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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221206BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221206BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221206BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221206BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20221206BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N1/00 519
G03G21/16 133
G03G15/00 107
B41J2/01 301
B41J29/00 T
B41J29/13
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019054932
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020156035
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】宮本 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】玉井 健介
(72)【発明者】
【氏名】高林 和典
(72)【発明者】
【氏名】岡澤 善行
(72)【発明者】
【氏名】永井 良和
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-146996(JP,A)
【文献】特開2008-107386(JP,A)
【文献】特開2010-019996(JP,A)
【文献】特開2014-034191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/16
G03G 15/00
B41J 2/01
B41J 29/00
B41J 29/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録を行う記録部と、
前記記録部を内部に備える筐体と、
原稿を載置する原稿台及び前記原稿台に載置された原稿を読み取る読み取り手段を備えるとともに前記筐体に対して回動可能に設けられ、回動することにより前記筐体の上部を開閉可能なスキャナーユニットと、
前記スキャナーユニットの自由端に設けられ、第1姿勢と、前記第1姿勢よりも前記原稿台に対して平行に近い姿勢である第2姿勢との間でチルト可能なパネルユニットと、
前記スキャナーユニットが前記筐体に対して閉じた閉状態から開く方向に回動することを規制する規制状態と、前記スキャナーユニットが前記閉状態から開く方向に回動することを許容する回動許容状態と、を切り換え可能であり、前記パネルユニットを前記第1姿勢にすることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットを前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトさせることで前記規制状態となる規制手段と、
前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢に保持する姿勢保持状態と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルト可能にするチルト可能状態と、を切り換え可能であり、前記スキャナーユニットを前記閉状態にすることで前記チルト可能状態となり、前記スキャナーユニットを前記閉状態から開く方向に回動させることで前記姿勢保持状態となる姿勢保持手段と、を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、
前記規制手段は、前記パネルユニットに設けられ、前記パネルユニットの回動に追従して変位するフック部と、前記筐体に設けられ、前記フック部が掛かることで前記スキャナーユニットの前記筐体に対する回動を規制する規制部と、を備え、
前記パネルユニットが前記第1姿勢である場合に前記フック部が前記規制部から外れることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットが前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトすることで前記フック部が前記規制部に掛かって前記規制状態となる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の記録装置において、
前記筐体及び前記スキャナーユニットのいずれか一方に設けられ、弾性変形可能な受け入れ部と、前記受け入れ部が設けられない前記筐体及び前記スキャナーユニットのいずれか一方に設けられ、前記受け入れ部を弾性変形させつつ当該受け入れ部に受け入れられる被受け入れ部と、を備え、前記スキャナーユニットが前記閉状態である場合に前記受け入れ部に前記被受け入れ部が受け入れられることで、前記パネルユニットを前記第1姿勢からチルトさせる力に抗して前記スキャナーユニットの前記閉状態を保持するスキャナー保持手段を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記姿勢保持手段は、
前記パネルユニットに設けられる凹部と、
前記スキャナーユニットに対して回動させることで前記凹部に対して挿抜可能な凸部を備える回動部材と、
前記回動部材を、前記凸部が前記凹部に挿入される方向に押圧する押圧部材と、
前記筐体に設けられ、前記スキャナーユニットが閉じた状態で前記回動部材と接触可能な接触部と、を備え、
前記スキャナーユニットが開いた状態の場合に、前記押圧部材の押圧力により前記凸部が前記凹部に挿入されて、前記パネルユニットが前記姿勢保持状態となり、
前記スキャナーユニットが開いた状態から閉じる際に、前記接触部が前記押圧部材の押圧力に抗して前記回動部材を回動させることで前記凸部が前記凹部から抜けて、前記パネルユニットが前記チルト可能状態となる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記記録部は、液体を吐出する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドから前記媒体に向けて前記液体を吐出することで記録を行う構成であり、
前記筐体は、前記液体を収容する液体収容部を内部に備え、
前記スキャナーユニットを開いた状態において、前記液体収容部に前記液体を補充可能に構成される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項5に記載の記録装置において、
前記記録部は、前記記録ヘッドを支持するとともに前記液体収容部を搭載可能なキャリッジを備える、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体への記録機能と原稿を読み取る読取機能との双方を備える記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターに代表される記録装置には、媒体に記録を行う記録部を備える装置本体の上部にスキャナーユニットが設けられ、媒体への記録機能と原稿を読み取る読取機能との双方を備える複合機として構成されるものがある。
【0003】
このような記録装置には、一例として特許文献1に示されるように、所定の情報を表示する表示部や所定の情報を入力するボタン部を有する操作パネルを備え、ユーザーが操作し易いように操作パネルをチルト可能に構成されるものがある。特許文献1に記載の操作パネルは装置の側面に設けられ、矩形の操作パネルの上辺に沿ってチルト軸が設けられている。操作パネルは、操作面が上を向くように回動させることで傾斜姿勢にされるように構成されている。
【0004】
また、複合機として構成される記録装置は、一例として特許文献2に示されるように、スキャナーユニットが装置本体の上部を開閉するように回動可能に構成され、スキャナーユニットを開くことで装置本体の内部を開放し、メンテナンス等を行えるように構成される場合がある。特許文献2に記載の複合機は、装置本体に対して回動するスキャナーユニットの自由端側に操作パネルを備えている。特許文献2に記載の複合機では、スキャナーユニットが回動する際、操作パネルはスキャナーユニットと一体となって変位する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-052003号公報
【文献】特開2014-120864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のように、装置本体に対して回動するスキャナーユニットに設けられた操作パネルが、特許文献1の操作パネルのように、操作面が上を向くように回動させることでチルト可能に構成されている場合、スキャナーユニットが装置本体に対して閉じた状態で操作パネルがチルト姿勢にされ、そのままスキャナーユニットが開かれる場合がある。 操作パネルがチルト姿勢の状態のままスキャナーユニットが開かれると、操作面がユーザーから見え難くなり、操作性が低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部を内部に備える筐体と、原稿を載置する原稿台及び前記原稿台に載置された原稿を読み取る読み取り手段を備えるとともに前記筐体に対して回動可能に設けられ、回動することにより前記筐体の上部を開閉可能なスキャナーユニットと、前記スキャナーユニットの自由端に設けられ、第1姿勢と、前記第1姿勢よりも前記原稿台に対して平行に近い姿勢である第2姿勢との間でチルト可能なパネルユニットと、前記スキャナーユニットが前記筐体に対して閉じた閉状態から開く方向に回動することを規制する規制状態と、前記スキャナーユニットが前記閉状態から開く方向に回動することを許容する回動許容状態と、を切り換え可能であり、前記パネルユニットを前記第1姿勢にすることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットを前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトさせることで前記規制状態となる規制手段と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢に保持する姿勢保持状態と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルト可能にするチルト可能状態と、を切り換え可能であり、前記スキャナーユニットを前記閉状態にすることで前記チルト可能状態となり、前記スキャナーユニットを前記閉状態から開く方向に回動させることで前記姿勢保持状態となる姿勢保持手段と、を備える、ことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るプリンターの外観斜視図。
図2】第1実施形態に係るプリンターにおいてパネルユニットをチルト姿勢にした状態を示す斜視図。
図3】第1実施形態に係るプリンターにおいてスキャナーユニットを完全に開いた状態を示す斜視図。
図4】第1実施形態に係るプリンターにおいて、スキャナーユニットを完全に開き、キャリッジを液体収容部にインクを補充する際の位置に移動した状態を示す斜視図。
図5】第1実施形態に係るプリンターの側断面図。
図6】第1実施形態に係るプリンターにおいてスキャナーユニットの原稿台カバーを開いた状態を示す斜視図。
図7】筐体の前面の要部拡大斜視図。
図8】パネルユニットを後方から見た斜視図。
図9図8の要部拡大斜視図。
図10】パネルユニットが第1姿勢である状態を示す断面図。
図11】パネルユニットが第1姿勢からチルトした状態を示す断面図。
図12】第1実施形態に係るプリンターから原稿台カバーと枠部材を外した状態を示す斜視図。
図13】スキャナーユニットの要部拡大斜視図。
図14】スキャナーユニットが開いている場合の姿勢保持手段を示す正面図。
図15】スキャナーユニットが閉状態の場合の姿勢保持手段を示す正面図。
図16】スキャナーユニットが開いている場合の姿勢保持手段を示す断面図。
図17】スキャナーユニットが閉状態の場合の姿勢保持手段を示す断面図。
図18】第1実施形態に係るプリンターから原稿台カバー、枠部材、及びパネルユニットを外した状態を示す斜視図。
図19】スキャナー保持手段の拡大図。
図20】スキャナーユニット及びパネルユニットを下方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部を内部に備える筐体と、原稿を載置する原稿台及び前記原稿台に載置された原稿を読み取る読み取り手段を備えるとともに前記筐体に対して回動可能に設けられ、回動することにより前記筐体の上部を開閉可能なスキャナーユニットと、前記スキャナーユニットの自由端に設けられ、第1姿勢と、前記第1姿勢よりも前記原稿台に対して平行に近い姿勢である第2姿勢との間でチルト可能なパネルユニットと、前記スキャナーユニットが前記筐体に対して閉じた閉状態から開く方向に回動することを規制する規制状態と、前記スキャナーユニットが前記閉状態から開く方向に回動することを許容する回動許容状態と、を切り換え可能であり、前記パネルユニットを前記第1姿勢にすることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットを前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトさせることで前記規制状態となる規制手段と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢に保持する姿勢保持状態と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルト可能にするチルト可能状態と、を切り換え可能であり、前記スキャナーユニットを前記閉状態にすることで前記チルト可能状態となり、前記スキャナーユニットを前記閉状態から開く方向に回動させることで前記姿勢保持状態となる姿勢保持手段と、を備える、ことを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記スキャナーユニットが前記筐体に対して閉じた閉状態から開く方向に回動することを規制する規制状態と、前記スキャナーユニットが前記閉状態から開く方向に回動することを許容する回動許容状態と、を切り換え可能であり、前記パネルユニットを前記第1姿勢にすることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットを前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトさせることで前記規制状態となる規制手段を備えるので、前記パネルユニットが前記第1姿勢にされている場合に前記スキャナーユニットを前記閉状態から回動させることでき、前記パネルユニットが前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトした場合には前記スキャナーユニットの前記閉状態からの回動を規制することができる。したがって、パネルユニットがチルト姿勢のまま前記スキャナーユニットが開かれて、パネル面がユーザーから見え難くなり、操作性が低下することを回避することができる。
【0011】
また、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢に保持する姿勢保持状態と、前記スキャナーユニットに対する前記パネルユニットの姿勢を前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルト可能にするチルト可能状態と、を切り換え可能であり、前記スキャナーユニットを前記閉状態にすることで前記チルト可能状態となり、前記スキャナーユニットを前記閉状態から開く方向に回動させることで前記姿勢保持状態となる姿勢保持手段を備えるので、前記スキャナーユニットが開いている場合に、前記パネルユニットが前記第1姿勢に保持されて、前記スキャナーユニットが開いている場合におけるパネル面の良好な視認性及び操作性を維持することができる。
【0012】
第2の態様は、第1の態様において、前記規制手段は、前記パネルユニットに設けられ、前記パネルユニットの回動に追従して変位するフック部と、前記筐体に設けられ、前記フック部が掛かることで前記スキャナーユニットの前記筐体に対する回動を規制する規制部と、を備え、前記パネルユニットが前記第1姿勢である場合に前記フック部が前記規制部から外れることで前記回動許容状態となり、前記パネルユニットが前記第1姿勢から前記第2姿勢に向けてチルトすることで前記フック部が前記規制部に掛かって前記規制状態となる、ことを特徴とする。
本態様によれば、構成簡単にして前記規制手段を形成することができる。
【0013】
第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記筐体及び前記スキャナーユニットのいずれか一方に設けられ、弾性変形可能な受け入れ部と、前記受け入れ部が設けられない前記筐体及び前記スキャナーユニットのいずれか一方に設けられ、前記受け入れ部を弾性変形させつつ当該受け入れ部に受け入れられる被受け入れ部と、を備え、前記スキャナーユニットが前記閉状態である場合に前記受け入れ部に前記被受け入れ部が受け入れられることで、前記パネルユニットを前記第1姿勢からチルトさせる力に抗して前記スキャナーユニットの前記閉状態を保持するスキャナー保持手段を備える、ことを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記スキャナー保持手段を備えるので、前記パネルユニットを前記第1姿勢からチルトさせる力で前記スキャナーユニットが開くことを回避できる。
【0015】
第4の態様は、第1の態様から第3の態様のいずれかにおいて、前記姿勢保持手段は、前記パネルユニットに設けられる凹部と、前記スキャナーユニットに対して回動させることで前記凹部に対して挿抜可能な凸部を備える回動部材と、前記回動部材を、前記凸部が前記凹部に挿入される方向に押圧する押圧部材と、前記筐体に設けられ、前記スキャナーユニットが閉じた状態で前記回動部材と接触可能な接触部と、を備え、前記スキャナーユニットが開いた状態の場合に、前記押圧部材の押圧力により前記凸部が前記凹部に挿入されて、前記パネルユニットが前記姿勢保持状態となり、前記スキャナーユニットが開いた状態から閉じる際に、前記接触部が前記押圧部材の押圧力に抗して前記回動部材を回動させることで前記凸部が前記凹部から抜けて、前記パネルユニットが前記チルト可能状態となる、ことを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記スキャナーユニットの開閉に連動して前記パネルユニットの前記姿勢保持状態と前記チルト可能状態とを切り換える前記姿勢保持手段を、構成簡単にして形成することができる。
【0017】
第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれかにおいて、前記記録部は、液体を吐出する記録ヘッドを備え、前記記録ヘッドから前記媒体に向けて前記液体を吐出することで記録を行う構成であり、前記筐体は、前記液体を収容する液体収容部を内部に備え、前記スキャナーユニットを開いた状態において、前記液体収容部に前記液体を補充可能に構成される、ことを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、第1の態様から第4の態様のいずれかと同様の作用効果が得られることに加え、前記液体収容部に前記液体を補充するに当たり、良好な操作性でスキャナーユニットを開くことができる。
【0019】
第6の態様は、第5の態様において、前記記録部は、前記記録ヘッドを支持するとともに前記液体収容部を搭載可能なキャリッジを備える、ことを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記液体収容部が前記記録ヘッドを支持する前記キャリッジに搭載される構成の記録装置において、第5の態様と同様の作用効果が得られる。
【0021】
[第1実施形態]
以下、図を参照して、本発明の一実施形態に係る記録装置の概略について説明する。本実施形態において、記録装置の一例としてインクジェットプリンター1を挙げる。インクジェットプリンター1は、以下、単にプリンター1と称するものとする。
尚、各図において示すX-Y-Z座標系はX軸方向が装置幅方向、Y軸方向が装置奥行き方向、Z軸方向が装置高さ方向を示している。また、+Y方向を装置前方とし、-Y方向を装置後方とする。また、装置前方から見て左を+X方向、右を-X方向とする。また、+Z方向を上方とし、-Z方向側を下方とする。
また、プリンター1において媒体が搬送されていく搬送方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」という。
【0022】
<プリンターの概要>
図1に示されるプリンター1は、媒体に記録を行う記録部8を内部に備える筐体2と、筐体2の上部に設けられ、原稿の画像を読み取るスキャナーユニット4を備えている。即ちプリンター1は、記録機能に加えて画像読取機能を備える複合機として構成されている。
プリンター1において、記録が行われる媒体としては、例えば、普通紙の他、普通紙よりも厚いハガキや名刺等の厚紙、普通紙よりも薄い薄紙、写真用の光沢紙等の用紙が挙げられる。また、プリンター1は、CDやDVDのようなディスク型メモリーのラベル面への記録も可能に構成されている。
【0023】
プリンター1において、記録部8は、液体としてのインクを吐出する記録ヘッド10と、記録ヘッド10を支持するキャリッジ20とを備え、記録ヘッド10から媒体Pに向けてインクを吐出することで記録を行うように構成されている。
【0024】
スキャナーユニット4は、筐体2に対して回動可能に設けられ、回動することにより筐体2の上部を開閉可能に構成されている。図1には、スキャナーユニット4が筐体2に対して閉じた閉状態が表されており、図3にはスキャナーユニット4が筐体2に対して完全に開いた状態を示している。
【0025】
図1において、プリンター1の装置前方である+Y方向には、操作部6を備えるパネルユニット13が設けられている。操作部6は、記録や画像読み取りのための各種設定操作や実行操作の他、設定内容や画像のプレビュー表示などを行うことができる。
パネルユニット13はスキャナーユニット4に設けられ、図1に示されるように、パネル面としての操作面6aが前方を向く状態から、図2に示されるように、操作面6aが図1の状態よりも上を向く方向にチルト可能に構成されている。
スキャナーユニット4及びパネルユニット13の構成については後で詳しく説明する。
【0026】
筐体2の前面2aの下部には、下部カバー7が設けられている。尚、筐体2の前面2aは図1では見えていないが、図2及び図3に示されている。
下部カバー7を図5において点線で示すように開くことにより、記録前の媒体Pを収容する媒体トレイ11と、記録後に排出される媒体を受ける排出トレイ12が露呈するように構成されている。
【0027】
排出トレイ12は、図5において実線で示されるように筐体2に収納された収納状態と、図5において点線で示されるように筐体2の前方側に突出した突出状態と、を切換可能に構成されており、突出状態で記録後の媒体を受けることができる。排出トレイ12は、不図示のモーターによって収納状態と突出状態とを切り換え可能に構成されている。
【0028】
媒体トレイ11には複数枚の媒体Pを収容可能であり、筐体2に対して着脱可能となっている。媒体トレイ11は、図5に示されるように筐体2に装着された状態で、媒体Pを後述する媒体搬送経路Tに送り出すことができるようになっている。また、媒体トレイ11は、前方(+Y方向)に引き出した状態で媒体Pを補充することができる。
【0029】
<プリンターにおける媒体搬送経路について>
続いて、図5を参照しつつプリンター1における媒体搬送経路Tについて説明する。
媒体搬送経路Tは、プリンター1の装置下部に設けられる媒体トレイ11から記録部8による記録領域に向けて搬送される媒体Pの搬送経路である。
媒体トレイ11にセットされた媒体Pは、給送ローラー16によってピックアップされて媒体搬送経路Tに送り出される。より具体的には、不図示の駆動源によって回転駆動される給送ローラー16は、揺動軸19aを中心に揺動するローラー支持部材19に設けられており、媒体トレイ11に収容された複数の媒体Pの最上位のものと接して回転することにより、その最上位の媒体Pを媒体トレイ11から装置後方(-Y方向)に送り出す。
【0030】
給送ローラー16の下流には、不図示の駆動源によって回転駆動される中間ローラー17が設けられており、この中間ローラー17によって媒体Pは湾曲反転させられ、装置前方(+Y方向)へと送られる。尚、符号18a、18b、18c、18dは中間ローラー17に従動回転可能な従動ローラーであり、媒体は、従動ローラー18aと中間ローラー17とによってニップされ、続いて従動ローラー18bと中間ローラー17とによってニップされ、更に従動ローラー18cと中間ローラー17とによってニップされて、下流へと送られる。従動ローラー18dについては後で説明する。
【0031】
中間ローラー17の下流には、搬送ローラー対21が設けられており、搬送ローラー対21によって媒体が記録ヘッド10の下方へと送られる。搬送ローラー対21は、図5において、下側のローラーが不図示の駆動源により回転駆動され、上側のローラーが下側のローラーに従動回転する。
【0032】
搬送ローラー対21の下流には、記録部8が設けられている。記録部8において、インクを吐出する記録ヘッド10は、キャリッジ20の底部に設けられている。キャリッジ20には、記録ヘッド10に供給するインクを収容する液体収容部24が搭載されている。言い換えると、筐体2は、液体収容部24を内部に備えている。
キャリッジ20は図示しない駆動源によって装置幅方向(X軸方向)に往復移動可能に構成されている。
記録ヘッド10と対向する位置には、媒体搬送経路Tを搬送される媒体を支持する媒体支持部材23が設けられ、媒体支持部材23によって、媒体と記録ヘッド10との間隔が規定される。媒体と記録ヘッド10との間隔は、ギャップとも言う。
【0033】
媒体支持部材23の下流には排出ローラー対22が設けられている。排出ローラー対22も、搬送ローラー対21と同様に、下側のローラーが不図示の駆動源により回転駆動され、上側のローラーが下側のローラーに従動回転するように構成されている。記録部8による記録後の媒体Pは、排出ローラー対22により、図5において点線で示されるように突出状態にされた排出トレイ12に向けて排出される。
【0034】
尚、プリンター1は、媒体Pの第1面と、その反対面の第2面に記録を行う両面記録を実行可能に構成されている。両面記録を行う場合には、第1面への記録後、媒体Pをスイッチバックさせて-Y方向に送る。スイッチバックされた媒体Pは、従動ローラー18dと中間ローラー17とによってニップされて、媒体搬送経路Tに合流させることができる。媒体Pは中間ローラー17によって反転され、第2面が記録ヘッド10と対向した状態で記録ヘッド10の下方に搬送され、第2面への記録が行われる。
【0035】
また、プリンター1は、記録が行われる媒体Pを装置後方の上部に設けられる上部供給口9からも供給可能に構成されている。上部供給口9は、給送口カバー3を開くことで開放される。上部供給口9から供給された媒体Pは、搬送ローラー対21の上流から媒体搬送経路Tに入り、記録ヘッド10による記録が行われる。
【0036】
<スキャナーユニットについて>
プリンター1において、スキャナーユニット4は、図3に示されるように筐体2の上部に対して回動可能に設けられている。スキャナーユニット4は、装置後方、すなわち-Y方向に回動軸を有し、装置前方、すなわち+Y方向を自由端4aとして回動し、筐体2の上部を開閉可能に構成されている。
【0037】
スキャナーユニット4は、図5に示すように、原稿を読み取る読み取り手段としての読取部31を内部に備えるスキャナー本体30と、原稿を載置する原稿台32と、原稿台32を開閉可能な原稿台カバー5を備えている。原稿台カバー5を図6のように開くと、原稿台32が露呈する。読取部31は、原稿台32に載置された原稿を読み取る。原稿は、読み取り面を原稿台32と対向させるようにして原稿台32に載置される。
【0038】
スキャナーユニット4において、原稿台32は、図5及び図6に示されるようにスキャナー本体30の上に配置され、枠部材38によって四辺の外周が押さえられている。
【0039】
原稿台カバー5において、閉じた際に原稿台32と対向する面には、図6に示されるように、原稿を押さえる押さえ板33が設けられている。
尚、パネルユニット13はスキャナー本体30に設けられており、原稿台カバー5は単体で開閉することができる。
【0040】
<パネルユニットについて>
パネルユニット13は、前述のようにスキャナーユニット4のスキャナー本体30に対して回動可能に設けられている。より具体的には、図1に示される第1姿勢と、図2に示されるように第1姿勢よりも原稿台32(図6を参照)に対して平行に近い姿勢である第2姿勢との間でチルト可能に構成されている。スキャナーユニット4が閉じている場合、第1姿勢のスキャナーユニット4は、操作面6aが筐体2の前方の側面、すなわち前面2a(図2を参照)に沿っている。パネルユニット13を第1姿勢(図1を参照)から第2姿勢(図2を参照)にする場合、パネルユニット13は操作面6aが上を向く方向にチルトされる。
本実施形態において、パネルユニット13は、図1に示す第1姿勢の状態を0°として、操作面6aが上を向く方向に80°までチルト可能に構成されている。図2は、パネルユニット13が傾斜角80°でチルトした状態を示している。
【0041】
また、プリンター1において、パネルユニット13は、スキャナーユニット4の自由端4aに設けられている。このことにより、スキャナーユニット4の回動方向とパネルユニット13の回動方向とが同じとなり、ユーザーがパネルユニット13を正面視した状態でのプリンター1の操作性が良好となる。
【0042】
ここで、例えば図2に示されるようにスキャナーユニット4が筐体2に対して閉じた状態でパネルユニット13がチルト姿勢にされ、そのままスキャナーユニット4が開かれると、操作面6aがユーザーから見え難くなり、操作性が低下する場合がある。
【0043】
これを回避するため、本実施形態のプリンター1は、図10及び図11に示される規制手段40と、図14及び図15に示される姿勢保持手段50とを備えている。
規制手段40は、スキャナーユニット4が筐体2に対して閉じた閉状態から開く方向に回動することを規制する規制状態と、スキャナーユニット4が閉状態から開く方向に回動することを許容する回動許容状態と、を切り換え可能であり、パネルユニット13を第1姿勢にすることで回動許容状態となり、パネルユニット13を第1姿勢から第2姿勢に向けてチルトさせることで前記規制状態となる構成である。
【0044】
姿勢保持手段50は、スキャナーユニット4に対するパネルユニット13の姿勢を第1姿勢に保持する姿勢保持状態と、スキャナーユニット4に対するパネルユニット13の姿勢を第1姿勢から第2姿勢に向けてチルト可能にするチルト可能状態と、を切り換え可能であり、スキャナーユニット4を閉状態にすることでチルト可能状態となり、スキャナーユニット4を閉状態から開く方向に回動させることで姿勢保持状態となる構成である。
【0045】
言い換えると、パネルユニット13が図1に示す第1姿勢の場合にのみ、図3に示されるようにスキャナーユニット4が閉状態から開く方向に回動できるようにするための規制手段40と、スキャナーユニット4が開いた図3の状態で、パネルユニット13を第1姿勢に保持する姿勢保持手段50とを備えている。
【0046】
規制手段40を備えることにより、パネルユニット13が第1姿勢にされている場合にのみスキャナーユニット4が開かれる構成とすることができる。以って、パネルユニット13がチルト姿勢のままスキャナーユニット4が開かれて、操作面6aがユーザーから見え難くなり、操作性が低下することを回避することができる。
【0047】
また、姿勢保持手段50を備えることにより、スキャナーユニット4が開いている際にパネルユニット13の姿勢が第1姿勢に保持されて、操作面6aの良好な視認性及び操作性が維持される。また、パネルユニット13は、スキャナーユニット4が閉状態の場合にのみチルト可能であるので、スキャナーユニット4が開いた状態でパネルユニット13を回動させようとしてスキャナーユニット4が不用意に閉じてしまう虞を低減できる。
以下、図を参照して、規制手段40と姿勢保持手段50の具体的な構成について説明する。
【0048】
<規制手段について>
本実施形態において、規制手段40は、図8及び図9に示されるようにパネルユニット13に設けられ、パネルユニット13の回動に追従して変位するフック部41と、図7に示されるように筐体2の前面2aに設けられ、図11に示されるようにフック部41が掛かることでスキャナーユニット4の筐体2体に対する回動を規制する規制部42と、を備えている。フック部41は、パネルユニット13の裏面に設けられている。また、図8において、符号13aは、スキャナーユニット4のスキャナー本体30に設けられる不図示の軸部を受ける軸受け13aである。軸受け13aに受けられる軸部がパネルユニット13の回動中心となる。規制手段40としてのフック部41は、パネルユニット13の幅方向(X軸方向)において、端部よりも中央部Cに近い位置に1つ設けられている。規制部42は、図3に示される筐体2の幅方向において、フック部41に対応する位置に1つ設けられている。
【0049】
フック部41は、図9及び図10に示されるように、パネルユニット13の上部から延設されて、下方に開口部41aを有するように形成されている。
図10には、スキャナーユニット4が閉状態であり、パネルユニット13が第1姿勢である状態が示されている。このとき、フック部41の開口部41aは規制部42の下方に位置しており、スキャナーユニット4を開く方向に回動させた際に、フック部41が規制部42に干渉しない状態、すなわち、フック部41が規制部42から外れた状態になっている。したがって、この状態ではスキャナーユニット4を開くことができる。
【0050】
図11には、スキャナーユニット4が閉状態であり、パネルユニット13が第1姿勢から回動したチルト姿勢の状態が示されている。パネルユニット13がチルトすると、図11に示されるようにフック部41が規制部42に掛かり、スキャナーユニット4を開く方向に回動させた際にフック部41が規制部42に干渉するため、スキャナーユニット4の回動が規制される。したがって、スキャナーユニット4を開くことができない。
【0051】
すなわち、規制手段40は、パネルユニット13が第1姿勢である場合にフック部41が規制部42から外れることでスキャナーユニット4の回動を許容する回動許容状態となり、パネルユニット13が第1姿勢から第2姿勢に向けてチルトすることでフック部41が規制部42に掛かり、スキャナーユニット4の回動を規制する規制状態となる。
以上のような構成により、規制手段40を構成簡単にして形成することができる。
【0052】
<姿勢保持手段について>
姿勢保持手段50は、図8及び図9に示される凹部51と、図13に示される回動部材52と押圧部材53と、図7に示される接触部54と、を備えている。
凹部51は、図8及び図9に示されるように、パネルユニット13の裏面に+X方向が開口するように設けられている。
【0053】
図13に示される回動部材52は、スキャナーユニット4のスキャナー本体30に対して回動する回動軸52b(図12も参照)を備え、回動させることで凹部51に対して挿抜可能な凸部52aを備えている。図14及び図16は、凸部52aが凹部51に挿入された状態であり、図15及び図17は、凸部52aが凹部51から抜けた状態を示している。尚、図12には、スキャナーユニット4に設けられた回動軸52bを見易くするため、プリンター1から枠部材38及び原稿台カバー5が取り外された状態が示されている。
【0054】
図13に示される押圧部材53は、回動部材52を、図14に示すように凸部52aが凹部51に挿入される矢印+A方向に押圧している。押圧部材53としては、一例として捻りコイルバネを用いることができる。接触部54は、図7に示されるように筐体2の前面2aの上部に設けられており、スキャナーユニット4が閉じた状態で回動部材52と接触可能に配置されている。
【0055】
そして、姿勢保持手段50は、スキャナーユニット4が開いた状態の場合に、押圧部材53の押圧力により回動部材52の凸部52aが凹部51に挿入され、パネルユニット13が第1姿勢に保持される姿勢保持状態となり、スキャナーユニット4が開いた状態から閉じる際に、接触部54が回動部材52に接触し、押圧部材53の押圧力に抗して回動部材52を図14に示す矢印-A方向に回動させることで、凸部52aが凹部51から抜けて、パネルユニット13がチルト可能状態となる構成である。
【0056】
図14及び図16に示されるように、回動部材52の凸部52aが凹部51に挿入されていると、パネルユニット13を上方に回動させようとした場合に、凸部52aが図16に示す凹部51の規制面51aに干渉するので、パネルユニット13の回動が規制される。したがって、パネルユニット13を第1姿勢に保持することができる。
図15及び図17に示されるように、回動部材52の凸部52aが凹部51から抜けると、パネルユニット13を上方に回動させても凸部52aと規制面51aとが干渉しなくなるので、パネルユニット13をチルトさせることができる。すなわち、パネルユニット13がチルト可能状態となる。
【0057】
以上のような構成により、スキャナーユニット4の開閉に連動してパネルユニット13の姿勢保持状態とチルト可能状態とを切り換える姿勢保持手段50を、構成簡単にして形成することができる。
【0058】
また、プリンター1には、スキャナーユニット4の閉状態を保持するスキャナー保持手段60が、図18及び図19に示されるように設けられている。
スキャナー保持手段60は、図19に示されるように、筐体2に設けられ、弾性変形可能な受け入れ部61(図7も参照)と、スキャナーユニット4に設けられ、受け入れ部61を弾性変形させつつ受け入れ部61に受け入れられる被受け入れ部62と、を備えている。スキャナー保持手段60は、スキャナーユニット4が閉状態である場合に、図18及び図19に示されるように受け入れ部61に被受け入れ部62が受け入れられることで、パネルユニット13を第1姿勢からチルトさせる力に抗してスキャナーユニット4の閉状態を保持する構成である。
【0059】
パネルユニット13がスキャナーユニット4に設けられていると、パネルユニット13を第1姿勢からチルトさせようとする上向きの力でスキャナーユニット4が開くことがある。スキャナー保持手段60を備えることにより、パネルユニット13をチルトさせる際に不用意にスキャナーユニット4が開くことを回避できる。
【0060】
尚、被受け入れ部62は、受け入れ部61が設けられない筐体2及びスキャナーユニット4のいずれか一方に設けられていればよく、例えばスキャナーユニット4に受け入れ部61を設け、筐体2に被受け入れ部62を設けることも可能である。
【0061】
<規制手段または姿勢保持手段の変更例>
尚、規制手段40は、幅方向(X軸方向)に複数設けることができる。例えば、図8に示されるパネルユニット13の幅方向の中央部Cを挟むように2つのフック部41を設け、筐体2の幅方向においてフック部41に対応する位置に、2つの規制部42を設けることができる。複数の規制手段40を設けることにより、スキャナーユニット4の回動をより確実に抑制できる。
【0062】
また、規制手段40はフック部41と規制部42とを備える構成に限られず、例えば、規制手段が、スキャナーユニットに設けられた穴に対して進退するロックピンと、このロックピンを進退させるソレノイドと、ソレノイドを制御する制御部を備える構成とすることができる。また、パネルユニットの開き角を検出するエンコーダーを備える構成とすることができる。制御部は、パネルユニット13が第1姿勢の状態ではロックピンをスキャナーユニットの穴に嵌合させ、ロックし、規制状態とする。また、パネルユニット13がチルト姿勢になると、ロックピンを穴から抜いてロック解除し、回動許容状態とする。
【0063】
また、姿勢保持手段50において、押圧部材53及び接触部54を省略し、回動部材52を回動させるモーターと、モーターを制御する制御部とによって、回動部材52を回動させて、凹部51に対する凸部52aの挿抜を切り換える構成とすることもできる。
【0064】
<液体収容部について>
プリンター1において、図3に示されるキャリッジ20に搭載される液体収容部24には、記録を行うことによって減ったインクを補充することができる。
プリンター1は、図3のようにスキャナーユニット4を開いた状態において、液体収容部24にインクを補充可能に構成されている。
【0065】
キャリッジ20には、複数の色に対応する複数の液体収容部24が搭載されている。各液体収容部24の上部には、図4に示されるインク供給口25を閉じるキャップ26が設けられている。図4には、図を正面視して一番左の液体収容部24のキャップ26が開いた状態が示されている。キャップ26は、装置後方(-Y方向)を軸として回動することによりインク供給口25を開閉する。インク供給口25からインクを液体収容部24に注入することができる。
【0066】
図3において、キャリッジ20はホームポジションに位置している。ホームポジションは、キャリッジ20の移動領域の一方の端に設けられており、本実施形態においては-X方向の端に設定されている。
筐体2の-X方向の前方には庇部材14が設けられており、キャリッジ20がホームポジションに位置する場合に、キャップ26が閉じられた状態の液体収容部24が庇部材14の下方に位置するようになっている。庇部材14によって、キャップ26が確実に閉まった状態でキャリッジ20をホームポジションに位置させることができる。
【0067】
庇部材14があるため、キャリッジ20がホームポジションに位置する際には液体収容部24のキャップ26を開くことができない。液体収容部24にインクを補充する場合には、例えば操作部6においてインク補充モードを選択することで、図4に示されるように庇部材14によってキャップ26が覆われない位置にキャリッジ20を移動させることができる。
【0068】
本実施形態においては、前述した規制手段40及び姿勢保持手段50により、スキャナーユニット4を開いた状態において、操作部6の操作面6aをユーザーが見易い角度でパネルユニット13が保持される。したがって、液体収容部24にインクを補充する際の良好な操作性を確保することができる。
【0069】
図3に示されるように、筐体2の前面2aには切り欠き部15が設けられている。液体収容部24の+Y方向の側面には、内部のインク量を視認可能な窓部27が設けられており、インク補充モードでは、図4に示されるようにキャリッジ20がX軸方向において切り欠き部15と重なる位置まで移動される。このことにより、液体収容部24の中のインク量を確認しながらインクを補充することができる。
インクの補充が完了したら、例えば操作部6においてインク補充モードを終了することでキャリッジ20がホームポジションに戻されるように構成することができる。また、スキャナーユニット4が筐体2に対して閉じられたことを検出し、これをトリガーとしてキャリッジ20をホームポジションに戻す構成とすることもできる。
【0070】
また、スキャナーユニット4には、図18のようにスキャナーユニット4の閉状態において切り欠き部15を塞ぐカバー部材29が設けられている。尚、図18には、プリンター1から枠部材38、原稿台カバー5、及びパネルユニット13が取り外された状態が示されている。カバー部材29は、図20に示されるように、パネルユニット13の後方(-Y方向)に位置するようにスキャナーユニット4に設けられている。
カバー部材29が設けられていることにより、スキャナーユニット4の閉状態において切り欠き部15がカバー部材29によって覆われるので、プリンター1において記録が行われた際に発生するインクミストがパネルユニット13の裏面に付着することを抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…筐体、3…給送口カバー、4…スキャナーユニット、5…原稿台カバー、6…操作部、6a…操作面(パネル面)、7…下部カバー、8…記録部、9…上部供給口、10…記録ヘッド、11…媒体トレイ、12…排出トレイ、13…パネルユニット、14…庇部材、15…切り欠き部、16…給送ローラー、17…中間ローラー、18a、18b、18c、18d…従動ローラー、19…ローラー支持部材、19a…揺動軸、20…キャリッジ、21…搬送ローラー対、22…排出ローラー対、23…媒体支持部材、24…液体収容部、25…インク供給口、26…キャップ、27…窓部、29…カバー部材、30…スキャナー本体、31…読取部(読み取り手段)、32…原稿台、33…押さえ板、38…枠部材、40…規制手段、41…フック部、41a…開口部、42…規制部、50…姿勢保持手段、51…凹部、51a…規制面、52…回動部材、52a…凸部、52b…回動軸、53…押圧部材、54…接触部、60…スキャナー保持手段、61…受け入れ部、62…被受け入れ部、P…媒体
図1
図2
図3
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