(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F25B 1/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
F25B1/00 396Z
F25B1/00 341C
F25B1/00 341S
(21)【出願番号】P 2018162608
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-07-28
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 将弘
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/136979(WO,A1)
【文献】特開2002-181439(JP,A)
【文献】特開平11-118227(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187519(WO,A1)
【文献】特開2018-123971(JP,A)
【文献】国際公開第2009/157320(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F04C 18/344
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともHFO-1123冷媒を含有する冷媒が充填された冷媒回路と、
前記冷媒回路に接続された圧縮機と、
前記冷媒回路に設けられ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の温度を検出する温度センサ、または、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の圧力を検出する圧力センサと、
前記温度センサまたは前記圧力センサの検出結果に基づいて前記圧縮機を停止させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度センサが検出した冷媒の温度の時間当たりの変化率、または前記圧力センサが検出した冷媒の圧力の時間当たりの変化率が、各々の所定の第1の閾値以上になったとき及び、前記温度センサが検出した前記冷媒の温度または前記圧力センサが検出した前記冷媒の圧力が所定の第2の閾値以上になったとき、前記圧縮機を停止させる
と共に、
前記圧縮機を停止した回数の増加に応じて、前記温度センサによって検出する間隔と、前記圧力センサによって検出する間隔が短くなるように制御する、冷凍サイクル装置。
【請求項2】
前記第1の閾値は、0.25[℃/秒]または100[kPa/秒]である、
請求項
1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記第2の閾値は、105[℃]または4.2[MPa]である、
請求項
2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の閾値に基づいて前記圧縮機を停止させた回数が所定回数以上になったとき、前記圧縮機の再起動を規制する、
請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記圧縮機は、前記冷媒の圧縮部から冷媒を吐出する吐出口を有し、前記吐出口の大きさが、前記圧縮部内で冷媒が不均化反応を起こしたときに前記圧縮機から前記冷媒回路への前記不均化反応の伝播を抑えるように所定の大きさ以下に形成されている、
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、空気調和機、冷蔵機器、給湯器等の冷凍サイクル装置には、冷媒が循環する冷媒回路に、圧縮機及びアキュムレータが接続されたものがある。このような冷凍サイクル装置では、冷媒として、GWP(Global Warming Potential:地球温暖化係数)が低いHFO-1123冷媒を使用することが提案されている(特許文献1)。HFO-1123冷媒は、高温、高圧の条件下で大きな発熱を伴う不均化反応を起こし易い。冷凍サイクル装置において不均化反応が生じた場合、温度や圧力の急激な上昇によって、圧縮機やこれに接続された冷媒配管が損傷するおそれがある。
【0003】
不均化反応を抑える対策として、冷媒サイクル装置には、圧縮機から吐出される冷媒の温度または圧力が、圧縮機の使用上における上限値である閾値以上になったときに、制御部によって圧縮機を停止させるように制御するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
冷凍サイクル装置では、例えば、圧縮機の負荷が高い運転時、かつ、圧縮機の内部の温度や圧力がHFO-1123冷媒が不均化反応が起こるほど高い場合に、圧縮機の摺動部分で発生するかじり(異常摩耗)などが着火源となって冷媒が不均化反応を起こすことが考えられる。圧縮機内の冷媒が不均化反応を起こしたときは、圧縮機から吐出される冷媒の温度や圧力が急激に上昇して、圧縮機21の使用上の上限値を超えるため、制御部によって圧縮機が保護停止されるが、圧縮機が再起動された場合に圧縮機内で冷媒の不均化反応が再び発生し、圧縮機から吐出される冷媒の温度または圧力が再び上限値を超えるまで、不均化反応が継続してしまうおそれがある。
【0006】
このように冷媒の温度または圧力が上限値に達するまで不均化反応が継続することにより、圧縮機の内部が損傷してしまう。したがって、圧縮機から吐出される冷媒の温度または圧力が閾値以上になったときに制御部が圧縮機を停止させる制御では、冷媒の不均化反応の発生を十分に抑制できないという問題がある。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、圧縮機の内部においてHFO-1123冷媒の不均化反応を抑制できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する冷凍サイクル装置の一態様は、少なくともHFO-1123冷媒を含有する冷媒が充填された冷媒回路と、前記冷媒回路に接続された圧縮機と、前記冷媒回路に設けられ、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の温度を検出する温度センサ、または、前記圧縮機から吐出された前記冷媒の圧力を検出する圧力センサと、前記温度センサまたは前記圧力センサの検出結果に基づいて前記圧縮機を停止させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記温度センサが検出した冷媒の温度の時間当たりの変化率、または前記圧力センサが検出した冷媒の圧力の時間当たりの変化率が、各々の所定の第1の閾値以上になったとき及び、前記温度センサが検出した前記冷媒の温度または前記圧力センサが検出した前記冷媒の圧力が所定の第2の閾値以上になったとき、前記圧縮機を停止させると共に、前記圧縮機を停止した回数の増加に応じて、前記温度センサによって検出する間隔と、前記圧力センサによって検出する間隔が短くなるように制御する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する冷凍サイクル装置の一態様によれば、圧縮機の内部においてHFO-1123冷媒の不均化反応を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例の冷凍サイクル装置全体を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施例の冷凍サイクル装置の室外機及び室内機の制御回路を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施例の冷凍サイクル装置の室外機及び室内機の接続状態を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施例の冷凍サイクル装置において、圧縮機から吐出された冷媒の温度または圧力の単位時間当たりの変化率を模式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する冷凍サイクル装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する冷凍サイクル装置が限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
実施例の冷凍サイクル装置では、少なくともHFO-1123冷媒を含有する冷媒が用いられる。この冷媒としては、例えば、HFO-1123冷媒と、R32冷媒、R1234y冷媒等の、HFO-1123冷媒よりも不均化反応を起こし難い、または起こさない高沸点冷媒とを混合した非共沸混合冷媒が用いられる。例えば、非共沸混合冷媒としては、HFO-1123冷媒が少なくとも40[wt%]、R32冷媒が少なくとも40[wt%]、R1234y冷媒が少なくとも15[wt%]を含む混合冷媒を用いる。この混合冷媒は、現在、空気調和装置に広く用いられている、R410A冷媒(R32冷媒を50[wt%]、R125冷媒を50[wt%]を含む。)の蒸気圧、理論吐出温度とほぼ同等になる。このため、この混合冷媒を用いる場合には、現行の冷凍サイクル装置への適用、いわゆるレトロフィットが可能であり、GWPを大幅に低減でき、環境性に優れた冷凍サイクル装置を実現できる。以下、少なくともHFO-1123冷媒を含有する冷媒について、単に冷媒とも称する。
【0013】
実施例の冷凍サイクル装置としては、建物の屋上に設置される1台の室外機に、建物の各階に1台ずつ設置される各室内機が並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転または暖房運転を行うことが可能な空気調和装置を一例として説明する。
図1は、実施例の冷凍サイクル装置全体を示す模式図である。
図2は、実施例の冷凍サイクル装置の室外機及び室内機の制御回路を示すブロック図である。
図3は、実施例の冷凍サイクル装置の室外機及び室内機の接続状態を示す模式図である。
【0014】
(冷凍サイクル装置の構成)
図1及び
図3に示すように、実施例の冷凍サイクル装置1は、建物の屋上に設置される1台の室外機2と、建物の各階に設置され、室外機2に液管8及びガス管9を介して並列に接続された3台の室内機5a~5cと、を備えている。液管8は、一端が室外機2の閉鎖弁25に接続され、他端が分岐して室内機5a~5cの各液管接続部53a~53cにそれぞれ接続されている。ガス管9は、一端が室外機2の閉鎖弁26に接続され、他端が分岐して室内機5a~5cの各ガス管接続部54a~54cにそれぞれ接続されている。以上により、冷凍サイクル装置1が有する冷媒回路100が構成されている。
【0015】
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24と、液管8の一端が接続された閉鎖弁25と、ガス管9の一端が接続された閉鎖弁26と、冷媒貯留器であるアキュムレータ28と、室外ファン27と、を備えている。室外ファン27を除くこれら各部は、後述する各冷媒配管を介して相互に接続されており、冷媒回路100の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
【0016】
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御されるモータ(図示せず)によって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型の圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出側は、後述する四方弁22のポートaと吐出管41を介して接続されている。圧縮機21の冷媒吸入側は、アキュムレータ28の冷媒流出側と吸入管42を介して接続されている。このように圧縮機21は、冷媒が充填された冷媒回路100に接続されている。
【0017】
また、圧縮機21の内部には、
図1に示すように、冷媒の圧縮部21aが設けられている。圧縮部21aは、圧縮した冷媒を吐出する吐出口21bを有し、この吐出口21bと吐出管41とが、破線で示すように連通している。本実施例では、圧縮機として、ロータリ圧縮機が用いられるが、ロータリ圧縮機に限定されるものではなく、スクロール圧縮機が用いられてもよい。
【0018】
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、4つのポートa、b、c、dを有している。ポートaは、上述したように圧縮機21の冷媒吐出側に吐出管41で接続されている。ポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口に冷媒配管43で接続されている。ポートcは、アキュムレータ28の冷媒流入側に冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁26に室外機ガス管45で接続されている。
【0019】
室外熱交換器23は、室外機2の内部に取り込まれた外気を、冷媒と後述する室外ファン27による送風によって熱交換させる。室外熱交換器23の一方の冷媒出入口は、上述のように四方弁22のポートbに冷媒配管43で接続されており、他方の冷媒出入口が室外機液管44を介して閉鎖弁25に接続されている。
【0020】
室外膨張弁24は、室外機液管44に設けられている。室外膨張弁24は、電子膨張弁であり、その開度が調整されることにより、室外熱交換器23に流入する冷媒量、または、室外熱交換器23から流出する冷媒量を調整する。室外膨張弁24の開度は、冷凍サイクル装置1が冷房運転を行っている場合に全開とされる。また、冷凍サイクル装置1が暖房運転を行っている場合は、後述する吐出温度センサ33が検出した圧縮機21の吐出温度に応じて、室外膨張弁24の開度を制御することにより、冷媒の吐出温度が、圧縮機21の使用上の上限値を超えないように調整される。
【0021】
室外ファン27は、樹脂材で形成されており、室外熱交換器23の近傍に配置されている。室外ファン27は、ファンモータ(図示せず)によって回転されることで、吸込口(図示せず)から室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23において冷媒と熱交換した外気を、吹出口(図示せず)から室外機2の外部へ放出する。
【0022】
上述のように、アキュムレータ28の冷媒流入側は四方弁22のポートcに冷媒配管46を介して接続されるとともに、アキュムレータ28の冷媒流出側が圧縮機21の冷媒吸入側に吸入管42を介して接続されている。アキュムレータ28は、冷媒配管46からアキュムレータ28の内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離してガス冷媒を圧縮機21に吸入させる。
【0023】
また、室外機2は、上述した構成に加えて、各種のセンサを有している。
図1に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ28の冷媒流入口の近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する吸入圧力センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ34とが設けられている。
【0024】
室外機液管44における室外熱交換器23と室外膨張弁24との間には、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度、または室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出するための熱交温度センサ35が設けられている。そして、室外機2の吸込口(図示せず)の近傍には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ36が設けられている。
【0025】
また、室外機2は、制御部としての室外機制御回路200を備えている。室外機制御回路200は、室外機2の電装品箱(図示せず)に格納されている制御基板に搭載されている。
図2に示すように、室外機制御回路200は、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240と、を有している。
【0026】
記憶部220は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を有しており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン27の制御状態等を記憶する。通信部230は、室内機5a~5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサが検出した検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
【0027】
CPU210は、上述した室外機2の各センサが検出した検出結果を、センサ入力部240を介して取り込む。また、CPU210は、室内機5a~5cから送信される制御信号を、通信部230を介して取り込む。CPU210は、取り込んだ検出結果及び制御信号に基づいて、圧縮機21及び室外ファン27の駆動制御を行う。また、CPU210は、取り込んだ検出結果及び制御信号に基づいて、四方弁22の切り換え制御を行う。さらに、CPU210は、取り込んだ検出結果及び制御信号に基づいて、室外膨張弁24の開度を調整する。
【0028】
次に、3台の室内機5a~5cについて説明する。3台の室内機5a~5cは、室内熱交換器51a~51cと、室内膨張弁52a~52cと、分岐した液管8の他端が接続された液管接続部53a~53cと、分岐したガス管9の他端が接続されたガス管接続部54a~54cと、室内ファン55a~55cと、を備えている。そして、室内ファン55a~55cを除くこれら各部は、後述する各冷媒配管を介して相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室内機冷媒回路50a~50cを構成している。
【0029】
なお、室内機5a~5cの構成は同じであるので、室内機5aの構成についてのみ説明を行い、室内機5b、5cについての説明を省略する。
図1では、室内機5aの各構成部に付けた符号の末尾を、aからb及びcにそれぞれ変更したものが、室内機5aの各構成部と対応する室内機5b、5cの各構成部となる。
【0030】
室内熱交換器51aは、吸込口(図示せず)から室内機5aの内部に取り込まれた室内空気を、冷媒と後述する室内ファン55aによる送風によって熱交換させる。室内熱交換器51aは、一方の冷媒出入口と液管接続部53aが室内機液管71aで接続されており、他方の冷媒出入口とガス管接続部54aが室内機ガス管72aで接続されている。室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合に蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合に凝縮器として機能する。
【0031】
室内膨張弁52aは、室内機液管71aに設けられている。室内膨張弁52aは、電子膨張弁であり、室内熱交換器51aが蒸発器として機能する場合、すなわち室内機5aが冷房運転を行う場合、室内熱交換器51aの冷媒出口(ガス管接続部54a側)での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように調整される。ここで、目標冷媒過熱度とは、室内機5aで十分な冷房能力が発揮されるための冷媒過熱度である。また、室内膨張弁52aは、室内熱交換器51aが凝縮器として機能する場合、すなわち室内機5aが暖房運転を行う場合、室内熱交換器51aの冷媒出口(液管接続部53a側)での冷媒過冷却度が平均冷媒過冷却度となるように調整される。
【0032】
室内ファン55aは、樹脂材で形成されており、室内熱交換器51aの近傍に配置されている。室内ファン55aは、ファンモータ(図示せず)によって回転されることで、吸込口(図示せず)から室内機5aの内に室内空気を取り込み、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気を吹出口(図示せず)から室内へ供給する。
【0033】
上述した構成に加えて、室内機5aには各種のセンサが設けられている。室内機液管71aにおける室内熱交換器51aと室内膨張弁52aとの間には、室内熱交換器51aに流入、または室内熱交換器51aから流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61aが設けられている。室内機ガス管72aには、室内熱交換器51aから流出、または室内熱交換器51aに流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62aが設けられている。室内機5aの吸込口(図示せず)の近傍には、室内機5aの内部に流入する室内空気の温度、すなわち吸込温度を検出する吸込温度センサ63aが設けられている。室内機5aの吹出口(図示せず)の近傍には、室内熱交換器51aで冷媒と熱交換を行って室内機5aから室内に放出される空気の温度、すなわち吹出温度を検出する吹出温度センサ64aが設けられている。
【0034】
また、室内機5aは、室内機制御回路500aを備えている。室内機制御回路500aは、室内機5aの電装品箱(図示せず)に格納された制御基板に搭載されており、
図1(B)に示すように、CPU510aと、記憶部520aと、通信部530aと、センサ入力部540aと、を備えている。
【0035】
記憶部520aは、ROMやRAMを有しており、室内機5aの制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、使用者による空調運転に関する設定情報等を記憶する。通信部530aは、室外機2及び他の室内機5b、5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部540aは、室内機5aの各種センサが検出した検出結果を取り込んでCPU510aに出力する。
【0036】
CPU510aは、上述した室内機5aの各センサが検出した検出結果を、センサ入力部540aを介して取り込む。また、CPU510aは、使用者がリモコン(図示せず)を用いて設定した運転情報やタイマー運転設定等を含んだ信号をリモコン受光部(図示せず)を介して取り込む。また、CPU510aは、運転開始/停止信号や運転情報(設定温度や室内温度等)を含んだ制御信号を、通信部530aを介して室外機2に送信すると共に、室外機2が検出した吐出圧力等の情報を含む制御信号を、通信部530aを介して室外機2から受信する。CPU510aは、取り込んだ検出結果やリモコン及び室外機2から送信された信号に基づいて、室内膨張弁52aの開度調整や室内ファン55aの駆動制御を行う。なお、冷凍サイクル装置1の制御回路は、上述の室外機制御回路200と室内機制御回路500a~500cとによって構成される。
【0037】
(室外機及び室内機の配置)
以上のように構成された冷凍サイクル装置1は、
図3に示すように、建物600に設置されている。具体的には、室外機2が屋上(RF)に配置されており、室内機5aが3階(3F)、室内機5bが2階(2F)、室内機5cが1階(1F)に、それぞれ設置されている。室外機2と室内機5a~5cとは、上述した液管8とガス管9とで相互に接続されており、これら液管8とガス管9とが、建物600の壁面内や天井裏に埋設されている。
【0038】
(冷凍サイクル装置の動作)
次に、本実施形態における冷凍サイクル装置1の空調運転時の冷媒回路100における冷媒の流れや各部の動作について、
図1を用いて説明する。以下、室内機5a~5cが暖房運転を行う場合について説明し、冷房/除霜運転を行う場合については詳細な説明を省略する。また、
図1における矢印は、暖房運転時の冷媒の流れを示している。
【0039】
図1に示すように、室内機5a~5cが暖房運転を行う場合、室外機制御回路200のCPU210は、四方弁22を
図1中に実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdを連通させ、ポートbとポートcを連通させるように切り換える。これにより、冷媒回路100が、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに室内熱交換器51a~51cが凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
【0040】
圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管41を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45、閉鎖弁26、ガス管9、ガス管接続部54a~54cの順に流れて室内機5a~5cに流入する。室内機5a~5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72a~72cを流れて室内熱交換器51a~51cに流入し、室内ファン55a~55cの回転によって室内機5a~5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。このように、室内熱交換器51a~51cが凝縮器として機能し、室内熱交換器51a~51cで冷媒と熱交換を行って加熱された室内空気が吹出口(図示せず)から室内に吹き出されることによって、室内機5a~5cが設置された室内の暖房が行われる。
【0041】
室内熱交換器51a~51cから流出した冷媒は室内機液管71a~71cを流れ、室内膨張弁52a~52cを通過して減圧される。減圧された冷媒は、室内機液管71a~71cを流れて液管接続部53a~53cを介して液管8に流入する。
【0042】
液管8を流れる冷媒は、閉鎖弁25を介して室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、室外機液管44を流れ、吐出温度センサ33で検出した圧縮機21の吐出温度に応じて開度が調整された室外膨張弁24を通過するときに更に減圧される。室外機液管44から室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン27の回転によって室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から流出した冷媒は、冷媒配管43、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ28、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
【0043】
なお、室内機5a~5cが冷房/除霜運転を行う場合、CPU210は、四方弁22を
図1中に破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとを連通させ、ポートcとポートdとを連通させるように切り換える。これにより、冷媒回路100は、室外熱交換器23が凝縮器として機能すると共に室内熱交換器51a~51cが蒸発器として機能する冷房サイクルとなる。
【0044】
(冷凍サイクル装置の特徴的な構成)
次に、実施例の冷凍サイクル装置1の特徴的な構成について説明する。冷凍サイクル装置1の室外機2は、吐出温度センサ33によって、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出し、吐出圧力センサ31によって、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する(
図1参照)。冷凍サイクル装置1では、制御部としての室外機制御回路200が、吐出温度センサ33及び吐出圧力センサ31の検出結果に基づいて、圧縮機21の運転を制御することにより、圧縮機21内で冷媒が不均化反応を起こすことを抑制する。
【0045】
(第1の閾値による制御)
冷凍サイクル装置1では、制御部としての室外機制御回路200が、吐出温度センサ33が検出した冷媒の温度の単位時間当たりの変化率、または吐出圧力センサ31が検出した冷媒の圧力の単位時間当たりの変化率が、所定の第1の閾値N1以上になったときに、圧縮機21への電力供給を遮断し、圧縮機21を停止させる。本実施例では、冷媒の不均化反応の発生時の試験結果に基づいて、第1の閾値N1が、温度の変化率を用いる場合は0.25[℃/秒]、または、圧力の変化率を用いる場合は100[kPa/秒]に設定されている。
【0046】
具体的には、室外機制御回路200は、吐出温度センサ33及び吐出圧力センサ31によって冷媒の温度及び圧力を所定時間毎に検出し、その検出値を記憶部220に記憶し、所定時間毎に温度及び圧力の差分を算出することにより、温度の変化率、圧力の変化率を演算する。また、室外機制御回路200は、第1の閾値N1によって圧縮機21を停止させた回数を記憶部220に記憶する。実施例では、圧縮機21から吐出される冷媒の温度または圧力を検出する間隔が、例えば、5秒間毎に設定されている。必要に応じて、温度を検出する間隔と、圧力を検出する間隔を異ならせてもよい。
【0047】
また、室外機制御回路200は、冷媒の温度の変化率、または、冷媒の圧力の変化率が、各々の第1の閾値N1以上となって圧縮機21を停止させた回数が所定回数以上になったとき、圧縮機21の再起動を規制する。実施例では、室外機制御回路200は、冷媒の温度の変化率、または、冷媒の圧力の変化率が、各々の第1の閾値N1以上となって圧縮機21を停止させた回数が3回となったとき、ユーザが圧縮機21を再起動させる操作を行った場合であっても、圧縮機21の運転の停止状態を強制的に継続させる。すなわち、室外機制御回路200は、圧縮機21が再起動不能とし、再起動不能状態を解除する操作が行われない限り、圧縮機21の再起動不能状態を維持する。
【0048】
上述したように、冷媒の温度の変化率、または、冷媒の圧力の変化率が、各々の第1の閾値N1を超える回数が多いときは、不均化反応が頻繁に発生している、つまり、着火源となる異常摩耗が頻繁に発生していることを意味している。この場合、室外機制御回路200は、圧縮機21に異常があると判断して圧縮機21の再起動を規制する。
【0049】
圧縮機21の再起動を規制したとき、室外機制御回路200は、室内機制御回路500a~500cへ情報信号を送り、室内機5a~5cの表示パネル等に警告を表示し、警告音を鳴らすことにより、ユーザに警告を発するように制御してもよい。また、室外機制御回路200は、圧縮機21を停止した回数に応じて、温度及び圧力をセンサ入力部240を介して取り込む間隔が短くなるように、間隔を切り替えるように制御してもよい。
【0050】
(第2の閾値による制御)
また、冷凍サイクル装置1では、室外機制御回路200が、圧縮機21から排出された冷媒の温度または圧力が各々の所定の第2の閾値N2以上になったときに圧縮機21の運転を停止させる。ここで、第2の閾値N2は、圧縮機21の使用上における冷媒の温度及び圧力の各々の上限値であり、第2の閾値N2を超えたときに圧縮機21の損傷を防ぐために圧縮機21を停止させる保護制御を行うための閾値である。このような圧縮機21の損傷を防ぐための保護制御により、圧縮機21内の冷媒の温度を、不均化反応が発生し易い温度未満にすること、または、圧縮機21内の冷媒の圧力を、不均化反応が発生し易い圧力未満にすることができ、圧縮機21の内部の冷媒が不均化反応を起こすことが抑えられる。
【0051】
本実施例では、吐出温度センサ33及び吐出圧力センサ31の各検出結果に基づいて、室外機制御回路200が圧縮機21を停止させる第2の閾値N2が、温度を用いる場合は105[℃]、圧力を用いる場合は4.2[MPa]に設定されている。ここで、第2の閾値N2は、圧縮機21内の冷媒が不均化反応を起こす温度または圧力よりも所定値だけ小さい値である。室外機制御回路200は、第2の閾値N2以上になったときの停止で圧縮機21の再起動を規制し、その後、室外熱交換器23において空気が通っていないことや冷媒が漏れて冷媒循環量が低下することで、冷媒の温度や圧力が上昇した場合、冷凍サイクル装置1として異常があると判断する。なお、室外機制御回路200は、第1の閾値N1に関する制御と同様に、第2の閾値N2に基づいて圧縮機21を停止させた回数が所定回数以上になったとき、圧縮機21の再起動を規制するように制御を行ってもよい。
【0052】
このように、室外機制御回路200は、第2の閾値N2に基づいて圧縮機21を停止させることに加えて、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を停止させる。言い換えると、冷媒の温度または圧力が各々の第2の閾値N2以上に達する前に、冷媒の温度の変化率または圧力の変化率が各々の第1の閾値N1以上になった場合には、室外機制御回路200によって圧縮機21が停止される。第2の閾値N2のみに基づいて圧縮機21を停止させる場合には、圧縮機21を停止させるまでの間に冷媒が不均化反応を起こしている場合もあるが、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を停止させることにより、不均化反応を早期に抑えることが可能となる。
【0053】
図4は、実施例の冷凍サイクル装置1において、圧縮機21から吐出された冷媒温度または圧力の単位時間当たりの変化率を模式的に示すグラフである。
図4中の縦軸が冷媒の温度Tまたは圧力Tを示し、横軸が時間tを示す。
【0054】
図4に示すように、圧縮機21から吐出される冷媒の温度または圧力が各々の第2の閾値N2以上になった場合、冷媒が不均化反応を起こし易い状態になる。時間t1で圧縮機21内で冷媒が不均化反応を起こしていない場合は、
図4中に実線で示す状態の単位時間当たりの変化率(ΔT/Δt)が、第1の閾値N1未満((ΔT/Δt)<N1)となる。すなわち、室外機制御回路200は、冷媒の温度の変化率または圧力の変化率(ΔT/Δt)に基づいて、圧縮機21の内部で冷媒の不均化反応が発生していないと判断する。この場合、冷媒の温度または圧力が各々の第2の閾値N2に達するまで圧縮機21の運転が続けられる。
【0055】
一方、時間t1で圧縮機21内の摺動部分でかじり等の異常摩耗が生じ、異常摩耗に伴う高温が着火源となって冷媒の不均化反応が起こった場合、
図4中に破線で示す状態の単位時間当たりの変化率(ΔT/Δt)が、第1の閾値N1以上((ΔT/Δt)≧N1)となる。すなわち、室外機制御回路200は、冷媒の温度の変化率または圧力の変化率(ΔT/Δt)に基づいて、圧縮機21の内部で冷媒の不均化反応が発生していると判断する。このように室外機制御回路200は、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21の運転を停止させることで、冷媒が不均化反応を早期に抑えられる。
【0056】
また、室外機制御回路200は、第1の閾値N1に基づく停止回数にかかわらずに、第1の閾値N1による停止と、第2の閾値N2による停止とを組み合わせた条件で、圧縮機21の再起動を規制してもよい。例えば、室外機制御回路200は、第1の閾値N1に基づく圧縮機21の停止と、第2の閾値N2に基づく圧縮機21の停止との両方が生じた場合に、第1の閾値N1に基づく停止回数、第2の閾値N2に基づく停止回数にかかわらずに圧縮機21の再起動を規制してもよい。
【0057】
(圧縮機の吐出口の大きさ)
圧縮機21の圧縮部21aは、冷媒を吐出する吐出口21bの大きさが、圧縮部21a内で冷媒が不均化反応を起こしたときに圧縮機21から冷媒回路100への不均化反応の伝播を抑えるように所定の大きさ以下に形成されている。
【0058】
具体的には、吐出口21bの大きさが直径2.5[mm]以下の円形状に形成されている。吐出口21bの大きさは、例えば、スライド弁型の吐出弁によって吐出口21bが開閉される構造の場合、吐出口21bの最大開口時の大きさを指す。また、図示しないが、2シリンダ型のロータリ圧縮機の場合には、上シリンダの上吐出穴、下シリンダの下吐出穴のそれぞれが、上述した所定の大きさ以下に形成されている。スクロール圧縮機の場合にも同様に、圧縮部の吐出口が所定の大きさ以下に形成されている。
【0059】
火炎は、一定の大きさ以下の貫通穴を通過することができない性質があり、貫通穴を通過しようとしたときに貫通穴が形成された部材によって火炎の伝播が抑えられることで、火炎が延焼しない傾向がある。このような火炎の振る舞いを踏まえて、火炎の延焼と不均化反応の伝播が同じメカニズムであるという着想に基づいたとき、上述のように吐出口21bの大きさが所定の大きさ以下に形成されることにより、圧縮部21aで発生した不均化反応が、吐出口21bを通過することが妨げられる。このため、圧縮部21aで発生した不均化反応が、吐出口21bを通して圧縮機21の外部に伝播し、冷媒回路100へと不均化反応が拡散することが抑制される。したがって、上述した第1の閾値N1及び第2の閾値N2に基づく室外機制御回路200の制御で発揮される効果と相まって、圧縮機21内の冷媒が不均化反応を起こした場合であっても、圧縮機21の外部へ不均化反応が拡散することを効果的に抑えることができる。
【0060】
上述のように実施例の冷凍サイクル装置1は、吐出温度センサ33または吐出圧力センサ31の検出結果に基づいて圧縮機21を停止させる室外機制御回路200を備えおり、吐出温度センサ33が検出した冷媒の温度の時間当たりの変化率(ΔT/Δt)、または吐出圧力センサ31が検出した冷媒の圧力の時間当たりの変化率(ΔT/Δt)が、各々の第1の閾値N1以上になったときに、室外機制御回路200が圧縮機21を停止させる。これにより、圧縮機21の内部で冷媒が不均化反応を起こしても迅速に抑えることができる。したがって、室外機制御回路200が、第2の閾値N2のみで圧縮機21を停止させるのに比べて、不均化反応を早期に抑えることができる。
【0061】
したがって、圧縮機21の摺動部分でかじり等の異常摩耗が発生した場合に、かじり等が着火源となった不均化反応の発生を、第1の閾値N1に基づいて検出し、圧縮機21を早期に停止させることで不均化反応を早期に抑制できる。また、第1の閾値N1に基づいて停止された圧縮機21が再起動された場合であっても、上述の異常摩耗に伴う不均化反応が再び発生しても、室外機制御回路200は、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を速やかに再停止させることができる。このため、HFO-1123冷媒の不均化反応を抑制するための制御の信頼性を高めることができる。その結果、冷凍サイクル装置1の安全性を高めることができる。
【0062】
加えて、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を停止させるために用いられる吐出温度センサ33及び吐出圧力センサ31を、第2の閾値N2に基づいて圧縮機21を停止させるために兼用させることが可能になり、冷凍サイクル装置1の製造コストの増加を抑えることができる。
【0063】
また、実施例の冷凍サイクル装置1における室外機制御回路200は、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を停止させた回数が所定回数以上になったとき、圧縮機21の再起動を規制する。これにより、圧縮機21内で異常摩耗が生じた場合に、圧縮機21の停止させる制御が繰り返されることが避けられるので、圧縮機21を再起動させるたびに圧縮機21の内部で不均化反応を繰り返すことによって圧縮機21が損傷することを抑えることができる。また、圧縮機21の停止が所定回数以上になった場合に圧縮機21の再起動が規制されることにより、例えば、第1の閾値N1に基づいて圧縮機21を停止させると共に圧縮機21の再起動を規制してしまう場合と比べて、冷凍サイクル装置1の使用上の不便をユーザに与えることを抑えることができる。例えば1回の誤検出に起因して圧縮機21の再起動が規制されてしまうことで、冷凍サイクル装置1の使用が速やかに制限されることにより、誤検出のたびに規制状態を解除する等を行う不便が生じることを避けることができる。
【0064】
また、実施例の冷凍サイクル装置1における圧縮機21の圧縮部21aの吐出口21bの大きさが、圧縮部21a内で冷媒が不均化反応を起こしたときに圧縮機21から冷媒回路100への不均化反応の伝播を抑えるように所定の大きさ以下に形成されている。これにより、圧縮部21aで発生した不均化反応が、吐出口21bを介して冷媒回路100に伝播することを防ぐことができる。このため、圧縮部21aで発生した不均化反応が、吐出口21bを通して圧縮機21の外部に伝播し、冷媒回路100に不均化反応が拡散することを抑制することができる。したがって、圧縮機21内の冷媒が不均化反応を起こした場合であっても、圧縮機21の外部へ不均化反応が拡散することを抑えることができる。
【0065】
なお、本発明の冷凍サイクル装置が備える圧縮機は、ロータリ圧縮機に限定されるものではなく、スクロール圧縮機等の他の圧縮機に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 冷凍サイクル装置
2 室外機
21 圧縮機
21a 圧縮部
21b 吐出口
31 吐出圧力センサ(圧力センサ)
33 吐出温度センサ(温度センサ)
100 冷媒回路
200 室外機制御回路(制御部)