(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】テーピング電子部品連用リール
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20221206BHJP
B65H 75/14 20060101ALI20221206BHJP
B65H 75/22 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H05K13/02 B
B65H75/14
B65H75/22
(21)【出願番号】P 2019187895
(22)【出願日】2019-10-11
【審査請求日】2021-04-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】清水 保弘
(72)【発明者】
【氏名】中川 聖之
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-231911(JP,A)
【文献】特開2019-064761(JP,A)
【文献】実開平02-124979(JP,U)
【文献】特開2006-089258(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
B65H 75/14
B65H 75/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凹部を有するテープと前記凹部に収容された電子部品とを備えるテーピング電子部品連用のリールであって、
前記テーピング電子部品連を巻き付けるためのコアと、
前記コアの両端部に設けられ、前記コアを挟んで軸方向に対向する一対のフランジと、を備え、
前記フランジ同士を不可逆的に分離する分離機構が設けられている、テーピング電子部品連用リール。
【請求項2】
前記分離機構は、前記コアの内部に設けられており、
前記コアを前記軸方向に分解することにより、前記フランジ同士が分離される、請求項1に記載のリール。
【請求項3】
分解面が前記軸方向に沿って傾斜するように前記コアが分解される、請求項2に記載のリール。
【請求項4】
前記分離機構は、前記コアと一方の前記フランジとの境界に設けられており、
前記コアの端部から前記フランジを剥ぎ取ることにより、前記フランジ同士が分離される、請求項1に記載のリール。
【請求項5】
前記分離機構は、スナップフィットにより構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載のリール。
【請求項6】
前記分離機構は、両方の前記フランジに設けられており、
前記フランジが前記コアの端部に接している部分を含めて、前記コアを前記軸方向に抜き取ることにより、前記フランジ同士が分離される、請求項1に記載のリール。
【請求項7】
前記コアには、前記テーピング電子部品連との間の摩擦を低減する摩擦低減機構が設けられている、請求項1~6のいずれか1項に記載のリール。
【請求項8】
前記摩擦低減機構として、前記コアの側面には、前記軸方向に沿って少なくとも1つの傾斜が設けられている、請求項7に記載のリール。
【請求項9】
前記摩擦低減機構として、前記コアの側面には、少なくとも1つの突形状部位が設けられている、請求項7に記載のリール。
【請求項10】
前記摩擦低減機構として、前記コアの側面には、前記軸方向に沿って蛇腹構造が設けられており、
前記コアを前記軸方向に延伸させることにより、前記コアの軸径が小さくなる、請求項7に記載のリール。
【請求項11】
前記摩擦低減機構として、前記コアを支える複数の構造体が設けられており、
前記構造体を中心軸に向けて倒すことにより、前記コアの軸径が小さくなる、請求項7に記載のリール。
【請求項12】
一方の前記フランジを含む第1のリール半体と、他方の前記フランジを含む第2のリール半体とが接合されることで構成されており、
前記分離機構は、前記第1のリール半体と前記第2のリール半体との接合面とは異なる箇所に設けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載のリール。
【請求項13】
少なくとも一方の前記フランジは、前記コアの端部と接合されているか、又は、前記コアと一体的に設けられている、請求項1~12のいずれか1項に記載のリール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーピング電子部品連用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を基板に実装するための手段として、特許文献1に記載のような部品実装機が一般的に用いられる。部品実装機は、テーピング電子部品連とも呼ばれるキャリアテープをリールから引き出し、さらにキャリアテープから電子部品を取り出してから、基板の所定位置に電子部品を実装する。
【0003】
キャリアテープは、特許文献1の
図14に記載されているように、複数の凹部を有するテープと、複数の凹部のそれぞれに収容された電子部品と、複数の凹部を覆うカバーフィルムとにより構成される。
【0004】
通常、一台の部品実装機は複数種類の電子部品を基板に実装するので、部品実装機には複数のキャリアテープが取り付けられる。例えば、特許文献1の
図13には、テープの幅方向に平行な軸方向に並べられた複数のテープフィーダと、該テープフィーダにより送られて電子部品を供給するキャリアテープと、該キャリアテープが巻き付けられるリールとを備える部品供給部が記載されている。
【0005】
また、キャリアテープ用のリールは、特許文献2に記載のように、コアとも呼ばれる軸と、上記軸よりも外形が大きく上記軸の両端部に設けられた一対のフランジとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-115898号公報
【文献】特開2015-103775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
キャリアテープ用のリールの幅は規格で決まっており、テープフィーダの幅よりも大きくなることがある。その場合、軸方向に並べられた複数のテープフィーダのそれぞれにキャリアテープを取り付ける際には、テープフィーダの送り方向とテープの長さ方向とを平行にするために、複数のリールを上下や前後にずらして配置する必要がある。このように、従来のリールを用いてキャリアテープをテープフィーダに取り付ける際には、電子部品の搭載数を多くする上で配置スペースの問題があった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、テープフィーダにテーピング電子部品連を省スペースで取り付けることが可能なテーピング電子部品連用リールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のテーピング電子部品連用リールは、複数の凹部を有するテープと上記凹部に収容された電子部品とを備えるテーピング電子部品連用のリールであって、上記テーピング電子部品連を巻き付けるためのコアと、上記コアの両端部に設けられ、上記コアを挟んで軸方向に対向する一対のフランジと、を備え、上記フランジ同士を不可逆的に分離する分離機構が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、テープフィーダにテーピング電子部品連を省スペースで取り付けることが可能なテーピング電子部品連用リールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明のテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、テーピング電子部品連の一例を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、テーピング電子部品連の一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらに別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図7】
図7A及び
図7Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図8】
図8A及び
図8Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図9】
図9A及び
図9Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図10】
図10A及び
図10Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらに別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図13】
図13は、
図10Aに示すテーピング電子部品連用リールの別の変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図14】
図14A及び
図14Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す正面図である。
【
図17】
図17は、本発明の第3実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のテーピング電子部品連用リールについて説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0013】
以下の説明において、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明のテーピング電子部品連用リール」という。また、テーピング電子部品連用リールを、単にリールとも記載する。
【0014】
図1は、本発明のテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す斜視図である。
図1には、本発明のテーピング電子部品連用リールにテーピング電子部品連が巻き付けられた状態が示されている。
【0015】
図1に示すテーピング電子部品連用リール10は、コア11と第1のフランジ12と第2のフランジ13とを備える。コア11には、テーピング電子部品連20が巻き付けられている。
【0016】
図2は、テーピング電子部品連の一例を模式的に示す平面図である。
図3は、テーピング電子部品連の一例を模式的に示す断面図である。
【0017】
図2及び
図3に示すように、テーピング電子部品連20は、長尺状のテープ21を備える。テープ21には、複数の凹部22が、テープ21の長さ方向に沿って所定の間隔で設けられている。また、テープ21には、複数の送り穴23が、複数の凹部22に並行して所定の間隔で設けられている。複数の凹部22は、カバーフィルム24により覆われている。
【0018】
複数の凹部22のそれぞれには、電子部品25が収容されている。電子部品25としては、例えば、積層セラミックコンデンサ等のコンデンサ、抵抗素子、インダクタ、サーミスタ、圧電素子等が挙げられる。
【0019】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、コアは、例えば円柱状の外形を有する。
図1に示すように、コアには、貫通孔が設けられていてもよい。
【0020】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジ及び第2のフランジは、コアの両端部に設けられている。なお、第1のフランジ及び第2のフランジがコアの両端部に設けられているとは、第1のフランジ及び第2のフランジがコアの両端面に設けられている場合のほか、コアの両端面より中央部寄りに設けられている場合も含まれる。
【0021】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジ及び第2のフランジは一対をなし、コアを挟んで軸方向に対向している。ここで、軸方向とは、テーピング電子部品連を構成するテープの幅方向に平行な方向である。第1のフランジ及び第2のフランジは、コアの外形よりも大きい外形を有し、例えば円板形状の外形を有する。
【0022】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジ及び第2のフランジは、それぞれ樹脂製であることが好ましい。第1のフランジ及び第2のフランジを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合体等が挙げられる。第1のフランジを構成する樹脂は、第2のフランジを構成する樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0023】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジは、コアの端部と接合されているか、又は、コアと一体的に設けられていることが好ましい。同様に、第2のフランジは、コアの端部と接合されているか、又は、コアと一体的に設けられていることが好ましい。この場合、コアは、樹脂製であることが好ましい。コアを構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合体等が挙げられる。第1のフランジ又は第2のフランジがコアの端部と接合されている場合、コアを構成する樹脂は、第1のフランジ又は第2のフランジを構成する樹脂と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0024】
本発明のテーピング電子部品連用リールでは、フランジ同士を不可逆的に分離する分離機構が設けられていることを特徴としている。これにより、リールに巻き付けられたテーピング電子部品連をテープフィーダに取り付けた後、テーピング電子部品連からリールを取り外すことが可能となる。したがって、テープフィーダにテーピング電子部品連を省スペースで取り付けることができる。その結果、電子部品の搭載数を多くすることができる。本明細書において、分離機構の不可逆的の意味には、分離後、機械的な組み立てによる保持でフランジ同士をリールとして使用可能程度に保持することや、接着剤による固着などで化学的に保持することは含まれない。
【0025】
なお、本発明のテーピング電子部品連用リールから取り外されたテーピング電子部品連は、巻き回された状態が保持されたままテープフィーダに取り付けられていることが好ましく、その方法は特に限定されない。
【0026】
以下に示す各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもない。第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事項についての記述は省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態毎には逐次言及しない。
【0027】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、コアの内部に設けられており、コアを軸方向に分解することにより、フランジ同士が分離される。
【0028】
図4A及び
図4Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0029】
図4Aに示すテーピング電子部品連用リール10Aには、コア11Aの内部に分離機構14Aが設けられている。分離機構14Aは、例えば、ミシン目により構成されている。
図4Bに示すように、コア11Aを軸方向に分解して第1のコア片15A及び第2のコア片16Aに分離することにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
図4Bに示す例では、分解面17が軸方向に対して略直交するようにコア11Aが分解される。
【0030】
図4Aに示すように、テーピング電子部品連用リール10Aは、第1のフランジ12を含む第1のリール半体31Aと、第2のフランジ13を含む第2のリール半体32Aとが接合されることで構成されていることが好ましい。この場合、分離機構14Aは、第1のリール半体31Aと第2のリール半体32Aとの接合面33とは異なる箇所に設けられている。
【0031】
図5A及び
図5Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0032】
図5Aに示すテーピング電子部品連用リール10Bには、コア11Bの内部に分離機構14Bが設けられている。分離機構14Bは、スナップフィットにより構成されている。
図5Bに示すように、コア11Bを軸方向に分解して第1のコア片15B及び第2のコア片16Bに分離することにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0033】
図4A及び
図5Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、ミシン目により構成されていてもよいし、スナップフィットにより構成されていてもよい。スナップフィットで分離すると、相当の応力がフランジにかかるため、再度組み直すことは難しくなり、不可逆的に分離される。本発明でいうスナップフィットには、突部とこの突部と嵌め合う穴部との組み合わせ(
図5A参照)が含まれる。
図5Aに示すような突部と穴部との組み合わせによるスナップフィットの場合、局部的に超音波接合により嵌め合って固定されていてもよい。
【0034】
図6A及び
図6Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらに別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0035】
図6Aに示すテーピング電子部品連用リール10Cには、コア11Cの内部に分離機構14Cが設けられている。分離機構14Cは、例えば、ミシン目により構成されている。
図6Bに示すように、コア11Cを軸方向に分解して第1のコア片15C及び第2のコア片16Cに分離することにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
図6Bに示す例では、分解面17が軸方向に沿って傾斜するようにコア11Cが分解される。
【0036】
図6Bに示すように、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分解面が軸方向に沿って傾斜するようにコアが分解されてもよい。この場合、分解された後のコアの外径が小さくなるため、テーピング電子部品連からテーピング電子部品連用リールを抜き取りやすくなる。
【0037】
図7A及び
図7Bは、本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0038】
図7Aに示すテーピング電子部品連用リール10Dには、コア11Dの内部に分離機構14Dが設けられている。分離機構14Dは、例えば、ミシン目により構成されている。
図7Bに示すように、コア11Dを軸方向に分解して第1のコア片15D及び第2のコア片16Dに分離することにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
図7Bに示す例では、分解面17が軸方向に対して略直交するようにコア11Dが分解される。
【0039】
コア11Dの側面には、軸方向に沿って傾斜が設けられている。これにより、テーピング電子部品連20との接触面積が少なくなるため、コア11Dとテーピング電子部品連20との間の摩擦が低減する。その結果、テーピング電子部品連20からテーピング電子部品連用リール10Dを抜き取りやすくなる。
【0040】
テーピング電子部品連用リール10C又は10Dは、第1のフランジ12を含む第1のリール半体と、第2のフランジ13を含む第2のリール半体とが接合されることで構成されていてもよい。この場合、分離機構14C又は14Dは、第1のリール半体と第2のリール半体との接合面とは異なる箇所に設けられている。
【0041】
本発明の第1実施形態に係るテーピング電子部品連用リールにおいて、コアには、テーピング電子部品連との間の摩擦を低減する摩擦低減機構が設けられていることが好ましい。この場合、テーピング電子部品連からテーピング電子部品連用リールを抜き取りやすくなる。
【0042】
摩擦低減機構として、コアの側面には、
図7Aに示すように、軸方向に沿って少なくとも1つの傾斜が設けられていてもよい。なお、上述の
図6Aに示すように、分解面が軸方向に沿って傾斜するようなコアも、摩擦低減機構が設けられていると言える。また、摩擦低減機構として、コアの側面には、後述の
図10A、
図11及び
図13に示すように、少なくとも1つの突形状部位が設けられていてもよい。
【0043】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、コアと一方のフランジとの境界に設けられており、コアの端部からフランジを剥ぎ取ることにより、フランジ同士が分離される。
【0044】
図8A及び
図8Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0045】
図8Aに示すテーピング電子部品連用リール10Eには、コア11Eと第2のフランジ13との境界に分離機構14Eが設けられている。分離機構14Eは、例えば、ミシン目により構成されている。
図8Bに示すように、コア11Eの端部から第2のフランジ13を剥ぎ取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0046】
図8Aに示すように、テーピング電子部品連用リール10Eは、第1のフランジ12を含む第1のリール半体31Eと、第2のフランジ13を含む第2のリール半体32Eとが接合されることで構成されていることが好ましい。この場合、分離機構14Eは、第1のリール半体31Eと第2のリール半体32Eとの接合面33とは異なる箇所に設けられている。
【0047】
図9A及び
図9Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0048】
図9Aに示すテーピング電子部品連用リール10Fには、コア11Fと第2のフランジ13との境界に分離機構14Fが設けられている。分離機構14Fは、スナップフィットにより構成されている。
図9Bに示すように、コア11Fの端部から第2のフランジ13を剥ぎ取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0049】
図8A及び
図9Aに示すように、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、ミシン目により構成されていてもよいし、スナップフィットにより構成されていてもよい。
図9Aに示すような突部と穴部との組み合わせによるスナップフィットの場合、局部的に超音波接合により嵌め合って固定されていてもよい。
【0050】
図10A及び
図10Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらに別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0051】
図10Aに示すテーピング電子部品連用リール10Gには、コア11Gと第2のフランジ13との境界に分離機構14Gが設けられている。分離機構14Gは、例えば、ミシン目により構成されている。
図10Bに示すように、コア11Gの端部から第2のフランジ13を剥ぎ取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0052】
コア11Gの側面には、突形状部位として、軸方向に沿って段差が設けられている。これにより、テーピング電子部品連20との接触面積が少なくなるため、コア11Gとテーピング電子部品連20との間の摩擦が低減する。その結果、テーピング電子部品連20からテーピング電子部品連用リール10Gを抜き取りやすくなる。
【0053】
なお、この突形状部位は壁状であり、壁状の突形状部位は、軸方向に沿って設けられていてもよいし、軸方向と垂直な方向に沿って設けられていてもよい。
【0054】
図11は、
図10Aに示すテーピング電子部品連用リールの変形例を模式的に示す正面図である。
図12は、
図11に示すテーピング電子部品連用リールの拡大断面図である。
【0055】
図11及び
図12に示すテーピング電子部品連用リール10G´には、コア11G´と第2のフランジ13との境界に分離機構14G´が設けられている。コア11G´の側面には、突形状部位として、軸方向と垂直な方向である周方向に沿って段差が設けられている。
【0056】
図13は、
図10Aに示すテーピング電子部品連用リールの別の変形例を模式的に示す拡大断面図である。
【0057】
図13に示すテーピング電子部品連用リール10G´´には、コア11G´´と第2のフランジ13との境界に分離機構14G´´が設けられている。コア11G´´の側面には、突形状部位として、アヤ目状の凹凸が設けられている。
【0058】
図14A及び
図14Bは、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す拡大断面図である。
【0059】
図14Aに示すテーピング電子部品連用リール10Hには、コア11Hと第2のフランジ13との境界に分離機構14Hが設けられている。分離機構14Hは、例えば、ミシン目により構成されている。
図14Bに示すように、コア11Hの端部から第2のフランジ13を剥ぎ取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0060】
コア11Hの側面には、軸方向に沿って蛇腹構造が設けられており、コア11Hを軸方向に延伸させることにより、コア11Hの軸径が小さくなる。これにより、テーピング電子部品連20との接触面積が少なくなるため、コア11Hとテーピング電子部品連20との間の摩擦が低減する。その結果、テーピング電子部品連20からテーピング電子部品連用リール10Hを抜き取りやすくなる。
【0061】
図15は、本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールのさらにまた別の一例を模式的に示す正面図である。
図16A、
図16B及び
図16Cは、
図15に示すテーピング電子部品連用リールの拡大断面図である。
【0062】
図15及び
図16Aに示すテーピング電子部品連用リール10Iには、コア11Iと第2のフランジ13との境界に分離機構14Iが設けられている。分離機構14Iは、例えば、ミシン目により構成されている。
図16Bに示すように、コア11Iの端部から第2のフランジ13を剥ぎ取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0063】
テーピング電子部品連用リール10Iには、コア11Iを支える複数の構造体18が設けられている。
図16Cに示すように、構造体18を中心軸に向けて倒すことにより、コア11Iの軸径が小さくさる。これにより、テーピング電子部品連20との接触面積が少なくなるため、コア11Iとテーピング電子部品連20との間の摩擦が低減する。その結果、テーピング電子部品連20からテーピング電子部品連用リール10Iを抜き取りやすくなる。
【0064】
テーピング電子部品連用リール10G、10G´、10G´´又は10Iは、第1のフランジ12を含む第1のリール半体と、第2のフランジ13を含む第2のリール半体とが接合されることで構成されていてもよい。この場合、分離機構14G、14G´、14G´´又は14Iは、第1のリール半体と第2のリール半体との接合面とは異なる箇所に設けられている。
【0065】
本発明の第2実施形態に係るテーピング電子部品連用リールにおいて、コアには、テーピング電子部品連との間の摩擦を低減する摩擦低減機構が設けられていることが好ましい。この場合、テーピング電子部品連からテーピング電子部品連用リールを抜き取りやすくなる。
【0066】
摩擦低減機構として、コアの側面には、
図10A、
図11及び
図13に示すように、少なくとも1つの突形状部位が設けられていてもよい。また、摩擦低減機構として、コアの側面には、上述の
図7Aに示すように、軸方向に沿って少なくとも1つの傾斜が設けられていてもよい。さらに、摩擦低減機構として、コアの側面には、
図14Aに示すように、軸方向に沿って蛇腹構造が設けられていてもよい。さらにまた、摩擦低減機構として、
図15に示すように、構造体を中心軸に向けて倒すことができるように構成された、コアを支える複数の構造体が設けられていてもよい。なお、摩擦低減効果は、フッ素樹脂などの平滑性を高めるコート剤をコアに塗布することでも得られる。
【0067】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、両方のフランジに設けられており、フランジがコアの端部に接している部分を含めて、コアを軸方向に抜き取ることにより、フランジ同士が分離される。
【0068】
図17は、本発明の第3実施形態に係るテーピング電子部品連用リールの一例を模式的に示す正面図である。
図18A及び
図18Bは、
図17に示すテーピング電子部品連用リールの拡大断面図である。
【0069】
図17及び
図18Aに示すテーピング電子部品連用リール10Jには、第1のフランジ12及び第2のフランジ13に分離機構14Jが設けられている。分離機構14Jは、例えば、ミシン目により構成されている。
図18Bに示すように、第1のフランジ12がコア11Jの端部に接している部分19X、及び、第2のフランジ13がコア11Jの端部に接している部分19Yを含めて、コア11Jを軸方向に抜き取ることにより、第1のフランジ12及び第2のフランジ13が分離される。
【0070】
図18Aに示すように、テーピング電子部品連用リール10Jは、第1のフランジ12を含む第1のリール半体31Jと、第2のフランジ13を含む第2のリール半体32Jとが接合されることで構成されていることが好ましい。この場合、分離機構14Jは、第1のリール半体31Jと第2のリール半体32Jとの接合面33とは異なる箇所に設けられている。
【0071】
図17及び
図18Aに示すように、本発明の第3実施形態に係るテーピング電子部品連用リールでは、分離機構は、ミシン目により構成されていることが好ましい。
【0072】
本発明の第3実施形態に係るテーピング電子部品連用リールにおいて、コアには、第1実施形態及び第2実施形態で説明した摩擦低減機構が設けられていることが好ましい。この場合、テーピング電子部品連からテーピング電子部品連用リールを抜き取りやすくなる。
【0073】
[その他の実施形態]
本発明のテーピング電子部品連用リールは、上記実施形態に限定されるものではなく、テーピング電子部品連用リールの構成、製造条件等に関し、本発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0074】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジの外面と第2のフランジの外面との間の距離は、JIS規格のC0806-3に従い、7.95mm以上、62.4mm以下であることが好ましい。
【0075】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジ及び第2のフランジのそれぞれの厚みは、0.3mm以上、3.0mm以下であることが好ましい。第1のフランジの厚みは、第2のフランジの厚みと同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、本発明の第2実施形態においては、剥ぎ取られる一方のフランジが、他方のフランジより薄くてもよい。
【0076】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のフランジ及び第2のフランジのそれぞれの直径は、95mm以上、400mm以下であることが好ましい。
【0077】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、コアの直径は、45mm以上、150mm以下であることが好ましい。
【0078】
本発明のテーピング電子部品連用リールに巻き付けられるテーピング電子部品連の幅は、3.9mm以上、57mm以下であることが好ましい。
【0079】
本発明のテーピング電子部品連用リールにおいて、第1のリール半体と第2のリール半体とが接合されている場合、第1のリール半体及び第2のリール半体のうち、いずれか一方は、コアを含んでいなくてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10G´、10G´´、10H、10I、10J テーピング電子部品連用リール
11、11A、11B、11C、11D、11E、11F、11G、11G´、11G´´、11H、11I、11J コア
12 第1のフランジ
13 第2のフランジ
14A、14B、14C、14D、14E、14F、14G、14G´、14G´´、14H、14I、14J 分離機構
15A、15B、15C、15D 第1のコア片
16A、16B、16C、16D 第2のコア片
17 分解面
18 構造体
19X 第1のフランジがコアの端部に接している部分
19Y 第2のフランジがコアの端部に接している部分
20 テーピング電子部品連
21 テープ
22 凹部
23 送り穴
24 カバーフィルム
25 電子部品
31A、31E、31J 第1のリール半体
32A、32E、32J 第2のリール半体
33 第1のリール半体と第2のリール半体との接合面