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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】エンコーダー、駆動部、及びロボット
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
G01D5/245 110X
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018181678
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020051905
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】風間 大地
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 文武
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀行
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩士
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-270586(JP,A)
【文献】特開平09-093760(JP,A)
【文献】特開2000-264140(JP,A)
【文献】実開昭60-002328(JP,U)
【文献】特開2004-317494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動軸を有する駆動部の前記回動軸の回動角を検出するエンコーダーであって、
前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の前記回動角を検出する回動角検出部と、
前記回動角検出部に接続される配線と、
前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、
前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続され、
前記回動軸の軸方向からの平面視において、前記第1孔と前記第2孔との間の距離は、前記第1孔と前記回動軸との間の距離よりも長い、
エンコーダー。
【請求項2】
前記通路の曲率半径は、前記配線の最小曲げ半径より大きい、
請求項1に記載のエンコーダー。
【請求項3】
前記配線は、前記回動角検出部が有する基板上に備えられた第1コネクターに接続されており、
前記第2孔は、前記回動軸の軸方向からの平面視において、前記第1コネクターと前記回動軸とを通る直線上に位置している、
請求項1又は2に記載のエンコーダー。
【請求項4】
前記第1孔と前記第2孔は、前記回動軸の軸方向からの平面視において、重なっていない、
請求項1から3のうちいずれか一項に記載のエンコーダー。
【請求項5】
回動軸を有する駆動部であって、
前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、
前記回動角検出部に接続される配線と、
前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、
前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続され、
前記回動軸の軸方向からの平面視において、前記第1孔と前記第2孔との間の距離は、前記第1孔と前記回動軸との間の距離よりも長い、
駆動部。
【請求項6】
基台と、
前記基台に支持される可動部と、
前記可動部に設けられ、回動軸を有する駆動部と、
前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、
前記回動角検出部に接続される配線と、
前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、
を備え、
前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、
前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続され、
前記回動軸の軸方向からの平面視において、前記第1孔と前記第2孔との間の距離は、前記第1孔と前記回動軸との間の距離よりも長い、
ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エンコーダー、駆動部、及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
エンコーダーについての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、グロメットによって配線が固定されたカバーを有するエンコーダーが知られている(特許文献1参照)。ここで、当該配線は、当該エンコーダーの基板に接続される配線である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平08-64299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなエンコーダーでは、当該エンコーダーの基板に接続される配線を、グロメットを介して当該エンコーダーのカバーに取り付ける作業が、繁雑であった。その結果、当該エンコーダーの生産効率を向上させることが困難な場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、回動軸を有する駆動部の前記回動軸の回動角を検出するエンコーダーであって、前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の前記回動角を検出する回動角検出部と、前記回動角検出部に接続される配線と、前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続される、エンコーダーである。
【0007】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、回動軸を有する駆動部であって、前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、前記回動角検出部に接続される配線と、前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続される、駆動部である。
【0008】
上記課題を解決するために本発明の一態様は、基台と、前記基台に支持される可動部と、前記可動部に設けられ、回動軸を有する駆動部と、前記駆動部の前記回動軸に取り付けられ、前記回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、前記回動角検出部に接続される配線と、前記配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、前記カバーは、前記第1孔と前記第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、前記配線は、前記第1孔、前記通路、前記第2孔を通って前記回動角検出部に接続される、ロボットである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るロボットシステム1の構成の一例を示す図である。
図2】エンコーダーECの構成の一例を示す分解斜視図である。
図3図2に示したエンコーダーECを組み立てた場合における当該エンコーダーECの断面図である。
図4】カバーCに設けられている通路IPの構成の一例を示す図である。
図5】エンコーダーECを組み立てる手順の流れの一例を示す図である。
図6】補強部材が設けられたカバーCの一例を示す斜視図である。
図7】補強部材が設けられたカバーCの一例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<ロボットの構成>
まず、図1を参照し、実施形態に係るロボット1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係るロボット1の構成の一例を示す図である。なお、以下では、一例として、ロボット1がスカラロボットである場合について説明する。スカラロボットは、水平多関節ロボットとも称される。なお、ロボット1は、スカラロボットに代えて、垂直多関節ロボット等の他の種類のロボットであってもよい。ここで、垂直多関節ロボットは、1つの腕を備える単腕ロボットであってもよく、2つ以上の腕を備える複腕ロボットであってもよい。2つの腕を備える複腕ロボットは、双腕ロボットとも称される。
【0012】
ロボット1は、図示しないロボット制御装置によって制御される。ロボット1は、内部に設置されたロボット制御装置によって制御される構成であってもよく、外部に設置されたロボット制御装置によって制御される構成であってもよい。
【0013】
ロボット1は、基台Bと、可動部Aを備える。
【0014】
基台Bは、可動部Aを支持する。図1に示した例において、基台Bは、予め決められた設置面に設置されている。設置面は、例えば、ロボット1に作業を行わせる部屋の床面である。なお、設置面は、当該床面に代えて、当該部屋の壁面、当該部屋の天井面、テーブルの上面、治具が有する面、台が有する面等の他の面であってもよい。
【0015】
ここで、以下では、説明の便宜上、設置面と直交する方向のうち基台Bから設置面に向かう方向を下又は下方向と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、下方向と反対の方向を上又は上方向と称して説明する。また、以下では、一例として、下方向が、重力方向と一致している場合について説明する。
【0016】
可動部Aは、基台Bにより第1回動軸AX1周りに回動可能に支持された第1アームA1と、第1アームA1により第2回動軸AX2周りに回動可能に支持された第2アームA2と、第2アームA2により第3回動軸AX3周りに回動可能且つ第3回動軸AX3の軸方向に並進可能に支持されたシャフトSを備える。
【0017】
シャフトSは、円柱形状の軸体である。シャフトSの周表面には、図示しないボールねじ溝と、図示しないスプライン溝とがそれぞれ設けられている。図1に示した例では、シャフトSは、第2アームA2の端部のうちの第1アームA1と反対側の端部を、上下方向に貫通し、設けられている。
【0018】
シャフトSの先端には、外部装置を取り付け可能である。シャフトSの先端に取り付け可能な外部装置は、エンドエフェクター等のことである。シャフトSの先端は、シャフトSが有する2つの端部のうちの下側の端部のことである。図1に示したシャフトSの先端には、何も取り付けられていない。シャフトSの先端に取り付けられるエンドエフェクターは、例えば、指部によって物体を保持することが可能なエンドエフェクターである。なお、シャフトSの先端に取り付けられるエンドエフェクターは、空気による吸着、磁気による吸着等によって物体を保持可能なエンドエフェクターであってもよい。また、シャフトSの先端に取り付けられるエンドエフェクターは、物体を保持不可能なエンドエフェクターであってもよい。ここで、本実施形態では、物体を保持するとは、物体の状態を、持ち上げることが可能な状態にすることを意味する。
【0019】
第1アームA1は、この一例において、第1回動軸AX1周りに回動し、水平方向に移動する。水平方向は、上下方向と直交する方向である。
【0020】
また、第1アームA1は、基台Bが備える第1駆動部M1によって第1回動軸AX1周りに回動させられる。第1駆動部M1は、第1アームA1を第1回動軸AX1周りに回動させるアクチュエーターである。第1駆動部M1は、例えば、サーボモーターである。すなわち、本実施形態では、第1回動軸AX1は、第1駆動部M1の回動軸と一致する仮想的な軸のことである。なお、第1駆動部M1は、サーボモーターに代えて、第1アームA1を回動させる他のアクチュエーターであってもよい。
【0021】
第2アームA2は、この一例において、第2回動軸AX2周りに回動し、水平方向に移動する。
【0022】
第2アームA2は、第2アームA2が備える第2駆動部M2によって第2回動軸AX2周りに回動させられる。第2駆動部M2は、第2アームA2を第2回動軸AX2周りに回動させる。第2駆動部M2は、例えば、サーボモーターである。すなわち、本実施形態では、第2回動軸AX2は、第2駆動部M2の回動軸と一致する仮想的な軸のことである。なお、第2駆動部M2は、サーボモーターに代えて、第2アームA2を回動させる他のアクチュエーターであってもよい。
【0023】
また、第2アームA2は、第3駆動部M3及び第4駆動部M4を備え、シャフトSを支持する。
【0024】
第3駆動部M3は、シャフトSのボールねじ溝の外周部に設けられたボールねじナットを、タイミングベルト等を介して回動させる。これにより、第3駆動部M3は、シャフトSを上下方向に移動(昇降)させる。第3駆動部M3は、例えば、サーボモーターである。なお、第3駆動部M3は、サーボモーターに代えて、シャフトSを上下方向に移動(昇降)させる他のアクチュエーターであってもよい。
【0025】
第4駆動部M4は、シャフトSのスプライン溝の外周部に設けられたボールスプラインナットを、タイミングベルト等を介して回動させる。これにより、第4駆動部M4は、シャフトSを第3回動軸AX3周りに回動させる。第4駆動部M4は、例えば、サーボモーターである。なお、第4駆動部M4は、サーボモーターに代えて、シャフトSを第3回動軸AX3周りに回動させる他のアクチュエーターであってもよい。
【0026】
このように、第3回動軸AX3は、シャフトSの中心軸と一致する仮想的な軸のことである。
【0027】
以下では、一例として、第1駆動部M1~第4駆動部M4のそれぞれが、すべて同じ構成を有している場合について説明する。なお、第1駆動部M1~第4駆動部M4のうちの一部又は全部は、互いに異なる構成を有していてもよい。以下では、第1駆動部M1~第4駆動部M4のそれぞれを区別する必要がない限り、これらをまとめて駆動部Mと称して説明する。
【0028】
駆動部Mは、駆動部Mの回動軸の回動角を、他の装置に出力するエンコーダーECを備える。図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、エンコーダーECを省略している。なお、エンコーダーECを備えた駆動部Mを、サーボモーターという。
【0029】
以下では、一例として、エンコーダーECが光学式のエンコーダーである場合について説明する。なお、エンコーダーECは、光学式のエンコーダーに代えて、磁気式のエンコーダーであってもよく、機械式のエンコーダーであってもよく、光学式と磁気式と機械式とのうちの2以上が組み合わされた方式のエンコーダーであってもよく、他の方式のエンコーダーであってもよい。
【0030】
ここで、エンコーダーECの構成について説明する。
図2は、エンコーダーECの構成の一例を示す分解斜視図である。また、図3は、図2に示したエンコーダーECを組み立てた場合における当該エンコーダーECの断面図である。なお、図3は、当該エンコーダーECが備えられた駆動部Mの回動軸を含む平面で当該エンコーダーECを切断した場合における当該エンコーダーECの断面図である。ここで、以下では、説明を簡略化するため、図2及び図3において、当該回動軸の軸方向のうち駆動部MからエンコーダーECに向かう方向が、前述の上方向と一致している場合について説明する。
【0031】
エンコーダーECは、回動角検出部EUと、カバーCと、回動角検出部EUに接続される配線CAとを備える。
【0032】
回動角検出部EUは、駆動部Mの回動軸に取り付けられる。また、回動角検出部EUは、当該回動軸の回動角を検出する検出器である。本実施形態では、回動角検出部EUは、光を利用して当該回動軸の回動角を検出する検出器である。
【0033】
回動角検出部EUは、回動角検出部EUを制御する基板BPと、当該回動軸に固定された台座Dと、台座Dの上面に設けられた光学ディスクDCと、基板BPを駆動部Mに固定する台座D2と、基板BPに設けられた(固定された)光学素子SRと、図示しない発光素子を有する。
【0034】
光学ディスクDCには、周方向に並ぶ複数のスリットからなる複数のスリット列が設けられている。光学ディスクDCのスリットは、透過型であってもよく、反射型であってもよい。光学素子SRは、回動角検出部EUが有する発光素子から発光された光が光学ディスクDCによって反射された反射光を検出する。
【0035】
基板BPは、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを備える。また、基板BP上には、基板BPと配線CAとの間を接続する第1コネクターCN1を備える。第1コネクターCN1は、配線CAが有する端部のうち第1コネクターCN1に接続される側の端部に設けられた第2コネクターCN2が差し込まれるコネクターである。第1コネクターCN1は、水平方向に沿って第2コネクターCN2が差し込まれる差し込み口を有する。すなわち、基板BPと配線CAとは、第1コネクターCN1が有する当該差し込み口に第2コネクターCN2が水平方向に沿って差し込まれることにより接続される。
【0036】
また、基板BPには、基板BPに接続された配線CAから電力が供給される。基板BPは、供給された電力に基づいて、エンコーダーECの全体を制御する。また、基板BPは、光学素子SRが検出した反射光に基づいて、駆動部Mの回動軸の回動角を検出する。基板BPは、検出した当該回動角を示す信号を、基板BPに接続された配線CAを介して、他の装置に出力する。すなわち、本実施形態では、配線CAには、電力を供給する電力線と、信号を伝送する信号線との両方が含まれている。なお、配線CAには、電力線と信号線とのうちのいずれか一方が含まれる構成であってもよく、電力線と信号線とのうちのいずれか一方又は両方に代えて、他の配線が含まれる構成であってもよい。また、基板BPには、基板BPの上方向側、すなわち、光学素子SRとは反対側に、素子Rが設けられている。
【0037】
なお、回動角検出部EUの構成は、既知の構成であってもよく、これから開発される構成であってもよい。このため、当該構成については、これ以上の詳細な説明を省略する。また、以下では、一例として、基板BPが、駆動部Mの回動軸の回動角を示す信号を、ロボット1を制御するロボット制御装置に出力する場合について説明する。なお、基板BPが当該信号を出力する出力先は、ロボット制御装置に代えて、他の装置であってもよい。
【0038】
カバーCは、駆動部Mの回動軸に取り付けられた回動角検出部EUを覆うカバーである。駆動部Mは、回動するローター、ローターの回動軸、ローターの周りに配置されたステーター、ローター及びステーターを囲むモーターカバーMCを含む。図1に示した例では、回動角検出部EUは、カバーMCの上側に位置している。このため、当該例では、回動角検出部EUは、カバーCとカバーMCとによって囲まれている。以下では、説明の便宜上、回動角検出部EUを含む空間であり、且つ、カバーCとカバーMCとによって囲まれた空間を、第1空間R1と称して説明する。なお、第1空間R1は、カバーCとカバーMCとによって囲まれた空間に代えて、カバーCと駆動部M以外の部材とによって囲まれた空間であってもよく、カバーCとカバーMCと駆動部M以外の部材とによって囲まれた空間であってもよい。例えば、カバーMCの上面に、駆動部M以外の部材としてシールを配置し、カバーCとシールとによって囲まれた空間、及び、カバーCとカバーMCとシールとによって囲まれた空間を第1空間R1としてもよい。また、第1空間R1は、駆動部MのうちのカバーMC以外の部材と、カバーCとによって囲まれた空間であってもよい。例えば、駆動部MのうちのカバーMC以外の部材として、駆動部MのステーターにカバーCが直接固定される構造とし、カバーCとステーターとによって囲まれた空間を第1空間R1としてもよい。更に、カバーCとカバーMCとステーターとによって囲まれた空間であってもよい。いずれの場合であっても、第1空間R1は、回動角検出部EUを含む空間であればよい。なお、カバーCには、駆動部Mの一部が含まれる構成であってもよい。例えば、カバーCには、カバーMCの一部が含まれる構成であってもよい。例えば、カバーCが、ローター及びステーターを囲む構成であってもよい。また、カバーCには、駆動部M以外の何らかの部材が含まれる構成であってもよい。
【0039】
また、カバーCは、第1内壁W1を備える。
【0040】
第1内壁W1は、カバーMCの上面とともに、前述の第1空間R1を囲む壁のことである。換言すると、第1内壁W1は、カバーCが有する面のうち、回動角検出部EUを覆う面のことである。更に換言すると、第1内壁W1は、カバーCが有する面のうち、第1空間R1に面した面のことである。なお、カバーCに駆動部Mの一部が含まれる場合、第1内壁W1は、カバーCと当該一部との両方に亘って設けられる構成であってもよい。
【0041】
また、カバーCは、第1孔H1と、第2孔H2と、第1孔H1と第2孔H2との間を接続する通路IPを有する。
【0042】
第2孔H2は、第1内壁W1に設けられた孔である。
【0043】
また、図3に示した例では、第2孔H2は、駆動部Mの回動軸の軸方向からカバーCを見た場合において、前述の第1コネクターCN1のほぼ真上に位置するように、第1内壁W1に設けられている。ここで、第2孔H2が第1コネクターCN1のほぼ真上に位置することは、当該場合において、第2孔H2の少なくとも一部が第1コネクターCN1と重なることを意味する。なお、本実施形態において、駆動部Mの回動軸の軸方向からカバーCを見た場合とは、当該回動軸の軸方向からカバーCを平面視した場合を意味する。
【0044】
第2孔H2が第1コネクターCN1のほぼ真上に位置する場合、第1空間R1内における配線CAは、第2コネクターCN2が差し込み口に差し込まれた第1コネクターCN1から第2孔H2に向かって延伸する。すなわち、当該配線CAは、第1空間R1内において下から上に向かって延伸する。換言すると、当該配線CAは、第1空間R1内において、駆動部Mの回動軸の軸方向に沿って延伸する。これにより、エンコーダーECでは、第1空間R1内における配線CAの長さを短くすることができる。また、これにより、エンコーダーECでは、当該配線CAは、基板BPから離隔するように配置することができる。その結果、エンコーダーECは、第1空間R1内において配線CAと基板BPとが接触してしまうことを抑制することができる。なお、このような配線CAと基板BPとの離隔は、第1空間R1内において当該配線CAをクランプする等の方法によって実現させてもよい。
【0045】
また、第1空間R1内における配線CAが第1空間R1内において下から上に向かって延伸する場合、配線CAがカバーCの外側に引っ張られたとしても、第1コネクターCN1には、第1コネクターCN1の差し込み口から第2コネクターCN2が外れる方向に向かう力が加わらない。これは、第1コネクターCN1の差し込み口が、水平方向に沿って第2コネクターCN2が差し込まれる差し込み口であるためである。このため、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合、第1コネクターCN1には、下から上に向かって第1コネクターCN1を回転させようとする回転モーメントが加わる。その結果、エンコーダーECは、当該場合において回動角検出部EUから配線CAが外れてしまうことを抑制することができる。
【0046】
なお、第2孔H2は、駆動部Mの回動軸の軸方向からカバーCを見た場合において、第1コネクターCN1のほぼ真上と異なる位置に位置するように、第1内壁W1に設けられる構成であってもよい。この場合であっても、配線CAは、第1空間R1内において、回動角検出部EUが有する基板BPから離隔するように配置されることが望ましい。これは、配線CAが基板BPと接触する場合、配線CAが断線してしまう可能性があるためである。当該場合、例えば、配線CAが通る溝を第1空間R1内に設ける方法、配線CAが通る管を第1空間R1内に設ける方法等により、配線CAを基板BPから離隔させることができる。
【0047】
第1孔H1は、カバーCの外壁に設けられた孔である。
【0048】
また、第1孔H1は、駆動部Mの回動軸の軸方向から第1孔H1及び第2孔H2を見た場合、第1孔H1と第2孔H2とが重ならないように、カバーCの外壁に設けられている。これにより、エンコーダーECは、第1孔H1から通路IP内に入り込んだ異物を通路IP内に留めることができ、当該異物が第2孔H2を通って第1空間R1内に入り込んでしまうことを抑制することができる。当該異物は、例えば、粉塵、水、油等である。なお、当該異物は、これらに限られるわけではない。なお、本実施形態において、駆動部Mの回動軸の軸方向から第1孔H1及び第2孔H2を見た場合とは、当該回動軸の軸方向から第1孔H1及び第2孔H2を平面視した場合を意味する。
【0049】
図3に示した例では、カバーCの外壁のうち第1孔H1が設けられる壁は、カバーCの外壁のうち第1空間R1の水平方向側に位置する壁である。また、当該例では、第1孔H1は、第1空間R1よりも上側に位置している。
【0050】
また、第1孔H1は、駆動部Mの回動軸の軸方向からカバーCを見た場合において、第1コネクターCN1と当該回動軸とを通る直線上に位置している。当該場合において第1孔H1が第1コネクターCN1と当該回動軸とを通る直線上に位置しているとは、当該場合において第1孔H1が当該直線の一部と重なっていることを意味する。このような場合、カバーCでは、ほぼ水平面に沿って延伸するように通路IPをカバーCに設けることができる。図3に示した例では、通路IPは、ほぼ水平面に沿って延伸している。ほぼ水平面に沿ってカバーCに設けられた通路IPに挿通される配線CAは、第1孔H1と第2孔H2との間を、ほぼ水平面に沿って延伸する。一方、前述した通り、本実施形態において、第1空間R1内における配線CAは、下から上に向かって延伸している。このため、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合、配線CAに加わる張力の少なくとも一部は、第1内壁W1に加えられる。その結果、エンコーダーECでは、第1コネクターCN1に加わる負荷を抑制することができる。
【0051】
通路IPは、第1孔H1と第2孔H2との間を屈曲して接続する。より具体的には、通路IPは、例えば、カバーCの外壁と第1内壁W1との間を貫通し、第1孔H1と第2孔H2との間を接続する孔である。
【0052】
通路IPは、配線CAと干渉する。干渉とは、接触した状態、または隙間があるものの接触できる程度の隙間である状態をいう。また、接触し続ける状態だけでなく、一時的に接触した状態も含む。すなわち、通路IPは、通路IPに配線CAが挿通された場合、配線CAと接触する場合がある。通路IPが配線CAと接触した場合、通路IPは、通路IPと配線CAとの間の摩擦によって、配線CAの動きを抑制する。当該動きは、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合における配線CAの動きのことである。これにより、通路IPは、当該場合において、回動角検出部EUから配線CAが外れてしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、通路IPが抑制する配線CAの動きには、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合における配線CAの動きに加えて、通路IPにおける配線CAの他の動きが含まれる構成であってもよい。以下では、説明の便宜上、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合における当該配線CAの動きを、単に配線CAの動きと称して説明する。
【0053】
ここで、図4は、カバーCに設けられている通路IPの構成の一例を示す図である。また、図4は、駆動部Mの回動軸と直交する方向に沿って通路IPが見えるようにカバーCを切った場合におけるカバーCの断面図である。図4に示したように、通路IPは、第1孔H1と第2孔H2との間を屈曲して接続する通路である。図4に示した通路IPは、通路IPと配線CAとの間の摩擦によって配線CAの動きを抑制する。
【0054】
なお、通路IPは、カバーCの外壁と第1内壁との間に設けられ、第1孔H1と第2孔H2との間を接続する管であってもよい。この場合、カバーCの外壁と第1内壁W1との間のうちの少なくとも一部には、第2内壁W2が設けられている。第2内壁W2は、第1空間R1と異なる第2空間を囲む壁のことである。また、第2空間は、当該管が設けられる空間のことである。また、当該場合、第2孔H2は、第1内壁W1と第2内壁W2との間を接続する。また、当該場合、第1孔H1は、カバーCの外壁と第2内壁W2との間を接続する。
【0055】
また、通路IPは、前述の第2空間内に充填された樹脂の間を貫通し、第1孔H1と第2孔H2との間を接続する孔であってもよい。ここで、第2空間内に充填される樹脂は、例えば、スポンジであるが、これに限られるわけではない。この場合も、第2孔H2は、第1内壁W1と第2内壁W2との間を接続する。また、当該場合も、第1孔H1は、カバーCの外壁と第2内壁W2との間を接続する。
【0056】
ここで、配線CAが通路IPと接触する面積は、大きい方が望ましい。これは、配線CAがカバーCの外側に引っ張られた場合において、配線CAと通路IPとの間に発生する摩擦力が高くなるためである。このような事情から、図4に示した例では、通路IPは、屈曲している。通路IPが屈曲していることにより、通路IPは、配線CAの動きを、より確実に抑制することができる。なお、当該例では、通路IPは、2次関数的に屈曲しているが、これに代えて、3次以上の関数的に屈曲していてもよい。
【0057】
また、通路IPが屈曲しているため、通路IPは、第1孔H1から通路IP内に入り込んだ異物を通路IP内に留めることができ、当該異物が第2孔H2を通って第1空間R1内に入り込んでしまうことを、より確実に抑制することができる。また、通路IPは、通路IPと配線CAとの接触、通路IPと配線CAとの間の隙間の狭さ等によって、異物が第1空間R1に侵入することを抑制することができる。
【0058】
また、屈曲している通路IPの曲率半径は、配線CAの最小曲げ半径より大きい。これにより、通路IPは、通路IPに配線CAを挿通することによって配線CAが断線してしまうことを抑制することができる。また、これにより、通路IPは、配線CAを通路IPに挿通することが困難になってしまうことを抑制することができる。
【0059】
また、通路IPでは、通路IPの少なくとも一部の摩擦係数は、大きい方が望ましい。通路IPの少なくとも一部の摩擦係数を高くする方法としては、例えば、通路IPの少なくとも一部の表面に、ゴム等の樹脂を設ける方法等がある。なお、通路IPの少なくとも一部の摩擦係数を高くする方法には、他の如何なる方法が用いられてもよい。
【0060】
ここで、図4に示した例では、通路IPは、前述した通り、第1孔H1と第2孔H2との間を接続する通路である。この場合、エンコーダーECでは、通路IPに配線CAを挿通させるだけで、配線CAの動きを抑制することができる。すなわち、エンコーダーECでは、グロメット、結束バンド等を用いて配線CAの動きを抑制する必要がない。また、通路IPへの配線CAの挿通は、第1孔H1から第2孔H2へ向かって配線CAを差し込むことによって、又は、第2孔H2から第1孔H1へ向かって配線CAを差し込むことによって、容易に行うことができる。その結果、エンコーダーECは、エンコーダーECの組み立て作業を簡略化することができ、エンコーダーECの生産効率を向上させることができる。
【0061】
<エンコーダーを組み立てる手順の具体例>
以下、図5を参照し、エンコーダーECを組み立てる手順の具体例について説明する。図5は、エンコーダーECを組み立てる手順の流れの一例を示す図である。なお、以下では、回動角検出部EUがすでに組み立てられており、且つ、回動角検出部EUがカバーMCの上面に取り付けられている場合について説明する。また、以下では、エンコーダーECを組み立てる人を、作業者と称して説明する。
【0062】
ステップS110:作業者は、第1コネクターCN1の差し込み口に第2コネクターCN2を差し込む。
【0063】
ステップS120:ステップS110の次に、作業者は、配線CAを通路IPに挿通させる。
【0064】
ここで、作業者は、ステップS120において、第1孔H1から第2孔H2に向かって配線CAを通路IPに挿通させてもよく、第2孔H2から第1孔H1に向かって配線CAを通路IPに挿通させてもよい。また、ステップS110の手順とステップS120の手順とは、逆の順序で行われてもよい。
【0065】
ステップS130:ステップS120の次に、作業者は、カバーCを駆動部Mに取り付ける。より具体的には、作業者は、ステップS130において、カバーCをカバーMCの上面に取り付け、カバーCによって回動角検出部EUを覆い、エンコーダーECの組み立てを終了する。
【0066】
以上のように、エンコーダーECを組み立てる手順には、配線CAにグロメット、結束バンド等を取り付ける手順が含まれていない。これにより、エンコーダーECは、エンコーダーECの組み立て作業を簡略化することができ、エンコーダーECの生産効率を向上させることができる。
【0067】
<実施形態の変形例>
以下、実施形態の変形例について説明する。
【0068】
上記において説明したカバーCは、図6及び図7に示したように、剛性を上げるための補強部材が設けられる構成であってもよい。図6は、補強部材が設けられたカバーCの一例を示す斜視図である。図7は、補強部材が設けられたカバーCの一例を示す上面図である。なお、図6及び図7では、説明の便宜上、当該カバーCが駆動部Mに取り付けられた場合において、駆動部Mの回動軸に沿った方向のうち駆動部Mから当該カバーCに向かう方向を上又は上方向と称して説明する。
【0069】
図6及び図7に示した部材RB1、部材RB2のそれぞれは、カバーCに設けられた補強部材の一例である。部材RB1及び部材RB2のそれぞれは、カバーCの外壁のうち側面側の外壁に、上下方向に沿って設けられたリブ形状の部材である。また、部材RB1及び部材RB2のそれぞれは、上から下に向かってカバーCを見た場合において、カバーCが取り付けられる駆動部Mの輪郭よりも内側に含まれるように、カバーCの外壁に設けられる。また、部材RB1及び部材RB2のそれぞれは、当該場合において、カバーCが取り付けられる駆動部Mの回動軸を挟んでほぼ1直線に並ぶように、カバーCの外壁に設けられる。
【0070】
これにより、エンコーダーECは、カバーCの剛性を向上させることができる。例えば、我々が行なった実験では、カバーCの外壁に対して外力を加えた際の剛性が、部材RB1及び部材RB2をカバーCに対して設けない場合と比較して、31%上昇した。なお、このような剛性の上昇率は、カバーCの大きさ、形状等によって変わるため、必ず31%となるわけではない。
【0071】
なお、上記において説明した第1孔H1及び第2孔H2のそれぞれは、駆動部Mの回動軸の軸方向からエンコーダーECを見た場合において、配線CAが有する部分のうちカバーC内に含まれる部分が駆動部Mの輪郭内に含まれるように、カバーCに設けられることが望ましい。これにより、当該回動軸の軸方向と直交する方向におけるエンコーダーECの大きさが大きくなってしまうことを抑制することができる。その結果、エンコーダーECは、エンコーダーECを備える駆動部Mが大きくなってしまうことを抑制することができる。また、エンコーダーECは、エンコーダーECを備えるロボット1が大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0072】
また、上記において説明したカバーCは、2つ以上の部材によって構成されてもよい。
【0073】
以上説明したように、実施形態におけるエンコーダーは、回動軸を有する駆動部の回動軸の回動角を検出するエンコーダーであって、駆動部の回動軸に取り付けられ、当該回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、回動角検出部に接続される配線と、配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、カバーは、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、配線は、第1孔、通路、第2孔を通って回動角検出部に接続される。これにより、エンコーダーは、組み立て作業を簡略化することができる。その結果、エンコーダーは、エンコーダーの生産効率を向上させることができる。ここで、当該駆動部は、上記において説明した例では、エンコーダーECである。また、当該回動角検出部は、上記において説明した例では、回動角検出部EUである。また、当該配線は、上記において説明した例では、配線CAである。また、当該第1孔は、上記において説明した例では、第1孔H1である。また、当該第2孔は、上記において説明した例では、第2孔H2である。また、当該カバーは、上記において説明した例では、カバーCである。また、当該通路は、上記において説明した例では、通路IPである。
【0074】
また、エンコーダーでは、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路の曲率半径は、前記配線の最小曲げ半径より大きい、構成が用いられてもよい。
【0075】
また、エンコーダーでは、配線は、回動角検出部が有する基板上に備えられた第1コネクターに接続されており、第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、第1コネクターと当該回動軸とを通る直線上に位置している、構成が用いられてもよい。ここで、当該基板は、上記において説明した例では、基板BPである。また、当該第1コネクターは、上記において説明した例では、第1コネクターCN1である。
【0076】
また、エンコーダーでは、第1孔と第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、重なっていない、構成が用いられてもよい。
【0077】
また、実施形態における駆動部は、回動軸を有する駆動部であって、駆動部の回動軸に取り付けられ、当該回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、回動角検出部に接続される配線と、配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、カバーは、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、配線は、第1孔、通路、第2孔を通って回動角検出部に接続される。これにより、駆動部は、組み立て作業を簡略化することができる。その結果、駆動部は、駆動部の生産効率を向上させることができる。
【0078】
また、駆動部では、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路の曲率半径は、前記配線の最小曲げ半径より大きい、構成が用いられてもよい。
【0079】
また、駆動部では、配線は、回動角検出部が有する基板上に備えられた第1コネクターに接続されており、第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、第1コネクターと当該回動軸とを通る直線上に位置している、構成が用いられてもよい。
【0080】
また、駆動部では、第1孔と第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、重なっていない、構成が用いられてもよい。
【0081】
また、実施形態におけるロボットは、基台と、基台に支持される可動部と、可動部に設けられ、回動軸を有する駆動部と、駆動部の回動軸に取り付けられ、回動軸の回動角を検出する回動角検出部と、回動角検出部に接続される配線と、配線が通る第1孔と第2孔とが設けられたカバーと、を備え、カバーは、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路を有し、配線は、第1孔、通路、第2孔を通って回動角検出部に接続される。これにより、ロボットは、組み立て作業を簡略化することができる。その結果、ロボットは、ロボットの生産効率を向上させることができる。ここで、当該基台は、上記において説明した例では、基台Bである。また、当該可動部は、上記において説明した例では、可動部Aである。
【0082】
また、ロボットでは、第1孔と第2孔との間を屈曲して接続する通路の曲率半径は、前記配線の最小曲げ半径より大きい、構成が用いられてもよい。
【0083】
また、ロボットでは、配線は、回動角検出部が有する基板上に備えられた第1コネクターに接続されており、第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、第1コネクターと当該回動軸とを通る直線上に位置している、構成が用いられてもよい。
【0084】
また、ロボットでは、第1孔と第2孔は、駆動部の回動軸の軸方向からの平面視において、重なっていない、構成が用いられてもよい。
【0085】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…ロボット、A…可動部、A1…第1アーム、A2…第2アーム、AX1…第1回動軸、AX2…第2回動軸、AX3…第3回動軸、B…基台、BP…基板、C…カバー、CA…配線、CN1…第1コネクター、CN2…第2コネクター、D…台座、DC…光学ディスク、EC…エンコーダー、EU…回動角検出部、H1…第1孔、H2…第2孔、M…駆動部、M1…第1駆動部、M2…第2駆動部、M3…第3駆動部、M4…第4駆動部、MC…カバー、R1…第1空間、RB1…部材、RB2…部材、S…シャフト、IP…通路、SR…光学素子、W1…第1内壁、W2…第2内壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7