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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】燃焼器
(51)【国際特許分類】
   F23C 7/02 20060101AFI20221206BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20221206BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20221206BHJP
【FI】
F23C7/02 302
H01M8/04 N
H01M8/04014
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019177012
(22)【出願日】2019-09-27
(65)【公開番号】P2021055870
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河田 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】小島 隆義
(72)【発明者】
【氏名】猪原 孝之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】長田 康弘
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181840(JP,A)
【文献】特開2009-224189(JP,A)
【文献】特開2008-247697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0096204(US,A1)
【文献】米国特許第04928605(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 7/02
H01M 8/04
H01M 8/04014
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池(10)を備える燃料電池システム(1)に適用される燃焼器であって、
前記燃料電池から排出されて前記燃料電池にて発電で消費されなかった前記酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスを流通させる第1酸化剤流路(100)と、
燃焼室(85)を形成する燃焼室形成部(78a、72b)と、
前記燃料電池から排出されて前記燃料電池にて発電で消費されなかった前記燃料ガスであるオフ燃料ガスを前記燃焼室に供給する燃料供給口(90)と、
前記第1酸化剤流路から流通される前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室に供給する燃焼用酸化剤供給口(92)と、
前記第1酸化剤流路から流通される前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室に供給する保護用酸化剤供給口(112、114)と、を備え、
前記燃料供給口から供給される前記オフ燃料ガスと前記燃焼用酸化剤供給口から供給される前記オフ酸化剤ガスとが前記燃焼室内にて混合されて燃焼し火炎を発生し、
前記保護用酸化剤供給口から供給される前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室形成部と前記火炎との間に流通させて、前記火炎の熱が前記燃焼室形成部に伝わることを前記保護用酸化剤供給口から供給される前記オフ酸化剤ガスが抑制する燃焼器。
【請求項2】
前記保護用酸化剤供給口からの前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室形成部と前記火炎との間に流通させるように前記オフ酸化剤ガスを案内する吹出案内部(113、113a、115)を備える請求項1に記載の燃焼器。
【請求項3】
前記吹出案内部(113、115)は、前記保護用酸化剤供給口からの前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室形成部と前記火炎との間に流通させるように案内する前記保護用酸化剤供給口(112、114)を形成する請求項2に記載の燃焼器。
【請求項4】
前記燃焼室に対して軸線(S)を中心とする径方向外側には、前記燃焼室から吸熱して原燃料ガスを改質して前記燃料ガスを発生させる改質器(60)が設けられており、
前記改質器に対して前記軸線を中心とする径方向内側で、かつ前記燃焼室に対して前記オフ燃料ガスの流れ方向下流側に配置されている前記燃焼室形成部としての第1燃焼室形成部(72b)と、
前記第1燃焼室形成部に向けて前記第1酸化剤流路からの前記オフ酸化剤ガスを供給する前記保護用酸化剤供給口としての第1保護用酸化剤供給口(112)と、
前記燃焼室に対して前記軸線を中心とする径方向内側に配置されている前記燃焼室形成部としての第2燃焼室形成部(78a)を構成し、かつ前記第1酸化剤流路からの前記オフ酸化剤ガスを前記第1保護用酸化剤供給口に向けて流通させる第2酸化剤流路(102)を形成する第2酸化剤流路形成部(78)と、を備え、
前記第2酸化剤流路形成部は、前記第2燃焼室形成部に向けて前記第2酸化剤流路からの前記オフ酸化剤ガスを供給する前記保護用酸化剤供給口としての第2保護用酸化剤供給口(114)を形成し、
前記第1保護用酸化剤供給口からの前記オフ酸化剤ガスが前記第1燃焼室形成部および前記火炎との間に流通し、
前記第2保護用酸化剤供給口からの前記オフ酸化剤ガスが前記第2燃焼室形成部および前記火炎との間に流通する請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃焼器。
【請求項5】
前記保護用酸化剤供給口を形成し、かつ前記第1酸化剤流路から前記オフ酸化剤ガスを前記保護用酸化剤供給口に向けて流通させる第2酸化剤流路(102)を形成する第2酸化剤流路形成部(78)を備え、
前記吹出案内部(113a)は、前記第2酸化剤流路形成部から前記燃焼室内に突起して、かつ前記保護用酸化剤供給口から前記燃焼室内に吹き出される前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室形成部と前記火炎との間に流通させるように案内する請求項2に記載の燃焼器。
【請求項6】
前記吹出案内部は、前記保護用酸化剤供給口から吹き出される前記オフ酸化剤ガスを前記燃焼室形成部と前記火炎との間に案内する案内面(113b)を有する板部材である請求項5に記載の燃焼器。
【請求項7】
前記第2酸化剤流路形成部は、前記燃焼室形成部(78a)を構成している請求項5または6に記載の燃焼器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼器では、よどみ部を形成する燃焼室内に燃料ガスを噴出する燃料用パイプバーナと、空気流を噴出する空気用パイプバーナとを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものにおいては、燃料用パイプバーナから噴出される燃料ガスと空気用パイプバーナから噴出される空気流とをよどみ部内で衝突させる。このため、よどみ部内で燃料ガスと空気流との混合が促進され、よどみ部内にて良好な燃焼が生じることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-247697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の燃焼器では、上述の如く、よどみ部内にて良好な燃焼が生じるため、燃焼に伴って生じる火炎がよどみ部を形成する壁部材に接する。このため、火炎の熱によって壁部材の劣化が早まるおそれがある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、燃焼室を形成する燃焼室形成部(すなわち、壁部材)を火炎の熱から保護するようにした燃焼器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池(10)を備える燃料電池システム(1)に適用される燃焼器であって、
燃料電池から排出されて燃料電池にて発電で消費されなかった酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスを流通させる第1酸化剤流路(100)と、
燃焼室(85)を形成する燃焼室形成部(78a、72b)と、
燃料電池から排出されて燃料電池にて発電で消費されなかった燃料ガスであるオフ燃料ガスを燃焼室に供給する燃料供給口(90)と、
酸化剤流路から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室に供給する燃焼用酸化剤供給口(92)と、
酸化剤流路から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室に供給する保護用酸化剤供給口(112、114)と、を備え、
燃料供給口から供給されるオフ燃料ガスと燃焼用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスとが燃焼室内にて混合されて燃焼し火炎を発生し、
保護用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に流通させて、火炎の熱が燃焼室形成部に伝わることを保護用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスが抑制する。
【0008】
以上により、燃焼室を形成する燃焼室形成部を火炎の熱から保護するようにした燃焼器を提供することができる。
【0009】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態における燃料電池システムの全体の概略構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態における燃料電池システムの燃焼器の構造と、燃焼器および改質器の配置関係とを示す図である。
図3】第1実施形態の燃料電池システムの燃焼器および改質器において図2中III-III断面図である。
図4】第1実施形態の燃料電池システムにおいて燃焼器の図2中IV矢視図であり、複数の空気導入口を示している図である。
図5】第1実施形態の燃料電池システムにおいて燃焼器の燃焼室内における火炎、オフ酸化剤ガスの流れを示す図である。
図6】(a)第1実施形態の燃焼器の燃焼室においてオフ酸化剤ガスを火炎と燃焼室形成部との間に流したときの温度分布を模式的に示した模式図であり、(b)燃料電池において燃焼器の燃焼室においてを火炎と燃焼室形成部との間にオフ酸化剤ガス流していないときの温度分布を模式的に示した模式図である。
図7】本発明の第2実施形態における燃料電池システムの燃焼器の構造と、燃焼器および改質器の配置関係とを示す図であり、上記第1実施形態における図3に相当した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の燃料電池システムについて図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0012】
本実施形態の燃料電池システム1は、都市ガスを用いて発電する設置型の発電システムであって、図1に示すように、セルスタック10、空気予熱器20、燃焼器30、蒸発器40、エジェクタ50、および改質器60を備える。
【0013】
セルスタック10は、複数の燃料電池セルが積層されている燃料電池を構成するものであって、空気予熱器20から供給される空気流を酸化剤ガスとし、改質器60から供給される改質ガスを燃料ガスとして、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて電力を発生する。
セルスタック10は、空気予熱器20から供給される酸化剤ガスのうち発電で消費されなかった酸化剤ガスを排出する。以下、説明の便宜上、空気予熱器20から供給される酸化剤ガスのうち発電で消費されなかった酸化剤ガスをオフ酸化剤ガスという。
セルスタック10は、改質器60から供給される燃料ガスのうち発電で消費されなかった燃料ガスを排出する。以下、説明の便宜上、改質器60から供給される燃料ガスのうち発電で消費されなかった燃料ガスをオフ燃料ガスという。
【0014】
空気予熱器20は、燃焼器30から排出される排気ガスによって空気ブロワ21から送風される空気流を加熱してセルスタック10に送風する。燃焼器30は、化学式1の如く、セルスタック10から排出されるオフ燃料ガスとセルスタック10から排出されるオフ酸化剤ガスとを混合して燃焼する。
【0015】
、CO+O→HO、CO・・・(化学式1)
本実施形態の燃焼器30の排ガスが燃焼器30→改質器60→空気予熱器20→蒸発器40の順に流れるように構成されている。なお、燃焼器30の構造の詳細は後述する。
【0016】
蒸発器40は、ポンプ41から圧送られる水を燃焼器30の排気ガスによって加熱して蒸発させて水蒸気と燃料ブロワ42から送風される都市ガスとを混合して混合ガスを駆動流としてエジェクタ50の入口51に送り込む。ポンプ41は、例えば、水道水を吸入して蒸発器40に圧送する電動ポンプである。
【0017】
エジェクタ50は、入口51、吸入口52、および出口53を備える。エジェクタ50の入口51には、蒸発器40からの混合ガス(すなわち、駆動流)が流れ込む。エジェクタ50の吸入口52には、エジェクタ50の入口51に蒸発器40からの混合ガスが流れ込むことに伴って、セルスタック10から流れるオフ燃料ガス(すなわち、吸引流)が吸入される。
【0018】
本実施形態のエジェクタ50は、吸入口52から吸入したオフ燃料ガスと入口51から流入される蒸発器40からの混合ガスとを混合してこの混合したガスを原燃料ガス(CH4、O)として改質器60に噴出する。
【0019】
改質器60は、化学式2の如く、エジェクタ50の出口53から噴出される原燃料ガスを燃焼器30の排熱を用いて改質反応させて燃料ガス(H、CO)を発生してこの燃料ガスをセルスタック10に送り込む。
【0020】
CH+HO+排熱→3H+CO・・・(化学式2)
なお、本実施形態の改質器60は、後述するように、軸線Sを中心とする円環状に形成されている(図2参照)。
【0021】
燃料ブロワ42は、改質器60のガス出口からバルブ43を通して排出される燃料ガスの一部と都市ガスとを吸い込んで蒸発器40に供給する。バルブ43は、改質器60から燃料ブロワ42に供給される燃料ガスの流量を調整する弁体である。
【0022】
このように構成される燃料電池システムでは、セルスタック10から排出されるオフ燃料ガスの一部をエジェクタ50の吸入口52に供給する。そして、セルスタック10からに排出されるオフ燃料ガスのうちエジェクタ50の吸入口52に供給されるオフ燃料ガス以外の残りのオフ燃料ガスが燃焼器30に供給される。このため、燃焼器30では希薄な燃料ガスが燃焼されることになる。
【0023】
次に、本実施形態の燃焼器30の構造について図2図3図4を参照して説明する。
【0024】
本実施形態の燃焼器30は、図2および図3に示すように、改質器60に対して軸線Sを中心とする径方向内側に配置されている。改質器60は、軸線Sを中心とする円環状に形成されている。
【0025】
具体的には、燃焼器30は、図2図3、および図4に示すように、外側パイプ70、内側パイプ72、燃料パイプ74、中間パイプ76、78、および点火源80を備える。
【0026】
外側パイプ70は、軸線Sを中心とする円管状に形成されている。軸線方向は、軸線Sが延びる方向である。図3中の下側を軸線方向一方側とし、図3中の上側を軸線方向他方側としている。
【0027】
内側パイプ72は、軸線Sを中心とする円管状に形成されている。内側パイプ72は、外側パイプ70に対して軸線Sを中心とする径方向内側に配置されている。
【0028】
具体的には、内側パイプ72は、小径管部72a、蓋部72b、および大径管部72cを備える。小径管部72aは、軸線Sを中心として軸線方向に延びる円管状に形成されている。
【0029】
蓋部72bは、第1燃焼室形成部として、軸線Sを中心とする円環状に形成されて、燃焼室85を形成する。蓋部72bは、小径管部72aと大径管部72cとの間に配置されている。蓋部72bは、小径管部72aと大径管部72cとの間を塞ぐように形成されている。本実施形態の蓋部72bは、燃焼室85に対して燃料ガスの流れ方向下流側に位置することになる。
【0030】
大径管部72cは、軸線Sを中心とする円管状に形成されている。大径管部72cは、小径管部72aおよび蓋部72bに対して軸線Sを中心とする径方向外側に配置されている。大径管部72cは、蓋部72bのうち軸線Sを中心とする径方向外側端部から軸線方向他方側に延びるように形成されている。
【0031】
燃料パイプ74は、小径管部72aと外側パイプ70との間に配置されている。具体的には、燃料パイプ74は、環状板材82、84によって構成されている。環状板材82、84は、それぞれ、軸線Sを中心として円環状に形成されている。環状板材82は、環状板材84に対して軸線方向一方側に配置されている。環状板材82、84は、接合されている。本実施形態では、接合とは溶接等の物理的接合手段が用いられる。
【0032】
ここで、環状板材84のうち軸線Sを中心とする径方向内側は、内側パイプ72に対して軸線Sを中心とする周方向に亘って接合されている。環状板材82のうち軸線Sを中心とする径方向内側は、内側パイプ72に対して軸線Sを中心とする周方向に亘って接合されている。
【0033】
このことにより、環状板材84、82は、内側パイプ72によって支持されていることになる。
【0034】
環状板材84には、中間パイプ78の内側壁部78aのうち軸線方向一方側と中間パイプ78の蓋部78bとが軸線Sを中心とする周方向に亘って接合されている。中間パイプ78の蓋部78bのうち軸線Sを中心とする径方向内側が内側パイプ72に対して軸線Sを中心とする周方向に亘って接合されている。
【0035】
このことにより、環状板材84は、中間パイプ78を介して内側パイプ72によって支持されている。
【0036】
環状板材82のうち軸線Sを中心とする径方向外側には、軸線方向他方側に凸となる凸部82aが設けられている。凸部82aは、軸線Sを中心として周方向に亘って形成されている。
【0037】
環状板材84のうち軸線Sを中心とする径方向外側には、軸線方向他方側に凸となる凸部84aが設けられている。凸部84aは、軸線Sを中心として周方向に亘って形成されている。
【0038】
凸部82a、84aの間には、オフ燃料ガスが流通する燃料ガス流路86が形成されている。燃料ガス流路86は、軸線Sを中心とする周方向に亘って形成されている。環状板材84の凸部84aには、複数の燃料供給口90が設けられている。
【0039】
複数の燃料供給口90は、それぞれ、軸線Sを中心とする周方向に間隔を開けて並べられている。複数の燃料供給口90は、それぞれ、燃料ガス流路86からのオフ燃料ガスを燃焼室85内に噴出する。
【0040】
環状板材82の凸部82aには、1つの燃料供給口88が設けられている。1つの燃料供給口88は、セルスタック10から排出されるオフ燃料ガスを燃料ガス流路86に供給するための供給口である。
【0041】
大径管部72cと外側パイプ70との間には、排ガス流路85aが設けられている。排ガス流路85aは、燃焼室85にてオフ燃料ガスの燃焼に伴って生じる排ガスや酸化剤供給口112、複数の酸化剤供給口114から吹き出されるオフ酸化剤ガスを燃焼室85→改質器60→空気予熱器20→蒸発器40の順に流通させる。
【0042】
中間パイプ76は、燃料パイプ74と外側パイプ70との間に配置されている。中間パイプ76は、軸線Sを中心とする円管状に形成されている。中間パイプ76のうち軸線方向一方側は、燃料パイプ74の環状板材84の凸部84aに接合されている。
【0043】
ここで、中間パイプ76のうち軸線方向他方側は、外側パイプ70の内周面に接合されている。このことにより、環状板材84は中間パイプ76を介して外側パイプ70に支持されていることになる。
【0044】
ここで、中間パイプ76と燃料パイプ74との間には、空気流路100(すなわち、第1酸化剤流路)からのオフ酸化剤ガスが流れる空気流路101が形成されている。中間パイプ76には、空気流路101からのオフ酸化剤ガスを燃焼室85内に供給する複数の酸化剤供給口92(すなわち、燃焼用酸化剤供給口)が設けられている。
複数の酸化剤供給口92は、軸線Sを中心とする周方向に間隔を開けて並べられている。
【0045】
中間パイプ76には、複数の酸化剤供給口92を形成する複数の吹出案内部93が設けられている。複数の吹出案内部93は、それぞれ、燃焼室85内において、酸化剤供給口92からのオフ酸化剤ガスを軸線方向他方側でかつ径方向内側に向けて流れるように酸化剤供給口92毎に案内する。
【0046】
空気流路100は、外側パイプ70および内側パイプ72の間において、燃料パイプ74、空気流路101、102に対して軸線方向一方側に配置されている。空気流路100は、軸線Sを中心とする円環状に形成されている。
空気流路100は、セルスタック10からのオフ酸化剤ガスを軸線方向一方側から軸線方向一方側に流通させる。
【0047】
中間パイプ78は、燃料ガス流路86に対して軸線Sを中心とする径方向内側に配置されている第2酸化剤流路形成部である。具体的には、中間パイプ78は、内側壁部78a、および蓋部78bを備える。内側壁部78aは、第2燃焼室形成部として、軸線Sを中心とする円環状に形成されている。
【0048】
内側壁部78aと内側パイプ72との間には、空気流路102が形成されている。空気流路102は、軸線Sを中心とする円環状に形成されている。空気流路102は、空気流路100からのオフ酸化剤ガスを軸線方向一方側から軸線方向他方側に流通させる。
【0049】
蓋部78bは、環状板材82、84に対して軸線方向他方側に配置されている。蓋部78bは、内側壁部78aと内側パイプ72との間を軸線方向一方側から覆うように形成されている。
【0050】
ここで、蓋部78bおよび環状板材82、84には、図4に示すように、それぞれを軸線方向に貫通する複数の空気導入口110が設けられている。複数の空気導入口110は、軸線Sを中心とする円方向に間隔を開けて並べられている。複数の空気導入口110は、空気流路100からのオフ酸化剤ガスを空気流路102に流通させる。
【0051】
本実施形態では、内側パイプ72の蓋部72b、内側壁部78a、中間パイプ76、および燃料パイプ74の環状板材84の間には、燃焼室85が形成される。つまり、内側パイプ72の蓋部72b、内側壁部78a、中間パイプ76、および燃料パイプ74の環状板材84は、それぞれ、燃焼室85を形成する燃焼室形成部材を構成することになる。
【0052】
燃焼室85は、後述するように、複数の燃料供給口90からのオフ燃料ガスを複数の酸化剤供給口92からのオフ酸化剤ガスともに燃焼させる。内側壁部78aと内側パイプ72との間において軸線方向他方側には、酸化剤供給口112(すなわち、酸化剤供給口、第1保護用酸化剤供給口)が形成されている。酸化剤供給口112は、軸線Sを中心とする円環状に形成されている。
【0053】
小径管部72aおよび内側壁部78aは、酸化剤供給口112からのオフ燃料ガスを内側パイプ72の蓋部72bに向けて吹き出すように酸化剤供給口112を形成する吹出案内部115を構成する。
【0054】
酸化剤供給口112は、空気流路102を通過したオフ燃料ガスを内側パイプ72の蓋部72bに向けて吹き出すことにより、燃焼室85のうち火炎と蓋部72bとの間に空気流を流通させる。
【0055】
内側壁部78aには、空気流路102からのオフ酸化剤ガスを燃焼室85に吹き出す複数の酸化剤供給口114(すなわち、保護用酸化剤供給口、第2保護用酸化剤供給口)が設けられている。複数の酸化剤供給口114は、軸線Sを中心とする円方向に間隔を開けて並べられている。
【0056】
内側壁部78aには、複数の吹出案内部113が設けられている。複数の吹出案内部113は、それぞれ、酸化剤供給口114からのオフ酸化剤ガスを内側壁部78aに沿って流すように酸化剤供給口114を酸化剤供給口114毎に形成する。
【0057】
このことにより、酸化剤供給口114からのオフ酸化剤ガスを燃焼室85のうち火炎と内側壁部78aとの間に流通させることになる。
【0058】
点火源80は、燃焼室85内のオフ酸化剤ガスに点火する。本実施形態の点火源80としては、放電プラグ、電気ヒータ等によって構成されている。
【0059】
本実施形態の外側パイプ70、内側パイプ72、燃料パイプ74、および中間パイプ76、78としては、耐熱性の優れた金属材料によって構成されている。
【0060】
次に、本実施形態の燃焼器30の作動について説明する。
【0061】
まず、セルスタック10から排出されるオフ燃料ガスが燃料供給口88を通して燃料ガス流路86に流れる。そして、燃料ガス流路86からオフ燃料ガスが複数の燃料供給口90から燃焼室85内に噴出される。
【0062】
一方、セルスタック10から流れるオフ酸化剤ガスが空気流路100内を軸線方向一方側から他方側に向けて流れる。空気流路100を流れるオフ酸化剤ガスの一部が空気流路101に流れる。空気流路101内のオフ酸化剤ガスが複数の酸化剤供給口92から燃焼室85内に供給される。
【0063】
この際に、吹出案内部93は、複数の酸化剤供給口92からオフ酸化剤ガスを軸線方向他方側でかつ径方向内側に向けて流れるように案内する。燃焼室85では、オフ燃料ガスとオフ酸化剤ガスとが衝突して混合されこの混合された混合ガスが点火源80によって点火され火炎200(図5参照)が生じる。
【0064】
また、空気流路100を通過するオフ酸化剤ガスのうち空気流路101に流れるオフ酸化剤ガス以外の残りのオフ酸化剤ガスは、複数の空気導入口110(図4参照)を通して空気流路102に流れる。そして、この空気流路102内のオフ酸化剤ガスの一部は、複数の酸化剤供給口114から燃焼室85内に供給される。
【0065】
この際に、複数の吹出案内部113は、それぞれ、矢印F2の如く、酸化剤供給口114からのオフ酸化剤ガスを内側壁部78aに沿わせて流すようにオフ酸化剤ガスを案内する。このため、内側壁部78aと火炎200との間には、オフ酸化剤ガスが流れることになる。
オフ酸化剤ガスは、火炎200の熱が内側壁部78aに伝わることを抑える空気断熱層の役割を果たす。
【0066】
また、空気流路102に流れるオフ酸化剤ガスのうち複数の酸化剤供給口114に流れるオフ酸化剤ガス以外の残りのオフ酸化剤ガスは、吹出案内部115によって酸化剤供給口112から内側パイプ72の蓋部72bに向けて流れるように案内される。このため、オフ酸化剤ガスは、矢印F1の如く、蓋部72bに沿って流れる。
【0067】
このため、蓋部72bと火炎200との間には、オフ酸化剤ガスが流れることになる。オフ酸化剤ガスは、火炎200の熱が蓋部72bに伝わることを抑える空気断熱層の役割を果たす。
【0068】
さらに、燃焼室85内においてオフ酸化剤ガスの燃焼によって生じる排熱は、外側パイプ70を通して改質器60に伝わる。このため、改質器60における改質反応が促進される。
【0069】
燃焼室85内においてオフ酸化剤ガスの燃焼によって生じる排ガスは、排ガス流路85aに流れる。複数の酸化剤供給口114から吹き出されるオフ酸化剤ガスと酸化剤供給口112から吹き出されるオフ酸化剤ガスとは、排ガス流路85aに流れる。このため、排ガスは、複数の酸化剤供給口114、酸化剤供給口112から吹き出されるオフ酸化剤ガスと合流される。
【0070】
このようにオフ酸化剤ガスが合流される排ガスは、排ガス流路85aを通して燃焼器30→改質器60→空気予熱器20→蒸発器40の順に流れた後に大気に排気される。
【0071】
以上説明した本実施形態によれば、燃焼器30は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電するセルスタック10を備える燃料電池システムに適用される。燃焼器30は、セルスタック10から排出されてセルスタック10にて発電で消費されなかった酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスを流通させる空気流路100を備える。燃焼器30は、燃焼室85を形成する燃焼室形成部としての内側壁部78a、蓋部72bを備える。
【0072】
燃焼器30は、セルスタック10から排出されてセルスタック10にて発電で消費されなかった燃料ガスであるオフ燃料ガスを燃焼室85に供給する複数の燃料供給口90を備える。
【0073】
燃焼器30は、空気流路100から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室85に供給する複数の酸化剤供給口92を備える。燃焼器30は、空気流路100から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室85に供給する複数の酸化剤供給口114および酸化剤供給口112を備える。
【0074】
複数の燃料供給口90から噴出されるオフ燃料ガスと複数の酸化剤供給口92から供給されるオフ酸化剤ガスとが燃焼室85内にて混合されて燃焼し火炎を発生する。
【0075】
小径管部72aおよび内側壁部78aは、空気流路102からのオフ酸化剤ガスを蓋部72bに向けて流すように酸化剤供給口114を形成する吹出案内部115を構成する。蓋部72bは、改質器60に対して軸線Sを中心とする径方向内側で、かつ燃焼室85に対してオフ燃料ガスの流れ方向下流側に配置されている。酸化剤供給口114は、空気流路102からのオフ酸化剤ガスを蓋部72bに向けて流す。
【0076】
このオフ酸化剤ガスは、蓋部72bに沿って流れる。このため、蓋部72bと火炎200との間には、オフ酸化剤ガスが流れることになる。よって、火炎200(図5参照)の熱が蓋部72bに伝わることを抑制することができる。
【0077】
中間パイプ78は、燃焼室85に対して軸線Sを中心とする径方向内側に配置されている内側壁部78aを構成し、かつ空気流路102からのオフ酸化剤ガスを燃焼室85に供給する複数の酸化剤供給口114を形成する複数の吹出案内部113を備える。
【0078】
複数の吹出案内部113は、それぞれ、酸化剤供給口114からのオフ酸化剤ガスを内側壁部78aに沿って流すように酸化剤供給口114毎にオフ酸化剤ガスを案内する。このため、内側壁部78aと火炎200との間にオフ酸化剤ガスを流すことができる。よって、火炎200の熱が内側壁部78aに伝わることを抑制することができる。
【0079】
以上により、燃焼室85において、燃焼室形成部としての蓋部72b、内側壁部78aと火炎200との間にオフ酸化剤ガスを流すことができるので、火炎の熱が蓋部72b、内側壁部78aに伝わることを抑制することができる。したがって、燃焼室85を形成する蓋部72b、内側壁部78aを火炎の熱から保護するようにした燃焼器30を提供することができる。
【0080】
図6(a)に燃焼室85内において燃焼室形成部85Aと火炎200との間にオフ酸化剤ガスを流した場合の温度分布を示し、図6(b)に燃焼室85内において燃焼室形成部85Aと火炎200との間にオフ酸化剤ガスFを流していない場合の温度分布を示す。
【0081】
図6(a)(b)によれば、燃焼室形成部85Aと火炎200との間に空気流Fを流した場合には、燃焼室形成部85Aと火炎200との間にオフ酸化剤ガスFを流していない場合に比べて燃焼室形成部85Aの温度が低くなっていることは明らかである。
【0082】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、複数の吹出案内部113によって複数の酸化剤供給口114をそれぞれ形成した例について説明した。
【0083】
しかし、これに代えて、本第2実施形態では、内側壁部78aから燃焼室85内に突起する複数の吹出案内部113aを設ける例について図7に示すように説明する。
【0084】
本実施形態における複数の吹出案内部113aは、酸化剤供給口114(すなわち、保護用酸化剤供給口)から燃焼室85に吹き出されるオフ酸化剤ガスを内側壁部78aと火炎200との間に流通させるように案内する。
【0085】
ここで、複数の吹出案内部113aは、それぞれ、内側壁部78aから燃焼室85内に突起するように形成されている平板部材である。
【0086】
複数の吹出案内部113aは、それぞれ、酸化剤供給口114から吹き出されるオフ酸化剤ガスを内側壁部78a(すなわち、燃焼室形成部)と火炎との間に案内する案内面113bを有する。
【0087】
複数の案内面113bは、吹出案内部113a毎に、酸化剤供給口114を軸線Sを中心とする径方向外側から覆うように形成されている。複数の案内面113bは、それぞれ、軸線方向に交差しかつ軸線Sに直交する直交方向(図7中紙面の垂直方向)に平行になるように形成されている。
【0088】
本実施形態と上記第1実施形態とにおいて、吹出案内部113a以外の他の構成は同様であるため、その説明を省略する。
【0089】
(他の実施形態)
(1)上記第1、第2実施形態では、燃料電池システムにおいて、都市ガスを用いて発電する例について説明したが、これに代えて、都市ガス以外のプロパンガス等のガスを用いて発電するようにしてもよい。或いは、燃料電池システムにおいてガソリン等を用いて、発電するようにしてもよい。
【0090】
(2)上記第1、第2実施形態では、燃料電池システムとして設置型の発電システムを用いた例について説明したが、これに代えて、燃料電池システムとして車載用の発電システムを用いてもよい。
【0091】
(3)上記第1、第2実施形態では、燃料パイプ74に複数の燃料供給口90を設けた例について説明したが、これに限らず、1つの燃料供給口90を燃料パイプ74に設けてもよい。
【0092】
(4)上記第1、第2実施形態では、燃焼器30において第2保護用酸化剤供給口として複数の酸化剤供給口114を設けた例について説明したが、これに代えて、燃焼器30において第2保護用酸化剤供給口として1つの酸化剤供給口114を設けてもよい。
【0093】
(5)上記第1、第2実施形態では、燃焼器30において複数の酸化剤供給口92を設けた例について説明したが、これに限らず、燃焼器30において1つの酸化剤供給口92を設けてもよい。
【0094】
(6)上記第1、第2実施形態では、燃焼器30を軸線Sを中心とする環状に形成した例について説明したが、環状以外の形状に燃焼器30を形成してもよい。
(7)上記第1、第2実施形態では、酸化剤ガスとして空気を用いた例について説明したが、これに代えて、酸化剤ガスとして酸素ガスをを用いてもよい。
(8)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、センサから車両の外部環境情報(例えば車外の湿度)を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両の外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
(まとめ)
上記第1、第2実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、燃焼器は、燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池を備える燃料電池システムに適用される。
【0095】
燃焼器は、燃料電池から排出されて燃料電池にて発電で消費されなかった酸化剤ガスであるオフ酸化剤ガスを流通させる第1酸化剤流路と、燃焼室を形成する燃焼室形成部とを備える。
【0096】
燃焼器は、燃料電池から排出されて燃料電池にて発電で消費されなかった燃料ガスであるオフ燃料ガスを燃焼室に供給する燃料供給口と、第1酸化剤流路から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室に供給する燃焼用酸化剤供給口と、第1酸化剤流路から流通されるオフ酸化剤ガスを燃焼室に供給する保護用酸化剤供給口とを備える。
【0097】
燃料供給口から供給されるオフ燃料ガスと燃焼用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスとが燃焼室内にて混合されて燃焼し火炎を発生する。保護用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に流通させて、火炎の熱が燃焼室形成部に伝わることを保護用酸化剤供給口から供給されるオフ酸化剤ガスが抑制する。
【0098】
第2の観点によれば、燃焼器は、保護用酸化剤供給口からのオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に流通させるようにオフ酸化剤ガスを案内する吹出案内部を備える。
【0099】
第3の観点によれば、吹出案内部は、保護用酸化剤供給口からのオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に流通させるように案内する保護用酸化剤供給口を形成する。
【0100】
第4の観点によれば、燃焼室に対して軸線を中心とする径方向外側には、燃焼室から吸熱して原燃料ガスを改質して燃料ガスを発生させる改質器が設けられている。
【0101】
燃焼器は、改質器に対して軸線を中心とする径方向内側で、かつ燃焼室に対してオフ燃料ガスの流れ方向下流側に配置されている燃焼室形成部としての第1燃焼室形成部と、第1燃焼室形成部に向けて第1酸化剤流路からのオフ酸化剤ガスを供給する保護用酸化剤供給口としての第1保護用酸化剤供給口とを備える。
【0102】
燃焼器は、燃焼室に対して軸線を中心とする径方向内側に配置されている燃焼室形成部としての第2燃焼室形成部を構成し、かつ第1酸化剤流路からのオフ酸化剤ガスを第1保護用酸化剤供給口に向けて流通させる第2酸化剤流路を形成する第2酸化剤流路形成部を備える。
【0103】
第2酸化剤流路形成部は、第2燃焼室形成部に向けて第2酸化剤流路からのオフ酸化剤ガスを供給する保護用酸化剤供給口としての第2保護用酸化剤供給口を形成する。第1保護用酸化剤供給口からのオフ酸化剤ガスが第1燃焼室形成部および火炎との間に流通する。第2保護用酸化剤供給口からのオフ酸化剤ガスが第2燃焼室形成部および火炎との間に流通する。
【0104】
以上により、第1燃焼室形成部と第2燃焼室形成部とを火炎の熱から保護することができる。
【0105】
第5の観点によれば、燃焼器は、保護用酸化剤供給口を形成し、かつ第1酸化剤流路からオフ酸化剤ガスを保護用酸化剤供給口に向けて流通させる第2酸化剤流路を形成する第2酸化剤流路形成部を備える。
【0106】
吹出案内部は、第2酸化剤流路形成部から燃焼室内に突起して、かつ保護用酸化剤供給口から燃焼室内に吹き出されるオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に流通させるように案内する。
【0107】
第6の観点によれば、吹出案内部は、保護用酸化剤供給口から吹き出されるオフ酸化剤ガスを燃焼室形成部と火炎との間に案内する案内面を有する板部材である。
【0108】
第7の観点によれば、第2酸化剤流路形成部は、燃焼室形成部を構成している。
【符号の説明】
【0109】
1 燃料電池
10 セルスタック
60 改質器
70 外側パイプ
72 内側パイプ
74 燃料パイプ
76 外側支持部材
78 内側支持部材
80 点火源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7