(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 10/04 20060101AFI20221206BHJP
B60W 10/10 20120101ALI20221206BHJP
F16H 63/50 20060101ALI20221206BHJP
F16H 59/24 20060101ALI20221206BHJP
F16H 59/18 20060101ALI20221206BHJP
F16H 59/60 20060101ALI20221206BHJP
F16H 59/78 20060101ALI20221206BHJP
F16H 61/02 20060101ALI20221206BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20221206BHJP
F02D 29/00 20060101ALI20221206BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B60W10/00 104
F16H63/50
F16H59/24
F16H59/18
F16H59/60
F16H59/78
F16H61/02
B60W10/06
B60W10/10
F02D29/00 C
F02D29/02 Z
(21)【出願番号】P 2019087891
(22)【出願日】2019-05-07
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】小坂 宏四郎
(72)【発明者】
【氏名】本田 裕康
(72)【発明者】
【氏名】塚本 典弘
【審査官】菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-002745(JP,A)
【文献】特開平03-194253(JP,A)
【文献】特開2008-290715(JP,A)
【文献】国際公開第2010/055554(WO,A1)
【文献】特開2001-322457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00
F16H 59/00,61/00,63/00
F02D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両の、制御装置であって、
運転者の加速操作量に基づいて前記車両の目標駆動力を算出す
る目標駆動力算出部と、
前記
算出された目標駆動力と前記
算出された目標駆動力に基づく前記自動変速機の基本変速比とに基づいて前記エンジンの出力トルクの目標値を算出するエンジン制御部と
を、含む
ものであり、
前記目標駆動力算出部は、前記基本変速比が所定の外的要因に基づいて変更後変速比に変更されると、前記変更後変速比の前記基本変速比に対する比の値分、前記算出された目標駆動力を補正した補正後駆動力を算出するものであり、
前記エンジン制御部は、前記基本変速比が前記変更後変速比に変更されると、前記算出された補正後駆動力と前記変更後変速比とに基づいて前記エンジンの出力トルクの目標値を算出することを特徴とする車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機を備えた車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された駆動力制御装置がそれである。この特許文献1には、運転者のアクセルペダルの操作量と車速とに基づいて目標駆動力を決定し、その目標駆動力を基に目標変速比と目標エンジントルクとを設定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば目標駆動力を実現する為の目標エンジントルクに対して大気圧が低い等の外的要因によって実エンジントルクが不足する場合、自動変速機の変速比をダウンシフト側に変化させることで狙いの駆動力を実現することが考えられる。この際、単一の駆動力マップを用いて運転者のアクセルペダルの操作量を基に目標駆動力を算出する場合、外的要因で実エンジントルクが不足するときも目標駆動力には変化がない。そうすると、駆動力の不足分を補填する為に自動変速機のダウンシフトが行われても、変速比を変化させた分は目標エンジントルクを小さくすることで目標駆動力に整合させる為、駆動力の不足分を補填することができない。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、所定の外的要因に基づいて変速比を変更したときに、狙いの駆動力を実現することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機とを備えた車両の、制御装置であって、(b)運転者の加速操作量に基づいて前記車両の目標駆動力を算出する目標駆動力算出部と、(c)前記算出された目標駆動力と前記算出された目標駆動力に基づく前記自動変速機の基本変速比とに基づいて前記エンジンの出力トルクの目標値を算出するエンジン制御部とを、含むものであり、(d)前記目標駆動力算出部は、前記基本変速比が所定の外的要因に基づいて変更後変速比に変更されると、前記変更後変速比の前記基本変速比に対する比の値分、前記算出された目標駆動力を補正した補正後駆動力を算出するものであり、(e)前記エンジン制御部は、前記基本変速比が前記変更後変速比に変更されると、前記算出された補正後駆動力と前記変更後変速比とに基づいて前記エンジンの出力トルクの目標値を算出することにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、目標駆動力に基づく自動変速機の基本変速比が所定の外的要因に基づいて変更後変速比に変更されると、その変更後変速比のその基本変速比に対する比の値分、その目標駆動力を補正した補正後駆動力が算出され、その補正後駆動力とその変更後変速比とに基づいてエンジンの出力トルクの目標値が算出されるので、補正前の目標駆動力と変更後変速比とに基づいてエンジンの出力トルクの目標値を算出することと比べて、変更後変速比の基本変速比に対する比の値分、エンジンの出力トルクの目標値を変化させることができる。よって、所定の外的要因に基づいて変速比を変更したときに、狙いの駆動力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
【
図2】電子制御装置の制御作動の要部すなわち所定の外的要因に基づいて目標変速比を変更したときに狙いの駆動力を実現する為の制御作動を説明するブロック図である。
【
図3】電子制御装置の制御作動の要部すなわち所定の外的要因に基づいて目標変速比を変更したときに狙いの駆動力を実現する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【
図4】アクセル開度に基づいて直接的に算出したドライバ駆動力を用いてエンジン制御と変速機制御とを行う為の制御作動において、目標変速比が基本変速比から変更後変速比へ変更された場合の一例を説明するブロック図であって、本実施例の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態において、前記自動変速機は、例えば公知の遊星歯車式自動変速機、公知の同期噛合型平行2軸式自動変速機、同期噛合型平行2軸式自動変速機であって入力軸を2系統備える型式の公知のDCT(Dual Clutch Transmission)、公知のベルト式又はトロイダル式の無段変速機などである。
【0010】
また、前記ベルト式の無段変速機は、各々油圧アクチュエータに作動油圧が供給されることによって固定シーブと可動シーブとの間の溝幅が変更させられるプライマリプーリ及びセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられた伝動ベルトとを有する無段変速機である。前記車両は前記油圧アクチュエータに供給される作動油圧としてのプーリ油圧を制御する油圧制御回路を備える。この油圧制御回路は、例えば前記油圧アクチュエータへの作動油の流量を制御することにより結果的にプーリ油圧を生じるように構成されても良い。このような油圧制御回路により、前記プライマリプーリ及び前記セカンダリプーリにおける各推力(=プーリ油圧×受圧面積)が各々制御されることで、前記伝動ベルトの滑りを防止しつつ目標の変速が実現されるように変速制御が実行される。広義には、ベルト式の無段変速機の概念にチェーン式の無段変速機を含む。
【0011】
また、前記無段変速機などにおける変速比は、「入力側の回転部材の回転速度/出力側の回転部材の回転速度」である。例えば、前記無段変速機の変速比は、「プライマリプーリの回転速度/セカンダリプーリの回転速度」である。変速比におけるハイ側は、変速比が小さくなる側である高車速側である。変速比におけるロー側は、変速比が大きくなる側である低車速側である。例えば、最ロー側変速比は、最も低車速側となる最低車速側の変速比であり、変速比が最も大きな値となる最大変速比である。
【0012】
また、前記エンジンは、例えば燃料の燃焼によって動力を発生するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。又、前記車両は、前記エンジンに加えて、回転機等を備えていても良い。
【0013】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
図1において、車両10は、エンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16とを備えている。
【0015】
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材としてのケース18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結されたタービン軸22、タービン軸22に連結された前後進切替装置24、前後進切替装置24に連結された入力軸26、入力軸26に連結されたベルト式の無段変速機28、無段変速機28に連結された出力軸30、減速ギヤ機構32、ディファレンシャルギヤ34等を備えている。又、動力伝達装置16は、ディファレンシャルギヤ34に連結された左右のドライブシャフト36等を備えている。動力伝達装置16において、エンジン12から出力される動力は、トルクコンバータ20、前後進切替装置24、無段変速機28、減速ギヤ機構32、ディファレンシャルギヤ34、及びドライブシャフト36等を順次介して駆動輪14へ伝達される。前記動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。
【0016】
エンジン12は、車両10の走行用の動力源であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の公知の内燃機関である。このエンジン12は、後述する電子制御装置80によって、車両10に備えられたスロットルアクチュエータや燃料噴射装置や点火装置などが制御されることにより、エンジン12の出力トルクであるエンジントルクTeが制御される。
【0017】
トルクコンバータ20は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及びタービン軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。又、トルクコンバータ20には、ポンプ翼車20p及びタービン翼車20tの間すなわちトルクコンバータ20の入出力回転部材間を直結可能な公知のロックアップクラッチLUが設けられている。
【0018】
動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された機械式のオイルポンプ38を備えている。オイルポンプ38は、エンジン12により回転駆動されることにより、無段変速機28を変速制御したり、無段変速機28におけるベルト挟圧力を発生させたり、後述する前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1の各々の係合状態や解放状態などの作動状態を切り替えたり、ロックアップクラッチLUの作動状態を切り替えたりする為の作動油圧の元圧を生成する作動油を、車両10に備えられた油圧制御回路40へ供給する。
【0019】
前後進切替装置24は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置24p、前進用クラッチC1、及び後進用ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置24pは、サンギヤ24s、キャリア24c、及びリングギヤ24rの3つの回転要素を有する差動機構である。サンギヤ24sは、タービン軸22に連結されている。キャリア24cは、入力軸26に連結されている。リングギヤ24rは、後進用ブレーキB1を介してケース18に選択的に連結される。キャリア24cとサンギヤ24sとは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結される。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は何れも、各々の油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式の湿式の摩擦係合装置である。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は、各々、油圧制御回路40により調圧された作動油圧である制御圧が油圧アクチュエータへ供給されることにより作動状態が切り替えられる。前後進切替装置24では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、動力伝達装置16において前進用の動力伝達経路が形成される。又、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、動力伝達装置16において後進用の動力伝達経路が形成される。又、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、動力伝達装置16は動力伝達が不能なニュートラル状態とされる。
【0020】
無段変速機28は、入力軸26に連結された有効径が可変のプライマリプーリ50と、出力軸30に連結された有効径が可変のセカンダリプーリ52と、それら各プーリ50,52に巻き掛けられた伝達要素としての伝動ベルト54とを備えている。無段変速機28は、各プーリ50,52と伝動ベルト54との間の摩擦力を介して動力伝達が行われ、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する。このように、無段変速機28は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機である。前記摩擦力は、各プーリ50,52が伝動ベルト54を挟む圧力である挟圧力も同意であり、ベルト挟圧力ともいう。このベルト挟圧力は、無段変速機28における伝動ベルト54のトルク容量であるベルトトルク容量Tcvtである。
【0021】
プライマリプーリ50は、入力軸26に連結された固定シーブ50aと、固定シーブ50aに対して入力軸26の軸心回りの相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に設けられた可動シーブ50bと、可動シーブ50bに対してプライマリ推力Winを付与するアクチュエータとしての油圧アクチュエータ50cとを備えている。プライマリ推力Winは、固定シーブ50aと可動シーブ50bとの間のV溝幅を変更する為のプライマリプーリ50の推力(=プライマリ圧Pin×受圧面積)である。つまり、プライマリ推力Winは、油圧アクチュエータ50cによって付与される伝動ベルト54を挟圧するプライマリプーリ50の推力である。プライマリ圧Pinは、油圧制御回路40によって油圧アクチュエータ50cへ供給される作動油圧であり、プライマリ推力Winを生じさせるプーリ油圧である。又、セカンダリプーリ52は、出力軸30に連結された固定シーブ52aと、固定シーブ52aに対して出力軸30の軸心回りの相対回転不能且つ軸心方向の移動可能に設けられた可動シーブ52bと、可動シーブ52bに対してセカンダリ推力Woutを付与するアクチュエータとしての油圧アクチュエータ52cとを備えている。セカンダリ推力Woutは、固定シーブ52aと可動シーブ52bとの間のV溝幅を変更する為のセカンダリプーリ52の推力(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)である。つまり、セカンダリ推力Woutは、油圧アクチュエータ52cによって付与される伝動ベルト54を挟圧するセカンダリプーリ52の推力である。セカンダリ圧Poutは、油圧制御回路40によって油圧アクチュエータ52cへ供給される作動油圧であり、セカンダリ推力Woutを生じさせるプーリ油圧である。
【0022】
無段変速機28では、後述する電子制御装置80により駆動される油圧制御回路40によってプライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutが各々調圧制御されることにより、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御される。これにより、無段変速機28では、各プーリ50,52のV溝幅が変化して伝動ベルト54の掛かり径(=有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が変化させられると共に、伝動ベルト54が滑りを生じないようにベルト挟圧力が制御される。つまり、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々制御されることで、各プーリ50,52と伝動ベルト54との間での滑りであるベルト滑りが防止されつつ無段変速機28の変速比γが目標変速比γtgtとされる。尚、入力軸回転速度Ninは、入力軸26の回転速度であり、プライマリプーリ50の回転速度と同意である。又、出力軸回転速度Noutは、出力軸30の回転速度であり、セカンダリプーリ52の回転速度と同意である。
【0023】
無段変速機28では、プライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ50のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされる。変速比γが小さくされることは、無段変速機28がアップシフトされることである。一方で、無段変速機28では、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ50のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされる。変速比γが大きくされることは、無段変速機28がダウンシフトされることである。尚、無段変速機28では、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとによりベルト滑りが防止されつつ、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係にて目標変速比γtgtが実現されるものであり、一方の推力のみで目標の変速が実現されるものではない。プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの相互関係で、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの比の値である推力比τ(=Wout/Win)が変更されることにより無段変速機28の変速比γが変更される。推力比τは、セカンダリ推力Woutのプライマリ推力Winに対する比の値である。例えば、推力比τが大きくされる程、変速比γが大きくされる、すなわち無段変速機28はダウンシフトされる。
【0024】
車両10は、エンジン12、無段変速機28などの制御に関連する車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置80を備えている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。電子制御装置80は、エンジン12の出力制御、無段変速機28の変速制御やベルト挟圧力制御、係合装置(C1,B1,LU)の各々の作動状態を切り替える油圧制御等を実行する。電子制御装置80は、必要に応じてエンジン制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
【0025】
電子制御装置80には、車両10に備えられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、タービン回転速度センサ62、入力回転速度センサ64、出力回転速度センサ66、アクセル開度センサ68、スロットル弁開度センサ70など)による検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、タービン軸22の回転速度であるタービン回転速度Nt、入力軸回転速度Nin、車速Vに対応する出力軸回転速度Nout、アクセル開度pap、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度tapなど)が、それぞれ供給される。アクセル開度papは、運転者の加速操作の大きさを表す運転者の加速操作量であり、車両10に備えられた例えばアクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量すなわちアクセル操作量である。アクセル開度papは、車両10に対する運転者の出力要求量でもある。運転者の加速操作量としては、アクセル開度papの他に、スロットル弁開度tapなどを用いることもできる。
【0026】
又、電子制御装置80からは、車両10に備えられた各種装置(例えばエンジン12、油圧制御回路40など)に各種指令信号(例えばエンジン12を制御する為のエンジン制御指令信号Se、無段変速機28の変速やベルト挟圧力等を制御する為のCVT油圧制御指令信号Scvt、前進用クラッチC1や後進用ブレーキB1の各々の作動状態を制御する為のCB油圧制御指令信号Scb、ロックアップクラッチLUの作動状態を制御する為のLU油圧制御指令信号Sluなど)が、それぞれ出力される。
【0027】
電子制御装置80は、車両10における各種制御を実現する為に、目標駆動力算出手段すなわち目標駆動力算出部82、エンジン制御手段すなわちエンジン制御部84、及び変速機制御手段すなわち変速機制御部86を備えている。
【0028】
目標駆動力算出部82は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えば駆動力マップにアクセル開度pap及び車速Vを適用することでドライバ駆動力Fddrvを算出する。ドライバ駆動力Fddrvは、運転者が車両10に対して要求する要求駆動力であり、車両10の目標駆動力でもある。このように、目標駆動力算出部82は、アクセル開度papに基づいてドライバ駆動力Fddrvを算出する。アクセル開度papを運転者が要求する要求スロットル弁開度に変換し、その要求スロットル弁開度を運転者が要求する要求エンジントルクに変換し、その要求エンジントルクをドライバ駆動力に変換する方法もあるが、アクセル開度papに基づいてドライバ駆動力Fddrvを直接的に算出する方法では、駆動力Fdを直接設計することにより車両制御性が向上させられ得る。
【0029】
エンジン制御部84は、要求されたエンジントルクTeが得られるようにエンジン12を制御する。具体的には、エンジン制御部84は、無段変速機28の変速比γ等を考慮して、ドライバ駆動力Fddrvに基づいてエンジントルクTeの目標値である目標エンジントルクTetgtを算出する。エンジン制御部84は、目標エンジントルクTetgtを実現するエンジントルクTeが得られるようにエンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seをエンジン12へ出力する。
【0030】
変速機制御部86は、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機28の目標変速比γtgtを達成するように、無段変速機28の変速比γ及びベルト挟圧力を制御する。
【0031】
具体的には、変速機制御部86は、予め定められた関係である例えば変速マップにドライバ駆動力Fddrv及び車速Vを適用することで、基本目標入力軸回転速度Nintgtbを算出する。変速機制御部86は、この基本目標入力軸回転速度Nintgtbに基づいて無段変速機28の基本変速比γb(=Nintgtb/Nout)を算出する。この変速マップは、例えば動力性能と燃費性能とを両立させる為の変速条件に相当するものであり、エンジン動作点をエンジン12の最適燃費線に沿わせる基本目標入力軸回転速度Nintgtbが設定されるように予め定められている。上記エンジン動作点は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで定められるエンジン12の運転点である。上記最適燃費線は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで構成される二次元座標内において、動力性能と燃費性能とを両立するように予め定められた公知の関係である。基本変速比γbは、例えば大気圧が常圧且つ吸気温度が常温において上述したような動力性能と燃費性能とを両立させる基本変速制御にて用いられる基本変速変速比である。
【0032】
前記基本変速制御のみであれば、基本変速比γbが目標変速比γtgtとして算出されるが、前記基本変速制御以外にも状況に応じて複数の変速比算出制御が存在するので、例えば調停により目標変速比γtgtが算出される。各変速比算出制御は所定の外的要因に基づいて各々変速比γを算出する為、調停により基本変速比γb以外の変速比γが採用されると、目標変速比γtgtは基本変速比γbから変更された変更後変速比γaとされる。基本変速比γbは、常圧且つ常温においてドライバ駆動力Fddrvに基づいた無段変速機28の変速比γであり、変更後変速比γaは、基本変速比γbが所定の外的要因に基づいて変更された無段変速機28の変速比γである。
【0033】
前記所定の外的要因は、例えば大気圧、吸気温度、登降坂などの外部環境である。大気圧が常圧より低い程、又は、吸気温度が常温より高い程、目標エンジントルクTetgtに対して実際のエンジントルクTeである実エンジントルクTeが不足し易くされる。又、登坂路では駆動力Fdを増大したい場面があったり、降坂路では減速度を増大したい場面がある。その為、大気圧が常圧より低いとき、又は、吸気温度が常温より高いとき、又は、登降坂路を走行しているときには、目標変速比γtgtが基本変速比γbよりもダウンシフト側に変更されることが望ましい。変速機制御部86は、例えば大気圧に基づいて目標入力軸回転速度Nintgtpを算出し、吸気温度に基づいて目標入力軸回転速度Nintgttを算出し、走行路の勾配に基づいて目標入力軸回転速度Nintgtsを算出するなど、所定の外的要因の各々に基づいて各外的要因目標入力軸回転速度Nintgteを算出する。変速機制御部86は、基本目標入力軸回転速度Nintgtb及び外的要因目標入力軸回転速度Nintgteうちの最大値となる目標入力軸回転速度Nintgtを選択し、その選択した目標入力軸回転速度Nintgtに基づいて無段変速機28の目標変速比γtgtを算出する。基本目標入力軸回転速度Nintgtbが選択された場合には、目標変速比γtgtが基本変速比γbとされる。外的要因目標入力軸回転速度Nintgteが選択された場合には、目標変速比γtgtが基本変速比γbよりもダウンシフト側に変更された変更後変速比γaとされる。
【0034】
変速機制御部86は、無段変速機28のベルト滑りが発生しないようにしつつ無段変速機28の目標変速比γtgtを達成する為の目標プライマリ推力Wintgt及び目標セカンダリ推力Wouttgtを算出する。変速機制御部86は、目標プライマリ推力Wintgt及び目標セカンダリ推力Wouttgtを実現する目標プライマリ圧Pintgt及び目標セカンダリ圧Pouttgtを決定し、目標プライマリ圧Pintgt及び目標セカンダリ圧Pouttgtを実現するようにプライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutを制御するCVT油圧制御指令信号Scvtを油圧制御回路40へ出力する。
【0035】
図4は、アクセル開度papに基づいて直接的に算出したドライバ駆動力Fddrvを用いてエンジン制御と変速機制御とを行う為の制御作動において、目標変速比γtgtが基本変速比γbから変更後変速比γaへ変更された場合の一例を説明するブロック図であって、本実施例の比較例を示す図である。
図4において、目標エンジントルクTetgtに対して所定の外的要因によって実エンジントルクTeが不足する場合、実エンジントルクTeの不足を補填し、狙いの駆動力Fdであるドライバ駆動力Fddrvを実現する為に、目標変速比γtgtは基本変速比γbよりもダウンシフト側となる大きな変更後変速比γaへ変更させられる。しかしながら、所定の外的要因で実エンジントルクTeが不足するときもドライバ駆動力Fddrvには変化がなく、目標エンジントルクTetgtは、そのドライバ駆動力Fddrvを基に、変更後変速比γa等を考慮して算出される。そうすると、駆動力Fdの不足分を補填する為に無段変速機28のダウンシフトが行われても、目標変速比γtgtを大きくした分は目標エンジントルクTetgtを小さくすることでドライバ駆動力Fddrvに整合させられる。その為、
図4に示すような制御作動では、駆動力Fdの不足分を補填することができない。このような問題は、特に、静的に設計するドライバ駆動力Fddrvを常圧、常温を前提とした単一の駆動力マップを用いて算出する場合に顕著となる。又、無段変速機28においては、任意の変速比γ毎で、複数の駆動力マップを設定することは可能であるが、状況によって様々な変速比γを取り得る為、任意の変速比γに対応した複数の駆動力マップを持つことは適切ではない。
【0036】
前述したような問題に対して、電子制御装置80は、基本変速比γbから変更後変速比γaへの目標変速比γtgtの変化分、駆動力Fdを増加させる為に、ドライバ駆動力Fddrvを、基本変速比γbと変更後変速比γaとを用いて補正した補正後駆動力Fdcorを算出し、その補正後駆動力Fdcorを基に、変更後変速比γa等を考慮して目標エンジントルクTetgtを算出する。本実施例では、基本変速比γbから変更後変速比γaへの目標変速比γtgtの変化を、変更後変速比γaの基本変速比γbに対する比の値である変速比変化率R(=γa/γb)で表す。
【0037】
図2は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち所定の外的要因に基づいて目標変速比γtgtを変更したときに狙いの駆動力Fdを実現する為の制御作動を説明するブロック図である。つまり、
図2は、アクセル開度papに基づいて直接的に算出したドライバ駆動力Fddrvを用いてエンジン制御と変速機制御とを行う為の制御作動において、目標変速比γtgtが基本変速比γbから変更後変速比γaへ変更された場合の一例を説明するブロック図であって、本実施例を示す図である。
【0038】
図2において、目標駆動力算出部82の機能に対応するブロック(以下、ブロックを省略する)B10において、アクセル開度pap等に基づいてドライバ駆動力Fddrvが算出される。
【0039】
変速機制御部86の機能に対応するB20において、ドライバ駆動力Fddrv等に基づいて無段変速機28の基本変速比γbが算出される。又、所定の外的要因に基づいて変更後変速比γaが算出され、目標変速比γtgtが基本変速比γbから変更後変速比γaに変更される。
【0040】
目標駆動力算出部82の機能に対応するB30において、ドライバ駆動力Fddrvが補正用タービントルクTtcorに変換される。具体的には、次式(1)にドライバ駆動力Fddrvと基本変速比γbとが適用されることで補正用タービントルクTtcorが算出される。次式(1)において、「rw」は駆動輪14のタイヤ有効半径であり、「i」は出力軸30から駆動輪14までの動力伝達経路における減速ギヤ機構32やディファレンシャルギヤ34等の減速比である。タービントルクTtは、タービン軸22上のトルクであり、補正用タービントルクTtcorは、ドライバ駆動力Fddrvを補正後駆動力Fdcorに補正する際に用いられるタービントルクTtである。
【0041】
Ttcor=(Fddrv×rw)÷(γb×i) …(1)
【0042】
目標駆動力算出部82の機能に対応するB40において、補正用タービントルクTtcorが補正後駆動力Fdcorに変換される。具体的には、次式(2)に補正用タービントルクTtcorと変更後変速比γaとが適用されることで補正後駆動力Fdcorが算出される。次式(2)において、「i」、「rw」は、前記式(1)と同じである。
【0043】
Fdcor=Ttcor×γa×i÷rw …(2)
【0044】
前記式(1),(2)から明らかなように、目標駆動力算出部82は、変速比変化率R(=γa/γb)分、ドライバ駆動力Fddrvを補正した補正後駆動力Fdcor(=Fddrv×R)を算出する。ドライバ駆動力Fddrvを補正用タービントルクTtcorに変換することを介して補正後駆動力Fdcorを算出する理由は、ドライバ駆動力Fddrvに変速比変化率R分を動的に反映させることである。加えて、損失やイナーシャ等の考慮すべき物理項目を、前記式(1),(2)に反映させることができる。
【0045】
エンジン制御部84の機能に対応するB50において、補正後駆動力FdcorがタービントルクTtの目標値である目標タービントルクTttgtに変換される。具体的には、次式(3)に補正後駆動力Fdcorと変更後変速比γaとが適用されることで目標タービントルクTttgtが算出される。次式(3)において、「rw」、「i」は、前記式(1)と同じである。
【0046】
Tttgt=(Fdcor×rw)÷(γa×i) …(3)
【0047】
エンジン制御部84の機能に対応するB60において、目標タービントルクTttgtが目標エンジントルクTetgtに変換される。具体的には、次式(4)に目標タービントルクTttgtが適用されることで目標エンジントルクTetgtが算出される。次式(4)において、「t」はトルクコンバータ20のトルク比(=タービントルクTt/ポンプトルクTp(=エンジントルクTe))である。トルク比tは、トルクコンバータ20の速度比e(=タービン回転速度Nt/ポンプ回転速度Np(=エンジン回転速度Ne))の関数であり、速度比eとトルク比tとの予め定められた関係に実際の速度比eが適用されることで算出される。このように、エンジン制御部84は、補正後駆動力Fdcorと変更後変速比γaとに基づいて目標エンジントルクTetgtを算出する。
【0048】
Tetgt=Tttgt÷t …(4)
【0049】
図3は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち所定の外的要因に基づいて目標変速比γtgtを変更したときに狙いの駆動力Fdを実現する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えば繰り返し実行される。
【0050】
図3において、先ず、目標駆動力算出部82の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、車両10の目標駆動力として、アクセル開度pap等に基づいて静的設計値であるドライバ駆動力Fddrvが算出される。次いで、変速機制御部86の機能に対応するS20において、静的設計された駆動力特性から動的に駆動力変化が必要な場合であるか否か、特には、目標変速比γtgtを基本変速制御にて算出された基本変速変速比である基本変速比γbから変更後変速比γaに変化させるか否かが判定される。このS20の判断が肯定される場合は目標駆動力算出部82の機能に対応するS30において、ドライバ駆動力Fddrvと基本変速比γbとに基づいて補正用タービントルクTtcorが算出される(前記式(1)参照)。次いで、目標駆動力算出部82の機能に対応するS40において、補正用タービントルクTtcorと現在目標変速比である変更後変速比γaとに基づいて補正後駆動力Fdcorが算出される(前記式(2)参照)。上記S20の判断が否定される場合は目標駆動力算出部82の機能に対応するS50において、上記S30の処理なしとされ、ドライバ駆動力Fddrvがそのまま補正後駆動力Fdcorとされる。上記S40に次いで又は上記S50に次いで、エンジン制御部84の機能に対応するS60において、補正後駆動力Fdcorと変更後変速比γaとに基づいて目標タービントルクTttgtが算出される(前記式(3)参照)。次いで、エンジン制御部84の機能に対応するS70において、目標タービントルクTttgtに基づいて目標エンジントルクTetgtが算出される(前記式(4)参照)。
【0051】
上述のように、本実施例によれば、ドライバ駆動力Fddrvに基づいた無段変速機28の基本変速比γbが所定の外的要因に基づいて変更された変更後変速比γaの基本変速比γbに対する比の値である変速比変化率R(=γa/γb)分、ドライバ駆動力Fddrvを補正した補正後駆動力Fdcor(=Fddrv×R)が算出され、補正後駆動力Fdcorと変更後変速比γaとに基づいて目標エンジントルクTetgtが算出されるので、ドライバ駆動力Fddrvと変更後変速比γaとに基づいて目標エンジントルクTetgtを算出すること(
図4参照)と比べて、変速比変化率R分、目標エンジントルクTetgtを増大させることができる。よって、所定の外的要因に基づいて目標変速比γtgtを変更したときに、狙いの駆動力Fdを実現することができる。
【0052】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0053】
例えば、前述の実施例では、ドライバ駆動力Fddrvが補正用タービントルクTtcorに一旦変換された後に補正後駆動力Fdcorに変換されたが、この態様に限らない。例えば、ドライバ駆動力Fddrvに変速比変化率Rを乗算して直接的に補正後駆動力Fdcorを算出しても良い。この場合、
図2のブロック図におけるB30や
図3のフローチャートにおけるS30は必要ない。又、この場合、損失やイナーシャ等の考慮すべき物理項目を補正後駆動力Fdcorに反映させることができないが、演算が簡素化されるという効果が得られる。
【0054】
また、前述の実施例では、補正後駆動力Fdcorが目標タービントルクTttgtに変換され、その目標タービントルクTttgtが目標エンジントルクTetgtに変換されたが、この態様に限らない。例えば、補正後駆動力Fdcorに基づいて直接的に目標エンジントルクTetgt(=(Fdcor×rw)÷(γa×i×t))を算出しても良い。この場合、
図2のブロック図におけるB50や
図3のフローチャートにおけるS60は必要ない。
【0055】
また、前述の実施例における
図3のフローチャートにおいて、S20では、目標変速比γtgtが基本変速比γbから変更後変速比γaに実際に変化させられたか否かが判定されたり、又は、目標変速比γtgtの調停結果に基づいて変速比変化率Rが必要な場合であるか否かが判定されたりしても良い。
【0056】
また、前述の実施例では、
図3のフローチャートにおいて、S20の判断が否定される場合はS50にてS30の処理なしとしたが、この態様に限らない。例えば、演算処理負荷の観点からも処理なしとしているが、S20の判断が否定される場合は、基本変速比γbと変更後変速比γaとを同値として、S30の処理を実行しても良い。又は、
図3のフローチャートにおけるS20やS50は必ずしも必要なく、常時S30以降の演算を実行しても良い。常時演算の場合に、目標変速比γtgtが基本変速比γbから変化させられないときには、基本変速比γbと変更後変速比γaとを同値として演算すれば、結局、ドライバ駆動力Fddrvと補正後駆動力Fdcorとが同値とされる。
【0057】
また、前述の実施例では、本発明を適用する自動変速機として無段変速機28を例示したが、この態様に限らない。例えば、有段変速機の制御において、ギヤ段毎に駆動力マップが設定されておらず、単一の駆動力マップが用いられる場合、又は、ギヤ段毎に設定された駆動力マップ内の値が同値である場合などには、そのような有段変速機にも本発明を適用することができる。要は、エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成する自動変速機を備えた車両であれば本発明を適用することができる。
【0058】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
28:無段変速機(自動変速機)
80:電子制御装置(制御装置)
82:目標駆動力算出部
84:エンジン制御部