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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/275 20180101AFI20221206BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 41/27 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 41/255 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 41/265 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 41/47 20180101ALI20221206BHJP
   F21S 41/29 20180101ALI20221206BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20221206BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221206BHJP
   F21W 102/135 20180101ALN20221206BHJP
【FI】
F21S41/275
F21S41/143
F21S41/27
F21S41/255
F21S41/265
F21S41/47
F21S41/29
F21V5/04 350
F21V5/04 400
F21Y115:10
F21W102:135
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018205764
(22)【出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2020072020
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 和則
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534503(JP,A)
【文献】特開平09-102203(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139325(WO,A1)
【文献】特開平04-141901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/275
F21S 41/143
F21S 41/27
F21S 41/255
F21S 41/265
F21S 41/47
F21S 41/29
F21V 5/04
F21W 102/135
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を平行光とする光学部材と、
前記光学部材からの平行光を入射する凸レンズである第一レンズと、
前記第一レンズから出射された光の一部を遮光して配光パターンのカットオフラインを形成するシェード部材と、
前記シェード部材を通過した光を入射する凸レンズである第二レンズと、
を備え、
前記第一レンズは、車両搭載状態において、光軸に対して上側に位置する上半部と、前記光軸に対して下側に位置する下半部とを有し、
前記第二レンズは、前記第一レンズの前記下半部の後側焦点と重なる前側焦点を有し、
前記シェード部材は、前記光軸に沿った方向において、前記後側焦点および前記前側焦点の位置またはその近傍に、前記第一レンズから射出された光の一部を遮光し、配光パターンのカットオフラインを形成するエッジが配置され、
前記第一レンズの入射面は、垂直断面形状において、前記上半部の曲率が前記下半部の曲率よりも小さく、
前記第一レンズは、前記上半部から射出された光線が前記後側焦点よりも上側を通過することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第一レンズは、前記光源側に凸形状を呈する入射面と、前記光軸に対して垂直に延びる出射面とを有し、
前記第二レンズは、前記光軸に対して垂直に延びる入射面と、前記光源とは反対側に向けて凸形状を呈する出射面とを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第一レンズは、前記上半部における前記入射面の曲率が徐変することを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第一レンズは、前記上半部における前記入射面の曲率が前記光軸から離れるにつれて小さくなることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第一レンズ、前記第二レンズおよび前記シェード部材は、複数がアレイ状に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の配光パターンを形成するプロジェクタ型の車両用灯具に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、光源と、光源からの光を平行光とする光学部材と、入力レンズと、出力レンズと、入力レンズと出力レンズとの間に配置されたシェードとを備える装置が開示されている。この装置では、入力レンズと出力レンズとが焦点を共有し、シェードが焦点の近傍に配置され、入力レンズから出射される光の一部をシェードによって遮光して、配光パターンのカットオフラインを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/066818号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の装置では、入力レンズから出射されてシェードにより遮光される光量が多く、配光パターンにおいて所望の光量を得ることができない可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、配光パターンの光量を十分に確保可能な車両用灯具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光源と、前記光源からの光を平行光とする光学部材と、前記光学部材からの平行光を入射する凸レンズである第一レンズと、前記第一レンズから出射された光の一部を遮光して配光パターンのカットオフラインを形成するシェード部材と、前記シェード部材を通過した光を入射する凸レンズである第二レンズと、を備え、前記第一レンズは、車両搭載状態において、光軸に対して上側に位置する上半部と、前記光軸に対して下側に位置する下半部とを有し、前記第二レンズは、前記第一レンズの前記下半部の後側焦点と重なる前側焦点を有し、前記シェード部材は、前記光軸に沿った方向において、前記後側焦点および前記前側焦点の位置またはその近傍に配置され、前記第一レンズの入射面は、垂直断面形状において、前記上半部の曲率が前記下半部の曲率よりも小さいことを特徴とする。
【0007】
また、前記第一レンズは、前記光源側に凸形状を呈する入射面と、前記光軸に対して垂直に延びる出射面とを有し、前記第二レンズは、前記光軸に対して垂直に延びる入射面と、前記光源とは反対側に向けて凸形状を呈する出射面とを有することが好ましい。
【0008】
また、前記第一レンズは、前記上半部における前記入射面の曲率が徐変することが好ましい。
【0009】
また、前記第一レンズは、前記上半部における前記入射面の曲率が前記光軸から離れるにつれて小さくなることが好ましい。
【0010】
また、前記第一レンズ、前記第二レンズおよび前記シェード部材は、複数がアレイ状に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる車両用灯具は、配光パターンの光量を十分に確保可能な車両用灯具を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第一実施形態にかかる車両用灯具を示す斜視図である。
図2図2は、第一実施形態にかかる車両用灯具の要部を示す縦断面図である。
図3図3は、第一実施形態にかかる車両用灯具において車両前方のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。
図4図4は、比較例としての車両用灯具において車両前方のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。
図5図5は、第二実施形態にかかる車両用灯具を示す説明図である。
図6図6は、第二実施形態にかかる車両用灯具が備える第1レンズ、シェード部材および第2レンズを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明にかかる車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、車両用灯具が車両に取り付けられた状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。
【0014】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態にかかる車両用灯具を示す斜視図であり、図2は、第一実施形態にかかる車両用灯具の要部を示す縦断面図である。車両用灯具100は、図1に示すように、光源10と、光学部材20と、第一レンズ30と、第二レンズ40と、シェード部材50とを備える。車両用灯具100は、車両に搭載され、所定の配光パターンを形成するプロジェクタ型のランプユニットである。車両用灯具100は、不図示のランプハウジングとランプレンズ(例えば、素通しのアウターレンズなど)とで形成される灯室に収容される。
【0015】
光源10は、例えばLEDやOEL、OLED(有機EL)などの半導体型光源である。光源10は、光を出射する発光面11を有する。車両用灯具100が車両に取り付けられた場合、発光面11は、前方側に向けられる。光学部材20は、光源10に対して前方側に配置される。光学部材20は、光源10の発光面11から出射された光を入射し、入射した光を平行光として前方に向けて出射する。なお、光学部材20は、光を前方に向けて平行光とすることができれば、いかなるものであってもよく、例えばリフレクタであってもよい。
【0016】
第一レンズ30は、光学部材20に対して前方に配置される。第一レンズ30は、図2に示すように、光軸AXと、後述する下半部30Dにおける後側焦点F1を有している。第一実施形態において、第一レンズ30は、図1および図2に示すように、光源10側に向けて凸形状を呈する入射面31と、光軸AXに対して垂直に延びる出射面32とを有する非球面の平凸レンズである。第一レンズ30は、光学部材20から出射された平行光を入射面31で入射し、出射面32から前方側へと出射する。
【0017】
第二レンズ40は、第一レンズ30に対して前方に配置される。第二レンズ40は、図2に示すように、第一レンズ30と同一の光軸AXと、前側焦点F2とを有している。第一実施形態において、第二レンズ40は、図1および図2に示すように、光軸AXに対して垂直に延びる入射面41と、光源10と反対側に向けて凸形状を呈する出射面42とを有する非球面の平凸レンズである。第二レンズ40は、前側焦点F2が第一レンズ30の後側焦点F1と重なるように配置される。第二レンズ40は、第一レンズ30から出射され、シェード部材50を通過した光を入射面41で入射し、出射面42から前方側へと出射する。
【0018】
シェード部材50は、第一レンズ30と第二レンズ40との間に配置された板状部材である。シェード部材50は、図2に示すように、光軸AXに沿った方向において、第一レンズ30の後側焦点F1および第二レンズ40の前側焦点F2の位置またはその近傍に配置される。シェード部材50は、第一レンズ30から出射された光の一部を遮光し、上端部であるエッジ51の形状に応じた配光パターンP1(図3参照)のカットオフラインCL(図3参照)を形成する。なお、図1は、シェード部材50を模式的に矩形状に示しているが、シェード部材50の形状(エッジ51の形状)は、所望のカットオフラインCLに応じて決定されればよい。
【0019】
次に、第一実施形態にかかる車両用灯具100の要部について、図2を参照しながら説明する。第一実施形態において、第一レンズ30は、光軸AXに対して上側に位置する上半部30Uと、光軸AXに対して下側に位置する下半部30Dとを有している。上半部30Uと下半部30Dとは、入射面31を2つの領域に区分している。以下、上半部30Uにおける入射面31を「上側入射面31U」と称し、下半部30Dにおける入射面31を「下側入射面31D」と称する。なお、出射面32は、上半部30Uと下半部30Dとの双方において、光軸AXに垂直に延びる一つの面として形成されている。また、第一レンズ30の屈折率は、上半部30Uおよび下半部30Dともに同一である。
【0020】
第一実施形態において、上側入射面31Uおよび下側入射面31Dは、上述したように、非球面の凸面として形成される。下側入射面31Dは、垂直断面形状において、下半部30Dにおける出射面32から出射された光が後側焦点F1に集光するように、その曲率が設定されている。一方、上側入射面31Uは、垂直断面形状において、下側入射面31Dよりも曲率が小さく(曲率半径が大きく)形成される。すなわち、光軸AXから任意の距離h1だけ離れた位置における上側入射面31Uの曲率半径ru1は、光軸AXから同じ距離h1だけ離れた位置における下側入射面31Dの曲率半径rd1よりも大きな値となる。なお、上側入射面31Uと下側入射面31Dとの接続部は、曲率が値0とされる。
【0021】
上側入射面31Uは、非球面の凸面であるため、垂直断面形状において、その曲率(曲率半径r)が徐変する。第一実施形態において、上側入射面31Uは、光軸AXから離れるにつれて、すなわち上側に向かうにつれて、その曲率が小さくなる。言い換えると、図2に示すように、光軸AXから任意の距離h1、h2、h3(h1>h2>h3)だけ離れた位置における曲率半径ru1、ru2、ru3は、ru1>ru2>ru3となる。
【0022】
次に、第一実施形態にかかる車両用灯具100の作用について説明する。光源10から出射された光は、光学部材20によって平行光とされ、図2に示すように、第一レンズ30の入射面31に入射される。第一レンズ30において、下側入射面31Dに入射して下半部30Dから出射された光線は、後側焦点F1に集光する。下半部30Dから出射された光線は、後側焦点F1に配置されたシェード部材50により一部が遮光され、第二レンズ40を介して前方側へと出射される。
【0023】
同様に、上半部30Uから出射された光線は、後側焦点F1に配置されたシェード部材50を通過して、第二レンズ40を介して前方側へと出射される。上述したように、第一レンズ30は、垂直断面形状において、上側入射面31Uの曲率が下側入射面31Dの曲率よりも小さい。そのため、上側入射面31Uに入射して上半部30Uから出射された各光線の焦点距離は、後側焦点F1よりも第一レンズ30から離れた位置となる。その結果、上半部30Uから出射された各光線は、後側焦点F1よりも上側を通過する。したがって、上半部30Uから出射された光は、後側焦点F1に集光する場合に比べて、シェード部材50により遮光される光量が少なくなる。
【0024】
以上説明したように、第一実施形態にかかる車両用灯具100は、光源10と、光源10からの光を平行光とする光学部材20と、光学部材20からの平行光を入射する凸レンズである第一レンズ30と、第一レンズ30から出射された光の一部を遮光して配光パターンP1のカットオフラインCLを形成するシェード部材50と、シェード部材50を通過した光を入射する凸レンズである第二レンズ40と、を備え、第一レンズ30は、車両搭載状態において、光軸AXに対して上側に位置する上半部30Uと、光軸AXに対して下側に位置する下半部30Dとを有し、第二レンズ40は、第一レンズ30の下半部30Dの後側焦点F1と重なる前側焦点F2を有し、シェード部材50は、光軸AXに沿った方向において、後側焦点F1および前側焦点F2の位置またはその近傍に配置され、第一レンズ30の入射面31は、垂直断面形状において、上半部30Uの曲率が下半部30Dの曲率よりも小さい。
【0025】
この構成により、第一レンズ30の上半部30Uから出射された光は、後側焦点F1よりも上側を通過するため、第一レンズ30から出射された光がすべて後側焦点F1に集光する場合に比べて、シェード部材50よりも上側を通過する光の光量が増加する。ここで、図3は、第一実施形態にかかる車両用灯具において車両前方のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。また、図4は、比較例としての車両用灯具において車両前方のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。図3および図4において、符号「VU-VD」は、スクリーンの垂直線を示し、符号「HL-HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。図4に示す比較例の車両用灯具による配光パターンP2は、第一レンズ30から出射された光が、すべて後側焦点F1に集光された場合の例を示すものである。
【0026】
図示するように、第一実施形態にかかる車両用灯具100により形成される配光パターンP1は、比較例としての車両用灯具により形成される配光パターンP2に比べて、下側の領域が広くなっていることがわかる。このように、第一実施形態にかかる車両用灯具100は、第一レンズ30から出射された光がすべて後側焦点F1を通過する場合に比べて、配光パターンP1の光量を増加させることが可能となる。したがって、配光パターンP1の光量を十分に確保可能な車両用灯具100を得ることができる。また、光源10の数を増加させることなく、配光パターンP1の光量を十分に確保できるため、車両用灯具100の部品点数の削減および小型化を図ることができる。
【0027】
また、第一レンズ30は、光源10側に凸形状を呈する入射面31と、光軸AXに対して垂直に延びる出射面32とを有し、第二レンズ40は、光軸AXに対して垂直に延びる入射面41と、光源10とは反対側に向けて凸形状を呈する出射面42とを有する。
【0028】
この構成により、平凸レンズである第一レンズ30および第二レンズ40を用いて、配光パターンP1の光量を十分に確保可能な車両用灯具100を得ることができる。なお、第一レンズ30および第二レンズ40は、平凸レンズに限られず、第一レンズ30の後側焦点F1と第二レンズ40の前側焦点F2とが重なるように配置される凸レンズであればよい。
【0029】
また、第一レンズ30は、上半部30Uにおける上側入射面31Uの曲率が徐変する。
【0030】
この構成により、第一レンズ30の上半部30Uから出射された光のうち、カットオフラインCLを形成するシェード部材50により遮光されない光の光量を、より細やかに調整することが可能となる。なお、上側入射面31Uの曲率は、一定であってもよい。
【0031】
また、第一レンズ30は、上半部30Uにおける上側入射面31Uの曲率が光軸AXから離れるにつれて小さくなる。
【0032】
この構成により、光軸AXから離れた位置ほど、光量を増加させることができる。その結果、配光パターンP1の厚みを良好に確保することが可能となる。
【0033】
[第二実施形態]
図5は、第二実施形態にかかる車両用灯具を示す説明図であり、図6は、第二実施形態にかかる車両用灯具が備える第1レンズ、シェード部材および第2レンズを示す斜視図である。第二実施形態にかかる車両用灯具200は、第一実施形態にかかる車両用灯具100の第一レンズ30に代えて第一レンズ60を備え、第二レンズ40に代えて第二レンズ70を備える。また、車両用灯具200は、複数のシェード部材50を備えている。
【0034】
第一レンズ60は、光軸AX1を有している。また、第一レンズ60は、入射面61と、出射面62とを有する。入射面61は、図6に示すように、複数に区画されている。入射面61の各区画61aは、第一実施形態の第一レンズ30の入射面31と同一の曲率で形成されている。すなわち、図2に示すように、各区画61aが、垂直断面形状において、図2に示す上側入射面31Uと下側入射面31Dとを有している。また、出射面62は、光軸AX1に対して垂直に延びる。言い換えると、第一レンズ60は、第一実施形態における第一レンズ30と同一の曲率で形成されたレンズ部60Aが、光軸AX1と直交する方向において複数並んでアレイ状に配置され、一体化されたものであるといえる。各レンズ部60Aは、図2に示す光軸AXと、後側焦点F1とを有している。なお、第二実施形態において、第一レンズ60は、図5および図6に示すように、円形状に形成されている。そのため、第一レンズ60の周縁においては、第一実施形態で示したレンズ部60Aの一部がカットされた形状となっている。ただし、第一レンズ60は、円形状に限られず、四角形状に形成されてもよい。
【0035】
第二レンズ70は、第一レンズ60と同一の光軸AX1を有する。また、第二レンズ70は、入射面71と、出射面72とを有する。入射面71は、光軸AX1に対して垂直に延びる。また、出射面72は、複数に区画されている。出射面72の各区画72aは、図2に示すように、第一実施形態における第二レンズ40の出射面42と同一の曲率で形成されている。したがって、第二レンズ70は、第一実施形態における第二レンズ40と同一の曲率で形成されたレンズ部70Aが、光軸AX1と直交する方向において複数並んでアレイ状に配置され、一体化されたものであるといえる。各レンズ部70Aは、第一レンズ60の各レンズ部60Aに対応して設けられる。そして、各レンズ部60Aと各レンズ部70Aとは、図2に示すように、第一実施形態における第一レンズ30と第二レンズ40と同じ位置関係を満たすように配置されている。すなわち、各レンズ部70Aは、図2に示す光軸AXと、前側焦点F2とを有し、前側焦点F2が対応するレンズ部60Aの後側焦点F1と重なっている。なお、第二実施形態において、第二レンズ70は、図5に示すように、円形状に形成されている。そのため、第二レンズ70の周縁においては、第一実施形態で示したレンズ部70Aの一部がカットされた形状となっている。ただし、第二レンズ70は、円形状に限られず、四角形状に形成されてもよい。
【0036】
第二実施形態において、各シェード部材50は、第一実施形態で示したシェード部材50と同一の形状であるものとする。そして、複数のシェード部材50は、図5に示すように、光軸AX1と直交する方向において複数並んでアレイ状に配置されている。各シェード部材50は、第一レンズ60の各レンズ部60Aおよび第二レンズ70の各レンズ部70Aに対応して設けられる。したがって、各レンズ部60A、各レンズ部70Aおよび各シェード部材50は、図2に示すように、第一実施形態における第一レンズ30、第二レンズ40およびシェード部材50と同じ位置関係を満たすように配置されている。
【0037】
このように、第二実施形態にかかる車両用灯具200は、第一レンズ30に相当するレンズ部60A、第二レンズ40に相当するレンズ部70Aおよびシェード部材50が、アレイ状に複数配置されている。第二実施形態にかかる車両用灯具200は、各レンズ部60A、レンズ部70Aおよびシェード部材50により形成される配光パターンを重ねて照射することができる。そして、各レンズ部60A、レンズ部70Aおよびシェード部材50により形成される配光パターンは、第一実施形態と同様の作用により、その光量を増加させることができる。したがって、配光パターンP1の光量を十分に確保可能な車両用灯具200を得ることができる。
【0038】
第二実施形態では、レンズ部60Aのすべてについて、第一実施形態の第一レンズ30と同様の構成を有するものとした。ただし、レンズ部60Aのうち、一部のみが第一実施形態の第一レンズ30と同様の構成を有してもよい。この場合、複数のレンズ部60Aのうち、少なくとも、光軸AXの方向からみて光源10と重なる位置に配置されるものについて、第一レンズ30と同様の構成とすることが好ましい。それにより、特に光量が多い光源10と重なる位置に配置されるレンズ部60Aについて、配光パターンの光量を増加させることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 光源
11 発光面
20 光学部材
30、60 第一レンズ
30U 上半部
30D 下半部
31、41、61、71 入射面
31U 上側入射面
31D 下側入射面
32、42、62、72 出射面
40、70 第二レンズ
50 シェード部材
51 エッジ
60A、70A レンズ部
61a、72a 区画
100、200 車両用灯具
AX、AX1 光軸
F1 後側焦点
F2 前側焦点
図1
図2
図3
図4
図5
図6