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特許7187956入力作業評価支援装置、入力作業評価支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】入力作業評価支援装置、入力作業評価支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20221206BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221206BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06Q10/06 324
G06F3/0484
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018190396
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060874
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】柴立 真澄
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 広宣
(72)【発明者】
【氏名】森田 恭弘
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-049859(JP,A)
【文献】特開2003-177847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06Q 10/06
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得部と、
前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力部
を有する入力作業評価支援装置。
【請求項2】
前記画像情報生成部は、前記ポインタの二次元位置を、当該ポインタの移動速度に応じた表示態様で示す画像情報を生成する
請求項1に記載の入力作業評価支援装置。
【請求項3】
前記作業情報取得部は、前記作業情報を複数取得し、
前記画像情報生成部は、前記作業情報の各々から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値のうち何れか二つの関係を、互いに異なる表示態様により示す画像情報を生成する
請求項1又は請求項2に記載の入力作業評価支援装置。
【請求項4】
前記画像情報生成部は、前記作業情報の各々から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値のうち何れか二つの関係を、前記二つの関係が一致するか否かに応じて、互いに異なる表示態様により示す画像情報を生成する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の入力作業評価支援装置。
【請求項5】
前記画像情報生成部は、前記作業情報から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値の関係を三次元座標系で示す画像情報を生成する
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の入力作業評価支援装置。
【請求項6】
作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報、及び前記入力作業において行われたキー操作に関する操作情報を取得する作業情報取得部と、
前記作業情報、及び前記操作情報を用いて、前記入力作業に用いられた入力装置の種別を推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記入力装置の種別に応じて、前記作業情報及び前記操作情報のうち少なくとも何れか一方を、所定の評価軸を用いて示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力部
を有する入力作業評価支援装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記操作情報により特定した前記キー操作の回数、及び前記作業情報により特定した前記ポインタの移動距離を用いて、前記入力作業に用いられた入力装置の種別を推定する
請求項6に記載の入力作業評価支援装置。
【請求項8】
作業情報取得部が、作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得工程と、
画像情報生成部が、前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成工程と、
出力部が、前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力工程
を有する入力作業評価支援方法。
【請求項9】
コンピュータを、
作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得手段と、
前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成手段と、
出力部が、前記画像情報生成手段により生成された画像情報を出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力作業評価支援装置、入力作業評価支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種申込書や契約書などの帳票に記載された記載内容に不備がないかを審査する審査業務がある。審査業務を行う作業者は、例えば、作業端末の画面に表示された審査項目に沿って記載内容を確認し、確認した結果を作業端末に入力する。作業端末に入力された結果に基づいて審査の要件を満たしているか否かが決定される。
このような審査業務において審査の効率を向上させるためには、入力作業を早く行う必要がある。例えば、特許文献1には、装置のユーザインタフェースにおける操作性能を評価する技術が開示されている。操作性能が向上すれば、入力作業がし易くなり、その結果、審査の効率が向上することが期待できる。
また、審査業務においては、複数人の作業者により分担して作業が行われる場合が多い。複数人の作業者の中には、熟練の者がいる一方で経験の浅い者も含まれ、入力作業に要する時間も様々である。審査の効率を向上させるためには、作業者の入力作業が速いのか遅いのかを判断し、入力作業が遅い作業者に、作業が早くなるように教育を施す必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-56771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、審査業務の現場においては、入力作業の遅い作業者に対して、管理者や監督が感覚的に指摘する場合が多く、指摘を受けた作業者が、自分がどのように作業し、なぜ作業が遅いのかを客観的に理解することが困難となる場合があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、入力作業の内容を客観的に示すことができる入力作業評価支援装置、入力作業評価支援方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の、入力作業評価支援装置は、作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得部と、前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の、入力作業評価支援装置では、前記画像情報生成部は、前記ポインタの二次元位置を、当該ポインタの移動速度に応じた表示態様で示す画像情報を生成することを特徴とする。
【0008】
本発明の、入力作業評価支援装置では、前記作業情報取得部は、前記作業情報を複数取得し、前記画像情報生成部は、前記作業情報の各々から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値のうち何れか二つの関係を、互いに異なる表示態様により示す画像情報を生成することを特徴とする。
【0009】
本発明の、入力作業評価支援装置では、前記画像情報生成部は、前記作業情報の各々から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値のうち何れか二つの関係を、前記二つの関係が一致するか否かに応じて、互いに異なる表示態様により示す画像情報を生成することを特徴とする。
【0010】
本発明の、入力作業評価支援装置では、前記画像情報生成部は、前記作業情報から抽出した前記第1座標値、前記第2座標値、及び前記時間値の関係を三次元座標系で示す画像情報を生成することを特徴とする。
【0011】
本発明の、入力作業評価支援装置は、作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報、及び前記入力作業において行われたキー操作に関する操作情報を取得する作業情報取得部と、前記作業情報、及び前記操作情報を用いて、前記入力作業に用いられた入力装置の種別を推定する推定部と、前記推定部により推定された前記入力装置の種別に応じて、前記作業情報及び前記操作情報のうち少なくとも何れか一方を、所定の評価軸を用いて示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力部を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の、入力作業評価支援装置では、前記推定部は、前記操作情報により特定した前記キー操作の回数、及び前記作業情報により特定した前記ポインタの移動距離を用いて、前記入力作業に用いられた入力装置の種別を推定することを特徴とする。
【0013】
本発明の、入力作業評価支援方法は、作業情報取得部が、作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得工程と、画像情報生成部が、前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成工程と、出力部が、前記画像情報生成部により生成された画像情報を出力する出力工程を有することを特徴とする。
【0014】
本発明のプログラムは、コンピュータを、作業項目が表示された表示画面に入力を行う入力作業において、前記表示画面に示されるポインタの二次元位置の時系列変化を示す作業情報を取得する作業情報取得手段と、前記作業情報から抽出した前記ポインタの二次元位置を示す二次元座標系の第1座標軸の第1座標値、及び前記第1座標軸とは異なる第2座標軸の第2座標値のいずれか一方と、前記ポインタが当該二次元位置にいた時間を示す時間値との関係を示す画像情報を生成する画像情報生成手段と、出力部が、前記画像情報生成手段により生成された画像情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラムとして動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、入力作業におけるポインタの二次元位置の移動の軌跡や、ポインタの位置と時間との関係を示す画像情報を出力できるため、入力作業の内容を客観的に示すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態による解析サーバ20が適用される入力作業評価支援システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による作業端末10の画面に表示される審査項目の例を示す図である。
図3】本発明の実施形態によるパターン推定部22が行う処理に用いる表の例を示す図である。
図4】本発明の実施形態による入力作業におけるポインタの軌跡の例を示す図である。
図5】本発明の実施形態による入力作業におけるポインタの軌跡の例を示す図である。
図6】本発明の実施形態による入力作業におけるポインタの軌跡の例を示す図である。
図7】本発明の実施形態による画像情報生成部23が行う処理を説明する図である。
図8】本発明の実施形態による画像情報生成部23が行う処理を説明する図である。
図9】本発明の実施形態による画像情報生成部23が行う処理を説明する図である。
図10】本発明の実施形態による画像情報生成部23が行う処理を説明する図である。
図11】本発明の実施形態による解析サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態による解析サーバ20が生成した画像から作業の効率を算出する方法を説明する図である。
図13】本発明の実施形態による解析サーバ20が生成した画像から作業の効率を算出する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態による解析サーバ20が適用される入力作業評価支援システム1の構成例を示すブロック図である。ここで、解析サーバ20は、「入力作業評価支援装置」の一例である。
入力作業評価支援システム1は、入力作業(以下、単に作業ともいう)を行う作業者の作業を客観的に評価するデータを提示するシステムである。以下の説明においては、作業として、審査項目に沿って確認した内容を入力する審査業務を行う場合を例示して説明するが、これに限定されることはない。作業は、マウスやキーボード等の入力装置を用いた操作により各種情報が入力される作業であればよい。
【0019】
入力作業評価支援システム1は、例えば、作業端末10(作業端末10-1、…、10-N)、解析サーバ20、通信ネットワーク30及び表示装置40を備える。入力作業評価支援システム1において、作業端末10、解析サーバ20及び表示装置40は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。
【0020】
入力作業評価支援システム1では、作業端末10が各作業者に割り当てられ、作業端末10の各々から解析サーバ20に作業の内容が送信される。解析サーバ20は、作業端末10から受信した作業の内容を解析し、解析結果を画像で示す画像データを表示装置40に送信する。表示装置40は、解析サーバ20から受信した解析結果を示す画像を表示する。
【0021】
作業端末10は、作業者に割り当てられた汎用のコンピュータ装置である。作業端末10は、例えば、入力部11、表示部12、通信部13及び制御部14を備える。入力部11には、マウスやキーボード等の入力装置が操作されることにより作業端末10に入力される操作信号を取得する。ここで、操作信号は、マウスの操作によりポインタで示された画面上の位置を示す信号である。ここでの位置は、「二次元位置」の一例である。
また、入力部11は、作業において行われたキーボードのキー操作を示す信号を、操作信号として取得する。
【0022】
表示部12は、作業の対象となる審査項目が表示される表示画面である。また、表示部12には作業者により入力された審査項目に対する確認結果が表示される。通信部13は、通信ネットワーク30を介して解析サーバ20と通信を行う。制御部14は、作業端末10を統括的に制御する。制御部14は、入力部11に入力された操作信号を用いて、作業端末10の画面上で示された位置、及び当該位置が示された時間を示す時間値を抽出する。制御部14は、抽出した位置と時間値とを対応付けた時系列変化を示す作業情報を生成し、生成した作業情報を、通信部13を介して解析サーバ20に送信する。また、制御部14は、入力部11に入力された操作信号を用いて、作業において入力されたキー操作に関する操作情報を、通信部13を介して解析サーバ20に送信する。
【0023】
解析サーバ20は、例えば、通信部21、パターン推定部22、画像情報生成部23及び出力部24を備える。ここで、通信部21は、「作業情報取得部」の一例である。また、パターン推定部22は、「推定部」の一例である。
【0024】
通信部21は、通信ネットワーク30を介して、作業端末10及び表示装置40と通信を行う。通信部21は、作業端末10から作業情報、及び操作情報を取得する。
パターン推定部22は、作業情報及び操作情報に基づいて、作業に用いられた入力装置の種別を推定する。
以下では、作業に用いられる入力装置がマウス及び/又はキーボードである場合を例示して説明する。つまり、パターン推定部22は、作業にマウスのみが用いられたパターンか、マウスとキーボードの両方が用いられたパターンか、キーボードのみが用いられたパターンかを推定する。しかしながら、作業に用いられる入力装置は、これに限定されない。入力装置は、タッチパッド、タッチパネル、スタイラス、或いはトラックボール等、表示画面に示すポインタやカーソルの位置を操作する情報が入力可能な装置であればよい。何れの入力装置が作業に用いられた場合にも、以下に説明する方法と同様の方法により、パターン推定部22は、作業に用いられた入力装置の種別を推定することが可能である。パターン推定部22が、入力装置の種別を推定する方法については後で詳しく説明する。
【0025】
画像情報生成部23は、作業情報から複数の評価軸を抽出する。ここで評価軸は、当該作業を評価する項目軸であって、例えば、位置を示す二次元座標系(x、y)のX軸方向の座標値x、Y軸方向の座標値y、及び時間Tの時間値tなどである。ここで、X軸は「第1座標軸」の一例、Y軸は「第2座標軸」の一例である。また、座標値xは「第1座標値」の一例、座標値yは「第2座標値」の一例である。
画像情報生成部23は、作業情報から抽出した複数の評価軸のうち、少なくとも二つの評価軸の関係を示す画像の画像データを生成する。評価軸として、X軸上の座標値x、Y軸上の座標値y、及び時間値tが用いられる場合、画像情報生成部23は、作業における(x、y)の関係、(x、t)の関係、或いは(y、t)の関係のうち少なくとも一つの関係を示す画像の画像データを生成する。
【0026】
画像情報生成部23は、複数の作業情報を用いて、それぞれの作業情報から抽出した二つの評価軸の関係を重ねて示す画像の画像データを生成してもよい。この場合、画像情報生成部23は、作業情報の各々について抽出した評価要素のうち同じ二つの要素の関係を表示する画像情報を生成する。
【0027】
また、画像情報生成部23は、複数の作業情報を用いた画像情報を生成する場合、パターン推定部22により推定された推定結果ごとに画像情報を生成する。
例えば、画像情報生成部23は、パターン推定部22により推定された推定結果に基づいて複数の作業情報を、作業に、マウスのみが用いられたパターン、マウスとキーボードの両方が用いられたパターン、及びキーボードのみが用いられたパターンの各々に分類する。画像情報生成部23は、分類した作業情報の各々について、それぞれの作業情報から抽出した二つの評価軸の関係を重ねて示す画像の画像データを生成する。
【0028】
出力部24は、画像情報生成部23により生成された画像情報を、通信部21及び通信ネットワーク30を介して、表示装置40に送信(出力)する。
通信ネットワーク30は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む通信網である。
表示装置40は、解析サーバ20から画像情報を受信し、受信した画像情報に応じた画像を表示する。
【0029】
ここで、作業端末10が作業情報を取得する方法について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施形態による表示部12の画面120に表示される審査項目の例を示す図である。図2(a)は作業を開始させる画面120の例、図2(b)は作業の対象となる審査項目及び作業を終了させる画面120の例を示す。また、図2(a)及び図2(b)では、作業端末10の画面正面からみて上左端を原点とし、画面左から右への方向をX軸方向、画面上から下への方向をY軸方向とする。
【0030】
図2(a)に示すように、画面120には、開始ボタンを示すオブジェクト121が表示される。オブジェクト121が押下されると、作業を行う画面(図2(b)参照)に遷移するボタンオブジェクトである。
【0031】
図2(b)に示すように、画面120には、テキスト入力を示すオブジェクト122、チェックボックスを示すオブジェクト123、ラジオボタンを示すオブジェクト124、コンボボックスを示すオブジェクト125、及び終了ボタンを示すオブジェクト126が表示される。
ここで、オブジェクト122は、審査項目1として文字列(テキスト)が入力されるテキストオブジェクトである。オブジェクト123は、審査項目2として複数ある項目の中から一つ或いは複数の項目が選択されるオブジェクトである。オブジェクト124は、審査項目3として複数ある選択肢のうち何れか一つが選択されるオブジェクトである。オブジェクト125は、審査項目4として文字列(テキスト)が入力されるか、又は複数ある選択肢に記載された文言の中から何れか一つが選択されるオブジェクトである。オブジェクト126は押下されると作業が終了されるオブジェクトである。
【0032】
例えば、作業端末10の制御部14は、入力部11によりオブジェクト121が押下されてからオブジェクト126が押下されるまでの間に入力部11に入力された操作信号を取得する。
【0033】
ここで、パターン推定部22が作業に用いられた入力装置を推定する方法を図3図6を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態によるパターン推定部22が行う処理に用いられる表の例を示す図である。
【0034】
図3において、操作距離Lxは、作業において画面120の中でポインタが移動した距離の総和である。
最低距離Ltは、マウスのみを用いて全ての作業を行う場合に最低限ポインタを移動させる距離である。最低距離Ltは、例えば、オブジェクト121~126が設けられた位置の各々を直線で接続した場合における各々の直線の長さの総和である。また、最低距離Ltは、オブジェクト121~126に入力された内容、例えば、オブジェクト123に示された何れのチェックボックスが選択されたか等に応じてそれぞれ求められてもよい。
必要距離Lminは、マウスを用いてオブジェクト間を移動させるのに最低限ポインタを移動させる距離である。必要距離Lminは、例えば、オブジェクト121~126の各々のオブジェクト間の距離のうち最短の距離である。
【0035】
操作回数Kxは、作業においてキーボードのキーが押下された回数である。操作回数Kxに計測されるキーの種別は、いわゆる文字キーとは異なるキーであり、例えば、エンターキー、タブキー、スペースキー、矢印キー、ファンクションキーなどである。
最低回数Ktは、キーボードのみを用いて全ての作業を行う場合に最低限キーを押下させる回数である。
【0036】
パターン推定部22は、まず、作業情報を用いて操作距離Lx及び操作回数Kxを特定し、特定した操作距離Lx、操作回数Kx及び図3に示す表に従って作業に用いられた入力装置を推定する。
パターン推定部22は、操作距離Lxが最低距離Lt以上であり、尚且つ操作回数Kxが0(ゼロ)である場合、作業に用いられた入力装置はマウスのみであると推定する。パターン推定部22は、操作距離Lxが最低距離Lt以上であり、尚且つ操作回数Kxが0(ゼロ)でない場合、作業に用いられた入力装置はマウスとキーボードの両方であると推定する。
また、パターン推定部22は、操作距離Lxが最低距離Lt未満であり、尚且つ操作回数Kxが0(ゼロ)でない場合、作業に用いられた入力装置はマウスとキーボードの両方であると推定する。また、パターン推定部22は、操作距離Lxが必要距離Lmin以下であり、尚且つ操作回数Kxが最低回数Kt以上である場合、作業に用いられた入力装置はキーボードのみであると推定する。
なお、パターン推定部22は、操作距離Lxが最低距離Lt未満であり、尚且つ操作回数Kxが0(ゼロ)である場合、及び操作距離Lxが必要距離Lmin以下であり、尚且つ操作回数Kxが最低回数Kt未満である場合、には、作業に用いられた入力装置を推定しない(図3の例では「対象外」と記載)。これらの場合には、作業の途中で終了ボタンが押下された等、作業が正常に終了していないと判断されるためである。
【0037】
図4図6は、本発明の実施形態による作業におけるポインタの軌跡の例を示す図である。図4図6では、模式的に、オブジェクト121~126を重ねて画面120に示している。
【0038】
図4では、マウスのみを用いて全ての作業が行われた場合におけるポインタの軌跡L1を示している。軌跡L1の長さが操作距離Lxに相当する。また、この例では、画面120に表示されたオブジェクトをそれぞれ接続した場合の軌跡L2を示しており、軌跡L2の長さが最低距離Ltに相当する。
一般に、マウスのみを用いて作業を行う場合、作業者は、帳票の内容を確認しながら手でマウスの操作を行っていると考えられ、各オブジェクト間の最短経路でポインタを移動させるように意識しない場合がほとんどであるため、操作距離Lxは、最低距離Ltより長くなると考えられる。
また、マウスのみを用いて作業を行う場合、マウスの移動操作によりポインタの移動が、クリック操作によりオブジェクトの選択が行われ、エンターキー等が押下されることがない。
このことから、パターン推定部22は、操作距離Lxが最低距離Lt以上であり、操作回数Kxが0(ゼロ)の場合に、マウスのみを用いて作業が行われたと推定する。
【0039】
図5では、キーボードのみを用いて全ての作業が行われた場合におけるポインタの軌跡L3を示している。軌跡L3の長さが操作距離Lxに相当する。また、この例では、画面120に表示されたオブジェクトを移動させた場合における最短の軌跡L4を示しており、軌跡L4の長さが必要距離Lminに相当する。
【0040】
キーボードのみを用いて作業を行う場合、作業者は、マウスを操作しない。このため、ポインタの移動が全くないか、移動があっても極小さい距離の移動となることが考えられる。このため、ポインタの移動があった場合であっても、その移動距離がオブジェクト間を移動する距離より小さければ、マウスを用いて作業が行われていない、つまりキーボードのみを用いて作業が行われたと判定してよい。
また、キーボードのみを用いて作業を行う場合、作業者は、タブキーを押下することによりオブジェクトを選択し、矢印キーやスペースキーを押下することによりオブジェクトに示された選択肢を選択し、エンターキーを押下することにより確定させる。このため、オブジェクトの数、各オブジェクトに示される選択肢が選択肢の何番目に示されているか等に応じて、作業に必要な操作の回数(キーを押下する回数)が一意に決定する。この作業に必要な操作の回数が最低回数Ktに相当する。
このことから、パターン推定部22は、操作距離Lxが必要距離Lmin以下であり、操作回数Kxが最低回数Kt以上の場合に、キーボードのみを用いて作業が行われたと推定する。
【0041】
図6では、マウスとキーボードの両方を用いて全ての作業が行われた場合におけるポインタの軌跡L5を示している。軌跡L5の長さが操作距離Lxに相当する。また、この例では、図5と同様に、軌跡L4の長さが必要距離Lminに相当する。
【0042】
マウスとキーボードの両方を用いて作業を行う場合、作業者は、マウスをある程度操作してポインタを移動させ、尚且つ、ある程度の回数キーを押下する。このため、ある程度のポインタの移動があると考えられる。この場合、ポインタの移動距離は、マウスを用いて一つでも作業が行われた場合において必要な距離、つまり必要距離Lminより大きいと考えてよい。また、この場合におけるキーの押下回数は、キーボードを用いて一つでも作業が行われた場合において必要な回数、つまり0(ゼロ)より大きいと考えてよい。
このことから、パターン推定部22は、操作距離Lxが必要距離Lminより大きく、操作回数Kxが0(ゼロ)以上の場合に、マウスとキーボードの両方を用いて作業が行われたと推定する。
【0043】
ここで、画像情報生成部23が行う処理について、図7図10を用いて説明する。
図7図10は、本発明の実施形態による画像情報生成部23が行う処理を説明する図である。
【0044】
図7の左上図は作業における画面120上のポインタの軌跡L1を示し、図7の左下図、及び右上図は画像情報生成部23により生成された画像情報が表示装置40に表示された例を示す。
画像情報生成部23は、図7左上図に示すような画面120におけるポインタの軌跡L1に基づいて画像情報を生成する。画像情報生成部23は、例えば、軌跡L1における所定の位置P(位置P1(X1、Y1)~P6(X6、Y6))におけるX座標、Y座標、及びその位置が指し示された時間Tのうち、いずれか二つの要素の関係を示す画像情報を生成する。
【0045】
図7左下図に示すように、画像情報生成部23は、例えば、軌跡L1におけるX座標をX軸とし、時間TをZ軸とする軌跡L10を示す画像400の画像情報を生成する。
図7右上図に示すように、画像情報生成部23は、例えば、軌跡L1におけるY座標をY軸とし、時間TをZ軸とする軌跡L11を示す画像401の画像情報を生成する。
【0046】
図8は画像情報生成部23により生成された画像情報が表示装置40に表示された例を示す。
図8に示すように、画像情報生成部23は、軌跡L1におけるX座標、Y座標、及び位置Pが指し示された時間Tの各々の要素の関係を三次元座標系で示す軌跡L12の画像402の画像情報を生成するようにしてもよい。
【0047】
図9の左上図は、図7の左上図と同様に、作業における画面120上のポインタの軌跡L1を示し、図9の左下図、及び右上図は画像情報生成部23により生成された画像情報が表示装置40に表示された例を示す。
図9左下図に示すように、画像情報生成部23は、図7左下図と同様に、軌跡L1におけるX座標をX軸とし、時間TをZ軸とする軌跡L13を示す画像403の画像情報を生成する。この例では、領域E1において、位置P4からP5に至るまでに要した時間が、図7左下図と比べて大きいことが示されている。
図9右上図に示すように、画像情報生成部23は、軌跡L1におけるX座標をX軸とし、Y座標をY軸とする軌跡L14を示す画像401の画像情報を生成するようにしてもよい。この場合、画像情報生成部23は、例えば、軌跡L14上の位置Pにおけるポインタの移動速度に応じて表示態様を変化させた画像情報を生成する。この例では、画像情報生成部23は、図9左下図の領域E1に対応する箇所を、領域E2に示すように、他の領域とは表示態様を変えて表示している。ここでは、領域E2の軌跡を示すラインにハッチングを施すことにより表示態様を変化させる場合を例示したが、これに限定されない。画像情報生成部23は、軌跡を示すラインの色やテクスチャ等を変化させることにより表示態様を変化させてもよい。また、画像情報生成部23は、軌跡を示すラインを半透明(例えば、透明度50%)にして描画してもよい。この場合、図9右上図に示すようなXY平面からみた軌跡を一定の時間間隔でプロットすると、単位時間あたりの移動量が少ない(つまり、ポインタが滞留している)場合、単位時間あたりの移動量が大きい(ポインタが速く移動している)場合と比較して色が濃く表現される。すなわち、画像情報生成部23は、色の濃淡により時間の経過を表現するようにしてもよい。
【0048】
図10は画像情報生成部23により生成された画像情報が表示装置40に表示された例を示す。
図10に示すように、画像情報生成部23は、複数の軌跡L15及びL16を重ねて示す画像情報を生成するようにしてもよい。この場合、画像情報生成部23は、例えば、軌跡L15及びL16において一致する箇所と、一致しない箇所の表示態様を変化させた画像情報を生成する。この例で、一致する箇所とは、軌跡L15の位置P1からP2までの軌跡と軌跡L16の位置Q1からQ2までの軌跡である。画像情報生成部23は、領域E3及びE4に示す箇所において軌跡L15及びL16が重なっている(一致している)ことから、当該領域を他の領域とは表示態様を変えて表示している。
この場合においても、画像情報生成部23は、複数の軌跡を示すラインを半透明にして描画してもよい。この場合、軌跡が重なる領域では互いの軌跡の色が混合されることにより、他の領域とは異なる色で表現される。
【0049】
図11は、本発明の実施形態による解析サーバ20の動作例を示すフローチャートである。
ステップS10:
解析サーバ20の通信部21は、作業端末10から作業情報を取得する。通信部21は、取得した作業情報をパターン推定部22及び画像情報生成部23に出力する。
ステップS11:
パターン推定部22は、作業情報に基づいて、作業に用いられた入力装置が、マウスのみであるか、マウスとキーボードの両方であるか、或いはキーボードのみであるかを推定する。パターン推定部22は、推定結果を画像情報生成部23に出力する。
ステップS12:
画像情報生成部23は、作業に用いられた入力装置のパターンごとに、作業において画面120に示されたポインタの位置Pとその位置Pが示された時間Tとの関係を示す画像情報を生成する。
【0050】
以上説明したように、実施形態の解析サーバ20は、作業において画面120に示されたポインタの軌跡を示す二次元の位置P(x、y)とその位置Pが示された時間Tのうち二つの要素、つまり(x、t)、(y、t)又は(x、y)の関係を示す画像情報を生成して出力する。
これにより、実施形態の解析サーバ20は、ポインタの軌跡を時間の経過と共に示す画像情報を生成することができ、作業ごとに要した時間を作業者や管理者等が容易に視認することが可能となる。特に、画面120においてY軸方向に沿って審査項目が順に示されている場合、図7右上図のように、Y座標と時間Tとの関係を示す画像を生成することにより、何れの審査項目が短時間で処理されているか、或いは何れの審査項目に時間がかかっているか等、作業項目ごとの作業の内容を確認することも可能となる。
【0051】
また、実施形態の解析サーバ20は、ポインタの位置を、その位置におけるポインタの移動速度に応じた表示態様で示す画像情報を生成する。これにより、実施形態の解析サーバ20は、ポインタの軌跡を時間の経過に応じて表現することができ、上述した効果と同様に、作業ごとに要した時間を容易に視認することが可能となる。
また、実施形態の解析サーバ20は、位置P(x、y)と時間Tの三つの要素の関係を三次元で示す画像情報を生成してもよい。これにより、実施形態の解析サーバ20では、作業ごとに要した時間を立体的に視認することが可能である。
【0052】
また、実施形態の解析サーバ20は、複数の作業情報を用いて、各々の作業におけるポインタの軌跡を、互いに表示態様を変えて表示する画像情報を生成する。これにより、実施形態の解析サーバ20は、複数の作業におけるポインタの軌跡の相違を視認することができる。例えば、効率よく作業が行われた軌跡と、効率よく作業が行われていない場合の軌跡とを見比べたりすることができるので、効率よく作業が行われていない場合に、どのような軌跡になればよいかを作業者自身が把握することが可能である。
【0053】
また、実施形態の解析サーバ20は、作業情報を用いて作業に用いられた入力装置を推定するパターン推定部22を更に備え、推定された入力装置のパターン、例えばマウスのみを用いた作業、マウスとキーボードを併用した作業、キーボードのみを用いた作業に分類し、分類したパターンごとに位置Pと時間Tとの関係を示す画像情報を生成する。これにより、実施形態の解析サーバ20では、作業に用いられた入力装置毎に作業の軌跡を解析することが可能である。
【0054】
また、実施形態の解析サーバ20は、複数の作業情報から抽出した位置P(x、y)と時間Tとのうち少なくとも二つの要素の関係が一致する箇所を、位置しない箇所とは異なる表示態様で示す画像情報を生成してもよい。これにより、実施形態の解析サーバ20では、複数の作業情報について、作業の軌跡が一致する箇所とそうでない部分とを明示することが可能となる。これにより、複数の作業情報の各々が互いに異なる作業者による作業である場合には、ある作業者(例えば、経験の浅い作業者)と他の作業者(例えば、経験が豊富な熟練の作業者)とを比較して同じような時間に作業が処理される箇所と、同じように処理されない箇所とを、作業者自身や管理者等が目で見て容易に判断することができる。そして、経験の浅い作業者は、経験が豊富な熟練の作業者の軌跡に近づくように心がけることで、作業の効率を向上させることが可能である。
【0055】
ここで、解析サーバ20により生成された画像情報から作業の効率を算出する方法について、図12及び図13を用いて説明する。
図12及び図13は、本発明の実施形態による解析サーバ20が生成した画像から作業の効率を算出する方法を説明する図である。図12ではポインタの位置のX座標と時間Tとの関係を示す二つの軌跡L17及びL18を重ねて示している。図13ではポインタの位置のY座標と時間Tとの関係を示す二つの軌跡L19及びL20を重ねて示している。
【0056】
図12に示すように、Z軸に時間Tを対応させた場合、作業の遅い作業者による軌跡は縦(Z軸方向)の長さが長くなる。一方、作業の早い作業者による軌跡は縦(Z軸方向)の長さが短くなる。このように、Z軸方向の長さを比較することにより、各々の作業の作業時間を、目視により容易に比較することが可能である。
図13に示すように、作業に要した時間にほとんど差がない場合、縦(Z軸方向)の長さはほぼ同じとなる。しかし、軌跡L19が位置P1からP2まで移動する際の角度θ1は、軌跡L20が位置Q1からQ2まで移動する際の角度θ2と比較して大きい。これは、同じ距離を、軌跡L19の方が時間をかけて移動していることを意味する。このように、軌跡の傾きを算出することより、ポインタの移動速度を比較することが可能である。例えば、Y軸方向に作業項目が示されている場合には、項目間の移動速度を比較でき、項目間においてポインタを効率よく移動させることができているか否かを把握することができる。
このように、作業時間やポインタの移動速度を比較することにより、各作業の効率を算出できるため、作業者の得意/不得意とする項目や分野を把握したり、それぞれに応じた改善指導を行ったりすることが可能である。
【0057】
上述した実施形態では、作業にマウスが用いられた場合の例について説明したが、解析サーバ20は、作業にキーボードが用いられた場合においても、その作業の内容を解析してもよい。以下では、作業にキーボードが用いられた場合における解析サーバ20の動作を説明する。
【0058】
一般に、複数の項目がある場合、タブキーが押下されると、現在選択されている項目の次の項目に選択状態が進むようにプログラムされている場合が多い。この場合、シフトキーが押下された状態にてタブキーが押下されると、一つ前の項目に戻る。
このように、項目の移動とタブキーとが対応付けられてプログラムされている場合、複数の項目がある作業において、最初の項目への入力作業、タブキーの押下、次の作業への入力作業、…という順序にて作業が行われることが想定される。
【0059】
このような場合、例えば、キー操作において、シフトキーが押下された状態にてタブキーが押下される操作が含まれる場合、作業が一つ前の項目に戻っていると考えてよい。例えば、タブキー押下、シフトキー押下状態にてタブキー押下、タブキー押下、シフトキー押下状態にてタブキー押下、…のように操作が行われた場合、現在選択されている項目と、一つ前の項目とを行ったり来たりする繰り返しの作業が行われていると推定される。
解析サーバ20は、キー操作において、上述したような繰り返しの作業が含まれていた場合、個々の項目に対する作業が一回で終了せずに手戻りが生じており、作業の効率が低下する要因となり得ると判定する。このような観点から、解析サーバ20は、例えば、作業においてシフトキー押下状態にてタブキー押下された回数を、作業効率を客観的に示す指標の一つとして出力する。
【0060】
また、項目によって、テキストオブジェクトに対して数字や文字列(以下、文字列等)を入力する作業が行われる。この場合、0~9の数字キー、及び、a~zの文字キーが押下されることでテキストオブジェクトに文字列等が入力される。ここで、キー操作において、バックスペースキーが押下された場合、一度入力された文字列等が削除されていることが考えられる。例えば、バックスペースキーが複数回連続して押下されれば、複数の文字が削除されており、タイプミスが発生したことが推定される。
解析サーバ20は、キー操作において、上述したような、タイプミスが含まれていた場合、タイプミスにより作業の効率が低下する要因となり得ると判定する。このような観点から、解析サーバ20は、例えば、作業においてバックスペースキー押下された回数を、作業効率を客観的に示す指標の一つとして出力する。
【0061】
また、作業者によってキー操作に特有の癖がある場合が考えられる。例えば、同じキーが押下され続けたり、複数回繰り返し押下されたりする場合が考えられる。このような場合、同じ文字列等が複数入力されてしまうため、後で削除する等の手戻りが発生することが考えられる。また、エスケープキーが押下される等、入力に影響を与えないキー操作が行われる場合が考えられる。このような場合、入力に直接関係しない無駄な操作が行われてしまうため、作業に時間がかかり効率が低下することが考えられる。このような観点から、解析サーバ20は、例えば、作業において同じキーが所定時間以上に押下され続けた場合、同じキーが連続して押下された回数、或いは、エスケープキーなど入力に直接関係しないキーが押下された回数を、作業効率を客観的に示す指標の一つとして出力する。
【0062】
表示装置40は、解析サーバ20により出力された、上述したような所定のキーが押下された回数等の作業効率を客観的に示す指標を受信し、受信した内容を表示する。
【0063】
上述した実施形態における入力作業評価支援システム1又は解析サーバ20の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0064】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1…入力作業評価支援システム
10…作業端末
20…解析サーバ
21…通信部
22…パターン推定部
23…画像情報生成部
24…出力部
30…通信ネットワーク
40…表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13