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特許7188061プログラム、情報処理装置、及び通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20221206BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221206BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20221206BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 312
G03G21/00 370
G03G21/14
G03G21/00 396
G03G15/20 510
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018240411
(22)【出願日】2018-12-24
(65)【公開番号】P2020102056
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】細溝 仁人
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022285(JP,A)
【文献】特開2004-157982(JP,A)
【文献】特開2014-120991(JP,A)
【文献】特開2010-271410(JP,A)
【文献】特開2010-002702(JP,A)
【文献】特開2006-011120(JP,A)
【文献】特開2017-102292(JP,A)
【文献】特開2009-175251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00- 29/70
H04N 1/00
G03G 21/00
G03G 21/14
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向における所定の座標から当該搬送方向の後端までの幅は0とされ、前記所定領域の、前記所定の座標から当該搬送方向の先端までの幅は、0より大きな所定の幅とされており、
前記コンピュータを、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データのうちの、前記印刷媒体の前記所定の座標から前記搬送方向の先端までの間に位置する画像の画像データを、前記プログラムと異なるプログラムである外部プログラムに要求する要求手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記要求手段が要求したことに応じて前記外部プログラムから取得した画像データが示す画像のうち、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
情報処理装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記所定領域の幅は、前記印刷媒体の搬送方向の先端から後端に向かうほど、連続的、若しくは断続的に狭くされていることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データのうちの、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の画像データを含む領域含有画像データを、前記プログラムと異なるプログラムである外部プログラムに要求する要求手段として機能させ、当該領域含有画像データが示す画像の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、当該領域含有画像データが示す画像の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記出力手段は、
前記要求手段が要求したことに応じて前記外部プログラムから取得した画像データが示す画像のうち、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
情報処理装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段と、
前記印刷実行部の種類を示す種類情報に基づいて、前記印刷媒体での前記所定領域の位置を決定する第1決定手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記出力手段は、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、前記第1決定手段が決定した位置の前記所定の領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記第1決定手段は、
前記種類情報が、矩形の印刷媒体を長手方向に沿って搬送する種類の印刷実行部を示す場合に、当該印刷媒体の長手方向と交差する方向での両縁を、前記所定の領域の位置として決定し、前記種類情報が、矩形の印刷媒体を長手方向と交差する方向に沿って搬送する種類の印刷実行部を示す場合に、当該印刷媒体の長手方向での両縁を、前記所定の領域の位置として決定することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1決定手段は、
前記種類情報が、第1の加熱特徴を持つ印刷実行部を示す場合に、第1の領域を所定の領域として決定し、前記種類情報が、第2の加熱特徴を持つ印刷実行部を示す場合に、前記第1の領域と異なる第2の領域を所定の領域として決定することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体を加熱する加熱部を有し、
前記第1決定手段は、
前記種類情報が、前記第1の加熱特徴を持つ印刷実行部として、搬送される印刷媒体の、搬送方向と交差する方向での中央を過熱する方式の前記加熱部を備える印刷実行部を示す場合に、当該印刷媒体の搬送方向と交差する方向での両縁である前記第1の領域を所定の領域として決定し、前記種類情報が、前記第2の加熱特徴を持つ印刷実行部として、搬送される印刷媒体の、搬送方向と交差する方向での両端を過熱する方式の前記加熱部を備える印刷実行部を示す場合に、当該印刷媒体の搬送方向と交差する方向での中央である前記第2の領域を所定の領域として決定することを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データのうちの、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の画像データである領域画像データに対してのみ、当該領域画像データにより示される画像の量が設定量以下であるか否かを判定し、前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データのうちの、当該画像データを除く画像データに対しては判定を行わない第1判定手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記第1判定手段により画像の量が設定量以下であると判定された場合に、前記第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを、
前記印刷媒体に関する情報である媒体情報に基づいて、前記所定領域の大きさを決定する第2決定手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、前記第2決定手段が決定した大きさの前記所定の領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを、
前記印刷媒体に関する情報である媒体情報が、予め定められた値であるか否かを判定する第2判定手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記第2判定手段により前記媒体情報が前記定められた値でないと判定され、かつ、前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
コンピュータを備える情報処理装置であって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向における所定の座標から当該搬送方向の後端までの幅は0とされ、前記所定領域の、前記所定の座標から当該搬送方向の先端までの幅は、0より大きな所定の幅とされており、
前記コンピュータを、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データのうちの、前記印刷媒体の前記所定の座標から前記搬送方向の先端までの間に位置する画像の画像データを、前記出力手段として前記コンピュータを機能させるプログラムと異なるプログラムである外部プログラムに要求する要求手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記要求手段が要求したことに応じて前記外部プログラムから取得した画像データが示す画像のうち、前記印刷媒体の前記所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
コンピュータを備える情報処理装置であって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記所定領域の幅は、前記印刷媒体の搬送方向の先端から後端に向かうほど、連続的、若しくは断続的に狭くされていることを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータを備える情報処理装置であって、
前記コンピュータを、
印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段と、
前記印刷実行部の種類を示す種類情報に基づいて、前記印刷媒体での前記所定領域の位置を決定する第1決定手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、
前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭く、
前記出力手段は、
前記印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、前記第1決定手段が決定した位置の前記所定の領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷実行部として機能するプリンタには、下記特許文献に記載されているように、搬送される記録媒体に画像が印刷され、その記録媒体が加熱部により加熱されるものがある。そのような加熱部を有するプリンタでは、加熱部がある程度、加熱された後に、記録媒体の搬送が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-011120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献に記載の技術によれば、加熱部がある程度、加熱されるまで記録媒体の搬送が開始されず、時間のロスとなる。本発明は、そのような時間のロスを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示するプログラムは、情報処理装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータを、印刷実行部で印刷予定の画像を示す画像データについて、前記画像データが示す画像のうち、印刷実行部で搬送予定の印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、第1タイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令を前記印刷実行部に出力する出力手段として機能させ、前記印刷実行部は、搬送される印刷媒体に画像を印刷するように構成されており、前記第1タイミングは、前記所定領域に位置する画像の量が前記設定量以下でない場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングである第2タイミングよりも早いタイミングであり、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の後端に近い座標での幅は、前記所定領域の、前記印刷媒体の搬送方向の先端に近い座標での幅より狭いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
実施例に開示するプログラム等では、印刷媒体の所定の位置において搬送方向に延びる領域である所定領域に位置する画像の量が設定量以下であるか否かが判断される。そして、所定領域に位置する画像の量が設定量以下であると判断された場合に、所定領域に位置する画像の量が設定量より多いと判断された場合の印刷媒体の搬送を開始するタイミングより早いタイミングで印刷媒体の搬送を開始する旨の指令が、印刷実行部に送信される。これにより、効果的に時間のロスを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】通信システム1のブロック図である。
図2】印刷用紙70での従来の端領域を示す図である。
図3】印刷用紙70での第1実施形態の端領域を示す図である。
図4】印刷用紙が厚紙である場合の印刷用紙70での第1実施形態の端領域を示す図である。
図5】搬送される小サイズの印刷用紙を示す図である。
図6】プリンタドライバ28のフローチャートを示す図である。
図7】プリンタドライバ28のフローチャートを示す図である。
図8】印刷用紙70での第2実施形態の端領域を示す図である。
図9】印刷用紙70での変形例の端領域を示す図である。
図10】2個のヒータ62cが配設された定着ローラ60cを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、本願に係る第1実施形態として例示される通信システム1のブロック図を示す。通信システム1は、PC(情報処理装置の一例)10、プリンタ(印刷実行部の一例)50,52を備える。
【0009】
PC10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ14、LCD16、入力I/F18、ネットワークI/F(通信インタフェースの一例)20を主に備えている。これらの構成要素は、バス22を介して互いに通信可能とされている。
【0010】
PC10は、ネットワークI/F20及びネットワーク56を通じてプリンタ50,52と通信可能となっている。通信の方式としては、例えば、有線LAN、USB、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)を採用できる。
【0011】
プリンタ50,52は、A4サイズの印刷用紙(記録媒体の一例)に画像を印刷することが可能なレーザプリンタである。レーザプリンタでは、帯電した感光体ドラムへのレーザ照射により、潜像が形成され、その潜像が形成された感光体ドラムにトナーが付着される。そして、筐体内部で搬送される印刷用紙に、感光体ドラムに付着したトナーが転写され、印刷用紙に転写されたトナーが、定着器により定着されることで、印刷処理が実行される。なお、定着器は、定着ローラ(図2乃至図5参照)60を有しており、定着ローラの軸心方向における中央部に、ヒータ(図2乃至図5参照)(加熱部の一例)62が配設されている。これにより、定着器では、熱圧着によりトナーが印刷用紙に定着される。
【0012】
ちなみに、プリンタ50では、図2(A)に示すように、A4サイズの印刷用紙70が、印刷用紙70の長手方向に沿って搬送され、プリンタ52では、図2(B)に示すように、A4サイズの印刷用紙70が、印刷用紙70の長手方向と直行する方向に沿って搬送される。このため、プリンタ50の定着ローラ60aは、図2(A)に示すように、A4サイズの印刷用紙70の長手方向に直行する方向の長さ寸法より長くされており、プリンタ52の定着ローラ60bは、図2(B)に示すように、A4サイズの印刷用紙70の長手方向の長さ寸法より長くされている。
【0013】
また、CPU12は、メモリ14内の制御プログラム26、プリンタドライバ(プログラムの一例)28、OS(外部プログラムの一例)30に従って処理を実行する。制御プログラム26は、画像データを形成するためのプログラムであり、形成した画像データを、OS30を介してプリンタドライバ28に出力する。制御プログラム26は、画像を編集するための編集画面をLCD16に表示してもよい。制御プログラム26は、入力I/F18を介した操作入力に従って編集された画像を示す画像データを形成してもよい。また、プリンタドライバ28は、プリンタ50,52のデバイスドライバであり、プリンタ50,52の作動を制御する。また、OS30は、制御プログラム26、プリンタドライバ28に利用される基本的な機能を提供するプログラムである。なお、プリンタドライバ28等を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「プリンタドライバ28が」という記載は、「プリンタドライバ28を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0014】
また、メモリ14は、データ記憶領域32を備える。データ記憶領域32は、プリンタドライバ28等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0015】
メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0016】
また、LCD16は、PC10の各種情報を表示する。なお、本願のディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、キーボード、マウス等を含み、ユーザ操作を入力するためのインタフェースである。なお、入力I/F18は、キーボード等に限らず、LCD16の表示画面にタッチセンサが重畳されたタッチパネルでも良い。
【0017】
なお、本明細書では、主に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OS30を介したハードウェア制御も含む。なお「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「設定」等の処理は、入力された設定情報をメモリに記憶することで行われる。
【0018】
通信システム1では、上述した構成により、制御プログラム26が作成した画像データが、OS30を介してプリンタドライバ28に出力される。そして、プリンタドライバ28は、画像データを受け付けると、その画像データに基づいて、印刷用の画像データを作成し、作成した印刷用画像データをプリンタ50,52に送信する。これにより、プリンタ50,52において、印刷処理が実行される。
【0019】
なお、プリンタ50,52は、上述したように、レーザプリンタであるため、印刷開始時において、定着ローラ60のヒータ62により所定の時間、加熱された後に、印刷用紙の搬送が開始され、その搬送される印刷用紙に対して印刷処理が実行される。これは、定着ローラ60の加熱が不十分であると、印刷用紙にトナーを適切に定着することができず、印刷用紙70への画像の適切な印刷を担保できないためである。特に、プリンタ50,52では、図2乃至図5に示すように、ヒータ62が定着ローラ60の軸心方向における中央部に配設されており、ヒータ62は、定着ローラ60の軸心方向における両端部にまで至っていない。このため、定着ローラ60の軸心方向における両端部まで定着ローラ60を加熱するべく、所定時間、具体的には、例えば、X秒間、ヒータ62により加熱された後に、印刷用紙の搬送が開始される。これにより、定着ローラ60を、中央部は勿論、両端部まで加熱することができ、印刷用紙70の画像の適切な印刷が担保される。
【0020】
一方で、印刷用紙70に印刷される画像には、印刷用紙70の余白部分を除く全域(以下、「印刷可能領域」と記載する)に印刷されるものもあれば、その印刷可能領域のうちの両端の部分(以下、「端領域」と記載する)(所定領域の一例)には印刷されず、その端領域を除く領域(以下、「中央領域」と記載する)に印刷されるものもある。なお、端領域及び中央領域は、印刷用紙70の搬送方向に応じて異なる。
【0021】
詳しくは、プリンタ50では、図2(A)に示すように、印刷用紙70が、縦方向に延びる姿勢、つまり、縦置きの姿勢で搬送されるが、そのように搬送される場合に、端領域は、印刷用紙70の長手方向と直行する方向における両端部の領域(以下、「縦置き姿勢端領域」と記載する)となり、中央領域は、縦置き姿勢端領域に挟まれる領域となる。そして、印刷用紙70の縦置き姿勢端領域に画像が印刷されない場合には、ヒータ62aが配設されていない定着ローラ60aの両端部により熱圧着される印刷用紙70の縦置き姿勢端領域にトナーは転写されないため、定着ローラ60aの両端部まで加熱する必要はない。
【0022】
一方、プリンタ52では、図2(B)に示すように、印刷用紙70が、横方向に延びる姿勢、つまり、横置きの姿勢で搬送されるが、そのように搬送される場合に、端領域は、印刷用紙70の長手方向における両端部の領域(以下、「横置き姿勢端領域」と記載する)となり、中央領域は、横置き姿勢端領域に挟まれる領域となる。そして、印刷用紙70の横置き姿勢端領域に画像が印刷されない場合には、ヒータ62bが配設されていない定着ローラ60bの両端部により熱圧着される印刷用紙70の横置き姿勢端領域にトナーは転写されないため、定着ローラ60bの両端部まで加熱する必要はない。
【0023】
つまり、端領域に位置する画像が無い場合には、定着ローラ60の両端部まで加熱されていなくても、印刷用紙の搬送を開始してもよい。すなわち、端領域に位置する画像が無い場合には、所定時間(X秒間)より短い時間、例えば、Y秒間、ヒータ62により定着ローラ60を加熱すれば、印刷用紙の搬送を開始できる。すなわち、X時間加熱してから印刷用紙の搬送を開始するよりも、印刷処理に要する時間の短縮を図ることができる。
【0024】
例えば、端領域を、図2の斜線の領域に示すように、印刷用紙70の搬送方向の先端から後端に至るまで一定の幅となるように設定した場合に、その端領域に画像が有れば、従来通り、ヒータ62により所定時間(X秒間)加熱する必要があり、その端領域に画像が無ければ、所定時間より短い時間(Y秒間)加熱すれば十分である。つまり、印刷用紙70に図2に示す画像が印刷される場合には、印刷用紙70の搬送方向の後端に位置する画像、具体的には、日付の文字が端領域にあるため、ヒータ62により所定時間(X秒間)加熱する必要があり、印刷処理に要する時間を短縮できない。なお、印刷用紙70の搬送方向の先端は、印刷用紙70が搬送されている際に先端に位置する端であり、印刷用紙70の搬送方向の後端は、印刷用紙70が搬送されている際に後端に位置する端である。
【0025】
ただし、定着ローラ60は、搬送される印刷用紙70を、印刷用紙70の搬送方向の先端から後端に向かって、順次、圧着するため、印刷用紙70の先端に定着ローラ60が接してから印刷用紙70の後端に定着ローラ60が接するまでには、ある程度の時間がかかる。そのため、印刷用紙70の後端に定着ローラ60が接する前に、定着ローラ60はヒータ62によりさらに加熱されることになる。つまり、印刷用紙70の搬送方向における後端は、時間と共に充分に加熱された定着ローラ60により熱圧着されることになる。このため、端領域の搬送方向における後端に近い位置での幅を、端領域の搬送方向における先端に近い位置での幅より狭くすることが可能である。
【0026】
そこで、端領域を、図3の斜線の領域に示すように、印刷用紙70の搬送方向における先端と、印刷用紙70の搬送方向における先端と後端との略中央の位置(以下、「搬送方向中央位置」と記載する)との間にのみ位置するように設定する。つまり、印刷用紙70の搬送方向における後端と搬送方向中央位置との間において、端領域の幅を0とし、印刷用紙70の搬送方向における先端と搬送方向中央位置との間において、端領域の幅を0より大きな値の一定の幅とする。また、別の言い方をすれば、端領域を、印刷用紙70の搬送方向において、印刷用紙70の先端から搬送方向中央位置まで延びる一定幅の領域とする。このように、端領域を設定することで、印刷用紙70に図3に示す画像が印刷される場合には、印刷用紙70の搬送方向の後端に位置する画像、具体的には、日付の文字は端領域に存在しないため、印刷処理に要する時間を短縮することができる。なお、図3(A)に示す印刷用紙70は、縦置き姿勢で搬送されるため、図3(A)に示す端領域は、縦置き姿勢端領域である。また、図3(B)に示す印刷用紙70は、横置き姿勢で搬送されるため、図3(B)に示す端領域は、横置き姿勢端領域である。つまり、縦置き姿勢で印刷用紙70が搬送される場合に、端領域を、図3(A)に示す縦置き姿勢端領域とする(S108)。一方、横置き姿勢で印刷用紙70が搬送される場合に、端領域を、図3(B)に示す横置き姿勢端領域とする(S110)。
【0027】
そして、印刷用紙70の搬送される姿勢に応じて端領域が設定されると、端領域に位置する画像の有無が判断される(S116)。端領域に位置する画像の有無は、種々の方法により判断することが可能であるが、例えば、OS30のバンディング技術を利用して、プリンタドライバ28により判断することが可能である。具体的には、バンディング技術とは、1ページ分の画像データを複数の領域の画像データに分割する技術である。プリンタドライバ28が任意の領域の画像データをOS30に要求すると、OS30は、指定された領域の画像データをプリンタドライバ28に出力する。ただし、指定された領域に画像が無い場合に、OS30は、プリンタドライバ28から画像データの要求を受け付けても、指定された領域の画像データを出力しない。このため、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像の画像データを要求し、要求した画像データを取得できない場合に、端領域に位置する画像が無いと判断する。一方、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像の画像データを要求し、要求した画像データを取得できた場合に、端領域に位置する画像が有ると判断する。これにより、端領域に位置する画像の有無が判断される。
【0028】
また、例えば、バンディング技術を利用せずに、プリンタドライバ28がOS30から画像データを取得し、取得した画像データを分析することで、端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。詳しくは、プリンタドライバ28が、印刷用紙70の印刷可能領域のうちの先端と搬送方向中央位置との間に位置する画像の画像データ(以下、「部分画像データ」と記載する)を、OS30に要求する。つまり、プリンタドライバ28は、1対の端領域と、それら1対の端領域の間の中央領域とに位置する画像の画像データを要求する。この際、例えば、プリンタドライバ28が、画像データの要求に応じて、ベクター形式の画像データを受け付けると、そのベクター形式の画像データに含まれる描画コマンドなどを数値化し、その数値を利用して、端領域に位置する画像の有無を判断する。具体的には、ベクター形式の画像データに、端領域に位置する座標への描画を示す描画コマンドが含まれていた場合に、端領域に位置する画像が有ると判断する。また、プリンタドライバ28は、受け付けたベクター形式の画像データをラスター形式の画像データに変換し、ラスター形式の画像データに基づいて、ピクセルの色,濃度などを数値化し、その数値を利用して、端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。具体的には、ラスター形式の画像データのうち、端領域に位置する画像データが白または透明以外を示す数値である場合に、端領域に位置する画像が有ると判断してもよい。なお、プリンタドライバ28は、OS30から取得した部分画像データの全てに対して、上記判断を行わずに、部分画像データに含まれる端領域に相当する画像データに対してのみ、上記判断を行う。
【0029】
このように、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像の有無を判断し、その際、端領域に位置する画像が有ると判断した場合に、印刷処理を実行するプリンタ50,52に、従来のタイミングで印刷用紙を供給する旨の指令、つまり、ヒータ62によりX秒間、加熱した後に、印刷用紙の供給を開始する旨の指令を送信する。一方、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像が無いと判断した場合に、印刷処理を実行するプリンタ50,52に、早期に印刷用紙を供給する旨の指令、つまり、ヒータ62によりY秒間、加熱した後に、印刷用紙の供給を開始する旨の指令を送信する(S118)。これにより、印刷に要する時間の短縮を図ることができる。
【0030】
また、印刷対象の用紙の種類に応じて、端領域の後端位置が変更される(S112)。詳しくは、印刷対象の用紙が、光沢紙などの厚紙である場合に、印刷用紙の厚さは、通常の印刷用紙と比較すると厚い。このような厚紙が印刷用紙であると、ヒータ62により印刷用紙は加熱され難い。つまり、厚い印刷用紙では、搬送方向における後端に近い箇所であっても、薄い印刷用紙と比較すると、ヒータ62により加熱され難い。そこで、印刷対象の印刷用紙が、光沢紙などの厚紙である場合には、端領域の後端位置が、図4の斜線の領域に示すように、搬送方向中央位置よりも後端に近い位置とされる。つまり、印刷用紙が厚紙である場合の端領域は、印刷用紙70の搬送方向において、印刷用紙70の先端から、搬送方向中央位置より後端に近い位置まで延びる一定幅の領域とされる。このため、端領域が搬送方向の後端に向かって長くなり、端領域に画像が有ると判断され易くなる。つまり、印刷用紙が厚紙である場合には、端領域が拡大されることで、端領域に画像が有ると判断され易くなる。これにより、印刷対象の用紙が加熱され難い厚紙において、ヒータ62による適切な加熱と、印刷処理に要する時間の短縮との両立を図ることが可能となる。
【0031】
また、上述したように、印刷用紙がA4サイズである場合には、端領域に画像が無い場合にのみ印刷処理に要する時間の短縮が図られているが、印刷用紙が小サイズである場合には、端領域の画像の有無に関わらず、印刷処理に要する時間の短縮を図ることができる。なお、ハガキサイズ、封筒サイズ、A6サイズなどが、小サイズの一例である。詳しくは、図3(A)に示すように、ヒータ62aは、A4サイズの印刷用紙70を、搬送方向と直行する方向での両端部まで直接、加熱することはできない。このため、印刷用紙がA4サイズである場合には、印刷用紙の搬送方向と直行する方向での両端部に設定された端領域に、画像が無い場合にのみ印刷処理に要する時間が短縮される。一方、図5に示すように、印刷用紙80が小サイズである場合に、ヒータ62aは、小サイズの印刷用紙80を、搬送方向と直行する方向での両端部まで直接、加熱することができる。つまり、印刷用紙80が小サイズである場合に、印刷用紙80の全体が、ヒータ62aにより直接、加熱される。このため、印刷用紙が小サイズである場合には、端領域の画像の有無に関わらず、印刷処理に要する時間の短縮が図られる。つまり、印刷用紙が小サイズである場合(S104:YES)に、プリンタドライバ28は、端領域の画像の有無を判断することなく、印刷処理を実行するプリンタ50,52に、早期に印刷用紙を供給する旨の指令を送信する。
【0032】
なお、印刷処理に要する時間の短縮は、ユーザが望む場合にのみ実行される。つまり、PC10では、プリンタドライバ28の作動により、選択画面(図示省略)がLCD16に表示され、その選択画面には、通常モードと時短モードとの何れかのモードを選択するための選択ボタンが表示される。そして、その選択画面において、時短モードが選択された場合(S102:YES)にのみ、上述した手法により、印刷処理に要する時間の短縮が実行され、通常モードが選択された場合(S102:NO)には、常に、従来のタイミングで印刷用紙を供給する旨の指令、つまり、ヒータ62によりX秒間、加熱した後に、印刷用紙の供給を開始する旨の指令がプリンタに送信される。
【0033】
以下に、上述したプリンタドライバ28による処理を、図6及び図7に示すフローチャートを用いて説明する。図6及び図7に示すフローチャートは、制御プログラム26において印刷対象の画像の画像データが形成されたこと及び、印刷処理を実行するプリンタが選択された後に、印刷処理の開始ボタンが操作されたことに応じて、プリンタドライバ28によって実行される。そのフローチャートでは、まず、プリンタドライバ28が、制御プログラム26からOS30を介してプリンタ情報(種類情報の一例)及び設定情報(媒体情報の一例)を受け付ける(S100)。プリンタ情報は、制御プログラム26において選択されたプリンタ(以下、「選択プリンタ」と記載する)に関する情報であり、例えば、選択プリンタでの印刷用紙の搬送方向を示す情報が含まれている。つまり、プリンタ50が選択プリンタである場合に、印刷用紙が縦置きの姿勢で搬送されることを示す情報がプリンタ情報に含まされている。また、設定情報は、印刷設定に関する情報であり、印刷用紙のサイズを示す情報,印刷用紙の種類を示す情報などが含まれている。
【0034】
次に、プリンタドライバ28は、選択画面において時短モードが選択されているか否かを判断する(S102)。この際、時短モードが選択されている場合(S102:YES)に、プリンタドライバ28は、S100で受け付けた設定情報に含まれる印刷用紙のサイズを示す情報に基づいて、用紙サイズが小サイズであるか否かを判断する(S104)。そして、用紙サイズが小サイズでない場合(S104:NO)に、プリンタドライバ28は、S100で受け付けたプリンタ情報に基づいて、選択プリンタで印刷用紙が縦置きの姿勢で搬送されるか否かを判断する(S106)。この際、選択プリンタで印刷用紙が縦置きの姿勢で搬送される場合(S106:YES)に、プリンタドライバ28は、端領域を縦置き姿勢端領域に設定する(S108)。そして、S112に進む。一方、選択プリンタで印刷用紙が横置きの姿勢で搬送される場合(S106:NO)に、プリンタドライバ28は、端領域を横置き姿勢端領域に設定する(S108)。そして、S112に進む。
【0035】
S112では、プリンタドライバ28が、S100で受け付けた設定情報に含まれる印刷用紙の種類を示す情報に基づいて、端領域の後端位置を決定する(S112)。つまり、プリンタドライバ28は、印刷用紙の種類が光沢紙などの厚紙であって場合に、端領域の後端位置を、図4に示すように、搬送方向中央位置より後端に近い位置に決定し、印刷用紙の種類が光沢紙などの厚紙でない場合に、端領域の後端位置を、図3に示すように、搬送方向中央位置に決定する。
【0036】
そして、プリンタドライバ28は、判定用画像データをOS30に要求する(S114)。判定用画像データは、端領域に位置する画像の有無を判断するために用いられる画像データであり、上述したように、端領域に位置する画像の画像データ、若しくは、部分画像データをOS30に要求する。次に、プリンタドライバ28は、判定用画像データの要求に応じて、判定用画像データを受け付けると、受け付けた判定用画像データに基づいて、端領域に画像が有るか否かを判断する(S116)。
【0037】
具体的には、上述したように、OS30のバンディング技術を利用して、プリンタドライバ28により判断することが可能である。つまり、プリンタドライバ28が、端領域に位置する画像の画像データを要求し、要求した画像データを取得できない場合に、端領域に位置する画像が無いと判断する。一方、プリンタドライバ28が、端領域に位置する画像の画像データを要求し、要求した画像データを取得できた場合に、端領域に位置する画像が有ると判断する。これにより、端領域に位置する画像の有無が判断される。また、プリンタドライバ28がOS30から画像データを取得し、取得した画像データを分析することで、端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。この際、例えば、プリンタドライバ28が、画像データの要求に応じて、ベクター形式の画像データを受け付けると、そのベクター形式の画像データに含まれる描画コマンドなどを数値化し、その数値を利用して、端領域に位置する画像の有無を判断する。また、プリンタドライバ28は、受け付けたベクター形式の画像データをラスター形式の画像データに変換し、ラスター形式の画像データに基づいて、ピクセルの色,濃度などを数値化し、その数値を利用して、端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。
【0038】
さらに言えば、プリンタドライバ28は、端領域内に、透明または白以外の画像データがなかったら、端領域に画像が無い、と判断してもよい。また、OS30に端領域の画像を要求したことに応じて、OS30から要求した領域に画像データがないという返信を受信した場合に、端領域に画像が無い、と判断してもよい。また、バンディング技術を利用せずにOS30から取得した画像データを用いて、上記の判断を行っても良い。例えば、プリンタドライバ28が、1対の端領域と、それら1対の端領域の間の中央領域とに位置する画像の画像データをOS30に要求し、OSから取得した画像データを用いて、上記の判断を行っても良い。
【0039】
そして、端領域に画像が無いと判断された場合(S116:NO)に、プリンタドライバ28は、印刷指示に早期搬送開始コマンド、つまり、早期に印刷用紙を供給する旨の指令を付与する(S118)。そして、S120に進む。一方、端領域に画像が有る場合(S116:YES)に、S118の処理がスキップされ、つまり、印刷指示に早期搬送開始コマンドが付与されることなく、S120に進む。
【0040】
S120では、プリンタドライバ28が、印刷予定の画像の全領域を含む画像データ(以下、「全領域画像データ」と記載する)を、OS30に要求する(S120)。そして、プリンタドライバ28は、全領域画像データの要求に応じて、全領域画像データをOS30から受け付け(S122)、受け付けた全領域画像データに基づいて、印刷用画像データを作成する(S124)。次に、プリンタドライバ28は、印刷指示及び、印刷用画像データを選択プリンタに送信する(S126)。これにより、フローチャートが終了する。
【0041】
また、S102で時短モードが選択されていない場合(S102:NO)、つまり、通常モードが設定されている場合に、S120に進む。つまり、印刷指示に早期搬送開始コマンドが付与されることなく、S120以降の処理が実行される。また、S104で用紙サイズが小サイズである場合(S104:YES)に、S118に進む。つまり、印刷指示に早期搬送開始コマンドが付与された後に(S118)、S120以降の処理が実行される。
【0042】
このように、早期搬送開始コマンドが付与された印刷指示と、印刷用画像データが選択プリンタに送信されると、選択プリンタは、従来の場合と比較して、短い時間、ヒータ62により定着ローラ60を加熱した後に、印刷用紙の搬送を開始する。これにより、印刷に要する時間の短縮を図ることができる。一方、早期搬送開始コマンドが付与されていない印刷指示と、印刷用画像データが選択プリンタに送信されると、選択プリンタは、従来通り、定着ローラ60がヒータ62により所定時間(X秒間)加熱された後に、印刷用紙の搬送を開始する。これにより、印刷用紙の端領域に適切にトナーを定着させることができ、適切な印刷処理が担保される。
【0043】
なお、S102を実行するCPU12は、第2判定手段の一例である。S108,110を実行するCPU12は、第1決定手段の一例である。S112を実行するCPU12は、第2決定手段の一例である。S114を実行するCPU12は、要求手段の一例である。S116を実行するCPU12は、第1判定手段の一例である。S118を実行するCPU12は、出力手段の一例である。
【0044】
上記第1実施形態では、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至る途中まで設定されており、端領域の幅は一定とされている。一方、第2実施形態では、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至るまで設定されているが、端領域の幅が、一定でなく、先端から後端に向かうほど狭くされている。
【0045】
詳しくは、図8(A)に示すように、印刷用紙70が縦置きの姿勢で搬送される場合には、端領域が、印刷用紙70の長手方向と直行する方向における両端部の領域、つまり、縦置き姿勢端領域に設定され、その縦置き姿勢端領域は、印刷用紙70の搬送方向における先端から後端に至るまで設定される。そして、その縦置き姿勢端領域の幅は、先端から後端に向かうほど、連続的に漸減するように狭くされている。つまり、端領域と中央領域との境界線が、直線となり、その直線が後端に向かうほど中央領域から離れる方向に傾斜している。なお、縦置き姿勢端領域の後端での幅は0とされている。
【0046】
また、図8(B)に示すように、印刷用紙70が横置きの姿勢で搬送される場合には、端領域が、印刷用紙70の長手方向における両端部の領域、つまり、横置き姿勢端領域に設定され、その横置き姿勢端領域は、印刷用紙70の搬送方向における先端から後端に至るまで設定される。そして、その縦置き姿勢端領域の幅は、先端から後端に向かうほど、連続的に漸減するように狭くされている。なお、縦置き姿勢端領域の後端での幅は0とされている。
【0047】
このように、第2実施形態では、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至るまで設定されており、その端領域の幅が、先端から後端に向かうほど連続的に狭くされているが、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、印刷用紙の種類に応じて、端領域の後端位置が変更されているが、第2実施形態では、印刷用紙の種類に応じて、端領域の幅が変更される。詳しくは、印刷用紙が厚紙である場合には、端領域の幅が、図8(C)に示すように、搬送方向の全域において広くされている。つまり、印刷用紙が厚紙である場合に、端領域と中央領域との境界線の傾斜角度が、緩くされている。このように、端領域の幅が全域に亘って広くなり、端領域が拡大されることで、端領域に画像が有ると判断され易くなる。これにより、端領域の後端位置が変更される場合と同様の効果を奏することができる。
【0049】
なお、第2実施形態におけるプリンタドライバ28による処理は、一部の処理を除いて、第1実施形態におけるプリンタドライバ28による処理と同じである。このため、その一部の処理のみ説明する。詳しくは、第2実施形態におけるプリンタドライバ28は、図6のS100~S110の処理を実行した後に、印刷用紙の種類に応じて、端領域の幅、つまり、端領域と中央領域との境界線の傾斜角度を決定する。そして、図6のS114,図7のS116~S126を実行する。
【0050】
<実施例の効果>
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0051】
端領域が、印刷用紙70の搬送方向と交差する方向での両端部において、搬送方向の延びる領域に設定される。また、端領域の搬送方向における後端に近い位置での幅は、端領域の搬送方向における先端に近い位置での幅より狭くされている。そして、プリンタドライバ28は、印刷用紙70の端領域に位置する画像の有無を判断する。この際、端領域に位置する画像が無い場合に、プリンタドライバ28は、早期搬送開始コマンドを選択プリンタに送信する。つまり、端領域に位置する画像が無い場合に、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像が有る場合の印刷用紙70の搬送を開始するタイミングより早いタイミングで印刷用紙70の搬送を開始する旨の指令を、選択プリンタに送信する。これにより、印刷に要する時間を効果的に短縮することができる。
【0052】
また、印刷用紙70の搬送方向における後端と搬送方向中央位置との間において、端領域の幅が0とされ、印刷用紙70の搬送方向における先端と搬送方向中央位置との間において、端領域の幅が0より大きな値の一定の幅とされる。これにより、印刷に要する時間を効果的に短縮することができる。さらに、プリンタドライバ28は、印刷用紙70への印刷予定の画像のうち、印刷用紙70の搬送方向における先端と搬送方向中央位置との間に位置する画像の画像データ、つまり、部分画像データをOS30から受け付け、その部分画像データに基づいて、端領域の画像の有無が判断される。これにより、判断の対象となる画像データの量を抑制することが可能となり、判断に要する時間の短縮を図ることができる。
【0053】
また、端領域の幅が、印刷用紙70の搬送方向における先端から後端に向かうほど狭くされている。これにより、印刷に要する時間を効果的に短縮することができる。また、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像の画像データのみをOS30から受け付け、その画像データに基づいて、端領域の画像の有無が判断される。これにより、判断の対象となる画像データの量を抑制することが可能となり、判断に要する時間の短縮を図ることができる。
【0054】
また、プリンタドライバ28は、プリンタ情報に応じて、A4サイズの印刷用紙70の長手方向における両端に位置する所定幅の領域である横置き姿勢端領域と、A4サイズの印刷用紙70の長手方向と直行する方向における両端に位置する所定幅の領域である縦置き姿勢端領域との何れかを、端領域として設定する。これにより、定着ローラ60の両端部により圧着される印刷用紙の両端部の領域を、端領域に設定することができる。
【0055】
また、プリンタドライバ28は、印刷用紙の種類に応じて、端領域の大きさを変更している。つまり、印刷用紙が厚紙である場合に、第1実施形態では、端領域の後端位置を後端に向かって伸ばすことで、端領域を拡大し、第2実施形態では、端領域の幅を広げることで、端領域を拡大している。これにより、印刷対象の用紙が加熱され難い厚紙であっても、短時間で適切に加熱される場合にのみ、印刷処理に要する時間の短縮を図ることができる。
【0056】
また、印刷用紙のサイズが小サイズの場合に、端領域の画像の有無に関わらず、印刷処理に要する時間の短縮が図られる。つまり、印刷用紙のサイズが小サイズの場合に、端領域の画像の有無の判定が行われることなく、印刷処理に要する時間の短縮が図られる。これにより、判定に要する時間を省くことが可能となる。
【0057】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、端領域に位置する画像が無い場合に、早期搬送開始コマンドが印刷指示に付与されているが、端領域に位置する画像の量が設定量以下である場合に、早期搬送開始コマンドが印刷指示に付与されてもよい。このような場合に、例えば、端領域に位置する画像の量として、ベクター形式の画像データであれば、画像データに含まれる描画コマンドなどを数値化したものを採用することができる。具体的には、端領域に位置する座標への描画を示す描画コマンドを解析した結果に基づいて、端領域の面積のうち、10%以上の面積に画像を描画するとプリンタドライバ28が判断した場合に、早期搬送開始コマンドを印刷指示に付与してもよい。また、例えば、端領域に位置する画像の量として、ラスター形式の画像データであれば、ピクセルの色,濃度などを数値化したものを採用することができる。具体的には、ラスター形式の画像データのうち、端領域に位置する画像データのうち、白または透明以外を示す数値を示す画像データの面積が、端領域の面積のうち、10%以上の面積であるとプリンタドライバ28が判断した場合に、早期搬送開始コマンドを印刷指示に付与してもよい。
【0058】
また、第1実施形態では、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至る途中まで設定されており、端領域の幅は一定とされている。一方、第2実施形態では、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至るまで設定されているが、端領域の幅が、一定でなく、先端から後端に向かうほど狭くされている。そこで、図10に示すように、端領域が、印刷用紙70の先端から後端に至る途中まで設定され、端領域の幅が、一定でなく、先端から後端に向かうほど狭くされてもよい。このように設定された端領域においても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに言えば、端領域の幅が先端から後端に向かうほど狭くされる場合に、第2実施形態では、端領域の幅が、連続的に狭くされているが、段階的に狭くされてもよい。つまり、端領域と中央領域との境界線が階段形状となるように、端領域の幅が狭くされてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、端領域として印刷用紙の両端に位置する領域が採用されているが、端領域として印刷用紙の両端のうちの一方の端に位置する領域が採用されてもよい。さらに言えば、印刷用紙の端に限られず、端以外の位置、例えば、中央部などを所定の領域とし、その所定の領域を、上記端領域と同様に扱ってもよい。例えば、印刷用紙の両端よりも中央部のほうが暖まりにくい構造である場合に、中央部を所定の領域としてもよい。つまり、図10に示すように、定着ローラ60cの両端部に2個のヒータ62cが離間した状態で配設されてもよい。このような場合には、ヒータ62cが配設されていない定着ローラ60cの一部により圧着される印刷用紙70の一部が、画像の有無の判定対象となる。つまり、図10に示す印刷用紙70では、印刷用紙70の長手方向と直行する方向における中央部において、搬送方向における先端から搬送方向中央位置まで延びる一定幅の領域が、画像の有無の判定対象となる。
【0060】
また、上記実施形態では、ヒータ62は、定着ローラ60の中央部に配設されており、定着ローラ60の両端部にまで至っていないが、ヒータ62が、定着ローラ60の中央部から両端部にまで至って配設されていてもよい。つまり、定着時に印刷用紙に密着する定着ローラ60の全ての領域にヒータ62が配設されてもよい。このように、定着ローラ60の全ての領域にヒータ62が配設された場合においても、定着ローラ60の両端部は、中央部と比較して加熱され難いため、本発明を適用することができる。
【0061】
また、上記実施形態では、プリンタドライバ28が、端領域に位置する画像の有無を判断しているが、制御プログラム26若しくは、OS30が、端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。例えば、端領域に位置する画像の有無を判断する機能と、印刷用画像データを作成する機能と、印刷指示及び印刷用画像データを送信する機能と、を制御プログラム26が備えてもよい。このような場合に、制御プログラム26が作成した画像データについて、端領域に位置する画像の有無を制御プログラム26自身が判断し、印刷指示及び印刷用画像データの送信を行ってもよい。つまり、制御プログラム26が、S100~S126と同等の処理を実行してもよい。ただし、S114、S120の処理については、OS30に画像データを要求して取得してもよいし、制御プログラム自身が生成した画像データを読み出すことで取得してもよい。また、S126の処理について、OS30にコマンドやデータを渡し、OS30がプリンタ50,52に指示を出力してもよい。なお、このような場合には、プリンタドライバ28を用いなくてもよい。
【0062】
また、端領域に位置する画像の有無を制御プログラム26自身が判断し、端領域に位置する画像の有無を示す情報をプリンタドライバ28に出力してもよい。このような場合に、プリンタドライバ28は、端領域に位置する画像の有無を判断する機能を備えていなくてもよい。つまり、制御プログラム26が、S100~S126と同等の処理を実行してもよい。ただし、S118、S124で作成されるコマンド及び、データは、プリンタドライバ28に渡すために作成される。また、S126の処理では、コマンドやデータがプリンタドライバ28に渡される。また、プリンタドライバ28は、渡されたコマンドやデータに従ってプリンタ50,52に指示を出力する。
【0063】
また、例えば、制御プログラム26が作成した画像データについて、端領域に位置する画像の有無を判断する機能と、印刷用画像データを作成する機能と、印刷指示及び印刷用画像データを送信する機能とを、OS30が備えてもよい。つまり、OS30が、S100~S126と同等の処理を実行してもよい。ただし、S114、S118の処理については、制御プログラム26に画像データを要求して取得してもよいし、制御プログラム26から受け付け済みの画像データを読み出すことで取得してもよい。なお、このような場合には、プリンタドライバ28を用いなくてもよい。
【0064】
さらに言えば、上記実施形態では、PC10が端領域に位置する画像の有無を判断しているが、プリンタが端領域に位置する画像の有無を判断してもよい。つまり、PC10が、印刷用画像データを作成し、印刷指示及び印刷用画像データをプリンタに送信すると、プリンタが、受信した印刷用画像データに基づいて、端領域に位置する画像の有無を判断し、その判断結果に応じて、印刷用紙の搬送タイミングを決定してもよい。このような場合、PC10からコマンドやデータを受信したプリンタが、S100~S126と同等の処理を実行してもよい。この際、S100~S126での各種の判断は、受信したコマンドやデータ、または、プリンタ自身に記憶されているパラメータやデータから判断してもよい。また、S114、S120の処理については、PC10から受け付け済みの画像データを読み出すことで取得してもよい。また、S118、S124で作成されるコマンド、データは、プリンタ内の印刷エンジンに渡すために作成される。また、S126の処理では、コマンドやデータが印刷エンジンに渡され、印刷エンジンが、渡されたコマンドやデータに従って印刷制御を行う。
【0065】
また、上記実施形態では、プリンタドライバ28がS100において取得するプリンタ情報に、選択プリンタでの印刷用紙の搬送方向を示す情報が含まれているが、プリンタ情報にプリンタの機種情報が含まれていてもよい。このような場合には、プリンタドライバ28が、機種情報に対応する搬送方向を特定する。また、プリンタドライバ28が予め制御プログラム26に提供しておいたプリンタ情報を、S100において受け付けてもよい。また、プリンタドライバ28に、複数のプリンタのうちの、どのプリンタを印刷処理の指示先とするかが設定されており、その設定されているプリンタの情報が、プリンタ情報であってもよい。また、プリンタドライバ28が対応するプリンタの機種は予め設定されており、プリンタ情報は、その機種に関するプリンタ情報であってもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、S114において、プリンタドライバ28は、全領域画像データのうちの一部の画像データを、OS30に要求しているが、全領域画像データ全てをOS30に要求してもよい。この場合には、S120及びS122の処理が不要となる。つまり、プリンタドライバ28は、S114の要求に応じて受け付けた全領域画像データに基づいて、印刷用画像データを作成すればよい。
【0067】
また、上記実施形態では、レーザプリンタが採用されているが、他の印刷方式のプリンタなどが採用されてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、CPU12によって図6及び図7に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0069】
10:PC、12:CPU、20:ネットワークI/F、28:プリンタドライバ
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