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特許7188175表示システムの制御方法、表示システム及び表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】表示システムの制御方法、表示システム及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20221206BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20221206BHJP
   G09G 5/34 20060101ALI20221206BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20221206BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20221206BHJP
   H04N 21/462 20110101ALI20221206BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
G09G5/00 510X
G09G5/00 555A
G09G5/14 A
G09G5/34 R
H04N7/18 A
H04N21/436
H04N21/462
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019031326
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020134850
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】昇 達彦
【審査官】道祖土 新吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-036470(JP,A)
【文献】特開2004-350227(JP,A)
【文献】特開2008-151860(JP,A)
【文献】特開2015-194982(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0188274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
H04N 21/436
H04N 21/462
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムの制御方法であって、
前記第1端末から、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、
前記第2端末から、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、
前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御することを特徴とする表示システムの制御方法。
【請求項2】
前記表示装置は、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御する請求項1に記載の表示システムの制御方法。
【請求項3】
前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれは、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことを特徴とする請求項2に記載の表示システムの制御方法。
【請求項4】
前記表示装置は、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成し、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示システムの制御方法。
【請求項5】
前記表示装置は、ユーザーの操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び前記第2画像を移動させることを特徴とする請求項4に記載の表示システムの制御方法。
【請求項6】
第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムであって、
前記第1端末は、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、
前記第2端末は、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、
前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御することを特徴とする表示システム。
【請求項7】
画面に画像を表示する表示機器と、
第1端末から送信され、第1画像を表す第1伝送データと、第2端末から送信され、第2画像を表す第2伝送データとを受信する通信インターフェイスと、
前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する制御回路と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記制御回路は、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記通信インターフェイスを介して前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記通信インターフェイスを介して前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、表示システムの制御方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の端末から受信した複数の画像データをメモリーに書き込み、メモリーから読みだした画像を表示する多地点間通信装置において、受信能力を各端末に伝える技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-18846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術において、端末の数が増加すると、通信トラフィックの増大によりネットワークの帯域が逼迫し、表示される画像の質が低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様は、第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムの制御方法であって、前記第1端末から、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、前記第2端末から、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する表示システムの制御方法である。
【0006】
第2態様は、第1態様において、前記表示装置が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0007】
第3態様は、第2態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0008】
第4態様は、第1乃至第3態様の何れかにおいて、前記表示装置が、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成し、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0009】
第5態様は、第4態様において、前記表示装置が、ユーザーの操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び前記第2画像を移動させることである。
【0010】
第6態様は、第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムであって、前記第1端末は、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、前記第2端末は、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する表示システムである。
【0011】
第7態様は、第6態様において、前記表示装置が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0012】
第8態様は、第7態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0013】
第9態様は、第6乃至第8態様の何れかにおいて、前記表示装置が、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成し、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0014】
第10態様は、第9態様において、前記表示装置が、ユーザーの操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び前記第2画像を移動させることである。
【0015】
第11態様は、画面に画像を表示する表示機器と、第1端末から送信され、第1画像を表す第1伝送データと、第2端末から送信され、第2画像を表す第2伝送データとを受信する通信インターフェイスと、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する制御回路とを備える表示装置である。
【0016】
第12態様は、第11態様において、前記制御回路が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記通信インターフェイスを介して前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記通信インターフェイスを介して前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0017】
第13態様は、第12態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0018】
第14態様は、第11乃至第13態様において、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成する画像生成回路を更に備え、前記表示機器が、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0019】
第15態様は、第14態様において、ユーザーによる操作を受け付ける入力機器を更に備え、前記制御回路が、前記操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び第2画像を移動させることである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る表示システムを説明する模式図。
図2】実施形態に係る表示システムの構成を説明するブロック図。
図3】仮想的な統合画像の一例を説明する図。
図4】表示装置の動作を説明するフローチャート。
図5】表示装置によるパラメーター決定方法を説明するフローチャート。
図6】端末の動作を説明するフローチャート。
図7】実施形態の変形例における仮想的な統合画像の一例を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面においては同一又は類似の要素には同一又は類似の符号をそれぞれ付して、重複する説明を省略する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのシステム、このシステムに用いられる装置や方法を例示するものである。本発明の技術的思想は、各装置の種類及び構成、ネットワークトポロジー、一連の処理等を下記のものに特定するものでない。本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとも限らない。
【0022】
[表示システム]
図1に示すように、本実施形態に係る表示システムは、複数の端末10-1,10-2,……,10-nと、画面30に画像31を表示する表示装置20とを備える。複数の端末10-1~10-nは、例えば、第1端末10-1、第2端末10-2及び第n端末10-nから構成される。図1において、図示された複数の端末10-1~10-nの数は3であるが、複数の端末10-1~10-nの数は2であってもよく、4以上であってもよい。即ち、nは2以上の整数である。
【0023】
複数の端末10-1~10-nは、画像データを表示装置20に送信する機能を有する任意の機器である。複数の端末10-1~10-nのそれぞれは、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォン、カメラ、ムービープレイヤー、テレビチューナー、ゲーム機等である。図1に示すように、本実施形態において、複数の端末10-1~10-nのそれぞれを、互いに同様の構成を有するノートパソコンとして例示的に説明する。
【0024】
表示装置20は、複数の端末10-1~10-nのそれぞれから取得する画像データに応じて、画面30に画像31を表示する。表示装置20は、例えば、プロジェクター、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ装置等である。図1に示すように、本実施形態において、表示装置20を、画面30に光を投射することにより画像31を表示するプロジェクターとして例示的に説明する。
【0025】
図2に示すように、第k端末10-kは、例えば、画像生成部11と、表示器12と、符号化回路13と、処理回路14と、ネットワークインターフェイス(I/F)15とを備える。第k端末10-kは、複数の端末10-1~10-nのうちの何れか1つの端末である。即ち、kは1以上n以下の整数である。図2において、複数の端末10-1~10-nのうち第k端末10-kのみが示されるように、複数の端末10-1~10-nに関して代表として第k端末10-kについて説明する。第1端末10-1、第2端末10-2等の他の端末の説明は、序数kを1以上n以下の整数に置き換えた第k端末10-kの説明と等価である。
【0026】
第k端末10-kの画像生成部11は、処理回路14による制御に応じて、圧縮前の第k画像を表す第k生画像データを生成する回路である。処理回路14は、第k画像を特定する情報を画像生成部11に出力する。画像生成部11は、例えば、レンダリングエンジン、グラフィックスメモリー等を備え得る。表示器12は、画像生成部11により生成された第k生画像データに応じて第k画像を表示する。表示器12として、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイが採用され得る。
【0027】
符号化回路13は、処理回路14による制御に応じて、画像生成部11により生成された第k生画像データを符号化することにより第k伝送データを生成する。例えば、符号化回路13は、例えばJPEG等の規格に基づく圧縮方式で、フレームレートとして指定されたタイミングで第k生画像データを周期的に圧縮することにより第k伝送データを生成する。符号化回路13は、第k伝送データから表される第k画像が、処理回路14により設定されるパラメーターを有するように、第k生画像データに対して情報源符号化を実行する。
【0028】
処理回路14は、例えば、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを、符号化回路13による符号化のパラメーターとして設定する。符号化のパラメーターは、符号化後の第k伝送データから表される第k画像の画質を定義する指標である。フレームレートが大きくなる程画質は向上し、フレームレートが小さくなる程画質は悪化する。解像度が大きくなる程画質は向上し、解像度が小さくなる程画質は低下する。圧縮率が大きくなる程画質は低下し、圧縮率が小さくなる程画質は向上する。本実施形態において、符号化後の第k画像の画質は、例えば符号化前と第k画像との類似度として定義され、第k伝送データのサイズに相関する。なお、処理回路14により設定されるパラメーターは、表示装置20において決定される。
【0029】
処理回路14は、例えば、中央演算処理装置(CPU)等からなる処理装置と、半導体メモリー等からなる記憶装置とを備える。処理回路14は、第k端末10-kの動作に必要な演算を処理する。処理回路14は、例えば記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、実施形態に記載された各機能を実現する。処理回路14の記憶装置は、例えば、第k端末10-kの動作に必要な一連の処理のプログラムや各種データを記憶する。処理回路14及び符号化回路13は、一体のハードウェアから構成されてもよく、別個の複数のハードウェアから構成されてもよい。
【0030】
ネットワークI/F15は、表示装置20との間に通信リンクを確立することにより、表示装置20と通信可能に接続される。ネットワークI/F15は、符号化回路13により符号化された第k伝送データを、通信リンクを介して表示装置20に送信する。ネットワークI/F15と表示装置20との間の通信リンクは、有線、無線を問わず、有線及び無線の組み合わせであってもよい。即ち、ネットワークI/F15は、表示装置20に直接的に接続されてもよく、他の通信装置を介して表示装置20に間接的に接続されてもよい。ネットワークI/F15は、例えば、無線信号を送受信するアンテナ、通信用ケーブルのプラグが差し込まれるレセプタクル、通信リンクにおいて伝送される信号を処理する通信回路等を含み得る。
【0031】
表示装置20は、例えば、通信I/F21と、復号化回路22と、制御回路23と、画像生成回路24と、メモリー25と、表示機器26と、入力機器27とを備える。通信I/F21は、複数の端末10-1~10-nのそれぞれから送信された伝送データを受信する。通信I/F21は、制御回路23による制御に応じて、複数の端末10-1~10-nのそれぞれのネットワークI/F15との間に通信リンクを確立する。通信I/F21は、例えば、無線信号を送受信するアンテナ、通信用ケーブルのプラグが差し込まれるレセプタクル、通信リンクにおいて伝送される信号を処理する通信回路等を含み得る。
【0032】
通信I/F21は、制御回路23において決定されたパラメーターを含む第k情報を第k端末10-kに送信する。第k情報は、符号化後の第k画像の画質を定義するパラメーターを含む。第k情報は、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含む。通信I/F21は、第k端末10-kから送信された第k伝送データを受信する。復号化回路22は、通信I/F21により受信された第k伝送データを復号化することにより、復号化された第k画像を表す第k画像データを生成する。
【0033】
制御回路23は、例えば、CPU等からなる処理部231と、半導体メモリー等からなる記憶部232とを備える。処理部231は、表示装置20の動作に必要な演算を処理する、コンピューターの処理装置を構成する。処理部231は、例えば記憶部232に記憶されたプログラムを実行することにより、実施形態に記載された各機能を実現する。記憶部232は、例えば、表示装置20の動作に必要な一連の処理のプログラムや各種データを記憶する、コンピューターにより読み取り可能な記憶媒体である。記憶部232は、不揮発性の補助記憶装置に限るものでなく、CPUに内蔵されるレジスター等の揮発性の主記憶装置を含み得る。制御回路23は、一体のハードウェアから構成されてもよく、別個の複数のハードウェアから構成されてもよい。
【0034】
画像生成回路24は、制御回路23による制御に応じて、復号化回路22において復号化された第k画像データと、制御回路23により生成された画像データとから、統合画像データを生成する。統合画像データは、第k画像をプレビュー画像として画面30に表示するための画像データである。画像生成回路24は、制御回路23を構成する回路として兼用されてもよい。制御回路23により生成される画像データは、例えば画面30におけるカーソル、メニュー、背景等を構成し、オンスクリーンディスプレイ(OSD)として実現され得る。
【0035】
メモリー25は、例えばビデオランダムアクセスメモリー(VRAM)等のグラフィックスメモリーからなる。メモリー25は、画像生成回路24により生成された統合画像データを循環的に記憶する。メモリー25は、記憶する統合画像データのうち、表示機器26により表示される表示領域の画像データを、表示機器26に逐次出力する。メモリー25は、例えば、表示領域の画像データが更新される毎に、更新された表示領域の画像データを表示機器26に出力する。
【0036】
表示機器26は、例えば、複数の画素を有する液晶パネル等の表示素子と、光源、レンズ、ミラー等の光学系とを備える。表示素子は、メモリー25から入力された表示領域の画像データに応じて、光源から発せられた光を変調する。表示機器26は、表示素子を経由した光を、光学系を用いて画面30に投射することにより、表示領域の画像データにより表される画像31を画面30に表示する。
【0037】
例えば、通信I/F21は、第1画像を示す第1伝送データを第1端末10-1から受信し、第2画像を示す第2伝送データを第2端末10-2から受信する。このとき、表示機器26は、第1伝送データに基づいて第1画像を画面30に表示し、第2伝送データに基づいて第2画像を画面30に表示しない。
【0038】
この場合、制御回路23は、第1伝送データが第2伝送データより大きな通信量を有するように、第1端末10-1及び第2端末10-2の少なくとも何れかを制御する。例えば、制御回路23は、第1画像の画質を定義する第1情報を通信I/F21を介して第1端末10-1に送信し、第2画像の画質を定義する第2情報を通信I/F21を介して第2端末10-2に送信することにより、第1端末10-1及び第2端末10-2を制御する。画像生成回路24は、第1伝送データ及び第2伝送データに基づいて、ずれた位置にマッピングされた第1画像及び第2画像を表す統合画像データを生成する。表示機器26は、統合画像データに基づいて、画面30に第1画像を表示する。
【0039】
入力機器27は、ユーザーによる操作を受け付け、ユーザーによる操作に応じた信号を制御回路23に出力する。入力機器27として、例えば、プッシュボタン、タッチセンサー、キーボード等の他、マウス、タッチパネル、デジタイザー、測距センサー等を用いたポインティングデバイス等、種々の入力機器が採用可能である。ユーザーは、入力機器27を用いて、画面30に表示された画像31をスクロールしたり、画像31に含まれる複数の項目から任意の項目を選択したりする等、画像31に対する種々の操作を行うことができる。例えば、入力機器27は、ユーザーのスクロール操作に応じて、統合画像データにおいて互いにずれた位置にマッピングされた第1画像及び第2画像を、表示領域41と相対的に移動させる。
【0040】
図3に示すように、画像生成回路24により生成される統合画像データは、実際にはメモリー25のアドレス空間において定義される、仮想的な統合画像40として説明可能である。統合画像40は、画面30に対応して実際に画面30に表示される表示領域41と、表示領域41にそれぞれ隣接する第1バッファー領域421及び第2バッファー領域422とを有する。第1バッファー領域421及び第2バッファー領域422は、画面30には表示されないダミー領域である。図3に示す例において、第1バッファー領域421、表示領域41及び第2バッファー領域422は、上方から順に垂直に配列される。なお、統合画像データは、複数のレイヤーから構成されてもよく、1つのレイヤーから構成されてもよい。
【0041】
図3に示す例において、表示領域41は、2×4のマトリクス状に配列された8つのプレビュー領域V11~V14,V21~V24を有する。第1バッファー領域421は、水平方向に1列に配列された4つの候補領域I11~I14を有する。第2バッファー領域422は、水平方向に1列に配列された4つの候補領域I21~I24を有する。8つのプレビュー領域V11~V14,V21~V24及び8つの候補領域I11~I14,I21~I24は、4×4のマトリクス状に配列される。プレビュー領域V11~V14,V21~V24及び候補領域I11~I14,I21~I24のそれぞれには、複数の端末10-1~10-nに含まれる16の各端末から取得される16の画像が、16のプレビュー画像として互いにずれた位置に1つずつマッピングされる。即ち、図3に示す例は、表示装置20に接続された複数の端末10-1~10-nの数であるnが16以上であることを意味する。
【0042】
例えば、第k画像が表示領域41にプレビュー画像としてマッピングされる場合、第k端末10-kは、表示装置20において決定された基準のパラメーターを用いて第k生画像データを符号化することにより第k伝送データを生成する。即ち、第k伝送データに基づいて表示領域41にマッピングされる第k画像は、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターについて、予め定められた基準値を有する。
【0043】
制御回路23は、例えば、表示領域41にマッピングされる端末の数に応じて、基準のパラメーターを決定する。即ち、基準のパラメーターは、画面30に表示されるプレビュー画像の数が大きくなる程、画質が低下するように決定される。このとき、制御回路23は、画面30に表示されるプレビュー画像の数に上限値を設定し得る。これにより、制御回路23は、画面30に表示されるプレビュー画像が視認可能であることを確保できる。制御回路23は、統合画像40にマッピングされる端末の数に応じて、基準のパラメーターを決定してもよく、表示領域41にマッピングされるプレビュー画像の解像度に下限値を設定してもよい。なお、基準のパラメーターとして、解像度を画面に表示されるプレビュー画像の解像度に設定することにより、画像生成回路24における解像度変換による処理負荷を低減することができる。
【0044】
第k画像が第1バッファー領域421又は第2バッファー領域422にマッピングされる場合、第k端末10-kは、基準のパラメーターを用いた場合と比べて、符号化後の第k伝送データのサイズが小さくなるパラメーターを用いて第k生画像データを符号化する。第k伝送データに基づいて第1バッファー領域421又は第2バッファー領域422にマッピングされる第k画像は、基準のパラメーターと比べて、画質が低下する、即ちデータサイズが小さくなるパラメーターを有する。この場合、第k画像は、例えば表示領域41にマッピングされるプレビュー画像より低いフレームレート及び解像度を有する。
【0045】
第k画像が表示領域41にマッピングされ、且つ入力機器27により選択される場合、第k端末10-kは、基準のパラメーターを用いた場合と比べて、符号化後の第k伝送データのサイズが大きくなるパラメーターを用いて第k生画像データを符号化する。この場合、第k画像は、基準のパラメーターと比べて画質が向上する、即ちデータサイズが大きくなるパラメーターを有する。図3に示すように、第k画像は、プレビュー領域V12にマッピングされ、且つ入力機器27により選択される場合、例えば画面30において他のプレビュー画像より高いフレームレート及び解像度を有することにより強調表示される。加えて、選択された第k画像は、画面30におけるサイズの拡大、周縁部の変色、他の視覚効果等により強調表示されてもよい。
【0046】
第k画像が統合画像40にマッピングされない場合、第k端末10-kは、第k生画像データを符号化せず、第k伝送データを表示装置20に送信しない。
【0047】
制御回路23は、第k画像の表示状態、即ち、統合画像データにおける第k画像の位置に応じて、第k画像の画質を定義するパラメーターを含む第k情報を決定し、第k端末10-kに送信することにより、第k伝送データのサイズ、即ち第k伝送データの通信量を変更する。第k端末10-kは、第k情報に含まれるパラメーターを用いて、第k生画像データを符号化することにより第k伝送データを生成する。複数の端末10-1~10-nのそれぞれに対して決定されるパラメーターの種類は、互いに同一であり得る。これにより、表示装置20は、各伝送データの通信量、即ちデータサイズが上述の大小関係を有するように複数の端末10-1~10-nを制御することができる。
【0048】
図3の状態において、画面30には、プレビュー領域V11~V14,V21~V24にそれぞれマッピングされた8つのプレビュー画像を含む画像31が表示される。入力機器27により、画像31が図3の状態から1行上にスクロールされると、候補領域I11~I14にマッピングされていた4つのプレビュー画像と、プレビュー領域V11~V14にマッピングされていた4つのプレビュー画像とは、新たに表示領域41にマッピングされ、画面30に表示される。図3の状態において、メモリー25は、候補領域I11~I14にマッピングされる4つのプレビュー画像の画像データを予め記憶している。このため、表示装置20は、スクロールアップ時のプレビュー画像の変更による遅延時間を低減することができ、画像31のスクロールをスムーズに行うことができる。
【0049】
同様に、画像31が図3の状態から1行下にスクロールされると、画面30には、プレビュー領域V21~V24にマッピングされていた4つのプレビュー画像と、候補領域I21~I24にマッピングされていた4つのプレビュー画像とが表示される。この直前において、メモリー25は、候補領域I21~I24にマッピングされる4つのプレビュー画像の画像データを予め記憶している。このため、表示装置20は、画面30におけるプレビュー画像の変更による遅延時間を低減することができ、画像31のスクロールをスムーズに行うことができる。
【0050】
[表示システムの制御方法]
図4図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係る表示システムの制御方法として、複数の端末10-1~10-n及び表示装置20の動作の一例を説明する。
【0051】
{表示装置の動作}
先ず、図4のフローチャートを参照して、表示装置20の動作の一例を説明する。ステップS101において、通信I/F21は、制御回路23による制御に応じて、複数の端末10-1~10-nのそれぞれとの間の通信リンクを確立する。具体的には、通信I/F21は、複数の端末10-1~10-nの各ネットワークI/F15と所定のプロトコルで協働することにより、各通信リンクを確立する。
【0052】
ステップS102において、制御回路23は、統合画像40の初期状態を決定する。例えば、制御回路23は、予めインストールされたプログラムを実行することにより、複数の端末10-1~10-nのうちプレビュー画像を統合画像40にマッピングされる端末や、統合画像40におけるプレビュー画像の配列等を決定する。制御回路23は、例えば、各端末10-1~10-nに対応する識別子を、プレビュー領域V11~V14,V21~V24及び候補領域I11~I14,I21~I24に所定の順序でマッピングすることにより初期状態を決定し得る。
【0053】
ステップS103において、制御回路23は、複数の端末10-1~10-nのそれぞれに対応するプレビュー画像の画質を定義するパラメーターを決定する。制御回路23は、決定したパラメーターをそれぞれ含み、複数の端末10-1~10-nにそれぞれ対応する複数の第1~第n情報を生成する。
【0054】
ステップS104において、制御回路23は、ステップS103で生成した情報を、対応する各端末10-1~10-nに宛てて送信する。即ち、制御回路23は、第k画像の画質を定義するパラメーターを含む第k情報を、通信I/F21を介して、第k端末10-kに送信する。ステップS104で送信された情報は、各端末10-1~10-nにおいて受信される。第k画像がプレビュー画像として統合画像40に含まれる場合、第k端末10-kは、第k情報に含まれるパラメーターを用いて符号化された第k伝送データを、表示装置20に送信する。
【0055】
ステップS105において、通信I/F21は、ステップS104で送信した情報に応じて各端末から送信された伝送データを受信する。即ち、第k画像がプレビュー画像として統合画像40に含まれる場合、通信I/F21は、第k情報に含まれるパラメーターを用いて符号化され、第k端末10-kから送信された第k伝送データを受信する。
【0056】
ステップS106において、復号化回路22は、ステップS105で通信I/F21が受信した伝送データを復号化することにより、画像データを生成する。即ち、復号化回路22は、第k端末10-kから送信された第k伝送データを復号化することにより、復号化された第k画像を表す第k画像データを取得する。
【0057】
ステップS107において、画像生成回路24は、ステップS106で取得された複数の画像データから、統合画像データを生成する。統合画像データは、制御回路23により生成された画像データを含んでもよい。初回のステップS107では、画像生成回路24は、ステップS102において決定された初期状態の統合画像40を表す統合画像データを生成する。なお、次回以降のステップS107では、画像生成回路24は、入力機器27を用いた画像31に対する操作に応じて、統合画像データを変更し得る。
【0058】
ステップS108において、表示機器26は、ステップS107で生成された統合画像データのうち、表示領域41に相当する画像データにより表される画像31を画面30に表示する。これにより、表示機器26は、初回のステップS108において、複数の端末10-1~10-nのそれぞれに表示される画像を選択的に画面30に表示するプレビュー表示を開始する。
【0059】
ステップS109において、制御回路23は、画面30に表示された画像31を変更する操作が、入力機器27により行われたか否かを判定する。制御回路23は、操作が行われたと判定する場合、ステップS110に処理を進め、操作が行われていないと判定する場合、ステップS111に処理を進める。画像31を変更する操作は、入力機器27により行われる操作に限るものでなく、制御回路23により自動的に行われてもよい。
【0060】
ステップS110において、制御回路23は、ステップS109の操作に応じて、生成する統合画像データを変更するように画像生成回路24を制御する。画像生成回路24は、制御回路23による制御に応じて、統合画像データを変更することにより、操作に応じてスクロールする画像31を生成したり、強調表示されたプレビュー画像を生成したりする。よって、メモリー25の内容が変更され、画面30に表示される画像31が変更される。制御回路23は、ステップS110で画像生成回路24を制御すると、ステップS103に処理を戻す。
【0061】
ステップS111において、制御回路23は、表示機器26によるプレビュー表示を終了するか否かを判定する。例えば、制御回路23は、画面30に表示され、且つ入力機器27により選択されるプレビュー画像に対して、入力機器27により決定する操作が行われた場合、プレビュー表示を終了すると判定する。例えば、決定する操作が行われたプレビュー画像が第k画像の場合、制御回路23は、プレビュー画像より高画質の第k画像を画面30に拡大表示する。制御回路23は、プレビュー表示を終了すると判定する場合、処理を終了し、プレビュー表示を終了しないと判定する場合、ステップS105に処理を戻す。
【0062】
{第1~第n情報の決定}
次に、図5のフローチャートを参照して、図4のフローチャートに示す一連の処理のうちステップS103の処理の詳細の一例として、複数の端末10-1~10-nにそれぞれ送信する第1~第n情報を決定する方法について説明する。
【0063】
ステップS21において、制御回路23は、複数の端末10-1~10-nのうち何れかである第k端末10-kから取得される第k画像が、統合画像40に含まれる画像か否かを判定する。制御回路23は、第k画像が統合画像40に含まれる場合、ステップS22に処理を進め、第k画像が統合画像40に含まれない場合、ステップS23に処理を進める。
【0064】
ステップS22において、制御回路23は、第k画像が表示領域41に含まれるか否かを判定する。制御回路23は、第k画像が表示領域41に含まれる場合、ステップS24に処理を進める。制御回路23は、第k画像が表示領域に含まれない場合、即ち、第k画像が第1バッファー領域421又は第2バッファー領域422に含まれる場合、ステップS25に処理を進める。
【0065】
ステップS23において、制御回路23は、第k伝送データの通信量が0となるように、即ち、第k端末10-kが第k伝送データを表示装置20に送信しないように、第k情報を決定する。この場合、第k情報は、フレームレートや解像度が0となるパラメーターや、第k伝送データの送信を停止する命令等を含み得る。制御回路23は、ステップS23で第k情報を決定すると、ステップS28に処理を進める。
【0066】
ステップS24において、制御回路23は、表示領域41に含まれる第k画像が入力機器27により選択されているか否かを判定する。制御回路23は、第k画像が選択されている場合、ステップS26に処理を進め、第k画像が選択されていない場合、ステップS27に処理を進める。
【0067】
ステップS25において、制御回路23は、第1バッファー領域421又は第2バッファー領域422に含まれる第k画像を表す第k伝送データの通信量が、表示領域41に含まれるプレビュー画像の通信量より小さくなるように第k情報を決定する。即ち、第k情報は、表示領域41のプレビュー画像と同一内容の場合の第k画像が、表示領域41のプレビュー画像よりも低い画質を有するように決定される。制御回路23は、ステップS25で第k情報を決定すると、ステップS28に処理を進める。
【0068】
ステップS26において、制御回路23は、表示領域41に含まれ、且つ入力機器27により選択された第k画像を表す第k伝送データの通信量が、表示領域41に含まれる他のプレビュー画像の通信量より大きくなるように第k情報を決定する。即ち、第k情報は、表示領域41の他のプレビュー画像と同一内容の場合の第k画像が、表示領域41の他のプレビュー画像よりも高い画質を有するように決定される。制御回路23は、ステップS26で第k情報を決定すると、ステップS28に処理を進める。
【0069】
ステップS27において、制御回路23は、表示領域41に含まれ、且つ入力機器27により選択されていない第k画像を表す第k伝送データの通信量が基準値となるように第k情報を決定する。即ち、第k情報は、第k画像の画質が基準値を有するように決定される。制御回路23は、ステップS27で第k情報を決定すると、ステップS28に処理を進める。
【0070】
ステップS28において、制御回路23は、全ての第1~第n情報の決定が終了したか否かを判定する。制御回路23は、決定が終了したと判定する場合、処理を終了し、決定が終了しないと判定する場合、ステップS21に処理を戻す。制御回路23は、例えば、初回のステップS21においてkを1に設定し、ステップS21毎にkをインクリメントし、kがnに到達するまで決定が終了していないと判定する。
【0071】
{端末の動作}
次に、図6のフローチャートを参照し、複数の端末10-1~10-nのうち、統合画像データにマッピングされた第k画像に対応する第k端末10-kの動作の一例について説明する。
【0072】
ステップS31において、第k端末10-kのネットワークI/F15は、処理回路14による制御に応じて、表示装置20の通信I/F21と協働することにより、表示装置20との間に通信リンクを確立する。
【0073】
ステップS32において、処理回路14は、ネットワークI/F15が表示装置20から受信した第k情報に含まれるパラメーターを取得したか否かを判定する。処理回路14は、パラメーターを取得した場合、ステップS33に処理を進め、パラメーターを取得しない場合、ステップS34に処理を進める。
【0074】
ステップS33において、処理回路14は、ステップS32で取得したパラメーターを符号化回路13における符号化に用いるパラメーターとして設定する。パラメーターは、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含む。
【0075】
ステップS34において、符号化回路13は、予め設定されたパラメーターを用いて第k生画像データを符号化することにより、第k伝送データを生成する。例えば、符号化回路13は、ステップS32でパラメーターが取得されている場合、ステップS33で設定されたパラメーターを用いて第k生画像データを符号化し、ステップS32でパラメーターが取得されていない場合、予め定められた初期パラメーターを用いて第k生画像データを符号化する。
【0076】
ステップS35において、通信I/F21は、処理回路14による制御に応じて、ステップS34で生成された第k伝送データを表示装置20に宛てて送信する。以上のように、第k端末10-kは、表示装置20による制御に応じて、第k伝送データの通信量を変更し得る。表示装置20は、受信した第k伝送データに基づいて画面30にプレビュー画像を表示する。
【0077】
ステップS36において、処理回路14は、プレビュー表示のための第k伝送データの送信を終了するか否かを判定する。処理回路14は、第k伝送データの送信を終了する場合、処理を終了し、第k伝送データの送信を終了しない場合、ステップS32に処理を戻す。
【0078】
例えば、ステップS102で第1画像が表示領域41にマッピングされ、第2画像が第1バッファー領域421にマッピングされる状況は、第1画像は画面30に表示され、第2画像は画面30に表示されないことを意味する。このとき、画面30に表示されるプレビュー画像の優先度は、表示されないプレビュー画像より高いため、制御回路23は、第1伝送データが第2伝送データより大きな通信量を有するように、第1端末10-1及び第2端末10-2の少なくとも何れかを制御する。例えば、表示装置20は、第2端末10-2のみに第2情報を送信してもよい。この場合、第2情報に含まれるパラメーターは、第2伝送データの通信量が、第1端末10-1において定められた初期パラメーターにより生成された第1伝送データの通信量より小さくなるように決定される。このように、制御回路23は、伝送データの通信量が予め設定された優先度と相関するように各端末を制御することにより、帯域の使用効率を向上することができる。
【0079】
また、画面30に表示された第1画像及び第3画像のうち、第1画像のみが入力機器27により選択される場合、第1画像の優先度は、第3画像より高い。このため、制御回路23は、第1伝送データが第3伝送データより大きな通信量を有するように、第1端末10-1及び第3端末10-3の少なくとも何れかを制御する。
【0080】
また、第2画像が第1バッファー領域421又は第2バッファー領域422にマッピングされ、第4画像が統合画像データにマッピングされない場合、第2画像の優先度は第4画像より高い。このため、制御回路23は、第2伝送データが第4伝送データより大きな通信量を有するように、第2端末10-2及び第4端末10-4の少なくとも何れかを制御する。具体的には、制御回路23は、第4伝送データの通信量を0に変更し得る。このように、第k画像が統合画像データにマッピングされない場合、制御回路23は、第k伝送データの送信を停止する命令を第k端末10-kに送信する。
【0081】
以上のように、本実施形態に係る表示システムは、統合画像データにマッピングされない端末の伝送データを停止させることにより、ネットワークにおける帯域の使用効率を向上することができる。また、プレビュー画像の表示状態に応じて、伝送データの通信量を変更することにより、帯域の使用効率を更に向上するとともに、プレビュー画像の画質を向上することができる。更に、表示システムは、画像31をスクロールする場面において、画面30におけるプレビュー画像の変更による遅延時間を低減することができ、画像31のスクロールをスムーズに行うことができる。
【0082】
[変形例]
図7に示すように、本実施形態の変形例に係る表示システムにおいて、統合画像40aは、表示領域41、第1バッファー領域421及び第2バッファー領域422に加えて、第3バッファー領域431及び第4バッファー領域432を有する。統合画像40aは、画像生成回路24により逐次生成され、メモリー25に循環的に記憶される統合画像データにより表される。図7に示す例において、第3バッファー領域431、第1バッファー領域421、表示領域41、第2バッファー領域422及び第4バッファー領域432は、上方から順に垂直に配列される。第3バッファー領域431は、水平方向に1列に配列された4つの候補領域I31~I34を有する。第4バッファー領域432は、水平方向に1列に配列された4つの候補領域I41~I44を有する。
【0083】
第k画像が第3バッファー領域431又は第4バッファー領域432にマッピングされる場合、第k端末10-kは、第1バッファー領域421及び第2バッファー領域422にマッピングされる場合と比べて小さな通信量を有する第k伝送データを表示装置20に送信する。即ち、例えば第3バッファー領域431にマッピングされたプレビュー画像は、第1バッファー領域421にマッピングされたプレビュー画像よりも低い画質を有する。このように、統合画像40aにおいて表示領域41に隣接する領域を、表示領域41からの距離で区分することにより、多段のバッファー領域を構成することができる。これにより、画像31をスクロールする速度を向上し、画面30におけるプレビュー画像の変更による遅延時間を更に低減することができる。
【0084】
[他の実施形態]
以上のように実施形態を説明したが、本発明はこれらの開示に限定されるものではない。各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成に置換されてよく、また、本発明の技術的範囲内において、各実施形態における任意の構成が省略されたり追加されたりしてもよい。このように、これらの開示から当業者には様々な代替の実施形態が明らかになる。
【0085】
例えば、既に述べた実施形態において、入力機器27によるスクロール方向は、垂直方向に限るものでなく、水平方向であってもよく、斜め方向であってもよい。即ち、表示領域41に隣接する領域は、統合画像40の何れの辺において隣接してもよい。
【0086】
その他、上述の各構成を相互に応用した構成等、本発明は以上に記載しない様々な実施形態を含むことは勿論である。本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0087】
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を、各態様として記載する。
【0088】
第1態様は、第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムの制御方法であって、前記第1端末から、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、前記第2端末から、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する表示システムの制御方法である。
【0089】
第1態様によれば、端末の数に対して、ネットワークの帯域の使用効率を向上することができるため、画面に表示する画像の画質を向上することができる。
【0090】
第2態様は、第1態様において、前記表示装置が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0091】
第2態様によれば、第1情報及び第2情報を送信することにより各端末に対して第1画像及び第2画像の画質を定義することができる。このため、表示装置は、予め第2画像を取得して第2画像を表示する際にスムーズに表示することができる。
【0092】
第3態様は、第2態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0093】
第3態様によれば、第1情報及び第2情報のそれぞれが、画質を定義するパラメーターを含むことにより、第1伝送データ及び第2伝送データの通信量を変更することが実現可能となる。
【0094】
第4態様は、第1乃至第3態様の何れかにおいて、前記表示装置が、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成し、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0095】
第4態様によれば、表示装置が統合画像データを予め生成することにより、第1画像及び第2画像を表示領域に相対的に移動する際に、スムーズに画面の表示を変更することができる。
【0096】
第5態様は、第4態様において、前記表示装置が、ユーザーの操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び前記第2画像を移動させることである。
【0097】
第5態様によれば、表示装置がユーザーの操作を受け付けることにより、ユーザーの操作に応じてスムーズに画面の表示を変更することが実現可能となる。
【0098】
第6態様は、第1端末、第2端末、及び、画面に画像を表示する表示装置を備える表示システムであって、前記第1端末は、第1画像を表す第1伝送データを前記表示装置に送信し、前記第2端末は、第2画像を表す第2伝送データを前記表示装置に送信し、前記表示装置は、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する表示システムである。
【0099】
第6態様によれば、端末の数に対して、ネットワークの帯域の使用効率を向上することにより、画面に表示する画像の画質を向上することができる。
【0100】
第7態様は、第6態様において、前記表示装置が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0101】
第7態様によれば、第1情報及び第2情報を送信することにより各端末に対して第1画像及び第2画像の画質を定義することができる。このため、表示装置は、予め第2画像を取得して第2画像を表示する際にスムーズに表示することができる。
【0102】
第8態様は、第7態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0103】
第8態様によれば、第1情報及び第2情報のそれぞれが、画質を定義するパラメーターを含むことにより、第1伝送データ及び第2伝送データの通信量を変更することが実現可能となる。
【0104】
第9態様は、第6乃至第8態様の何れかにおいて、前記表示装置が、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成し、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0105】
第9態様によれば、表示装置が統合画像データを予め生成することにより、第1画像及び第2画像を表示領域に相対的に移動する際に、スムーズに画面の表示を変更することができる。
【0106】
第10態様は、第9態様において、前記表示装置が、ユーザーの操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び前記第2画像を移動させることである。
【0107】
第10態様によれば、表示装置がユーザーの操作を受け付けることにより、ユーザーの操作に応じてスムーズに画面の表示を変更することが実現可能となる。
【0108】
第11態様は、画面に画像を表示する表示機器と、第1端末から送信され、第1画像を表す第1伝送データと、第2端末から送信され、第2画像を表す第2伝送データとを受信する通信インターフェイスと、前記第1伝送データに基づいて前記第1画像を前記画面に表示し、且つ前記第2伝送データに基づいて前記第2画像を前記画面に表示しない場合において、前記第1伝送データが前記第2伝送データより大きな通信量を有するように、前記第1端末及び前記第2端末の少なくとも何れかを制御する制御回路とを備える表示装置である。
【0109】
第11態様によれば、端末の数に対して、ネットワークの帯域の使用効率を向上することができるため、画面に表示する画像の画質を向上することができる。
【0110】
第12態様は、第11態様において、前記制御回路が、前記第1画像の画質を定義する第1情報を前記通信インターフェイスを介して前記第1端末に送信し、前記第2画像の画質を定義する第2情報を前記通信インターフェイスを介して前記第2端末に送信することにより、前記第1端末及び前記第2端末を制御することである。
【0111】
第12態様によれば、第1情報及び第2情報を送信することにより各端末に対して第1画像及び第2画像の画質を定義することができる。このため、表示機器は、予め第2画像を取得して第2画像を表示する際にスムーズに表示することができる。
【0112】
第13態様は、第12態様において、前記第1情報及び前記第2情報のそれぞれが、フレームレート、解像度及び圧縮率の3種類のパラメーターのうち少なくとも何れか1種類のパラメーターを含むことである。
【0113】
第13態様によれば、第1情報及び第2情報のそれぞれが、画質を定義するパラメーターを含むことにより、第1伝送データ及び第2伝送データの通信量を変更することが実現可能となる。
【0114】
第14態様は、第11乃至第13態様において、前記画面に対応して表示される表示領域を一部に定義され、互いにずれた位置にマッピングされた前記第1画像及び前記第2画像を表す統合画像データを、前記第1伝送データ及び前記第2伝送データに基づいて生成する画像生成回路を更に備え、前記表示機器が、前記統合画像データに基づいて、前記第1画像を前記画面に表示することである。
【0115】
第14態様によれば、統合画像データを予め生成することにより、第1画像及び第2画像を表示領域に相対的に移動する際に、スムーズに画面の表示を変更することができる。
【0116】
第15態様は、第14態様において、ユーザーによる操作を受け付ける入力機器を更に備え、前記制御回路が、前記操作に応じて前記表示領域と相対的に前記第1画像及び第2画像を移動させることである。
【0117】
第15態様によれば、表示装置がユーザーの操作を受け付けることにより、ユーザーの操作に応じてスムーズに画面の表示を変更することが実現可能となる。
【符号の説明】
【0118】
10-1…第1端末、10-2…第2端末、10-k…第k端末、10-n…第n端末、11…画像生成部、12…表示器、13…符号化回路、14…処理回路、15…ネットワークI/F、20…表示装置、21…通信I/F、22…復号化回路、23…制御回路、24…画像生成回路、25…メモリー、26…表示機器、27…入力機器、30…画面、31…画像、40,40a…統合画像、41…表示領域、231…処理部、232…記憶部、421…第1バッファー領域、422…第2バッファー領域、431…第3バッファー領域、432…第4バッファー領域、I11~I14,I21~I24,I31~I34,I41~I44…候補領域、V11~V14,V21~V24…プレビュー領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7