(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】発注システム、画像形成装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20221206BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221206BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q30/06
B41J29/38 204
(21)【出願番号】P 2018247157
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳志
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-268650(JP,A)
【文献】特開2012-027181(JP,A)
【文献】特開2016-194904(JP,A)
【文献】特開2010-079575(JP,A)
【文献】特開2018-028846(JP,A)
【文献】特開2011-090534(JP,A)
【文献】特開2002-236576(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、不揮発性記憶装置と、入力装置とを有し、消耗品を使用する画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能に接続された発注サーバー装置と、
前記発注サーバー装置と通信可能に接続された1以上の在庫管理サーバー装置と
を具備し、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置が使用中の消耗品の残量を示す残量情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記残量情報を前記画像形成装置から受信し、
前記残量情報に基づき、前記画像形成装置が使用すべき消耗品を発注すると判断し、
前記画像形成装置の位置情報を示す画像形成装置位置情報を取得し、
各前記1以上の在庫管理サーバー装置の位置情報を示す在庫管理サーバー位置情報を取得し、
前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、前記画像形成装置からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置を判断し、
判断した前記在庫管理サーバー装置に、前記消耗品を発注するための発注要求であって、前記画像形成装置位置情報を含む前記発注要求を送信し、
前記在庫管理サーバー装置は、
前記発注要求を前記発注サーバー装置から受信し、
前記消耗品の発送が完了すると、前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、発送した前記消耗品の到着予定スケジュールを判断し、
前記到着予定スケジュールを示す到着予定スケジュール情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記到着予定スケジュール情報を、前記在庫管理サーバー装置から受信し、
前記到着予定スケジュールを示すメッセージ画面を前記画像形成装置の前記表示装置に表示するためのメッセージ画面データを生成し、
前記メッセージ画面データを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、
前記メッセージ画面データを前記発注サーバー装置から受信し、
前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置に記憶し、
前記メッセージ画面を前記表示装置に表示し、
前記入力装置を介して入力された、前記メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると、最小GUIを前記表示装置に表示し、
前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、前記最小GUIを最大化するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する
発注システム。
【請求項2】
請求項1に記載の発注システムであって、
前記画像形成装置は、
発注済みの前記消耗品が前記画像形成装置に装着されたことを判断すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から削除し、前記メッセージ画面及び前記最小GUIを前記表示装置に非表示とする
発注システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発注システムであって、
前記画像形成装置は、
前記消耗品を使用する機能を示す機能GUIを前記表示装置に表示し、
前記残量の不足により前記画像形成装置が前記消耗品を使用する機能の一部を実行不可のときであって、且つ、前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、実行不可の機能の前記機能GUIを選択するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する
発注システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の発注システムであって、
前記画像形成装置は、
前記残量の不足により前記画像形成装置が前記消耗品を使用する機能の全部を実行不可のとき、前記表示装置に、前記最小GUIを表示し、且つ、前記機能を示すGUIを非表示とする
発注システム。
【請求項5】
表示装置と、不揮発性記憶装置と、入力装置とを有し、消耗品を使用する画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能に接続された発注サーバー装置と、
前記発注サーバー装置と通信可能に接続された1以上の在庫管理サーバー装置と
を具備する発注システムに含まれる前記画像形成装置であって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置が使用中の消耗品の残量を示す残量情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記残量情報を前記画像形成装置から受信し、
前記残量情報に基づき、前記画像形成装置が使用すべき消耗品を発注すると判断し、
前記画像形成装置の位置情報を示す画像形成装置位置情報を取得し、
各前記1以上の在庫管理サーバー装置の位置情報を示す在庫管理サーバー位置情報を取得し、
前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、前記画像形成装置からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置を判断し、
判断した前記在庫管理サーバー装置に、前記消耗品を発注するための発注要求であって、前記画像形成装置位置情報を含む前記発注要求を送信し、
前記在庫管理サーバー装置は、
前記発注要求を前記発注サーバー装置から受信し、
前記消耗品の発送が完了すると、前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、発送した前記消耗品の到着予定スケジュールを判断し、
前記到着予定スケジュールを示す到着予定スケジュール情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記到着予定スケジュール情報を、前記在庫管理サーバー装置から受信し、
前記到着予定スケジュールを示すメッセージ画面を前記画像形成装置の前記表示装置に表示するためのメッセージ画面データを生成し、
前記メッセージ画面データを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、
前記メッセージ画面データを前記発注サーバー装置から受信し、
前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置に記憶し、
前記メッセージ画面を前記表示装置に表示し、
前記入力装置を介して入力された、前記メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると、最小GUIを前記表示装置に表示し、
前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、前記最小GUIを最大化するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する
画像形成装置。
【請求項6】
表示装置と、不揮発性記憶装置と、入力装置とを有し、消耗品を使用する画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能に接続された発注サーバー装置と、
前記発注サーバー装置と通信可能に接続された1以上の在庫管理サーバー装置と
を具備し、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置が使用中の消耗品の残量を示す残量情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記残量情報を前記画像形成装置から受信し、
前記残量情報に基づき、前記画像形成装置が使用すべき消耗品を発注すると判断し、
前記画像形成装置の位置情報を示す画像形成装置位置情報を取得し、
各前記1以上の在庫管理サーバー装置の位置情報を示す在庫管理サーバー位置情報を取得し、
前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、前記画像形成装置からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置を判断し、
判断した前記在庫管理サーバー装置に、前記消耗品を発注するための発注要求であって、前記画像形成装置位置情報を含む前記発注要求を送信し、
前記在庫管理サーバー装置は、
前記発注要求を前記発注サーバー装置から受信し、
前記消耗品の発送が完了すると、前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、発送した前記消耗品の到着予定スケジュールを判断し、
前記到着予定スケジュールを示す到着予定スケジュール情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記到着予定スケジュール情報を、前記在庫管理サーバー装置から受信し、
前記到着予定スケジュールを示すメッセージ画面を前記画像形成装置の前記表示装置に表示するためのメッセージ画面データを生成し、
前記メッセージ画面データを前記画像形成装置に送信する
発注システムに含まれる前記画像形成装置の制御回路を、
前記メッセージ画面データを前記発注サーバー装置から受信し、
前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置に記憶し、
前記メッセージ画面を前記表示装置に表示し、
前記入力装置を介して入力された、前記メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると、最小GUIを前記表示装置に表示し、
前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、前記最小GUIを最大化するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する
よう動作させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、消耗品を使用する画像形成装置と、この画像形成装置と通信可能に接続された発注サーバー装置と、この発注サーバー装置と通信可能に接続された1以上の在庫管理サーバー装置とを含む発注システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、消耗品(例えば、トナー)を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-034685号公報
【文献】特開2003-330695号公報
【文献】特開2006-215401号公報
【文献】特開平6-149851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置に使用すべき消耗品(例えば、トナー)を発注する際、ユーザーフレンドリーであることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態に係る発注システムは、
表示装置と、不揮発性記憶装置と、入力装置とを有し、消耗品を使用する画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能に接続された発注サーバー装置と、
前記発注サーバー装置と通信可能に接続された1以上の在庫管理サーバー装置と
を具備し、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置が使用中の消耗品の残量を示す残量情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記残量情報を前記画像形成装置から受信し、
前記残量情報に基づき、前記画像形成装置が使用すべき消耗品を発注すると判断し、
前記画像形成装置の位置情報を示す画像形成装置位置情報を取得し、
各前記1以上の在庫管理サーバー装置の位置情報を示す在庫管理サーバー位置情報を取得し、
前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、前記画像形成装置からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置を判断し、
判断した前記在庫管理サーバー装置に、前記消耗品を発注するための発注要求であって、前記画像形成装置位置情報を含む前記発注要求を送信し、
前記在庫管理サーバー装置は、
前記発注要求を前記発注サーバー装置から受信し、
前記消耗品の発送が完了すると、前記画像形成装置位置情報及び前記在庫管理サーバー位置情報に基づき、発送した前記消耗品の到着予定スケジュールを判断し、
前記到着予定スケジュールを示す到着予定スケジュール情報を、前記発注サーバー装置に送信し、
前記発注サーバー装置は、
前記到着予定スケジュール情報を、前記在庫管理サーバー装置から受信し、
前記到着予定スケジュールを示すメッセージ画面を前記画像形成装置の前記表示装置に表示するためのメッセージ画面データを生成し、
前記メッセージ画面データを前記画像形成装置に送信し、
前記画像形成装置は、
前記メッセージ画面データを前記発注サーバー装置から受信し、
前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置に記憶し、
前記メッセージ画面を前記表示装置に表示し、
前記入力装置を介して入力された、前記メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると、最小GUIを前記表示装置に表示し、
前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、前記最小GUIを最大化するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する。
【0006】
(1)本実施形態によれば、画像形成装置は、メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると、最小GUIを表示装置に表示する。このように、画像形成装置は、最小GUIを表示することでメッセージ画面が存在することをユーザーに明示的に示すことができる。また、画像形成装置は、最小GUIを最大化するための要求を検出すると、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置から読み出し、メッセージ画面を表示装置に表示する。このように、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置に記憶しておくことで、画像形成装置は、ユーザーが最大化したい場合にメッセージ画面を表示することができる。
【0007】
前記画像形成装置は、
発注済みの前記消耗品が前記画像形成装置に装着されたことを判断すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から削除し、前記メッセージ画面及び前記最小GUIを前記表示装置に非表示とする。
【0008】
(2)本実施形態によれば、画像形成装置は、メッセージ画面を表示する必要が無くなると、メッセージ画面及び最小GUIを表示装置に非表示とするので、不必要な画面を表示して表示装置及び操作装置が使いにくくなるおそれがない。また、メッセージ画面及び最小GUIを表示装置に非表示とすることにより、消耗品が装着されたことをユーザーに伝えることができる。
【0009】
前記画像形成装置は、
前記消耗品を使用する機能を示す機能GUIを前記表示装置に表示し、
前記残量の不足により前記画像形成装置が前記消耗品を使用する機能の一部を実行不可のときであって、且つ、前記最小GUIが前記表示装置に表示されているときに、前記入力装置を介して入力された、実行不可の機能の前記機能GUIを選択するための要求を検出すると、前記メッセージ画面データを前記不揮発性記憶装置から読み出し、前記メッセージ画面を前記表示装置に表示する。
【0010】
(3)本実施形態によれば、画像形成装置は、実行不可の機能の機能GUIを選択するための要求を検出すると、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置から読み出し、メッセージ画面を表示装置に表示する。これにより、画像形成装置は、ユーザーにメッセージを伝える必要性が高い場合に、メッセージ画面を表示することができる。
【0011】
前記画像形成装置は、
前記残量の不足により前記画像形成装置が前記消耗品を使用する機能の全部を実行不可のとき、前記表示装置に、前記最小GUIを表示し、且つ、前記機能を示すGUIを非表示とする。
【0012】
(4)本実施形態によれば、画像形成装置は、消耗品を使用する機能の全部を実行不可のとき、最小GUIを表示し、且つ、機能を示すGUIを非表示とする。このように、画像形成装置は、最小GUIを表示することでメッセージ画面が存在することをユーザーに明示的に示し、且つ、機能の全部を実行不可であることをユーザーに伝えることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、画像形成装置に使用すべき消耗品(例えば、トナー)を発注する際、ユーザーフレンドリーであることを図れる。
【0014】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の一実施形態に係る発注システムを模式的に示す。
【
図3】発注サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【
図4】在庫管理サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【
図7】発注サーバー装置の第1の動作フローを示す。
【
図8】発注サーバー装置の第2の動作フローを示す。
【
図12】発注システムの第1の動作シーケンスを示す。
【
図13】発注システムの第2の動作シーケンスを示す。
【
図18】最小GUIを含むメニュー画面の一例を示す。
【
図19】最小GUIを含むメニュー画面の別の例を示す。
【
図20】最小GUIを含むコピーメニュー画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
【0017】
1.発注システム
【0018】
図1は、本開示の一実施形態に係る発注システムを模式的に示す。
【0019】
発注システム1は、画像形成装置10、発注サーバー装置20、1以上の在庫管理サーバー装置30、端末装置40を有する。画像形成装置10、発注サーバー装置20、1以上の在庫管理サーバー装置30、端末装置40は、インターネットを含むネットワークNに接続される。以下、1以上の在庫管理サーバー装置30を区別する必要が無い場合、単に1つの在庫管理サーバー装置30を図示および説明する。
【0020】
画像形成装置10は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)である。画像形成装置10は、消耗品を使用する。本実施形態では、「消耗品」は、トナーである。
【0021】
発注サーバー装置20は、画像形成装置10が使用中の消耗品の残量に応じて、画像形成装置10が使用すべき消耗品を発注するための発注要求を、在庫管理サーバー装置30に送信する。
【0022】
在庫管理サーバー装置30は、消耗品のディストリビューター(販売者)が使用する。在庫管理サーバー装置30は、発注サーバー装置20から発注要求を受信し、発送要求を端末装置40に送信し、消耗品の在庫を管理する。
【0023】
端末装置40は、消耗品を発送する現場(倉庫等)の従業員が使用する。端末装置40は、在庫管理サーバー装置30から発送要求を受信する。従業員は、受信した発送要求に従って、消耗品を物理的に発送する。端末装置40は、典型的には、スマートフォン、タブレットコンピューター等のモバイルデバイスであるが、パーソナルコンピューター等のモバイルでないデバイスでもよい。
【0024】
2.画像形成装置のハードウェア構成
【0025】
【0026】
画像形成装置10(画像形成装置)は、制御回路100を備える。制御回路100は、プロセッサーであるCPU11a(Central Processing Unit)、RAM11b(Random Access Memory)、メモリーであるROM11c(Read Only Memory)及び専用のハードウェア回路等から構成され、画像形成装置10の全体的な動作制御を司る。CPU11aは、ROM11cが記憶する情報処理プログラムをRAM11bにロードして実行する。ROM11cは、CPU11aが実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM11cは、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0027】
制御回路100は、GPS(Global Positioning System)受信装置11、画像読取部12(イメージスキャナー)、画像処理部14(GPU(Graphics Processing Unit)を含む)、画像メモリー15、画像形成部16(プリンター)、表示部17aを備える操作部17(タッチパネル)、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量の不揮発性の記憶装置18、ファクシミリ通信部19及びネットワーク通信インターフェース13等と接続されている。制御回路100は、接続されている上記各部の動作制御や、各部との間での信号又はデータの送受信を行う。
【0028】
3.発注サーバー装置のハードウェア構成
【0029】
図3は、発注サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【0030】
発注サーバー装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置24、ネットワーク通信インターフェース25、操作装置26及び表示装置27と、これらを相互に接続するバス28とを有する。
【0031】
CPU21、ROM22、及びRAM23は、制御回路200を構成する。CPU21は、ROM22が記憶する情報処理プログラムをRAM23にロードして実行する。ROM22は、CPU21が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM22は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0032】
4.在庫管理サーバー装置のハードウェア構成
【0033】
図4は、在庫管理サーバー装置のハードウェア構成を示す。
【0034】
在庫管理サーバー装置30は、CPU31、ROM32、RAM33、SSD等の大容量の不揮発性の記憶装置34、ネットワーク通信インターフェース35、操作装置36及び表示装置37(タッチパネル)並びにGPS受信装置39と、これらを相互に接続するバス38とを有する。
【0035】
CPU31、ROM32、及びRAM33は、制御回路300を構成する。CPU31は、ROM32が記憶する情報処理プログラムをRAM33にロードして実行する。ROM32は、CPU31が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM32は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0036】
5.端末装置のハードウェア構成
【0037】
【0038】
端末装置40は、CPU41、ROM42、RAM43、HDDやSSD等の大容量の不揮発性の記憶装置44、ネットワーク通信インターフェース45、操作装置46及び表示装置47並びに読取装置49(カメラ等の撮像装置)と、これらを相互に接続するバス48とを有する。
【0039】
CPU41、ROM42、及びRAM43は、制御回路400を構成する。CPU41は、ROM42が記憶する情報処理プログラムをRAM43にロードして実行する。ROM42は、CPU41が実行するプログラムやデータなどを固定的に記憶する。ROM42は、非一過性のコンピューター読み取り可能な記録媒体の一例である。
【0040】
6.発注システムの機能的構成
【0041】
【0042】
画像形成装置10の制御回路100において、CPU11aは、ROM11cが記憶する情報処理プログラムをRAM11bにロードして実行することにより、画面データ取得部101、画面表示制御部102、トナー装着判断部103として動作する。
【0043】
発注サーバー装置20の制御回路200において、CPU21は、ROM22が記憶する情報処理プログラムをRAM23にロードして実行することにより、消耗品情報取得部201、発注判断部202、発注部203、スケジュール取得部204、画面生成部205として動作する。
【0044】
在庫管理サーバー装置30の制御回路300において、CPU31は、ROM32が記憶する情報処理プログラムをRAM33にロードして実行することにより、発注要求取得部301、在庫管理部302、発送要求部303、スケジュール判断部304、完了通知取得部305として動作する。在庫管理サーバー装置30の記憶装置34は、在庫管理テーブル310、発注テーブル320を記憶する
【0045】
7.発注システムの動作
【0046】
図12は、発注システムの第1の動作シーケンスを示す。
【0047】
図7は、発注サーバー装置の第1の動作フローを示す。
【0048】
発注サーバー装置20の消耗品情報取得部201は、画像形成装置識別子と、画像形成装置位置情報と、消耗品情報を、画像形成装置10からネットワークNを介して受信する(ステップS101)。発注サーバー装置20は、画像形成装置10から定期的にこれらの情報を受信してもよいし、画像形成装置10に定期的にポーリングする応答としてこれらの情報を受信してもよいし、残量が特定値(発注閾値)になったときに画像形成装置10からこれらの情報を受信してもよい。
【0049】
「画像形成装置識別子」は、例えばシリアルナンバーであり、個々の画像形成装置10を一意に識別する。「画像形成装置位置情報」は、画像形成装置10の位置を示す情報であり、例えば、画像形成装置10のGPS受信装置11が受信したGPS情報である。「消耗品情報」は、画像形成装置10が使用中の消耗品(トナー)に関する情報であり、例えば、トナー名、トナー識別子、残量情報、トナーカバレッジ情報を含む。「トナー名」は、トナーの種類を識別し、例えば、モデル名及び色名を含む。「トナー識別子」は、例えばシリアルナンバーであり、個々のトナーを一意に識別する。残量情報は、画像形成装置10が使用中のトナーの残量(トナーレベル)を示す。「トナーカバレッジ」は、用紙(例えば1枚当たりの用紙)に対するトナーの使用率である。例えば、用紙全体を黒一色で塗りつぶした場合。黒色のトナーカバレッジは、100%である。
【0050】
発注サーバー装置20の発注判断部202は、画像形成装置10から受信した消耗品情報に含まれる残量情報に基づき、画像形成装置10が使用すべき消耗品を発注するか否かを判断する。例えば、発注判断部202は、受信した消耗品情報に基づき、残量が発注閾値以下であるか否かを判断する(ステップS102)。「発注閾値」は、例えば、10~30%程度とすればよく、ロー(5%程度)より大きい値である。
【0051】
発注サーバー装置20の発注判断部202は、残量が発注閾値以下と判断すると(ステップS102、YES)、受信した画像形成装置識別子により識別される画像形成装置10に対して、受信したトナー名により識別されるトナーを既に発注したか否かを判断する(ステップS103)。発注判断部202は、この画像形成装置10に対してトナーを未だ発注していないと判断すると(ステップS103、NO)、発注すべきトナーが複数かあるか否かを判断する(ステップS104)。
【0052】
発注サーバー装置20の発注判断部202は、発注すべきトナーが複数あると判断すると(ステップS104、YES)、優先度に基づき、複数のトナーの発注順を決定する(ステップS105)。「発注すべきトナーが複数ある」とは、1つの画像形成装置10に対して複数色のトナーを発注する場合や、複数の画像形成装置10に対してそれぞれトナーを発注する場合である。発注判断部202は、トナーの残量を最優先し、トナーカバレッジを2番目に優先し、トナーの減少率を3番目に優先し、複数のトナーの発注順を決定する。具体的には、以下の通りである。
【0053】
図8は、発注サーバー装置の第2の動作フローを示す。
【0054】
発注サーバー装置20の発注判断部202は、複数のトナーのうち、残量が閾値以下のトナーがあるか否かを判断する(ステップS201)。「閾値」は、典型的には、発注閾値(10~30%程度)より小さい値であり、例えば、5%程度(ロー)である。
【0055】
発注サーバー装置20の発注判断部202は、残量が閾値以下のトナーがあり(ステップS201、YES)、残量が閾値以下のトナーが1つであれば(ステップS202、NO)、そのトナーを選択する(ステップS203)。発注判断部202は、選択したトナーの発注順を決定する(ステップS207)。発注判断部202は、初期値を1とし、1ずつインクリメントすることにより、各トナーの発注順を決定する。
【0056】
一方、発注サーバー装置20の発注判断部202は、残量が閾値以下のトナーが無い(ステップS201、NO)又は複数あれば(ステップS202、YES)、複数のトナーのトナーカバレッジを比較する(ステップS204、YES)。発注判断部202は、トナーカバレッジが最高のトナーを選択する(ステップS205)。発注判断部202は、選択したトナーである発注順を決定する(ステップS207)。
【0057】
一方、発注サーバー装置20の発注判断部202は、複数のトナーのトナーカバレッジが不明(典型的には、画像形成装置10からトナーカバレッジ情報を受信していない)であれば(ステップS204、NO)、特定期間の残量情報に基づき、複数のトナーの、特定期間の減少率を判断し、減少率が最高であるトナーを選択する(ステップS206)。発注判断部202は、選択したトナーである発注順を決定する(ステップS207)。
【0058】
【0059】
具体的には、発注サーバー装置20の発注判断部202は、画像形成装置10から受信した、特定期間(例えば、1週間分)の残量(
図14の破線)に対して、最小二乗法による直線近似式を求め、その近似直線(
図14の実線)における傾き(
図14で、-2.7857)を算出する。傾き(負の値)が大きいほど、トナーレベルの減少率が高いことを意味する。
【0060】
図8を参照し、発注サーバー装置20の発注判断部202は、複数のトナー全ての発注順を決定する(ステップS208)。すなわち、発注判断部202は、残量が閾値以下であるトナーを発注する優先度を最高と判断し、あるいは、トナーカバレッジが最高であるトナーから降順に、あるいは、減少率が最高であるトナーから降順に、複数のトナー全ての発注順を決定する。
【0061】
図7を参照し、発注サーバー装置20の発注判断部202は、発注すべきトナー各々について、発注先の在庫管理サーバー装置30を判断する(ステップS106)。具体的には、発注判断部202は、画像形成装置10から受信した画像形成装置位置情報(ステップS101)及び在庫管理サーバー装置30の位置情報(在庫管理サーバー位置情報)に基づき、画像形成装置10からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置30を、発注先として判断する。
【0062】
なお、発注サーバー装置20は、在庫管理サーバー位置情報を、在庫管理サーバー装置30からネットワークNを介して、定期的に又は任意のタイミングで(例えば、ネットワークNへの接続時や再接続時に)受信すればよい。「在庫管理サーバー位置情報」は、例えば、在庫管理サーバー装置30のGPS受信装置39が受信したGPS情報である。
【0063】
発注サーバー装置20の発注部203は、トナーを発注するための発注要求を、発注先の在庫管理サーバー装置30にネットワークNを介して送信する(ステップS107)。「発注要求」は、発注すべきトナーのトナー名(モデル名及び色名を含む)と、発注されたトナーを使用すべき画像形成装置10の画像形成装置識別子及び画像形成装置位置情報とを含む。
【0064】
【0065】
在庫管理サーバー装置30の発注要求取得部301は、発注要求を、発注サーバー装置20からネットワークNを介して受信する(ステップS301)。
【0066】
在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、記憶装置34が記憶する在庫管理テーブル310を参照し、発注サーバー装置20から受信した発注要求に含まれるトナー名により示されるトナー(要するに、発注すべきトナー)の在庫の有無を判断する(ステップS302)。
【0067】
【0068】
在庫管理テーブル310は、トナー名311、トナー識別子312、在庫ステータス313を互いに関連付けて記憶する。トナー名311は、トナーの種類を識別し、例えば、モデル名及び色名を含む。トナー識別子312は、例えばシリアルナンバーであり、個々のトナーを一意に識別する。在庫ステータス313は、「In stock」、「Order」、「Delivered」の何れかである。「In stock」は、トナーの在庫があることを示す。「Order」は、在庫管理サーバー装置30が端末装置40にトナーの発注要求を送信済みであるが、未発送であることを示す。「Delivered」は、トナーが画像形成装置10のサイトに到着したことを示す。
【0069】
図9を参照し、在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、在庫管理テーブル310を参照し、発注サーバー装置20から受信した発注要求に含まれるトナー名311に、在庫ステータス313として「In stock」が関連付けられている(即ち、発注すべきトナーの在庫がある)か否かを判断する(ステップS302)。在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、トナー名311に「In stock」が関連付けられている(即ち、発注すべきトナーの在庫がある)と判断する(ステップS303、YES)。
【0070】
次に、在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、記憶装置34が記憶する発注テーブル320を参照し、発注サーバー装置20から受信した発注要求に含まれるトナー名が示すトナーを、発注要求に含まれる画像形成装置識別子により識別される画像形成装置10に、直近の特定期間(例えば、数日から数週間程度)中に発送したか否かを判断する(ステップS304)。同じ画像形成装置10に同じトナーを重複発送するのを防ぐためである。
【0071】
【0072】
発注テーブル320は、トナー名321、トナー識別子322、画像形成装置識別子323、画像形成装置位置情報324を互いに関連付けて記憶する。発注テーブル320には、在庫管理サーバー装置30が端末装置40に直近の特定期間に発送要求を送信したトナーに関する情報が登録される。
【0073】
図9を参照し、在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、発注サーバー装置20から受信した発注要求に含まれるトナー名321及び画像形成装置識別子323が、互いに関連付けて発注テーブル320に登録されているか否かを判断する(ステップS304)。
【0074】
在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、トナー名321及び画像形成装置識別子323が、互いに関連付けて登録されていないと判断する(ステップS304、NO)。これは、直近の特定期間に、画像形成装置識別子323により識別される画像形成装置10に、トナー名321が示すトナーが発送されていない(重複発送のおそれが無い)ことを示す。在庫管理部302は、発注サーバー装置20から受信した発注要求に含まれるトナー名321、画像形成装置識別子323及び画像形成装置位置情報324と、発送すべきトナーのトナー識別子322とを、互いに関連付けて発注テーブル320に登録する。
【0075】
在庫管理サーバー装置30の発送要求部303は、トナーの発送要求(例えば、電子メール)を、ネットワークNを介して端末装置40に送信する(ステップS305)。「発送要求」は、「発注要求」と異なり、トナーを物理的に出荷し配送するための要求である。
【0076】
端末装置40は、トナーを発送する現場(倉庫等)の従業員が使用する。端末装置40は、発送要求(例えば、電子メール)を、在庫管理サーバー装置30からネットワークNを介して受信する。従業員は、受信した発送要求に従って、トナーを物理的に発送する。端末装置40は、従業員により操作装置46に入力された特定の操作(例えば、電子メールに含まれるリンク先に接続するための操作)を検出すると、発送完了通知を、在庫管理サーバー装置30にネットワークNを介して送信する。
【0077】
在庫管理サーバー装置30の発送要求部303は、発送完了通知を、ネットワークNを介して端末装置40から受信する(ステップS306、YES)。発送要求部303は、発送完了通知を受信すると(即ち、消耗品の発送が完了すると)、在庫管理テーブル310において、発送されたトナーの在庫ステータス313を、「In stock」から「Order」に更新する(ステップS307)。
【0078】
在庫管理サーバー装置30のスケジュール判断部304は、画像形成装置位置情報及び在庫管理サーバー位置情報に基づき、発送したトナーの到着予定スケジュールを判断する(ステップS308)。要するに、スケジュール判断部304は、画像形成装置10と在庫管理サーバー装置30の距離に基づき、到着予定スケジュールを判断すればよい。スケジュール判断部304は、到着予定スケジュール情報を、ネットワークNを介して発注サーバー装置20に送信する(ステップS309)。「到着予定スケジュール情報」は、到着予定スケジュール(日時等)、トナー名を含む。
【0079】
図7を参照し、発注サーバー装置20のスケジュール取得部204は、到着予定スケジュール情報を、在庫管理サーバー装置30からネットワークNを介して受信する(ステップS108、YES)。発注サーバー装置20の画面生成部205は、受信した到着予定スケジュール情報に基づき、到着予定スケジュールを示すメッセージ画面を画像形成装置10の表示部17aに表示するためのメッセージ画面データMSGを生成する(ステップS109)。画面生成部205は、生成したメッセージ画面データMSGを、ネットワークNを介して画像形成装置10に送信する(ステップS110)。
【0080】
【0081】
画像形成装置10の画面データ取得部101は、メッセージ画面データMSGを、ネットワークNを介して発注サーバー装置20から受信する(ステップS401)。画面データ取得部101は、受信したメッセージ画面データMSGを、不揮発性の記憶装置18に記憶する(ステップS402)。画像形成装置10の画面表示制御部102は、記憶装置18からメッセージ画面データMSGを読み出し、メッセージ画面110を生成して表示部17aに表示する(ステップS403)。
【0082】
【0083】
メッセージ画面110は、トナー名111、到着予定スケジュール(日時等)112、クローズボタン113を含む。クローズボタン113は、メッセージ画面110を最小化するための要求を、操作部17を介して入力するためのGUI(Graphical User Interface)である。
【0084】
図10を参照し、画像形成装置10の画面表示制御部102は、メッセージ画面110に含まれるクローズボタン113が、操作部17を介して操作されたことを検出する(ステップS404、YES)。言い換えれば、画面表示制御部102は、メッセージ画面を最小化するための要求を検出する。すると、画面表示制御部102は、最小GUIを含むメニュー画面を、記憶装置18から読み出し、表示部17aに表示する。
【0085】
図18は、最小GUIを含むメニュー画面の一例を示す。
【0086】
メニュー画面120は、最小GUI121と、画像形成装置10が現在実行可能な複数の機能を示す複数のGUI122(コピー機能GUI123を表示)を含む。最小GUI121は、メッセージ画面110を最小化したことを示すGUIである。
【0087】
図19は、最小GUIを含むメニュー画面の別の例を示す。
【0088】
メニュー画面130は、最小GUI131と、画像形成装置10が現在実行可能な複数の機能を示す複数のGUI132(コピー機能GUIを非表示)を含む。最小GUI131は、メッセージ画面110を最小化したことを示すGUIである。
【0089】
図10を参照し、画像形成装置10の画面表示制御部102は、画像形成装置10の全色のトナーがエンプティか否かを判断する(ステップS405)。エンプティでないトナーが1色でもであれば(ステップS405、NO)、画像形成装置10は、コピー機能の一部を実行できる(例えば、白黒コピーは実行可だが、フルカラーコピーは実行不可)。従って、画面表示制御部102は、メニュー画面120(コピー機能GUI123を表示)を表示する(ステップS406、
図18)。画像形成装置10の全色のトナーがエンプティであれば(ステップS405、YES)、画像形成装置10は、コピー機能の全部を実行できない(例えば、白黒コピーもフルカラーコピーも実行不可)。従って、画面表示制御部102は、メニュー画面130(コピー機能GUIを非表示)を表示する(ステップS407、
図19)。
【0090】
以下、エンプティでないトナーがあり(ステップS405、NO)、メニュー画面120(コピー機能GUI123を表示)が表示されている(ステップS406、
図18)と仮定して説明する。
【0091】
ユーザーは、表示部17aを備える操作部17(タッチパネル)に表示されたメニュー画面120に含まれるコピー機能GUI123を操作する。画面表示制御部102は、その操作を検出すると、最小GUI141を含むコピーメニュー画面140を、記憶装置18から読み出し、表示部17aに表示する。
【0092】
図20は、最小GUIを含むコピーメニュー画面の一例を示す。
【0093】
コピーメニュー画面140は、最小GUI141と、複数のカラー選択機能GUI142等を含む。最小GUI141は、メッセージ画面110を最小化したことを示すGUIである。複数のカラー選択機能GUI142は、コピー機能のカラーモードを選択するためのGUIである。
【0094】
図10を参照し、画像形成装置10の画面表示制御部102は、操作部17を介して入力された、実行不可のカラー選択機能GUI142を選択するための要求を検出する(ステップS408、YES)。例えば、白黒コピーは実行可だが、フルカラーコピーは実行不可の場合に、フルカラーGUI143が選択されたような場合である。この場合、画面表示制御部102は、記憶装置18からメッセージ画面データMSGを読み出し、メッセージ画面110を生成して表示部17aに表示する(ステップS403)。
【0095】
画像形成装置10の画面表示制御部102は、また、各画面120、130、140に表示された最小GUI121、131、141を最大化するための要求(即ち、最小GUI121、131、141の操作)を検出すると(ステップS409、YES)、記憶装置18からメッセージ画面データMSGを読み出し、メッセージ画面110を生成して表示部17aに表示する(ステップS403)。
【0096】
図13は、発注システムの第2の動作シーケンスを示す。
【0097】
【0098】
発送されたトナーが画像形成装置10のサイトに到着し、画像形成装置10のユーザーは、画像形成装置10にトナーを物理的に装着する。画像形成装置10のトナー装着判断部103は、新たなトナー識別子により識別されるトナーが物理的に装着されたことを検出する(ステップS501、YES)。すると、トナー装着判断部103は、記憶装置18に記憶されたメッセージ画面データMSG(ステップS402)を、記憶装置18から削除する(ステップS502)。これにより、画像形成装置10の画面表示制御部102は、記憶装置18からメッセージ画面データMSGを読み出し、メッセージ画面110を生成して表示部17aに表示することができなくなる。また、画面表示制御部102は、最小GUIを含まないメニュー画面等(図示せず)を、記憶装置18から読み出して表示部17aに表示するようになる。
【0099】
画像形成装置10のトナー装着判断部103は、画像形成装置識別子と、画像形成装置位置情報と、消耗品情報を、発注サーバー装置20にネットワークNを介して、定期的に又は任意のタイミングで送信する(ステップS503)。上述のように、「消耗品情報」は、例えば、トナー名、トナー識別子、残量情報、トナーカバレッジ情報を含む。従って、新たなトナーが装着された画像形成装置10の消耗品情報は、新たなトナー識別子と、残量情報(100%に近い)を含む。
【0100】
図7を参照し、発注サーバー装置20の消耗品情報取得部201は、画像形成装置識別子と、画像形成装置位置情報と、消耗品情報を、画像形成装置10からネットワークNを介して受信する(ステップS101)。発注判断部202は、残量が発注閾値より大きいと判断する(ステップS102、NO)。発注判断部202は、受信した消耗品情報が、新たなトナー識別子と、残量情報(100%に近い)とを含むか否かを判断する(ステップS111)。本例では、発注判断部202は、消耗品情報が、新たなトナー識別子と、残量情報(100%に近い)とを含むと判断する(ステップS111、YES)。これにより、発注判断部202は、発注済みのトナーが画像形成装置10に装着されたことを判断する。
【0101】
発注サーバー装置20の発注部203は、画像形成装置10にトナーが装着されたことを示す完了通知を、発注要求(ステップS107)を送信した在庫管理サーバー装置30にネットワークNを介して送信する(ステップS112)。「完了通知」は、画像形成装置10から受信したトナー識別子及び画像形成装置識別子を含む。
【0102】
図9を参照し、在庫管理サーバー装置30の完了通知取得部305は、完了通知を、発注サーバー装置20からネットワークNを介して受信する(ステップS310、YES)。完了通知取得部305は、在庫管理テーブル310において、完了通知に含まれるトナー識別子312に関連付けられた在庫ステータス313を、「Order」から「Delivered」に更新する(ステップS311)。
【0103】
以上が動作フローの本流である。以下、動作フローの支流(1)、(2)について説明する。
【0104】
(1)在庫管理サーバー装置において、発注すべきトナーの在庫無しの場合
【0105】
図9を参照し、在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、在庫管理テーブル310を参照し、在庫ステータス313として「In stock」が関連付けられたトナー名311が無い(即ち、発注すべきトナーの在庫が無い)と判断する(ステップS303、NO)。この場合、在庫管理部302は、発注すべきトナーの在庫が無いことを示す在庫無し通知を、発注サーバー装置20にネットワークNを介して送信する(ステップS312)。
【0106】
図7を参照し、発注サーバー装置20の発注判断部202は、在庫無し通知を、在庫管理サーバー装置30からネットワークNを介して受信する(ステップS113、YES)。すると、発注判断部202は、発注先として、別の在庫管理サーバー装置30を判断する(ステップS106)。
【0107】
(2)在庫管理サーバー装置において、直近の特定期間にトナーを発送した場合
【0108】
図9を参照し、在庫管理サーバー装置30の在庫管理部302は、直近の特定期間に、画像形成装置識別子323により識別される画像形成装置10に、トナー名321が示すトナーを発送した(重複発送になる)と判断する(ステップS304、YES)。この場合、在庫管理部302は、発送済みであることを示す発送済み通知を、発注サーバー装置20にネットワークNを介して送信する(ステップS313)。
【0109】
図7を参照し、発注サーバー装置20の発注判断部202は、発送済み通知を、在庫管理サーバー装置30からネットワークNを介して受信する(ステップS114)。すると、発注判断部202は、処理を終了する。
【0110】
8.結語
【0111】
(1)画像形成装置は、消耗品であるトナーを消費する。画像形成装置のユーザーは、消耗品の残量が少なくなると、新しい消耗品を発注する必要がある。しかし、画像形成装置のユーザーは、発注先(ディストリビューター(販売者))の情報を予め知る必要があり、また、ユーザーが知っている発注先が最適とは限らない(距離が遠い等)。また、ユーザーが知っている発注先が、必ずトナーの在庫があるとは限らない。
【0112】
(1-1)これに対して、本実施形態によれば、発注サーバー装置20は、画像形成装置10からの距離が最も小さい1つの在庫管理サーバー装置30に、消耗品を発注する(ステップS107)。これにより、消耗品が最短時間で到着することを図れる。また、画像形成装置10のユーザーが、最短距離の在庫管理サーバー装置30を知らなくても、発注サーバー装置20が最短距離の在庫管理サーバー装置30を選択することができる。
【0113】
(1-2)本実施形態によれば、在庫管理サーバー装置30は、画像形成装置10位置情報及び在庫管理サーバー位置情報を取得しているため、画像形成装置10から在庫管理サーバー装置30までの距離に基づき、到着予定スケジュールを判断し(ステップS109)、画像形成装置10に送信できる(ステップS110)。画像形成装置10は、到着予定スケジュールを表示することができる(ステップS403)。
【0114】
(1-3)本実施形態によれば、発注サーバー装置20は、在庫無し通知を在庫管理サーバー装置30から受信すると(ステップS113、YES)、画像形成装置10からの距離が次に小さい1つの在庫管理サーバー装置30(ステップS106)に、消耗品を発注する。これにより、在庫無しの在庫管理サーバー装置30に発注した結果入荷待ちとなり、消耗品の発送が大幅に遅れる、ということがない。また、これにより、消耗品の在庫があるうち最も距離の近い在庫管理サーバー装置30に消耗品を発注できるので、消耗品が比較的短時間で到着することを図れる。また、画像形成装置10のユーザーが、距離が次に小さい在庫管理サーバー装置30を知らなくても、発注サーバー装置20が距離が次に小さい在庫管理サーバー装置30を選択することができる。
【0115】
(1-4)本実施形態によれば、発注サーバー装置20は、発注済みの消耗品が画像形成装置10に装着されたことを判断すると(ステップS111、YES)、完了通知を在庫管理サーバー装置30に送信する(ステップS112)。これにより、在庫管理サーバー装置30は、より正確に在庫を管理することができる。
【0116】
(1-5)本実施形態によれば、発注サーバー装置20は、残量が閾値以下であるトナーを発注する優先度を最高と判断する(ステップS203)。また、発注サーバー装置20は、トナーカバレッジが最高であるトナーから降順に、発注要求を在庫管理サーバー装置30に送信する(ステップS205)。トナーカバレッジが高いとは、トナーの使用量が大きいことを意味するため、優先的に発注する必要性がある。これにより、発注サーバー装置20は、発注する必要性の高いトナーから順に発注することができる。また、トナー1つずつ毎に発注するので、複数のトナーを纏めて1つの在庫管理サーバー装置30に発注し、一部のトナーの在庫が無いために全てのトナーの発送が遅延するおそれもない。
【0117】
(1-6)本実施形態によれば、発注サーバー装置20は、減少率が最高であるトナーから降順に、発注要求を、在庫管理サーバー装置30に送信する(ステップS206)。減少率が高いとは、トナーの使用量が大きいことを意味するため、優先的に発注する必要性がある。これにより、発注サーバー装置20は、発注する必要性の高いトナーから順に発注することができる。また、トナー1つずつ毎に発注するので、複数のトナーを纏めて1つの在庫管理サーバー装置30に発注し、一部のトナーの在庫が無いために全てのトナーの発送が遅延するおそれもない。
【0118】
(2)画像形成装置の表示装置は、パーソナルコンピューター等の表示装置よりも小型である。このため、画像形成装置の表示装置に、消耗品の到着予定スケジュール等を示すメッセージ画面を表示すると、他の情報を表示する領域が狭くなったり、他の操作を入力しにくいおそれがある。一方、1人のユーザーの操作によりメッセージ画面を非表示とすると、他のユーザーが、メッセージ画面に含まれる情報を知ることができなくなる恐れがある。
【0119】
(2-1)これに対して、本実施形態によれば、画像形成装置10は、メッセージ画面を最小化するための要求を検出すると(ステップS404、YES)、最小GUIを表示部17aに表示する(ステップS406、ステップS407)。このように、画像形成装置10は、最小GUIを表示することでメッセージ画面が存在することをユーザーに明示的に示すことができる。また、画像形成装置10は、最小GUIを最大化するための要求を検出すると(ステップS409、YES)、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置18から読み出し、メッセージ画面を表示部17aに表示する(ステップS403)。このように、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置18に記憶しておくことで、画像形成装置10は、ユーザーが最大化したい場合にメッセージ画面を表示することができる。
【0120】
(2-2)本実施形態によれば、画像形成装置10は、メッセージ画面を表示する必要が無くなると(ステップS501、YES)、メッセージ画面及び最小GUIを表示部17aに非表示とするので(ステップS502)、不必要な画面を表示して表示部17a及び操作装置が使いにくくなるおそれがない。また、メッセージ画面及び最小GUIを表示部17aに非表示とすることにより、消耗品が装着されたことをユーザーに伝えることができる。
【0121】
(2-3)本実施形態によれば、画像形成装置10は、実行不可の機能の機能GUIを選択するための要求を検出すると(ステップS408、YES)、メッセージ画面データを不揮発性記憶装置18から読み出し、メッセージ画面を表示部17aに表示する(ステップS403)。これにより、画像形成装置10は、ユーザーにメッセージを伝える必要性が高い場合に、メッセージ画面を表示することができる。
【0122】
(2-4)本実施形態によれば、画像形成装置10は、消耗品を使用する機能の全部を実行不可のとき、最小GUIを表示し、且つ、機能を示すGUIを非表示とする(ステップS407)。このように、画像形成装置10は、最小GUIを表示することでメッセージ画面が存在することをユーザーに明示的に示し、且つ、機能の全部を実行不可であることをユーザーに伝えることができる。
【0123】
本技術の各実施形態及び各変形例について上に説明したが、本技術は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0124】
発注システム1
画像形成装置10
発注サーバー装置20
在庫管理サーバー装置30
端末装置40
画面データ取得部101
画面表示制御部102
トナー装着判断部103
消耗品情報取得部201
発注判断部202
発注部203
スケジュール取得部204
画面生成部205
発注要求取得部301
在庫管理部302
発送要求部303
スケジュール判断部304
完了通知取得部305