドインバーター181cの出力端子に接続される。第1のインバーター181bの出力端子は、第2のクロックドインバーター181cの入力端子および単位回路182[1]の入力端子に接続される。
【0066】
第2のクロックドインバーター181cの入力端子は、第1のインバーター181bの出力端子に接続され、第2のクロックドインバーター181cの出力端子は、第1のインバーター181bの入力端子に接続される。そして、第2のクロックドインバーター181cは、第2クロック信号CLKBと第1クロック信号CLKに基づいて動作する。なお、
図6では、第2のクロックドインバーター181cに第1クロック信号CLKを供給する信号経路の記載を省略している。例えば、第2のクロックドインバーター181cは、第2クロック信号CLKBがハイレベル、かつ第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベル、かつ第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
【0067】
k個の単位回路182[1]~182[k]の各々は、例えば、シフトレジスターの各段に対応する。例えば、各単位回路182は、第3のクロックドインバーター182a、第2のインバーター182b、第4のクロックドインバーター182c、第1の否定論理積回路182d、第3のインバーター182eおよび検査モード制御スイッチ182fを有する。
【0068】
単位回路182[1]等の奇数番目の単位回路182の第3のクロックドインバーター182aは、第2クロック信号CLKBと第1クロック信号CLKに基づいて動作し、第4のクロックドインバーター182cは、第1クロック信号CLKと第2クロック信号CLKBに基づいて動作する。なお、
図6では、奇数番目の単位回路182の第3のクロックドインバーター182aに第1クロック信号CLKを供給する信号経路と奇数番目の単位回路182の第4のクロックドインバーター182cに第2クロック信号CLKBを供給する信号経路との記載を省略している。
【0069】
また、単位回路182[2]等の偶数番目の単位回路182の第3のクロックドインバーター182aは、第1クロック信号CLKと第2クロック信号CLKBに基づいて動作し、第4のクロックドインバーター182cは、第2クロック信号CLKBと第1クロック信号CLKに基づいて動作する。なお、
図6では、偶数番目の単位回路182の第3のクロックドインバーター182aに第2クロック信号CLKBを供給する信号経路と偶数番目の単位回路182の第4のクロックドインバーター182cに第1クロック信号CLKを供給する信号経路との記載を省略している。
【0070】
単位回路182[i]が単位回路182[1]である場合、第3のクロックドインバーター182aの入力端子は、第1のインバーター181bの出力端子に接続され、第3のクロックドインバーター182aの出力端子は、第2のインバーター182bの入力端子に接続される。単位回路182[i]が単位回路182[2]~182[k]のいずれかである場合、第3のクロックドインバーター182aの入力端子は、前段の単位回路182[i-1]の第2のインバーター182bの出力端子に接続され、第3のクロックドインバーター182aの出力端子は、第2のインバーター182bの入力端子に接続される。
【0071】
単位回路182[i]が奇数番目の単位回路182である場合、第3のクロックドインバーター182aは、第2クロック信号CLKBがハイレベル、かつ第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベル、かつ第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。また、単位回路182[i]が偶数番目の単位回路182である場合、第3のクロックドインバーター182aは、第1クロック信号CLKがハイレベル、かつ第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベル、かつ第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
【0072】
単位回路182[i]の第2のインバーター182bは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第2のインバーター182bの入力端子は、第3のクロックドインバーター182aの出力端子および第4のクロックドインバーター182cの出力端子に接続される。単位回路182[i]が単位回路182[1]~182[k-1]のいずれかである場合、第2のインバーター182bの出力端子は、第4のクロックドインバーター182cの入力端子および次段の単位回路182[i+1]の入力端子に接続される。単位回路182[i]が単位回路182[k]である場合、第2のインバーター182bの出力端子は、第4のクロックドインバーター182cの入力端子に接続される。
【0073】
単位回路182[i]の第4のクロックドインバーター182cの入力端子は、第2のインバーター182bの出力端子に接続され、第4のクロックドインバーター182cの出力端子は、第2のインバーター182bの入力端子に接続される。単位回路182[i]が奇数番目の単位回路182である場合、第4のクロックドインバーター182cは、第1クロック信号CLKがハイレベル、かつ第2クロック信号CLKBがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第1クロック信号CLKがローレベル、かつ第2クロック信号CLKBがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。また、単位回路182[i]が偶数番目の単位回路182である場合、第4のクロックドインバーター182cは、第2クロック信号CLKBがハイレベル、かつ第1クロック信号CLKがローレベルの場合にインバーターとして動作し、第2クロック信号CLKBがローレベル、かつ第1クロック信号CLKがハイレベルの場合には出力端子をハイインピーダンスにする。
【0074】
単位回路182[i]の第1の否定論理積回路182dは、2つの入力端子で受ける信号の否定論理積の演算結果を出力する。第1の否定論理積回路182dの2つの入力端子は、第3のクロックドインバーター182aの入力端子および第2のインバーター182bの出力端子にそれぞれ接続され、第1の否定論理積回路182dの出力端子は、第3のインバーター182eの入力端子に接続される。
【0075】
単位回路182[i]の第3のインバーター182eは、入力端子で受ける信号の反転信号を出力する。第3のインバーター182eの入力端子は、第1の否定論理積回路182dの出力端子に接続される。また、第3のインバーター182eの出力端子は、検査モード制御スイッチ182fの一方の接点およびプリチャージ選択回路161[i]の8個の検査スイッチ163の制御端子に共通に接続される。
【0076】
単位回路182[i]の検査モード制御スイッチ182fの他方の接点、すなわち、第3のインバーター182eの出力端子に接続されていない接点には、低電位側の電源である第2電源232から第2電源電圧VSSYが供給される。例えば、検査モード制御スイッチ182fの他方の接点は、第2の低電位側電源線117に接続される。検査モード制御スイッチ182fの制御端子は、検査モード信号TXが供給される第4の検査パッド186に接続される。なお、第4の検査パッド186は、第3電源電圧VDDYが供給される高電位側電源線118にプルアップ抵抗を介して接続される。
【0077】
検査モード制御スイッチ182fは、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける検査モード信号TXのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、検査モード制御スイッチ182fは、TFT以外のスイッチング素子でもよい。
【0078】
図6に示す例では、プリチャージスイッチ162および検査スイッチ163は、画素122を含む画素領域120に対して第1方向D1の側に配置され、バッファー回路172は、プリチャージスイッチ162および検査スイッチ163に対して第1方向D1の側に配置され、検査選択回路180は、バッファー回路172に対して第1方向D1の側に配置される。
【0079】
バッファー回路172をプリチャージスイッチ162の近くに配置することにより、プリチャージスイッチ162を駆動する際の駆動負荷の増加を低減することができる。なお、検査スイッチ163の駆動能力は小さく、検査選択回路180における第3のインバーター182eから見た駆動負荷はプリチャージスイッチ162に比べて小さい。このため、検査スイッチ163と検査選択回路180との距離がプリチャージスイッチ162とバッファー回路172との距離より長くても、検査選択回路180は、検査スイッチ163を制御できる。次に、
図7および
図8を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査について説明する。
【0080】
図7は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する際に電気光学パネル100Aに供給する信号の一例を示す図である。信号線111の状態を検査する検査動作では、第1クロック信号CLKが第1の検査パッド183に供給され、第2クロック信号CLKBが第2の検査パッド184に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第4の検査パッド186に供給される。この場合、検査モード制御スイッチ182fは、非導通状態に設定される。
【0081】
互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの2周期分のスタートパルスDXが、第3の検査パッド185に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1.5周期分の検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。この結果、3つの検査制御信号SOUTがハイレベルになる期間が、第1クロック信号CLKおよび第2クロック信号CLKBのいずれかが立ち上がる度に順次シフトする。例えば、期間T[4]では、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[3]がハイレベルで、他の検査制御信号SOUT[4]~SOUT[k]は、ローレベルである。なお、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、ローレベルの電圧が印加される。このため、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]はローレベルに維持される。
【0082】
図8は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の説明図である。なお、
図8では、デマルチプレクサー140[1]および140[2]に接続される信号線111の短絡を検査する場合を例にして、短絡検査を説明する。例えば、上述の
図7における期間T[3]では、検査制御信号SOUT[1]およびSOUT[2]がハイレベルであるため、プリチャージ選択回路161[1]の検査スイッチ163[1]~163[8]およびプリチャージ選択回路161[2]の検査スイッチ163[1]~163[8]は、導通状態である。なお、デマルチプレクサー140[1]~140[k]の全ての書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、非導通状態に設定される。
【0083】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH1が存在する場合、第6の検査パッド188[1]と第6の検査パッド188[2]との間に電位差を与えることにより電流が流れるため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。なお、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111とが短絡していない場合、第6の検査パッド188[1]と第6の検査パッド188[2]との間に電位差を与えても、電流は流れない。
【0084】
また、例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第8系列の信号線111とデマルチプレクサー140[2]に対応する信号線群の第1系列の信号線111との間に短絡部SH2が存在する場合、第6の検査パッド188[1]と第6の検査パッド188[8]との間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。すなわち、奇数系列の検査線119と偶数系列の検査線119との組に電位差を与えることにより、互いに隣接する信号線111の短絡を検出することができる。次に、
図9および
図10を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
【0085】
図9は、信号線111の断線を検査する際に電気光学パネル100Aに供給する信号の一例を示す図である。信号線111の断線を検査する断線検査においても、短絡検査と同様に、第1クロック信号CLKが第1の検査パッド183に供給され、第2クロック信号CLKBが第2の検査パッド184に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第4の検査パッド186に供給される。また、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、ローレベルの電圧が印加される。
【0086】
信号線111の断線検査では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第3の検査パッド185に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの0.5周期分の検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。この結果、検査制御信号SOUTがハイレベルになる期間が、第1クロック信号CLKおよび第2クロック信号CLKBのいずれかが立ち上がる度に順次シフトする。
図10は、信号線111の断線を検査する断線検査の説明図である。なお、
図10では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111の断線を検査する場合を例にして、断線検査を説明する。例えば、上述の
図9における期間T[2]では、検査制御信号SOUT[1]がハイレベルであるため、プリチャージ選択回路161[1]の検査スイッチ163[1]~163[8]は、導通状態である。なお、デマルチプレクサー140[1]~140[k]の全ての書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、導通状態に設定される。
図10のバツ印は、断線を示す。
【0087】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC1が存在する場合、第6の検査パッド188[1]とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第6の検査パッド188[2]とデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、検査線119とデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。次に、
図11および
図12を参照して、プリチャージ信号PRCの経路の断線を検査する断線検査について説明する。
【0088】
図11は、プリチャージ信号PRCの経路の断線を検査する際に電気光学パネル100Aに供給する信号の一例を示す図である。プリチャージ信号PRCの経路の断線を検査する断線検査においても、信号線111の断線検査と同様に、第1クロック信号CLKが第1の検査パッド183に供給され、第2クロック信号CLKBが第2の検査パッド184に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第4の検査パッド186に供給される。なお、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、ハイレベルの電圧が印加される。このため、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]はハイレベルに維持される。
【0089】
プリチャージ信号PRCの経路の断線検査では、信号線111の断線検査と同様に、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第3の検査パッド185に供給される。したがって、信号線111の断線検査と同様に、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分の検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。
【0090】
図12は、プリチャージ信号PRCの経路の断線を検査する断線検査の説明図である。なお、
図12では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111にプリチャージ信号PRCを供給する際の経路の断線を検査する場合を例にして、断線検査を説明する。例えば、上述の
図11における期間T[2]では、検査制御信号SOUT[1]がハイレベルであるため、プリチャージ選択回路161[1]の検査スイッチ163[1]~163[8]は、導通状態である。また、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]がハイレベルに維持されるため、プリチャージスイッチ162[1]~162[8]も導通状態である。なお、デマルチプレクサー140[1]~140[k]の全ての書き込みスイッチ142[1]~142[8]は、非導通状態に設定される。
図10のバツ印は、断線を示す。
【0091】
例えば、プリチャージ電源線115からプリチャージ選択回路161[1]の検査スイッチ163[1]までの経路に断線部DC2が存在する場合、第6の検査パッド188[1]とプリチャージ電源線115の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、プリチャージ信号PRCの経路が断線していない場合、例えば、第6の検査パッド188[2]とプリチャージ電源線115の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、検査線119とプリチャージ電源線115との間に電位差を与えることにより、プリチャージ信号PRCの経路の断線を検出することができる。
【0092】
なお、画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、例えば、第1の検査パッド183、第2の検査パッド184、第3の検査パッド185、第4の検査パッド186、第5の検査パッド187[1]~187[8]、第6の検査パッド188[1]~188[8]および第7の検査パッド189等は、ハイインピーダンスに設定される。
【0093】
通常動作では、第4の検査パッド186がハイインピーダンスに設定されるため、検査モード信号TXは、プルアップ抵抗により、ハイレベルに維持される。この場合、検査モード制御スイッチ182fが導通状態に設定されるため、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]がローレベルに維持され、各プリチャージ選択回路161の検査スイッチ163[1]~163[8]は、非導通状態に設定される。この結果、プリチャージ回路151は、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]にしたがって、プリチャージを実行する。
【0094】
すなわち、検査選択回路180は、画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、検査制御信号SOUTを用いて、検査スイッチ163を非導通状態に設定する。通常動作時の電気光学装置1Aの動作タイミングは、例えば、
図4の動作タイミングと同じである。
【0095】
図13は、電気光学パネル100Aの端子配置の一例を示す図である。符号190は、上下導通点を示す。画像信号端子PN10は、信号線駆動回路210から画像信号Sを受ける端子である。プリチャージ制御信号端子PN11は、プリチャージ制御信号線113が接続される端子である。なお、
図13では、図を見やすくするために、複数のプリチャージ制御信号端子PN11のうちの1つを記載している。第1電源端子PN21は、バッファー回路172の低電位側電源線である第1の低電位側電源線116が接続される端子である。また、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bは、プリチャージ電源線115が接続される端子である。以下では、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bは、プリチャージ電源端子PN22aおよびPN22bを区別する必要が無い場合等、単に、プリチャージ電源端子PN22とも称される。
【0096】
図13に示す例では、電気光学パネル100Aにおいて、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方は、画像信号端子PN10が配置される辺に対向する辺に配置される。この場合、プリチャージ回路151に近い辺に配置される端子からプリチャージ信号PRC等が供給されるため、画像信号端子PN10が配置される辺と同じ辺に第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22が配置される場合に比べて、配線抵抗を小さくすることができる。この結果、プリチャージ回路151への電力供給を強化することができる。
【0097】
なお、電気光学パネル100Aにおいて、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方は、画像信号端子PN10が配置される辺に対向する辺以外で、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置されてもよい。また、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方が、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置されてもよい。
【0098】
また、電気光学パネル100Aにおいて、プリチャージ制御信号端子PN11は、画像信号端子PN10が配置される辺と同じ辺に配置される。この場合、プリチャージ制御信号端子PN11を第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22が配置される辺と同じ辺に配置する場合に比べて、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22等の端子の配置間隔を広くすることができる。加えて高速駆動すべき信号端子を同一辺に集約することになるので、駆動用集積回路200までの接続に好適な構成となる。同一の集積回路からプリチャージ制御信号PSL、画像信号S、書き込み選択信号SL等の各種信号を出力する構成が容易になるので、各信号間で精度よく同期させた駆動を実現できる。なお、プリチャージ制御信号端子PN11は、画像信号端子PN10が配置される辺と異なる辺に配置されてもよい。
【0099】
また、フレキシブル回路基板300は、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の両方を含む第2端子群PNG2に接続される。フレキシブル回路基板300のコネクター部320は、例えば、駆動用集積回路200に接続される。
図13では、画像信号端子PN10を含む第1端子群PNG1に接続されるフレキシブル回路基板300の記載を省略している。なお、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方が、画像信号端子PN10が配置される辺とは異なる辺に配置される場合、
図13のフレキシブル回路基板300は、第1電源端子PN21およびプリチャージ電源端子PN22の一方を含む端子群に接続される。
【0100】
また、フレキシブル回路基板300の複数の配線のうち、プリチャージ電源端子PN22に接続される配線と第1電源端子PN21に接続される配線との間に、安定化容量が設けられてもよい。さらに、フレキシブル回路基板300の複数の配線のうち、コモン電圧Vcomが供給される配線と第1電源端子PN21に接続される配線との間に、安定化容量が設けられてもよい。
【0101】
プリチャージ電源端子PN22の大きさがプロービング可能な大きさである場合、プリチャージ電源線115の検査パッドは、省かれてもよい。同様に、第1電源端子PN21の大きさがプロービング可能な大きさである場合、第1の低電位側電源線116の検査パッドは、省かれてもよい。
【0102】
以上、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態では、電気光学パネル100Aは、信号線111と検査線119との間の電気的な接続状態を導通状態と非導通状態との間で切り替える検査スイッチ163と、検査スイッチ163の状態を制御する検査制御信号SOUTを検査スイッチ163に出力する検査選択回路180とを有する。このため、電気光学装置1Aは、互いに隣接する信号線111の短絡、信号線111の断線およびプリチャージ信号PRCの経路の断線等の検査を実行できる。
【0103】
<第3実施形態>
第3実施形態と第2実施形態の主な相違点は、第5の検査パッド187[2]~187[8]が第2実施形態の電気光学装置1Aから省かれる点である。
【0104】
図14は、第3実施形態に係る電気光学装置1Aのプリチャージ回路151および検査選択回路180の構成を示す回路図である。
図1から
図13で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図14に示す電気光学装置1Aは、第5の検査パッド187[2]~187[8]が第2実施形態の電気光学装置1Aから省かれることを除いて、第2実施形態の電気光学装置1Aと同一である。
【0105】
なお、プリチャージ制御信号線113に検査信号を供給する第5の検査パッド187[1]は、8本のプリチャージ制御信号線113のうちの第1系列のプリチャージ制御信号線113に接続される。すなわち、電気光学パネル100A内で複数のプリチャージ制御信号線113のうちの1つが第5の検査パッド187[1]に接続される。
【0106】
ここで、電気光学パネル100Aは、製造工程における切断工程で、電気光学パネル100Aの外形を規定する外形線LNSに沿って切断される。そして、8本のプリチャージ制御信号線113は、切断工程より前の工程である検査工程では、外形線LNSをまたいで配置され、電気光学パネル100Aの外側で互いに接続されている。このため、互いに隣接する信号線111の短絡、信号線111の断線およびプリチャージ信号PRCの経路の断線等の検査では、8本のプリチャージ制御信号線113のレベルを、1つの第5の検査パッド187で、ハイレベルまたはローレベルに設定することができる。互いに隣接する信号線111の短絡、信号線111の断線およびプリチャージ信号PRCの経路の断線等の検査では、8本のプリチャージ制御信号線113は、互いに同じレベルに設定されるため、第5の検査パッド187を1つに削減することができる。なお、切断工程の後では、8本のプリチャージ制御信号線113は、互いに分離される。
【0107】
以上、第3実施形態においても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態では、電気光学パネル100A内で複数のプリチャージ制御信号線113のうちの1つが、プリチャージ制御信号線113に検査信号を供給する第5の検査パッド187[1]に接続される。したがって、第3実施形態では、
図6の構成から第5の検査パッド187[2]~187[8]を省くことができ、検査パッドの数を削減できる。
【0108】
<第4実施形態>
第4実施形態と第1実施形態の主な相違点は、
図15に示す電気光学パネル100Bが信号線111の状態の検査に使用される検査選択回路180Mを有する点である。
【0109】
図15は、第4実施形態に係る電気光学装置1Bの構成を示すブロック図である。
図1から
図14で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0110】
電気光学装置1Bは、
図1の電気光学パネル100の代わりに電気光学パネル100Bを有することを除いて、
図1の電気光学装置1と同一である。例えば、電気光学装置1Bは、電気光学パネル100Bと、駆動用集積回路200と、
図1のフレキシブル回路基板300とを有する。駆動用集積回路200は、
図2の駆動用集積回路200と同一である。
【0111】
電気光学パネル100Bでは、検査選択回路180M、
図16に示す第1の検査パッド183等の検査パッドが
図2の電気光学パネル100に追加されている。また、電気光学パネル100Bは、
図2のプリチャージ回路150の代わりにプリチャージ回路152を有する。電気光学パネル100Bのその他の構成は、
図2の電気光学パネル100と同一である。例えば、電気光学パネル100Bは、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115、画素領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]、プリチャージ回路152および検査選択回路180Mを有する。また、電気光学パネル100Bは、
図16に示す第1の検査パッド183等の検査パッドを有する。なお、
図15では、図を見やすくするために、検査パッドの記載を省略している。
【0112】
プリチャージ回路152は、
図2のスイッチ駆動回路170の代わりにスイッチ駆動回路171を有することを除いて、
図2のプリチャージ回路150と同一である。例えば、プリチャージ回路151は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]と、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路171[1]~171[k]とを有する。プリチャージ回路152の詳細は、
図16で説明する。
【0113】
検査選択回路180Mは、信号線111を検査する検査動作において、複数の信号線111のうちの検査対象の信号線111に対応するプリチャージスイッチ162を選択する検査制御信号SOUTを、スイッチ駆動回路171に出力する。なお、検査選択回路180Mは、検査モード制御スイッチ182fの接続先、検査制御信号SOUTの出力先および第3のインバーター182eの電源を除いて、
図6の検査選択回路180と同一である。検査選択回路180Mの詳細は、
図16で説明する。
【0114】
図16は、プリチャージ回路152および検査選択回路180Mの構成を示す回路図である。電気光学パネル100Bは、
図6の第6の検査パッド188[1]~188[8]の代わりに、プリチャージ電源線115に接続される第8の検査パッド188aを有する。第1の検査パッド183、第2の検査パッド184、第3の検査パッド185、第4の検査パッド186、第5の検査パッド187[1]~187[8]および第7の検査パッド189は、
図6の各検査パッドと同一である。なお、
図16では、図を見やすくするために、データ線112の検査パッド、書き込み選択信号線114の検査パッドおよび第1の低電位側電源線116の検査パッド等の記載を省略している。
【0115】
プリチャージ回路152は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]と、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路171[1]~171[k]とを有する。プリチャージ選択回路160は、
図2のプリチャージ選択回路160と同一である。
【0116】
各スイッチ駆動回路171は、第1電源230および第3電源234から供給される電源電圧で動作する8個の第2の否定論理積回路173[1]~173[8]と、第1電源230および第3電源234から供給される電源電圧で動作する8個の第4のインバーター174[1]~174[8]とを有する。すなわち、第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174の低電位側の電源は、走査線駆動回路130の低電位側の電源である第2電源232から分離される。なお、第4のインバーター174の低電位側の電源が第2電源232から分離され、第2の否定論理積回路173の低電位側の電源は第2電源232と共有されてもよい。
【0117】
スイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[j]は、2つの入力端子で受ける信号の否定論理積の演算結果を、スイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]に出力する。なお、iは、1~kの自然数であり、jは、1以上8以下の自然数である。スイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[j]の2つの入力端子は、後述する単位回路182M[i]の第3のインバーター182eの出力端子および第5の検査パッド187[j]にそれぞれ接続される。
【0118】
スイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]は、入力端子で受ける信号の反転信号をプリチャージ選択回路160[i]のプリチャージスイッチ162[j]の制御端子に出力する。直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、プリチャージスイッチ162に対応して設けられる。
【0119】
信号線111を検査する検査動作では、スイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[j]は、検査制御信号SOUT[i]がハイレベルである場合、プリチャージ制御信号PSL[j]の反転信号をスイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]に出力する。このため、スイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]は、プリチャージ制御信号PSL[j]をプリチャージ選択回路160[i]のプリチャージスイッチ162[j]の制御端子に出力する。また、スイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[j]は、検査制御信号SOUT[i]がローレベルである場合、検査制御信号SOUT[i]の反転信号をスイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]に出力する。このため、スイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]は、ローレベルの検査制御信号SOUT[i]をプリチャージ選択回路160[i]のプリチャージスイッチ162[j]の制御端子に出力する。
【0120】
また、画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]は、ハイレベルに維持される。したがって、通常動作では、スイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[j]は、プリチャージ制御信号PSL[j]の反転信号をスイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]に出力する。このため、スイッチ駆動回路171[i]の第4のインバーター174[j]は、プリチャージ制御信号PSL[j]をプリチャージ選択回路160[i]のプリチャージスイッチ162[j]の制御端子に出力する。
【0121】
なお、
図16に示す例では、プリチャージ選択回路160[i]のプリチャージスイッチ162に接続される信号線111が検査対象として選択される場合、検査制御信号SOUT[i]がハイレベルに設定される。すなわち、直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ162が検査制御信号SOUTにより選択されている場合、プリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。また、直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ162が検査制御信号SOUTで選択されていない場合、プリチャージスイッチ162を非導通状態に設定する。そして、直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、通常動作では、プリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、プリチャージ制御信号線113を介して受けるプリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力するバッファー回路の一例である。
【0122】
検査選択回路180Mは、
図6の単位回路182の代わりに単位回路182Mを有することを除いて、
図6の検査選択回路180と同一である。例えば、検査選択回路180Mは、第1のクロックドインバーター181a、第1のインバーター181b、第2のクロックドインバーター181cおよびk個の単位回路182M[1]~182M[k]を有する。
【0123】
単位回路182Mは、検査モード制御スイッチ182fの接続先、検査制御信号SOUTの出力先および第3のインバーター182eの電源を除いて、
図6の単位回路182と同一である。例えば、各単位回路182Mは、第3のクロックドインバーター182a、第2のインバーター182b、第4のクロックドインバーター182c、第1の否定論理積回路182d、第3のインバーター182eおよび検査モード制御スイッチ182fを有する。
【0124】
第3のクロックドインバーター182a、第2のインバーター182b、第4のクロックドインバーター182cおよび第1の否定論理積回路182dは、例えば、第7の検査パッド189および第2の低電位側電源線117から供給される電源電圧で動作する。第3のインバーター182eおよび検査モード制御スイッチ182fは、高電位側電源線118から供給される第3電源電圧VDDYと第1の低電位側電源線116から供給される第1電源電圧VSSXとを電源として動作する。すなわち、第3のインバーター182eおよび検査モード制御スイッチ182fは、第1電源230および第3電源234から供給される電源電圧で動作する。なお、第3のインバーター182eおよび検査モード制御スイッチ182fは、第2電源232および第3電源234から供給される電源電圧で動作してもよい。
【0125】
単位回路182M[i]の第3のインバーター182eは、検査制御信号SOUT[i]をスイッチ駆動回路171[i]の第2の否定論理積回路173[1]~173[8]に出力する。単位回路182[i]の検査モード制御スイッチ182fの一方の接点は、単位回路182M[i]の第3のインバーター182eの入力端子に接続される。単位回路182[i]の検査モード制御スイッチ182fの他方の接点、すなわち、第3のインバーター182eの入力端子に接続されていない接点には、低電位側の電源である第1電源230から第1電源電圧VSSXが供給される。例えば、検査モード制御スイッチ182fの他方の接点は、第1の低電位側電源線116に接続される。検査モード制御スイッチ182fの制御端子は、検査モード信号TXが供給される第4の検査パッド186に接続される。
【0126】
図16に示す例では、プリチャージスイッチ162は、画素122を含む画素領域120に対して第1方向D1の側に配置され、第4のインバーター174は、プリチャージスイッチ162に対して第1方向D1の側に配置され、検査選択回路180Mは、第4のインバーター174に対して第1方向D1の側に配置される。第4のインバーター174をプリチャージスイッチ162の近くに配置することにより、プリチャージスイッチ162を駆動する際の駆動負荷の増加を低減することができる。次に、
図17から
図19を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査および信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
【0127】
図17は、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100Bに供給する信号の一例を示す図である。信号線111の状態を検査する検査動作では、第1クロック信号CLKが第1の検査パッド183に供給され、第2クロック信号CLKBが第2の検査パッド184に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第4の検査パッド186に供給される。この場合、検査モード制御スイッチ182fは、非導通状態に設定される。
【0128】
検査動作では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第3の検査パッド185に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの0.5周期分の検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。なお、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内にプリチャージスイッチ162[1]~162[8]を順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]が供給される。
【0129】
例えば、期間T[2]では、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[1]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路160[1]のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[2]では、1列目から8列目までの信号線111がプリチャージ電源線115に順次接続される。
【0130】
また、例えば、期間T[k+1]では、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]のうちの検査制御信号SOUT[k]のみがハイレベルであるため、プリチャージ選択回路160[k]のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]が順番に導通状態に設定される。すなわち、期間T[k+1]では、n-7列目からn列目までの信号線111がプリチャージ電源線115に順次接続される。次に、
図18を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査について説明する。
【0131】
図18は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の説明図である。なお、
図18では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111の短絡を検査する場合を例にして、短絡検査を説明する。例えば、プリチャージスイッチ162[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に隣接する第2系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[2]および142[8]が書き込み選択信号SL[2]およびSL[8]により導通状態に設定される。
【0132】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH3が存在する場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。なお、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111とが短絡していない場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。次に、
図19を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
【0133】
図19は、信号線111の断線を検査する断線検査の説明図である。なお、
図19では、デマルチプレクサー140[1]に接続される信号線111の断線を検査する場合を例にして、断線検査を説明する。例えば、プリチャージスイッチ162[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]が書き込み選択信号SL[1]により導通状態に設定される。
図19のバツ印は、断線を示す。
【0134】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC3が存在する場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第8の検査パッド188aとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。
【0135】
なお、画像信号Sに応じて画像を表示する通常動作では、例えば、第1の検査パッド183、第2の検査パッド184、第3の検査パッド185、第4の検査パッド186、第5の検査パッド187[1]~187[8]、第7の検査パッド189および第8の検査パッド188a等は、ハイインピーダンスに設定される。
【0136】
通常動作では、第4の検査パッド186がハイインピーダンスに設定されるため、検査モード信号TXは、プルアップ抵抗により、ハイレベルに維持される。この場合、検査モード制御スイッチ182fが導通状態に設定されるため、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]がハイレベルに維持される。したがって、通常動作では、直列に接続される第2の否定論理積回路173および第4のインバーター174は、プリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。この結果、プリチャージ回路150は、プリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]にしたがって、プリチャージを実行する。通常動作時の電気光学装置1Aの動作タイミングは、例えば、
図4の動作タイミングと同じである。また、電気光学パネル100Bの端子配置は、例えば、
図13の電気光学パネル100Aの端子配置と同様である。
【0137】
以上、第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第4実施形態では、電気光学パネル100Bは、信号線111を検査する検査動作において、複数の信号線111のうちの検査対象の信号線111に対応するプリチャージスイッチ162を選択する検査制御信号SOUTを、バッファー回路の入力段として機能する第2の否定論理積回路173に出力する検査選択回路180Mを有する。バッファー回路の出力段として機能する第4のインバーター174は、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ162が検査制御信号SOUTにより選択されている場合、プリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。また、第4のインバーター174は、検査動作では、対応するプリチャージスイッチ162が検査制御信号SOUTにより選択されていない場合、プリチャージスイッチ162を非導通状態に設定する。そして、第4のインバーター174は、通常動作では、プリチャージ制御信号PSLをプリチャージスイッチ162に出力する。このため、電気光学装置1Bは、互いに隣接する信号線111の短絡および信号線111の断線等の検査を実行できる。また、電気光学パネル100Bでは、信号線111に接続される検査スイッチ163を設けることなく、信号線111の状態を検査できるため、
図6の構成に比べて、プリチャージスイッチ162および信号線111等を狭ピッチで配置することができる。
【0138】
<第5実施形態>
第5実施形態と第4実施形態の主な相違点は、
図20に示す電気光学パネル100Cが2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bを有する点である。
【0139】
図20は、第5実施形態に係る電気光学装置1Cの構成を示すブロック図である。
図1から
図19で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0140】
電気光学装置1Cは、
図15の電気光学パネル100Bの代わりに電気光学パネル100Cを有することを除いて、
図15の電気光学装置1Bと同一である。例えば、電気光学装置1Cは、電気光学パネル100Cと、駆動用集積回路200と、
図1のフレキシブル回路基板300とを有する。駆動用集積回路200は、
図2の駆動用集積回路200と同一である。
【0141】
電気光学パネル100Cは、1系統のプリチャージ電源線115の代わりに2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bを有することを除いて、
図15の電気光学パネル100Bと同一である。例えば、電気光学パネル100Cは、m本の走査線110、n本の信号線111、プリチャージ制御信号線113、プリチャージ電源線115aおよび115b、画素領域120、走査線駆動回路130、k個のデマルチプレクサー140[1]~140[k]、プリチャージ回路152および検査選択回路180Mを有する。また、電気光学パネル100Cは、
図21に示す第1の検査パッド183等の検査パッドを有する。なお、
図20では、図を見やすくするために、検査パッドの記載を省略している。
図20以降では、プリチャージ電源線115aに供給されるプリチャージ信号PRCは、プリチャージ信号PRCaとも称され、プリチャージ電源線115bに供給されるプリチャージ信号PRCは、プリチャージ信号PRCbとも称される。
【0142】
プリチャージ回路152は、2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bからプリチャージ信号PRCaおよびPRCbそれぞれ供給されることを除いて、
図15のプリチャージ回路152と同一である。例えば、プリチャージ回路152は、k個の信号線群にそれぞれ対応して設けられるk個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]と、k個のプリチャージ選択回路160[1]~160[k]にそれぞれ対応して設けられるk個のスイッチ駆動回路171[1]~171[k]とを有する。プリチャージ電源線115aおよび115bの接続の一例は、
図21で説明する。
【0143】
図21は、プリチャージ回路152および検査選択回路180Mの構成を示す回路図である。電気光学パネル100Cでは、第8の検査パッド188aがプリチャージ電源線115aに接続され、プリチャージ電源線115bに接続される第8の検査パッド188bが電気光学パネル100Bに追加される。第1の検査パッド183、第2の検査パッド184、第3の検査パッド185、第4の検査パッド186、第5の検査パッド187[1]~187[8]および第7の検査パッド189は、
図16の各検査パッドと同一である。なお、
図21では、図を見やすくするために、データ線112の検査パッド、書き込み選択信号線114の検査パッドおよび第1の低電位側電源線116の検査パッド等の記載を省略している。
【0144】
プリチャージ選択回路160[i]の8個のプリチャージスイッチ162[1]~162[8]の各々の一方の接点は、
図16のプリチャージスイッチ162と同様に、8×i-7列目から8×i列目までの8本の信号線111にそれぞれ接続される。そして、各プリチャージ選択回路160の奇数系列のプリチャージスイッチ162[1]、162[3]、162[5]および162[7]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115aに共通に接続される。また、各プリチャージ選択回路160の偶数系列のプリチャージスイッチ162[2]、162[4]、162[6]および162[8]の各々の他方の接点、すなわち、信号線111に接続されていない接点は、プリチャージ電源線115bに共通に接続される。プリチャージ回路152のその他の構成は、
図16のプリチャージ回路152と同一である。
【0145】
検査選択回路180Mは、
図16の検査選択回路180Mと同一である。次に、
図22から
図26を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査および信号線111の断線を検査する断線検査について説明する。
【0146】
図22は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の一例の説明図である。
図22に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]が、
図18の短絡検査と同じように、電気光学パネル100Cに供給される。例えば、プリチャージスイッチ162[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に隣接する第2系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[2]および142[8]が書き込み選択信号SL[2]およびSL[8]により導通状態に設定される。
【0147】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH3が存在する場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。次に、
図23を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の別の例について説明する。
【0148】
図23は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の別の例の説明図である。
図23に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKBおよびスタートパルスDXが、
図18の短絡検査と同じように、電気光学パネル100Cに供給される。なお、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、例えば、
図28に示すように、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内に、プリチャージスイッチ162の組毎に順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]が供給される。プリチャージスイッチ162の組は、例えば、プリチャージスイッチ162[1]および162[2]の組と、プリチャージスイッチ162[3]および162[4]の組と、プリチャージスイッチ162[5]および162[6]の組と、プリチャージスイッチ162[7]および162[8]の組とである。
【0149】
例えば、プリチャージスイッチ162[1]および162[2]が導通状態に設定されている期間では、第1系列および第2系列の信号線111の組に隣接する第3系列および第8系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[3]および142[8]が書き込み選択信号SL[3]およびSL[8]により導通状態に設定される。
【0150】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との間に短絡部SH3が存在する場合、第8の検査パッド188aおよび188b間に電位差を与えることにより電流が流れるため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111と第2系列の信号線111との短絡を検出することができる。
【0151】
また、例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111と第3系列の信号線111との間に短絡部SH4が存在する場合、第8の検査パッド188bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。このため、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111と第3系列の信号線111との短絡を検出することができる。すなわち、第8の検査パッド188a、188bおよびデータ線112の図示しない検査パッドの3つの検査パッド間に電位差を与えることにより、互いに隣接する信号線111の短絡を検査することができる。次に、
図24を参照して、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の別の例について説明する。
【0152】
図24は、互いに隣接する信号線111の短絡を検査する短絡検査の別の例の説明図である。
図24に示す短絡検査では、例えば、第1の検査パッド183、第2の検査パッド184、第3の検査パッド185、第4の検査パッド186および第7の検査パッド189は、ハイインピーダンスに設定される。この場合、検査モード信号TXがプルアップ抵抗によりハイレベルに維持されるため、検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]がハイレベルに維持される。第5の検査パッド187[1]~187[8]には、ハイレベルの電圧が印加される。すなわち、
図24に示す短絡検査では、全ての検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]を強制的にハイレベルに設定し、全てのプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]をハイレベルに設定することにより、全てのプリチャージスイッチ162を導通状態に設定する。
【0153】
互いに隣接する信号線111間に短絡部SH3等が存在する場合、第8の検査パッド188aおよび188b間に電位差を与えることにより電流が流れるため、互いに隣接する信号線111間の短絡部SHの有無を検出することができる。
【0154】
なお、
図24に示す短絡検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLKおよび第2クロック信号CLKBが、
図18の短絡検査と同じように、電気光学パネル100Cに供給され、スタートパルスDXがハイレベルに維持されてもよい。この場合でも、全ての検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]は、ハイレベルに維持される。次に、
図25を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査の一例について説明する。
【0155】
図25は、信号線111の断線を検査する断線検査の一例の説明図である。
図25に示す断線検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKB、スタートパルスDXおよびプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]が、
図19の断線検査と同じように、電気光学パネル100Cに供給される。例えば、プリチャージスイッチ162[1]が導通状態に設定されている期間では、第1系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]が書き込み選択信号SL[1]により導通状態に設定される。
図25のバツ印は、断線を示す。
【0156】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC3が存在する場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第8の検査パッド188aとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。次に、
図26を参照して、信号線111の断線を検査する断線検査の別の例について説明する。
【0157】
図26は、信号線111の断線を検査する断線検査の別の例の説明図である。
図25に示す断線検査では、検査モード信号TX、第1クロック信号CLK、第2クロック信号CLKBおよびスタートパルスDXが、
図19の断線検査と同じように、電気光学パネル100Cに供給される。なお、第5の検査パッド187[1]~187[8]には、例えば、
図28に示すように、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内に、プリチャージスイッチ162の組毎に順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]~PSL[8]が供給される。プリチャージスイッチ162の組は、例えば、プリチャージスイッチ162[1]および162[2]の組と、プリチャージスイッチ162[3]および162[4]の組と、プリチャージスイッチ162[5]および162[6]の組と、プリチャージスイッチ162[7]および162[8]の組とである。
【0158】
例えば、プリチャージスイッチ162[1]および162[2]が導通状態に設定されている期間では、第1系列および第2系列の信号線111に接続される書き込みスイッチ142[1]および142[2]が書き込み選択信号SL[1]およびSL[2]により導通状態に設定される。
図26のバツ印は、断線を示す。
【0159】
例えば、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第1系列の信号線111に断線部DC3が存在する場合、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。これに対し、信号線111が断線していない場合、例えば、第8の検査パッド188aとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えることにより電流が流れる。すなわち、第8の検査パッド188aとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。
【0160】
また、
図26に示す例では、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111が断線していないため、第8の検査パッド188bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えると電流が流れる。なお、デマルチプレクサー140[1]に対応する信号線群の第2系列の信号線111が断線している場合、第8の検査パッド188bとデータ線112[1]の図示しない検査パッドとの間に電位差を与えても、電流は流れない。すなわち、第8の検査パッド188bとデータ線112との間に電位差を与えることにより、信号線111の断線を検出することができる。
【0161】
以上、第5実施形態においても、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第5実施形態では、電気光学パネル100Cが2系統のプリチャージ電源線115aおよび115bを有するため、同時に検査される信号線111の数を、プリチャージ電源線115が1系統の場合に比べて増やすことができる。
【0162】
<第6実施形態>
第6実施形態と第5実施形態の主な相違点は、第5の検査パッド187[2]、187[4]、187[6]および187[8]が第5実施形態の電気光学装置1Cから省かれる点である。
【0163】
図27は、第6実施形態に係る電気光学装置1Cのプリチャージ回路152および検査選択回路180Mの構成を示す回路図である。
図1から
図26で説明済みの要素と同一の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図27に示す電気光学装置1Cは、第5の検査パッド187[2]、187[4]、187[6]および187[8]が第5実施形態の電気光学装置1Cから省かれることを除いて、第5実施形態の電気光学装置1Cと同一である。
【0164】
電気光学パネル100Cは、製造工程における切断工程で、電気光学パネル100Cの外形を規定する外形線LNSに沿って切断される。そして、8本のプリチャージ制御信号線113は、切断工程より前の工程である検査工程では、外形線LNSをまたいで配置される。
【0165】
また、所定の2本のプリチャージ制御信号線113の組は、電気光学パネル100Aの外側で互いに接続されている。例えば、電気光学パネル100Aの外側で、第1系列および第2系列のプリチャージ制御信号線113が互いに接続され、第3系列および第4系列のプリチャージ制御信号線113が互いに接続され、第5系列および第6系列のプリチャージ制御信号線113が互いに接続され、第7系列および第8系列のプリチャージ制御信号線113が互いに接続される。なお、切断工程の後では、8本のプリチャージ制御信号線113は、互いに分離される。互いに接続されるプリチャージ制御信号線113の組み合わせは、
図27の例に限定されない。次に、
図28を参照して、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100Cに供給する信号について説明する。
【0166】
図28は、信号線111の状態を検査する際に電気光学パネル100Cに供給する信号の一例を示す図である。信号線111の状態を検査する検査動作では、第1クロック信号CLKが第1の検査パッド183に供給され、第2クロック信号CLKBが第2の検査パッド184に供給され、ローレベルの検査モード信号TXが第4の検査パッド186に供給される。この場合、検査モード制御スイッチ182fは、非導通状態に設定される。
【0167】
検査動作では、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの1周期分のスタートパルスDXが、第3の検査パッド185に供給される。この場合、ハイレベルの期間が第1クロック信号CLKの0.5周期分の検査制御信号SOUT[1]~SOUT[k]が、第1クロック信号CLKの立ち上がりおよび第2クロック信号CLKBの立ち上がりに同期して、順次出力される。なお、第5の検査パッド187[1]、187[3]、187[5]および187[7]には、検査制御信号SOUTがハイレベルの期間T内にプリチャージスイッチ162の組毎に順番に導通状態に設定するプリチャージ制御信号PSL[1]、PSL[3]、PSL[5]およびPSL[7]が供給される。
【0168】
なお、検査動作では、第1系列および第2系列のプリチャージ制御信号線113が互いに接続されているため、第2系列のプリチャージ制御信号線113には、プリチャージ制御信号PSL[1]と同じプリチャージ制御信号PSL[2]が供給される。同様に、第4系列のプリチャージ制御信号線113には、プリチャージ制御信号PSL[3]と同じプリチャージ制御信号PSL[4]が供給される。第6系列のプリチャージ制御信号線113には、プリチャージ制御信号PSL[5]と同じプリチャージ制御信号PSL[6]が供給される。第8系列のプリチャージ制御信号線113には、プリチャージ制御信号PSL[7]と同じプリチャージ制御信号PSL[8]が供給される。
【0169】
図29は、電気光学パネル100Cの端子配置の一例を示す図である。電気光学パネル100Cの端子配置は、電気光学パネル100C内でプリチャージ電源線115がプリチャージ電源線115aとプリチャージ電源線115bとの2系統に分離していることを除いて、電気光学パネル100Aの端子配置と同様である。
【0170】
以上、第6実施形態においても、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第6実施形態では、電気光学パネル100C内で8本のプリチャージ制御信号線113のうちの4つに第5の検査パッド187[1]、187[3]、187[5]および187[7]がそれぞれ接続される。したがって、第6実施形態では、
図21の構成から第5の検査パッド187[2]、187[4]、187[6]および187[8]を省くことができ、検査パッドの数を削減できる。
【0171】
<変形例>
第1実施形態から第6実施形態までの各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択される2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0172】
<変形例1>
第1実施形態から第6実施形態までの各形態において、n本の信号線111は、k個の信号線群に分類されなくてもよい。
【0173】
<変形例2>
第4実施形態から第6実施形態までの各形態において、各スイッチ駆動回路171は、第2の否定論理積回路173の代わりに、否定論理和回路を有してもよい。この場合、第3のインバーター182eが省かれてもよいし、第3のインバーター182eの出力端子と否定論理和回路の入力端子との間にインバーターが追加されてもよい。第3のインバーター182eが省かれる場合、検査モード制御スイッチ182fを第1の低電位側電源線116の代わりに第2の低電位側電源線117に接続することにより、検査選択回路180Mの電源を第2電源電圧VSSYと第4電源電圧VDDXとの組に統一することができる。
【0174】
<変形例3>
第1実施形態から第3実施形態までの各形態において、スイッチ駆動回路170に含まれるプリチャージスイッチ162にバッファー回路172を1対1に設けているが、例えば隣接するスイッチ駆動回路170の2組を1単位としてバッファー回路172を備える構成としてもよい。
【0175】
<変形例4>
第1実施形態から第6実施形態までの各形態において、電気光学パネル100、100A、100Bおよび100Cの各々は、反射型の電気光学装置でもよい。また、電気光学パネル100、100A、100Bおよび100Cの各々は、反射型とする場合、信号線111等が形成される素子基板に半導体基板を用いるLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型としてもよい。
【0176】
<応用例>
この発明は、各種の電子機器に利用され得る。
図30から
図32は、この発明の適用対象となる電子機器の具体的な形態を例示するものである。
【0177】
図30は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置1と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置される本体部2010とを有する。なお、パーソナルコンピューター2000は、電気光学装置1の代わりに、電気光学装置1A、電気光学装置1Bまたは電気光学装置1Cを有してもよい。
【0178】
図31は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す正面図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置1とを有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置1に表示される画面内容が変更される。なお、スマートフォン3000は、電気光学装置1の代わりに、電気光学装置1A、電気光学装置1Bまたは電気光学装置1Cを有してもよい。
【0179】
図32は、電子機器の一例である投射型表示装置4000を示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。
図32に示す電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置1である。
【0180】
すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。なお、投射型表示装置4000は、電気光学装置1の代わりに、電気光学装置1A、電気光学装置1Bまたは電気光学装置1Cを有してもよい。
【0181】
前述のパーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000および投射型表示装置4000の各々は、前述の電気光学装置1、電気光学装置1A、電気光学装置1Bまたは電気光学装置1Cを有するため、表示画像の画質を向上できる。
【0182】
なお、本発明が適用される電子機器としては、
図30、
図31および
図32に例示される機器のほか、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤーまたはタッチパネルを備える機器等が挙げられる。
【0183】
以上、本発明の液晶装置および電子機器は、前述の各実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
【符号の説明】
【0184】
1、1A、1B、1C、1b、1g、1r…電気光学装置、100、100A、100B、100C…電気光学パネル、110…走査線、111…信号線、112…データ線、113…プリチャージ制御信号線、114…信号線、115、115a、115b…プリチャージ電源線、116…第1の低電位側電源線、117…第2の低電位側電源線、118…高電位側電源線、119…検査線、120…画素領域、122…画素、123…液晶素子、123a…画素電極、123b…コモン電極、123c…液晶、124…保持容量、125…画素トランジスター、130…走査線駆動回路、140…デマルチプレクサー、142…書き込みスイッチ、150、151、152…プリチャージ回路、160、161…プリチャージ選択回路、162…プリチャージスイッチ、163…検査スイッチ、170、171…スイッチ駆動回路、172…バッファー回路、173…第2の否定論理積回路、174…第4のインバーター、180、180M…検査選択回路、181a…第1のクロックドインバーター、181b…第1のインバーター、181c…第4のクロックドインバーター、182、182M…単位回路、182a…第3のクロックドインバーター、182b…第2のインバーター、182c…第4のクロックドインバーター、182d…否定論理積回路、182e…第3のインバーター、182f…検査モード制御スイッチ、183…第1の検査パッド、184…第2の検査パッド、185…第3の検査パッド、186…第4の検査パッド、187…第5の検査パッド、188…第6の検査パッド、188a、188b…第8の検査パッド、189…第7の検査パッド、200…駆動用集積回路、210…信号線駆動回路、220…プリチャージ電源、230…第1電源、232…第2電源、234…第3電源、300…フレキシブル回路基板、320…コネクター部、2000…パーソナルコンピューター、2001…電源スイッチ、2002…キーボード、2010…設置される本体部、3000…スマートフォン、3001…操作ボタン、4000…投射型表示装置、4001…照明光学系、4002…照明装置、4003…投射光学系、4004…合成して投射面、D1…第1方向、DC1、DC2、DC3…断線部、SH1、SH2、SH3、SH4…短絡部、PN10…画像信号端子、PN11…プリチャージ制御信号端子、PN21…第1電源端子、PN22、PN22a、PN22b…プリチャージ電源端子、PNG1…第1端子群、PNG2…第2端子群。