(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】環状RFタグ体
(51)【国際特許分類】
A01K 11/00 20060101AFI20221206BHJP
A01K 35/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A01K11/00 D
A01K35/00
(21)【出願番号】P 2019028924
(22)【出願日】2019-02-20
【審査請求日】2021-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100135954
【氏名又は名称】深町 圭子
(74)【代理人】
【識別番号】100119057
【氏名又は名称】伊藤 英生
(74)【代理人】
【識別番号】100131369
【氏名又は名称】後藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100171859
【氏名又は名称】立石 英之
(72)【発明者】
【氏名】緒方 哲治
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163876(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3171895(JP,U)
【文献】特開2013-109715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 11/00
A01K 35/00
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生き物に巻かれた状態で環状を形成する補助アンテナと,環状を形成した前記補助アンテナと磁界結合する位置に配置されICチップと接続している環状の給電アンテナを備え,前記補助アンテナの周長を動作周波数の波長以下とし,前記給電アンテナの周長に対する前記補助アンテナの周長の比を3倍から10倍未満にし
,一か所を分離させた前記補助アンテナの少なくとも一方の端側に,他方の端側と電気的に結合した状態で連結する連結要素を設け,前記連結要素により,環状を形成していない状態から環状を形成した状態に前記補助アンテナの状態を切り替えられるようにしたことを特徴とする環状RFタグ体。
【請求項2】
前記連結要素を設けた前記補助アンテナとして,一方の端側に差込片を設け他方の端側に差込口を設けた金属製の翼帯を備え,前記補助アンテナとして機能させる前記翼帯と磁界結合させるために,前記給電アンテナをシールラベル化し,前記給電アンテナの一部または全てが前記翼帯の外側に突出するように前記翼帯に貼り付けたことを特徴とする,請求項
1に記載した環状RFタグ体。
【請求項3】
前記連結要素を設けた前記補助アンテナとして,一方の端側にワイヤー端子を設け他方の端側に前記ワイヤー端子のロック機構を設けた金属製のワイヤーを有する鼻環を備え,前記補助アンテナとして機能させる前記鼻環の前記ワイヤーと磁界結合させるために,前記給電アンテナを前記ロック機構に内蔵させたことを特徴とする,請求項
1に記載した環状RFタグ体。
【請求項4】
一か所を分離させた前記補助アンテナの形状をなしている帯状導体と,シート材を介して前記帯状導体と対向するように配置した前記給電アンテナを備え,環状を形成するときに端側を重ねる重ね部を一方の端側に設けたシールラベルの構成にしたことを特徴とする,請求項
1に記載した環状RFタグ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,無線による個体識別で使用するRFタグに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来,動物などの生き物の個体識別では,個体識別番号を印字または刻印した個体識別標(例えば,耳標,脚帯や翼帯)が使用されていたが,RFタグが普及したことを受けて,RFタグを使用した無線による生き物の個体識別が行われている(例えば,特許文献1)。
【0003】
生き物の個体識別に使用する様々なRFタグが既に開示されている。牛や豚などの家畜の耳に装着する耳標に係る従来のRFタグはネームタグの態様をなしており,ネームタグのプレート部分にアンテナやICチップを内蔵させている(例えば,特許文献2,3)。また,鶏の脚に装着する脚帯(脚環とも言う)に係る従来のRFタグは,鶏の脚と脚帯の間に通して装着する結束バンドの態様をなしている(例えば,特許文献4)。また,鶏の翼に装着する翼帯に係るRFタグは,羽に引っ掛る鉤爪突起を設けた帯状輪体から吊下げた取付け片に取付けられた態様をなしている(例えば,特許文献5)。更に,ペットなどの動物の体内に埋め込んで装着する従来のRFタグは,ICチップとアンテナを実装したシート状のインレットを樹脂性の可撓性素材からなる棒材の外周に貼付し,その上から樹脂性の生体親和性素材からなるカバーで覆った態様をなしている(例えば,特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-336338号公報
【文献】特開平7-306265号公報
【文献】特開2010-187610号公報
【文献】実用新案登録第3156087号公報
【文献】特開2009-72166号公報
【文献】特開2008-43302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脚帯や翼帯など個体識別標は生き物に巻いて利用するものが多いが,生き物の個体識別に使用する従来のRFタグは,アンテナを生き物に巻くことを前提に設計されていなかった。そこで,本発明は,アンテナを生き物に巻くことを前提に設計したRFタグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する第1発明は,生き物に巻かれた状態で環状を形成する補助アンテナと,環状を形成した前記補助アンテナと磁界結合する位置に配置されICチップと接続している環状の給電アンテナを備え,前記補助アンテナの周長を動作周波数の波長以下とし,前記給電アンテナの周長に対する前記補助アンテナの周長の比を3倍から10倍未満にし,一か所を分離させた前記補助アンテナの少なくとも一方の端側に,他方の端側と電気的に結合した状態で連結する連結要素を設け,前記連結要素により,環状を形成していない状態から環状を形成した状態に前記補助アンテナの状態を切り替えられるようにしたことを特徴とする環状RFタグ体である。第1発明に係る環状RFタグ体は,補助アンテナを生き物に巻くことを前提に設計されている。更に,第1発明は,生き物に巻き易くするため,環状を形成していない状態から環状を形成した状態に前記補助アンテナの状態を切り替えられるように設計されている。
【0008】
更に,第2発明は,第1発明に記載した環状RFタグ体において,前記連結要素を設けた前記補助アンテナとして,一方の端側に差込片を設け他方の端側に差込口を設けた金属製の翼帯を備え,前記補助アンテナとして機能させる前記翼帯と磁界結合させるために,前記給電アンテナをシールラベル化し,前記給電アンテナの一部または全てが前記翼帯の外側に突出するように前記翼帯に貼り付けたことを特徴とする。第2発明は,第1発明に記載した環状RFタグ体を翼帯に適用した発明である。
【0009】
更に,第3発明は,第1発明に記載した環状RFタグ体において,前記連結要素を設けた前記補助アンテナとして,一方の端側にワイヤー端子を設け他方の端側に前記ワイヤー端子のロック機構を設けた金属製のワイヤーを有する鼻環を備え,前記補助アンテナとして機能させる前記鼻環の前記ワイヤーと磁界結合させるために,前記給電アンテナを前記ロック機構に内蔵させたことを特徴とする。第3発明は,第1発明に記載した環状RFタグ体を鼻環に適用した発明である。
【0010】
更に,第4発明は,第1発明に記載した環状RFタグ体において,一か所を分離させた前記補助アンテナの形状をなしている帯状導体と,シート材を介して前記帯状導体と対向するように配置した前記給電アンテナを備え,環状を形成するときに端側を重ねる重ね部を一方の端側に設けたシールラベルの構成にしたことを特徴とする。第4発明は,プラスチック製の個体識別標に貼ることができるように,第1発明に記載した環状RFタグ体をシールラベル化した発明である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る環状RFタグ体は,生き物の巻いた状態で動作するように, ループアンテナの原理を利用して設計されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1態様に係る環状RFタグ体を説明する図。
【
図3】第2態様に係る環状RFタグ体を説明する図。
【
図4】第3態様に係る環状RFタグ体を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここから,本発明に係る実施形態について記載する。本実施形態は,本発明の理解を容易にするためのものであり,本発明は,本実施形態に限定されるものではない。また,特に断りのない限り,図面は,本発明の理解を容易にするために描かれた模式的な図である。
【0014】
図1は,本実施形態に係る環状RFタグ体1の基本構成を説明する図である。本実施形態に係る環状RFタグ体1は,環状RFタグ体1そのものを動物などの生き物に巻くことを前提として,ループアンテナの原理を適用したUHF帯のRFタグで,生き物に巻かれた状態で環状を形成する補助アンテナ10と,環状を形成した補助アンテナ10と磁界結合する位置に配置されICチップ110と接続している環状の給電アンテナ11(カップリングアンテナ)を備えている。
【0015】
環状になっている補助アンテナ10は,リーダライタが発する電波(電磁波)を受信するアンテナ素子になり,給電アンテナ11は,環状の補助アンテナ10と電磁結合し,環状の補助アンテナ10が発生する磁界を利用してICチップ110に供給する高周波の電力を発生するアンテナ素子になる。なお,電波の受信効率を高めるため,補助アンテナ10は線状ではなく帯状になっている。
【0016】
ループアンテナの原理からすると,RFタグとして実用上の支障が起きない範囲で,補助アンテナ10の周長は,環状RFタグ体1が利用する動作周波数の波長以下になり,給電アンテナ11の周長は,補助アンテナ10の周長より短くなる。本実施形態では,給電アンテナ11の周長に対する補助アンテナ10の周長の比は3倍から10倍未満が好適で,これは,補助アンテナ10の周長が,給電アンテナ11の周長の3倍から10倍未満であることを意味している。
【0017】
動物などの生き物に巻いた状態で取り付けることを前提にしている都合上,
図1で図示した補助アンテナ10は,生き物に巻く前は環状を形成していないことが望ましい。そこで,
図1では,一か所を分離させた補助アンテナ10の少なくとも一方の端側に,他方の端側と電気的に結合した状態で連結する連結要素101を補助アンテナ10に設け,連結要素101により,環状を形成していない状態から環状を形成した状態に補助アンテナ10の状態を切り替えられるようにしている。
【0018】
ICチップ110と接続している給電アンテナ11は,環状を形成した補助アンテナ10と磁界結合する位置に配置することが必要になるが,補助アンテナ10を生き物に巻く都合上,補助アンテナ10を生き物に巻くときの邪魔にならないように給電アンテナ11の配置位置を決定することも必要である。
図1では,環状を形成した補助アンテナ10の内側に生き物の部位(例えば,脚)があることを想定し,環状を形成した補助アンテナ10の淵の近傍に給電アンテナ11を配置している。
【0019】
本実施形態に係る環状RFタグ体1の具体的な態様は,環状RFタグ体1を適用する個体識別標で変わるため,ここから,本実施形態に係る環状RFタグ体1の具体的な態様についていくつか例示する。
【0020】
環状RFタグ体1に係る第1態様は,環状RFタグ体1を適用する個体識別標を,鳥5aの羽に巻く金属製の翼帯20とした態様である。
図2は,第1態様に係る環状RFタグ体2を説明する図で,
図2(a)では,第1態様に係る環状RFタグ体2の外観を図示し,
図2(b)では,給電アンテナの構造を図示し,そして,
図2(c)では,鳥5aに巻いた状態の第1態様に係る環状RFタグ体2を図示している。
【0021】
図2(a)で図示したように,第1態様に係る環状RFタグ体2は,連結要素101を設けた補助アンテナ10として,一方の端側に差込片201を設け他方の端側に差込口202を設けた金属製の翼帯20を備え,補助アンテナ10として機能させる翼帯20と磁界結合させるために,給電アンテナ21をシールラベル化し,給電アンテナ21を実装したシールラベル21aを,給電アンテナ21の一部が翼帯20から突出するように翼帯20に貼り付けた構造になっている。
【0022】
図2(a)に図示したように,鳥5aの羽に巻き付ける金属製の翼帯20は,略長方形の金属板で,翼帯20の端側に設けられ差込片201と差込口202が連結要素101として機能する。
【0023】
図2(b)で図示したように,給電アンテナ21をシールラベル化したシールラベル21aは,表面になる表面シート212と,表面シート212の裏面に積層した第1粘着層213と,給電アンテナ21とこれと接合するICチップ210を少なくとも実装したインレイシート211と,インレイシート211の裏面側に積層した第2粘着層214を順に積層させた構成になっている。
図2(b)おいて,シールラベル21aを翼帯20に貼り付けるための粘着層は第2粘着層214になる。インレイシート211の裏面全面に設けなくても,翼帯20に貼り付けるシールラベル21aの部分にのみ第2粘着層214を設けておくことができる。また,表面シート212やインレイシート211は,翼帯20から突出した部分が容易に折れ曲がられない程度の剛性を有している。
【0024】
図2(c)で図示したように,第1態様に係る環状RFタグ体2は,鳥5aの翼に翼帯20を巻いた後,翼帯20の一方の端側に設けられた差込片201を,翼帯20の他方の端側に設けられた差込口202に挿入することで鳥5aの翼に取りけられる。翼帯20は金属製であるため,差込口202に挿入した差込片201の先端を折るなどして差込片201を差込口202に係止すると,差込片201と差込口202が接触して翼帯20の両端は接点結合し,かつ,翼帯20の形状は環状を形成する。
【0025】
図1では,給電アンテナ11の環状面と補助アンテナ10の環状面は平行になっているが,給電アンテナ11の環状面が,補助アンテナ10の環状面に対して垂直になっていても,給電アンテナ11は,補助アンテナ10が発生する磁界を受信することができるため,第1態様に係る環状RFタグ体2では,シールラベル21aを,給電アンテナ21の一部が突出するように翼帯20に貼り付けている。
【0026】
環状RFタグ体1に係る第2態様は,環状RFタグ体1を適用する個体識別標を,牛5bの鼻に巻く鼻環30aとした態様である。
図3は,第2態様に係る環状RFタグ体3を説明する図で,
図3(a)では,第2態様に係る環状RFタグ体3の外観を図示し,
図3(b)では,第2態様に係る環状RFタグ体3におけるロック機構302を図示し,そして,
図3(c)では,牛5bに巻いた状態の第2態様に係る環状RFタグ体3を図示している。
【0027】
図3(a)で図示したように,第2態様に係る環状RFタグ体3は,連結要素101を設けた補助アンテナ10として,一方の端側にワイヤー端子301を設け他方の端側にワイヤー端子301のロック機構302を設けた金属製のワイヤー30を有する鼻環を備え,補助アンテナ10として機能させる鼻環30aのワイヤー30と磁界結合させるために,給電アンテナ21をロック機構302に内蔵させた構成になっている。
【0028】
図3(b)に図示したように,ロック機構302は,ワイヤー端子301が挿入される金属製の差込口302aを有し,差込口302aは,ワイヤー端子301と反対側になるワイヤー30の端と電気的に接続しており,第2態様に係る環状RFタグ体3では,ワイヤー端子301とロック機構302が連結要素101として機能する。差込口302aに挿入されたワイヤー端子301をロックする仕組みは任意に決定できるが,
図3(b)では,差込口302aに差し込まれたワイヤー端子301のロックにネジ302bを利用している。
【0029】
図3(c)で図示したように,第2態様に係る環状RFタグ体3は,牛5bの鼻孔に開けた孔にワイヤー端子301を通し,孔を通したワイヤー端子301をロック機構302の差込口302aに差し込んでロックすることで,巻いた状態で牛5bの鼻孔に取り付けられる。ワイヤー端子301をロック機構302の差込口302aに挿入して係止すると,ワイヤー端子301とロック機構302の差込口302aが接触してワイヤー30の両端が接点接合し,かつ,ワイヤー30は環状を形成する。
【0030】
第2態様に係る環状RFタグ体3では,補助アンテナ10として機能させる鼻環30aのワイヤー30と磁界結合させるため,ワイヤー30が形成した環状の外側に給電アンテナ31の一部またはすべてが突出するように,ICチップ310を接続させた給電アンテナ31をロック機構302に内蔵させている。
【0031】
環状RFタグ体1に係る第3態様は,環状RFタグ体1をシールラベル化した態様である。
図4は,第3態様に係る環状RFタグ体4を説明する図で,
図4(a)では,第3態様に係る環状RFタグ体4の外観を図示し,
図4(b)では,第3態様に係る環状RFタグ体4の構造を図示し,
図4(c)では,脚帯5dに巻いた状態の第3態様に係る環状RFタグ体4を図示している。
【0032】
図4(a)で図示したように,第3態様に係る環状RFタグ体4は,一か所を分離させた補助アンテナ10の形状をなしている帯状導体40と,シート材を介して帯状導体40と対向するように配置しICチップ410が接続している給電アンテナ41を備え,環状を形成するときに端側を重ねる重ね部48を一方の端側に設けたシールラベルの構成になっている。
【0033】
第3態様に係る環状RFタグ体4は,動物に装着した非金属製(プラスチック製)の個体識別標の上に巻いて利用される。
図4(a)に図示したように,第3態様に係る環状RFタグ体4の形状は長方形で,長手方向の長さを個体識別標の周方向の長さよりも長くすることで,環状を形成するときに端側を重ねる重ね部48を一方の端側((
図4(a)では,右側)に設けている。また,一か所で分離させた補助アンテナ10の形状をなしている帯状導体40は,第3態様に係る環状RFタグ体4の長手方向に延設している。
【0034】
図4(b)で図示したように,第3態様に係る環状RFタグ体4は,第3態様に係る環状RFタグ体4の表面になる表面シート44と,表面シート44の裏面全面に積層した第1粘着層45と,給電アンテナ41とこれと接合するICチップ410を少なくとも実装したインレイシート42と,インレイシート42の裏面全面に積層した第2粘着層43と,帯状導体40を少なくとも実装した裏面シート46と,裏面シート46の裏面側に積層した第3粘着層47を順に積層させた構造になっている。なお,第3態様に係る環状RFタグ体4では,第3粘着層47が個体識別標に貼り付けるための粘着層になる。
【0035】
図4(c)では,第3態様に係る環状RFタグ体4を巻く非金属製の個体識別標を鳥5cの脚に巻くプラスチック製の脚帯5dとし,第3態様に係る環状RFタグ体4を,重ね部48を反対側の端側と重ねた状態で脚帯5dの上に巻くことで,第3態様に係る環状RFタグ体4は環状を形成している。また,重ね部が48重なっている箇所に実装されている帯状導体40はシート材(インレイシート42と裏面シート46)を少なくとも挟んで対向してコンデンサを形成するため,第3態様に係る環状RFタグ体4の両端は容量接合する。
【0036】
また,第3態様に係る環状RFタグ体4では,環状を形成した帯状導体40と磁界結合させるため,帯状導体40の外側に給電アンテナ41の一部が突出するように,インレイシート42と第2粘着層43を挟んで帯状導体40と対向させた状で給電アンテナ41を配置している。
【符号の説明】
【0037】
1 環状RFタグ体
10 補助アンテナ
101 連結要素
11 給電アンテナ
110 ICチップ
2 第1態様に係る環状RFタグ体
20 翼帯
201 差込片
202 差込口
21a シールラベル
21 給電アンテナ
210 ICチップ
3 第2態様に係る環状RFタグ体
30a 鼻環
30 ワイヤー
301 ワイヤー端子
302 ロック機構
302a 差込口
4 第3態様に係る環状RFタグ体
40 帯状導体
41 給電アンテナ
410 ICチップ
42 インレイシート
46 裏面シート