(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像生成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20221206BHJP
B60R 1/00 20220101ALI20221206BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/00
G06T7/00 650A
(21)【出願番号】P 2019060291
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼須賀 礼文
(72)【発明者】
【氏名】丸野 浩明
(72)【発明者】
【氏名】辻岡 聡
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/069191(WO,A1)
【文献】特開2015-106777(JP,A)
【文献】特開2017-143417(JP,A)
【文献】特開2009-253571(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052505(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/058093(WO,A1)
【文献】特開2017-222258(JP,A)
【文献】特開2009-151524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
B60R 1/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された複数のカメラにより生成された複数の撮影画像から前記カメラの姿勢データを用いて視点変換画像を生成する画像生成装置であって、
前記移動体に搭乗者が乗車する前に、前記移動体の左方向または右方向に存在する物体と前記移動体との距離を、第1距離として検出する第1距離検出部と、
前記移動体に搭乗者が乗車した後に、前記移動体の左方向または右方向に存在する物体と前記移動体との距離を、第2距離として検出する第2距離検出部と、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記搭乗者が前記移動体に搭乗する前後における前記移動体の横方向の傾斜角の変化量である傾斜角変化量を算出する傾斜角算出部と、
前記傾斜角変化量、前記第1距離および前記第2距離に基づき前記姿勢データを補正する補正部と、
前記補正された前記姿勢データを用いて、前記生成された複数の撮影画像から前記視点変換画像を生成する画像生成部と、を備える画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記カメラは、前記移動体の左側に搭載された左サイドカメラと前記移動体の右側に搭載された右サイドカメラを備え、
前記傾斜角算出部は、前記移動体の左方向と右方向の両方に物体が存在する場合、前記移動体と前記左方向の物体との前記第1距離および前記第2距離に基づき前記傾斜角変化量を左方傾斜角変化量として算出し、前記移動体と前記右方向の物体との前記第1距離および前記第2距離に基づき前記傾斜角変化量を右方傾斜角変化量として算出し、
前記補正部は、前記左サイドカメラの前記姿勢データを前記左方傾斜角変化量に基づき補正し、前記右サイドカメラの前記姿勢データを前記右方傾斜角変化量に基づき補正する、画像生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記カメラは、前記移動体の左側に搭載された左サイドカメラと前記移動体の右側に搭載された右サイドカメラを備え、
前記傾斜角算出部は、前記移動体の左方向と右方向のいずれか一方に物体が存在する場合、前記移動体と前記存在する物体との前記第1距離および前記第2距離に基づき前記傾斜角変化量を共通の傾斜角変化量として算出し、
前記補正部は、前記左サイドカメラと右サイドカメラのうち、前記物体が存在しない側に搭載されたサイドカメラの前記姿勢データを前記共通の傾斜角変化量に基づき補正する、画像生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の画像生成装置であって、
前記補正部は、前記移動体の左方向と右方向のどちらにも物体が存在しない場合、前記姿勢データの補正を禁止する、画像生成装置。
【請求項5】
移動体に搭載された複数のカメラにより生成された複数の撮影画像から前記カメラの姿勢データを用いて視点変換画像を生成する画像生成方法であって、
前記移動体に搭乗者が乗車する前に、前記移動体の左方向または右方向に存在する物体と前記移動体との距離を、第1距離として検出するステップと、
前記移動体に搭乗者が乗車した後に、前記移動体の左方向または右方向に存在する物体と前記移動体との距離を、第2距離として検出するステップと、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記搭乗者が前記移動体に搭乗する前後における前記移動体の横方向の傾斜角の変化量である傾斜角変化量を算出するステップと、
前記傾斜角変化量、前記第1距離および前記第2距離に基づき前記姿勢データを補正するステップと、
前記補正された前記姿勢データを用いて、前記生成された複数の撮影画像から前記視点変換画像を生成するステップと、を備える画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に搭載されたカメラにより生成された撮影画像から視点変換画像を生成する画像生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体に搭載されたカメラにより生成された撮影画像を用いて、予め設定された仮想視点から見た視点変換画像を生成する画像生成装置が知られている。例えば、仮想視点が車両よりも上の位置に設定された場合、視点変換画像は、車両を上から見た俯瞰画像である。
【0003】
車両が複数のカメラを搭載する場合、画像生成装置は、複数のカメラによって生成された複数の撮影画像を仮想視点から見た画像に変換する。画像生成装置は、変換された複数の撮影画像を繋ぎ合わせて、視点変換画像を生成する。車両におけるカメラの取付位置や光軸データを含むカメラ姿勢データが、撮影画像を変換するためのパラメータとして画像生成装置に予め設定されている。カメラ姿勢データは、視点変換画像において複数の撮影画像を繋ぎ合わせた際に生じる画像間のずれをなくすよう、車両の出荷時に調整される。この調整作業をカメラキャリブレーションといい、例えば、特許文献1が知られている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、運転者等の搭乗者が車両に乗車した場合、車両の姿勢が変化する。カメラの姿勢は、車両の姿勢変化に応じて変化する。そのため、搭乗者が車両に乗車すると、視点変換画像において繋ぎ合わせた画像間にずれが生じてしまう。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明は、搭乗者が車両に乗車して移動体の姿勢が変化した場合であっても、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間のずれの発生を抑制することができる画像生成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、移動体に搭載された複数のカメラにより生成された複数の撮影画像からカメラの姿勢データを用いて視点変換画像を生成する画像生成装置であって、第1距離検出部と、第2距離検出部と、傾斜角算出部と、補正部と、画像生成部と、を備える。第1距離検出部は、移動体に搭乗者が乗車する前に、移動体の左方向または右方向に存在する物体と移動体との距離を、第1距離として検出する。第2距離検出部は、移動体に搭乗者が乗車した後に、移動体の左方向または右方向に存在する物体と移動体との距離を、第2距離として検出する。傾斜角算出部は、第1距離および第2距離に基づき、搭乗者が移動体に搭乗する前後における移動体の横方向の傾斜角の変化量である傾斜角変化量を算出する。補正部は、傾斜角変化量、第1距離および第2距離に基づき姿勢データを補正する。画像生成部は、補正された姿勢データを用いて、生成された複数の画像から視点変換画像を生成する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、搭乗者が車両に乗車して移動体の姿勢が変化した場合であっても、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間のずれの発生を抑制することができる画像生成装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像生成装置を搭載した車両の構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1に示す車両に搭載されたカメラの配置を示す図である。
【
図5】
図1に示す画像生成装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】傾斜角変化量の算出方法を説明する図である。
【
図7】
図1に示す画像生成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
[1.構成]
[1.1.車両1の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る画像生成装置10を搭載した車両1の構成を示す機能ブロック図である。
図1を参照して、画像生成装置10は、移動体である車両1に搭載された複数のカメラにより生成された複数の撮影画像から、カメラの姿勢データを用いて視点変換画像を生成する。本実施の形態では、視点変換画像は、車両1の上方に設定された仮想視点から車両1を見下ろした俯瞰画像25である。
図1において、俯瞰画像25の生成に関する構成以外の車両1の構成の表示を省略している。
【0012】
車両1は、車体1Dと、左前輪1FLと、右前輪1FRと、左後輪1RLと、右後輪1RRと、フロントシャフト1SFと、リアシャフト1SRとを備える。
【0013】
左前輪1FLは、車体1Dの左前方に配置される。右前輪1FRは、車体1Dの右前方に配置される。左前輪1FL及び右前輪1FRは、車体1Dの前方に配置されたフロントシャフト1SFを回転軸として回転する。フロントシャフト1SFは、図示しないエンジンの出力を左前輪1FL及び右前輪1FRに伝える。左前輪1FL及び右前輪1FRは、車両1の操舵輪であり、図示しないステアリングホイールの回転に応じて回転する。
【0014】
左後輪1RLは、車体1Dの左後方に配置される。右後輪1RRは、車体1Dの右後方に配置される。左後輪1RL及び右後輪1RRは、車体1Dの後方に配置されたリアシャフト1SRを回転軸として回転する。リアシャフト1SRは、図示しないエンジンの出力を左後輪1RL及び右後輪1RRに伝える。
【0015】
車両1は、さらに、フロントカメラ2Fと、左サイドカメラ2Lと、右サイドカメラ2Rと、リアカメラ2Bとを備える。
【0016】
フロントカメラ2Fは、車両1の前方を撮影して前方撮影画像3Fを生成する。左サイドカメラ2Lは、車両1の左方を撮影して左方撮影画像3Lを生成する。右サイドカメラ2Rは、車両1の右方を撮影して右方撮影画像3Rを生成する。リアカメラ2Bは、車両1の後方を撮影して後方撮影画像3Bを生成する。生成された撮影画像3F、3L、3R及び3Bの各々は、画像生成装置10に出力される。
【0017】
本実施の形態において、前方撮影画像3F、左方撮影画像3L、右方撮影画像3Rおよび後方撮影画像3Bの各々は、動画像を構成するフレームである。例えば、フロントカメラ2Fは、フレームである前方撮影画像3Fを生成するたびに、その生成した前方撮影画像3Fを画像生成装置10に出力する。
【0018】
車両1は、さらに、測距センサ4L、4Rを備える。測距センサ4L、4Rは、それぞれ左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2Rの近傍に設置される。測距センサ4L、4Rは、超音波、電波、光等を用いた公知のレーダ装置とすることができる。測距センサ4Lは、車両1の左方に存在する隣接車両等の物体との距離を検出する。測距センサ4Rは、車両1の右方に存在する隣接車両等の物体との距離を検出する。測距センサ4L、4Rは、距離検出信号5L、5Rを画像生成装置10に出力する。なお、測距センサ4L、4Rは、物体を検出できない場合は距離検出信号5L、5Rを画像生成装置10に出力しない。
【0019】
車両1は、さらに、ロックスイッチ6L、6Rを備える。ロックスイッチ6Lは、車両1の助手席側ドアの施錠状態を検出する。ロックスイッチ6Lは、助手席側ドアがロック状態からアンロック状態に変化したときにアンロック信号7Lを画像生成装置10に出力する。ロックスイッチ6Rは、車両1の運転席側ドアの施錠状態を検出する。ロックスイッチ6Rは、運転席側ドアがロック状態からアンロック状態に変化したときにアンロック信号7Rを画像生成装置10に出力する。
【0020】
車両1は、さらに、イグニッションスイッチ8(以下、「IGスイッチ8」という)を備える。IGスイッチ8は、オンになると画像生成装置10を含む車両各部に配置される制御装置(図示せず)にバッテリ(図示せず)からの電力を供給する。それにより画像生成装置10は動作を開始する。IGスイッチ8は、オンになるとオンになったことを示すイグニッション信号9(以下、「IG信号9」という)を画像生成装置10に出力する。
【0021】
車両1は、さらに、画像生成装置10と、表示装置23とを備える。画像生成装置10は、距離検出信号5L、5Rを測距センサ4L、4Rから受ける。また、画像生成装置10は、アンロック信号7L、7Rをロックスイッチ6L、6Rから受ける。さらに、画像生成装置10は、IG信号9をIGスイッチ8から受ける。画像生成装置10は、その受けた距離検出信号5L、5R、アンロック信号7L、7R、IG信号9等に基づいて、画像生成装置10に予め設定されたカメラの姿勢データを補正する。カメラの姿勢データは、カメラの位置データ及び光軸データを含む。画像生成装置1は、補正したカメラの姿勢データを用いて、車両1に搭載されたカメラにより生成された複数の撮影画像から俯瞰画像25を生成する。
【0022】
表示装置23は、俯瞰画像25を画像生成装置10から受け、その受けた俯瞰画像25を表示する。車両1の運転者は、表示装置23に表示された俯瞰画像25を参照して、車両1の周囲の状況を容易に確認できる。
【0023】
なお、本実施の形態において、フロントカメラ2F、左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2R及びリアカメラ2Bを総称して「カメラ2」と記載する場合がある。また、本実施の形態において、前方撮影画像3F、左方撮影画像3L、右方撮影画像3R及び後方撮影画像3Bを総称して「撮影画像3」と記載する場合がある。また、本実施の形態において、測距センサ4Lおよび測距センサ4Rを総称して「測距センサ4」と記載する場合がある。また、本実施の形態において、距離検出信号5Lおよび距離検出信号5Rを総称して「距離検出信号5」と記載する場合がある。また、本実施の形態において、ロックスイッチ6Lおよびロックスイッチ6Rを総称して「ロックスイッチ6」と記載する場合がある。また、本実施の形態において、アンロック信号7Lおよびアンロック信号7Rを総称して「アンロック信号7」と記載する場合がある。
【0024】
[1.2.カメラの配置]
図2は、
図1に示すカメラの取付位置を示す図であり、
図1に示す車両1を上から見た平面図に相当する。
【0025】
図2を参照して、フロントカメラ2Fは、車両1の前端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸2Faは車両1の前方に向けられている。リアカメラ2Bは、車両1の後端にあるナンバープレート取付位置の近傍に設けられ、その光軸2Baは、車両1の後方に向けられている。
【0026】
左サイドカメラ2Lは左のドアミラー93に設けられ、その光軸2Laは車両1の左方に向けられている。右サイドカメラ2Rは右のドアミラー93に設けられ、その光軸2Raは車両1の右方に向けられている。
【0027】
車両1に搭載される各カメラのレンズは、180°以上の画角を有する広角レンズである。フロントカメラ2F、左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2R及びリアカメラ2Bを用いることにより、車両1の全周囲を撮影できる。フロントカメラ2F及びリアカメラ2Bの取付位置は、車両1の左右中央であることが望ましいが、左右中央から多少ずれた位置であってもよい。
【0028】
なお、
図2では図示を省略しているが、測距センサ4Lは左サイドカメラ2Lの近傍に設けられ、その光軸は、左サイドカメラ2Lの光軸2Laと平行であり車両1の左方に向けられている。また、測距センサ4Rは右サイドカメラ2Rの近傍に設けられ、その光軸は、右サイドカメラ2Rの光軸2Raと平行であり車両1の右方に向けられている。
【0029】
[1.3.カメラ姿勢データの定義]
次に、カメラ2の姿勢データの定義について、
図3および
図4を用いて説明する。
図3および
図4は、カメラ2の姿勢データの定義を示す図である。カメラ2の姿勢データは、カメラ2の位置データと光軸データを含む。カメラ2の位置データ、および光軸データは、路面を基準とした路面座標系で表される。本実施の形態において、路面座標系は、X軸と、Y軸と、Z軸とを有する3次元直交座標系である。
【0030】
図3および
図4に示すように、路面座標系の原点Oは、車両1の重心を路面100に対して鉛直方向に投影した路面上の点Oである。X軸は、原点Oを通り車両1の横方向に伸び、Y軸は、原点Oを通り車両1の前後方向に伸びる。Z軸は、原点Oを通り路面100から車両1の高さ方向に伸びる。
【0031】
カメラ2の位置データは、原点Oを基準とした各カメラの設置位置を示し、(X、Y、Z)で表される。カメラ2の位置データのXは、原点Oを基準とした車両1の横方向の位置(距離)を示す。カメラ2の位置データのYは、原点Oを基準とした車両1の前後方向の位置(距離)を示す。カメラ2の位置データのZは、原点Oを基準とした車両1の高さ方向の位置(距離)を示す。
【0032】
図3、および
図4(a)に示す例では、左サイドカメラ2Lの横方向の位置はXLであり、前後方向の位置はYLであり、高さ方向の位置はZLであることを示している。したがって、左サイドカメラ2Lの位置データは、(XL、YL、ZL)となる。同様に、右サイドカメラ2Rの位置データは、(XR、YR、ZR)となる。図示していないが、フロントカメラ2Fの位置データは、(XF、YF、ZF)となり、リアカメラ2Bの位置データは、(XB、YB、ZB)となる。本実施の形態において、各カメラ2F、2L、2R及び2Bの位置データを総称して(X、Y、Z)と記載する場合がある。また、位置データを位置座標と記載する場合がある。
【0033】
カメラ2の光軸データは、カメラ2の光軸の角度やカメラの取付角度を示し、Pan(パン)角P、Roll(ロール)角R、およびTilt(チルト)角Tからなる。
【0034】
パン角Pは、カメラ2の光軸が基準線に対して旋回方向になす角度を示す。
図3を参照して左サイドカメラ2Lを例にとり説明する。左サイドカメラ2Lの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、Y軸と平行に前方向に伸びる基準線61Lを0°とする。左サイドカメラの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、Z軸と平行に鉛直方向に伸びる基準線(図示せず)を回転軸とする。左サイドカメラ2Lのパン角は、この回転軸回りに光軸2Laが基準線61Lとなす角度PLで表される。
【0035】
右サイドカメラ2Rのパン角も同様であり、右サイドカメラ2Rの位置座標(XR、YR、ZR)を通り、前方向に伸びる基準線61Rを0°とし、鉛直方向に伸びる基準線(図示せず)を回転軸とする。右サイドカメラ2Rのパン角は、この回転軸回りに光軸2Raが基準線61Rとなす角度PRで表される。フロントカメラ2Fおよびリアカメラ2Bのパン角も同様であり、フロントカメラ2Fのパン角はPFで表され、リアカメラ2Bのパン角はPBで表される。
【0036】
ロール角Rは、カメラ2が基準線に対して回転する角度を示す。ロール角Rは、カメラ2が基準線に対して傾いている角度であるともいえる。
図4(a)を参照して左サイドカメラ2Lを例にとり説明する。左サイドカメラ2Lの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、Z軸と平行に上方向に伸びる基準線62Lを0°とする。左サイドカメラ2Lの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、X軸と平行に横方向に伸びる基準線(図示せず)を回転軸とする。左サイドカメラ2Lのロール角は、この回転軸回りに左サイドカメラ2Lが基準線62Lから回転している角度RLで表される。同様に、右サイドカメラ2Rのロール角はRR、フロントカメラ2Fのロール角はRF、リアカメラ2Bのロール角はRBで表される。なお、フロントカメラ2Fとリアカメラ2Bのロール角の回転軸は、Y軸と平行に前後方向に伸びる基準線である。
【0037】
チルト角Tは、カメラ2の光軸が基準線に対して高さ方向になす角度を示す。
図4(b)を参照して左サイドカメラ2Lを例にとり説明する。左サイドカメラ2Lの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、X軸と平行に横方向に伸びる基準線63Lを0°とする。左サイドカメラの位置座標(XL、YL、ZL)を通り、Y軸と平行に前後方向に伸びる基準線(図示せず)を回転軸とする。左サイドカメラ2Lのチルト角は、この回転軸回りに光軸2Laが基準線63Lとなす角度TLで表される。
【0038】
右サイドカメラ2Rのチルト角も同様であり、右サイドカメラ2Rの位置座標(XR、YR、ZR)を通り、横方向に伸びる基準線63Rを0°とし、前後方向に伸びる基準線(図示せず)を回転軸とする。右サイドカメラ2Rのチルト角は、この回転軸回りに光軸2Raが基準線63Rとなす角度TRで表される。同様に、フロントカメラ2Fのチルト角はTF、リアカメラ2Bのチルト角はTBで表される。なお、フロントカメラ2Fとリアカメラ2Bのチルト角の回転軸は、X軸と平行に横方向に伸びる基準線である。本実施の形態において、各カメラ2F、2L、2R及び2Bのパン角、ロール角、チルト角を総称して(P、R、T)と記載する場合がある。
【0039】
以上のように、左サイドカメラ2Lの姿勢データは、位置データとして横方向位置XL、前後方向位置YL、高さ方向位置ZLを有し、光軸データとしてパン角PL、ロール角RL、チルト角TLを有する。同様に、右サイドカメラ2Rの姿勢データは、位置データとして横方向位置XR、前後方向位置YR、高さ方向位置ZRを有し、光軸データとしてパン角PR、ロール角RR、チルト角TRを有する。フロントカメラ2Fおよびリアカメラ2Bも同様である。
【0040】
かかる、カメラ2の姿勢データは、車両1の出荷前に公知のカメラキャリブレーションによって調整されて画像生成装置10の記憶部15(
図5)に記憶される。カメラ2の姿勢データは、各カメラ2の撮影画像を繋ぎ合わせて俯瞰画像を生成する際に、隣接するカメラ2の撮影画像間にずれが生じないように設定されたデータである。なお、本実施の形態において、車両1の出荷前に調整されたカメラ2の姿勢データを「初期カメラ姿勢データ」という。
【0041】
[1.4.画像生成装置10の構成]
図5は、
図1に示す画像生成装置10の構成を示す機能ブロック図である。画像生成装置10は、距離検出部11と、傾斜角算出部12と、補正部13と、画像生成部14と、記憶部15とを備える。
【0042】
距離検出部11は、車両1に搭乗者が乗車する前と乗車した後に、車両1の左方に存在する物体(以下、「左方物体」という)および右方に存在する物体(以下、「右方物体」という)と車両1との距離をそれぞれ検出する。距離検出部11は、第1距離検出部111と第2距離検出部112を備える。なお、本実施の形態において、左方物体と右方物体を総称して、「隣接物体」という場合がある。
【0043】
第1距離検出部111は、車両1に搭乗者が乗車する前に、左方物体および右方物体と車両1との距離を、第1距離Xaとして検出する。具体的には、第1距離検出部111は、車両1に搭乗者が乗車する前の所定時点T1で、測距センサ4Lを起動し、測距センサ4Lから距離検出信号5Lを取得する。第1距離検出部111は、取得した距離検出信号5Lに基づき、左方物体と車両1との距離を左方第1距離LXaとして検出する。この左方第1距離LXaは、車両1に搭乗者が乗車する前における左サイドカメラ2Lと左方物体との距離として用いられる。
【0044】
また、第1距離検出部111は、車両1に搭乗者が乗車する前の前記所定時点T1で、測距センサ4Rを起動し、測距センサ4Rから距離検出信号5Rを取得する。第1距離検出部111は、取得した距離検出信号5Rに基づき、右方物体と車両1との距離を右方第1距離RXaとして検出する。この右方第1距離RXaは、車両1に搭乗者が乗車する前における右サイドカメラ2Rと右方物体との距離として用いられる。なお、本実施の形態において、左方第1距離LXaと右方第1距離RXaを総称して、第1距離Xaと記載する場合がある。
【0045】
第1距離検出部111は、検出した第1距離Xaを傾斜角算出部12に出力する。ただし、第1距離検出部111は、測距センサ4から距離検出信号5を取得できない場合は、その方向に物体は存在しないと判断する。その場合、第1距離検出部111は、その方向の第1距離Xaを傾斜角算出部12に出力しない。
【0046】
第1距離検出部111は、ロックスイッチ6からアンロック信号7を取得する。第1距離検出部111は、アンロック信号7を取得したとき、車両1に搭乗者が乗車する前の所定時点T1であると判断する。具体的には、第1距離検出部111は、助手席側ドアのアンロック信号7Lおよび運転席側ドアのアンロック信号7Rを取得する。第1距離検出部111は、アンロック信号7Lまたは7Rのどちらかを先に取得した時点を所定時点T1であると判断する。運転席側ドアまたは助手席側ドアのアンロックは、搭乗者が車両1に搭乗する直前に行われるためである。
【0047】
このように、第1距離検出部111は、アンロック信号7を取得すると、車両1に搭乗者が乗車する直前であると判断し、測距センサ4を起動して測距センサ4から距離検出信号5を取得する。第1距離検出部111は、取得した距離検出信号5を基に第1距離Xaを検出する。
【0048】
第2距離検出部112は、車両1に搭乗者が乗車した後に、左方物体または右方物体と車両1との距離を、第2距離Xbとして検出する。具体的には、第2距離検出部112は、車両1に搭乗者が乗車した後の所定時点T2で、測距センサ4Lから距離検出信号5Lを取得する。第2距離検出部112は、取得した距離検出信号5Lに基づき、左方物体と車両1との距離を左方第2距離LXbとして検出する。この左方第2距離LXbは、車両1に搭乗者が乗車した後における左サイドカメラ2Lと左方物体との距離として用いられる。
【0049】
また、第2距離検出部112は、車両1に搭乗者が乗車した後の前記所定時点T2で、測距センサ4Rから距離検出信号5Rを取得する。第2距離検出部112は、取得した距離検出信号5Rに基づき、右方物体と車両1との距離を右方第2距離RXbとして検出する。この右方第2距離RXbは、車両1に搭乗者が乗車した後における右サイドカメラ2Lと右方物体との距離として用いられる。なお、左方第2距離LXbと右方第2距離RXbを総称して、第2距離Xbと記載する場合がある。
【0050】
第2距離検出部112は、検出した第2距離Xbを傾斜角算出部12に出力する。ただし、第2距離検出部112は、測距センサ4から距離検出信号5を取得できない場合は、その方向に物体は存在しないと判断する。その場合、第2距離検出部112は、その方向の第2距離Xbを傾斜角算出部12に出力しない。
【0051】
第2距離検出部112は、IGスイッチ8からIG信号9を取得する。第2距離検出部112は、IG信号9を取得したとき、車両1に搭乗者が乗車した後の所定時点T2であると判断する。IGスイッチ8のオン操作は、搭乗者が車両1に搭乗した後に行われるためである。
【0052】
このように、第2距離検出部112は、IG信号9を取得すると、車両1に搭乗者が乗車した後であると判断し、測距センサ4から距離検出信号5を取得する。第2距離検出部112は、取得した距離検出信号5を基に第2距離Xbを検出する。
【0053】
傾斜角算出部12は、第1距離検出部111で検出された第1距離Xaと、第2距離検出部112で検出された第2距離Xbに基づき、搭乗者が車両1に搭乗する前後における車両1の横方向の傾斜角の変化量である傾斜角変化量θを算出する。
【0054】
具体的には、運転席側ドアまたは助手席側ドアがアンロックされた時点T1では、車両1に搭乗者は乗車していないため、車両1に姿勢変化はない。すなわち、時点T1において、車両1は搭乗者が乗車していない初期状態である。第1距離Xaは、車両1の初期状態における隣接物体と車両1との距離を示す。
【0055】
その後、IGスイッチ8がオンされた時点T2では、車両1に搭乗者が乗車しているため、車両1に姿勢変化が生じる。すなわち、車両1が初期状態から横方向に傾斜角θだけ傾く。傾斜角θは、搭乗者が車両1に搭乗する前後における車両1の横方向の傾斜角の変化量である。第2距離Xbは、車両1が初期状態から横方向に傾斜角変化量θだけ傾いた状態における隣接物体と車両1との距離を示す。第1距離Xaと第2距離Xbの差は、傾斜角変化量θとして表れる。第1距離Xaと第2距離Xbの差が大きくなるほど傾斜角変化量θも大きくなる。
【0056】
かかる事実に基づき、傾斜角算出部12は、第1距離Xaと第2距離Xbの差を求め、その差を基に傾斜角変化量θを算出する。傾斜角変化量θの具体的な算出方法は後述する。傾斜角算出部12は、算出した傾斜角変化量θを補正部13に出力する。傾斜角算出部12は、また、第1距離Xaおよび第2距離Xbを補正部13に出力する。
【0057】
補正部13は、傾斜角変化量θ、第1距離Xaおよび第2距離Xbに基づき、カメラの姿勢データを補正する。具体的には、補正部13は、傾斜角変化量θに基づき記憶部15に記憶されている初期カメラ姿勢データ41を補正する。初期カメラ姿勢データ41は、カメラキャリブレーションにより得られたカメラ2の位置データX、Y、Zからなる初期位置データ42と、光軸データP、R、Tからなる初期光軸データ43である。
【0058】
補正部13は、補正した初期カメラ姿勢データ41を補正カメラ姿勢データ51として記憶部15に記憶する。補正部13は、記憶部15に記憶した補正カメラ姿勢データ51、すなわち、補正位置データ52と補正光軸データ53を画像生成部14に出力する。なお、補正部13は、初期カメラ姿勢データ41を補正していない場合は、初期カメラ姿勢データ41を補正カメラ姿勢データ51として画像生成部14に出力する。初期カメラ姿勢データ41の具体的な補正方法は後述する。
【0059】
画像生成部14は、補正カメラ姿勢データ51を用いて、生成された複数の撮影画像3から視点変換画像を生成する。具体的には、画像生成部14は、補正位置データ52と補正光軸データ53を補正部13から受け、撮影画像3を車両1に搭載された各カメラ2から受ける。画像生成部14は、補正位置データ52と補正光軸データ53を用いて、撮影画像3から俯瞰画像25を生成する。画像生成部14は、生成した俯瞰画像25を表示装置23に出力する。
【0060】
記憶部15は、初期カメラ姿勢データ41と補正カメラ姿勢データ51を記憶する。初期カメラ姿勢データ41は、車両1の出荷前にカメラキャリブレーションによって調整されたカメラ2の姿勢データである。初期カメラ姿勢データ41は、初期位置データ42と初期光軸データ43を含む。
【0061】
初期位置データ42は、前述したように、カメラキャリブレーションによって得られたカメラ2の横方向位置X、前後方向位置Y、および高さ方向位置Zを有する。具体的には、初期位置データ42は、左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2R、フロントカメラ2F、およびリアカメラ2Bのそれぞれの横方向位置XL、XR、XF、XB、前後方向位置YL、YR、YF、YB、および高さ方向位置ZL、ZR、ZF、ZBを有する。
【0062】
初期光軸データ43は、前述したように、カメラキャリブレーションによって得られたカメラ2のパン角P、ロール角R、チルト角Tを有する。具体的には、初期光軸データ43は、左サイドカメラ2L、右サイドカメラ2R、フロントカメラ2F、およびリアカメラ2Bのそれぞれのパン角PL、PR、PF、PB、ロール角RL、RR、RF、RB、およびチルト角TL、TR、TF、TBを有する。
【0063】
補正カメラ姿勢データ51は、補正部13により補正された初期カメラ姿勢データ41である。補正カメラ姿勢データ51は、補正位置データ52と補正光軸データ53を含む。
【0064】
本実施の形態において、初期カメラ姿勢データ41と補正カメラ姿勢データ51を区別するために、初期カメラ姿勢データ41に含まれる各データはa付きで表示し、補正カメラ姿勢データ51に含まれる各データはb付きで表示することがある。例えば、左サイドカメラ2Lの初期高さ方向位置はZLaと表記し、補正された高さ方向位置はZLbと表記する。
【0065】
[2.傾斜角変化量θの算出方法]
以下、
図6を用いて、傾斜角変化量θの具体的な算出方法について説明する。
図6は、傾斜角変化量θの算出方法を説明する図である。
図6(a)は、車両1の左右両隣に隣接物体である隣接車両1L、1Rが駐車枠110内に駐車している状態を上面視で示している。
図6(b)は、車両1に搭乗者が搭乗する前の時点T1における各車両1、1L、1Rの状態を後面視で示している。
図6(c)は、車両1に搭乗者が乗車した後の時点T2における各車両1、1L、1Rの状態を後面視で示している。なお、
図6(b)(c)において、車両1、1L、1Rを直方体の剛体として表現している。
図6(d)は、車両1に搭乗者が乗車する前後の車両1の姿勢変化、および車両1の左方の隣接車両1Lと車両1との距離関係を示している。なお、
図6(c)(d)において、車両1の姿勢が変化した後の車両1と同じ車両部分については、「’」付きで表記している。
【0066】
図6(b)を参照して、運転席側ドアまたは助手席側ドアがアンロックされた時点T1では、車両1は搭乗者が乗車していない初期状態である。このときの車両1と左方隣接車両1Lとの距離である左方第1距離はLXaであり、車両1と右方の隣接車両1Rとの右方第1距離はRXaであるとする。その後、搭乗者が車両1に乗車し、IGスイッチ8をオンした時点T2では、
図6(c)に示すように、搭乗者の乗車により車両1の姿勢が変化する。
図6(c)では車両1が右側に傾斜角θLだけ初期状態から傾斜していることを示している。すなわち、車両1の左方の傾斜角変化量θはθL(以下、「左方傾斜角変化量θL」という)である。このときの車両1’と左方隣接車両1Lとの距離である左方第2距離はLXbであり、車両1’と右方隣接車両1Rとの右方第2距離はRXbであるとする。なお、
図6では、時点T1と時点T2で車両1の前後方向の傾斜角変化量は0であるとしている。
【0067】
図6(d)を参照して、車両1の左側面1Sには左サイドカメラ2Lが取り付けられている。測距センサ4Lは
図6(d)に図示していないが、左サイドカメラ2Lの近傍でほぼ同じ位置に設置されている。時点T1では車両1は初期状態であり、このときの左サイドカメラ2Lの路面に対する高さは、初期位置データ42における左サイドカメラ2Lの高さ方向位置ZLaに対応する長さである。また、時点T1において、左サイドカメラ2Lと左方隣接車両1Lの右側面1LSとの左方第1距離はLXaである。
【0068】
時点T2において、車両1’が回転中心Aを中心として左方傾斜角変化量θLだけ傾く。このとき、左サイドカメラ2L’と左方隣接車両1Lの右側面1LSとの左方第2距離はLXbである。よって、傾斜後の左サイドカメラ2L’と初期状態における車両1の左側面1Sとの距離は、LXb-LXaとなる。時点T2において、左サイドカメラ2L’と回転中心Aとの距離は、初期状態における左サイドカメラ2Lの高さと同じであるため、高さ方向位置ZLaに対応する長さである。したがって、左方傾斜角変化量θLは、下記の式(1)を用いて算出することができる。
θL=sin-1((LXb-LXa)/ZLa) ・・・(1)
【0069】
左方隣接車両1Lに対して左方傾斜角変化量θLを算出したのと同様に、右方隣接車両1Rに対しても、車両1の右方の傾斜角変化量θである傾斜角変化量θR(以下、「右方傾斜角変化量θR」という)を算出することができる。この場合、高さ方向位置ZLaの代わりに、右サイドカメラ2Rの高さ方向位置ZRaを使用し、右方第1距離はRXaを使用し、右方第2距離はRXbを使用する。右方傾斜角変化量θRは、下記の式(2)を用いて算出することができる。
θR=sin-1((RXb-RXa)/ZRa) ・・・(2)
なお、本実施の形態において、左方傾斜角変化量θLと右方傾斜角変化量θRを総称して、傾斜角変化量θと記載する場合がある。
【0070】
傾斜角算出部12(
図5)は、第1距離検出部111から左方第1距離LXaおよび右方第1距離RXaを取得する。傾斜角算出部12は、第2距離検出部112から左方第2距離LXbおよび右方第2距離RXbを取得する。さらに、傾斜角算出部12は、記憶部15から初期カメラ姿勢データ41におけるカメラ位置データ42のうち、左サイドカメラ2Lの高さ方向位置データZLaおよび右サイドカメラ2Rの高さ方向位置データZRaを読み出す。傾斜角算出部12は、取得した左方第1距離LXa、左方第2距離LXb、および高さ方向位置データZLaに基づき、前記式(1)により左方傾斜角変化量θLを算出する。
【0071】
また、傾斜角算出部12は、取得した右方第1距離RXa、右方第2距離RXb、および高さ方向位置データZRaに基づき、前記式(2)により右方傾斜角変化量θRを算出する。傾斜角算出部12は、算出した左方傾斜角変化量θLと右方傾斜角変化量θRを補正部13に出力する。また、傾斜角算出部12は、検出した左方第1距離LXa、左方第2距離LXb、および右方第1距離RXa、右方第2距離RXbを補正部13に出力する。
【0072】
[3.カメラ姿勢データの補正方法]
次に、初期カメラ姿勢データ41の補正方法について
図6(d)を用いて説明する。車両1が左方傾斜角変化量θLだけ横方向に傾斜することにより、左サイドカメラ2Lの初期カメラ姿勢データ41が変化する。具体的には、横方向位置XLは、初期横方向位置XLaに対しLXb-LXaだけ小さくなる。高さ方向位置ZLは、初期高さ方向位置ZLaに対し、ZLa-(LXb-LXa)/tanθLだけ小さくなる。チルト角TLaは、初期チルト角TLaに対し、左方傾斜角変化量θLだけ大きくなる。一方、前後方向位置YL、パン角PL、およびロール角RLは、車両1の姿勢変化後も初期値から変化しない。
【0073】
したがって、補正後の左サイドカメラ2Lの補正カメラ姿勢データ51は、式(3)から式(8)のようになる。
補正横方向位置XLb=XLa-(LXb-LXa) ・・・(3)
補正前後方向位置YLb=YLa ・・・(4)
補正高さ方向位置ZLb=(LXb-LXa)/tanθL ・・・(5)
補正パン角PLb=PLa ・・・(6)
補正ロール角RLb=RLa ・・・(7)
補正チルト角TLb=TLa+θL ・・・(8)
【0074】
右サイドカメラ2Rについても同様であり、補正後の右サイドカメラ2Rの補正カメラ姿勢データ51は、式(9)から式(14)のようになる。
補正横方向位置XRb=XRa-(RXb-RXa) ・・・(9)
補正前後方向位置YRb=YRa ・・・(10)
補正高さ方向位置ZRb=(RXb-RXa)/tanθR ・・・(11)
補正パン角PRb=PRa ・・・(12)
補正ロール角RRb=RRa ・・・(13)
補正チルト角TRb=TRa+θR ・・・(14)
【0075】
フロントカメラ2Fの場合、左右のサイドカメラ2L、2Rと若干異なり、横方向位置XFおよび高さ方向位置ZFの変化量は、左方傾斜角変化量θLと初期高さ方向位置ZFaによって定まる。また、フロントカメラ2Fの場合、ロール角RFが左方傾斜角変化量θLだけ変化する。したがって、フロントカメラ2Fの補正後の補正カメラ姿勢データ51は、式(15)から式(20)のようになる。
補正横方向位置XFb=XFa-sinθL×ZFa ・・・(15)
補正前後方向位置YFb=YFa ・・・(16)
補正高さ方向位置ZFb=cosθL×ZFa ・・・(17)
補正パン角PFb=PFa ・・・(18)
補正ロール角RFb=RFa+θL ・・・(19)
補正チルト角TFb=TFa ・・・(20)
【0076】
リアカメラ2Bについては、フロントカメラ2Fと同様であり、補正後の補正カメラ姿勢データ51は、式(21)から式(26)のようになる。
補正横方向位置XBb=XBa-sinθL×ZBa ・・・(21)
補正前後方向位置YBb=YBa ・・・(22)
補正高さ方向位置ZBb=cosθL×ZBa ・・・(23)
補正パン角PBb=PBa ・・・(24)
補正ロール角RBb=RBa+θL ・・・(25)
補正チルト角TBb=TBa ・・・(26)
【0077】
なお、フロントカメラ2Fおよびリアカメラ2Bの補正カメラ姿勢データ51は、傾斜角変化量θとして左方傾斜角変化量θLを使用しているが、これに限らない。例えば、補正カメラ姿勢データ51は、傾斜角変化量θとして右方傾斜角変化量θRを使用してもよい。補正カメラ姿勢データ51は、左方傾斜角変化量θLと右方傾斜角変化量θRの平均値を使用してもよい。
【0078】
補正部13(
図5)は、傾斜角算出部12から左方傾斜角変化量θL、左方第1距離LXaおよび左方第2距離LXbを取得する。補正部13は、前記式(3)から式(8)により左サイドカメラ2Lの補正カメラ姿勢データ51を算出する。
【0079】
補正部13は、傾斜角算出部12から右方傾斜角変化量θR、右方第1距離RXaおよび右方第2距離RXbを取得する。補正部13は、前記式(9)から式(14)により右サイドカメラ2Rの補正カメラ姿勢データ51を算出する。
【0080】
補正部13は、傾斜角算出部12から取得した左方傾斜角変化量θLまたは右方傾斜角変化量θRを用いて、前記式(15)から式(26)によりフロントサイドカメラ2F、およびリアカメラ2Bの補正カメラ姿勢データ51を算出する。
【0081】
補正部13は、補正カメラ姿勢データ51を算出すると、算出した補正カメラ姿勢データ51を記憶部15に記憶し、画像生成部14に出力する。これにより、画像生成部14は、補正カメラ姿勢データ51を用いて撮影画像3から俯瞰画像25を生成する。これにより、搭乗者が車両1に乗車して車両1の姿勢が変化しても、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間にずれが生じなくなる。
【0082】
なお、車両1の左右方向に、左方隣接車両1Lと右方隣接車両1Rのどちらか一方のみが存在する場合、補正部13は、その一方の隣接車両に対する傾斜角変化量θと第1距離Xa、第2距離Xbしか得られない。その場合、補正部13は、取得した一方の傾斜角変化量θを共通の傾斜角変化量θとし、取得した一方の第1距離Xa、第2距離Xbを共通の第1距離Xa、第2距離Xbとする。補正部13は、隣接車両が存在しない側に対応する他方の傾斜角変化量θとして、共通の傾斜角変化量θを使用する。また補正部13は、隣接車両が存在しない側に対応する他方の第1距離Xa、第2距離Xbとして共通の第1距離Xa、第2距離Xbを使用する。
【0083】
例えば、車両1の隣に左方隣接車両1Lが駐車しており、右方隣接車両1Rが駐車していないとする。その場合、補正部13は、左方傾斜角変化量θL、左方第1距離LXa、左方第2距離LXbしか取得できない。補正部13は、右サイドカメラ2Rの補正カメラ姿勢データ51を算出するにあたり、前記式(9)から式(14)において、右方傾斜角変化量θR、右方第1距離RXa、右方第2距離RXbの代わりに、左方傾斜角変化量θL、左方第1距離LXa、左方第2距離LXbを使用する。
【0084】
また、車両1の左右方向に、左方隣接車両1Lと右方隣接車両1Rのどちらも存在しない場合、補正部13は、傾斜角変化量θと第1距離Xa、第2距離Xbを得られない。その場合、補正部13は初期カメラ姿勢データ41の補正を禁止する。
【0085】
[4.動作詳細]
図7は、
図1に示す画像生成装置10の動作を示すフローチャートである。画像生成装置10は、IGスイッチ8がオフの間はスリープモードとなり、動作を停止している。助手席側ドアのアンロック信号7L、または運転席側ドアのアンロック信号7Rのどちらかが画像生成装置10に入力されると、画像生成装置10は、スリープモードからアクティブモードになり
図7に示す処理を開始する。このタイミングが、車両1に搭乗者が乗車する前の時点T1となる。
【0086】
第1距離検出部111は、測距センサ4Lを起動し、測距センサ4Lから左方隣接物体との距離検出信号5Lを取得する。第1距離検出部111は、取得した距離検出信号5Lを左方第1距離LXaとして検出し、傾斜角算出部12に出力する(ステップS1)。次いで、第1距離検出部111は、測距センサ4Rを起動し、測距センサ4Rから右方隣接物体との距離検出信号5Rを取得する。第1距離検出部111は、取得した距離検出信号5Rを右方第1距離RXaとして検出し、傾斜角算出部12に出力する(ステップS2)。
【0087】
第2距離検出部112は、IG信号9に基づきIGスイッチ8がオンされたか否かを判断する(ステップS3)。IGスイッチ8がオンされていなければ(ステップS3 NO)、第2距離検出部112は、ステップS3を繰り返し、IGスイッチ8がオンされるのを待つ。IGスイッチ8がオンされると、そのタイミングが、車両1に搭乗者が乗車した後の時点T2となる。
【0088】
第2距離検出部112は、IGスイッチ8がオンされたと判断すると(ステップS3 YES)、測距センサ4Lから左方隣接物体との距離検出信号5Lを取得する。第2距離検出部112は、取得した距離検出信号5Lを左方第2距離LXbとして検出し、傾斜角算出部12に出力する(ステップS4)。次いで、第2距離検出部112は、測距センサ4Rから右方隣接物体との距離検出信号5Rを取得する。第2距離検出部112は、取得した距離検出信号5Rを右方第2距離RXbとして検出し、傾斜角算出部12に出力する(ステップS5)。
【0089】
傾斜角算出部12は、記憶部15から読み出した初期カメラ姿勢データ41と、距離検出部11から取得した第1距離Xaおよび第2距離Xbに基づき、車両1の傾斜角変化量θを算出する(ステップS6)。傾斜角算出部12は、算出した傾斜角変化量θを第1距離Xaおよび第2距離Xbと共に補正部13に出力する。具体的には、傾斜角算出部12は、記憶部15から初期カメラ姿勢データ41のうち、左右のサイドカメラ2L、2Rの初期高さ方向位置ZLa、ZRaを読み出す。傾斜角算出部12は、記憶部15から読み出した左サイドカメラ2Lの初期高さ方向位置ZLa、および傾斜角算出部12から取得した左方第1距離LXaと左方第2距離LXbに基づき、前記式(1)により左方傾斜角変化量θLを算出する。また、傾斜角算出部12は、記憶部15から読み出した右サイドカメラ2Rの初期高さ方向位置ZRa、および傾斜角算出部12から取得した右方第1距離RXaと右方第2距離RXbに基づき、前記式(2)により右方傾斜角変化量θRを算出する。傾斜角算出部12は、算出した左方傾斜角変化量θLと右方傾斜角変化量θR、を補正部13に出力する。また、傾斜角算出部12は、距離検出部11から取得した左方第1距離LXa、左方第2距離LXb、右方第1距離RXa、および右方第2距離RXbを補正部13に出力する。
【0090】
補正部13は、記憶部15から初期カメラ姿勢データ41を読み出し、初期カメラ姿勢データ41と傾斜角変化量θ、第1距離Xa、第2距離Xbに基づき、初期カメラ姿勢データ41を補正する(ステップS7)。具体的には、補正部13は、前記式(3)から式(26)により各カメラ2の補正カメラ姿勢データ51を算出し、記憶部15に記憶する。補正部13は、記憶部15に記憶した補正カメラ姿勢データ51を画像生成部14に出力する。
【0091】
画像生成部14は、カメラ2から取得した撮影画像3と、補正部13から取得した補正カメラ姿勢データ51に基づき俯瞰画像25を生成する。画像生成部14は、生成した俯瞰画像25を表示装置23に出力する。
【0092】
以上、詳細に説明したように、本実施の形態に係る画像生成装置は、移動体に搭載された複数のカメラにより生成された複数の撮影画像からカメラの姿勢データを用いて視点変換画像を生成する画像生成装置であって、第1距離検出部と、第2距離検出部と、傾斜角算出部と、補正部と、画像生成部と、を備える。第1距離検出部は、移動体に搭乗者が乗車する前に、移動体の左方向または右方向に存在する物体と移動体との距離を、第1距離として検出する。第2距離検出部は、移動体に搭乗者が乗車した後に、移動体の左方向または右方向に存在する物体と移動体との距離を、第2距離として検出する。傾斜角算出部は、第1距離および第2距離に基づき、搭乗者が移動体に搭乗する前後における移動体の横方向の傾斜角の変化量である傾斜角変化量を算出する。補正部は、傾斜角変化量、第1距離および第2距離に基づき姿勢データを補正する。画像生成部は、補正された姿勢データを用いて、生成された複数の画像から視点変換画像を生成する。
【0093】
これにより、移動体の姿勢が変化した場合であっても、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間のずれの発生を抑制することができる。
【0094】
また、本実施の形態に係る画像生成装置では、カメラは、移動体の左側に搭載された左サイドカメラと移動体の右側に搭載された右サイドカメラを備え、傾斜角算出部は、移動体の左方向と右方向の両方に物体が存在する場合、移動体と左方向の物体との第1距離および第2距離に基づき傾斜角変化量を左方傾斜角変化量として算出し、移動体と前記右方向の物体との第1距離および第2距離に基づき傾斜角変化量を右方傾斜角変化量として算出し、補正部は、左サイドカメラの姿勢データを左方傾斜角変化量に基づき補正し、右サイドカメラの姿勢データを右方傾斜角変化量に基づき補正する。
【0095】
これにより、移動体の姿勢が変化した場合であっても、左右カメラの姿勢データをそれぞれ補正でき、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間のずれの発生を抑制することができる。
【0096】
また、本実施の形態に係る画像生成装置では、カメラは、移動体の左側に搭載された左サイドカメラと移動体の右側に搭載された右サイドカメラを備え、傾斜角算出部は、移動体の左方向と右方向のいずれか一方に物体が存在する場合、移動体と存在する物体との第1距離および第2距離に基づき傾斜角変化量を共通の傾斜角変化量として算出し、補正部は、左サイドカメラと右サイドカメラのうち、物体が存在しない側に搭載されたサイドカメラの姿勢データを共通の傾斜角変化量に基づき補正する。
【0097】
これによれば、移動体の左右いずれかに物体が存在しない場合であっても、物体の存在しない側に搭載されたサイドカメラの姿勢データを補正できるため、仮想視点画像において繋ぎ合わせた画像間のずれの発生を抑制することができる。
【0098】
また、本実施の形態に係る画像生成装置では、補正部は、移動体の左方向と右方向のどちらにも物体が存在しない場合、姿勢データの補正を禁止する。
【0099】
これによれば、姿勢データが間違って補正されてしまうことを防止できる。
【0100】
[変形例]
上記実施の形態において、距離検出部11は、レーダ装置を例とする測距センサ4により第1距離および第2距離を検出したが、これに限らない。距離検出部11は、画像認識により第1距離と第2距離を検出してもよい。その場合、測距センサ4の代わりにカメラ2を用いることができる。具体的には、第1距離検出部111は、時点T1でカメラ2を起動し、撮影画像3を取得して記憶する。第1距離検出部111は、撮影画像3に映る物体の路面との接地点を検出する。例えば、物体が隣接車両である場合、第1距離検出部111は、撮影画像3において隣接車両のタイヤを検出し、撮影画像3におけるタイヤの最下点のピクセル位置より第1距離を検出する。第2距離検出部112も同様に、時点T2における撮影画像3より第2距離を検出する。これにより、測距センサ4をカメラ2と兼用することができるため、コストダウンになる。
【0101】
上記実施の形態において、距離検出部11は、移動体に搭乗者が乗車する前の時点T1をアンロック信号7により検出したが、これに限らない。距離検出部11は、移動体に搭乗者が乗車する前であることを検出できれば、いかなる信号を使用してもよい。例えば、距離検出部11は、ドア開閉スイッチにより車両1のいずれかのドアが開いたことを検出した時点を時点T1としてもよい。
【0102】
上記実施の形態において、距離検出部11は、移動体に搭乗者が乗車した後の時点T2をIGスイッチ8により検出したが、これに限らない。距離検出部11は、移動体に搭乗者が乗車したことを検出できればいかなる信号を使用してもよい。例えば、距離検出部11は、ACCスイッチのオン信号、シートに設けられる着座センサ、ブレーキのオン信号、シフト位置センサによるシフト位置の切換などにより、移動体に搭乗者が乗車したことを検出してもよい。
【0103】
上記実施の形態において、時点T1で検出した第1距離Xaと、時点T2で検出した第2距離Xbとは、同じ隣接物体と車両1との距離であると見做している。搭乗者がドアをアンロックしてからIGスイッチ8をオンするまでの時間は短時間であるため、その間に隣接物体が別の物体と入れ替わる可能性が低いためである。しかしながら、時点T1から時点T2までの時間が長い場合は、その間に隣接物体が他の物体と入れ替わっている可能性が高くなる。隣接物体が入れ替わると、第1距離Xaと第2距離Xbは、異なる物体との距離になるため、傾斜角算出部12は間違った傾斜角変化量θを算出してしまう。それにより、補正部13は、初期カメラ姿勢データ41を間違った値に補正してしまう。そこで、補正部13は、時点T1から時点T2までの経過時間を計測し、その経過時間が所定時間を超えた場合は、初期カメラ姿勢データ41の補正を禁止するようにしてもよい。これにより、補正部13が、初期カメラ姿勢データ41を間違った値に補正することを防止できる。
【0104】
また、上記実施の形態において、画像生成装置10の各機能ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0105】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Fi eld Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0106】
また、画像生成装置10により実行される処理の一部または全部は、プログラムにより実現されてもよい。そして、上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0107】
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
【0108】
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えてもよい。
【0109】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0110】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 車両
2F、2L、2R、2B カメラ
4L、4R 測距センサ
10 画像生成装置
11 距離検出部
12 傾斜角算出部
13 補正部
14 画像生成部
15 記憶部