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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】吸湿呼吸器用補助具
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/14 20060101AFI20221206BHJP
   H01F 27/02 20060101ALI20221206BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01F27/14 B
H01F27/02 D
B01D53/26 210
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019020815
(22)【出願日】2019-02-07
(65)【公開番号】P2020129581
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】今岡 邦明
【審査官】森岡 俊行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-34174(JP,A)
【文献】実開昭60-24345(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/14
H01F 27/02
B01D 53/26
B01F 27/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸湿剤を収容する容器本体の上側に吸湿剤投入口が設けられ、前記容器本体の下側に吸湿剤排出口が設けられた、吸湿呼吸器に使用される吸湿呼吸器用補助具であって、
棒状で変形自在な長尺部と、
前記長尺部の一端側に設けられ、前記吸湿剤投入口から前記容器本体内に挿入可能で、前記吸湿剤を掻き寄せ可能なヘラ部と、
を備えることを特徴とする吸湿呼吸器用補助具。
【請求項2】
前記長尺部の他端側に、外部部材に着脱自在な着脱部を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の吸湿呼吸器用補助具。
【請求項3】
前記長尺部は、伸縮自在となっている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の吸湿呼吸器用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器などの機器の呼吸作用によって流入する大気中の湿気を吸収するための吸湿呼吸器(ブリーザ)に関し、特に、吸湿剤を排出したり供給したりする際に使用する吸湿呼吸器用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、変圧器の呼吸作用によって大気中の湿気が器内に侵入し、その水分が油に溶けて変圧器の絶縁耐力を低下させる、という事象がある。このため、侵入した湿気を吸湿剤(脱水剤)によって吸収するための吸湿呼吸器が、変圧器などに付設されている(例えば、特許文献1参照。)。この吸湿呼吸器は、例えば、ガラス製で円筒状の容器本体が垂直に配置され、この容器本体の上側に変圧器側などに接続される呼吸管が設けられ、容器本体の下側には油壷が設けられている。また、容器本体内にはシリカゲルなどの吸湿剤が収容(封入)され、油壷には油が収容されている。
【0003】
そして、大気(外気)が容器本体の下側から流入して、油壷内の油および容器本体内の吸湿剤を通過する(通り抜ける。)。これにより、大気中の湿気が吸湿剤によって吸収され、吸気管から変圧器側などに流入する。一方、変圧器側などからの排気が吸気管から流入し、排気管および油壷内を通過して、大気中に排出されるものである。
【0004】
また、このような吸湿呼吸器には、容器本体の上側に吸湿剤投入口が設けられ、下側には吸湿剤排出口が設けられている。そして、吸湿剤投入口から吸湿剤を容器本体内に投入するとともに、湿気を十分に吸収して吸湿効果が低下した(劣化した)吸湿剤を吸湿剤排出口から排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平5-18012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のように、容器本体の下側には油壷や弁室(吸気弁と排気弁とを収容した容器)などが設けられているため、吸湿剤排出口を容器本体の垂直中心側に位置させることが困難な場合が多い。このため、容器本体の垂直中心から離れた外周側に吸湿剤排出口が設けられている。同様に、容器本体の垂直中心に排気管が設けられているため、容器本体の垂直中心から離れた外周側に吸湿剤投入口が設けられている。
【0007】
このため、吸湿剤排出口から吸湿剤を排出する際に、反吸湿剤排出口側の底などに吸湿剤が残ってしまうことがあり、従来、容器本体の側壁を叩いて振動を与え、吸湿剤が残らないように排出していた。しかしながら、ガラス製の容器本体を叩くことで、容器本体を損傷させるおそれがあった。
【0008】
同様に、吸湿剤投入口から吸湿剤を容器本体に投入する際に、吸湿剤投入口側に吸湿剤が偏って山なりになってしまうため、従来、ドライバーなどの棒体で吸湿剤を平坦にしたり、容器本体の側壁を叩いて振動を与えることで吸湿剤を平坦にしたりしていた。しかしながら、ドライバーなどは、真っ直ぐで先が細いため、偏った吸湿剤を適正に平坦にすることが困難であった。また、ガラス製の容器本体を叩くことで、容器本体を損傷させるおそれがあった。
【0009】
そこで本発明は、吸湿剤の排出や供給を適正かつ容易に行うことを可能にする吸湿呼吸器用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、吸湿剤を収容する容器本体の上側に吸湿剤投入口が設けられ、前記容器本体の下側に吸湿剤排出口が設けられた、吸湿呼吸器に使用される吸湿呼吸器用補助具であって、棒状で変形自在な長尺部と、前記長尺部の一端側に設けられ、前記吸湿剤投入口から前記容器本体内に挿入可能で、前記吸湿剤を掻き寄せ可能なヘラ部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の吸湿呼吸器用補助具において、前記長尺部の他端側に、外部部材に着脱自在な着脱部を備える、ことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の吸湿呼吸器用補助具において、前記長尺部は、伸縮自在となっている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、長尺部が変形自在で、この長尺部の一端側に吸湿剤を掻き寄せ可能なヘラ部が設けられているため、吸湿剤の排出や供給を適正かつ容易に行うことが可能となる。すなわち、容器本体内の吸湿剤の残留状態や積層状態などに応じて長尺部を変形させ、ヘラ部を吸湿剤投入口から容器本体内に挿入して、ヘラ部で吸湿剤を所望の方向に掻き寄せる。これにより、適正かつ容易に吸湿剤を吸湿剤排出口から排出させたり、偏った吸湿剤を平坦にしたりすることが可能となる。また、容器本体の側壁を叩いて損傷させるおそれもなくなる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、長尺部の他端側に着脱部を備えるため、吸湿呼吸器用補助具を常時は外部部材(吸湿呼吸器など)に着けておいて、吸湿剤の交換時などに吸湿呼吸器用補助具を外部部材から取り外して使用すればよい。これにより、作業者が吸湿呼吸器用補助具を所持する必要がなく、作業者の負担を軽減できるとともに、必要に応じていつでも吸湿呼吸器用補助具を使用することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、長尺部が伸縮自在なため、容器本体内の吸湿剤の残留状態や積層状態などに応じて長尺部を伸縮させることで、より適正かつ容易に吸湿剤を吸湿剤排出口から排出させたり、偏った吸湿剤を平坦にしたりすることが可能となる。また、長尺部が伸縮自在なため、大きさが異なる複数の吸湿呼吸器に対して使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態1に係る吸湿呼吸器用補助具を示す正面図である。
図2図1の吸湿呼吸器用補助具の使用対象である吸湿呼吸器を示す正面断面図である。
図3図1の吸湿呼吸器用補助具を使用して吸湿剤を吸湿剤排出口から排出する状態を示す正面断面図である。
図4図1の吸湿呼吸器用補助具を使用して吸湿剤を平坦にする状態を示す正面断面図である。
図5】この発明の実施の形態2に係る吸湿呼吸器用補助具の長尺部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1図4は、この実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る吸湿呼吸器用補助具1を示す正面図である。この吸湿呼吸器用補助具1は、吸湿呼吸器101内のシリカゲル(吸湿剤)113を交換したりする際に使用する補助具である。まず、吸湿呼吸器101について説明する。
【0019】
吸湿呼吸器101は、図2に示すように、主として、ガラス筒(容器本体)102と、上蓋金具103と、底蓋金具104と、呼吸管105と、油壷106および排気管107を備える。
【0020】
ガラス筒102は、シリカゲル113を収容する収容器であり、透明ガラス製の円筒体で構成され、このガラス筒102の上側に吸湿剤投入口103aが設けられ、ガラス筒102の下側に吸湿剤排出口104aが設けられている。
【0021】
すなわち、ガラス筒102の上端部に、ガスケット(図示せず)を介して上蓋金具103が取り付けられ、ガラス筒102の下端部に、ガスケット(図示せず)を介して底蓋金具104が取り付けられている。具体的には、ガラス筒102の上下端部を上蓋金具103と底蓋金具104とで挟持した状態で、上蓋金具103と底蓋金具104とが長尺ボルト109によって連結されている。そして、このように密閉されたガラス筒102の中に、後述するようにしてシリカゲル113が収容されるようになっている。
【0022】
また、上蓋金具103の中心からずれた位置(外周側)には、シリカゲル113を投入するための吸湿剤投入口103aが設けられ、この吸湿剤投入口103aには投入キャップ110が取り付けられている。また、吸湿剤投入口103aと対向する上蓋金具103の外周側には、呼吸管105がフランジ部105aを介してボルト111によって取り付けられている。この呼吸管105は、変圧器側のコンサベータ(図示せず)に接続され、変圧器側へ大気を送り、また、変圧器側からの排気を受けるための通気管である。
【0023】
一方、底蓋金具104の中心からずれた外周側(吸湿剤投入口3aのほぼ真下)には吸湿剤排出口104aが設けられ、この吸湿剤排出口104aには排出キャップ112が取り付けられている。また、底蓋金具104の下面側には、円筒状の吸気筒104bと排気筒104cとが形成され、排気筒104cが、底蓋金具104の中心つまりガラス筒102の垂直中心に位置するように配設されている。そして、この吸気筒104bと排気筒104cとを覆うように、油114を収容する(蓄える)油壷106が取り付けられている。
【0024】
この油壷106は、底を有する円筒状で、上端のフランジ部106aが底蓋金具104の取付部104dに装着された状態で取り付けられている。また、この油壷106内には仕切板106bが設けられ、この仕切板106bによって吸気室106cと排気室106dとに分室されている。そして、吸気室106c内に底蓋金具104の吸気筒104bが収容され、排気室106d内に排気筒104cが収容されるようになっている。さらに、フランジ部106aの下側には、大気が流入するための吸気口106eが吸気室106c側に設けられ、大気へ排気するための排気口106fが排気室106d側に設けられている。
【0025】
また、底蓋金具104の中心部には、排気筒104cと連通する貫通孔104eが形成され、この貫通孔104eに排気管107が挿入(圧入)されている。これにより、排気管107がガラス筒102の垂直中心(中心軸)に位置し、排気管107と排気筒104cとを介して油壷106の排気室106dと呼吸管105とが連通するようになっている。さらに、底蓋金具104には、油壷106の吸気口106eから流入した大気を、吸気室106cからガラス筒102内に流入させるための空気孔(図示せず)が設けられている。
【0026】
さらに、底蓋金具104の上側には、多孔底板115が設けられている。この多孔底板115は板状の金網で構成され、ガラス筒102の側壁内面から吸湿剤排出口104aの口元に向って下側に傾斜するように形成されている。これにより、シリカゲル113を排出する際に、ガラス筒102内のシリカゲル113が吸湿剤排出口104a側に流動しやすいようになっている。
【0027】
このような吸湿呼吸器101の呼吸管105をコンサベータに接続して、吸湿呼吸器101を変圧器側に付設すると、変圧器の呼吸作用によって、大気が吸湿呼吸器101を介して変圧器に吸気され、変圧器からの排気が吸湿呼吸器101を介して大気に排出(排気)される。すなわち、吸気の際には、大気が油壷106の吸気口106eから流入し、吸気室106c内の油114を通過して、底蓋金具104の空気孔からガラス筒102内に流入する。そして、ガラス筒102内のシリカゲル113を下部から上部に向って通過し(通り抜け)、吸気管105からコンサベータ(変圧器側)に流入する。
【0028】
このように、大気がシリカゲル113を通過することで、大気中の湿気がシリカゲル113によって吸収され、変圧器の絶縁耐力の低下が防止される。一方、排気の際には、変圧器(コンサベータ)からの排気が吸気管105から流入し、排気管107内を通って油壷106の排気室106d内の油114を通過し、排気口106fから大気中に排出されるものである。
【0029】
次に、このような吸湿呼吸器101に使用する吸湿呼吸器用補助具1について説明する。
【0030】
吸湿呼吸器用補助具1は、図1に示すように、長尺部2と、ヘラ部3と、リング部(着脱部)4と、を備える。
【0031】
長尺部2は、変形自在(繰り返し塑性変形自在)な材料、例えば、針金で構成された細長い棒状体であり、その長さは、吸湿剤投入口103aからガラス筒102内に挿入した際に、一端側つまりヘラ部3が吸湿剤排出口104aに十分達するように設定されている。
【0032】
ヘラ部3は、長尺部2の一端側に設けられ、吸湿剤投入口103aからガラス筒102内に挿入可能で、シリカゲル113を掻き寄せ可能なものである。すなわち、吸湿剤投入口103aから挿入可能な形状、大きさに設定され、さらに、シリカゲル113を掻き寄せて吸湿剤排出口104aから排出させたり、偏ったシリカゲル113を平坦にしたりしやすい形状(平たいヘラ状)、大きさに設定されている。このような長尺部2とヘラ部3は、一体的に成形されている。
【0033】
リング部4は、長尺部2の他端側に設けられ、外部部材に着脱自在なものである。すなわち、この実施の形態では、カードリングのように開閉自在なリングで、開閉することで長尺ボルト109などの外部部材に着脱できるようになっている。
【0034】
このような吸湿呼吸器用補助具1を使用して、吸湿効果が低下したシリカゲル113を交換するには、次のようにすればよい。まず、リング部4を長尺ボルト109などから取り外し、吸湿呼吸器用補助具1を使えるようにしておく。
【0035】
次に、排出キャップ112を外して、吸湿剤排出口104aからシリカゲル113を排出させる。このとき、吸湿剤排出口104aの反対側の多孔底板115などにシリカゲル113が残ってしまうことがある。この場合、図3に示すように、シリカゲル113の残留状態などに応じて吸湿呼吸器用補助具1の長尺部2を変形させ、投入キャップ110を外して吸湿剤投入口103aからヘラ部3を挿入する。そして、ヘラ部3でシリカゲル113を吸湿剤排出口104a側に掻き寄せて排出させる。
【0036】
続いて、排出キャップ112を吸湿剤排出口104aに取り付け、シリカゲル113を吸湿剤投入口103aからガラス筒102内に投入する。このとき、吸湿剤投入口103a側にシリカゲル113が偏って山なりになってしまうことがある。この場合、図4に示すように、シリカゲル113の積層状態などに応じて長尺部2を変形させ、吸湿剤投入口103aからヘラ部3を挿入する。そして、ヘラ部3でシリカゲル113を掻き寄せて平坦にする。このようにして交換作業が終了した後に、リング部4を長尺ボルト109などに取り付けて、吸湿呼吸器用補助具1を吸湿呼吸器101に配置、付帯しておく。
【0037】
以上のように、この吸湿呼吸器用補助具1によれば、長尺部2が変形自在で、この長尺部2の一端側にシリカゲル113を掻き寄せ可能なヘラ部3が設けられているため、シリカゲル113の排出や供給を適正かつ容易に行うことが可能となる。すなわち、ガラス筒102内のシリカゲル113の残留状態や積層状態などに応じて長尺部2を変形させ、ヘラ部3を吸湿剤投入口103aからガラス筒102内に挿入して、ヘラ部3でシリカゲル113を所望の方向に掻き寄せる。これにより、適正かつ容易にシリカゲル113を吸湿剤排出口104aから排出させたり、偏ったシリカゲル113を平坦にしたりすることが可能となる。また、ガラス筒102の側壁を叩いて損傷させるおそれもなくなる。
【0038】
また、長尺部2の他端側にリング部4を備えるため、吸湿呼吸器用補助具1を常時は長尺ボルト109などに着けておいて、シリカゲル113の交換時などに吸湿呼吸器用補助具1を長尺ボルト109などから取り外して使用すればよい。これにより、作業者が吸湿呼吸器用補助具1を所持する必要がなく、作業者の負担を軽減できるとともに、必要に応じていつでも吸湿呼吸器用補助具1を使用することができる。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、この実施の形態に係る吸湿呼吸器用補助具1の長尺部2を示す正面図である。この実施の形態では、長尺部2が伸縮自在である点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
【0040】
長尺部2は、第1の長尺部21と、第2の長尺部22と、連結ボルト23と、を備える。第1の長尺部21は、変形自在な細長い棒状体で、第2の長尺部22は、変形自在な細長い中空の棒状体(チューブ体)で、第1の長尺部21の一端部21aが第2の長尺部22の一端部22aに挿入されている。また、第2の長尺部22の一端部22aの外周面にはテーパネジが形成され、さらに、この一端部22aには、軸方向に延びる複数のスリット(切り欠き)が形成されている。そして、第1の長尺部21の第2の長尺部22に対する挿入量を調整して、連結ボルト23を第2の長尺部22のテーパネジに締め付けることで、第2の長尺部22の一端部22aが第1の長尺部21の一端部21aに抱き着き、長尺部21、22が連結されて長尺部2の全長が伸縮するものである。
【0041】
このような実施の形態によれば、長尺部2が伸縮自在なため、ガラス筒102内のシリカゲル113の残留状態や積層状態などに応じて長尺部2を伸縮させることで、より適正かつ容易にシリカゲル113を吸湿剤排出口104aから排出させたり、偏ったシリカゲル113を平坦にしたりすることが可能となる。また、長尺部2が伸縮自在なため、大きさが異なる複数の吸湿呼吸器101に対して使用することが可能となる。
【0042】
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、着脱部をリング部4で構成しているが、ストラップや磁石などで構成してもよい。また、上記の実施の形態2では、連結ボルト23で2つの長尺部21、22を連結しているが、第2の長尺部22の外周面に形成されたネジ孔に螺合し、第2の長尺部22の軸線に垂直なボルトで長尺部21、22を連結してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 吸湿呼吸器用補助具
2 長尺部
3 ヘラ部
4 リング部(着脱部)
101 吸湿呼吸器
102 ガラス筒(容器本体)
103 上蓋金具
103a 吸湿剤投入口
104 底蓋金具
104a 吸湿剤排出口
104b 吸気筒
104c 排気筒
105 呼吸管
106 油壷
106b 仕切板
106c 吸気室
106d 排気室
106e 吸気口
106f 排気口
107 排気管
113 シリカゲル(吸湿剤)
114 油
115 多孔底板
図1
図2
図3
図4
図5