(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】組付装置
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B23P21/00 303C
(21)【出願番号】P 2019035682
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 拓
(72)【発明者】
【氏名】本山 基彰
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-203344(JP,A)
【文献】実開昭64-017764(JP,U)
【文献】実公平07-031941(JP,Y2)
【文献】特開2006-043855(JP,A)
【文献】実公平07-015704(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 21/00
B62D 65/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備
え、
前記一連の工程は、前記ベアリングキャップに識別情報を付するマーキング工程、および、前記ベアリングキャップに付された前記識別情報を撮像する撮像工程を含み、
前記マーキング工程を実行する工程実行部および前記撮像工程を実行する工程実行部は、同一の組付位置に置かれた前記ベアリングキャップに対して、前記マーキング工程および前記撮像工程を実行する、
組付装置。
【請求項2】
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程、および、前記組付位置に潤滑油を塗布する塗布工程を含み、
前記供給工程を実行する工程実行部および前記塗布工程を実行する工程実行部は、同一の組付位置に置かれた前記ベアリングキャップに対して、前記供給工程および前記塗布工程を実行する、
組付装置。
【請求項3】
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程を含み、
前記供給工程は、前記供給工程を実行する工程実行部が、前記締結部材が搬出される予め定められた搬出位置と予め定められた前記組付位置との間を往復移動する、移動工程を含み、
前記往復移動の移動方向は、前記予め定められた方向と同じ方向である、
組付装置。
【請求項4】
前記複数の工程実行部は、前記ベアリングキャップの取付面に対向して配置されている、
請求項1
から3のいずれか一項に記載の組付装置。
【請求項5】
前記複数の組付位置のそれぞれに別々の前記ベアリングキャップが置かれた状態で前記ワークを固定して支持する固定台と、
前記複数の工程実行部および前記移動部を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の工程実行部が、それぞれ対応する工程を、前記別々のベアリングキャップに対して、同時に、かつ、予め定められたインターバルを空けて連続的に、実行するように、前記複数の工程実行部を制御するとともに、前記インターバルの間に、前記ユニットを、前記予め定められた方向に移動するように、前記移動部を制御する、
請求項
1から4のいずれか一項に記載の組付装置。
【請求項6】
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記複数の組付位置のそれぞれに別々の前記ベアリングキャップが置かれた状態で前記ワークを固定して支持する固定台と、
前記複数の工程実行部および前記移動部を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の工程実行部が、それぞれ対応する工程を、前記別々のベアリングキャップに対して、同時に、かつ、予め定められたインターバルを空けて連続的に、実行するように、前記複数の工程実行部を制御するとともに、前記インターバルの間に、前記ユニットを、前記予め定められた方向に移動するように、前記移動部を制御する、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程を含み、
前記供給工程は、前記供給工程を実行する工程実行部が、前記締結部材が搬出される予め定められた搬出位置と予め定められた前記組付位置との間を往復移動する、移動工程を含み、
前記往復移動の移動方向は、前記予め定められた方向と同じ方向であり、
前記制御部は、
前記移動工程を前記インターバルの間に実行するよう、前記移動部を制御する、
組付装置。
【請求項7】
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程を含み、
前記供給工程は、前記供給工程を実行する工程実行部が、前記締結部材が搬出される予め定められた搬出位置と予め定められた前記組付位置との間を往復移動する、移動工程を含み、
前記往復移動の移動方向は、前記予め定められた方向と同じ方向であり、
前記制御部は、
前記移動工程を前記インターバルの間に実行するよう、前記移動部を制御する、
請求項
5に記載の組付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、内燃機関のシリンダーブロックに対してクランクシャフトを支持するため、シリンダーブロックにベアリングキャップをボルトによって組み付ける技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
シリンダーブロックに対してクランクシャフトを支持する前に、ベアリングキャップは、シリンダーブロックに組み付けられた状態で加工される。
【0004】
ベアリングキャップをシリンダーブロックに組み付ける場合、次の工程を経ている。先ず、シリンダーブロックにベアリングキャップを仮置きする(第1工程)、次に、ベアリングキャップにおけるボルト座面との接触面(ボルト接触面)にオイルを塗布する(第2工程)、次に、ベアリングキャップのボルト孔にボルトを挿入する(第3工程)、次に、ボルトを締め付ける(第4工程)、次に、ベアリングキャップに識別情報を刻印する(第5工程)、次に、識別情報の正誤判定を行う(第6工程)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ベアリングキャップを組み付ける際の自動化においては、上記の1または2つの工程を自動化する場合が一般的であった。3つ以上の工程を自動化する場合、組付装置が大型化し、また、広い設置スペースが必要になるという問題点があった。
【0007】
本開示の目的は、小型化および省スペース化することが可能な組付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本開示における組付装置は、
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記一連の工程は、前記ベアリングキャップに識別情報を付するマーキング工程、および、前記ベアリングキャップに付された前記識別情報を撮像する撮像工程を含み、
前記マーキング工程を実行する工程実行部および前記撮像工程を実行する工程実行部は、同一の組付位置に置かれた前記ベアリングキャップに対して、前記マーキング工程および前記撮像工程を実行する。
本開示における組付装置は、
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程、および、前記組付位置に潤滑油を塗布する塗布工程を含み、
前記供給工程を実行する工程実行部および前記塗布工程を実行する工程実行部は、同一の組付位置に置かれた前記ベアリングキャップに対して、前記供給工程および前記塗布工程を実行する。
本開示における組付装置は、
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程を含み、
前記供給工程は、前記供給工程を実行する工程実行部が、前記締結部材が搬出される予め定められた搬出位置と予め定められた前記組付位置との間を往復移動する、移動工程を含み、
前記往復移動の移動方向は、前記予め定められた方向と同じ方向である。
本開示における組付装置は、
シリンダーブロックまたはシリンダーヘッドをワークとし、前記ワークにおいて予め定められた方向に等ピッチで配置される複数の組付位置のそれぞれにベアリングキャップを、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置であって、
前記一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部を一組として備え、前記複数の工程実行部が前記複数の組付位置に対応して、前記予め定められた方向に前記一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、
前記複数の工程実行部の実行状態に応じて、前記ユニットを、前記予め定められた方向に前記ワークに対して相対移動する移動部と、
を備え、
前記複数の組付位置のそれぞれに別々の前記ベアリングキャップが置かれた状態で前記ワークを固定して支持する固定台と、
前記複数の工程実行部および前記移動部を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記複数の工程実行部が、それぞれ対応する工程を、前記別々のベアリングキャップに対して、同時に、かつ、予め定められたインターバルを空けて連続的に、実行するように、前記複数の工程実行部を制御するとともに、前記インターバルの間に、前記ユニットを、前記予め定められた方向に移動するように、前記移動部を制御する、
前記一連の工程は、前記組付位置に締結部材を供給する供給工程を含み、
前記供給工程は、前記供給工程を実行する工程実行部が、前記締結部材が搬出される予め定められた搬出位置と予め定められた前記組付位置との間を往復移動する、移動工程を含み、
前記往復移動の移動方向は、前記予め定められた方向と同じ方向であり、
前記制御部は、
前記移動工程を前記インターバルの間に実行するよう、前記移動部を制御する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、組付装置を小型化および省スペース化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態における組付装置の一例を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態における組付装置の一例を概略的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図4】
図4は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図5】
図5は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図6】
図6は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図7】
図7は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図8】
図8は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図9】
図9は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施の形態の変形例における組付装置の一例を概略的に示す正面図である。
【
図11】
図11は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図12】
図12は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図13】
図13は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図14】
図14は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図15】
図15は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【
図16】
図16は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施の形態における組付装置の一例を概略的に示す平面図である。
図1には、X軸が描かれている。
図1における左右方向をX方向又は水平方向といい、右方向を「+X方向」、左方向を「-X方向」という。
【0012】
図2は、本開示の実施の形態における組付装置の一例を概略的に示す正面図である。
図1に示すように、組付装置100は、シリンダーブロック(以下、ワークという)においてX方向に等ピッチPwで配置される複数の組付位置にベアリングキャップ(以下、部品という)を、予め定められた一連の工程により組み付ける。なお、部品Cは、ボルトB(締結部材)によりワークWに締結される。
図1には、シリンダーブロックが倒立状態で描かれている。また、部品Cを締結するためのボルトBが破線で描かれている。
【0013】
組付装置100は、
図1および
図2に示すように、固定台1と、ガイドレール2と、ボルト搬出装置3と、複数の工程実行部10と、移動部20と、制御装置30とを備える。
【0014】
固定部1は、ワークWを固定する。具体的に、固定部1には
図1に示すように、ワークWの複数の組付位置P1,P2,P3,P4,P5には、部品Cがそれぞれ仮置きされている。
【0015】
ガイドレール2は、
図2に示すように、X方向に延在している。ガイドレール2は、スライダー21をX方向に案内する。
【0016】
ボルト搬出装置3は、
図1に示すように、固定台1より-X方向に配置されている。ボルト搬出装置3は、搬出ステージ3aを有する。ボルト搬出装置3は、搬出ステージ3a上にボルトBを2列の状態で整列させるとともに、固定台1に最も近い先頭のボルトBを予め定められた搬出位置に送り出す。
図1に示すように、2列の間隔Lbは、部品Cを締結するための2つのボルトBの間隔Lcと同じである。なお、搬出位置は、ボルト供給部12(後述する)が搬出ステージ3aからボルトBを取り込むときの位置である。
【0017】
複数の工程実行部10は、予め定められた一連の工程を分担して実行する。複数の工程実行部10は、一連の工程順に並んでスライダー21に装着されている。組付装置100は、複数の工程実行部10として、油塗布器11、ボルト供給部12、ナットランナー13、エアペン刻印機14及び撮像装置15を備える。
図1には、塗りつぶし模様を相互に異ならせることで複数種類の工程実行部10を描いている。なお、油塗布器11、ボルト供給部12、ナットランナー13、エアペン刻印機14及び撮像装置15を、それぞれ「工程実行部」という場合がある。
【0018】
複数の工程実行部10は、複数の組付位置に対応して配置されている。ここで、「工程実行部が複数の組付位置に対応して配置される」とは、工程実行部が複数の組付位置に置かれた部品Cに対して工程実行部自身の工程を実行可能な位置に配置されることを意味する。例えば、本実施の形態では、複数の工程実行部10は、ピッチPwと等しいピッチPtで配置されている。具体的には、複数の工程実行部10は、部品C(ベアリングキャップ)の取付面に対向して配置されている。
図1に示すように、部品Cを2つのボルトBで締結するため、複数の工程実行部10は、2列に配列されている。2列の間隔Ltは、部品Cを締結するための2つのボルトBの間隔Lcと同じである。
【0019】
油塗布器11は、部品Cの取付面としてのボルト接触面C1に潤滑油D(エンジンオイル、
図2を参照)を塗布する(塗布工程)。具体的には、油塗布器11は、潤滑油Dを所定の液量になるまで微少量ずつボルト接触面C1に滴下する。ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布することで、ボルト接触面C1の粗度の影響を受けることなく、所定のトルクでボルトBを締め付けることが可能となる。なお、ボルト接触面C1の位置は、本開示の「組付位置」に対応する。
【0020】
ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(供給工程)。具体的には、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1の中央に設けられたボルト孔にボルトBを入れる。ボルト供給部12には、公知の手段が用いられる。具体的には、ボルト供給部12は、スライダー21の移動により、搬出ステージ3aの搬出位置とボルト接触面C1の位置(組付位置)との間を往復移動する(移動工程)。つまり、供給工程には、移動工程が含まれる。ボルト供給部12は、
図1に示す位置から-X方向に移動し、搬送位置にあるボルトBを取り込み、+X方向に移動して、ボルト接触面C1の位置にボルトBを供給する。移動工程における往復移動の移動方向は、複数の組付位置が配置される方向と同じX方向である。
【0021】
ナットランナー13は、ボルト供給部12によってボルト接触面C1に供給されたボルトBを締め付ける(締結工程)。ナットランナー13には、公知の手段が用いられる。具体的には、ナットランナー13は、モーター(図示略)の動力を例えば遊星歯車機構により増幅させてボルトBを締め付ける。
【0022】
エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する(マーキング工程)。エアペン刻印機14は、公知の手段が用いられる。具体的には、エアペン刻印機14は、エアーの圧力で振動するペン先を有し、ペン先で部品Cにドットを打つことにより部品Cに識別情報(例えば、ロット番号等)を描くドットマーキング装置である。
【0023】
撮像装置15は、エアペン刻印機14が工程を実行する同じ組付位置に置かれた部品Cに対して撮像装置15自身が分担する工程を実行可能な位置に配置されている。撮像装置15は、被写体(ここでは、部品Cに刻印された識別情報)の画像を取得する(撮像工程)。撮像装置15には公知の手段が用いられる。撮像装置15は、例えば、被写体から出た光を光学系によって撮像素子の受光面に結像させ、受光面における明るさの度合いを電気信号として読み出す。撮像装置15としては、具体的には、CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサーなどが用いられる。
【0024】
移動部20は、スライダー21と、動力部(不図示)と、移動機構(不図示)とを有する。
【0025】
スライダー21は、前述するように、ガイドレール2によって、X方向に案内される。スライダー21には、複数の工程実行部10が装着される。これにより、複数の工程実行部10は、ユニット化される。
【0026】
動力部は、スライダー21を移動する場合の動力源である。動力部には、公知の手段が用いられる。具体的には、動力部には、パルス数と運動量(ここでは、スライダー21の移動量)とが比例するステッピングモーターが用いられる。
【0027】
移動機構は、動力部の動力をスライダー21に伝達する機構である。移動機構には、公知の手段が用いられる。具体的には、移動機構は、動力部により回転するギヤードケーブルと、ギヤードケーブルが正転した場合、ギヤードケーブルの軸に沿って一方向(例えば、-X方向)に螺進し、ギヤードケーブルが逆転した場合、軸に沿って一方向とは反対の方向(例えば、+X方向)に螺進するナットとを有する。スライダー21は、ナットが螺進する場合、ナットと一体的に移動する。
【0028】
制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入力装置、および、出力装置を備える。CPUは、ROMに格納されたプログラムをRAMに展開して、予め定められた制御を実行する。具体的には、制御部30は、撮像装置15により取得された被写体(部品Cに刻印された識別情報)の画像を解析する画像解析部31と、画像解析により解読された識別情報と、記憶部(不図示)に記憶された識別情報とを比較し、部品Cに刻印された識別情報が正しいか否かについて判断する正誤判定部32とを有する。
【0029】
制御装置30は、複数の工程実行部10がそれぞれの分担する工程を別々の部品C(ベアリングキャップ)に対して、同時に、かつ、予め定められたインターバルを空けて連続的に、実行するように工程実行部10を制御する。
【0030】
また、制御装置30は、インターバルの間に、ボルト供給部12が、搬出ステージ3aの搬出位置と予め定められたボルト接触面C1の位置(組付位置)との間を往復移動するように移動部20を制御する。
【0031】
次に、複数の組付位置に部品Cを組み付けるための一連の工程について説明する。なお、一連の工程の中には、ワークWに部品Cを仮置きする工程は含まれない。
【0032】
一連の工程は、部品Cのボルト接触面C1に潤滑油Dの塗布する第1の工程(塗布工程)、ボルトBを搬出ステージ3aの搬出位置から取り込み、ボルト接触面C1の位置に供給する第2の工程(供給工程)、ボルトBを締め付ける第3の工程(締結工程)、部品Cに刻印をする第4の工程(マーキング工程)、部品Cに刻印された識別情報を撮像する第5の工程(撮像工程)を有する。具体的には、各ボルト接触面C1の位置P1,P2,P3,P4,P5(組付位置、
図1を参照)においては、第1工程から第5の工程が順番に実行される。また、ボルト接触面C1の位置P1において第1工程が実行される場合、ボルト接触面C1の位置P2においては、第2工程が実行される。さらに、ボルト接触面C1の位置P3においては、第3工程が実行される。さらに、ボルト接触面C1の位置P4においては、第4工程および第5工程が実行される。
【0033】
制御装置30は、第1の工程(塗布工程)が実行される場合、油塗布器11がボルト接触面C1の位置(組付位置)に位置するように移動部20を制御するとともに、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。
【0034】
制御装置30は、第2の工程(供給工程)が実行される場合、ボルト供給部12がボルト接触面C1の位置に供給する制御を実行する。また、制御装置30は、インターバルの間にボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置とボルト接触面C1の位置との間を往復移動するように移動部20を制御する。
【0035】
制御装置30は、第3の工程(締結工程)が実行される場合、所定のトルクでボルトBを締め付けるようにナットランナー13を制御する。
【0036】
制御装置30は、第4の工程が(マーキング工程)実行される場合、部品Cに識別情報を刻印するようにエアペン刻印機14を制御する。
【0037】
制御装置30は、第5の工程(撮像工程)が実行される場合、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得するように撮像装置15を制御する。
【0038】
次に、複数の組付位置P1,P2,P3,P4,P5に部品Cを組み付けるための一連の工程について
図1から
図9を参照して説明する。
図3から
図9は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。なお、以下の説明で、組付位置P1,P2,P3,P4,P5に対応するボルト接触面C1の位置を、同じ符号を付して示す。
【0039】
先ず、組付位置P1において、油塗布器11は、ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布する(第1の工程、
図2を参照)。具体的には、制御装置30は、油塗布器11がボルト接触面C1の位置P1(組付位置)に位置するように移動部20を制御するとともに、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。
【0040】
次に、組付位置P1において、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(第2の工程)。また、組付位置P2において、油塗布器11は、ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布する第1の工程を実行する(第1の工程、
図3を参照)。
【0041】
具体的には、制御装置30は、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置においてボルトBを取り込み、ボルト接触面C1の位置P1(組付位置)においてボルトBを供給することができるように移動部20を制御する。また、制御装置30は、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。なお、ボルト供給部12が組付位置P1に移動した場合、油塗布器11がボルト接触面C1の位置P2(組付位置)に位置する。
【0042】
組付位置P1における第1の工程の終了から第2の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第1の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。なお、スライダー21は、インターバルの間にX方向に往復移動する。これにより、ボルト供給部12は、搬出ステージ3aの搬送位置からボルト接触面C1の位置P1(組付位置)にボルトBを搬送することができる。
【0043】
次に、組付位置P1において、ナットランナー13は、ボルトBを締め付ける(第3の工程)。組付位置P2において、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(第2の工程)。また、組付位置P3において、油塗布器11は、ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布する(第1の工程、
図4を参照)。
【0044】
具体的には、制御装置30は、組付位置P1におけるボルトBを所定のトルクで締め付けるようにナットランナー13を制御する。また、制御装置30は、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置においてボルトBを取り込み、ボルト接触面C1の位置P2(組付位置)においてボルトBを供給することができるように移動部20を制御する。また、制御装置30は、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。なお、ボルト供給部12が組付位置P2に移動した場合、油塗布器11がボルト接触面C1の位置P3(組付位置)に位置する。
【0045】
組付位置P1における第2の工程の終了から第3の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第2の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0046】
次に、組付位置P1において、エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する(第4の工程)。また、組付位置P1において、撮像装置15は、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得する(第5の工程)。組付位置P2において、ナットランナー13は、ボルトBを締め付ける(第3の工程)。組付位置P3において、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(第2の工程)。また、組付位置P4において、油塗布器11は、ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布する(第1の工程、
図5を参照)。
【0047】
具体的には、制御装置30は、組付位置P1における部品Cに識別情報を刻印するようにエアペン刻印機14を制御する。また、制御装置30は、組付位置P1における部品Cに刻印された識別情報を撮像するように撮像装置15を制御する。また、制御装置30は、組付位置P2におけるボルトBを所定のトルクで締め付けるようにナットランナー13を制御する。また、制御装置30は、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置においてボルトBを取り込み、ボルト接触面C1の位置P3(組付位置)においてボルトBを供給することができるように移動部20を制御する。また、制御装置30は、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。なお、ボルト供給部12が組付位置P3に移動した場合、油塗布器11がボルト接触面C1の位置P4(組付位置)に位置する。
【0048】
組付位置P1における第3の工程の終了から第4の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第3の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0049】
次に、組付位置P2において、エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する(第4の工程)。また、組付位置P2において、撮像装置15は、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得する(第5の工程)。組付位置P3において、ナットランナー13は、ボルトBを締め付ける(第3の工程)。組付位置P4において、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(第2の工程)。また、組付位置P5において、油塗布器11は、ボルト接触面C1に潤滑油Dを塗布する(第1の工程、
図6を参照)。また、組付位置P1においては、一連の工程を終了している。
【0050】
具体的には、制御装置30は、組付位置P2における部品Cに識別情報を刻印するようにエアペン刻印機14を制御する。制御装置30は、組付位置P2における部品Cに刻印された識別情報を撮像するように撮像装置15を制御する。また、制御装置30は、組付位置P3におけるボルトBを所定のトルクで締め付けるようにナットランナー13を制御する。また、制御装置30は、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置においてボルトBを取り込み、ボルト接触面C1の位置P4(組付位置)においてボルトBを供給することができるように移動部20を制御する。
【0051】
組付位置P2における第3の工程の終了から第4の工程および第5の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第3の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0052】
次に、組付位置P3において、エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する(第4の工程)。また、組付位置P3において、撮像装置15は、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得する(第5の工程)。組付位置P4において、ナットランナー13は、ボルトBを締め付ける(第3の工程)。組付位置P5において、ボルト供給部12は、ボルト接触面C1にボルトBを供給する(第2の工程、
図7を参照)。また、組付位置P1、P2においては、一連の工程を終了している。なお、制御装置30による各工程実行部10の制御は、上述する制御と同様であるため省略する。
【0053】
組付位置P5における第1の工程の終了から第2の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第1の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0054】
次に、組付位置P4において、エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する(第4の工程)。また、組付位置P4において、撮像装置15は、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得する(第5の工程)。組付位置P5において、ナットランナー13は、ボルトBを締め付ける(第3の工程、
図8を参照)。また、組付位置P1からP3においては、一連の工程を終了している。また、制御装置30による各工程実行部10の制御は、上述する制御と同様であるため省略する。
【0055】
組付位置P5における第2の工程の終了から第3の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第2の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0056】
次に、組付位置P5において、エアペン刻印機14は、部品Cに識別情報を刻印する。また、組付位置P5において、撮像装置15は、部品Cに刻印された識別情報の画像を取得する(第5の工程、
図9を参照)。また、組付位置P1からP4においては、一連の工程を終了している。なお、制御装置30による各工程実行部10の制御は、上述する制御と同様であるため省略する。
【0057】
組付位置P5における第3の工程の終了から第4の工程および第5の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第3の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0058】
上記実施の形態における組付装置100によれば、ワークWにおいて予め定められた方向に等ピッチPwで配置される複数の組付位置のそれぞれに部品C(ベアリングキャップ)を、予め定められた一連の工程により組み付ける組付装置100であって、一連の工程を分担して実行する複数の工程実行部10を一組として備え、複数の工程実行部10が複数の組付位置に対応して、予め定められた方向に一連の工程の実行順に並んで配置されている、ユニットと、複数の工程実行部10の実行状態に応じて、ユニットを、X方向に移動する移動部20と、を備える。
【0059】
一連の工程を分担して実行可能な複数の工程実行部10を一つのユニットに組み込み、工程実行部10の実行状態に応じて、複数の工程実行部10をユニット単位で全体的に移動するように構成しているため、組付装置100を小型化することが可能となる。また、組付装置の設定スペースを縮小することが可能となる。
【0060】
また、エアペン刻印機14および撮像装置15は、同一の組付位置に置かれた記部品Cに対して、識別情報の刻印および識別情報の撮像を実行する。これにより、所定方向(実施の形態ではX方向)に組付装置100を小型化することが可能となる。また、複数の組付位置について一連の工程を実行する場合の所要時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0061】
また、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬出位置と組付位置との間を往復移動する場合、往復移動の移動方向は、複数の組付位置が配置されるX方向と同じ方向である。これにより、組付装置100がX方向と直交する方向で嵩張らないため、装置100の小型化を図ることができる。
【0062】
また、ボルト供給部12の往復移動はインターバルの間に行われ、他の工程実行部10はインターバルを空けて連続的にそれぞれの工程を実行する。これにより、一連の工程の中に無駄な時間がないため、一連の工程を実行する場合の所要時間を短縮することができる。
【0063】
また、一連の工程を実行する場合、例えば、組付位置P1における第1の工程の終了から第2の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第1の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。これにより、工程実行部10の無駄な移動がないため、この点からも、複数の組付位置について一連の工程を実行する場合の所要時間の短縮化を図ることができる。
【0064】
なお、上記実施の形態では、ワークWをシリンダーブロックとし、本開示の構成をシリンダーブロックに適用したが、シリンダーヘッドに適用してもよい。シリンダーヘッドに対してカムシャフトを支持するために、シリンダーヘッドにベアリングキャップをボルトによって組み付ける。シリンダーヘッドに対してカムシャフトを支持する前に、ベアリングキャップは、シリンダーヘッドに組み付けられた状態で加工される。
【0065】
次に、本実施の形態の変形例における組付装置100について、
図10から
図16を参照して説明する。
図10は、本開示の実施の形態の変形例における組付装置の一例を概略的に示す正面図である。
図11から
図16は、複数の組付位置において実行される一連の工程を示す図である。変形例の説明において、上記実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同一番号を付してその説明を省略する。
【0066】
上記実施の形態においては、油塗布器11およびボルト供給部12は、別々の組付位置に置かれた記部品Cに対して、それぞれ潤滑油Dを塗布し、また、ボルトBを供給する。これに対して、変形例においては、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置に置かれた記部品Cに対して、それぞれ潤滑油Dを塗布し、また、ボルトBを供給する。
【0067】
図10に示すように、油塗布器11は、ボルト供給部12が工程を実行する同じ組付位置に置かれた部品Cに対して油塗布器11自身が分担する工程を実行可能な位置に配置されている。同じ組付位置に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を同時に実行できるため、複数の組付位置について一連の工程を実行する場合の所要時間が、上記実施の形態における所要時間よりも短縮することが可能となる。
【0068】
図10においては、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置P1に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を実行する。具体的には、制御装置30は、ボルト供給部12が搬出ステージ3aの搬送位置においてボルトBを取り込み、ボルト接触面C1の位置P1(組付位置)においてボルトBを供給することができるように移動部20を制御する。また、制御装置30は、油塗布器11がボルト接触面C1に所定の液量を塗布するように油塗布器11を制御する。なお、油塗布器11およびボルト供給部12は、ボルト供給部12がボルト接触面C1の位置P1(組付位置)に移動した場合、油塗布器11がボルト接触面C1の位置P1に潤滑油Dを塗布可能なように配置される。
【0069】
組付位置P1における第1の工程および第2の工程の終了から次の第1の工程および第2の工程の開始までの間に、少なくともスライダー21は、第1の工程および第2の工程の終了時の位置から+X方向にピッチPwと同じ距離だけ移動する。
【0070】
図11に示すように、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置P2に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を実行する。また、
図12に示すように、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置P3に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を実行する。また、
図13に示すように、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置P4に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を実行する。また、
図14に示すように、油塗布器11およびボルト供給部12は、同じ組付位置P5に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を実行する。
【0071】
また、
図15に示すように、組付位置P5に置かれた部品Cに対して、ボルトBを締め付ける工程(第3の工程)が実行される。また、組付位置P4に置かれた部品Cに対して、識別情報を刻印する工程が実行される(第4の工程)。また、組付位置P4に置かれた部品Cに対して、識別情報を撮像する工程が実行される(第5の工程)。なお、組付位置P1からP3においては、一連の工程を終了している。
【0072】
図16に示すように、組付位置P5に置かれた部品Cに対して、識別情報を刻印する工程が実行される(第4の工程)。また、組付位置P5に置かれた部品Cに対して、識別情報を撮像する工程が実行される(第5の工程)。なお、組付位置P1からP4においては、一連の工程を終了している。
【0073】
上記の変形例においては、同じ組付位置に置かれた部品Cに対して、第1の工程および第2の工程を同時に実行できるため、複数の組付位置について一連の工程を実行する場合の所要時間が、上記実施の形態における所要時間よりも短縮することが可能となる。
【0074】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示は、小型化および省スペース化することが要求される組付装置を備えた製造ラインに好適に利用される。
【符号の説明】
【0076】
B ボルト
C 部品
C1 ボルト接触面
W ワーク
1 固定台
2 ガイドレール
3 ボルト搬出装置
10 工程実行部
11 油塗布器
12 ボルト供給部
13 ナットランナー
14 エアペン刻印機
15 撮像装置
20 移動部
21 スライダー
30 制御装置
31 画像解析部
32 正誤判定部
100 組付装置