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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20221206BHJP
   B60W 30/12 20200101ALI20221206BHJP
   B60W 40/114 20120101ALI20221206BHJP
   B60W 40/072 20120101ALI20221206BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20221206BHJP
   B60W 40/109 20120101ALI20221206BHJP
   B62D 101/00 20060101ALN20221206BHJP
   B62D 103/00 20060101ALN20221206BHJP
   B62D 137/00 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
B62D6/00 ZYW
B60W30/12
B60W40/114
B60W40/072
B60W40/06
B60W40/109
B62D101:00
B62D103:00
B62D137:00
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019067412
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020164061
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100174713
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧川 彰人
(72)【発明者】
【氏名】中村 友之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 陽介
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-183383(JP,A)
【文献】特開2018-177178(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102018108572(DE,A1)
【文献】特開2018-144678(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102017128671(DE,A1)
【文献】特開2018-161996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 6/00
B60W 10/00-50/16
B62D 101/00-137/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を目標経路に沿って走行させる車両制御装置であって、
前記車両の実ヨー角と、前記目標経路に対応する目標ヨー角との偏差であるヨー角偏差を小さくするヨー角制御量を算出する第1算出部と、
前記目標経路に対する前記車両の横方向偏差を小さくする横方向制御量を算出する第2算出部と、
前記ヨー角制御量のゲインである第1ゲインと、前記横方向制御量のゲインである第2ゲインとを設定する設定部と、
を備え、
前記設定部は、前記車両の現在位置に対応する前記目標経路の曲率又は前記車両の現在位置よりも前方の前記目標経路の曲率である現在曲率が大きいほど、前記現在位置における前記第1ゲインを小さくし且つ前記第2ゲインを大きくする車両制御装置。
【請求項2】
前記現在曲率に対応する前記目標経路よりも前方の前記目標経路の曲率である前方曲率を取得する取得部を備え、
前記設定部は、前記取得部が取得した前記前方曲率が前記現在曲率よりも大きい場合、前記車両が前記前方曲率に対応する前記目標経路に達するまでに、前記前方曲率と前記現在曲率との差が大きいほど、前記第1ゲインを小さくし且つ前記第2ゲインを大きくする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記現在曲率に対応する前記目標経路よりも前方の前記目標経路の向きである前方向きを取得する取得部を備え、
前記設定部は、前記取得部が取得した前記前方向きが前記現在位置に対応する前記目標経路の向きと反対である場合、前記車両が前記前方向きに対応する前記目標経路に達するまでに、前記第1ゲインを小さくし且つ前記第2ゲインを大きくする請求項1又は2に記載の車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両制御装置として、走行車線から車両が逸脱しないように車両の転舵を制御するレーンキープ技術を備えるものが知られている。レーンキープ技術では、例えば、走行車線の延伸方向に直交する横方向における、車両の目標位置と実位置(現在位置)との偏差である横方向偏差が小さくなるように転舵が制御される。例えば、特開2009-234560号公報に記載の車線維持支援装置では、走行車線の幅方向両側に横変位基準位置を設け、車両と当該横変位基準位置の位置関係により制御を変化させている。具体的に、この車線維持支援装置では、車両が横変位基準位置の内側を走行している場合、ヨー角偏差が小さくなることを優先した制御が実行される。一方、車両が横変位基準位置の外側を走行している場合、横方向偏差が小さくなることを優先した制御が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-234560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車線維持支援装置では、走行車線が直線状である場合に車両が横変位基準位置の外側を走行していると、優先的に横方向偏差が小さくなるようにフィードバック制御が為される。この場合、走行車線が直線状であるにもかかわらず、乗員には横方向に加速度が加わり、乗り心地の観点で改良の余地がある。
【0005】
また、一方で、走行車線が曲線状である場合に車両が横変位基準位置の内側を走行していると、例えば車両が一方の横変位基準位置に近い位置を走行しているにもかかわらず、ヨー角偏差の解消を重視したフィードバック制御が為される。この場合、横方向偏差の重みが小さいため、車両が目標経路上(例えば走行車線の中央)に戻らず、乗員に不安を与える可能性がある。つまり、このことも乗員の乗り心地に影響する。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、車両を目標経路に沿って走行させつつ、乗員の乗り心地を向上させることができる車両制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の車両制御装置は、車両を目標経路に沿って走行させる車両制御装置であって、前記車両の実ヨー角と、前記目標経路に対応する目標ヨー角との偏差であるヨー角偏差を小さくするヨー角制御量を算出する第1算出部と、前記目標経路に対する前記車両の横方向偏差を小さくする横方向制御量を算出する第2算出部と、前記ヨー角制御量のゲインである第1ゲインと、前記横方向制御量のゲインである第2ゲインとを設定する設定部と、を備え、前記設定部は、前記車両の現在位置に対応する前記目標経路の曲率又は前記車両の現在位置よりも前方の前記目標経路の曲率である現在曲率が大きいほど、前記現在位置における前記第1ゲインを小さくし且つ前記第2ゲインを大きくする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現在曲率に応じて各ゲインが変更される。具体的に、現在曲率が大きいほど、第2ゲインが大きくなり横方向偏差の解消が重視(優先)され、且つ第1ゲインが小さくなりヨー角偏差の解消の優先度が低くなる。換言すると、現在曲率が小さいほど、第1ゲインが大きくなりヨー角偏差の解消が重視(優先)され、且つ第2ゲインが小さくなり横方向偏差の解消の優先度が低くなる。
【0009】
例えば、走行車線が直線状である場合すなわち現在曲率が小さい場合、第2ゲインが小さくなり、横方向制御量が小さくなる。これにより、車両の横方向への加速度が抑制される。走行車線が直線状である場合は、目標経路の真上を走行する必要性が比較的低く、車両位置の変更を抑え、横方向の加速度を抑制することで、乗員の乗り心地が改善される。一方で、ゲイン変更前よりも大きくなったヨー角制御量と小さくなった横方向制御量により、車両の目標経路に沿った走行が維持される。このように、走行車線が直線状に近いほど、横方向偏差の解消よりも直進安定性が優先され、乗員の乗り心地が向上する。
【0010】
また、例えば、走行車線のカーブが急である場合すなわち現在曲率が大きい場合、第2ゲインが大きくなり、横方向制御量が大きくなる。これにより、目標経路に近づくことが優先され、カーブ走行中における乗員の不安感の発生は抑制される。このように、現在曲率が大きい場合は、車線の逸脱をより確実に抑制する制御が実行される。本発明によれば、車両を目標経路に沿って走行させつつ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の車両制御装置の構成図である。
図2】本実施形態の第1マップ及び第2マップを示す図である。
図3】本実施形態のゲイン変更制御を説明するための概念図である。
図4】本実施形態の第1特定制御を説明するための概念図である。
図5】本実施形態の第2特定制御を説明するための概念図である。
図6】本実施形態の制御全体の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、説明に用いる各図は概念図である。また、本明細書において特に言及しない場合、「車両」は自車両を意味する。
(車両の全体構成)
本実施形態において、図1に示すように、車両は、車両制御装置1と、周辺監視装置2と、車輪速度センサ31と、加速度センサ32、33と、ヨーレートセンサ34と、ブレーキ制御装置4と、前輪舵角制御装置5と、後輪舵角制御装置6と、EPS制御装置7と、ナビゲーション装置8と、を備えている。
【0013】
周辺監視装置2は、車両前方を撮像するカメラ21を備えている。周辺監視装置2は、カメラ21の撮像データに基づいて、車線と車両の位置に関する情報を車両制御装置1に送信する。走行車線は、カメラ21の撮像データから周知の方法で、特定することができる。走行車線は、例えば撮像データに含まれる道路の白線を示すデータを検出することで、撮像された範囲内で特定される。また、周辺監視装置2は、走行車線を検出するたびに走行車線の曲率を算出する。曲率は走行車線の中央に沿って所定間隔ごとに算出される。なお、周辺監視装置2は、カメラ21の他に、例えばステレオカメラやライダー(Light Detection and Ranging)等を備えてもよい。
【0014】
車輪速度センサ31は、各車輪に設けられた、車輪速度を検出するセンサである。例えば車速は、各車輪速度に基づいて算出することができる。加速度センサ32は、車両の前後方向の加速度を検出するセンサである。加速度センサ33は、車両の左右方向(横方向)の加速度を検出するセンサである。ヨーレートセンサ34は、車両のヨーレート(実ヨーレート)を検出するセンサである。各種センサ31~34の検出情報は、車両制御装置1に送信される。
【0015】
ブレーキ制御装置4は、各車輪に発生させる制動力を制御する装置である。ブレーキ制御装置4は、例えば車輪ごとに設けられたホイールシリンダの液圧を調整し、車輪ごとに異なる制動力を発生させることができる。前輪舵角制御装置5は、前輪の舵角を制御する装置である。後輪舵角制御装置6は、後輪の舵角を制御する装置である。つまり、本実施形態の車両は、四輪すべての舵角が制御可能な四輪操舵(4ホイールステア)の構成を有している。EPS制御装置7は、電動パワーステアリングの制御装置であり、ドライバのステアリング操作に対するアシスト力(ステアリングの重さ)を制御する。ナビゲーション装置8は、車両の現在位置を把握できるGPS機能と地図情報とを有している。
【0016】
(車両制御装置)
車両制御装置1は、車両を目標経路に沿って走行させるための制御装置である。本実施形態の車両制御装置1は、CPUやメモリ等を備えるECU(電子制御ユニット)で構成されている。詳細には、車両制御装置1は1つ又は複数のプロセッサを備えており、当該プロセッサの作動により後述する各種制御が実行される。車両制御装置1は、目標経路設定部10と、第1算出部11と、第2算出部12と、曲率取得部(「取得部」に相当する)13と、設定部14と、目標値算出部15と、を備えている。
【0017】
目標経路設定部10は、周辺監視装置2から送信される車線情報及び車両位置情報に基づいて、走行車線に対して目標経路を設定する。本実施形態の目標経路設定部10は、走行車線の中央を目標経路に設定する。目標経路設定部10は、周辺監視装置2によって算出された所定間隔ごとの曲率を記憶する。なお、曲率は周辺監視装置2で算出されずに、目標経路設定部10で算出されてもよい。
【0018】
第1算出部11は、車両の実ヨー角と、目標経路に対応する目標ヨー角との偏差であるヨー角偏差を小さくするヨー角制御量を算出する。実ヨー角は、走行車線に対応する基準軸と車両の前後軸とがなす角度であって、周辺監視装置2の情報に基づいて算出される。目標ヨー角は、目標経路に基づいて算出されるヨー角の目標値である。
【0019】
第2算出部12は、目標経路に対する車両の横方向偏差を小さくする横方向制御量を算出する。横方向偏差は、目標経路に直交する横方向における、車両の実位置(現在位置)と、目標経路上の位置である目標位置との差である。車両の実位置は、周辺監視装置2の情報に基づいて算出される。目標位置は、周辺監視装置2の情報及び目標経路に基づいて算出される。
【0020】
曲率取得部13は、周辺監視装置2が算出した曲率のうち、車両の前方の所定領域に含まれる目標経路の曲率である前方曲率を取得する。所定領域は、予め設定された、車両の所定距離前方における走行車線上の一定領域である。所定領域は、車速に応じて変更されてもよい。例えば、所定領域は、車速が速いほど、広い領域に設定されてもよい。また、所定領域は、車速が速いほど、より前方の領域に設定されてもよい。所定領域は、カメラ21の撮像範囲内で設定可能である。また、所定領域は、ナビゲーション装置8などの地図情報における現在位置に基づいて設定されてもよい。
【0021】
曲率取得部13は、目標経路設定部10から前方曲率を取得する。曲率取得部13が前方曲率として取得した値は、車両が当該前方曲率に対応する目標経路に到達したときには、現在位置に対応する目標経路の曲率として設定される。本実施形態では、車両の現在位置に対応する目標経路の曲率が「現在曲率」に定義される。前方曲率は、現在曲率に対応する目標経路よりも前方の目標経路の曲率である。
【0022】
より詳細に、本実施形態では、車両が前方曲率に対応する目標経路に到達したか否かは、前方曲率に対応する目標経路(所定領域)と車両との距離に基づいて判定される。つまり、曲率取得部13又は設定部14は、前方曲率を取得後、目標経路のうち取得されている前方曲率に対応する目標経路と車両との距離が閾値以下となった場合、前方曲率として取得された値を現在曲率として設定する。閾値が0に設定されている場合、現在曲率は、車両が現在走行中の走行車線の目標経路の曲率に相当する。すなわち、閾値が0である場合、車両が前方曲率に対応する目標経路に達したとき、前方曲率として取得されていた値が現在曲率として設定される。一方、閾値が0より大きい値に設定されている場合、現在曲率は、車両がこれから走行する目標経路の曲率に相当する。すなわち、閾値が0より大きい場合、現在曲率は、車両の現在位置よりも閾値分だけ前方の目標経路の曲率である。そのため、この場合の現在曲率は、所定領域に含まれる走行車線と現在走行中の走行車線との間の走行車線の目標経路の曲率である。閾値が0より大きい場合、当該閾値は、例えば車速に応じて変化する値又は一定値として設定される。このように、現在曲率は、閾値の設定に応じて、車両の現在位置に対応する目標経路の曲率又は車両の現在位置よりも前方の目標経路の曲率となる。現在曲率は、現在位置から所定領域に達するまでの目標経路に含まれる目標経路の曲率に設定できる。本実施形態では、閾値が0に設定されている例を用いて説明するため、現在曲率は、車両の現在位置に対応する目標経路の曲率である。なお、曲率取得部13の機能は、周辺監視装置2に組み込まれてもよい。
【0023】
設定部14は、ヨー角制御量のゲインである第1ゲインk1と、横方向制御量のゲインである第2ゲインk2とを設定する。設定部14の詳細は後述する。
【0024】
目標値算出部15は、各種情報に基づいて、所定サンプリング周期で制御目標値を算出する。車両制御装置1は、算出された制御目標値に基づき、状況に応じて、ブレーキ制御装置4、前輪舵角制御装置5、後輪舵角制御装置6、及びEPS制御装置7の少なくとも1つに制御指示を送信する。本実施形態の制御目標値は、目標ヨーレートに対応する値である。車両制御装置1は、目標ヨーレートに応じたフィードフォワード制御、もしくは実ヨーレートを目標ヨーレートに近づけるようにフィードバック制御を実行する。
【0025】
制御目標値は、例えば、ヨー角偏差に関する関数値f(Θ)に第1ゲインk1を乗算したヨー角制御量と、横方向偏差に関する関数値f(D)に第2ゲインk2を乗算した横方向制御量と、車両の現在の旋回半径に関する関数値f(R)に第3ゲインk3を乗算した旋回制御量とを足した合計制御量に相当する(制御目標値=k1×f(Θ)+k2×f(D)+k3×f(R))。各ゲインk1、k2、k3は、0以上の値に設定される。
【0026】
旋回半径に関する関数値f(R)は、例えば車速Vを旋回半径Rに定数z1を乗算した値で除算して求める(f(R)=V/(z1×R))など、コーナリング制御として一般的に用いられている式で算出される。また、ヨー角偏差に関する関数値f(Θ)は、例えばヨー角偏差Θに定数z2を乗算して求める(f(Θ)=z2×Θ)など、レーンキープ技術で一般的に用いられる式で算出される。また、横方向偏差に関する関数値f(D)も、例えば横方向偏差Dに定数z3を乗算した値を車速Vで除算して求める(f(D)=z3×D/V)など、レーンキープ技術で一般的に用いられる式で算出される。算出された制御目標値から、例えば一般的な二輪モデルの考え方に基づいて、舵角制御量などが算出できる。
【0027】
(ゲイン変更制御)
設定部14は、車両の現在位置に対応する目標経路の曲率である現在曲率が大きいほど、現在位置における第1ゲインk1を小さくし且つ第2ゲインk2を大きくする。以下、この制御を「ゲイン変更制御」とも称する。ゲイン変更制御は、現在曲率が小さいほど、現在位置における第1ゲインk1を大きくし且つ第2ゲインk2を小さくする制御であるともいえる。
【0028】
設定部14は、例えば図2に示すように、第1ゲインk1と現在曲率との関係を示す第1マップ、及び第2ゲインk2と現在曲率との関係を示す第2マップを記憶している。図2において、走行車線が直線状であるカーブであるかの境界をc0に設定することができる。なお、現在曲率は、現在位置での「目標経路に沿った旋回半径」の逆数に相当する。つまり、「現在曲率が大きいほど」は、「現在の目標経路上での旋回半径が小さいほど」と同じ意味である。
【0029】
本実施形態の設定部14は、曲率取得部13が取得した前方曲率に基づいて、各ゲインk1、k2を設定する。つまり、設定部14は、前方曲率が大きいほど、車両が当該前方曲率に対応する所定領域を走行する際における第1ゲインk1を小さくし且つ第2ゲインk2を大きくする。このように、本実施形態の設定部14は、予め取得された前方曲率を利用して、現在位置の第1ゲインk1及び第2ゲインk2を変更する。前方曲率と現在曲率と同等である場合、各ゲインk1、k2は維持される。なお、現在曲率の取得経緯は上記に限定されない。
【0030】
本実施形態において、各ゲインk1、k2を変更するタイミングは、前方曲率が現在曲率として認識されるタイミングである。すなわち、各ゲインk1、k2を変更するタイミングは、前方曲率取得後に車両が当該前方曲率に対応する所定領域を走行するタイミングである。例えば、クロソイド曲線のように一様に曲率が大きくなる走行車線の場合、継続的に各ゲインk1、k2が変更されることになる。なお、各ゲインk1、k2の変更は、例えば、前方曲率を取得してから前方曲率が現在曲率に切り替わるまでの間で徐々に行われてもよい。つまり、設定部14は、結果として、現在曲率が大きいほど、現在位置における第1ゲインk1が小さくなり且つ第2ゲインk2が大きくなるように、各ゲインk1、k2を設定する。
【0031】
ここで、ゲイン変更制御を概念的な例により説明する。例えば図3に示すように、車両が曲率c1のカーブを走行している際、第1ゲインk1は10であり、第2ゲインk2は10であると仮定する。その後、車両が前進し、曲率がc1より大きいc2(c1<c2)のカーブを走行する際には、設定部14のゲイン変更制御により、例えば第1ゲインk1は8となり、第2ゲインk2は12となる。なお、図3図5におけるゲインの数値は、概念的説明のための数値である。
【0032】
(第1特定制御)
設定部14は、曲率取得部13が取得した前方曲率が現在曲率よりも大きい場合、車両が前方曲率に対応する目標経路(所定領域)に達するまでに、前方曲率と現在曲率との差が大きいほど、第1ゲインを小さくし且つ第2ゲインを大きくする。以下、この制御を「第1特定制御」とも称し、前方曲率が現在曲率よりも大きい場合における前方曲率と現在曲率との差を「曲率差」とも称する。
【0033】
本実施形態の設定部14は、曲率差が所定値以上であることを検出した場合、車両が検出位置から所定領域に達するまでの間に、第1ゲインを小さくし且つ第2ゲインを大きくする。設定部14は、曲率差が所定値以上である場合、現在曲率に応じて設定されている各ゲインk1、k2を、曲率差に応じて設定されている各ゲインの変更量(補正量)に基づいて変更する。設定部14は、各ゲインk1、k2を、車両が所定領域に達するまでに、それぞれ対応する所定の変更量分を一度に変更するか、又は所定の変更量に達するまで徐々に変更する。第1特定制御において各ゲインk1、k2の変更を開始するタイミングは、例えば、設定部14により曲率差が所定値以上であることが検出(判定)されたタイミングに設定される。
【0034】
ここで、第1特定制御を概念的な例により説明する。例えば図4に示すように、設定部14により、曲率c1の走行車線上で第1ゲインk1が10に、第2ゲインk2が10に設定されている。ここで、車両が曲率c1の走行車線を走行している際に、曲率差(ここではc1とc2との差)が閾値以上であることが検出されると、現在曲率がc2に変化する前に、設定部14は第1ゲインk1を10より小さい値に設定し、第2ゲインk2を10より大きい値に設定する。この場合、例えば、曲率差が閾値以上であることが検出された際に、第1ゲインk1が10未満の値(例えば変更量=1でk1=9)に変更され、第2ゲインk2が10より大きい値(例えば変更量=1でk2=11)に変更される。そして、設定部14は、第1特定制御変更後の各ゲインk1、k2を、現在曲率がc2になった際に、曲率c2に対応する各ゲインk1、k2に変更する。この例では、曲率差が1つ又は複数設定された閾値を超えるほど、第1ゲインk1が小さくなり、第2ゲインk2が大きくなる。
【0035】
(第2特定制御)
設定部14は、曲率取得部13が取得した前方曲率に対応する目標経路の向きが現在曲率に対応する目標経路の向きと反対である場合、車両が前方曲率に対応する所定領域に達するまでに、第1ゲインk1を小さくし且つ第2ゲインk2を大きくする。以下、この制御を「第2特定制御」とも称する。経路の向きとは、その車線を車両が走行した場合の車両の旋回方向であって、左右で表すことができる。また、経路の向きは、目標経路の向きと同等である。なお、装置演算上、左回りの曲率にプラス符号が付され、右回りの曲率にマイナス符号が付されるが、曲率の大きさは曲率の絶対値の大きさである。設定部14は、算出された曲率がプラス符号であるかマイナス符号であるか否かに基づいて、経路の向きを判定する。このように、曲率取得部13は、現在曲率に対応する目標経路よりも前方の目標経路の向きである「前方向き」を取得する。換言すると、曲率取得部13は、車両の前方の所定領域に含まれる目標経路の向きである前方向きを取得する。そして、設定部14は、曲率取得部13が取得した前方向きが現在位置に対応する目標経路の向きと反対である場合、車両が前方向きに対応する目標経路に達するまでに、第1ゲインを小さくし且つ第2ゲインを大きくする。なお、設定部14又は曲率取得部13は、撮像データや地図情報に基づいて経路の向きに関する情報を取得してもよい。以下、経路の向きを「曲率の向き」とも称する。
【0036】
ここで、第2特定制御を概念的な例により説明する。例えば図5に示すように、車両が曲率c1の車線を走行している際に、曲率c1とは反対向きに曲がる車線の曲率(前方曲率c3)が検出された場合、設定部14は、第2特定制御を実行する。つまり、前方曲率c3として設定されていた値が現在曲率として設定される前に、本例では曲率の向きが互いに反対であることが検出されたタイミングで、第1ゲインk1が10未満の値(例えば変更量=1でk1=9)に変更され、第2ゲインk2が10より大きい値(例えば変更量=1でk1=11)に変更される。そして、設定部14は、第2特定制御変更後の各ゲインk1、k2を、現在曲率がc3になった際に、曲率c3に対応する各ゲインk1、k2に変更する。第1特定制御及び第2特定制御は、特定の状況でゲインを補正する制御であるといえる。
【0037】
まとめとして、本実施形態のゲイン設定に関する制御全体の流れを、図6を参照して説明する。車両制御装置1は、前方曲率を取得すると(S101)、現在曲率の向きと前方曲率の向きとが同一であるか否かを判定する(S102)。互いの向きが同一である場合(S102:Yes)、車両制御装置1は、前方曲率が現在曲率以下であるか否かを判定する(S103)。前方曲率が現在曲率以下である場合(S103:Yes)、車両制御装置1は、S101で取得した前方曲率に対応する所定領域に車両が到達したか否かを判定する(S104)。車両が所定領域に到達した場合(S104:Yes)、車両制御装置1は、前方曲率を現在曲率と認識して、ゲイン変更制御を実行する(S105)。
【0038】
一方、現在曲率の向きと前方曲率の向きとが異なる場合(S102:No)、車両制御装置1は、第2特定制御を実行する(S106)。車両制御装置1は、第2特定制御実行後、車両が所定領域に到達したか否かを判定する(S104)。また、前方曲率が現在曲率より大きい場合(S103:No)、車両制御装置1は両者の差が閾値未満であるか否かを判定する(S107)。差が閾値以上である場合(S107:No)、車両制御装置1は、第1特定制御を実行する(S108)。車両制御装置1は、差が閾値未満である場合(S107:Yes)又は第1特定制御の実行後、車両が所定領域に到達したか否かを判定する(S104)。車両制御装置1は、このような制御を所定周期で繰り返す。
【0039】
(効果)
本実施形態のゲイン変更制御によれば、現在曲率に応じて各ゲインk1、k2が設定されることで、乗員の乗り心地を考慮したレーンキープ制御が可能となる。具体的に、現在曲率が大きいほど、第2ゲインk2が大きくなり横方向偏差の解消が重視(優先)され、且つ第1ゲインk1が小さくなりヨー角偏差の解消の優先度が低くなる。換言すると、現在曲率が小さいほど、第1ゲインk1が大きくなりヨー角偏差の解消が重視(優先)され、且つ第2ゲインk2が小さくなり横方向偏差の解消の優先度が低くなる。
【0040】
例えば、走行車線が直線状である場合すなわち現在曲率が小さい場合、第2ゲインk2が小さくなり、横方向制御量が小さくなる。これにより、車両の横方向への加速度が抑制される。走行車線が直線状である場合は、目標経路の真上を走行する必要性が比較的低く、車両位置の変更を抑え、横方向の加速度を抑制することで、乗員の乗り心地が改善される。一方で、ゲイン変更前よりも大きくなったヨー角制御量と小さくなった横方向制御量により、車両の目標経路に沿った走行が維持される。このように、走行車線が直線状に近いほど、横方向偏差の解消よりも直進安定性が優先され、乗員の乗り心地が向上する。
【0041】
また、例えば、走行車線のカーブが急である場合すなわち現在曲率が大きい場合、第2ゲインk2が大きくなり、横方向制御量が大きくなる。これにより、目標経路に近づくことが優先され、カーブ走行中における乗員の不安感の発生は抑制される。このように、現在曲率が大きい場合は、車線の逸脱をより確実に抑制する制御が実行される。本発明によれば、車両を目標経路に沿って走行させつつ、乗員の乗り心地を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態の第1特定制御によれば、曲線差が大きいときに横方向偏差の解消が重視(優先)される。これにより、走行車線のカーブがきつくなる前に、車両の位置を目標経路に近づけることができる。つまり、車両位置が目標経路に近づいた状態(例えば車線中央にある状態又は車線中央に近い状態)で、曲率が相対的に大きいカーブに進入でき、車両がより安定してカーブを走行することが可能となる。
【0043】
また、本実施形態の第2特定制御によれば、前方のカーブが現在のカーブとは逆方向に曲がる場合に横方向偏差の解消が重視(優先)される。これにより、逆方向に曲がるカーブに車両が進入する前に、車両の位置を目標経路に近づけることができる。つまり、車両位置が目標経路に近づいた状態で、逆方向に曲がるカーブに進入でき、車両がより安定してカーブを走行することが可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、車両が四輪操舵の構成を有するため、車両制御装置1は四輪の舵角を制御することで、車両を目標車線に沿って走行させつつ、車両姿勢も安定させることができる。また、例えば車速に応じて、前輪と後輪とを同相で制御したり、逆相で制御したりすることができる。例えば車速が所定車速以上である場合、前輪と後輪とを同相(舵角の向きが同一)で制御し、車両の挙動を安定させる。一方、車速が所定車速未満である場合、前輪と後輪とを逆相(舵角の向きが互いに反対)で制御し、車両を効率的に旋回させる。本実施形態では、ゲイン変更制御、第1特定制御、又は第2特定制御に加えて、上記四輪操舵によるコーナリング制御が実行される。これにより、より安定した走行及び目標経路に沿った走行が可能となる。
【0045】
(その他)
本発明は、上記実施形態に限られない。上記実施形態では、前方曲率が取得された後、目標経路のうち取得されている前方曲率に対応する経路と車両との距離が閾値以下となった場合に、前方曲率とした取得された値が現在曲率として設定された。しかし、現在曲率は他の方法で設定されてもよい。例えば、周辺監視装置2は、車両前方の第1所定領域に含まれる第1目標経路と、当該第1領域よりも前方の第2所定領域に含まれる第2目標経路と、の夫々の曲率を算出してもよい。曲率取得部13は、第1目標経路の曲率を現在曲率として設定し、第2目標経路の曲率を前方曲率として設定してもよい。
【0046】
また、上記実施形態の設定部14は、周辺監視装置2のカメラ21の撮像データに基づく情報を利用しているが、ナビゲーション装置8の情報(以下「ナビ情報」とする)を利用してもよい。設定部14は、現在曲率を、ナビゲーション装置8がもつ例えば位置情報や地図情報などのナビ情報に基づいて取得してもよい。つまり、車両制御装置1は、ナビ情報及び/又は周辺監視装置2の情報に基づいて、車両の現在位置、現在曲率、及び前方曲率を取得してもよい。ナビ情報によれば、例えば、設定部14に、目的地までの目標経路及び目標経路に含まれる複数の経路夫々の曲率を予め設定することもできる。曲率取得部13は、ナビ情報に基づいて、例えば、車両の現在位置(GPS機能で取得可能)に対して所定距離前方の目標経路の曲率、すなわち前方曲率を取得することができる。また、車両制御装置1は、現在曲率や前方曲率の取得において、インターネットを介してサーバから取得した地図情報や工事情報等を利用してもよい。このように、車両制御装置1は、種々の方法で、現在曲率に対応する目標経路よりも前方の目標経路の曲率である前方曲率を取得することができる。
【0047】
また、車両制御装置1は、制御目標値が閾値以上であるとき、舵角制御だけでなく、制動力制御を実行するように設定されてもよい。制御目標値が大きい場合は、車両が走行車線から大きく逸れている可能性が高く、緊急性が高いと判断できる。したがって、この場合、車両制御装置1は、ゲイン変更制御を経て算出した制御目標値に基づいて、舵角制御装置5、6だけでなくブレーキ制御装置4も制御する。車両制御装置1は、ブレーキ制御装置4を制御することで、例えば旋回内側の車輪の制動力を旋回外側の車輪の制動力よりも高くする。これにより、車両が減速しつつ旋回するため、より安全に車両を目標経路に接近させることができる。
【0048】
また、設定部14は、第1特定制御でのゲインを決定するためのマップを記憶していてもよい。当該マップは、例えば、図2のマップの「現在曲率」を「曲率差」に置換し、「ゲイン」を「変更量」に置換したようなマップでもよい。このように、曲率差の大きさに応じて、細かくゲインの変更量を設定してもよい。
【0049】
また、設定部14は、第2特定制御の実行にあたり、前方曲率が大きいほど、第1ゲインk1を小さくし且つ第2ゲインk2を大きくしてもよい。この構成によれば、前方のカーブが急であるほど、旋回方向が変わるまでに車両を目標経路により確実に接近させることができる。この場合も、設定部14は、第2特定制御でのゲインを決定するためのマップを記憶してもよい。当該マップは、例えば図2のマップの「現在曲率」を「前方曲率」に置換し、「ゲイン」を「変更量」に置換したようなマップでもよい。また、ゲインの変更量を決定するための前方曲率に対する閾値が、1つ又は複数設定されてもよい。
【0050】
また、第1特定制御の実行判定要素となる前方曲率に対応する所定領域(第1特定領域)と、第2特定制御の実行判定要素となる前方曲率に対応する所定領域(第2特定領域)とは、別々の領域に設定されてもよく、あるいは同じ領域で設定されてもよい。第1特定領域がより前方(遠方)に設定されるほど、第1特定制御の早期実行が可能となる。同様に、第2特定領域がより前方(遠方)に設定されるほど、第2特定制御の早期実行が可能となる。例えば、予め設定されたルールに基づいて、カメラ21を介して時系列的に取得したデータに含まれる複数の前方曲率から、各制御の実行判定要素となる前方曲率が選択されてもよい。また、例えば、ナビ情報に基づく車両の所定距離前方の車線の曲率が、各制御の実行判定要素であってもよい。また、所定距離は、制御ごとに設定されてもよい。
【0051】
また、各ゲインk1、k2の設定において、第1特定制御と第2特定制御との両方が実行されてもよい。この場合、例えば、第2特定制御が実行された後(S106)、前方曲率が現在曲率以下であるか否かが判定されてもよい(S103)。前方曲率が現在曲率より大きい場合(S103:No)、車両制御装置1は両者の差が閾値未満であるか否かを判定する(S107)。差が閾値以上である場合(S107:No)、車両制御装置1は、第1特定制御を実行する(S108)。この場合、例えば、第2特定制御によって補正された第1ゲインと第2ゲインとが、第1特定制御によって夫々補正される。これにより、現在曲率と前方曲率との大きさの差と、現在経路と前方経路との向きの違いと、の両方に応じた制御が実行される。なお、第1特定制御の実行を判定するステップと、第2特定制御の実行を判定するステップとの順番は変更されてもよい。例えば、前方曲率が現在曲率以下であるか否か判定されるステップ(S103)及び第1特定制御が実行されるステップ(S108)の後に、現在曲率の向きと前方曲率の向きとが同一であるか否か判定されるステップ(S102)が実行されてもよい。
【0052】
また、図2に示すように、本実施形態の第1マップ及び第2マップは、現在曲率の変化に対して、ゲインが第1値となる区間(又は点)とゲインが第2値となる区間(又は点)とゲインが第1値と第2値との間を線形的に変化する区間とが設定されているが、これに限られない。例えば、現在曲率の増大に対してゲインが関数的に(例えば二次曲線状に)変化してもよいし、階段状に変化してもよい。これは、第1特定制御のマップや第2特定制御のマップについても同様である。
【0053】
また、車両は、四輪操舵の構成に限らず、二輪操舵の構成であってもよい。また、各種演算は、曲率に変えて旋回半径で処理されてもよい。また、車両は、各種装置4~8及び各種センサ31~34を必要に応じて必要な分だけ備えればよい。本実施形態の技術は、安全性だけでなく乗り心地が考慮されており、ドライバの運転支援装置への適用だけでなく、自動運転車両への適用も好適である。
【0054】
また、車両制御装置1は、第1特定制御と第2特定制御とを実行可能に構成されていなくてもよい。例えば、設定部14は、前方曲率と現在曲率との差に応じて第1ゲインと第2ゲインとを設定しなくてもよい。また、設定部14は、前方曲率の向きと現在曲率の向きに応じて第1ゲインと第2ゲインとを設定しなくてもよい。第1特定制御と第2特定制御とが実行されない場合であっても、設定部14は、現在曲率が大きいほど、現在位置における第1ゲインを小さい値に設定し且つ第2ゲインを大きい値に設定する。車両制御装置1が車両の走行車線の曲率に応じて第1ゲインと第2ゲインとを設定するので、乗員の乗り心地の向上が可能となる。また、車両制御装置1は、ゲイン変更制御に加え、第1特定制御と第2特定制御とのうちの何れか一方を実行可能に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…車両制御装置、11…第1算出部、12…第2算出部、13…曲率取得部(取得部)、14…設定部、k1…第1ゲイン、k2…第2ゲイン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6