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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】粉塵検出装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B60H1/00 101Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018245196
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020104693
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石山 尚敬
(72)【発明者】
【氏名】熊田 辰己
(72)【発明者】
【氏名】石黒 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】坂根 裕之
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116147(JP,A)
【文献】特開平7-103523(JP,A)
【文献】特開2018-115959(JP,A)
【文献】国際公開第2016/170862(WO,A1)
【文献】特開2018-141679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉塵検出装置であって、
調整対象通路(421a)に流れる空気の風圧(P1)を受けるように構成された被風圧部(421)を有し、前記調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように前記風圧によって前記調整対象通路の通路開度を調整する開度調整装置(42)と、
空気が流れるセンサ通路(341)内の空気の粉塵濃度を検出するための光学式の粉塵センサ(34)と
第1空気通路(381)と第2空気通路(401)とがそれぞれ接続され、前記第1空気通路から導入される空気の流れによって前記第2空気通路から空気を吸引し、該空気の吸引によって前記第2空気通路に空気流れを発生させるアスピレータ(36)とを備え、
前記調整対象通路には、車室内の空調を行う空調ユニット(10)内に形成されたユニット内通路(11a)の空気流れによって空気が流れ、
前記センサ通路には、前記調整対象通路に空気が流れることに伴って空気が流れ、
前記センサ通路に流れる空気の風速は、前記調整対象通路に流れる空気の風量が小さいほど小さくなり、
前記第1空気通路は、前記ユニット内通路へ連結され該ユニット内通路から空気が流入する流入口(381a)を、前記第1空気通路の空気流れ上流端に有し、
前記センサ通路は前記第2空気通路に含まれ、
前記調整対象通路は、前記第1空気通路のうちの一部区間、または、前記第2空気通路のうち前記センサ通路に直列に連結する一部区間を構成する、粉塵検出装置。
【請求項2】
前記被風圧部は、前記通路開度を増減可能に構成され、前記風圧が強まるほど、前記通路開度を小さくする側へ前記風圧により強く付勢され、
前記開度調整装置は、前記被風圧部に連結された弾性部(422)を有し、
前記弾性部は、前記被風圧部が前記通路開度を小さくするほど、前記通路開度を大きくする側へ前記被風圧部を前記弾性部の弾性変形により強く付勢する、請求項1に記載の粉塵検出装置。
【請求項3】
粉塵検出装置であって、
調整対象通路(421a)に流れる空気の風圧(P1)を受けるように構成された被風圧部(421)を有し、前記調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように前記風圧によって前記調整対象通路の通路開度を調整する開度調整装置(42)と、
空気が流れるセンサ通路(341)内の空気の粉塵濃度を検出するための光学式の粉塵センサ(34)とを備え、
前記調整対象通路には、車室内の空調を行う空調ユニット(10)内に形成されたユニット内通路(11a)の空気流れによって空気が流れ、
前記センサ通路には、前記調整対象通路に空気が流れることに伴って空気が流れ、
前記センサ通路に流れる空気の風速は、前記調整対象通路に流れる空気の風量が小さいほど小さくなり、
前記被風圧部は、前記通路開度を増減可能に構成され、前記風圧が強まるほど、前記通路開度を小さくする側へ前記風圧により強く付勢され、
前記開度調整装置は、前記被風圧部に連結された弾性部(422)を有し、
前記弾性部は、前記被風圧部が前記通路開度を小さくするほど、前記通路開度を大きくする側へ前記被風圧部を前記弾性部の弾性変形により強く付勢し、
前記空調ユニットは、前記ユニット内通路に流れる空気の風速に影響する動作を行うドア機構(14)を有し、
前記弾性部は、前記ドア機構に対し連結され該ドア機構の動作に機械的に連動して移動させられる弾性部一端(422a)と、前記被風圧部に連結された弾性部他端(422b)とを有し、該弾性部一端と該弾性部他端との間隔が拡がる向きに弾性変形させられるほど、前記通路開度を大きくする側へ前記被風圧部を強く付勢するものであり、
前記ドア機構が前記ユニット内通路内の風速を高める側へ動作するほど、該ドア機構によって前記弾性部一端は前記弾性部他端へ近づく方向へ変位させられる、粉塵検出装置。
【請求項4】
粉塵検出装置であって、
調整対象通路(421a)に流れる空気の風圧(P1)を受けるように構成された被風圧部(421)を有し、前記調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように前記風圧によって前記調整対象通路の通路開度を調整する開度調整装置(42)と、
空気が流れるセンサ通路(341)内の空気の粉塵濃度を検出するための光学式の粉塵センサ(34)と
作動部(46)と、
該作動部の作動を制御する制御部(48)とを備え、
前記調整対象通路には、車室内の空調を行う空調ユニット(10)内に形成されたユニット内通路(11a)の空気流れによって空気が流れ、
前記センサ通路には、前記調整対象通路に空気が流れることに伴って空気が流れ、
前記センサ通路に流れる空気の風速は、前記調整対象通路に流れる空気の風量が小さいほど小さくなり、
前記被風圧部は、前記通路開度を増減可能に構成され、前記風圧が強まるほど、前記通路開度を小さくする側へ前記風圧により強く付勢され、
前記開度調整装置は、前記被風圧部に連結された弾性部(422)を有し、
前記弾性部は、前記被風圧部が前記通路開度を小さくするほど、前記通路開度を大きくする側へ前記被風圧部を前記弾性部の弾性変形により強く付勢し、
前記弾性部は、前記作動部に対し連結され該作動部によって移動させられる弾性部一端(422a)と、前記被風圧部に連結された弾性部他端(422b)とを有し、該弾性部一端と該弾性部他端との間隔が拡がる向きに弾性変形させられるほど、前記通路開度を大きくする側へ前記被風圧部を強く付勢するものであり、
前記制御部は、前記ユニット内通路内の風速が高まるほど前記弾性部一端が前記弾性部他端へ近づく方向へ前記作動部が該弾性部一端を変位させるように、該作動部を作動させる、粉塵検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式の粉塵センサを用いて粉塵濃度を検出する粉塵検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、藁屑等を吹き飛ばして穀粒を選別する選別処理を送風機からの送風によって行う風選別装置が記載されている。その特許文献1の風選別装置は、送風流路に設けられた圧力センサと、送風機の吸込口に設けられた可変ベーンとを有している。この風選別装置では、可変ベーンの開口度が圧力センサの検出値に応じて制御され、その制御により、送風流路を流れる選別風の風速が、藁屑等だけを吹き飛ばして穀粒のみを抽出可能な所定の風速域内に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-327923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気中の粉塵濃度を光学式の粉塵センサを用いて検出する場合、その粉塵センサのセンシング箇所であるセンサ光学検出部分において空気が一定の風速で流れないと、粉塵センサは粉塵濃度を精度良く検出することができない。
【0005】
例えば、センサ光学検出部分における風流れが遅すぎると、空気中の粉塵などの粒子が流れず、粉塵センサは粉塵濃度を検出ができなくなる。その一方で、センサ光学検出部分における風流れが速すぎると、粉塵センサが空気中の粒子を光学的に捉えることができなくなり、この場合も粉塵センサは粉塵濃度を検出ができなくなる。従って、光学式の粉塵センサを用いて粉塵濃度を検出する粉塵検出装置では、センサ光学検出部分における風速の変動を抑える必要がある。
【0006】
そこで、発明者らは、センサ光学検出部分における風速を所望の風速としてその風速の変動を抑えるために、上述の特許文献1に記載された技術を用いることを考えた。しかしながら、特許文献1の技術が用いられた場合には、風速を検出するためのセンサや、そのセンサの検出値を用いてアクチュエータ等を制御する制御装置などが必要になるので、粉塵検出装置の構造の複雑化や搭載スペースの拡大を生じてしまう。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
【0007】
本発明は、上記に例示した事情等に鑑みてなされたものであり、空調ユニット内の空気流れを利用して粉塵センサのセンシング箇所に空気流れを生じさせる粉塵検出装置において、そのセンシング箇所における風速の変動を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の粉塵検出装置は、
調整対象通路(421a)に流れる空気の風圧(P1)を受けるように構成された被風圧部(421)を有し、調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように上記風圧によって調整対象通路の通路開度を調整する開度調整装置(42)と、
空気が流れるセンサ通路(341)内の空気の粉塵濃度を検出するための光学式の粉塵センサ(34)と
第1空気通路(381)と第2空気通路(401)とがそれぞれ接続され、第1空気通路から導入される空気の流れによって第2空気通路から空気を吸引し、その空気の吸引によって第2空気通路に空気流れを発生させるアスピレータ(36)とを備え、
調整対象通路には、車室内の空調を行う空調ユニット(10)内に形成されたユニット内通路(11a)の空気流れによって空気が流れ、
センサ通路には、調整対象通路に空気が流れることに伴って空気が流れ、
センサ通路に流れる空気の風速は、調整対象通路に流れる空気の風量が小さいほど小さくなり、
第1空気通路は、ユニット内通路へ連結されそのユニット内通路から空気が流入する流入口(381a)を、第1空気通路の空気流れ上流端に有し、
センサ通路は第2空気通路に含まれ、
調整対象通路は、第1空気通路のうちの一部区間、または、第2空気通路のうちセンサ通路に直列に連結する一部区間を構成する。
【0009】
上述のように、開度調整装置は、被風圧部が受ける風圧によって、調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように調整対象通路の通路開度を調整する。従って、開度調整装置は、被風圧部が受ける風圧によって自律的に作動し、電気的な制御を必要とせずに、調整対象通路の風量の変動を抑えることができる。
【0010】
そして、上述のようにセンサ通路の風速はその調整対象通路の風量が小さいほど小さくなるので、その調整対象通路の風量の変動が抑えられれば、センサ通路の風速の変動も抑えられる。このようなことから、開度調整装置の作動を電気的に制御するためのセンサや制御装置を必要とせずに、粉塵センサのセンシング箇所であるセンサ通路における風速の変動を抑制することが可能である。
【0011】
なお、上記のように、調整対象通路の風量の変動を抑える構成を成立させるために、電気的な制御は必須ではないが、その電気的な制御を付け加えることは可能である。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態において、粉塵検出装置とその粉塵検出装置が取り付けられる空調ユニットとの概略構成を模式的に示した断面図である。
図2図1のII部を拡大し、開度調整装置の概略構成を模式的に示した断面図である。
図3】第2実施形態において、粉塵検出装置とその粉塵検出装置が取り付けられる空調ユニットとの概略構成を模式的に示した断面図であって、図1に相当する図である。
図4図3のIV部を拡大し、開度調整装置の概略構成を模式的に示した断面図であって、図2に相当する図である。
図5】第3実施形態において、粉塵検出装置とその粉塵検出装置が取り付けられる空調ユニットとの概略構成を模式的に示した断面図であって、図1に相当する図である。
図6図5のVI部を拡大し、開度調整装置の概略構成を模式的に示した断面図であって、図2に相当する図である。
図7】第4実施形態において、図1のII部を拡大して開度調整装置の概略構成を模式的に示すと共に、その開度調整装置の弾性部と空調ユニットのドア機構との連結関係を模式的に示した断面図であって、図2に相当する図である。
図8図7の開度調整装置の弾性部を詳細に示した模式的な断面図である。
図9】第5実施形態において、図1のII部を拡大して開度調整装置の概略構成を模式的に示すと共に、作動部と開度調整装置の弾性部との連結関係を模式的に示した断面図であって、図7に相当する図である。
図10】第6実施形態において、粉塵検出装置とその粉塵検出装置が取り付けられる空調ユニットとの概略構成を模式的に示した断面図である。
図11図10のXI部を拡大し、粉塵検出装置における空気通路と開度調整装置との概略構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0015】
(第1実施形態)
本実施形態の粉塵検出装置32は、空調ユニット10の内部に形成されたユニット内通路11aの空気流れを利用して粉塵センサ34のセンシング箇所に空気流れを生じさせる。そこで、先ず、その空調ユニット10の概略構成について説明する。
【0016】
図1に示す空調ユニット10は、車室内の空調を行う車両用空調ユニットである。この空調ユニット10は、例えば車室内のうち車両前方側に配置されたインストルメントパネル内に設置される。
【0017】
図1に示すように、空調ユニット10は、空調ケース11および送風機12を有し、そのほかに、空調ケース11内に設けられた不図示の蒸発器、ヒータコア、および複数のドアなどを有している。
【0018】
空調ケース11は空調ユニット10の外殻を成し、空調ケース11の内側には、空気が流れるユニット内通路11aが形成されている。このユニット内通路11aには、空気を冷却する冷却器である蒸発器と、空気を加熱する加熱器であるヒータコアとが配置されている。
【0019】
また、送風機12は、送風ファンと、その送風ファンを回転させる送風機モータとを有している。送風機12は、その送風ファンの回転により、車室内の空気である内気または車室外の空気である外気を吸い込むと共に、その吸い込んだ空気を吹き出す。これにより、送風機12は、ユニット内通路11a内の空気を矢印A1のように一方向へ流す。そして、空調ユニット10は、ユニット内通路11a内に流れる空気を蒸発器とヒータコアとによって温度調節し、その温度調節された空調空気を車室内へ吹き出す。
【0020】
図1および図2に示すように、粉塵検出装置32は、粉塵センサ34とアスピレータ36と第1管部38と第2管部40と開度調整装置42とを備えている。
【0021】
第1管部38の内側には、空気が流れる第1空気通路381が形成されている。その第1空気通路381は、その第1空気通路381の空気流れ下流側にてアスピレータ36に接続している。
【0022】
また、第1空気通路381は、その第1空気通路381の外から空気が流入する流入口381aを、第1空気通路381の空気流れ上流端に有している。第1管部38は、空調ケース11を貫通するように設けられ、例えば空調ケース11に対して固定されている。そのため、第1管部38のうち流入口381aを含む上流側部分は、ユニット内通路11a内に配置されている。
【0023】
そして、第1空気通路381の流入口381aはユニット内通路11aへ連結され、その流入口381aには、そのユニット内通路11aから空気が流入する。詳細には、第1空気通路381の流入口381aは、ユニット内通路11a内で、矢印A1のように流れるユニット内通路11aの空気流れに対向する向きを向いて開放されている。
【0024】
これにより、第1空気通路381の流入口381aには、送風機12によって送風されるユニット内通路11a内の空気の一部が矢印A2のように流入する。すなわち、第1空気通路381は、ユニット内通路11aに流れる空気の一部をアスピレータ36へ導入するための管路である。そして、第1空気通路381には、ユニット内通路11aの空気流れにより、流入口381a側を空気流れ上流側として空気が一方向へ流れる。本実施形態では、第1空気通路381の空気流れをアスピレータ風流れと称する。また、本実施形態では、第1空気通路381の流入口381aは、ユニット内通路11aのうち、送風機12に対する空気流れ下流側に配置されている。
【0025】
また、第1空気通路381には、後述する開度調整装置42の通路ダンパ421が配置される調整対象通路421aが含まれる。
【0026】
第2管部40は、車室内において空調ユニット10の外部に配置され、例えば空調ケース11に対して固定されている。第2管部40の内側には、空気が流れる第2空気通路401が形成されている。その第2空気通路401は、その第2空気通路401の空気流れ下流側にてアスピレータ36に接続している。
【0027】
また、第2空気通路401は、その第2空気通路401の外から空気が流入する流入口401aを、第2空気通路401の空気流れ上流端に有している。この第2空気通路401の流入口401aは車室内に開放されているので、第2空気通路401には、その流入口401aを介して内気が矢印A3のように導入される。本実施形態では、第2空気通路401の空気流れをセンサ風流れと称する。
【0028】
また、第2空気通路401の流入口401aには内気センサ44が設けられている。その内気センサ44は、第2空気通路401の流入口401aに流入する内気の温度を検出する。
【0029】
アスピレータ36は、車室内において空調ユニット10の外部に配置され、例えば空調ケース11に対して固定されている。アスピレータ36は、第1空気通路381から導入される空気の流れによって第2空気通路401から空気を吸引する。詳しく言うと、アスピレータ36は、第1空気通路381からアスピレータ36内へ導入される空気の流れによって負圧を発生させ、その負圧により、第2空気通路401からアスピレータ36内へ空気を吸引する。そして、アスピレータ36は、その空気の吸引によって第2空気通路401に空気流れ(すなわち、矢印A3で示すセンサ風流れ)を発生させる。
【0030】
また、アスピレータ36は、第1空気通路381から導入された空気と第2空気通路401から導入された空気とを混合し、その混合した空気を車室内へ排気する。
【0031】
粉塵センサ34は、光散乱法により粉塵濃度を検出する粉塵センサ、要するに光学式の粉塵センサである。つまり、粉塵センサ34は、光源と受光素子とを備え、散乱光を受光素子で検出することにより粉塵濃度を検出する。
【0032】
具体的に、粉塵センサ34には、空気が流れるセンサ通路341が設けられており、粉塵センサ34は、センシング箇所であるセンサ通路341内の空気の粉塵濃度を検出するためのセンサである。例えば、センサ通路341は、粉塵センサ34の内部に形成されている。
【0033】
そして、粉塵センサ34は第2空気通路401の途中に設けられている。そのため、粉塵センサ34のセンサ通路341は第2空気通路401に含まれ、第2空気通路401の流入口401aから第2空気通路401に導入された空気は、センサ通路341を通ってアスピレータ36へと吸引される。
【0034】
そのため、第1空気通路381に空気が流れることに伴って、そのアスピレータ36の吸引作用により、センサ通路341には空気が流れる。言い換えれば、そのアスピレータ36の吸引作用により、センサ通路341には、第1空気通路381のうちの一部区間を構成する調整対象通路421aに空気が流れることに伴って空気が流れる。また、そのセンサ通路341の空気流れはアスピレータ36の吸引作用によるものなので、センサ通路341に流れる空気の風速は、調整対象通路421aに流れる空気の風量が小さいほど小さくなる。なお、風量とは、単位時間あたりに管内を移動する空気体積である。従って、例えば第1空気通路381のうち通路断面積が変化しない箇所では、第1空気通路381に流れる空気の風量が一定であれば、その空気の風速も一定である。
【0035】
また、第2管部40が車室内において空調ユニット10の外部に配置されているので、粉塵センサ34もこれと同様に、車室内において空調ユニット10の外部に配置されている。
【0036】
開度調整装置42は、空気が流れる調整対象通路421aに配置された通路ダンパ421と、その通路ダンパ421に連結された弾性部422とを有している。
【0037】
その調整対象通路421aは、第1空気通路381のうちの一部区間を構成する空気通路であるので、調整対象通路421aには、ユニット内通路11aの空気流れによって空気が流れる。そして、第1空気通路381を通ってアスピレータ36へ流れる空気は全部、調整対象通路421aも通ることになる。例えば、調整対象通路421aは第1空気通路381の流入口381aの近くに位置しているので、通路ダンパ421は、アスピレータ36の外に配置されている。
【0038】
通路ダンパ421は、調整対象通路421aに流れる空気の風圧P1を受けるように構成された被風圧部である。詳細には、通路ダンパ421は、調整対象通路421aの通路開度を小さくする側へ作動するように風圧P1によって付勢される。
【0039】
そして、開度調整装置42は、調整対象通路421aに流れる空気の風量の変動を抑えるように、通路ダンパ421が受ける風圧P1によって調整対象通路421aの通路開度を調整する。ここで、調整対象通路421aの通路開度とは、言い換えれば調整対象通路421aの開き度合いであるので、その通路開度を小さくすることとは、調整対象通路421aのうち空気が通過可能な有効断面積Svを小さくすることである。
【0040】
具体的に、通路ダンパ421は、一軸まわりに矢印ADのように回動する回動ドア機構であり、その回動動作に伴って調整対象通路421aを開閉する。すなわち、通路ダンパ421は、調整対象通路421aの通路開度を増減可能に構成されている。そして、通路ダンパ421は、調整対象通路421aに流れる空気の風圧P1を受けるので、その風圧P1が強まるほど、上記通路開度を小さくする側へ風圧P1によって強く付勢される。
【0041】
開度調整装置42の弾性部422は、弾性部一端422aと弾性部他端422bとを有し、その弾性部一端422aと弾性部他端422bとの間隔が伸縮させられることに伴って弾性変形する。弾性部422は、例えばゴムなどの弾性材料、またはバネで構成されている。
【0042】
また、弾性部一端422aは、第1管部38に対して相対移動不能とされており、例えば空調ケース11に固定されている。その一方で、弾性部他端422bは、通路ダンパ421に連結されている。そして、通路ダンパ421は調整対象通路421aの通路開度を小さくする側に動作するほど、弾性部他端422bを弾性部一端422aから遠ざけるように変位させる。すなわち、通路ダンパ421が調整対象通路421aの通路開度を小さくする側に動作するほど、弾性部一端422aと弾性部他端422bとの間隔である両端間隔は通路ダンパ421によって拡げられる。
【0043】
そのため、弾性部422は、その弾性部422の両端間隔が拡がる向きに弾性変形させられるほど、調整対象通路421aの通路開度を大きくする側へ通路ダンパ421を強く付勢する。すなわち、通路ダンパ421が調整対象通路421aの通路開度を小さくするほど、弾性部422は、その通路開度を大きくする側へ通路ダンパ421を弾性部422の弾性変形によって強く付勢する。
【0044】
このように、弾性部422は、矢印Peで示すように、調整対象通路421aの通路開度を大きくする側へ通路ダンパ421を付勢している。例えば、調整対象通路421aの通路開度が最大とされた全開状態において弾性部422の弾性変形量は最小になるが、その全開状態においても、弾性部422は、引張られて弾性変形した状態に保持されている。すなわち、その調整対象通路421aの全開状態においても、弾性部422は、調整対象通路421aの通路開度を大きくする側へ通路ダンパ421を付勢している。
【0045】
上述したように、本実施形態によれば、開度調整装置42は、通路ダンパ421が受ける風圧P1によって、調整対象通路421aに流れる空気の風量の変動を抑えるように調整対象通路421aの通路開度を調整する。従って、開度調整装置42は、通路ダンパ421が受ける風圧P1によって自律的に作動し、電気的な制御を必要とせずに、調整対象通路421aの風量の変動を抑えることができる。
【0046】
そして、粉塵センサ34のセンサ通路341の風速はその調整対象通路421aの風量が小さいほど小さくなるので、その調整対象通路421aの風量の変動が抑えられれば、センサ通路341の風速の変動も抑えられる。このようなことから、開度調整装置42の作動を電気的に制御するためのセンサや制御装置を必要とせずに、粉塵センサ34のセンシング箇所であるセンサ通路341における風速の変動を抑制することが可能である。
【0047】
例えば、仮に開度調整装置42が設けられていないとすれば、矢印A1で示すユニット内通路11a内の空気流れが高風速化すれば、それに応じて、調整対象通路421aの風量は増大する。これに対し、本実施形態では、開度調整装置42が設けられているので、ユニット内通路11a内の空気流れが高風速化しても、調整対象通路421aの風量の変動が開度調整装置42によって抑えられ、その調整対象通路421aの風量を一定化することができる。
【0048】
このように調整対象通路421aの風量変動が抑えられることにより、センサ通路341における風速が変動しにくくなる。そのため、そのセンサ通路341での風速変動に起因した粉塵センサ34のセンサ出力値の変動も抑えられ、そのセンサ出力値に対する補正量を小さくすることが可能である。延いては、粉塵検出装置32が検出する粉塵濃度の精度向上につながる。
【0049】
また、上述したように、開度調整装置42は電気的な制御を必要とせずに、調整対象通路421aの風量の変動を抑えることができるので、例えば、その電気的な制御において必要になる圧力センサ等の部品を削減することができる。その結果、車両に対する粉塵検出装置32の搭載性を向上させ、粉塵検出装置32の低コスト化を図ることができる。また、通路ダンパ421を作動させるための電動アクチュエータや、その電動アクチュエータを制御する制御装置なども不要になるので、これによっても、粉塵検出装置32の低コスト化を図ることができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、開度調整装置42の通路ダンパ421は、調整対象通路421aの通路開度を増減可能に構成され、通路ダンパ421が受ける風圧P1が強まるほど、その通路開度を小さくする側へ上記風圧P1により強く付勢される。また、開度調整装置42の弾性部422は通路ダンパ421に連結されている。そして、その弾性部422は、通路ダンパ421が上記通路開度を小さくするほど、その通路開度を大きくする側へ通路ダンパ421を弾性部422の弾性変形により強く付勢する。従って、弾性部422の弾性変形を利用した簡素な構造によって、調整対象通路421aに流れる空気の風量の変動を抑える機能を実現することが可能である。
【0051】
また、本実施形態によれば、アスピレータ36には、第1空気通路381と第2空気通路401とがそれぞれ接続されている。そして、そのアスピレータ36は、第1空気通路381から導入される空気の流れによって第2空気通路401から空気を吸引し、その空気の吸引によって第2空気通路401に空気流れを発生させる。また、第1空気通路381は、ユニット内通路11aへ連結されそのユニット内通路11aから空気が流入する流入口381aを、第1空気通路381の空気流れ上流端に有している。更に、センサ通路341は第2空気通路401に含まれ、調整対象通路421aは、第1空気通路381のうちの一部区間を構成している。
【0052】
これにより、空調ユニット10内の空気流れを利用してセンサ通路341に空気流れを生じさせるためにアスピレータ36を設けた場合において、センサ通路341の風速の変動を開度調整装置42によって抑えることが可能である。
【0053】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
【0054】
図3および図4に示すように、本実施形態は、開度調整装置42の設置場所が第1実施形態と異なっている。
【0055】
具体的に、開度調整装置42はアスピレータ36に設けられている。そして、アスピレータ36のうち、第1空気通路381の空気が通る通路が、通路ダンパ421が配置された調整対象通路421aとなっている。更に、そのアスピレータ36における調整対象通路421aは、第1空気通路381からの空気流れと第2空気通路401からの空気流れとが合流する合流部分よりも空気流れ上流側に配置されている。
【0056】
従って、開度調整装置42の通路ダンパ421は、アスピレータ36内に設けられているという点では第1実施形態と異なるが、第1空気通路381の空気流れを絞るという通路ダンパ421の機能については、第1実施形態と変わりはない。
【0057】
なお、アスピレータ36に接続する第1空気通路381の空気流れ下流側の一部がアスピレータ36内にまで及んでいると解せば、調整対象通路421aは、第1空気通路381のうちアスピレータ36に属する一部区間を構成するとも解し得る。
【0058】
また、弾性部一端422aは、アスピレータ36に対して相対移動不能とされており、例えば空調ケース11またはアスピレータ36に固定されている。
【0059】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0060】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0061】
図5および図6に示すように、本実施形態は、開度調整装置42の設置場所が第1実施形態と異なっている。
【0062】
具体的に、開度調整装置42の通路ダンパ421は、第2空気通路401に配置されている。従って、通路ダンパ421が配置された調整対象通路421aは、第2空気通路401のうちセンサ通路341に直列に連結する一部区間を構成している。その調整対象通路421aは、第2空気通路401のうち、センサ通路341に対する空気流れ下流側であっても構わないが、本実施形態では、センサ通路341に対する空気流れ上流側に位置している。
【0063】
上記のように調整対象通路421aはセンサ通路341に直列に連結しているので、本実施形態でも第1実施形態と同様に、センサ通路341には、調整対象通路421aに空気が流れることに伴って空気が流れる。そして、そのセンサ通路341に流れる空気の風速は、調整対象通路421aに流れる空気の風量が小さいほど小さくなる。
【0064】
また、弾性部一端422aは、第2管部40に対して相対移動不能とされており、例えば第2管部40に固定されている。
【0065】
本実施形態では、矢印A1で示すユニット内通路11a内の空気流れが高風速化すれば、それに応じて、第1空気通路381の風量が増大すると共に、アスピレータ36が第2空気通路401の空気を吸引する吸引力が増す。これに対し、その吸引力が増すほど、通路ダンパ421は、第2空気通路401に含まれる調整対象通路421aの通路開度を小さくする。従って、本実施形態でも第1実施形態と同様に、開度調整装置42は、通路ダンパ421が受ける風圧P1によって、調整対象通路421aに流れる空気の風量の変動を抑えるように調整対象通路421aの通路開度を調整する。その結果、第1実施形態と同様に、センサ通路341の風速の変動が抑えられる。
【0066】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0067】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0068】
図7および図8に示すように、本実施形態において、開度調整装置42の弾性部422は、矢印B1、矢印B2のように弾性部一端422aが位置変更可能な構成となっている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0069】
具体的に、空調ユニット10は、ユニット内通路11aに流れる空気の風速に影響する動作を行うドア機構14を有している。このドア機構14は、第1実施形態の空調ユニット10にも設けられているが、第1実施形態では図示されておらず、本実施形態では図7に図示されている。
【0070】
このドア機構14は、例えば、空調ユニット10が有する複数の空気吹出口のうちのデフロスタ吹出口を開閉するデフロスタドアである。例えば、デフロスタドアであるドア機構14がデフロスタ吹出口を開くと、ユニット内通路11a内の通風抵抗が減少するので、ユニット内通路11aに流れる空気の風速が上がりその風量が増大する。すなわち、ドア機構14は、上述のように、ユニット内通路11aに流れる空気の風速に影響する動作を行う。
【0071】
また、弾性部一端422aは、リンク機構15を介してドア機構14に対し連結されている。この連結により、弾性部一端422aは、矢印Mdのようなドア機構14の動作に機械的に連動して移動させられる。例えば、ドア機構14がデフロスタ吹出口を開く方向に動作すると、弾性部一端422aは、矢印B1の方向、すなわち弾性部一端422aが弾性部他端422bへ近づく方向へと変位させられる。
【0072】
すなわち、ドア機構14がユニット内通路11a内の風速を高める側へ動作するほど、そのドア機構14によって弾性部一端422aは弾性部他端422bへ近づく方向(すなわち、矢印B1が示す方向)へ変位させられる。その「ドア機構14がユニット内通路11a内の風速を高める側へ動作するほど」という記載中の風速とは、例えば、ユニット内通路11aのうち通路断面積が変化しない所定の箇所における風速である。
【0073】
このように本実施形態では、弾性部一端422aがドア機構14によって変位させられるので、通路ダンパ421が調整対象通路421aの通路開度を調整する調整幅を、ドア機構14の動作を利用して稼ぐことが可能である。そして、その弾性部一端422aの位置を調整するためにドア機構14の動作が利用され、その弾性部一端422aの位置がドア機構14の動作に機械的に連動するので、弾性部一端422aを変位させるための電気的な制御が必要とされないというメリットがある。
【0074】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0075】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
【0076】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
【0077】
図8に示すように、本実施形態の開度調整装置42の弾性部422は、矢印B1、矢印B2のように弾性部一端422aが位置変更可能な構成となっている。この点においては、本実施形態は第4実施形態と同様である。但し、本実施形態では第4実施形態と異なり、弾性部一端422aはドア機構14に対して連結されておらず、その弾性部一端422aは電気的な制御により位置変更される。
【0078】
具体的には図9に示すように、粉塵検出装置32は、電動アクチュエータ等で構成された作動部46と、その作動部46の作動を制御する制御部48とを備えている。
【0079】
制御部48は、不図示のCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータで構成された電子制御装置である。制御部48は、非遷移的実体的記憶媒体であるROM、RAMなどの半導体メモリに格納されたコンピュータプログラムを実行する。このコンピュータプログラムが実行されることで、コンピュータプログラムに対応する方法が実行される。すなわち、制御部48は、そのコンピュータプログラムに従って種々の制御処理を実行する。
【0080】
例えば、制御部48には、空調ユニット10の空調制御を実行する空調用制御装置50から、送風機12の送風ファンの回転数、および、空調ユニット10が有する各ドアの開閉状態などの種々の情報を示す信号が入力される。制御部48は、その入力された送風ファンの回転数、および各ドアの開閉状態などに基づいて、ユニット内通路11aに流れる空気の風速(すなわち、ユニット内通路11a内の風速)を推定する。そして、制御部48は、そのユニット内通路11a内の風速に基づいて作動部46の作動を制御する。
【0081】
弾性部一端422aは作動部46に対し連結されており、その作動部46によって、矢印B1および矢印B2(図8参照)で示す方向に移動させられる。例えば、ユニット内通路11a内の風速が高まるほど、弾性部一端422aは、図8の矢印B1の方向、すなわち弾性部一端422aが弾性部他端422bへ近づく方向へと作動部46によって変位させられる。
【0082】
すなわち、制御部48は、ユニット内通路11a内の風速が高まるほど弾性部一端422aが弾性部他端422bへ近づく方向へ作動部46がその弾性部一端422aを変位させるように、作動部46を作動させる。その「ユニット内通路11a内の風速が高まるほど」という記載中の風速とは、例えば、ユニット内通路11aのうち通路断面積が変化しない所定の箇所における風速であって、制御部48によって推定される推定値である。
【0083】
本実施形態のようにすれば、通路ダンパ421が調整対象通路421aの通路開度を調整する調整幅を、作動部46の作動によって稼ぐことが可能である。
【0084】
以上説明したことを除き、本実施形態は第4実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第4実施形態と同様に得ることができる。
【0085】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
【0086】
図10および図11に示すように、本実施形態において粉塵検出装置32は、アスピレータ36と第1管部38と第2管部40とを備えていない。その替わりに、粉塵検出装置32は、粉塵センサ34を空調ケース11の外側に固定するためのブラケット52を備えている。すなわち、本実施形態の粉塵センサ34は、そのブラケット52を介して空調ケース11の外側に固定されている。この点において本実施形態は第1実施形態と異なっている。
【0087】
具体的に、空調ユニット10は、送風ファン121と送風機モータ122とを有する送風機12を有している。その送風ファン121はユニット内通路11aに設けられ、送風機モータ122によって回転させられることで、ユニット内通路11a内の空気を流す。この送風ファン121と送風機モータ122は第1実施形態の空調ユニット10にも設けられているが、第1実施形態では図示されておらず、本実施形態では図10に図示されている。
【0088】
ブラケット52は、粉塵センサ34を空調ケース11の外側に固定するためのものであるが、ブラケット52には、ユニット内通路11a内の風流れを利用して内気をセンサ通路341へ導入するための空気通路も形成されている。具体的に、ブラケット52には、空調ケース11の外側で車室内へ開放されたブラケット流入口521と、調整対象通路421aとが形成されている。この調整対象通路421aには、第1実施形態と同様に、調整対象通路421aに流れる空気の風圧P1を受けるように構成された通路ダンパ421が配置されている。
【0089】
また、ブラケット流入口521はセンサ通路341に対し空気流れ上流側に直列に連結され、調整対象通路421aはセンサ通路341に対し空気流れ下流側に直列に連結されている。要するに、ブラケット流入口521とセンサ通路341と調整対象通路421aは、空気流れ上流側から、ブラケット流入口521、センサ通路341、調整対象通路421aの順に直列に連結されている。
【0090】
また、ユニット内通路11aは通路連結口11bを有している。その通路連結口11bは、ユニット内通路11aのうち送風ファン121に対する空気流れ上流側の部位である。
【0091】
そして、調整対象通路421aの空気流れ下流側は、その通路連結口11bに連結している。すなわち、調整対象通路421aの空気流れ下流側は、その通路連結口11bにてユニット内通路11aへ連通している。従って、センサ通路341は、調整対象通路421aを介して通路連結口11bに連結している。
【0092】
例えば送風ファン121は回転させられると、ユニット内通路11a内の空気を矢印A1のように一方向へ流す。それに伴って、調整対象通路421a内の空気は、矢印A4のようにユニット内通路11a内へ引き込まれる。そのため、車室内から空気が矢印A3のようにブラケット流入口521に流入する。そして、そのブラケット流入口521に流入した空気は、矢印A5のようにセンサ通路341へ流れて、センサ通路341では矢印A6のように流れ、センサ通路341から調整対象通路421aへ矢印A7のように流入する。このように、調整対象通路421aおよびセンサ通路341では、送風ファン121の作動によりユニット内通路11aへ向かって空気が流れる。
【0093】
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0094】
また、本実施形態によれば、調整対象通路421aはセンサ通路341に直列に連結されている。そして、そのセンサ通路341は、調整対象通路421aを介して、ユニット内通路11aのうち送風ファン121に対する空気流れ上流側の部位である通路連結口11bに連結している。また、調整対象通路421aおよびセンサ通路341では、送風ファン121の作動によりユニット内通路11aへ向かって空気が流れる。従って、矢印A1で示す空調ユニット10内の空気流れを利用してセンサ通路341に空気流れを生じさせることを、簡潔な空気通路の構成で実現することができ、開度調整装置42を設けることも可能である。
【0095】
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第4実施形態または第5実施形態と組み合わせることも可能である。
【0096】
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態では図1に示すように、第1空気通路381の流入口381aは、ユニット内通路11aのうち、送風機12に対する空気流れ下流側に配置されているが、これは一例である。例えば、ユニット内通路11aに流れる空気がその流入口381aに流入するのであれば、その流入口381aは、ユニット内通路11aのうち、送風機12に対する空気流れ上流側に配置されていても差し支えない。
【0097】
(2)上述の各実施形態では図1に示すように、粉塵センサ34は第2空気通路401に1つ設けられているが、第2空気通路401に複数設けられていても差し支えない。
【0098】
(3)上述の第2実施形態では図3および図4に示すように、調整対象通路421aには通路ダンパ421が配置されている。そして、アスピレータ36において、その調整対象通路421aは、第1空気通路381からの空気流れと第2空気通路401からの空気流れとが合流する合流部分よりも空気流れ上流側に配置されている。しかしながら、これは一例である。例えばアスピレータ36において、その調整対象通路421aは、その合流部分よりも空気流れ下流側に配置されていてもよい。
【0099】
あるいは、その調整対象通路421aは、アスピレータ36のうち、その合流部分よりも空気流れ上流側であって、第2空気通路401の空気が通る通路とされていてもよい。この場合、アスピレータ36に接続する第2空気通路401の空気流れ下流側の一部がアスピレータ36内にまで及んでいると解せば、調整対象通路421aは、第2空気通路401のうちアスピレータ36に属する一部区間を構成するとも解し得る。
【0100】
(4)上述の第4実施形態では、図7に示すドア機構14は、例えばデフロスタドアであるが、これに限らず、フット吹出口を開閉するフットドア、または、フェイス吹出口を開閉するフェイスドアであってもよい。或いは、そのドア機構14は、空調ユニット10から吹き出される空調空気の温度調節を行うためのエアミックスドア、または、ユニット内通路11aへ流入する空気を内気または外気に切り替える内外気切替ドアであってもよい。
【0101】
(5)上述の第6実施形態では図11に示すように、センサ通路341は、通路ダンパ421が配置された調整対象通路421aを介して通路連結口11bに連結しているが、これは一例である。例えば、調整対象通路421aがセンサ通路341を介して通路連結口11bに連結していても差し支えない。別言すれば、ブラケット流入口521と調整対象通路421aとセンサ通路341は、空気流れ上流側から、ブラケット流入口521、調整対象通路421a、センサ通路341の順に直列に連結されても差し支えない。この場合には、センサ通路341の空気流れ下流側が通路連結口11bに連結することになる。
【0102】
(6)上述の各実施形態では図2等に示すように、開度調整装置42は、通路ダンパ421と、ゴムまたはバネ等で構成された弾性部422とを用いて調整対象通路421aの通路開度を調整するが、これは一例である。開度調整装置42は、通路ダンパ421および弾性部422以外の構成によって、調整対象通路421aの通路開度を調整しても差し支えない。
【0103】
(7)上述の第5実施形態において、図9では、空調用制御装置50と、粉塵検出装置32が有する制御部48とが各々別個の制御装置として図示されているが、これは一例である。その制御部48は独立した装置である必要はなく、例えば、空調用制御装置50の機能的な一部分としてその空調用制御装置50に含まれる制御部であっても差し支えない。
【0104】
(8)上述の第5実施形態において、図9の制御部48が実行する制御処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードウェアで実現されるものであっても差し支えない。
【0105】
(9)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
【0106】
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
【0107】
また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0108】
また、図9に記載の制御部48及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、図9に記載の制御部48及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、図9に記載の制御部48及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0109】
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、開度調整装置は、調整対象通路に流れる空気の風圧を受けるように構成された被風圧部を有する。また、開度調整装置は、調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑えるように上記風圧によって調整対象通路の通路開度を調整する。粉塵センサは、空気が流れるセンサ通路内の空気の粉塵濃度を検出するための光学式のセンサである。調整対象通路には、車室内の空調を行う空調ユニット内に形成されたユニット内通路の空気流れによって空気が流れ、センサ通路には、調整対象通路に空気が流れることに伴って空気が流れる。そして、センサ通路に流れる空気の風速は、調整対象通路に流れる空気の風量が小さいほど小さくなる。
【0110】
また、第2の観点によれば、被風圧部は、通路開度を増減可能に構成され、上記風圧が強まるほど、通路開度を小さくする側へ上記風圧により強く付勢される。開度調整装置は、被風圧部に連結された弾性部を有する。そして、その弾性部は、被風圧部が通路開度を小さくするほど、通路開度を大きくする側へ被風圧部を弾性部の弾性変形により強く付勢する。従って、弾性部の弾性変形を利用した簡素な構造によって、調整対象通路に流れる空気の風量の変動を抑える機能を実現することが可能である。
【0111】
また、第3の観点によれば、空調ユニットは、ユニット内通路に設けられそのユニット内通路内の空気を流す送風ファンを有する。調整対象通路はセンサ通路に直列に連結されており、その調整対象通路とセンサ通路との一方の通路は他方の通路を介して、ユニット内通路のうち送風ファンに対する空気流れ上流側の部位に連結する。そして、調整対象通路およびセンサ通路では、送風ファンの作動によりユニット内通路へ向かって空気が流れる。従って、空調ユニット内の空気流れを利用してセンサ通路に空気流れを生じさせることを、簡潔な空気通路の構成で実現することができ、開度調整装置を設けることも可能である。
【0112】
また、第4の観点によれば、アスピレータには第1空気通路と第2空気通路とがそれぞれ接続されている。そして、そのアスピレータは、第1空気通路から導入される空気の流れによって第2空気通路から空気を吸引し、その空気の吸引によって第2空気通路に空気流れを発生させる。また、第1空気通路は、ユニット内通路へ連結されそのユニット内通路から空気が流入する流入口を、第1空気通路の空気流れ上流端に有する。センサ通路は第2空気通路に含まれ、調整対象通路は、第1空気通路のうちの一部区間、または、第2空気通路のうちセンサ通路に直列に連結する一部区間を構成する。
【0113】
このようにすれば、空調ユニット内の空気流れを利用して粉塵センサのセンサ通路に空気流れを生じさせるためにアスピレータを設けた場合において、センサ通路の風速の変動を開度調整装置によって抑えることが可能である。
【0114】
また、第5の観点によれば、空調ユニットは、ユニット内通路に流れる空気の風速に影響する動作を行うドア機構を有する。弾性部は、ドア機構に対し連結されそのドア機構の動作に機械的に連動して移動させられる弾性部一端と、被風圧部に連結された弾性部他端とを有する。また、弾性部は、その弾性部一端と弾性部他端との間隔が拡がる向きに弾性変形させられるほど、通路開度を大きくする側へ被風圧部を強く付勢するものである。そして、ドア機構がユニット内通路内の風速を高める側へ動作するほど、そのドア機構によって弾性部一端は弾性部他端へ近づく方向へ変位させられる。従って、被風圧部が調整対象通路の通路開度を調整する調整幅を、ドア機構の動作を利用して稼ぐことが可能である。
【0115】
また、第6の観点によれば、粉塵検出装置32は、作動部と、その作動部の作動を制御する制御部とを備える。弾性部は、作動部に対し連結されその作動部によって移動させられる弾性部一端と、被風圧部に連結された弾性部他端とを有する。また、弾性部は、その弾性部一端とその弾性部他端との間隔が拡がる向きに弾性変形させられるほど、通路開度を大きくする側へ被風圧部を強く付勢するものである。そして、制御部は、ユニット内通路内の風速が高まるほど弾性部一端が弾性部他端へ近づく方向へ作動部がその弾性部一端を変位させるように、その作動部を作動させる。このようにすれば、被風圧部が調整対象通路の通路開度を調整する調整幅を、作動部の作動によって稼ぐことが可能である。
【符号の説明】
【0116】
10 空調ユニット
11a ユニット内通路
32 粉塵検出装置
34 粉塵センサ
42 開度調整装置
341 センサ通路
421 通路ダンパ(被風圧部)
421a 調整対象通路
P1 風圧
図1
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図11