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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】液状洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20221206BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20221206BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221206BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20221206BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/42
A61Q19/10
A61K8/44
C11D1/04
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019146303
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021024839
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】村上 大
(72)【発明者】
【氏名】脇田 知寛
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-156538(JP,A)
【文献】特開2020-169129(JP,A)
【文献】国際公開第2020/153216(WO,A1)
【文献】特開2002-068961(JP,A)
【文献】彼谷邦光,奇数脂肪酸,オレオサイエンス(2020),第20巻,第7号,p,337-340
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および水を含有することを特徴とする液状洗浄料。
(A)炭素数が12~16の偶数炭素数を有する飽和脂肪酸のカリウム塩を6~24質量%
(B)炭素数が13~17の奇数炭素数を有する飽和脂肪酸のカリウム塩を0.001~0.5質量%
(C)両性界面活性剤を0.2~10質量%
(D)炭素数が3~6の2価アルコールを0.5~12質量%
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔や身体等の皮膚の洗浄に用いられる液状洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顔や身体等の皮膚用の洗浄剤には、脂肪酸塩である石けんが多く使用されている。石けんは、洗浄後に独特のさっぱり感を有するだけでなく、生分解性も良好であり、環境に対しても優しい基剤である。石けんを主成分とした液状洗浄料は一般的な皮膚用洗浄剤として広く使用されている。液状洗浄料に配合される石けんを構成する脂肪酸には、例えば、ヤシ油、パーム油およびパーム核油由来の混合脂肪酸が使用されており、これらの混合脂肪酸には不飽和脂肪酸が30~40質量%程度含有されている。しかし、不飽和脂肪酸は、保存安定性が低く、変色や臭気劣化が生じ易いという問題があった。
【0003】
液状洗浄料の保存安定性を向上させるために、飽和脂肪酸のみを使用した液状洗浄料が提案されている。これにより、変色や臭気劣化は改善されるものの、低温で析出しやすいため、泡立ちと低温安定性を両立することが課題であった。この課題を解決するために、例えば特許文献1には、炭素数が12~16の偶数炭素数を有する飽和脂肪酸塩とフェノキシエタノールとプロピレングリコールなどの2価アルコールとを含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている。
【0004】
一方、近年ではスキンケアを簡便に済ませたいというニーズが高まっており、メイクアップ化粧料の除去と通常の洗顔を一度に行える洗浄料が求められている。例えば特許文献2には、クレンジング効果を有する洗浄料として、炭素数が偶数の高級脂肪酸塩とIOB値が0.2以上0.7未満の非イオン性界面活性剤とを含有するクリーム状皮膚洗浄料が提案されている。クレンジング力を高めるためには、洗浄料に水を加えずに洗浄料が濃厚な状態でメイクアップ化粧料と馴染ませることが好ましく、その場合には顔面上で水を加えて泡立てる必要がある。洗浄料を掌の上で泡立てる際は少量の水を数回に分けて加えながら泡立てるのに対し、顔面上で泡立てる際はメイクアップ化粧料と馴染ませた後に手を濡らして顔面上で泡立てる必要があるので、泡立ての際に加える水の量をコントロールし難く、掌の上で泡立てる場合と比較して洗浄料が濃厚な状態になり、顔面上での泡立ちが弱くなる場合がある。さらに、掌と比較して顔は刺激を感じやすいので、より穏やかに泡立てる必要があることから、顔面上での泡立ちに優れた洗浄料を開発することは容易ではない。
【0005】
また、近年の日焼け止め料は耐水性が向上しているため、洗浄料によって日焼け止め料を除去する必要がある。日焼け止め料を効率的に除去する洗浄料として、特許文献3には、炭素数が偶数の脂肪酸のカリウム塩と両性界面活性剤とアシルメチルタウリン型陰イオン性界面活性剤とポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル型非イオン性界面活性剤とを含有する皮膚用洗浄剤組成物が提案されている。日焼け止め料を効率的に除去するためには、洗浄料が濃厚な状態で日焼け止め料と馴染ませることが好ましい。
一方で、脂肪酸塩を含有する液状洗浄料は、入浴時の肌上での延びおよびすべり性が良好であるものが開発されている。しかし、日焼け止め料が使用され易い海水浴の後では、肌上に付着した塩分の影響により肌上での延びおよびすべり性が入浴時と比較すると低下することが課題であった。そのため、海水浴後に、脂肪酸塩を含有する洗浄料を濃厚な状態で日焼け止め料と馴染ませた場合、肌上での延びおよびすべり性が悪く、日焼け止め料を効率的に除去することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-214327号公報
【文献】特開2012-167035号公報
【文献】特開2014-76977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、脂肪酸塩の石けんを配合した液状洗浄料にフェノキシエタノールや2価アルコールを配合することにより、低温安定性と泡立ちを両立できることが知られていた。また、脂肪酸塩を配合した洗浄料に非イオン性界面活性剤等を配合することにより、クレンジング効果を向上させることも知られていた。しかし、海水が付着した肌上でも延びおよびすべり性が良好であり、顔面上でも泡立て易く、クレンジング力に優れた液状洗浄料は未だ開発されていないのが現状である。
本発明の目的は、海水が付着した肌上でも延びおよびすべり性が良好であり、顔面上でも泡立て易く、クレンジング力に優れた液状洗浄料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の素材を選択し、その配合割合を特定範囲とすることによって、所期の作用効果を奏する液状洗浄料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および水を含有することを特徴とする液状洗浄料である。
(A)炭素数が12~16の偶数炭素数を有する飽和脂肪酸のカリウム塩を6~24質量%
(B)炭素数が13~17の奇数炭素数を有する飽和脂肪酸のカリウム塩を0.001~0.5質量%
(C)両性界面活性剤を0.2~10質量%
(D)炭素数が3~6の2価アルコールを0.5~12質量%
【発明の効果】
【0009】
本発明の液状洗浄料によれば、海水が付着した肌上でも延びおよびすべり性が良好であり、顔面上でも泡立て易く、クレンジング力に優れるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の液状洗浄料は、下記の成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)および水を少なくとも含有する。以下、各成分について説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限及び下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上、5以下を表す。
【0011】
<成分(A):偶数飽和脂肪酸のカリウム塩>
本発明に用いられる成分(A)は、炭素数が12~16の偶数炭素数を有する飽和脂肪酸(本明細書において「偶数飽和脂肪酸」ともいう。)のカリウム塩であり、言い換えれば、炭素数が12、14、16の飽和脂肪酸のカリウム塩である。
本発明の液状洗浄料に配合される飽和脂肪酸のカリウム塩は、配合前に予め偶数飽和脂肪酸のカリウム塩としたものでもよく、また液状洗浄料の系中で偶数飽和脂肪酸に相当量のアルカリ剤を配合したものでもよい。
【0012】
偶数飽和脂肪酸は、単一物であっても混合物であってもよく、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸およびパルミチン酸のうち1種の単独飽和脂肪酸または2種以上を組み合わせた混合脂肪酸が挙げられる。偶数飽和脂肪酸のカリウム塩としては、泡量および泡質の点から、飽和脂肪酸カリウム塩の混合物であることが好ましい。
【0013】
液状の洗浄料においては、遊離脂肪酸を含有する系(過脂肪)とすることが一般的である。本発明においては、偶数飽和脂肪酸のカリウム塩を調製した後に偶数飽和脂肪酸を液状洗浄料の系中に添加してもよいし、偶数飽和脂肪酸とアルカリ剤とを反応させる時にアルカリ剤の添加量を少なくして未反応の遊離脂肪酸を残存させてもよい。この際、水酸化カリウム等のアルカリ剤の含有量は、脂肪酸に対して0.80~0.99当量であることが好ましい。
【0014】
成分(A)の含有量は、洗浄料全量に対して、6~24質量%であり、好ましくは8~22質量%、より好ましくは10~20質量%である。成分(A)の含有量が少なすぎると、顔面上での泡立ちやクレンジング力が十分でなくなることがあり、含有量が多すぎると、肌上での延びおよびすべり性が不十分となることがある。
【0015】
<成分(B):奇数飽和脂肪酸のカリウム塩>
本発明に用いられる成分(B)は、炭素数が13~17の奇数炭素数を有する飽和脂肪酸(本明細書において「奇数偶数飽和脂肪酸」ともいう。)のカリウム塩であり、言い換えれば、炭素数が13、15、17の飽和脂肪酸のカリウム塩である。
【0016】
成分(B)に用いられる脂肪酸として、トリデカン酸、ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸等が挙げられ、ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸が好ましく、ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸を少なくとも含むことがより好ましい。
【0017】
ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸を組み合わせて用いる場合、ペンタデカン酸/ヘプタデカン酸の質量比は1/30~30/1であることが好ましく、1/10~10/1であることがより好ましく、1/5~5/1であることがさらに好ましく、1/3~3/1であることが特に好ましい。かかる質量比が上記範囲であると、肌上での延びおよびすべり性、顔面上での泡立て易さの点でより好ましい。
【0018】
また、成分(B)がペンタデカン酸およびヘプタデカン酸を含有する場合、ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸の合計含有量は、成分(B)の全量に対して、95~100質量%であることが好ましく、97~100質量%であることがより好ましい。ペンタデカン酸およびヘプタデカン酸の含有量が上記範囲であると、肌上での延びおよびすべり性、顔面上での泡立て易さをバランスよく得ることができる。
【0019】
成分(B)の含有量は、洗浄料全量に対して、0.001~0.5質量%であり、好ましくは0.005~0.4質量%であり、より好ましくは0.01~0.3質量%、特に好ましくは0.02~0.2質量%である。成分(B)の含有量が少なすぎると、肌上での延びおよびすべり性が低下したり、顔面上での泡立ちやクレンジング力が不十分はなることがあり、含有量が多すぎると、配合量に見合った効果が見られず、経済的に不利になることがある。
【0020】
<成分(C):両性界面活性剤>
本発明に用いられる成分(C)は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミノジカルボン酸塩等が挙げられる。これらの中では、顔面上での泡立ちやクレンジング力を向上させる観点から、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインとアルキルアミノジカルボン酸塩が好ましい。これらの両性界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0021】
成分(C)の含有量は、洗浄料全量に対して、0.2~10質量%であり、好ましくは1~8質量%、より好ましくは1.5~6質量%である。成分(C)の含有量が少なすぎると、顔面上での泡立ちやクレンジング力が不十分となることがあり、含有量が多すぎると、肌上での延びおよびすべり性が低下することがある。
【0022】
<成分(D):炭素数が3~6の2価アルコール>
本発明に用いられる成分(D)は、炭素数が3~6の2価アルコールある。炭素数が3~6の2価アルコールとしては、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、およびジプロピレングリコール等が挙げられる。これらの中では、肌上での延びおよびすべり性やクレンジング力を向上させる観点から、プロピレングリコールとジプロピレングリコールが好ましい。これらの2価アルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
成分(D)の含有量は、洗浄料全量に対して、0.5~12質量%であり、好ましくは2~10質量%、より好ましくは4~8質量%である。成分(D)の含有量が少なすぎると、肌上での延びおよびすべり性、クレンジング力が低下することがあり、含有量が多すぎると、顔面上での泡立ちが不十分となることがある。
【0024】
<水>
本発明の液状洗浄料は、上記(A)~(D)の各成分の他に水を含有する。水としては、脱イオン水、イオン交換水、蒸留水が好ましい。
【0025】
水の含有量は、上記(A)~(D)の各成分と水の合計含有量が、洗浄料全量に対して、80質量%以上、好ましくは85~100質量%、より好ましくは90~99質量%となるように適宜設定される。
【0026】
<その他の添加成分>
本発明の液状洗浄料は、上記の成分(A)~成分(D)および水の他にも、化粧品や洗浄料に使われる一般的な成分を添加成分としてさらに含有していてもよい。
その他の添加成分としては、例えば、植物油脂、動物油脂等の油脂類;脂肪酸;pH調整剤;酸化防止剤;金属封鎖剤;色素;香料;顔料等が挙げられる。その他の添加成分の含有量は、洗浄料全量に対して、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
本発明の液状洗浄料は公知の方法により製造することができる。例えば、成分(A)としての偶数飽和脂肪酸のカリウム塩、成分(B)としての奇数飽和脂肪酸のカリウム塩、成分(C)としてのラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、成分(D)としてのジプロピレングリコール、および水などを混合し、加熱して均一に混合させた後、これを室温付近まで攪拌冷却して本発明の液状洗浄料を製造することができる。
【実施例
【0028】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1~11、比較例1~2>
表1および2に示す飽和脂肪酸のカリウム塩の組成で、表3(実施例1~11)および表4(比較例1~2)に示す液状洗浄料を調製し、下記の方法により評価した。
なお、表3および表4において、各成分の数値は洗浄料全量に対する含有量(質量%)を示す。
【0029】
原料は以下のものを使用した。
・ラウリン酸:試薬特級グレード(東京化成工業(株)製)
・ミリスチン酸:試薬特級グレード(東京化成工業(株)製)
・パルミチン酸:試薬特級グレード(東京化成工業(株)製)
・ペンタデカン酸:試薬特級グレード(東京化成工業(株)製)
・ヘプタデカン酸:試薬特級グレード(東京化成工業(株)製)
・ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム:ニッサンアノンLA(日油(株)製)
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン:ニッサンアノン(登録商標)BDF-SF(日油(株)製)
【0030】
<評価方法>
(1)海水浴後の肌上でのすべり性の評価
25歳から55歳までの女性20名をパネラーとし、海水浴後に液状洗浄料3gを手にとり、身体に塗布した際のすべり性について、下記基準で評価を行った。
2点:延びおよびすべり性が非常に良いと感じた場合。
1点:延びおよびすべり性がやや良いと感じた場合。
0点:延びおよびすべり性が悪いと感じた場合。
【0031】
(2)顔面上での泡立ちの評価
メイクアップをした25歳から55歳までの女性20名をパネラーとし、液状洗浄料3gを手にとり、メイクアップ化粧料と馴染ませた後、38℃のぬるま湯で両手を濡らしてから顔面上で泡立てた際の泡立ちについて下記基準で評価を行った。
2点:非常に泡立てやすく、泡に十分な厚みがあると感じた場合。
1点:やや泡立てやすく、泡にやや厚みがあると感じた場合。
0点:泡立てにくく、泡に厚みがないと感じた場合。
【0032】
(3)クレンジング力の評価
上記(2)に続き、38℃のぬるま湯で洗い流した後、メイクアップ化粧料の落ちやすさについて、下記基準で評価を行った。
2点:十分にメイクアップ化粧料が落ちたと感じた場合。
1点:ある程度メイクアップ化粧料が落ちたと感じた場合。
0点:明らかにメイクアップ化粧料の落ちが悪いと感じた場合。
【0033】
上記(1)~(3)の評価について下記の基準で判定して、表2および表3にそれぞれ示した。なお、「◎」および「○」を合格と判定した。
◎:合計点が36点以上
○:合計点が30点以上36点未満
△:合計点が20点以上30点未満
×:合計点が20点未満
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
実施例1~11の液状洗浄料は、いずれも、海水浴後の肌上での延びおよびすべり性が良好であり、顔面上でも泡立て易く、クレンジング力に優れていた。
これに対して、比較例1~2では、十分な性能が得られていない。
比較例1は、成分(B)が配合されていないので、海水浴後の肌上での延びおよびすべり性が悪く、顔面上で泡立て難く、クレンジング力が不十分であった。
比較例2は、イソステアリン酸グリセリルが配合されているものの、成分(B)が配合されていないので、海水浴後の肌上での延びおよびすべり性が悪く、顔面上で泡立て難かった。
【0039】
<実施例12>
下記に示す配合処方により液状洗浄料を調製し、上記実施例と同様に評価を行った。
(A)表1の飽和脂肪酸カリウム塩A2 15質量%
(B)表2の飽和脂肪酸カリウム塩B3 0.02質量%
(C)ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム 1質量%
(C)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 1質量%
(D)プロピレングリコール 2質量%
(D)ジプロピレングリコール 2質量%
水 71質量%
(その他の添加成分)
ステアリン酸カリウム 1質量%
ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム 2質量%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 2質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 1質量%
ジステアリン酸エチレングリコール 1質量%
エチドロン酸4ナトリウム 0.2質量%
エデト酸4ナトリウム 0.2質量%
ポリクオタニウム-7 0.1質量%
ポリクオタニウム-10 0.1質量%
ポリクオタニウム-51 0.1質量%
香料 0.28質量%
合計配合量 100質量%
【0040】
実施例12の液状洗浄料は、海水浴後の肌上での延びおよびすべり性が良好であり、顔面上でも泡立て易く、クレンジング力に優れていた。