(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 77/38 20060101AFI20221206BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20221206BHJP
B65D 41/34 20060101ALI20221206BHJP
B65D 17/353 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65D77/38
B65D77/20 C
B65D41/34 110
B65D17/353
(21)【出願番号】P 2019019492
(22)【出願日】2019-02-06
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本庄 美香
(72)【発明者】
【氏名】松田 博樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 潔
(72)【発明者】
【氏名】万野 幸人
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-091527(JP,U)
【文献】特開2004-001884(JP,A)
【文献】特開平08-282710(JP,A)
【文献】特開2009-234593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 83/08
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
B65D 17/353
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部および肩部を含み、収容空間を有する容器本体と、
前記肩部に、第1の弱化線を介して端縁が連接された筒状の切り取り部と、
前記切り取り部の前記容器本体と反対側の端縁に第2の弱化線を介して連接された筒状の周壁および前記周壁の前記容器本体と反対側に設けられた天板を含む蓋部と、
前記肩部の一部と前記天板の一部とを接続する連接部と、
前記切り取り部の外周面から延出する1つ以上の摘み部とを備え、
前記切り取り部、前記摘み部、前記蓋部、前記連接部、および前記容器本体は樹脂を材料として一体的に成形され、
1つ以上の前記摘み部をそれぞれ摘んで引っ張ることにより、前記切り取り部を前記第1の弱化線および前記第2の弱化線に沿って前記容器本体および前記蓋部から引きちぎって、前記連接部を介して前記肩部に接続された状態の前記蓋部を前記容器本体から分離可能であり、
前記蓋部を前記容器本体から分離することによって前記第1の弱化線に沿って形成される第1の開口に、分離した前記蓋部の前記周壁を嵌め込むことにより前記収容空間を密封することができる、
包装容器。
【請求項2】
1つ以上の前記摘み部の1つは、前記連接部と前記肩部とに挟まれた空間に延出する、
請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記摘み部を2つ備え、
前記天板を平面視する方向から見た形状が、線対称であって、対称軸上に2つの前記摘み部および前記連接部が位置する、
請求項2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記蓋部は、前記周壁に周方向にわたって形成された凹溝を備え、
前記周壁を前記第1の開口の端縁に嵌め込むことにより前記第1の開口の端縁が前記凹溝に嵌合する、
請求項1に記載の包装容器。
【請求項5】
前記容器本体は、底部に第2の開口を有し、
前記第2の開口は、フィルムで閉塞されている、
請求項1または2に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再封可能な包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュ、フェイスマスク、幼児のお尻ふき等の液体に浸したシート材を折り曲げた状態で収容することができる包装容器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シート材を取り出すための開口部を設けた、軟包装材料を用いて形成された包装袋本体と、開口部を覆うように取付けられたフィルム状の蓋材とを含む包装袋が開示されている。この包装袋では、蓋材の包装袋本体に対向する面に粘着剤層が設けることで、シンプルな密封構造でありながら、蓋材で開口部を密閉して内部に収容されたシート材の乾燥を防ぐことともに、一旦開封したあとであっても蓋材を包装袋本体に再び粘着させて再封(リシール)することで繰り返して密封する再封が可能である。
【0004】
また、特許文献2には、シート材を取り出すための開口部を設けた、軟包装材料を用いて形成された袋体と、樹脂を用いて一体に成形され、開口部に取り付けられた取出口枠体および蓋体とを含むウェットティッシュ包装体が開示されている。このウェットティッシュ包装体でも、蓋体を取出口枠体に嵌め込むことにより開口部を密閉でき、かつ再封が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-119046号公報
【文献】再表2014-199409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の包装体は、シンプルな密封構造ではあるものの、繰り返して使用した場合に、内部に収容したシート材に付着した液体が蓋材の粘着剤層に付着することにより粘着剤層の粘着力が低下して、再封が困難になるという課題があった。また、特許文献2の包装体のように、樹脂で成形した取出口枠体および蓋体を用いる場合は、密封を確実なものとするために取出口枠体および蓋体を比較的複雑な形状とする必要があり、大きな開口を形成し難い等、形状設計の自由度が低く、かつ製造コストが大きくなりやすいという課題があった。
【0007】
また、特許文献1および特許文献2の包装体では、いずれも軟包装材料を用いて袋体(包装体本体)を形成しているため、袋体の自立性が比較的低い。このため、内容物の使用にともない袋体内部に生じる空間が広くなることで袋体の自立ができなくなり、内容物の取り出しが困難になったり見栄えが悪化したりするという理由から、内容量を増やし難いという課題があった。このような場合、袋体の自立を可能にする比較的剛性の高い容器を袋体の中に入れて内容量を増やすこともできるが、過剰包装になりコストの上昇を招く場合があった。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、シンプルな密封構造でありながら繰り返して使用した場合の密封性に優れ、かつ過剰包装にすることなく高い自立性を有することができる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、胴部および肩部を含み、収容空間を有する容器本体と、肩部に、第1の弱化線を介して端縁が連接された筒状の切り取り部と、切り取り部の容器本体と反対側の端縁に第2の弱化線を介して連接された筒状の周壁および周壁の容器本体と反対側に設けられた天板を含む蓋部と、肩部の一部と天板の一部とを接続する連接部と、切り取り部の外周面から延出する1つ以上の摘み部とを備え、切り取り部、摘み部、蓋部、連接部、および容器本体は樹脂を材料として一体的に成形され、1つ以上の摘み部をそれぞれ摘んで引っ張ることにより、切り取り部を第1の弱化線および第2の弱化線に沿って容器本体および蓋部から引きちぎって、連接部を介して肩部に接続された状態の蓋部を容器本体から分離可能であり、蓋部を容器本体から分離することによって第1の弱化線に沿って形成される第1の開口に、分離した蓋部の周壁を嵌め込むことにより収容空間を密封することができる、包装容器である。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、シンプルな密封構造でありながら繰り返して使用した場合の密封性に優れ、かつ過剰包装にすることなく高い自立性を有することができる包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】本発明の一実施形態に係る包装容器の平面図および部分断面図
【
図3】本発明の一実施形態に係る包装容器の拡大断面図
【
図5】本発明の一実施形態に係る包装容器の使用方法を示す平面図
【
図6】本発明の一実施形態に係る包装容器の使用方法を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
本発明の一実施形態に係る包装容器100について、図を参照して説明する。
図1に、包装容器100の斜視図を示し、
図2に、内容物500を収容した包装容器100の平面図(
図2の(a))および正面からみた部分断面図(
図2の(b))を示し、
図3に、
図2の点線で囲んだA部を拡大した断面図を示す。
【0013】
図1、
図2に示すように、包装容器100は、容器本体10と、切り取り部20と、2つの摘み部30と、蓋部40と、連接部50とを含む。容器本体10と、切り取り部20と、摘み部30と、蓋部40と、連接部50とは、樹脂を材料として一体的に形成される。後述するように、摘み部30を用いて切り取り部20を容器本体10および蓋部40から引きちぎって、連接部50を介して容器本体10に接続された状態の蓋部40を容器本体10から分離することにより第1の開口13を形成して内容物500を取り出すことができる。なお、以下の説明では、便宜上、
図2の(b)に矢印で示すように、包装容器100を、蓋部40を上方にして正立させた場合の上下方向を上下と定義して説明をする。
【0014】
容器本体10は、胴部11および肩部12を含み、内容物500を収容するための収容空間を内部に有する。
図2に示すように、胴部11は、一例として、平面視における断面形状が略矩形の筒状である。
図1、
図2に示すように、胴部11の上方側端縁には、内方に向かって所定の幅延出する肩部12が形成されている。胴部11は、一例として、下方側、すなわち、容器本体10の底部に第2の開口14を有する。なお、胴部11の断面形状は矩形状に限定されず、例えば円形、長円形等であってもよい。
【0015】
第2の開口14は、内容物500の収容後に閉塞される。第2の開口14が閉塞されることで包装容器100の収容空間は密封された状態となる。第2の開口14を閉塞する方法は、特に限定されないが、包装容器100では、胴部11の下方側端縁に貼り付けられたフィルム200で閉塞される。フィルム200の材料は、特に限定されないが、流通過程において孔が開いたり、膨らみ過ぎたりしない程度の剛性を有する材料が好ましく、例えばアルミニウム箔を含むフィルムを用いることができる。フィルム200の外周面には、内容物500の情報等を印刷した印刷層を設けてもよい。これにより、内容物500の情報等を表示したラベルを別途用意して貼り付ける必要がなくなる。
【0016】
包装容器100は第2の開口14を備えるため、閉塞する前であれば包装容器100どうしを積み重ねることができ、効率よく搬送、輸送することが可能である。胴部11は、一例として、外周面に外方に向かって突出するスタックリブ11aを備える。これにより、内容物500を収容する前の包装容器100を積み重ねた際に、胴部11の下端がスタックリブ11aに当接するため、積み重ねた包装容器100どうしで胴部11の内周面に外周面が嵌まってしまい、外れなくなることを抑制できる。
【0017】
切り取り部20は、容器本体10と蓋部40とを分離する際に容器本体10および蓋部40から引きちぎられるタンパーエビデントバンドである。
図2、
図3に示すように、切り取り部20は、筒状であって、肩部12に、切り取り部20の一部の肉厚を線状に薄くした第1の弱化線21を介して端縁が連接されている。
【0018】
摘み部30は、切り取り部20の外周面から延出するように1つ以上設けられ、蓋部40を容器本体10から分離する際に、摘んで引っ張ることにより切り取り部20に力を加えるための部材である。
図4に、
図3のB-B’線で切断した摘み部30周辺の断面図を示す。摘み部30の形状は、切り取り部20に力を加えることができれば限定されないが、一例として、
図3、
図4に示すように、切り取り部20から外方に向かって延出する支持部31と、支持部31の先端から、切り取り部20に沿う方向に延出する摘み代32とを含むように形成することができる。摘み部30に摘み代32を設けることで、包装容器100の使用者は、摘み部30を確実に摘んで引っ張ることができるため容易に切り取り部20を引きちぎることができる。
【0019】
図2に示すように、包装容器100では2つの摘み部30が設けられ、一方の摘み部30は、後述する連接部50と肩部12とに挟まれた空間に延出するように設けられている。また、他方の摘み部30は、平面視において切り取り部20の一方の摘み部30とは反対側の外周面から延出するように設けられている。なお、摘み部30の数は、1つであっても、3つ以上であってもよい。
【0020】
蓋部40は、収容空間を上方から閉塞するための部材である。
図2、
図3に示すように、蓋部40は、切り取り部20の容器本体10と反対側の端縁に第2の弱化線41を介して連接された筒状の周壁42および周壁42の容器本体10と反対側に設けられた略板状の天板43とを含む。
【0021】
図3に示すように、周壁42の外周面は、平面視において第1の弱化線21に対応する形状に形成されている。より詳細には、周壁42の外周面は、後述する再封の工程において、周壁42を、第1の弱化線21に沿って形成される第1の開口13の端縁に全周にわたって所定の締め代で嵌め込むことができるように形成されていることが好ましい。周壁42は、一例として、周方向にわたって、上下方向における幅が肩部12の板厚よりもわずかに広く形成された凹溝42aを備える。凹溝42aを設けた場合は、凹溝42aの底部が、第1の開口13の端縁に全周にわたって所定の締め代で嵌め込むことができるように形成されていてもよい。天板43は、一例として、全周にわたって周壁42の端縁から所定の幅外方に延出する鍔43aを備え、平面視において連接部50の反対側には、鍔43aからさらに外方に延出する正面鍔43bを備える。
【0022】
連接部50は、肩部12の一部と天板43の一部とを接続するために設けられる。連接部50は、一例として、
図2の(b)に示すように、肩部12から上方に向かって延出した後、水平方向に屈曲して天板43の端縁に接続するように形成されている。
【0023】
摘み部30、蓋部40、および連接部50は、第2の開口14を閉塞する前の包装容器100の積み重ねを阻害しない形状に形成されることが好ましい。具体的には、
図2に示すように、摘み部30、蓋部40、および連接部50のいずれもが、平面視において胴部11の外周面よりも外方に延出しないことが好ましい。
【0024】
包装容器100の形成方法は、容器本体10と、切り取り部20と、摘み部30と、蓋部40と、連接部50とを一体的に成形することができれば、特に限定されないが、射出成形、真空成形等を好適に用いることができる。また、包装容器100に用いる材料は、樹脂であれば特に限定されないが、切り取り部20を容易に引きちぎることができるように、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂や低密度ポリエチレン(LDPE)とLLDPEとを混合した樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)等を好適に用いることができる。このように、包装容器100は、樹脂等を用いて一体的に成形することで、包装容器100以外の部材を用いる必要がないため、過剰包装になることなく高い自立性を有することができる。
【0025】
図2の(a)に示すように、包装容器100は、一例として、平面視における形状(天板43を平面視する方向から見た形状)が、線対称であって、対称軸上に2つの摘み部30および連接部50が位置する。包装容器100をこのような形状とすることで、包装容器100の成形に対称軸を含む分割面で2つに分割できる金型を用いることができる。これにより、部分的な分割構造や、抜き構造等が不要なシンプルな構造の金型を用いることができるため、包装容器100の製造コストを抑えることができる。
【0026】
包装容器100への内容物500の収容方法は、一例として、包装容器100を、蓋部40を下方にするとともに第2の開口14を上方に向けて配置した後、内容物500(例えば、シート材およびシート材を浸すための液体)を包装容器100へ収容し、その後、第2の開口14をフィルム200で閉塞する方法がある。包装容器100は、容器本体10と、切り取り部20と、摘み部30と、蓋部40と、連接部50とが一体に形成されているため、内容物500を収容後、第2の開口14をフィルム200で閉塞することで収容空間を密封することができ、流通過程において内容物500が外気にさらされて乾燥をしてしまうことを防ぐことができる。
【0027】
<使用方法>
次に、
図4~
図6を参照して包装容器100の使用方法について説明する。
図5は、開封の途中の状態にある包装容器100の平面図であり、
図6は、再封した状態の包装容器100を正面から見た断面図およびその部分拡大図である。なお、便宜上、
図5では、蓋部40の天板43を透過して示し、
図6では、内容物500の図示は省略する。
【0028】
(開封)
包装容器100の2つの摘み部30をそれぞれ摘んで所定の大きさの力で引っ張ることにより、第1の弱化線21および第2の弱化線41に破断が生じる。そして、
図5の灰色の矢印で示すように、それぞれの摘み部30を引っ張り続けることにより、破断は第1の弱化線21および第2の弱化線41に沿って進む。破断が第1の弱化線21および第2の弱化線41の全周にわたって進むことにより、切り取り部20が第1の弱化線21および第2の弱化線41に沿って容器本体10および蓋部40から引きちぎられ、蓋部40が容器本体10から分離される。これにより、第1の弱化線21に沿って第1の開口13が形成されて、包装容器100が開封される。この結果、容器本体10の収容空間が開放されて、第1の開口13から内容物500を取り出すことが可能になる。このように、密封された包装容器100は、タンパーエビデントバンドである切り取り部20によりバージン性を確保することができる。また、容器本体10から分離された蓋部40は、
図6に点線で示すように、連接部50を介して肩部12に接続されている。このため、開封後に蓋部40を紛失して再封ができなくなることを防止できる。
【0029】
切り取り部20を引きちぎることにより形成される第1の開口13は、端縁を容器本体10の胴部11の外周に近い広い面積とすることができる。このため、ウェットティッシュ、フェイスマスク、幼児のお尻ふき等の液体に浸したシート材のように折り込んで収容された内容物を、収容された状態に近い形態のままで取り出すことが可能となる。
【0030】
包装容器100では、1つの摘み部30を連接部50と肩部12とに挟まれた空間に延出するように設けたため、切り取り部20の破断を連接部50と肩部12とに挟まれた空間の付近から開始することができる。このため、切り取り部20を破断する途中において、摘み部30を連接部50と肩部12とに挟まれた空間を通す必要がなくなり、切り取り部20を引きちぎる作業を容易にすることができる。
【0031】
第1の弱化線21および第2の弱化線41に容易に破断を生じさせるために、
図4に示すように、切り取り部20の支持部31の近傍に、切り取り部20の幅方向(包装容器100の上下方向)に延伸する線状の薄肉部である第3の弱化線22を設けてもよい。第3の弱化線22を設けることにより、
図4に点線および白色の矢印で示すように、摘み部30の支持部31を切り取り部20の第3の弱化線22とは反対側へ引っ張り、第3の弱化線22周辺へ応力を集中させることができる。これにより、小さな力で切り取り部20を第3の弱化線22で破断させ、これを切っ掛けにして第1の弱化線21および第2の弱化線41に容易に破断を生じさせることができる。第1の弱化線21、第2の弱化線41、および第3の弱化線22の厚みは0.1mm~0.3mmで形成され、より好ましくは0.15mm~0.25mmで形成される。
【0032】
また、この場合、切り取り部20の第3の弱化線22が形成されている側に延出する摘み代32を、反対側に延出する摘み代32よりも長く形成してもよい。これにより、
図4に点線で示すように、第3の弱化線22側の摘み代32を摘んで引き起こし易くなる。このため、第3の弱化線22側の摘み代32を摘んで摘み部30を第3の弱化線22とは反対側へ倒すことで、第3の弱化線22周辺へ応力をさらに集中させて、より小さな力で切り取り部20を破断させることができる。また、引っ張る方向を間違えないように摘み部30、摘み代32の側面には引っ張る方向を示す矢印等を設けても良い。
【0033】
(再封)
容器本体10から取り外した蓋部40は、
図6に示すように、周壁42を第1の開口13に嵌め込むことができる。周壁42を、
図6の矢印で示すように、容器本体10の上方から第1の開口13に嵌め込むことにより、第1の開口13は閉塞されて、包装容器100の収容空間を再び密封すること、すなわち再封ができる。第1の開口13を閉塞する際は、周壁42を第1の開口13の端縁に当接させて嵌め込んでもよいし、
図6のC部拡大図に示すように、さらに確実に密封するために、第1の開口13の端縁に凹溝42aを嵌合させてもよい。このように、包装容器100では、容器本体10から取り外した蓋部40の周壁42を第1の開口13に嵌め込む密封構造としているため、シンプルな構造でありながら、繰り返して使用した場合の密封性にも優れている。
【0034】
包装容器100では、天板43の全周に鍔43aを設けたことで、再封時に蓋部40が第1の開口13から収容空間に入ってしまうことを防ぐことができる。また、正面鍔43bを平面視において連接部50と反対側に設けたため、正面鍔43bを摘むことで第1の開口13に嵌め込まれた蓋部40を容易に再開封することができる。
【0035】
連接部50の長さは、一例として、
図6に示すように、再封した状態において肩部12の近傍が上方に向かって屈曲した屈曲部50aが生じる長さとすることができる。屈曲部が発生することにより、再封した状態において、連接部50に蓋部40を肩部12および第1の開口13に向かって押し付ける付勢力を発生させることができるため、蓋部40によってより確実に密封することが可能になる。屈曲部50aを生じさせ易くするために、連接部50の厚みを部分的に変えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、ウェットティッシュ、フェイスマスク、幼児のお尻ふき等を収容する包装容器に用いることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 容器本体
11 胴部
11a スタックリブ
12 肩部
13 第1の開口
14 第2の開口
20 切り取り部
21 第1の弱化線
22 第3の弱化線
30 摘み部
31 支持部
32 摘み代
40 蓋部
41 第2の弱化線
42 周壁
42a 凹溝
43 天板
43a 鍔
43b 正面鍔
50 連接部
50a 屈曲部
100、101 包装容器
200 フィルム
500 内容物