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特許7187997フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置
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  • 特許-フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/06 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B65B61/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018211153
(22)【出願日】2018-11-09
(65)【公開番号】P2020075750
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-221019(JP,A)
【文献】特開2018-052581(JP,A)
【文献】特開2018-138464(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00-65/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレキシブルバッグが連結したバッグ列から、液体が充填されたフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し方法であって、
前記フレキシブルバッグ同士が連結した前記バッグ列の接続部が、ローラコンベヤ上の切断位置に搬送された後、第1押さえ部及び第2押さえ部を用いて、前記接続部を介して連結された2つの前記フレキシブルバッグの上面をそれぞれ押さえることで固定し、
2つの前記フレキシブルバッグの上面を押さえた状態で、前記ローラコンベヤの上方に配されたカッタを前記ローラコンベヤ側に降下させ、前記接続部を切断することで、前記バッグ列から搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し方法。
【請求項2】
2つの前記フレキシブルバッグの上面を押さえた状態で、前記ローラコンベヤの切断位置よりも前記搬送方向の前方側に設けられる駆動ローラを回転駆動させ、前記搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを前記搬送方向に引っ張ることで、前記接続部に張力を付与し、
前記張力が付与された前記接続部を切断することで、前記バッグ列から前記搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを切り離す、請求項1に記載のフレキシブルバッグの切り離し方法。
【請求項3】
複数のフレキシブルバッグが連結したバッグ列から、液体が充填されたフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し装置であって、
液体が充填された前記フレキシブルバッグを含む前記バッグ列を搬送し、前記バッグ列の搬送方向に並ぶ複数のフリーローラを含むローラコンベヤと、
前記ローラコンベヤの上方に配されたカッタを前記ローラコンベヤ側に降下させることで、前記フレキシブルバッグ同士が連結した前記バッグ列の接続部を切断する切断部と、
前記切断部よりも前記フレキシブルバッグの搬送方向の前方側に設けられ、前記ローラコンベヤの上方に配された押さえパッドを前記ローラコンベヤ側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグを押さえる第1押さえ部と、
前記切断部よりも前記フレキシブルバッグの搬送方向の後方側に設けられ、前記ローラコンベヤの上方に配された押さえパッドを前記ローラコンベヤ側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグを押さえる第2押さえ部と、
を有し、
前記接続部が、前記ローラコンベヤ上の切断位置に搬送された状態で、前記第1押さえ部及び第2押さえ部を用いて、前記接続部を介して連結された2つの前記フレキシブルバッグの上面をそれぞれ押さえることで固定し、
2つの前記フレキシブルバッグの上面を押さえた状態で、前記カッタを降下させて前記接続部を切断することで、前記バッグ列から前記搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルな内袋であるフレキシブルバッグを、保形性を有する外装ボックスに収納した、バッグインボックスは、使用後、フレキシブルバッグと外装ボックスとを分離することが容易であり、廃棄の問題が少なくリサイクルが可能な容器として注目されている。
【0003】
バッグインボックスを製造する際には、フレキシブルバッグが連結したバッグ列から、液体が充填されたフレキシブルバッグを切り離す、切り離し処理が行われる。この処理では、水平方向に対して傾斜したローラコンベヤ上で、ローラコンベヤの上方に設けられたカッタをローラコンベヤ側に降下させて、バッグ列の接続部を切断することで、バッグ列からフレキシブルバッグを切り離す処理が行われる(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭63-54608号公報
【文献】実開昭63-67407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1,2に示すようなフレキシブルバッグの切り離し方法では、傾斜したローラコンベヤに自重によりぶら下がったバッグ列の、ミシン目が加工された接続部に対して切断処理が行われる。しかし、バッグ列を製造する製袋機の加工精度のバラつきから、接続部のミシン目の位置がバラつく場合がある。また、充填される液体の品種が変わることで、液体の比重が変わる場合、充填済みのフレキシブルバッグの容積が変わることから、カッタの切断位置に対して搬送されるバッグ列のミシン目の位置が変わることがある。このように、切断位置に対してミシン目の位置がずれてしまうと、ミシン目での正常な切断が行われず、フレキシブルバッグの端部がローラコンベヤのローラに巻き込まれてしまう可能性がある。フレキシブルバッグのローラへの巻き込みが発生してしまうと、最悪の場合、フレキシブルバッグが破裂することがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、バッグ列の接続部を切断する際に、フレキシブルバッグの端部のローラへの巻き込みを抑制することができる、フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数のフレキシブルバッグが連結したバッグ列から、液体が充填されたフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し方法であって、上記フレキシブルバッグ同士が連結した上記バッグ列の接続部が、ローラコンベヤ上の切断位置に搬送された後、上記接続部を介して連結された2つの上記フレキシブルバッグの上面をそれぞれ押さえることで固定し、2つの上記フレキシブルバッグの上面を押さえた状態で、上記ローラコンベヤの上方に配されたカッタを上記ローラコンベヤ側に降下させ、上記接続部を切断することで、上記バッグ列から上記搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、複数のフレキシブルバッグが連結したバッグ列から、液体が充填されたフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し装置であって、
液体が充填された上記フレキシブルバッグを含む上記バッグ列が搬送され、上記バッグ列の搬送方向に並ぶ複数のローラを含むローラコンベヤと、上記ローラコンベヤの上方に配されたカッタを上記ローラコンベヤ側に降下させることで、上記フレキシブルバッグ同士が接続した上記バッグ列の接続部を切断する切断部と、上記切断部よりも上記フレキシブルバッグの搬送方向の前方側に設けられ、上記ローラコンベヤの上方に配された押さえパッドを上記ローラコンベヤ側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグを押さえる第1押さえ部と、上記切断部よりも上記フレキシブルバッグの搬送方向の後方側に設けられ、上記ローラコンベヤの上方に配された押さえパッドを上記ローラコンベヤ側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグを押さえる第2押さえ部と、を有し、上記接続部が、上記ローラコンベヤ上の切断位置に搬送された後、上記第1押さえ部及び第2押さえ部を用いて、上記接続部を介して連結された2つの上記フレキシブルバッグの上面をそれぞれ押さえることで固定し、2つの上記フレキシブルバッグの上面を押さえた状態で、上記カッタを降下させて上記接続部を切断することで、上記バッグ列から上記搬送方向の前方側のフレキシブルバッグを切り離す、フレキシブルバッグの切り離し装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、バッグ列の接続部を切断する際に、フレキシブルバッグの端部のローラへの巻き込みを抑制することができる、フレキシブルバッグの切り離し方法及び切り離し装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一態様に係るフレキシブルバッグの切り離し装置を含む、バッグインボックスの製造設備を示す模式図である。
図2】本発明の一態様に係るフレキシブルバッグの切り離し方法を示す説明図である。
図3】従来のバッグインボックスの製造設備を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、本発明の実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(フレキシブルバッグの切り離し装置)
図1に示すように、フレキシブルバッグの切り離し装置2は、バッグインボックスを製造する製造設備1に設けられる。フレキシブルバッグ5は、液体を収容可能な、フレキシブルな袋である。フレキシブルバッグ5は、例えば、四角形のフィルムの四方が溶着シールされ、袋状に構成されている。例えば、フレキシブルバッグ5は、片面が1層~3層のもので、液体を収容可能な量が1L~25L程度の大きさ(L:200mm~600mm、W:200mm~600mm)であるものであってもよい。また、フレキシブルバッグ5は、複数のフレキシブルバッグ5が一方向に連結したバッグ列51として、製造設備1に搬送される。バッグ列51には、フレキシブルバッグ5同士が接続し、分離可能なようにミシン目が形成された接続部52が設けられる。図1に示す例では、図1の右側からバッグ列51が製造設備1に搬送される。
【0014】
バッグインボックスの製造設備1は、切り離し装置2と、充填装置3と、水平コンベヤ4とを備える。製造設備1では、搬送されるバッグ列51に対して、充填装置3にて、各フレキシブルバッグ5に設けられた充填口部より内容物である液体をそれぞれ順に充填する。そして、液体が充填されたバッグ列51は、切り離し装置2へと送られ、搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5がバッグ列51から切り離される。切り離されたフレキシブルバッグ5は、その後、水平コンベヤ4へと搬送され、水平コンベヤ4の下方に設けられた外装ボックス(不図示)に収容され、バッグインボックスとなる。
【0015】
切り離し装置2は、ローラコンベヤ21と、切断部22と、第1押さえ部23と、第2押さえ部24とを備える。
ローラコンベヤ21は、水平方向(図1の左右方向)に対して傾斜して並んだ複数のフリーローラ211と、複数のフリーローラ211の間に配される1本の駆動ローラ212とを有する。複数のフリーローラ211が並んだ方向は、バッグ列51及び切断されたフレキシブルバッグ5が搬送される搬送方向に平行な方向であり、搬送方向の前方側が鉛直方向の下方となるように傾斜している。駆動ローラ212は、回転駆動可能なローラである。駆動ローラ212は、切断部22よりも搬送方向の前方側の、接続部52が後述する切断位置となった状態で切り離されるフレキシブルバッグ5の下面となる位置に設けられる。
【0016】
切断部22は、バッグ列51の接続部52を切断する装置であり、ローラコンベヤ21上に設けられる。切断部22は、ローラコンベヤ21の上方に配され、ローラコンベヤ21に対して昇降可能なカッタ221を有し、接続部52の上方から下方までカッタ221の先端が下降することで接続部52が切断される。
【0017】
第1押さえ部23は、ローラコンベヤ21の上方の、切断部22よりも搬送方向の前方側に設けられる。第1押さえ部23は、ローラコンベヤ21に対して昇降可能な板状の押さえパッド231を有する。押さえパッド231は、少なくとも下面側が、フレキシブルバッグ5の表面に対して滑りにくく、フレキシブルバッグ5に疵をつけにくい素材である、ゴムや樹脂等からなることが好ましい。押さえパッド231の形状は、特に限定されるものではなく、円形や方形であってもよい。また、押さえパッド231は、押さえパッド231やフレキシブルバッグ5の材質や構造によるものの、平面視(図1の上下方向からの視点)において、フレキシブルバッグ5の面積の40%以上の面積を有する大きさとすることが好ましい。第1押さえ部23は、下方にフレキシブルバッグ5がある状態で、押さえパッド231が所定の高さとなるまで下降することで、切断部22よりも搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5を押さえる。これにより、切断される接続部52を介して連結した2個のフレキシブルバッグ5のうち、搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5が固定される。
【0018】
第2押さえ部24は、ローラコンベヤ21の上方の、切断部22よりも搬送方向の後方側に設けられる。第2押さえ部24は、第1押さえ部23と同様に、ローラコンベヤ21に対して昇降可能な板状の押さえパッド241を有する。第2押さえ部24は、下方にフレキシブルバッグ5がある状態で、押さえパッド241が所定の高さとなるまで下降することで、切断部22よりも搬送方向の後方側のフレキシブルバッグ5を押さえる。これにより、切断される接続部52を介して連結した2個のフレキシブルバッグ5のうち、搬送方向の後方側のフレキシブルバッグ5が固定される。
【0019】
(フレキシブルバッグの切り離し方法)
本実施形態に係るフレキシブルバッグ5の切り離し方法では、充填装置3にて液体が充填されたバッグ列51のフレキシブルバッグ5がローラコンベヤ21へと搬送される。ローラコンベヤ21へ搬送されたバッグ列51は、液体が充填されていない搬送方向の後方側のバッグ列51において行われる繰り出し動作と、自重とによって、ローラコンベヤ21上で搬送される。
【0020】
そして、図2(A)及び図2(B)に示すように、バッグ列51の接続部52がローラコンベヤ21上の切断位置に搬送されると、第1押さえ部23及び第2押さえ部24の押さえパッド231,241がそれぞれ下降し、接続部52を介して連結された2個のフレキシブルバッグ5をそれぞれ押さえる。以下では、バッグ列51の搬送方向の前方側の切断される接続部52を介して連結された2個のフレキシブルバッグ5について、搬送方向の前方のフレキシブルバッグの符号を5A、搬送方向の後方のフレキシブルバッグの符号を5Bとする。ローラコンベヤ21上の切断位置は、切断部22によって切断が行われる位置であり、搬送方向に対するカッタ221の位置である。つまり、切断部22よりも搬送方向の前方側では、第1押さえ部23によりフレキシブルバッグ5Aが押さえられ、切断部22よりも搬送方向の後方側では、第2押さえ部24によりフレキシブルバッグ5Bが押さえられる。これにより、フレキシブルバッグ5A,5Bが、ローラコンベヤ21上で固定される。第1押さえ部23及び第2押さえ部24によるフレキシブルバッグ5A,5Bの固定は、フレキシブルバッグ5A,5Bをローラコンベヤ21上で動かないようにする押し圧以上で行われることが好ましく、第1押さえ部23及び第2押さえ部24による押し圧を25kg程度とすることが好ましい。
【0021】
次いで、図2(C)に示すように、駆動ローラ212を回転駆動させて、駆動ローラ212上のフレキシブルバッグ5Aの下面側を搬送方向に引っ張ることで、接続部52に張力を付与する。これにより、接続部52は、搬送方向に沿って伸びた状態となる。
さらに、図2(D)に示すように、カッタ221をローラコンベヤ21に対して降下させて、接続部52を切断することで、バッグ列51からフレキシブルバッグ5Aを切り離す。切断した後は、カッタ221を上昇させる。そして、押さえパッド231,241を上昇させることで、第1押さえ部23及び第2押さえ部24によるフレキシブルバッグ5A,5Bの固定を解除する。これにより、切り離されたフレキシブルバッグ5Aは、自重によってローラコンベヤ21上を搬送方向に移動し、水平コンベヤ4へと搬送される。また、フレキシブルバッグ5Bを含むバッグ列51は、ローラコンベヤ21上を搬送方向へと移動し、上述の切り離しの処理が繰り返し行われる。なお、上述の切り離し処理は、製造装置1の各構成の動作を制御する制御システムや制御盤等の制御機構を用いて、バッグ列51の繰り出し量や各動作に要する時間等に基づいて行われる。
【0022】
(変形例)
例えば、上記実施形態では、第1押さえ部23及び第2押さえ部24でフレキシブルバッグ5A,5Bを押さえた後、駆動ローラ212でフレキシブルバッグ5Aを搬送方向に引っ張るとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、第2押さえ部24でフレキシブルバッグ5Bを押さえた後、駆動ローラ212でフレキシブルバッグ5Aを搬送方向に搬送させ、さらに第1押さえ部23でフレキシブルバッグ5Aを押さえてもよい。
【0023】
また、上記実施形態では、ローラコンベヤ21の切断部22よりも搬送方向の前方側に1本の駆動ローラ212を設ける構成としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、ローラコンベヤ21の切断部22よりも搬送方向の前方側に複数の駆動ローラを設けてもよい。また、例えば、ローラコンベヤ21の切断部22よりも搬送方向の後方側に少なくとも1本駆動ローラを設けてもよい。この場合、搬送方向の後方側に設けられた駆動ローラは、前方側の駆動ローラとは逆方向に回転し、フレキシブルバッグ5Bを搬送方向と逆方向に引っ張ることで、接続部52に張力が付与される。さらに、ローラコンベヤ21に駆動ローラ212を設けなくてもよい。この場合、第1押さえ部23及び第2押さえ部24でフレキシブルバッグ5A,5Bを押さえた後、カッタ221で接続部52を切断することで、フレキシブルバッグ5Aの切り離しが行われる。
【0024】
さらに、上記実施形態では、製造設備1が図1に構成であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、上記実施形態と同様な切断部を、ローラコンベヤ21上でカッタが駆動ローラ212の上方となる位置にさらに設けてもよい。この切断部は、フレキシブルバッグ221フレキシブルバッグ5が搬送されてきたときに、カッタが下降した状態となることで、搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5の移動を止めるストッパーとし用いられる。また、この切断部は、搬送方向の後方側の切断部22(図1に示す切断部22)が接続部52を切り離した時にカッタが上昇する。つまり、搬送方向の前方側の切断部のカッタは、後方側の切断部21のカッタ211に対して、昇降動作が反転した動きとなる。このようにすることで、接続部52のミシン目の自重切れを防止することができる。
【0025】
さらに、上記実施形態では、カッタ221による切り離しの前に、駆動ローラ212を回転駆動させるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、フレキシブルバッグ5Aの切り離しが終了した後、フレキシブルバッグ5Aを水平コンベヤ4に搬送させる際に、フレキシブルバッグ5Aを搬送方向に引っ張るように回転駆動させてもよい。これにより、切り離された充填済みのフレキシブルバッグ5が搬送方向に流れやすくなり、流れ効率が向上することで、製造設備1における生産能力が向上する。なお、駆動ローラ212には、第1押さえ部23でのフレキシブルバッグ5Aの固定が終了した後から、フレキシブルバッグ5Aが駆動ローラ212を通過するまでの間、常に一定以上の駆動力をかけるようにしてもよい。
【0026】
(本実施形態の効果)
(1)複数のフレキシブルバッグ5が連結したバッグ列51から、液体が充填されたフレキシブルバッグ5を切り離す、フレキシブルバッグ5の切り離し方法であって、フレキシブルバッグ5同士が連結したバッグ列51の接続部52が、ローラコンベヤ21上の切断位置に搬送された後、接続部52を介して連結された2つのフレキシブルバッグ5A,5Bの上面をそれぞれ押さえることで固定し、2つのフレキシブルバッグ5A,5Bの上面を押さえた状態で、ローラコンベヤ21の上方に配されたカッタ221をローラコンベヤ21側に降下させ、接続部52を切断することで、バッグ列51から搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5Aを切り離す。
【0027】
従来の切り離し方法では、図3に示すように、第1押さえ部23及び第2押さえ部24がない切り離し装置1cを用いて、フレキシブルバッグ5の切り離しが行われていた。切り離し装置1cによる切り離しでは、バッグ列51の接続部52が切断位置まで搬送されると、切断部22のカッタ221が下降することで、接続部52の切断が行われる。この際、接続部52のミシン目の位置のバラつきによって、ミシン目での正常な切断が行われず、フレキシブルバッグ5の端部がローラコンベヤ21cのフリーローラ211に巻き込まれることがある。これは、カッタ221とミシン目の位置とがずれたために、カッタ221の下降動作によって、接続部52が必要以上にローラコンベヤ21c側に引っ張られることで生じる。
【0028】
しかし、上記(1)の構成によれば、接続部52を切断する際に、第1押さえ部23及び第2押さえ部24によってフレキシブルバッグ5が押さえられている。このため、ミシン目での正常な切断が行われない場合でも、カッタ221によるローラコンベヤ21側への接続部52の引っ張りが抑制されるため、フリーローラ211へのフレキシブルバッグ5の端部の巻き込みを抑制することができる。
【0029】
また、上記の従来の切り離し方法では、ミシン目での正常な切断が行われない場合、接続部52が必要以上にローラコンベヤ21c側に引っ張られることで、接続部52の少なくとも一部がミシン目で切り離されずに、切断後の端部が形状不良(ミシン目千切れ)となることがある。
しかし、上記(1)の構成によれば、第1押さえ部23及び第2押さえ部24で押さえることにより、切断時の接続部52には、従来に比べて張力が付与された状態となる。このため、ミシン目での正常な切断が行われない場合でも、ミシン目で切断され易くなり、切り離し装置によるカット精度を向上させることができる。
【0030】
さらに、上記の従来の切り離し方法では、充填される液体の比重が重い場合には、重みによって切断が行われる前のタイミングで、ミシン目が千切れる場合がある。この場合、フレキシブルバッグ5の姿勢が斜めになったまま搬送方向の下流へと流れてしまう可能性がある。そして、外装箱にフレキシブルバッグ5を投入する際のひっかけ疵の原因となったり、最悪の場合にはフレキシブルバッグ5が破裂したりする可能性がある。
しかし、上記(1)の構成によれば、フレキシブルバッグ5がローラコンベヤ21を搬送される間に、第1押さえ部23及び第2押さえ部24により抑えられるタイミングが生じる。特に、フレキシブルバッグ5に負荷が大きく掛かる、カッタ221による切断が行われるタイミングで、フレキシブルバッグ5が押さえられているため、切断が行われる前のタイミングでのミシン目の千切れを抑制することができる。
【0031】
(2)上記(1)の構成において、2つのフレキシブルバッグ5の上面を押さえた状態で、ローラコンベヤ21の切断位置よりも搬送方向の前方側に設けられる駆動ローラ212を回転駆動させ、搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5を搬送方向に引っ張ることで、接続部52に張力を付与し、張力が付与された接続部52を切断することで、バッグ列51から搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5を切り離す。
上記(2)の構成によれば、上記(1)の構成よりも切断する際に接続部52に大きな張力を付与できるようになるため、カット精度をさらに向上させることができる。
【0032】
(3)複数のフレキシブルバッグ5が連結したバッグ列51から、液体が充填されたフレキシブルバッグ5を切り離す、フレキシブルバッグ5の切り離し装置2であって、液体が充填されたフレキシブルバッグ5を含むバッグ列51が搬送され、バッグ列51の搬送方向に並ぶ複数のフリーローラ211を含むローラコンベヤ21と、ローラコンベヤ21の上方に配されたカッタ221をローラコンベヤ21側に降下させることで、フレキシブルバッグ5同士が接続したバッグ列51の接続部52を切断する切断部22と、切断部22よりもフレキシブルバッグ5の搬送方向の前方側に設けられ、ローラコンベヤ21の上方に配された押さえパッド231をローラコンベヤ21側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグ5Aを押さえる第1押さえ部23と、切断部22よりもフレキシブルバッグ5の搬送方向の後方側に設けられ、ローラコンベヤ21の上方に配された押さえパッド241をローラコンベヤ21側に降下させることで、下方に配されたフレキシブルバッグ5を押さえる第2押さえ部24と、を有し、接続部52が、ローラコンベヤ21上の切断位置に搬送された状態で、第1押さえ部23及び第2押さえ部24を用いて、接続部52を介して連結された2つのフレキシブルバッグ5A,5Bの上面をそれぞれ押さえることで固定し、2つのフレキシブルバッグ5A,5Bの上面を押さえた状態で、カッタ221を降下させて接続部52を切断することで、バッグ列51から搬送方向の前方側のフレキシブルバッグ5Aを切り離す、フレキシブルバッグ5の切り離し装置。
上記(3)の構成によれば、上記(1)と同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0033】
1,1c 製造設備
2,2c 切り離し装置
21,21c ローラコンベヤ
211 フリーローラ
212 駆動ローラ
22 切断部
221 カッタ
23 第1押さえ部
231 押さえパッド
24 第2押さえ部
241 押さえパッド
3 充填装置
4 水平コンベヤ
5,5A,5B フレキシブルバッグ
51 バッグ列
52 接続部(フレキシブルバッグのミシン目)
図1
図2
図3