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特許7187982画像出力のサービスシステム、画像出力の支援装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像出力のサービスシステム、画像出力の支援装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221206BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221206BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F3/12 371
B41J29/38 202
B41J29/38 301
H04N1/00 127A
G06F3/12 344
G06F3/12 347
G06F3/12 303
G06F3/12 387
G06F3/12 345
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018203505
(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公開番号】P2020071559
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯部 公彦
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-201491(JP,A)
【文献】特開平09-204277(JP,A)
【文献】特開2006-121620(JP,A)
【文献】特開2017-078990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像出力に利用される情報を出力するクラウド上のサービスシステムであって、
変換処理前の画像データから、画像を出力する画像出力部に応じた変換処理により、変換処理後の画像データを得る変換手段と、
前記変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を出力する出力手段と、
を有する、
ことを特徴とする画像出力のサービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のサービスシステムにおいて、
前記出力手段は、1つ以上のフォルダに展開される前記画像出力用の情報群を構成する各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す前記提供情報を出力し、
前記出力手段から出力された前記画像出力用の情報群を構成する複数の情報が、前記画像出力部による画像出力を支援する支援装置により、前記提供情報が示す配置に従って1つ以上のフォルダに展開して再配置される、
ことを特徴とする画像出力のサービスシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサービスシステムにおいて、
前記変換手段は、変換処理前の画像データから、互いに特性が異なる複数の画像出力部の各々に応じた変換処理により、当該複数の画像出力部に対応した複数の変換処理後の画像データを生成し、
前記出力手段は、前記各画像出力部による画像出力に利用される情報として、当該画像出力部に対応した前記変換処理後の画像データを含む前記画像出力用の情報群と当該情報群に関する前記提供情報を出力する、
ことを特徴とする画像出力のサービスシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のサービスシステムにおいて、
画像出力の目標状態を定めた情報に基づいて、前記複数の画像出力部で互いに同じ目標状態に対応した前記画像出力用の情報群を生成する、
ことを特徴とする画像出力のサービスシステム。
【請求項5】
画像出力部による画像出力を支援する支援装置であって、
クラウド上のサービスシステムから、前記画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を取得する取得手段と、
前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を前記提供情報が示す配置に従って再配置する配置手段と、
再配置された前記画像出力用の情報群を利用して前記画像出力部による画像出力を支援する支援手段と、
を有する、
ことを特徴とする画像出力の支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の支援装置において、
前記取得手段は、クラウド上で1つ以上のフォルダに展開されていた前記画像出力用の情報群を構成する各情報がどのフォルダに配置されていたのかを示す前記提供情報を取得し、
前記配置手段は、前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を構成する複数の情報を前記提供情報が示す配置に従って1つ以上のフォルダに展開して再配置する、
ことを特徴とする画像出力の支援装置。
【請求項7】
画像出力に利用される情報を出力するクラウド上のコンピュータを、
変換処理前の画像データから、画像を出力する画像出力部に応じた変換処理により、変換処理後の画像データを得る手段、
前記変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を出力する手段、
として機能させるプログラム。
【請求項8】
画像出力部による画像出力を支援するコンピュータを、
クラウド上のサービスシステムから、前記画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を取得する手段、
前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を前記提供情報が示す配置に従って再配置する手段、
再配置された前記画像出力用の情報群を利用して前記画像出力部による画像出力を支援する手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力のサービスシステム、画像出力の支援装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばページ記述言語などで記述された画像データに対して、プリンタなどの装置が備える画像出力部に応じた画像の変換処理を実行することにより、変換処理後の画像データとして、例えばラスタ形式の画像データを得る技術が知られている。特許文献1には、印刷データをラスタデータに描画展開処理するRIP(Raster Image Process)処理部が複数設けられ、RIP処理を分散して並行して行う画像形成システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-168132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像データに対して変換処理を実行する場合、一般に、画像データのデータ量が多いほど変換処理の負荷も大きくなる。そのため、例えば、画像出力部による画像出力を支援する支援装置がその画像出力部に応じた画像の変換処理を実行する場合に、画像データのデータ量が大量であると、変換処理の負荷が膨大なものとなり、変換処理に長い時間を要することが考えられる。
【0005】
一方、近年では、クラウド・コンピューティング(以下では単に「クラウド」とする)を利用した各種のサービスが実現されている。例えば、クラウドサービスにより変換処理後の画像データを支援装置に提供すれば、支援装置に変換処理の負荷が集中することを回避できる。しかし、画像出力部による画像出力には、その画像出力部に応じた変換処理後の画像データの他にも必要な情報がある。画像出力に利用される情報を取り纏めて提供するクラウドサービスの実現が期待される。
【0006】
本発明の目的は、画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と当該情報群の構成と配置を示す提供情報を出力するクラウドサービスを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、画像出力に利用される情報を出力するクラウド上のサービスシステムであって、変換処理前の画像データから、画像を出力する画像出力部に応じた変換処理により、変換処理後の画像データを得る変換手段と、前記変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を出力する出力手段と、を有することを特徴とする画像出力のサービスシステムである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のサービスシステムにおいて、前記出力手段は、1つ以上のフォルダに展開される前記画像出力用の情報群を構成する各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す前記提供情報を出力し、前記出力手段から出力された前記画像出力用の情報群を構成する複数の情報が、前記画像出力部による画像出力を支援する支援装置により、前記提供情報が示す配置に従って1つ以上のフォルダに展開して再配置されることを特徴とする画像出力のサービスシステムである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のサービスシステムにおいて、前記変換手段は、変換処理前の画像データから、互いに特性が異なる複数の画像出力部の各々に応じた変換処理により、当該複数の画像出力部に対応した複数の変換処理後の画像データを生成し、前記出力手段は、前記各画像出力部による画像出力に利用される情報として、当該画像出力部に対応した前記変換処理後の画像データを含む前記画像出力用の情報群と当該情報群に関する前記提供情報を出力することを特徴とする画像出力のサービスシステムである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のサービスシステムにおいて、画像出力の目標状態を定めた情報に基づいて、前記複数の画像出力部で互いに同じ目標状態に対応した前記画像出力用の情報群を生成することを特徴とする画像出力のサービスシステムである。
【0011】
請求項5に係る発明は、画像出力部による画像出力を支援する支援装置であって、クラウド上のサービスシステムから、前記画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を取得する取得手段と、前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を前記提供情報が示す配置に従って再配置する配置手段と、再配置された前記画像出力用の情報群を利用して前記画像出力部による画像出力を支援する支援手段と、を有することを特徴とする画像出力の支援装置である。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の支援装置において、前記取得手段は、クラウド上で1つ以上のフォルダに展開されていた前記画像出力用の情報群を構成する各情報がどのフォルダに配置されていたのかを示す前記提供情報を取得し、前記配置手段は、前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を構成する複数の情報を前記提供情報が示す配置に従って1つ以上のフォルダに展開して再配置することを特徴とする画像出力の支援装置である。
【0013】
請求項7に係る発明は、画像出力に利用される情報を出力するクラウド上のコンピュータを、変換処理前の画像データから、画像を出力する画像出力部に応じた変換処理により、変換処理後の画像データを得る手段、前記変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を出力する手段として機能させるプログラムである。
【0014】
請求項8に係る発明は、画像出力部による画像出力を支援するコンピュータを、クラウド上のサービスシステムから、前記画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、当該情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されるのかを示す提供情報を取得する手段、前記サービスシステムから得られた前記画像出力用の情報群を前記提供情報が示す配置に従って再配置する手段、再配置された前記画像出力用の情報群を利用して前記画像出力部による画像出力を支援する手段として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明により、画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と当該情報群の構成と配置を示す提供情報を出力するクラウドサービスが実現される。
【0016】
請求項2に係る発明により、画像出力用の情報群を提供情報が示す配置に従って展開して再配置することができる。
【0017】
請求項3に係る発明により、互いに特性が異なる複数の画像出力部の各々に対応した画像出力用の情報群と提供情報を出力することができる。
【0018】
請求項4に係る発明により、互いに特性が異なる複数の画像出力部で互いに同じ目標状態に対応した画像出力を実現することができる。
【0019】
請求項5に係る発明により、クラウド上のサービスシステムから得られた画像出力用の情報群を当該情報群の構成と配置を示す提供情報に従って再配置して画像出力を支援することができる。
【0020】
請求項6に係る発明により、クラウド上のサービスシステムから得られた画像出力用の情報群をクラウド上と同じ配置で展開することができる。
【0021】
請求項7に係る発明により、画像出力部に応じた変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と当該情報群の構成と配置を示す提供情報を出力するクラウドサービスが実現される。
【0022】
請求項8に係る発明により、クラウド上のサービスシステムから得られた画像出力用の情報群を当該情報群の構成と配置を示す提供情報に従って再配置して画像出力を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】画像出力システムの具体例を示す図である。
図2】出力支援装置の具体例を示す図である。
図3】画像出力に利用される情報を提供するクラウドサービスの具体例を説明するための図である。
図4】出力支援装置が実行する処理の具体例を示す図である。
図5】複数の画像出力部に対応した画像出力用情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の具体的な実施態様の一例を示す図である。図1には、サービスシステム10と出力支援装置20と画像出力装置30とユーザ装置40を備えた画像出力システムの具体例が図示されている。
【0025】
図1に例示する具体例において、サービスシステム10は、公衆ネットワーク(公衆通信回線)70に通信接続されており、ローカルエリア内の画像出力装置30による画像出力に利用される情報を提供するクラウドサービスを実現する。公衆ネットワーク70は、例えば無線通信と有線通信の少なくとも一方を利用した通信回線であり、その具体例にはインターネットなどが含まれる。
【0026】
図1に例示するサービスシステム10は、要求情報取得部110と付帯情報処理部120と画像変換処理部130と画像情報出力部140を備えている。
【0027】
要求情報取得部110は、画像の出力を要求する要求情報を取得する。要求情報取得部110は、例えば、ローカルエリア内の出力支援装置20またはユーザ装置40から要求情報を取得する。要求情報は、例えば、画像出力の対象となる画像データと、その画像データの付帯情報などで構成される。要求情報の具体例には、例えば印刷ジョブなどが含まれる。
【0028】
付帯情報処理部120は、要求情報取得部110が取得した要求情報に含まれる付帯情報を処理する。付帯情報は、画像出力の対象となる画像データの画像出力に利用される情報であり、例えば、ジョブプロパティ情報、プロファイル情報、面付け構成情報、リソースファイル情報などで構成される。
【0029】
画像変換処理部130は、要求情報取得部110が取得した要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行する。画像変換処理部130は、例えばページ記述言語などで記述された変換処理前の画像データに対して、例えばローカルエリア内の画像出力装置30が備える画像出力部に応じた画像の変換処理を実行することにより、変換処理後の画像データとして、例えばラスタ形式の画像データ(ラスタデータ)を得る。また、画像変換処理部130は、画像出力部に応じた変換処理後の画像データとして、例えばラスタ形式への変換処理の途中段階で得られる中間ファイルを得るようにしてもよい。
【0030】
画像情報出力部140は、画像出力に利用される情報を出力する。画像情報出力部140は、画像出力に利用される情報(画像出力用の情報)として、例えば、画像変換処理部130による変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、その情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどこに配置されるのかを示す提供情報を出力する。
【0031】
図1に例示するサービスシステム10は、例えば1台以上のコンピュータを利用して実現されてもよい。そのコンピュータは、CPU等の演算デバイス、メモリやハードディスク等の記憶デバイス、インターネット等の通信回線を利用する通信デバイス、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体からデータを読み取りデータを書き込むデバイス、ディスプレイ等の表示デバイス、ユーザから操作を受け付ける操作デバイス等のハードウェア資源を備えている。
【0032】
そして、例えば、図1に例示するサービスシステム10が備える構成要素のうちの少なくとも一部の機能に対応したプログラム(ソフトウェア)がコンピュータに読み込まれ、そのコンピュータが備えるハードウェア資源と読み込まれたソフトウェアとの協働によりサービスシステム10の少なくとも一部の機能がコンピュータにより実現される。そのプログラムは、例えば、インターネット等の通信回線を介してコンピュータ(サービスシステム10)に提供されてもよいし、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体に記憶されてその記憶媒体からコンピュータ(サービスシステム10)に提供されてもよい。また、コンピュータ(サービスシステム10)が備える記憶デバイスに予めプログラムが記憶されていてもよい。
【0033】
図1に例示する具体例において、出力支援装置20と画像出力装置30とユーザ装置40は、ローカルエリア内にあり、ローカルエリアネットワーク50を介して互いに通信接続されてデータ(情報)を遣り取りする。また、ローカルエリアネットワーク50は、ファイアウォール60を介して公衆ネットワーク70に接続されている。
【0034】
出力支援装置20は、画像出力部による画像出力を支援する。出力支援装置20の具体例には、デジタルフロントエンド(DFE)などが含まれる。出力支援装置20が画像出力の支援に利用する情報は、例えば、サービスシステム10から得られてもよいし、出力支援装置20が生成してもよい。
【0035】
画像出力装置30は、画像を出力する画像出力部を備えている。図1に例示する具体例では、複数の画像出力装置30(30A,30B,・・・)がローカルエリア内にあり、例えば各画像出力装置30が画像出力部を備えている。画像出力部の具体例には、例えば用紙などの媒体上に画像を印刷する印刷デバイスが含まれる。
【0036】
なお、図1には出力支援装置20と画像出力装置30を別々の装置とする具体例を示しているが、出力支援装置20と画像出力装置30は1台の装置として纏められてもよい。例えば、出力支援装置20が備える画像出力の支援に係る機能を画像出力装置30が備えていてもよい。
【0037】
ユーザ装置40は、画像の出力を要求するユーザが利用する端末装置である。ユーザ装置40の具体例には、例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置とスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末装置が含まれる。
【0038】
図2は、出力支援装置20の具体例を示す図である。図2には、画像出力システム(図1)を構成する出力支援装置20の具体例が図示されている。図2に例示する出力支援装置20は、要求情報管理部210と画像情報取得部220と配置処理部230と画像出力支援部240と付帯情報処理部250と画像変換処理部260とデータ記憶部270を備えている。
【0039】
要求情報管理部210は、画像の出力を要求する要求情報を管理する。要求情報管理部210は、例えば、ローカルエリア内のユーザ装置40から取得される要求情報を管理する。要求情報は、例えば、画像出力の対象となる画像データと、その画像データの付帯情報などで構成される。要求情報の具体例には、例えば印刷ジョブなどが含まれる。
【0040】
画像情報取得部220は、画像出力に利用される情報を取得する。例えば、要求情報管理部210によって管理される要求情報に応じた処理をサービスシステム10に実行させた場合に、画像情報取得部220は、画像出力に利用される情報として、サービスシステム10から出力される画像出力用の情報群とその情報群に関する提供情報を取得する。
【0041】
配置処理部230は、画像出力に利用される情報を再配置する。例えば、要求情報管理部210によって管理される要求情報に応じた処理をサービスシステム10に実行させた場合に、配置処理部230は、サービスシステム10から得られた画像出力用の情報群を提供情報が示す配置に従って再配置する。
【0042】
画像出力支援部240は、画像出力用の情報を利用して画像出力部による画像出力を支援する。画像出力支援部240は、例えば、配置処理部230によって再配置された画像出力用の情報群を利用して、画像出力装置30が備える画像出力部による画像出力を支援する。
【0043】
付帯情報処理部250は、要求情報に含まれる付帯情報を処理する。例えば、要求情報管理部210によって管理される要求情報に応じた処理を、サービスシステム10によるサービスを利用せずに出力支援装置20が実行する場合に、付帯情報処理部250が要求情報に含まれる付帯情報を処理する。付帯情報は、画像出力の対象となる画像データの画像出力に利用される情報であり、例えば、ジョブプロパティ情報、プロファイル情報、面付け構成情報、リソースファイル情報などで構成される。
【0044】
画像変換処理部260は、要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行する。例えば、要求情報管理部210によって管理される要求情報に応じた処理を、サービスシステム10によるサービスを利用せずに出力支援装置20が実行する場合に、画像変換処理部260が要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行する。
【0045】
画像変換処理部260は、例えばページ記述言語などで記述された変換処理前の画像データに対して、例えば画像出力装置30が備える画像出力部に応じた画像の変換処理を実行することにより、変換処理後の画像データとして、例えばラスタ形式の画像データ(ラスタデータ)を得る。また、画像変換処理部260は、画像出力部に応じた変換処理後の画像データとして、例えばラスタ形式への変換処理の途中段階で得られる中間ファイルを得るようにしてもよい。
【0046】
データ記憶部270には、出力支援装置20で利用される様々な情報(データ)が記憶される。例えば、配置処理部230によって再配置される画像出力用の情報群がデータ記憶部270内の1つ以上のフォルダに記憶されてもよい。
【0047】
図2に例示する出力支援装置20は、例えば、1台以上のコンピュータを利用して実現されてもよい。そのコンピュータは、CPU等の演算デバイス、メモリやハードディスク等の記憶デバイス、インターネット等の通信回線を利用する通信デバイス、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体からデータを読み取りデータを書き込むデバイス、ディスプレイ等の表示デバイス、ユーザから操作を受け付ける操作デバイス等のハードウェア資源を備えている。
【0048】
そして、例えば、図2に例示する出力支援装置20が備える構成要素のうちの少なくとも一部の機能に対応したプログラム(ソフトウェア)がコンピュータに読み込まれ、そのコンピュータが備えるハードウェア資源と読み込まれたソフトウェアとの協働により出力支援装置20の少なくとも一部の機能がコンピュータにより実現される。そのプログラムは、例えば、インターネット等の通信回線を介してコンピュータ(出力支援装置20)に提供されてもよいし、光ディスクや半導体メモリやカードメモリ等の記憶媒体に記憶されてその記憶媒体からコンピュータ(出力支援装置20)に提供されてもよい。また、コンピュータ(出力支援装置20)が備える記憶デバイスに予めプログラムが記憶されていてもよい。
【0049】
図1に例示する画像出力システム(図2に例示する出力支援装置20を備える)の全体構成は以上のとおりである。次に、図1の画像出力システムにより実現される処理の具体例について詳述する。なお、図1図2に示した構成(部分)については、以下の説明において図1図2の符号を利用する。
【0050】
図3は、画像出力に利用される情報を提供するクラウドサービスの具体例を説明するための図である。図3には、図1の画像出力システム(図2の出力支援装置20を含む)により実現されるクラウドサービスの具体例が図示されている。
【0051】
サービスシステム10によるクラウドサービスを利用する場合には、ローカルエリア側からサービスシステム10に対して、画像の出力を要求する要求情報が送信される。例えば、ユーザ装置40からサービスシステム10に対して要求情報が送信されてもよいし、ユーザ装置40から得られた要求情報を出力支援装置20がサービスシステム10に送信してもよい。
【0052】
ローカルエリア側からサービスシステム10へ送信された要求情報を要求情報取得部110が取得すると、付帯情報処理部120が要求情報に含まれる付帯情報を処理し、画像変換処理部130が要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行する。付帯情報を構成する複数の情報と変換処理後の画像データは、例えば、サービスシステム10が利用するクラウド上の1つ以上のフォルダに展開されて配置される。
【0053】
図3には、付帯情報の具体例として、ジョブプロパティ情報、面付け構成情報、プロファイル情報、リソースファイル情報が例示されている。ジョブプロパティ情報は、例えばカラー出力または白黒出力の設定、出力用紙のサイズや品質の設定など、画像出力に係る複数の設定項目に関する設定値を含んでいる。
【0054】
面付け構成情報は、例えば、出力画像の面付けのレイアウトなどの設定に関する情報である。面付け構成情報の具体例には、例えば、Nページ分(Nは自然数)の原稿を並べたものを1枚の原稿として取り扱うNアップなどの面付けのレイアウトに関する設定値が含まれる。
【0055】
プロファイル情報は、例えば、輝度,明度,色温度,色差などの出力画像の色を表現するパラメータ(カラープロファイル)を定めた情報である。また、リソースファイル情報は、画像の出力に必要な各種のリソースファイルで構成される。
【0056】
そして、図3に示す具体例では、付帯情報を構成する複数の情報と変換処理後の画像データが、クラウド上のフォルダA~Dに展開されて配置されている。つまり、図3に示す具体例では、ジョブプロパティ情報と面付け構成情報がフォルダAに配置され、プロファイル情報がフォルダBに配置され、リソースファイル情報がフォルダCに配置され、変換処理後の画像データがフォルダDに配置されている。
【0057】
サービスシステム10は、変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、その情報群がどのような複数の情報で構成されて各情報がどこに配置されるのかを示す提供情報を生成する。
【0058】
サービスシステム10は、例えば、クラウド上の1つ以上のフォルダに展開されて配置された付帯情報を構成する複数の情報と変換処理後の画像データを収集して情報群を生成する。図3に例示するデータ群142は、画像出力用の情報群に関する具体例の一つである。図3には、ジョブプロパティ情報と面付け構成情報とプロファイル情報とリソースファイル情報と変換処理後の画像データで構成されるデータ群142が例示されている。
【0059】
さらに、サービスシステム10は、画像出力用の情報群に関する提供情報を生成する。画像出力用の情報群に関する提供情報は、その情報群がどのような複数の情報で構成されており、その情報群を構成する各情報がどこに配置されるのかを示す情報である。情報群がどのような複数の情報で構成されているのかを示すにあたっては、例えば、各情報の情報名(データ名やファイル名など)を示してもよいし、各情報の内容(特徴的な用語など)を示してもよい。また、情報群を構成する各情報がどこに配置されるのかを示すにあたっては、例えば、各情報が記憶される記憶場所(フォルダ名など)を示してもよいし、各情報が記憶される記憶場所の所在(パスなど)を示してもよい。
【0060】
図3に例示する構成配置情報144は、画像出力用の情報群に関する提供情報の具体例の一つである。図3に示す構成配置情報144は、データ群142がどのような複数の情報で構成されて各情報がどのフォルダに配置されているのかを示している。
【0061】
図3に示す具体例において、構成配置情報144は、データ群142を構成する複数の情報の情報名の一覧を示している。つまり、図3の構成配置情報144は、データ群142が、ジョブプロパティ情報と面付け構成情報とプロファイル情報とリソースファイル情報と画像データ(変換処理後)で構成されていることを示している。
【0062】
また、図3に示す具体例において、構成配置情報144はデータ群142を構成する各情報が配置されているフォルダ名を示している。つまり、図3の構成配置情報144は、ジョブプロパティ情報がクラウド上のフォルダAに配置され、面付け構成情報がクラウド上のフォルダAに配置され、プロファイル情報がクラウド上のフォルダBに配置され、リソースファイル情報がクラウド上のフォルダCに配置され、画像データ(変換処理後)がクラウド上のフォルダDに配置されていることを示している。
【0063】
サービスシステム10は、生成した画像出力用の情報群とその情報群に関する提供情報を出力する。例えば、サービスシステム10の画像情報出力部140は、出力支援装置20からの要求に応じて、データ群142と構成配置情報144を出力する。
【0064】
出力支援装置20は、クラウド上のサービスシステム10から出力された画像出力用の情報群と提供情報を取得する。例えば、出力支援装置20の画像情報取得部220は、サービスシステム10から出力されるデータ群142と構成配置情報144をダウンロードして取得する。
【0065】
そして、出力支援装置20は、サービスシステム10から得られた画像出力用の情報群を提供情報が示す配置に従って再配置する。例えば、出力支援装置20の配置処理部230は、サービスシステム10から得られたデータ群142を構成する複数の情報を構成配置情報144が示す配置に従って1つ以上のフォルダに展開して再配置する。
【0066】
配置処理部230は、例えば、出力支援装置20が利用するローカルエリア内(例えばデータ記憶部270内)にある1つ以上のフォルダに、データ群142を構成する複数の情報を展開して再配置する。
【0067】
配置処理部230は、構成配置情報144が示す配置に従って、データ群142を構成する複数の情報をローカルエリア内のフォルダa~dに展開して再配置する。例えば、ジョブプロパティ情報と面付け構成情報はクラウド上のフォルダAに配置されていたことを構成配置情報144が示している。そこで、配置処理部230は、クラウド上のフォルダAに対応したローカルエリア内のフォルダaに、ジョブプロパティ情報と面付け構成情報を再配置する。
【0068】
また、プロファイル情報はクラウド上のフォルダBに配置されていたことを構成配置情報144が示しているため、配置処理部230は、クラウド上のフォルダBに対応したローカルエリア内のフォルダbにプロファイル情報を再配置する。また、リソースファイル情報はクラウド上のフォルダCに配置されていたことを構成配置情報144が示しているため、配置処理部230は、クラウド上のフォルダCに対応したローカルエリア内のフォルダcにリソースファイル情報を再配置する。また、画像データ(変換処理後)はクラウド上のフォルダDに配置されていたことを構成配置情報144が示しているため、配置処理部230は、クラウド上のフォルダDに対応したローカルエリア内のフォルダdに変換処理後の画像データを再配置する。
【0069】
こうして、例えば図3に示す具体例では、クラウド上のフォルダA~Dから収集されたデータ群142を構成する複数の情報が、ローカルエリア内のフォルダa~dに展開されて再配置される。つまり、図3に示す具体例では、クラウド上に展開されていた画像出力用の情報群が、クラウド上と同じような配置でローカルエリア内に展開される。なお、例えば、予め定められた配置の条件などに従って、画像出力用の情報群がクラウド上とは異なる配置でローカルエリア内に展開されてもよい。
【0070】
サービスシステム10から得られた画像出力用の情報群がローカルエリア内に展開されると、出力支援装置20は、ローカルエリア内に展開された画像出力用の情報群を利用して画像出力部による画像出力を支援する。例えば図3に示す具体例では、出力支援装置20の画像出力支援部240が、ローカルエリア内に展開されたデータ群142を構成する複数の情報を利用し、画像出力装置30が備える画像出力部による画像出力を支援する。こうして、例えば、フォルダa~cに配置された付帯情報が示す設定等に従って、フォルダdに配置された画像データの画像が画像出力装置30から出力される。
【0071】
出力支援装置20は、画像出力部による画像出力を支援するにあたり、サービスシステム10から画像出力用の情報群を得てもよいし、出力支援装置20自身が画像出力用の情報群を生成してもよい。
【0072】
図4は、出力支援装置20が実行する処理の具体例を示す図である。図4には、出力支援装置20が画像出力用の情報群を生成するローカル処理と、出力支援装置20がサービスシステム10から画像出力用の情報群を得るクラウド処理の具体例が図示されている。
【0073】
出力支援装置20が画像出力の要求情報を取得すると(S1)、ローカル処理またはクラウド処理が選択される。例えば、要求情報にローカル処理またはクラウド処理の指定があれば、その指定に従って出力支援装置20がローカル処理またはクラウド処理が選択されてもよい。また、例えば、要求情報に含まれる画像データのデータ量に応じて、ローカル処理またはクラウド処理が選択されてもよい。例えば、画像データのデータ量が閾値以下の場合にローカル処理が選択され、画像データのデータ量が閾値を超える場合にクラウド処理が選択されてもよい。なお、出力支援装置20の負荷状況などに応じて、ローカル処理またはクラウド処理が選択されてもよい。
【0074】
ローカル処理では、出力支援装置20が付帯情報の処理(S2L)と画像変換処理(S3L)を実行する。例えば、出力支援装置20の付帯情報処理部250が、要求情報に含まれる付帯情報を処理することにより、ジョブプロパティ情報、プロファイル情報、面付け構成情報、リソースファイル情報などの付帯情報がローカルエリア内のフォルダに展開される。
【0075】
また、例えば、出力支援装置20の画像変換処理部260が、要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行することにより、変換処理後の画像データがローカルエリア内のフォルダに展開される。
【0076】
変化処理後の画像データがローカルエリア内のフォルダに展開されると、出力支援装置20は、画像変換の完了状態に移行する(S4)。そして、出力支援装置20の画像出力支援部240が、ローカルエリア内に展開された画像出力用の複数の情報を利用して、画像出力装置30が備える画像出力部による画像出力を支援する(S5)。
【0077】
クラウド処理では、要求情報がサービスシステム10に送信され、サービスシステム10が要求情報に応じた付帯情報の処理と画像変換処理を実行し、サービスシステム10により画像出力用の情報が生成される。
【0078】
出力支援装置20の画像情報取得部220は、例えば(S1)で取得した要求情報に対応した画像出力用の情報群とその情報群に関する提供情報をサービスシステム10からダウンロードして取得する(S2C)。また、出力支援装置20の配置処理部230は、サービスシステム10から得られた画像出力用の情報群をその情報群に関する提供情報が示す配置に従ってローカルエリア内に展開して再配置する(S3C)。
【0079】
そして、再配置により変化処理後の画像データがローカルエリア内のフォルダに展開されると、出力支援装置20は、画像変換の完了状態に移行する(S4)。さらに、出力支援装置20の画像出力支援部240が、ローカルエリア内に展開された画像出力用の複数の情報を利用して、画像出力装置30が備える画像出力部による画像出力を支援する(S5)。
【0080】
ローカル処理とクラウド処理を比較すると、ローカル処理では、出力支援装置20の画像変換処理部260が要求情報に含まれる画像データに対して画像の変換処理を実行している。したがって、例えば画像データのデータ量が大容量であると、画像の変換処理(S3L)に時間が掛かり、要求情報を取得(S1)してから画像変換の完了状態に移行(S4)するまでに長い時間を要してしまう。
【0081】
これに対し、クラウド処理では、例えば画像データのデータ量が大容量であったとしても、予め(例えば夜間などに)サービスシステム10に画像データの変換処理を実行させておけばよい。そして、要求情報を取得(S1)してから、既に変換処理が済んだ画像データを含む画像出力用の情報群をダウンロードして(S2C)、画像出力用の情報群をローカルエリア内に再配置する(S3C)ことにより、長い時間を要する画像の変換処理(S3L)を省略して、画像変換の完了状態への移行(S4)が実現される。
【0082】
また、ローカル処理では、例えば、1台の出力支援装置20が複数の要求情報に対応した複数の画像データに対して次々に画像の変換処理を実行する場合にも、複数の画像データに対する変換処理に長い時間を要してしまう。
【0083】
これに対し、クラウド処理では、例えば複数の画像データに対して、予め(例えば夜間などに)サービスシステム10に画像データの変換処理を実行させておけば、出力支援装置20による画像の変換処理に長い時間を要してしまうことがない。なお、サービスシステム10は、例えば複数の画像データに対して並列処理による画像の変換処理を実行してもよい。
【0084】
出力支援装置20が画像出力を支援する際には、支援の対象となる画像出力部に応じた変換処理により得られる画像データが利用される。例えば、図1に例示する画像出力システムにおいて、出力支援装置20が画像出力装置30Aによる画像出力を支援する場合には、画像出力装置30Aが備える画像出力部に応じた変換処理後の画像データが利用される。また、画像出力装置30Bによる画像出力を支援する場合には、画像出力装置30Bが備える画像出力部に応じた変換処理後の画像データが利用される。
【0085】
図5は、複数の画像出力部に対応した画像出力用情報の具体例を示す図である。図5には、同一の要求情報から得られる複数の画像出力部に対応した画像出力用情報が例示されている。
【0086】
サービスシステム10の画像変換処理部130は、変換処理前の画像データから、互いに特性が異なる複数の画像出力部の各々に応じた変換処理により、それら複数の画像出力部に対応した複数の変換処理後の画像データを生成する。また、サービスシステム10の画像情報出力部140は、各画像出力部による画像出力に利用される情報として、その画像出力部に対応した変換処理後の画像データを含む画像出力用の情報群と、その情報群に関する提供情報を出力する。
【0087】
例えば図5に示す具体例において、画像出力用情報Aは、画像出力装置30Aによる画像出力に利用される情報であり、画像出力用情報Bは、画像出力装置30Bによる画像出力に利用される情報である。画像出力用情報Aは、例えば、画像出力装置30Aの画像出力部に応じた変換処理により得られる画像データを含むデータ群(図3参照)とそのデータ群に関する構成配置情報(図3参照)で構成される。また、画像出力用情報Bは、例えば、画像出力装置30Bの画像出力部に応じた変換処理により得られる画像データを含むデータ群(図3参照)とそのデータ群に関する構成配置情報(図3参照)で構成される。
【0088】
サービスシステム10は、画像出力の目標状態を定めた情報に基づいて、複数の画像出力部で互いに同じ目標状態に対応した画像出力用の情報群を生成してもよい。例えば、図5に示す具体例において、ターゲットプロファイルXは、画像出力の目標状態を定めた情報の具体例の一つである。ターゲットプロファイルXとして、例えば、国際標準化機構(ISO)に準拠するジャパンカラーなどの標準規格に規定される色再現性の目標値などが利用されてもよい。
【0089】
また、図5に示す具体例において、デバイスプロファイルAは、画像出力装置30Aが備える画像出力部の特性を示す情報であり、デバイスプロファイルBは、画像出力装置30Bが備える画像出力部の特性を示す情報である。
【0090】
そして、図5に示す具体例において、サービスシステム10は、画像出力の目標状態を定めたターゲットプロファイルXに基づいて、変換処理前の同一の画像データから、デバイスプロファイルAに特性が示される画像出力装置30Aの画像出力部に対応した画像出力用情報Aと、デバイスプロファイルBに特性が示される画像出力装置30Bの画像出力部に対応した画像出力用情報Bを生成する。
【0091】
サービスシステム10は、例えば、ターゲットプロファイルXとデバイスプロファイルAに基づいて、ターゲットプロファイルXに示される色再現性などの目標状態を画像出力装置30Aの画像出力部で実現するための画像出力用情報Aを生成する。また、サービスシステム10は、例えば、ターゲットプロファイルXとデバイスプロファイルBに基づいて、ターゲットプロファイルXに示される色再現性などの目標状態を画像出力装置30Bの画像出力部で実現するための画像出力用情報Bを生成する。
【0092】
これにより、互いに特性が異なる複数の画像出力部で互いに同じ目標状態に対応した画像出力が実現される。例えば、図5に例示する具体例であれば、画像出力装置30Aの画像出力部と画像出力装置30Bの画像出力部の特性が互いに異なる場合でも、画像出力装置30Aと画像出力装置30BによりターゲットプロファイルXが示す目標状態に対応した画像出力が実現される。
【0093】
また、各画像出力部に関するトラブルなどのインシデントに備え、同一の要求情報から複数の画像出力部に対応した画像出力用情報を生成しておくようにしてもよい。例えば、図5に示す具体例において、サービスシステム10は、画像出力装置30Aによる画像出力を要求する要求情報から、画像出力装置30Aに対応した画像出力用情報Aと共に、画像出力装置30Bに対応した画像出力用情報Bを生成しておくようにしてもよい。
【0094】
これにより、例えば、画像出力装置30Aに何らかのトラブルが発生して画像出力装置30Aにより画像出力ができない場合または画像出力装置30Aによる画像出力が中断してしまった場合でも、既に生成しておいた画像出力用情報Bを利用した画像出力装置30Bによる画像出力が実現される。
【0095】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
【符号の説明】
【0096】
10 サービスシステム、20 出力支援装置、30 画像出力装置、40 ユーザ装置、110 要求情報取得部、120 付帯情報処理部、130 画像変換処理部、140 画像情報出力部、210 要求情報管理部、220 画像情報取得部、230 配置処理部、240 画像出力支援部、250 付帯情報処理部、260 画像変換処理部、270 データ記憶部。
図1
図2
図3
図4
図5