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特許7188267ナビゲーション装置、その処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、その処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20221206BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019085080
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020180909
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】森本 輝之
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022106(JP,A)
【文献】特開平09-196693(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020994(WO,A1)
【文献】特開2003-185453(JP,A)
【文献】特開2017-133954(JP,A)
【文献】特開2016-138822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0161222(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路上における天候情報を取得する天候情報取得部と、
前記天候情報取得部により取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する待避場所設定部と、
地図情報において、前記待避場所設定部により設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する案内部と、
を備え、
前記待避場所設定部は、
前記天候情報取得部により取得された天候情報に基づいて、
降雨時間が第1所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも商店を設定し、
降雨時間が前記第1所定時間よりも長く、かつ第2所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも飲食店を設定し、
降雨時間が前記第2所定時間よりも長いと判断した場合、前記待避場所として少なくとも滞在施設を設定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
目的地までの経路上における天候情報を取得する天候情報取得部と、
前記天候情報取得部により取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する待避場所設定部と、
地図情報において、前記待避場所設定部により設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する案内部と、
を備え、
前記待避場所設定部は、
前記天候情報取得部により取得された天候情報に基づいて、
単位時間当り降雨量が所定量以下であると判断した場合、現在地もしくは経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1雨宿り場所を前記待避場所として設定し、
単位時間当り降雨量が所定量よりも多いと判断した場合、前記第1雨宿り場所よりも前記経路上のユーザの現在位置に近い、前記経路上のユーザの現在位置から第2所定距離以内の第2雨宿り場所を前記待避場所として設定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路から前記待避場所までの待避経路の状態を示す待避経路情報を取得する経路情報取得部を更に備え、
前記案内部は、前記経路情報取得部により取得された待避経路情報に基づいて、前記待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記待避経路情報は、待避経路の勾配、待避経路の曲り角の数、待避経路の路面の滑り易さの度合、待避経路における横風の強さ、待避経路における向かい風の強さ、待避経路の交通量、及び、待避経路の危険度のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記案内部は、
前記案内する時間帯が朝時間帯又は昼時間帯である場合、少なくとも飲食店を前記待避場所として検索し、
前記案内する時間帯が夜時間帯である場合、滞在施設を前記待避場所として検索する、
ことを特徴とする請求項1乃至のうちいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記案内部は、前記経路から待避場所まで第4所定時間以上かかると判断した場合、前記経路から待避場所まで配車を配車サーバに対し要求する、
ことを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記天候情報は、降水量、降水時間、落雷、紫外線量、及び竜巻のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至のうちのいずれか1項記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
目的地までの経路上における天候情報を取得するステップと、
前記取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定するステップと、
地図情報において、前記設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内するステップと、
を含み、
前記取得された天候情報に基づいて、
降雨時間が第1所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも商店を設定し、
降雨時間が前記第1所定時間よりも長く、かつ第2所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも飲食店を設定し、
降雨時間が前記第2所定時間よりも長いと判断した場合、前記待避場所として少なくとも滞在施設を設定する
ことを特徴とするナビゲーション装置の処理方法。
【請求項9】
目的地までの経路上における天候情報を取得する処理と、
前記取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する処理と、
地図情報において、前記設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する処理と、
をコンピュータに実行させ、
前記取得された天候情報に基づいて、
降雨時間が第1所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも商店を設定し、
降雨時間が前記第1所定時間よりも長く、かつ第2所定時間以下であると判断した場合、前記待避場所として少なくとも飲食店を設定し、
降雨時間が前記第2所定時間よりも長いと判断した場合、前記待避場所として少なくとも滞在施設を設定する
ことを特徴とするナビゲーション装置のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、その処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的地に向かう途中で雨宿りを行う経路を作成するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/020994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ナビゲーション装置においては、例えば、降雨時間等の天候情報によっては、その待避場所が適切でない虞がある。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、天候情報に応じた最適な待避場所にユーザを案内できるナビゲーション装置、その処理方法、及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
目的地までの経路上における天候情報を取得する天候情報取得部と、
前記天候情報取得部により取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する待避場所設定部と、
地図情報において、前記待避場所設定部により設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する案内部と、
を備える、ことを特徴とするナビゲーション装置
である。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
目的地までの経路上における天候情報を取得するステップと、
前記取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定するステップと、
地図情報において、前記設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内するステップと、
を含む、ことを特徴とするナビゲーション装置の処理方法
であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
目的地までの経路上における天候情報を取得する処理と、
前記取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する処理と、
地図情報において、前記設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内する処理と、
をコンピュータに実行させる、ことを特徴とするナビゲーション装置のプログラム
であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、天候情報に応じた最適な待避場所にユーザを案内できるナビゲーション装置、その処理方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係るナビゲーション装置の処理方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態2に係るナビゲーション装置の処理方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態3に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態6に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態11に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態1
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。例えば、バイクや自転車などの二輪車での走行中、あるいは、歩行中のユーザは、雨や雪などの悪天候に見舞われることがある。そのような場合に、本発明の実施形態1に係るナビゲーション装置は、悪天候から一時的に待避する、雨宿り場所などの待避場所にユーザを案内することができる。
【0010】
ナビゲーション装置は、例えば、GPS(Global Positioning System)信号などに基づいて地図情報上で現在位置から目的地までの経路を算出し、その経路に従って、ユーザを案内するナビゲーション機能を有している。地図情報は、例えば、メモリなどに予め記憶されている。
【0011】
ナビゲーション装置は、例えば、バイクや自転車に乗るユーザが装着するスマートヘルメットに搭載されている。ナビゲーション装置は、ナビゲーションアプリまたはナビゲーション機能として歩行者などが所持するスマートフォンやポータブルナビゲーション装置に搭載されてもよい。
【0012】
図1は、本発明の実施形態1に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態1に係るナビゲーション装置1は、天候情報を取得する天候情報取得部2と、待避場所を設定する待避場所設定部3と、待避場所にユーザを案内する案内部4と、を備えている
【0013】
ナビゲーション装置1は、例えば、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUによって実行される演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)からなるメモリ、外部と信号の入出力を行うインターフェイス部(I/F)、などからなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。CPU、メモリ、及びインターフェイス部は、データバスなどを介して相互に接続されている。
【0014】
天候情報取得部2は、設定された目的地までの経路上の天候情報を取得する。天候情報は、例えば、降雨量、降雨時間、単位時間当り降雨量、降雪量、降雪時間、単位時間当り降雪量、紫外線量、風速、雷、竜巻などの天候に関する情報を含む。
【0015】
天候情報取得部2は、通信ネットワークなどに接続されている。天候情報取得部2は、例えば、雨雲レーダ、気象レーダ、気象衛星、気象庁のデータサーバ、雨滴センサ、リークセンサ、気圧計、気温計、湿度計、紫外線センサ、などから天候情報を取得する。天候情報取得部2は、取得した天候情報を待避場所設定部3に出力する。
【0016】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報のレベル分けを行い、レベルに対応付けられた待避場所を設定する。待避場所設定部には、天候情報のレベルと、その待避場所とが対応付けられたレベル対応情報が予め記憶されている。ユーザは、このレベル対応情報を、入力装置などを介して任意に設定変更できる。待避場所設定部3は、レベル対応情報に基づいて、例えば、天候情報取得部2により取得された天候情報の降雨時間のレベル分けを行い、その降雨時間に対応付けられた待避場所を設定する。
【0017】
ここで、レベル対応情報の一例を説明する。例えば、第1所定時間以下の短時間(30分程度)の降雨時間には、ユーザが一時的に雨宿りをすることができるコンビニエンスストア、パーキングエリアなどの商店が対応付けられている。これは、降雨時間が第1所定時間以下の短時間である場合に、ユーザがその短時間だけ雨宿りができる商店などが、待避場所として適切であるからである。
【0018】
第1所定時間よりも長くかつ第2所定時間以下(1~3時間程度)の中時間の降雨時間には、ユーザが座って飲食をしながら一定時間以上雨宿りをすることができるレストラン、ファーストフードなどの飲食店が対応付けられている。これは、降雨時間が第1所定時間よりも長く第2所定時間以下の中時間である場合に、ユーザがその中時間だけ雨宿りができる飲食店が、待避場所として適切であるからである。
【0019】
第2所定時間よりも長い長時間(3時間以上程度)の降雨時間には、ユーザが宿泊し長時間ゆっくり雨宿りをすることができる温泉施設、宿泊施設などの滞在施設が対応付けられている。これは、降雨時間が第2所定時間よりも長い長時間である場合に、ユーザがその長時間だけ雨宿りができる滞在施設が、待避場所として適切であるからである。
【0020】
例えば、予め実験的に求めた最適な時間が、上記第1及び第2所定時間として、待避場所設定部3に設定されている。ユーザは、入力装置などを介して、待避場所設定部3において、第1及び第2所定時間を任意に設定変更できる。なお、上記降雨時間と待避場所との対応付けは一例であり、これに限定されない。
【0021】
降雨量と待避場所についても、上記降雨時間と待避場所と同様に、対応付けることができる。例えば、第1所定量以下の少量の降雨量には、ユーザが一時的に雨宿りをすることができる商店が、対応付けられている。第1所定量よりも多く第2所定量以下の中量の降雨量には、ユーザが座って飲食をしながら一定時間以上雨宿りをすることができる飲食店が、対応付けられている。第2所定量よりも多い多量の降雨量には、ユーザが宿泊し長時間ゆっくり雨宿りをすることができる滞在施設が、対応付けられている。
【0022】
さらに、降雪時間あるいは降雪量と待避場所とについても、上記降雨時間及び降雨量と同様に、対応付けることができる。
【0023】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第1所定時間以下であると判断した場合、待避場所として商店を設定する。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第1所定時間よりも長くかつ第2所定時間以下であると判断した場合、待避場所として飲食店を設定する。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第2所定時間よりも長いと判断した場合、待避場所として滞在施設を設定する。これにより、降雨時間に応じた最適な待避場所を設定することができる。待避場所設定部3は、設定した待避場所を案内部4に出力する。
【0024】
案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。案内部4は、検索した待避場所をユーザに対して案内する。待避場所設定部3が、待避場所として、例えば、コンビニを設定した場合、案内部4は、経路上のユーザの現在位置周辺のコンビニを検索し、検索したコンビニをユーザに案内する。
【0025】
案内部4は、地図情報上において、経路上のユーザの現在位置から最も近い待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内してもよい。また、案内部4は、地図情報上において、経路上のユーザの現在位置から所定距離以内の待避場所を検索し、前記検索した待避場所にユーザを案内してもよい。
【0026】
案内部4は、例えば、検索した待避場所までのルートを地図画像上に表示し、待避場所まで案内するディスプレイとして構成されている。案内部4は、待避場所までのルートを音声によりユーザに案内してもよい。
【0027】
図2は、本発明の実施形態1に係るナビゲーション装置の処理方法を示すフローチャートである。なお、図2に示す処理は、所定時間毎に繰返し実行されてもよい。
【0028】
天候情報取得部2は、経路上のユーザの現在位置における天候情報を取得し、取得した天候情報を待避場所設定部3に出力する(ステップS201)。
【0029】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報のレベル分けを行い、レベルに対応付けられた待避場所を設定し、設定した待避場所を案内部4に出力する(ステップS202)。
【0030】
案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する(ステップS203)。案内部4は検索した待避場所にユーザを案内する(ステップS204)。
【0031】
以上、本実施形態1に係るナビゲーション装置1は、目的地までの経路上のユーザの現在位置における天候情報を取得する天候情報取得部2と、天候情報取得部2により取得された天候情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定する待避場所設定部3と、地図情報において、待避場所設定部3により設定された待避場所を検索し、前記検索した待避場所をユーザに対して案内する案内部4と、を備える。これにより、取得した天候情報のレベル分けを行い、そのレベルに対応付けられた最適な待避場所を設定し、設定した最適な待避場所にユーザを案内できる。すなわち、天候情報のレベルに応じた最適な待避場所にユーザを案内できる。
【0032】
実施形態2
本発明の実施形態2において、待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報の単位時間当り降雨量のレベル分けを行い、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定する。
【0033】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、単位時間当り降雨量が所定量以下であり、弱い雨であると判断した場合、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1雨宿り場所を待避場所として設定する。なお、例えば、ユーザが待避場所までの移動するのが困難となる雨量が、上記所定量として待避場所設定部3に設定されている。
【0034】
このように、弱い雨の場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの移動中に、あまり濡れることがないため、現在位置から遠い第1所定距離まで広げた第1雨宿り場所を待避場所として設定することができる。
【0035】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、単位時間当り降雨量が所定量よりも多く、強い雨であると判断した場合、第1雨宿り場所よりも経路上のユーザの現在位置に近い、現在位置から第2所定距離以内の第2雨宿り場所を待避場所として設定する。
【0036】
待避場所設定部3には、第1所定距離>第2所定距離として設定されている。例えば、ユーザが短時間で移動できる距離が第2所定距離として待避場所設定部3に設定されている。また、第1所定距離よりも長く、ユーザがある程度時間をかけて移動できる距離が第2所定距離として待避場所設定部3に設定されている。
【0037】
このように、強い雨の場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの移動中に、よく濡れることから、現在位置から近い第2所定距離以内に絞った第2雨宿り場所が待避場所として設定される。
【0038】
待避場所設定部3は、設定した待避場所を案内部4に出力する。案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する。
【0039】
待避場所設定部3は、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1雨宿り場所を設定した場合、案内部4は、地図情報上において、現在位置から第1所定距離以内の第1雨宿り場所を検索し、検索した第1雨宿り場所に待避場所としてユーザを案内する。
【0040】
待避場所設定部3は、経路上のユーザの現在位置から第2所定距離以内の第2雨宿り場所を設定した場合、案内部4は、地図情報上において、現在位置から第2所定距離以内の第2雨宿り場所を検索し、検索した第2雨宿り場所に待避場所としてユーザを案内する。
【0041】
待避場所設定部3は、上記単位時間当り降雨量と同様の方法で、天候情報取得部2により取得された天候情報の単位時間当り降雪量のレベル分けを行い、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。
【0042】
例えば、第1所定量以下の少量の降雪量には、ユーザが一時的に待避できる商店が、対応付けられている。第1所定量よりも多く第2所定量以下の中量の降雪量には、ユーザが座って飲食をしながら一定時間以上待避することができる飲食店が、対応付けられている。第2所定量よりも多い多量の降雪量には、ユーザが宿泊し長時間ゆっくり待避することができる滞在施設が、対応付けられている。
【0043】
なお、待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、単位時間当り降雨量が所定量よりも多いと判断した場合、ユーザの現在位置から遠く離れた経路上の経路から近い位置よりも、ユーザの現在位置から近い経路上の経路から遠い位置にある待避場所を設定するようにしてもよい。これは、ユーザの現在位置から近い経路上の経路から遠い位置を待避場所に設定した方が、より良い退避場所になると想定されるからである。
【0044】
待避場所設定部3は、上述の如く、単位時間当り降雨量を2つのレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定しているが、これに限定されない。待避場所設定部3は、単位時間当り降雨量を3つ以上のレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。
【0045】
図3は、本発明の実施形態2に係るナビゲーション装置の処理方法を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理は、所定時間毎に繰返し実行されてもよい。
【0046】
天候情報取得部2は、設定された目的地までの経路上における天候情報を取得し、取得した天候情報を待避場所設定部3に出力する(ステップS301)。
【0047】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、単位時間当り降雨量が所定量以下であるか否かを判断する(ステップS302)。
【0048】
待避場所設定部3は、単位時間当り降雨量が所定量以下であり、弱い雨であると判断した場合(ステップS302のYES)、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1雨宿り場所を待避場所として設定する(ステップS303)。
【0049】
待避場所設定部3は、単位時間当り降雨量が所定量よりも多く、強い雨であると判断した場合(ステップS302のNO)、経路上のユーザの現在位置から第2所定距離以内の第2雨宿り場所を待避場所として設定する(ステップS304)。
【0050】
案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、 経路上のユーザの現在位置周辺で検索する(ステップS305)。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する(ステップS306)。なお、本実施形態2において、上記実施形態1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
以上、本実施形態2によれば、雨の強弱によってレベル分けを行い、そのレベルに対応付けられた最適な待避場所を設定し、設定した最適な待避場所にユーザを案内することができる。
【0052】
実施形態3
図4は、本発明の実施形態3に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態3に係るナビゲーション装置30は、経路上のユーザの現在位置から待避場所までの待避経路の状態を示す待避経路情報を取得する経路情報取得部5を更に備えている。
【0053】
案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を検索する。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する。
【0054】
このように、待避場所までの待避経路の状態を考慮して待避場所を検索し、ユーザに対して案内することで、ユーザは待避場所までより最適な状態で移動できる。
【0055】
経路情報取得部5は、例えば、地図情報や天候情報などから待避経路情報を取得することができる。待避経路情報は、例えば、待避経路の勾配(勾配の平均値、勾配の最大値、坂道の数など)、待避経路の曲り角の数、待避経路の路面の滑り易さの度合、待避経路における横風の強さ、待避経路における向かい風の強さ、待避経路の交通量、退避経路の危険度(犯罪発生率など)、などの情報を含む。
【0056】
経路情報取得部5は、路面の状態や路面に対する降雨時間や降雪時間などに基づいて、路面の滑り易さの度合いを推定することができる。例えば、経路情報取得部5は、路面が砂利や土である場合、路面の滑り易さの度合いを高く推定する。経路情報取得部5は、路面における降雨時間が長い場合、路面の滑り易さの度合いを高く推定する。
【0057】
案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の勾配の平均値が所定値以下あるいは坂道の数が所定数以下となる待避場所を検索する。案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の曲り角の数が所定値以下となる待避場所を検索する。
【0058】
案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の曲り角の数が所定値以下となる待避場所を検索する。案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の路面が路面の滑り易さの度合いが所定値以下となる待避場所を検索する。
【0059】
案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の横風の風速が所定値以下となる待避場所を検索する。案内部4は、経路情報取得部5により取得された待避経路情報に基づいて、地図情報上において、例えば、待避経路の向かい風の風速が所定値以下となる待避場所を検索する。
【0060】
案内部4は、上述のように検索した待避場所にユーザを案内する。なお、本実施形態3において、上記実施形態1及び2と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0061】
以上、本実施形態3によれば、待避経路の勾配、待避経路の曲り角の数、待避経路の路面の滑り易さの度合、待避経路における横風の強さ、向かい風の強さなどの待避経路の状態を考慮して待避場所を検索し、ユーザに対して案内する。これにより、ユーザは待避場所までより最適な状態で移動できる。
【0062】
実施形態4
本発明の実施形態4において、案内部4は、複数の待避場所を検索した場合、検索した待避場所の候補の中で、経路上のユーザの現在位置から最も近い待避場所を、ユーザに案内する。例えば、案内部4は、地図情報上において、経路上のユーザの現在位置から所定距離以内の複数の待避場所を検索する。案内部4は、検索した複数の待避場所の中で、現在位置から最も近い待避場所をユーザに案内する。これにより、ユーザは、現在位置から最短距離の待避場所に待避することができる。
【0063】
なお、案内部4は、複数の待避場所を検索した場合、検索した待避場所の候補の中で、経路上のユーザの現在位置から所定距離以内の待避場所を、ユーザに案内してもよい。これにより、ユーザは、現在位置から一定距離以内の待避場所に待避することができる。
【0064】
案内部4は、複数の待避場所を検索した場合、検索した待避場所の候補を、経路上のユーザの現在位置から近い順にユーザに対して、タッチパネル式の画面上などに表示させるようにしてもよい。ユーザは、表示された待避場所の中から、その距離などを考慮して、1つの待避場所を選択する。案内部4は、ユーザにより選択された待避場所にユーザを案内する。これにより、待避場所までの距離だけでなく、ユーザの好みをも考慮して、ユーザを待避場所に案内することができる。
【0065】
本実施形態4において、上記実施形態1乃至3と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0066】
実施形態5
本発明の実施形態5において、案内部4は、案内する時間帯が朝時間帯(例えば、7~8時)、昼時間帯(例えば、12~13時)である場合、飲食店を待避場所として案内し、案内する時間帯が夜時間帯(例えば、19時~)である場合、滞在施設に待避場所として案内してもよい。
【0067】
例えば、第1所定時間以下の短時間の降雨時間に、商店及び飲食店が待避場所として対応付けられているとする。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第1所定時間以下であると判断した場合、待避場所として商店及び飲食店を設定する。
【0068】
通常、案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所として商店及び飲食店を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。しかし、このとき、案内部4は、現在時刻が朝時間帯であると判断した場合、飲食店を優先的に検索し、検索した飲食店に待避場所としてユーザを案内する。なお、案内部4は、飲食店を検索できなかった場合、商店を再検索してもよい。
【0069】
また、例えば、第2所定時間よりも長い降雨時間に、飲食店及び滞在施設が対応付けられているとする。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第2所定時間よりも長い判断した場合、待避場所として飲食店及び滞在施設を設定する。
【0070】
通常、案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所として飲食店及び滞在施設を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。しかし、このとき、案内部4は、現在時刻が夜時間帯であると判断した場合、滞在施設を優先的に検索し、検索した滞在施設に待避場所としてユーザを案内する。なお、案内部4は、滞在施設を検索できなかった場合、飲食店を再検索してもよい。
【0071】
本実施形態5において、上記実施形態1乃至4と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
以上、本実施形態5によれば、案内する時間帯に応じた最適な待避場所にユーザを案内することができる。
【0073】
実施形態6
図5は、本発明の実施形態6に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態6に係るナビゲーション装置60は、案内部4により過去に案内された待避場所を記憶する記憶部6を更に備えている。記憶部6は、例えば、メモリなどにより構成されている。案内部4は、記憶部6に記憶された待避場所の中で、経路上のユーザの現在位置から最も近い待避場所にユーザを案内する。これにより、地図情報の検索処理が不要となるため、その処理を高速化し、ユーザを迅速に待避場所に案内できる。
【0074】
例えば、ナビゲーション装置60は、複数のユーザを待避場所に案内することで、あるいは、同一のユーザを待避場所に複数回、案内することで、記憶部6には、複数の待避場所の情報が蓄積される。
【0075】
案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、記憶部6に記憶された待避場所の中から検索する。案内部4は、検索した待避場所をユーザに対して案内する。
【0076】
案内部4は、記憶部6に記憶された複数の待避場所の中で、経路上のユーザの現在位置から最も近い待避場所にユーザを案内する。案内部4は、記憶部6に記憶された複数の待避場所の中で、経路上のユーザの現在位置から所定距離以内の待避場所にユーザを案内してもよい。
【0077】
本実施形態6において、上記実施形態1乃至5と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0078】
以上、本実施形態6によれば、地図情報の検索処理を低減し処理を高速化することで、ユーザを短時間で待避場所に案内することができる。
【0079】
実施形態7
本発明の実施形態7において、案内部4は、経路上のユーザの現在位置から第3所定時間以上かかる待避場所を、ユーザに案内しなくてもよい。
【0080】
例えば、案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を検索する。案内部4は、経路上のユーザの現在位置から待避場所までの待避経路を検索する。このとき、案内部4は、検索した待避経路の所要時間が第3所定時間以上になると判断した場合に、その待避場所にユーザを案内しない。
【0081】
これは、待避場所までの移動時間が第3所定時間以上で長い場合、ユーザの移動負担が大きいと判断できるからである。例えば、ユーザの移動負担が大きいと推定される移動時間が、第3所定時間として案内部4に設定されている。これにより、待避場所までの移動時間が長い場合、その移動を抑制し、ユーザの移動負担を軽減できる。
【0082】
なお、案内部4は、待避場所までの所要時間が第3所定時間以上になる旨をユーザに通知してもよい。ユーザが、案内部4からの通知に対し、その待避場所までの案内を希望した場合、案内部4は、ユーザを待避場所に案内してもよい。
【0083】
例えば、案内部4は、待避場所までの所要時間が第3所定時間以上になる旨をタッチパネル式の表示画面上に表示する。ユーザが、表示画面上で、「待避場所の案内の実行」のボタンを指示した場合、案内部4は、その指示に応じてユーザの待避場所への案内を実行する。
【0084】
案内部4は、経路に対して所定の目的地が設定されている場合、待避場所をユーザに案内しなくてもよい。所定の目的地は、例えば、駅、バス停、学校、勤務地、などの、ユーザがそこに向かって急いでいると考えられる目的地である。これにより、ユーザの目的地をも考慮して、待避場所を案内することができる。
【0085】
所定の目的地は、予め案内部4に設定されている。ユーザは、案内部4に設定された所定の目的地を、入力装置などを介して任意に設定変更できる。なお、案内部4は、待避場所までの案内が必要であるか否かをユーザに通知してもよい。ユーザが、案内部4からの通知に対し、その待避場所までの案内を希望した場合、案内部4は、ユーザを待避場所に案内してもよい。
【0086】
本実施形態7において、上記実施形態1乃至6と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0087】
実施形態8
本発明の実施形態8において、待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報の紫外線量のレベル分けを行い、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定する。
【0088】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、紫外線量(UVインデックスなど)が所定値以下であり、紫外線が強いと判断した場合、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1日除け場所を待避場所として設定する。例えば、ユーザが移動する際に負担となる紫外線量が、所定値として待避場所設定部3に設定されている。
【0089】
このように、紫外線が弱い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの移動中に、あまり紫外線を浴びることがないため、現在位置から遠い第1所定距離に広げた第1日除け場所を待避場所として設定することができる。
【0090】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、紫外線量が所定値よりも多く、紫外線が強いと判断した場合、第1日除け場所よりも、経路上のユーザの現在位置に近い現在位置から第2所定距離以内の第2日除け場所を待避場所として設定する。待避場所設定部3には、第1所定距離>第2所定距離として設定されている。
【0091】
このように、紫外線が強い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの移動中に、強い紫外線を浴びることから、現在位置から近い第2所定距離以内に絞った第2日除け場所を待避場所として設定する。
【0092】
待避場所設定部3は、設定した待避場所を案内部4に出力する。案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する。
【0093】
待避場所設定部3は、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の第1日除け場所を設定した場合、案内部4は、地図情報上において、現在位置から第1所定距離以内の第1日除け場所を検索し、検索した第1日除け場所に待避場所としてユーザを案内する。
【0094】
待避場所設定部3は、経路上のユーザの現在位置から第2所定距離以内の第2日除け場所を設定した場合、案内部4は、地図情報上において、現在位置から第2所定距離以内の第2日除け場所を検索し、検索した第2日除け場所に待避場所としてユーザを案内する。
【0095】
なお、待避場所設定部3は、紫外線量を2つのレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定しているが、これに限定されない。待避場所設定部3は、紫外線量を3つ以上のレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。
【0096】
本実施形態8において、上記実施形態1乃至7と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0097】
以上、本実施形態8によれば、紫外線量に応じた最適な待避場所を設定し、設定した待避場所にユーザを案内できる。
【0098】
実施形態9
本発明の実施形態9において、待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報の雷の情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。雷の情報は、例えば、雷が発生する可能性を示す雷の活動度である。天候情報取得部2は、気象庁のデータサーバなどから雷の活動度の情報を取得できる。
【0099】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、雷の活動度が所定値(例えば、1)以下であり、雷が発生する可能性が低いと判断した場合、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の待避場所を設定する。なお、例えば、雷が発生する可能性が低いと考えられる値が、上記所定値として待避場所設定部3に設定されている。また、例えば、ユーザがある程度時間をかけて移動できる距離が上記第1所定距離として待避場所設定部3に設定されている。
【0100】
このように、雷が発生する可能性が低い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの安全に移動できるため、現在位置から遠い第1所定距離に広げた待避場所を設定することができる。
【0101】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、雷の活動度が所定値よりも高く、雷が発生する可能性が高いと判断した場合、経路上のユーザの現在位置により近い第2所定距離以内の待避場所を設定する。
【0102】
待避場所設定部3には、第1所定距離>第2所定距離として設定されている。例えば、ユーザが短時間で移動できる距離が第2所定距離として待避場所設定部3に設定されている。
【0103】
このように、雷が発生する可能性が高い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所まで迅速に移動する必要があることから、現在位置により近い第2所定距離以内に絞って待避場所を設定する。
【0104】
なお、待避場所設定部3は、雷の活動度を2つのレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定しているが、これに限定されない。待避場所設定部3は、雷の活動度を3つ以上のレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。
【0105】
待避場所設定部3は、設定した待避場所を案内部4に出力する。案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する。
【0106】
本実施形態9において、上記実施形態1乃至8と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0107】
以上、本実施形態9によれば、雷の発生を考慮してより安全で最適な待避場所を設定し、ユーザに案内できる。
【0108】
実施形態10
本発明の実施形態10において、待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報の竜巻の情報のレベル分けを行い、前記レベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。竜巻の情報は、例えば、竜巻が発生する可能性を示す竜巻発生確度である。天候情報取得部2は、気象庁のデータサーバなどから竜巻発生確度の情報を取得できる。
【0109】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、竜巻発生確度が所定値(例えば、1)以下であり、竜巻が発生する可能性が低いと判断した場合、経路上のユーザの現在位置から第1所定距離以内の待避場所を設定する。なお、例えば、竜巻が発生する可能性が低いと考えられる値が、上記所定値として待避場所設定部3に設定されている。また、例えば、ユーザがある程度時間をかけて移動できる距離が第1所定距離として待避場所設定部3に設定されている。
【0110】
このように、竜巻が発生する可能性が低い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所までの安全に移動できるため、現在位置から遠い第1所定距離に広げた待避場所を設定することができる。
【0111】
待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、竜巻発生確度が所定値よりも高く、竜巻が発生する可能性が高いと判断した場合、経路上のユーザの現在位置により近い第2所定距離以内の待避場所を設定する。
【0112】
待避場所設定部3には、第1所定距離>第2所定距離として設定されている。例えば、ユーザが短時間で移動できる距離が第2所定距離として待避場所設定部3に設定されている。
【0113】
このように、竜巻が発生する可能性が高い場合、ユーザは、経路上の現在位置から待避場所まで迅速に移動する必要がある。したがって、現在位置により近い第2所定距離以内に絞った待避場所を設定する。
【0114】
なお、待避場所設定部3は、竜巻発生確度を2つのレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定しているが、これに限定されない。待避場所設定部3は、竜巻発生確度を3つ以上のレベルに分け、そのレベルに対応付けられた待避場所を設定してもよい。
【0115】
待避場所設定部3は、設定した待避場所を案内部4に出力する。案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路上のユーザの現在地周辺で検索する。案内部4は、検索した待避場所にユーザを案内する。
【0116】
本実施形態10において、上記実施形態1乃至9と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0117】
以上、本実施形態10によれば、竜巻の発生を考慮してより安全で最適な待避場所を設定し、ユーザに案内できる。
【0118】
実施形態11
図6は、本発明の実施形態11に係るナビゲーション装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本発明の実施形態11において、案内部4は、経路から待避場所まで第4所定時間以上かかると判断した場合、経路上のユーザの現在位置から待避場所までの配車を配車サーバ7に対し要求する。例えば、ユーザが徒歩などで移動するのが困難な時間が、上記第4所定時間として案内部4に設定されている。
【0119】
配車サーバ7は、予め登録された車両を、迎車を要求するユーザの迎車位置に対し、配車するサーバである。配車サーバ7と案内部4は、通信ネットワーク71などを介して接続されている。
【0120】
例えば、案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を検索する。案内部4は、経路上のユーザの現在位置から待避場所までの待避経路を検索する。このとき、案内部4は、検索した待避経路の所要時間が第4所定時間以上になると判断した場合、経路上のユーザの現在位置である迎車位置に、車両を配車するように、配車サーバ7に対し要求する配車要求信号を配車サーバ7に送信する。配車サーバ7は、案内部4からの配車要求信号に応じて、予め登録された車両を迎車位置に対し配車する。
【0121】
このように、待避場所までの移動時間が第4所定時間以上で長い場合、ユーザの歩行などによる移動が困難となる。これに対し、配車サーバ7は、案内部4からの配車要求信号に応じて、車両を経路上のユーザが待つ迎車位置に配車する。これにより、ユーザは、配車された車両により、待避場所まで容易に移動することができる。
【0122】
なお、案内部4は、配車サーバ7に対し配車を要求する旨をユーザに通知してもよい。ユーザが、案内部4からの通知に対し、配車を希望した場合、案内部4は、配車サーバ7に対し配車を要求してもよい。
【0123】
例えば、案内部4は、配車サーバ7に対し配車を要求する旨をタッチパネル式の表示画面上に表示する。ユーザが、表示画面上で、「配車要求の実行」のボタンを指示した場合、案内部4は、その指示に応じて配車サーバ7に対し配車要求信号を送信する。
【0124】
本実施形態11において、上記実施形態1乃至10と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0125】
以上、本実施形態11によれば、待避場所までの移動時間が長く、ユーザの移動が困難である場合、配車を利用してユーザの移動負担を軽減できる。
なお、予め登録された車両は、車両そのものに限らず、タクシー会社であってもよい。また、実施形態11のシステムは配車システムとして機能する。
【0126】
実施形態12
本発明の実施形態12において、案内部4は、経路の目的地に応じた待避場所を検索し、検索した待避場所にユーザを案内してもよい。これにより、ユーザの目的地に応じた最適な待避場所にユーザを案内できる。
【0127】
案内部4は、経路の目的地として、例えば、日光東照宮などの観光地が設定されている場合、待避場所として、ボーリング場、温泉などの娯楽施設を検索してもよい。案内部4は、検索した娯楽施設にユーザを案内する。ユーザは、観光地に向かっているため、娯楽嗜好が強い状態にあると推定できる。したがって、待避場所として娯楽施設を案内することで、ユーザの嗜好に合った待避場所にユーザを案内することができる。
【0128】
例えば、第2所定時間よりも長い降雨時間に、飲食店及び滞在施設が対応付けられているとする。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された天候情報に基づいて、降雨時間が第2所定時間よりも長い判断した場合、待避場所として飲食店及び滞在施設を設定する。
【0129】
通常、案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所として飲食店及び滞在施設を、経路上のユーザの現在位置周辺で検索する。しかし、このとき、案内部4は、経路の目的地に観光地が設定されていると判断した場合、待避場所として飲食又は滞在できる娯楽施設を検索する。案内部4は、検索した娯楽施設を待避場所としてユーザに案内する。このように、ユーザの目的地に応じた待避場所を積極的に検索し案内することで、天候情報のレベルを考慮しつつ、より現在のユーザの嗜好に適合した待避場所にユーザを案内できる。
【0130】
なお、案内部4は、滞在施設を検索できなかった場合、娯楽施設以外の飲食店及び滞在施設を再検索してもよい。
【0131】
本実施形態12において、上記実施形態1乃至11と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0132】
実施形態13
上記実施形態において、バイクや自転車などの二輪車での走行中、あるいは、歩行中のユーザが、悪天候に見舞われた場合に、ナビゲーション装置1は、経路上のユーザの現在位置から待避場所に、ユーザを案内している。
【0133】
これに対し、本発明の実施形態13において、ユーザがこれから走行又は歩行する経路上で、ユーザが悪天候に見舞われると予測される場合に、ナビゲーション装置1は、経路上の悪天候となる位置を回避した待避場所に、ユーザを案内する。これにより、これから走行又は歩行する経路上の悪天候から一時的に待避する待避場所に、ユーザを案内することができる。
【0134】
天候情報取得部2は、目的地までの経路上における天候情報を取得し、取得した天候情報を待避場所設定部3に出力する。待避場所設定部3は、天候情報取得部2により取得された経路上の天候情報のレベル分けを行い、レベルに対応付けられた待避場所を設定し、設定した待避場所を案内部4に出力する
【0135】
案内部4は、地図情報上において、待避場所設定部3により設定された待避場所を、経路周辺で検索する。案内部4は、経路から検索した待避場所までの退避経路を設定し、待避場所にユーザを案内する。
【0136】
なお、天候情報は、時々刻々と変化することから、予測の天候と実際の天候とが異なることがある。これに対し、天候情報取得部2は、目的地までの経路上における天候情報を所定時間毎に取得し、取得した天候情報を待避場所設定部3に出力する。待避場所設定部3は、最新の天候情報を用いて、待避場所を設定する。したがって、上述のように、予測の天候と実際の天候とが異なる場合でも、待避場所設定部3は、最新の天候情報を用いて、最適な待避場所を設定できる。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0138】
本発明は、例えば、図2及び図3に示す処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0139】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
【0140】
プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0141】
1 ナビゲーション装置
2 天候情報取得部
3 待避場所設定部
4 案内部
5 経路情報取得部
6 記憶部
7 配車サーバ
30 ナビゲーション装置
60 ナビゲーション装置
71 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6