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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】自動駐車システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20221206BHJP
   G01C 21/30 20060101ALI20221206BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G01C21/30
G09B29/10 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019221290
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021092838
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187311
【弁理士】
【氏名又は名称】小飛山 悟史
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】菅野 達也
【審査官】貞光 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117188(JP,A)
【文献】特開2016-99953(JP,A)
【文献】特開2016-57677(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0165960(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104575079(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 1/16
G01C 21/00 - 21/36
G09B 29/00 - 29/14
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B60R 21/00
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内における自動運転車両に指示を行うことにより、前記駐車場の複数の通路に沿って自動運転させて前記駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる自動駐車システムであって、
前記自動運転車両の車載センサの検出結果と前記駐車場内の物標情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、前記自動運転車両の駐車場地図上の位置である第1車両位置を取得する第1車両位置取得部と、
前記駐車場内に設けられた施設センサの検出結果に基づいて、前記自動運転車両の駐車場地図上の位置である第2車両位置を取得する第2車両位置取得部と、
前記第1車両位置及び前記第2車両位置に基づいて、前記第1車両位置に関する前記自動運転車両の位置フェールの有無を判定する位置フェール判定部と、
を備え、
前記第1車両位置は、前記通路の延在方向に沿う第1縦位置と、前記通路の幅方向に沿う第1横位置と、を含み、
前記第2車両位置は、前記延在方向に沿う第2縦位置と、前記幅方向に沿う第2横位置と、を含み、
前記位置フェール判定部は、前記第1縦位置と前記第2縦位置との差分が縦閾値以上、及び、前記第1横位置と前記第2横位置との差分が横閾値以上、の少なくとも何れかの場合に、前記位置フェールがあると判定し、
前記横閾値は、前記縦閾値よりも小さい、
自動駐車システム。
【請求項2】
前記駐車場地図情報は、前記通路の通路幅に関する通路幅情報を含み、
前記位置フェール判定部は、前記自動運転車両が走行している前記通路の通路幅が通路幅閾値以上である場合、前記自動運転車両が走行している前記通路の通路幅が前記通路幅閾値未満である場合と比べて大きい前記横閾値を用いて、前記位置フェールの有無を判定する、請求項1に記載の自動駐車システム。
【請求項3】
前記駐車場地図情報は、前記通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報を含み、
前記位置フェール判定部は、前記自動運転車両が走行している前記通路において隣り合う前記ノードのノード間隔がノード間隔閾値以上である場合、前記ノード間隔が前記ノード間隔閾値未満である場合と比べて大きい前記縦閾値を用いて、前記位置フェールの有無を判定する、請求項1又は2に記載の自動駐車システム。
【請求項4】
前記駐車場地図情報は、前記通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報と、前記ノードの種別に関するノードラベル情報と、を更に含み、
前記ノードラベル情報は、前記ノードがカーブ区間に位置するとの前記ノードの種別と、前記ノードが直線区間に位置するとの前記ノードの種別と、を含み、
前記位置フェール判定部は、走行している前記自動運転車両の付近の前記ノードが前記カーブ区間に位置する場合、前記ノードが前記直線区間に位置する場合と比べて小さい前記横閾値を用いて、前記位置フェールの有無を判定する、請求項1~3の何れか一項に記載の自動駐車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動駐車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転車両に関する技術文献として、特開2018-21777号公報が知られている。この公報には、車両のカメラにより撮像されたランドマークの車両に対する相対位置と地図上のランドマークの位置情報とを用いて車両の地図上の位置である自車位置を推定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-21777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転車両による自動バレーパーキングでは、通常、自動運転車両の車載センサを用いて取得された車両位置が利用される。しかしながら、例えば車載センサの誤差等に起因して車両位置に誤差が生じると、問題が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、駐車場内における自動運転車両に指示を行うことにより、駐車場の複数の通路に沿って自動運転させて駐車場内の目標駐車スペースに駐車させる自動駐車システムであって、自動運転車両の車載センサの検出結果と駐車場内の物標情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、自動運転車両の駐車場地図上の位置である第1車両位置を取得する第1車両位置取得部と、駐車場内に設けられた施設センサの検出結果に基づいて、自動運転車両の駐車場地図上の位置である第2車両位置を取得する第2車両位置取得部と、第1車両位置及び第2車両位置に基づいて、第1車両位置に関する自動運転車両の位置フェールの有無を判定する位置フェール判定部と、を備え、第1車両位置は、通路の延在方向に沿う第1縦位置と、通路の幅方向に沿う第1横位置と、を含み、第2車両位置は、延在方向に沿う第2縦位置と、幅方向に沿う第2横位置と、を含み、位置フェール判定部は、第1縦位置と第2縦位置との差分が縦閾値以上、及び、第1横位置と第2横位置との差分が横閾値以上、の少なくとも何れかの場合に、位置フェールがあると判定し、横閾値は、縦閾値よりも小さい。
【0006】
本発明の一態様による自動駐車システムによれば、第1縦位置と第2縦位置との差分が縦閾値以上、及び、第1横位置と第2横位置との差分が横閾値以上、の少なくとも何れかの場合に、位置フェールがあると判定する。位置フェールの判定においては、縦閾値よりも小さい横閾値が用いられる。そのため、通路の幅方向について、自動運転車両の車載センサの検出結果に基づく車両位置に関する位置フェールの判定を適切に行うことができる。
【0007】
本発明の一態様に係る自動駐車システムにおいて、駐車場地図情報は、通路の通路幅に関する通路幅情報を含み、位置フェール判定部は、自動運転車両が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上である場合、自動運転車両が走行している通路の通路幅が通路幅閾値未満である場合と比べて大きい横閾値を用いて、位置フェールの有無を判定してもよい。この場合、横位置についての位置フェールの判定を通路幅に応じて行うことができる。
【0008】
本発明の一態様に係る自動駐車システムにおいて、駐車場地図情報は、通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報を含み、位置フェール判定部は、自動運転車両が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上である場合、ノード間隔がノード間隔閾値未満である場合と比べて大きい縦閾値を用いて、位置フェールの有無を判定してもよい。この場合、縦位置についての位置フェールの判定をノード間隔に応じて行うことができる。
【0009】
本発明の一態様に係る自動駐車システムにおいて、駐車場地図情報は、通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報と、ノードの種別に関するノードラベル情報と、を更に含み、ノードラベル情報は、ノードがカーブ区間に位置するとのノードの種別と、ノードが直線区間に位置するとのノードの種別と、を含み、位置フェール判定部は、走行している自動運転車両の付近のノードがカーブ区間に位置する場合、ノードが直線区間に位置する場合と比べて小さい横閾値を用いて、位置フェールの有無を判定してもよい。この場合、ノードが直線区間に位置するか又はノードがカーブ区間に位置するかに応じて、横位置についての位置フェールの判定を行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様に係る自動駐車システムによれば、通路の幅方向について、自動運転車両の車載センサの検出結果に基づく車両位置に関する車両位置の位置フェールの判定を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る自動駐車システムを示すブロック図である。
図2】自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。
図3】駐車場管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】横閾値設定処理の一例を示すフローチャートである。
図5】横閾値設定処理の他の例を示すフローチャートである。
図6】縦閾値設定処理の一例を示すフローチャートである。
図7】位置フェール判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は一実施形態に係る自動駐車システム100を示すブロック図である。図1に示す自動駐車システム[AVPS:Automated Valet Parking System]100は、駐車場[Parking place]における自動運転車両2の自動バレーパーキング[Automated Valet Parking]を行うためのシステムである。
【0014】
自動バレーパーキングとは、駐車場における降車場でユーザ(乗員)が降りた無人の自動運転車両2を駐車場側からの指示によって目標ルートに沿って走行させ、駐車場内の目標駐車スペースに自動で駐車させるサービスである。目標駐車スペースとは、自動運転車両2の駐車位置として予め設定された駐車区画[Parking space]である。目標ルートとは、自動運転車両2が目標駐車スペースに到達するために走行する駐車場内のルートである。なお、出庫時における目標ルートは、後述する乗車用スペースに到達するために走行するルートとなる。
【0015】
駐車場は、自動バレーパーキング専用の駐車場であってもよく、自動バレーパーキングの対象外である一般車両用の駐車場を兼ねていてもよい。一般車両用の駐車場の一部を自動バレーパーキング専用のエリアとして用いてもよい。本実施形態では、自動バレーパーキング専用の駐車場を例として説明に用いる。
【0016】
ここで、図2は、自動バレーパーキングが行われる駐車場の一例を示す平面図である。図2に、自動バレーパーキング用の駐車場50、駐車エリア[Parking area]51、降車場[Drop-off area]52、及び乗車場[Pick-up area]53を示す。駐車場50は、駐車エリア51、降車場52、及び乗車場53を含んでいる。なお、降車場52及び乗車場53は別々に設けられている必要はなく、一体の乗降場として設けられていてもよい。
【0017】
駐車エリア51は、自動バレーパーキングにより自動運転車両2が駐車する駐車スペース(駐車枠)61が形成された場所である。駐車スペース61は、例えば図2に示されるように一方向(駐車車両の車幅方向)に並んで複数形成されている。降車場52は、駐車場50の出入口付近に設けられ、入庫前の自動運転車両2からユーザを含む乗員が降車するための場所である。降車場52には、乗員の降車時に自動運転車両2が停車するための降車用スペース62が形成されている。
【0018】
乗車場53は、駐車場50の出入口付近に設けられ、出庫してきた自動運転車両2に乗員が乗車するための場所である。乗車場53には、乗員の乗車のために自動運転車両2が待機するための乗車用スペース63が形成されている。
【0019】
自動駐車システム100では、例えば、駐車場50に入場[Entering]した自動運転車両2が降車用スペース62で乗員を降ろした後、自動運転車両2の指示権限を得て自動バレーパーキングを開始する。自動駐車システム100は、駐車エリア51内の目標駐車スペースに向かって自動運転車両2を走行させ、自動運転車両2を目標駐車スペースに駐車させる。自動駐車システム100は、出庫要求[Pick-up request]に応じて駐車中の自動運転車両2を乗車場53に向かって走行させ、乗車用スペース63で乗員の到着まで待機させる。
【0020】
自動駐車システム100では、自動バレーパーキングの実行中において、駐車エリア51内の目標駐車スペースに向かって自動運転車両2を走行させている場合、及び、乗車場53に向かって自動運転車両2を走行させている場合に、自動運転車両2の車載センサの検出結果と駐車場50内に設けられた駐車場センサ(施設センサ)4の検出結果とに基づいて、自動運転車両2の位置フェールの有無を判定する。
【0021】
[自動駐車システムの構成]
以下、自動駐車システム100の構成について図面を参照して説明する。図1に示されるように、自動駐車システム100は、駐車場管理サーバ1を備えている。駐車場管理サーバ1は、駐車場を管理するためのサーバである。
【0022】
駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2及びユーザ端末[User frontend]3と通信可能に構成されている。自動運転車両2及びユーザ端末3について詳しくは後述する。駐車場管理サーバ1は、駐車場に設けられていてもよく、駐車場から離れた施設に設けられていてもよい。駐車場管理サーバ1は、異なる場所に設けられた複数のコンピュータから構成されていてもよい。
【0023】
駐車場管理サーバ1は、駐車場センサ4及び駐車場地図データベース5と接続されている。駐車場センサ4は、駐車場50内の状況を認識するために駐車場50内に設けられた駐車場施設センサ(インフラセンサ)である。駐車場センサ4には、各駐車スペースに駐車車両が存在するか否か(各駐車スペースが満車であるか空車であるか)を検出するための空車センサが含まれる。
【0024】
空車センサは、駐車スペースごとに設けられてもよく、天井等に設けられて複数の駐車スペースを一台で監視可能に構成されていてもよい。空車センサの構成は特に限定されず、周知の構成を採用することができる。空車センサは、圧力センサであってもよく、電波を用いるレーダセンサ又はソナーセンサであってもよく、カメラであってもよい。空車センサは、駐車スペースにおける駐車車両の検出情報を駐車場管理サーバ1に送信する。
【0025】
駐車場センサ4には、駐車場50の走行路を走行する自動運転車両2を検出するための監視カメラが含まれていてもよい。監視カメラは、駐車場50の天井や壁に設けられ、走行する自動運転車両2を撮像する。監視カメラは、撮像画像を駐車場管理サーバ1に送信する。
【0026】
駐車場センサ4には、自動運転車両2の駐車場地図上の位置を取得するための車両位置検知センサが含まれる。車両位置検知センサは、カメラ及びレーダセンサの少なくとも一方を含む。カメラは、駐車場50において自動運転車両2を撮像する撮像機器である。カメラは、駐車場50における自動運転車両2の位置を取得できるように、例えば駐車場50の天井や壁に複数台設けられ、走行する自動運転車両2を撮像する。カメラは、上述の監視カメラで代用されてもよい。カメラは、撮像画像を駐車場管理サーバ1に送信する。レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して自動運転車両2を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダが含まれる。レーダセンサは、電波又は光を駐車場50の通路に送信し、自動運転車両2で反射された電波又は光を受信することで自動運転車両2を検出する。レーダセンサは、検出した自動運転車両2の情報を駐車場管理サーバ1へ送信する。レーダセンサには、ライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれてもよい。
【0027】
駐車場地図データベース5は、駐車場地図情報を記憶するデータベースである。駐車場地図情報には、駐車場における駐車スペースの位置情報、降車用スペースの位置情報、乗車用スペースの位置情報、及び駐車場における走行路の情報が含まれている。また、駐車場地図情報には、駐車場内の複数の通路に対応して予め設定された複数のノードのノード位置情報、自動運転車両2の自動運転に用いる走行境界[driving boundaries]の位置情報、及び、自動運転車両2が位置認識に用いるランドマーク(物標)の位置情報(物標情報)が含まれている。
【0028】
ここでの走行境界とは、自動運転車両2が自動運転で走行する際の走行可能範囲を規定し得る物体を意味する。走行境界としては、駐車場50に固定して設けられた物体上の位置を用いることができる。走行境界としては、自動運転車両2の通路と歩道との境界(例えば縁石、白線など)を用いることができる。走行境界としては、例えば駐車場50の柱の表面上の所定位置(例えば頂点)、駐車場50の壁面上の所定位置、ポールの設置位置、セーフティコーンの設置位置、路面鋲の設置位置等のうち少なくとも一つが用いられてもよい。ランドマークとは、駐車場50内における自動運転車両2の位置を認識するための相対位置の基準となる物体を意味する。ランドマークとしては、駐車場50に固定して設けられた物体を用いることができる。ランドマークには、例えば駐車場50の柱、駐車場50の壁、ポール、セーフティコーン、路面鋲等のうち少なくとも一つが用いられる。
【0029】
駐車場地図情報は、駐車場50内の複数の通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報を含んでいる。図2には、駐車場50内の複数の通路に対応して予め設定された複数のノードが白抜きの丸で示されている。図2の例では、一点鎖線で示されるように、駐車場50内の複数の通路に沿って延在する仮想線が想定されており、当該仮想線上に複数のノードが所定の間隔でノード位置が離間するように設定されている。
【0030】
例えば通路の直線区間では、直線区間の端点(始点及び終点)に一対のノードが設定されている。これらのノードは、直線区間を自動運転車両2が自動運転するために用いられる。なお、通路の直線区間の端点に挟まれる区間において、更にノードが設定されていてもよい。
【0031】
通路の直線区間において、当該直線区間の端点に挟まれる区間に各駐車スペース61の入口が面している場合、各駐車スペース61の正面にノードが設定されると共に、駐車スペース61の入口に相当する枠線上にノードが設定されている。これらのノードは、自動運転車両2が駐車スペース61への自動駐車を行う際に、当該駐車スペース61の周辺の走行境界及びランドマークの情報を自動運転車両2に送信するために用いられる。なお、駐車スペース61の周辺に更にノードが設定されていてもよい。
【0032】
また、通路のカーブ区間は、当該カーブ区間を挟むように互いに隣り合う直線区間の端点(当該カーブ区間側の端点)のノードによって規定されている。例えば、通路のカーブ区間の端点となる一対のノード(カーブの始点又は終点に相当するノード)は、上記互いに隣り合う直線区間の端点の各ノードと重複していてもよい。通路のカーブ区間では、上記仮想線がこれらのノードを結ぶ曲線と想定することができる。これらのノードは、カーブ区間を自動運転車両2が自動運転するために用いられる。なお、互いに隣り合う直線区間の端点の各ノードに挟まれる区間内(以下、単に「カーブ区間内」ともいう)において、更にノードが設定されていてもよい。
【0033】
駐車場地図情報は、ノードの種別に関するノードラベル情報を更に含んでいる。ノードラベル情報とは、ノードの種別をラベルとしてノードごとに付与した情報を意味する。ノードの種別とは、駐車場50におけるノードの位置の種類を意味する。ノードの種別には、例えば、ノードが駐車区画付近に位置するとの第1ノード種別、ノードがカーブ区間に位置するとの第2ノード種別、及び、ノードが直線区間に位置しているとの第3ノード種別が含まれる。
【0034】
ノード位置の所定の間隔は、駐車場50において必ずしも一定ではなく、ノードの位置に応じて予め設定されている。例えば、駐車区画付近に位置するノードの間隔(図2の距離L1)は、駐車区画付近に位置しないカーブ区間又は直線区間に位置するノードの間隔よりも短い。カーブ区間に位置するノードの間隔は、直線区間に位置するノードの間隔よりも短くてもよい。曲率半径が所定の閾値よりも大きいカーブ区間に位置するノードの間隔は、直線区間に位置するノードの間隔と同等でもよい。直線区間に位置するノードの間隔(図2の距離L2)は、直線区間において略一定でもよい。カーブ区間との境界付近に位置するノードの間隔は、当該境界付近に位置しないノードの間隔よりも短くてもよい。なお、「駐車区画付近に位置するノード」は、駐車区画付近に位置するノードであればよく、ノードが位置する通路の形状としてはカーブ又は直線の何れであってもよい。また、ノードの位置に関して、「カーブ区間」は、駐車区画付近に位置しないカーブ区間を意味し、「直線区間」は、駐車区画付近に位置しない直線区間を意味する。カーブ区間は、交差点における進行方向が変化する区間を含んでもよい。
【0035】
駐車場地図情報は、駐車場50内の複数の通路の通路幅に関する通路幅情報を含んでいる。通路幅は、駐車場50において必ずしも一定ではなく、駐車場50の走行境界の配置に応じて予め設定されている。通路幅は、例えば、通路の略中央に延在する仮想線に直交する方向において、一対の走行境界で挟まれる路面上の距離とすることができる。通路幅情報は、駐車場50の構造に応じた走行境界の配置に応じて予め設定されている。図2では、通路を挟んで対向する駐車スペース61の脇に設けられた一対の柱が走行境界となる場合の通路幅W1が例示されている。また、直線区間となる通路を挟んで対向する壁及び柱が走行境界となる場合の通路幅W2が例示されている。ここでは、一例として、駐車スペース61の前方での自動運転車両2の切り返し動作を考慮して、通路幅W1が通路幅W2よりも大きい。カーブ区間は、交差点における進行方向が変化する区間を含んでもよい。
【0036】
駐車場管理サーバ1のハードウェア構成について説明する。図3は、駐車場管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示されるように、駐車場管理サーバ1は、プロセッサ40、メモリ41、ストレージ42、通信インターフェイス43、及びユーザインターフェイス44を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
【0037】
プロセッサ40は、各種オペレーティングシステムを動作させて駐車場管理サーバ1を制御する。プロセッサ40は、制御装置、演算装置、レジスタ等を含むCPU[Central Processing Unit]等の演算器である。プロセッサ40は、メモリ41、ストレージ42、通信インターフェイス43、及びユーザインターフェイス44を統括的に制御する。メモリ41は、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等の記録媒体である。ストレージ42は、HDD[Hard Disk Drive]等の記録媒体である。
【0038】
通信インターフェイス43は、ネットワークを介した無線通信を行うための通信デバイスである。通信インターフェイス43には、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード等を用いることができる。駐車場管理サーバ1は、通信インターフェイス43を用いて自動運転車両2及びユーザ端末3と通信を行う。ユーザインターフェイス44は、駐車場管理サーバ1の管理者等に対する駐車場管理サーバ1の入出力部である。ユーザインターフェイス44は、ディスプレイ、スピーカ等の出力器、及び、タッチパネル等の入力器を含む。
【0039】
次に、駐車場管理サーバ1の機能的構成について説明する。図1に示されるように、駐車場管理サーバ1は、車両情報取得部(第1車両位置取得部)11、車両状況認識部(第2車両位置取得部)12、位置誤差算出部13、位置フェール判定部14、及び車両指示部15を有している。
【0040】
車両情報取得部11は、自動バレーパーキングの対象となる自動運転車両2との通信により自動運転車両2の車両情報を取得する。車両情報には、自動運転車両2の識別情報、及び、駐車場における自動運転車両2の第1車両位置情報が含まれる。第1車両位置情報は、自動運転車両2の外部センサ22の検出結果に基づいて自動運転車両2の車両位置認識部33によって認識された、自動運転車両2の駐車場地図上の位置である第1車両位置についての情報である。識別情報は、個々の自動運転車両2を特定できる情報であればよい。識別情報は、ID番号[Identification Number]であってもよく、車両番号であってもよく、自動バレーパーキングの予約番号等であってもよい。
【0041】
車両情報には、自動運転車両2の車種が含まれていてもよく、識別情報とは別に車両番号が含まれていてもよい。車両情報には、入庫予約時刻等の入庫予約情報が含まれていてもよく、出庫予定時刻が含まれていてもよい。車両情報には、自動運転車両2の旋回半径、全長、車幅等の車体情報が含まれていてもよく、自動運転車両2の自動運転機能に関する情報が含まれていてもよい。自動運転機能に関する情報には自動運転のバージョン情報が含まれていてもよい。
【0042】
車両情報には、自動運転車両2の走行状態及び外部環境の認識結果が含まれていてもよい。走行状態及び外部環境の認識については後述する。車両情報には、自動運転車両2の残りの走行可能距離又は残燃料の情報が含まれていてもよい。
【0043】
車両情報取得部11は、自動バレーパーキングの間、自動運転車両2から車両情報を継続的に取得する。車両情報取得部11は、自動バレーパーキングの間、指示に応じて自動運転中の特定の自動運転車両2からの車両情報を継続的に取得してもよい。車両情報取得部11は、当該自動運転車両2とは別の自動運転車両2が指示に応じて自動運転中である場合、当該別の自動運転車両2からの車両情報を継続的に取得してもよい。車両情報取得部11は、自動運転車両2が駐車中となった場合、車両情報の取得を中断してもよいし、定期的に車両情報を取得してもよい。
【0044】
車両状況認識部12は、駐車場50内に設けられた駐車場センサ4の検出結果に基づいて、自動運転車両2の駐車場地図上の位置である第2車両位置を取得する。車両状況認識部12は、駐車場センサ4として車両位置検知センサの検出結果に基づいて、自動運転車両2の駐車場地図上の第2車両位置を取得する。第2車両位置は、自動運転車両2の外部センサ22が正常か異常かに関わらず、駐車場施設センサを用いて取得することができる。そこで、本開示では、第2車両位置は、自動運転車両2の外部センサ22を用いて検出される第1車両位置(後述)の誤差(位置誤差)を算出するための基準として用いられる。
【0045】
第1車両位置は、通路の延在方向に沿う第1縦位置と、通路の幅方向に沿う第1横位置と、を含む。第1縦位置は、例えば、図2の駐車場50内の複数の通路に沿って延在する仮想線(一点鎖線)の延在方向に沿っての第1車両位置の成分とすることができる。第1横位置は、例えば、通路の略中央に延在する仮想線に直交する方向に沿っての第1車両位置の成分とすることができる。
【0046】
第2車両位置は、通路の延在方向に沿う第2縦位置と、通路の幅方向に沿う第2横位置と、を含む。第2縦位置は、例えば、図2の駐車場50内の複数の通路に沿って延在する仮想線の延在方向に沿っての第2車両位置の成分とすることができる。第2横位置は、例えば、通路の略中央に延在する仮想線に直交する方向に沿っての第2車両位置の成分とすることができる。
【0047】
車両状況認識部12は、車両情報取得部11の取得した車両情報に基づいて、自動バレーパーキング中の自動運転車両2の状況を認識してもよい。自動運転車両2の状況には、自動運転中の複数の自動運転車両2についての車両位置が含まれる。
【0048】
位置誤差算出部13は、車両情報取得部11によって取得された第1車両位置と、車両状況認識部12によって取得された第2車両位置と、の位置誤差を算出する。位置誤差は、自動運転車両2の位置フェールを判定するための自動運転車両2の車両位置のズレを意味する。ここでの位置誤差には、通路の延在方向に沿う縦位置誤差と、通路の幅方向に沿う横位置誤差と、が含まれる。位置誤差算出部13は、取得された第1車両位置と第2車両位置とに基づいて、通路の延在方向に沿う第1縦位置と第2縦位置との差分である縦位置誤差と、通路の幅方向に沿う第1横位置と第2横位置との差分である横位置誤差と、を算出する。
【0049】
位置フェール判定部14は、第1車両位置及び第2車両位置に基づいて、位置フェールの有無を判定する。位置フェールとは、外部センサ22の検出結果に基づく第1車両位置に関する自動運転車両2の車両位置の認識失陥を意味する。位置フェールは、例えば、外部センサ22自体の故障、外部センサ22が異物等により物理的に遮蔽されての検出不良、ランドマークが汚れ等により物理的に遮蔽されての検出不良、外部センサ22から自動運転ECU20への通信エラー等によって発生し得る。
【0050】
位置フェール判定部14は、位置フェールの有無を判定するための判定閾値を設定する。ここでの判定閾値には、縦位置誤差に対して用いられる縦閾値と、横位置誤差に対して用いられる横閾値と、が含まれる。
【0051】
本開示では、横閾値は、縦閾値よりも小さい。例えば、自動運転車両2が目標駐車スペースに車両後方から進入するように後退して駐車する場合、駐車前に自動運転車両2が切り返し動作をすることがある。切り返し動作の一部として、目標駐車スペースに近付く際に当該目標駐車スペースの駐車枠に近付くように、自動運転車両2に対して幅寄せの指示が行われる。この幅寄せは、切り返し動作を円滑に行うと共に、自動運転車両2の外部センサ22によって当該目標駐車スペースの駐車枠がより確実に検出されるようにするために行われる。このように、他の駐車車両との間隔が狭くなり得る幅寄せに備えること、あるいは、駐車スペース61における駐車枠に対する自動運転車両2の横位置ズレを低減することが重要となる。そこで、横閾値が縦閾値よりも小さくされることで、横位置についての位置フェールの感度が高められ、自動運転車両2の自車位置推定における横位置の誤差の拡大の早期検出が図られる。なお、自動運転車両2が降車用スペース62又は乗車用スペース63に車両後方から進入するように後退して駐車する場合においても同様である。
【0052】
位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上である場合、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値未満である場合と比べて大きい横閾値を用いて、位置フェールの有無を判定してもよい。通路幅閾値は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅に応じて横閾値を変更するための閾値である。例えば、位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上であるか否かを判定する。位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上であると判定した場合、横閾値として横閾値ThLT1を設定する。位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上ではないと判定した場合、横閾値として横閾値ThLT2を設定する。
【0053】
横閾値ThLT1は、横閾値ThLT2と比べて大きい。通路幅の大きさは、自動運転車両2の幅方向の左右に位置する走行境界の間の距離に対応する。よって、通路幅が小さいと、自動運転車両2と走行境界との距離が狭くなり易い。そこで、横閾値ThLT2を、横閾値ThLT1と比べて小さくすることで、横位置についての位置フェールの感度が高められ、走行境界との接触の可能性を低減し得る。
【0054】
位置フェール判定部14は、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第2ノード種別である場合(走行している自動運転車両2が駐車区画付近に位置している場合)、横閾値として横閾値ThLT3を設定する。位置フェール判定部14は、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第2ノード種別である場合(走行している自動運転車両2がカーブ区間に位置している場合)、横閾値として横閾値ThLT4を設定する。位置フェール判定部14は、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第3ノード種別である場合(走行している自動運転車両2が直線区間に位置している場合)、横閾値として横閾値ThLT5を設定する。
【0055】
横閾値ThLT3は、横閾値ThLT4と比べて小さい。駐車区画付近では、上述したように、他の駐車車両との間隔が狭くなり得る幅寄せに備えること、あるいは、駐車スペース61における駐車枠に対する自動運転車両2の横位置ズレを低減することが重要となる。そこで、横閾値ThLT3を、横閾値ThLT4と比べて小さくすることで、横位置についての位置フェールの感度が高められ、自動運転車両2の自車位置推定における横位置の誤差の拡大の早期検出が図られる。
【0056】
横閾値ThLT4は、横閾値ThLT5と比べて小さい。カーブ区間では、直線区間と異なり、自動運転車両2の走行の際に内輪差が生じる可能性がある。そのため、カーブ区間では、カーブの曲率中心側に位置する走行境界と自動運転車両2との距離が、車両前方と比べて車両後方において狭くなり易い。そこで、横閾値ThLT4を、横閾値ThLT5と比べて小さくすることで、横位置についての位置フェールの感度が高められ、走行境界との接触の可能性を低減し得る。
【0057】
位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上である場合、当該ノード間隔がノード間隔閾値未満である場合と比べて大きい縦閾値を用いて、位置フェールの有無を判定してもよい。ノード間隔閾値は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔に応じて縦閾値を変更するための閾値である。例えば、位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上であるか否かを判定する。位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上であると判定した場合、縦閾値として縦閾値ThLN1を設定する。位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上ではないと判定した場合、縦閾値として縦閾値ThLN2を設定する。
【0058】
縦閾値ThLN1は、縦閾値ThLN2と比べて大きい。一般的に、ノード間隔の大きさは、駐車場管理サーバ1による自動運転車両2の制御が可能となる車両進行方向の距離に対応する。よって、ノード間隔が小さいと、互いに近接している複数の自動運転車両2の車間距離が狭くなり易い。そこで、縦閾値ThLN2を、縦閾値ThLN1と比べて小さくすることで、縦位置についての位置フェールの感度が高められ、自動運転車両2同士の接触を抑制できる。なお、ノード間隔は、図2の仮想線に沿う方向の間隔に限定されず、自動運転車両2付近のノードの位置からの同心円状の距離を用いてもよい。
【0059】
位置フェール判定部14は、第1縦位置と第2縦位置との差分(縦位置誤差)が縦閾値以上、又は、第1横位置と第2横位置との差分(横位置誤差)が横閾値以上の場合、位置フェールがあると判定する。
【0060】
一例として、位置フェール判定部14は、縦位置誤差縦閾値以上であるか否かを判定する。位置フェール判定部14は、横位置誤差が横閾値以上であるか否かを判定する。位置フェール判定部14は、縦位置誤差が縦閾値以上であると判定した場合、あるいは、横位置誤差が横閾値以上であると判定した場合、位置フェールがあると判定する。一方、位置フェール判定部14は、縦位置誤差が縦閾値以上であると判定せず、且つ、横位置誤差が横閾値以上であると判定しない場合、位置フェールがないとの判定を行う。
【0061】
車両指示部15は、自動バレーパーキングを行う自動運転車両2に対して指示を行う。車両指示部15は、自動運転車両2が自動バレーパーキングを開始する場合に、当該自動運転車両2の目標駐車スペースに至るための目標ルートを指示する。目標駐車スペースの決め方は特に限定されない。駐車場に入場した順に出口側から駐車スペースを割り当ててもよく、出庫予約時間が近い順に出口側から駐車スペースを割り当ててもよい。ユーザに目標駐車スペースを指定させてもよい。車両指示部15は、一度に、自動運転車両2の現在の位置から目標駐車スペースに至る目標ルートの全てを指示する必要はなく、部分的に目標ルートを指示する態様であってもよい。車両指示部15は、自動運転車両2の出庫時には乗車用スペース63に至るための目標ルートを指示する。
【0062】
車両指示部15は、指示に応じて自動運転中の自動運転車両2の車両情報取得部11により取得された車両位置に基づいて、自動運転車両2の位置から目標駐車スペースに至るための目標ルートを算出する。車両指示部15は、例えば駐車場内の走行路に沿って最も短い走行距離で目標駐車スペースに到達できるルートを目標ルートとして算出する。車両指示部15は、他の自動運転車両2の目標ルートと交差しないように新たな自動運転車両2の目標ルートを算出してもよい。車両指示部15は、目標ルートを考慮して目標駐車スペースを決定してもよい。なお、車両指示部15は、目標ルートと合わせて駐車場内の上限車速を指示してもよい。車両指示部15は、上限加速度を指示してもよい。上限車速及び上限加速度は予め決められている。
【0063】
車両指示部15は、車両状況認識部12の認識した他の自動運転車両2の状況に応じて停止指示及び進行指示を行う。停止指示とは、自動運転車両2を停止させる指示である。進行指示とは、停止している自動運転車両2を進行(発進)させる指示である。車両指示部15は、自動運転車両2の減速又は加速について指示してもよい。車両指示部15は、他の自動運転車両2の状況に応じて自動運転車両2の停止及び進行をコントロールすることにより、他の自動運転車両2との接近を避けながら自動運転車両2を目標駐車スペースまで走行させる。
【0064】
車両指示部15は、位置フェール判定部14によって位置フェールがあると判定された場合、自動運転車両2に停止指示をしてもよい。車両指示部15は、位置フェール判定部14によって位置フェールがあると判定された場合、自動運転車両2に減速指示をしてもよい。車両指示部15は、位置フェール判定部14によって位置フェールがないと判定された場合、自動運転車両2に進行指示を許可してもよい。車両指示部15は、位置フェール判定部14によって位置フェールがないと判定された場合、自動運転車両2に加速指示を許可してもよい。
【0065】
車両指示部15は、駐車場50の所定位置に駐車場センサ4としてライダーが設置されている場合において、位置フェール判定部14によって位置フェールがあると判定されたとき、自動運転車両2をライダーの設置位置付近に移動させるように指示してもよい。この場合、駐車場センサ4としてのライダーの検出結果を用いて、位置フェールの原因となった外部センサ22の検出結果(ランドマークの位置情報)を補正することで、自動運転車両2の車両位置認識部33による自車位置推定の推定結果を補正することができる。また、駐車スペース61の駐車枠ごとに設けられた空車センサの検出結果を用いて、駐車スペース61付近に位置する自動運転車両2に空車センサで検出した位置情報を送信することで、自動運転車両2の車両位置認識部33による自車位置推定の推定結果を補正することも可能である。
【0066】
続いて、駐車場管理サーバ1と通信を行う自動運転車両2及びユーザ端末3について説明する。なお、本実施形態に係る自動駐車システム100は自動運転車両2及びユーザ端末3を含む必要はない。
【0067】
図1に示されるように、自動運転車両2は、一例として、自動運転ECU20を有している。自動運転ECU20は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニットである。自動運転ECU20では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。自動運転ECU20は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0068】
自動運転ECU20は、通信部21、外部センサ(車載センサ)22、内部センサ23、及び、アクチュエータ24と接続されている。
【0069】
通信部21は、自動運転車両2の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。通信部21は、駐車場管理サーバ1との通信により各種情報の送信及び受信を行う。通信部21は、例えば、駐車場管理サーバ1に車両情報を送信すると共に、駐車場管理サーバ1から自動バレーパーキングのために必要な情報(例えば目標ルート沿いのランドマークの情報)を取得する。また、通信部21は、自動運転車両2と関連付けられたユーザ端末3との通信を行う。
【0070】
外部センサ22は、自動運転車両2の外部環境を検出する車載センサである。外部センサ22は、車載カメラを少なくとも含む。車載カメラは、自動運転車両2の外部環境を撮像する撮像機器である。車載カメラは、例えば自動運転車両2のフロントガラスの裏側に設けられ、車両前方を撮像する。車載カメラは、自動運転車両2の外部環境に関する撮像情報を自動運転ECU20へ送信する。車載カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。車載カメラは、複数台設けられていてもよく、自動運転車両2の前方の他、左右の側方及び後方を撮像してもよい。
【0071】
外部センサ22は、車載レーダセンサを含んでもよい。車載レーダセンサは、電波又は光を自動運転車両2の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。車載レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダーが含まれる。車載レーダセンサは、検出した物体情報を自動運転ECU20へ送信する。また、外部センサ22は、自動運転車両2の外部の音を検出するソナーセンサを含んでもよい。
【0072】
内部センサ23は、自動運転車両2の走行状態を検出する車載センサである。内部センサ23は、車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、自動運転車両2の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、自動運転車両2の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフト等に対して設けられ、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサを用いることができる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)を自動運転ECU20に送信する。
【0073】
加速度センサは、自動運転車両2の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを含んでいる。加速度センサは、自動運転車両2の横加速度を検出する横加速度センサを含んでいてもよい。加速度センサは、例えば、自動運転車両2の加速度情報を自動運転ECU20に送信する。ヨーレートセンサは、自動運転車両2の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した自動運転車両2のヨーレート情報を自動運転ECU20へ送信する。
【0074】
アクチュエータ24は、自動運転車両2の制御に用いられる機器である。アクチュエータ24は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、自動運転車両2の駆動力を制御する。なお、自動運転車両2がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。自動運転車両2が電気自動車である場合には、動力源としてのモータに自動運転ECU20からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ24を構成する。
【0075】
ブレーキアクチュエータは、自動運転ECU20からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、自動運転車両2の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を自動運転ECU20からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは自動運転車両2の操舵トルクを制御する。
【0076】
次に、自動運転ECU20の機能的構成の一例について説明する。自動運転ECU20は、外部環境認識部31、走行状態認識部32、車両位置認識部33、車両情報提供部34、及び車両制御部35を有している。
【0077】
外部環境認識部31は、外部センサ22(車載カメラの撮像画像又は車載レーダセンサの検出した物体情報)の検出結果に基づいて、自動運転車両2の外部環境を認識する。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対位置が含まれる。外部環境には、自動運転車両2に対する周囲の物体の相対速度及び移動方向が含まれていてもよい。外部環境認識部31は、パターンマッチング等により、他車両及び駐車場の柱等の物体を認識する。外部環境認識部31は、駐車場のゲート、駐車場の壁、ポール、セーフティコーン等を認識してもよい。また、外部環境認識部31は、白線認識により駐車場における走行境界を認識してもよい。
【0078】
走行状態認識部32は、内部センサ23の検出結果に基づいて、自動運転車両2の走行状態を認識する。走行状態には、自動運転車両2の車速、自動運転車両2の加速度、自動運転車両2のヨーレートが含まれる。具体的に、走行状態認識部32は、車速センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の車速を認識する。走行状態認識部32は、加速度センサの車速情報に基づいて、自動運転車両2の加速度を認識する。走行状態認識部32は、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、自動運転車両2の向きを認識する。
【0079】
車両位置認識部33は、自動運転車両2の外部センサ22の検出結果と駐車場50内のランドマークの位置情報を含む駐車場地図情報とに基づいて、自動運転車両2の駐車場地図上の位置である第1車両位置を取得する。車両位置認識部33は、第1車両位置の取得として、自動運転車両2の駐車場地図上の位置である自車位置の推定(自車位置推定、ローカライズ)[localization]を実施する。
【0080】
ここでの自車位置推定とは、駐車場地図上のランドマークの位置情報を利用して自動運転車両2の駐車場地図上の自車位置を推定することである。車両位置認識部33は、周知の手法により、駐車場地図上の位置が予め定められているランドマークを外部センサ22で検出し、当該ランドマークを自車位置の推定に利用する。車両位置認識部33は、例えば、外部環境認識部31の認識した外部環境と通信部21を通じて駐車場管理サーバ1から取得したランドマークの位置情報とに基づいて、自動運転車両2に対するランドマークの相対位置を認識することで、第1車両位置を取得する。
【0081】
その他、車両位置認識部33は、内部センサ23の検出結果に基づいて、デッドレコニングにより自動運転車両2の位置を認識してもよい。また、車両位置認識部33は、駐車場に設けられたビーコンとの通信により自動運転車両2の位置を認識してもよい。
【0082】
車両情報提供部34は、通信部21を通じて駐車場管理サーバ1に車両情報を提供する。車両情報提供部34は、例えば一定時間ごとに車両位置認識部33の認識した駐車場内における自動運転車両2の位置の情報を含む車両情報を駐車場管理サーバ1に提供する。
【0083】
車両制御部35は、自動運転車両2の自動運転を実行する。自動運転では、駐車場管理サーバ1から指示された目標ルートに沿って自動運転車両2を自動で走行させる。車両制御部35は、例えば、目標ルート、自動運転車両2の位置、自動運転車両2の外部環境、及び自動運転車両2の走行状態に基づいて、自動運転車両2の進路[trajectory]を生成する。進路は自動運転の走行計画に相当する。進路には、自動運転で車両が走行する経路[path]と自動運転における車速計画とが含まれる。
【0084】
経路は、目標ルート上において自動運転中の車両が走行する予定の軌跡である。経路は、例えば目標ルート上の位置に応じた自動運転車両2の操舵角変化のデータ(操舵角計画)とすることができる。目標ルート上の位置とは、例えば目標ルートの進行方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置である。操舵角計画とは、設定縦位置毎に目標操舵角が関連付けられたデータとなる。
【0085】
車両制御部35は、例えば目標ルートに沿って駐車場の走行路の中央を通るように進路を生成する。車両制御部35は、駐車場管理サーバ1から上限車速を指示されている場合、上限車速を超えない車速計画となるように進路を生成する。車両制御部35は、駐車場管理サーバ1との通信により取得した駐車場地図情報を用いて進路を生成してもよい。
【0086】
車両制御部35は、駐車場管理サーバ1から停止指示を受けた場合、自動運転車両2を停止させる。車両制御部35は、駐車場管理サーバ1から進行指示を受けた場合、停止していた自動運転車両2を進行させる。車両制御部35は、例えば、車両縦制御[vehicle longitudinal control]及び車両横制御[vehicle lateral control]を実行することで、経路に沿って自動運転車両2を自動運転させる。以上、自動運転車両2の構成の一例について説明したが、自動運転車両2は自動バレーパーキングを実現可能な構成であれば上述の内容に限定されない。
【0087】
ユーザ端末3は、自動運転車両2と関連付けられたユーザの携帯情報端末である。ユーザ端末3は、例えば自動運転車両2の所有者の端末として自動運転車両2に登録されている。ユーザ端末3は、レンタルによる一時的な所有者、所有者からの指示権限の移譲によって、自動運転車両2に権限所持者として登録されたユーザの端末であってもよい。ユーザ端末3は、例えばCPU等のプロセッサと、ROM又はRAM等のメモリと、ディスプレイ兼タッチパネル等を含むユーザインターフェイスとを含むコンピュータにより構成されている。
【0088】
ユーザ端末3は、駐車場管理サーバ1に対する入庫要求及び出庫要求を行う機能を有している。ユーザは、ユーザ端末3を操作することにより自動バレーパーキングの入庫要求及び出庫要求を行うことができる。ユーザは、例えば駐車場50の降車場52の降車用スペース62に自動運転車両2を停車して降車した後、ユーザ端末3を操作して入庫要求を完了させることで自動運転車両2に対する指示権限を駐車場管理サーバ1に与える。
【0089】
ユーザは、出庫要求を行うことにより駐車場管理サーバ1を介して駐車スペース61に駐車している自動運転車両2を乗車場53の乗車用スペース63まで走行させる。自動運転車両2は、乗車用スペース63でユーザを待つ。駐車場管理サーバ1は、例えば、自動運転車両2が乗車用スペース63に到着して停止した場合、自動運転車両2に対する指示権限を終了する。指示権限は、ユーザが自動運転車両2にドア開放又は発進の指示を出したときに終了してもよい。指示権限の終了は自動運転車両2が行ってもよい。なお、入庫要求及び出庫要求に伴う自動運転車両2の動作は上記の態様に限られない。駐車場管理サーバ1についても同様である。
【0090】
[自動駐車システムの処理]
次に、自動駐車システム100の処理について図面を参照して説明する。図4は、横閾値設定処理の一例を示すフローチャートである。図4の横閾値設定処理は、例えば駐車場管理サーバ1と通信可能な自動運転車両2が駐車場に入場した場合等、自動バレーパーキングの開始後に実行される。
【0091】
図4に示されるように、駐車場管理サーバ1は、S01において、位置フェール判定部14により、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上であるか否かの判定を行う。
【0092】
駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上であると位置フェール判定部14により判定された場合(S01:YES)、S02に移行する。駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上であると位置フェール判定部14により判定されなかった場合(S01:NO)、S03に移行する。
【0093】
S02において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、横閾値として、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値未満である場合の横閾値ThLT2と比べて大きい横閾値ThLT1を設定する。S03において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、横閾値として、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値未満である場合の横閾値ThLT2を設定する。その後、今回の図4の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図4の処理を繰り返し実行する。
【0094】
横閾値は、図5のようにして設定されてもよい。図5は、横閾値設定処理の他の例を示すフローチャートである。図5の横閾値設定処理は、例えば駐車場管理サーバ1と通信可能な自動運転車両2が駐車場に入場した場合等、自動バレーパーキングの開始後に実行される。
【0095】
図5に示されるように、駐車場管理サーバ1は、S11において、位置フェール判定部14により、ノードラベルが第1ノード種別であるか否か(ノードが駐車区画付近に位置するか否か)を判定する。駐車場管理サーバ1は、ノードラベルが第1ノード種別であると位置フェール判定部14により判定された場合(S11:YES)、S12に移行する。S12において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、横閾値として、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第2ノード種別又は第3ノード種別である場合の横閾値ThLT4,ThLT5と比べて小さい横閾値ThLT3を設定する。その後、今回の図5の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図5の処理を繰り返し実行する。
【0096】
一方、駐車場管理サーバ1は、ノードラベルが第1ノード種別ではないと位置フェール判定部14により判定された場合(S11:NO)、S13に移行する。駐車場管理サーバ1は、S13において、位置フェール判定部14により、ノードラベルが第2ノード種別であるか否か(ノードがカーブ区間に位置するか否か)を判定する。駐車場管理サーバ1は、ノードラベルが第2ノード種別であると位置フェール判定部14により判定された場合(S13:YES)、S14に移行する。S14において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、横閾値として、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第3ノード種別である場合の横閾値ThLT5と比べて小さい横閾値ThLT4を設定する。その後、今回の図5の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図5の処理を繰り返し実行する。
【0097】
一方、駐車場管理サーバ1は、ノードラベルが第2ノード種別ではないと位置フェール判定部14により判定された場合(S13:NO)、S15に移行する。S15において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、横閾値として、走行している自動運転車両2付近のノードの種別が第3ノード種別である場合の横閾値ThLT5を設定する。その後、今回の図5の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図5の処理を繰り返し実行する。
【0098】
図6に示されるように、駐車場管理サーバ1は、S21において、位置フェール判定部14により、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上であるか否かの判定を行う。
【0099】
駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上であると位置フェール判定部14により判定された場合(S21:YES)、S22に移行する。駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上であると位置フェール判定部14により判定されなかった場合(S21:NO)、S23に移行する。
【0100】
S22において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、縦閾値として、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値未満である場合の縦閾値ThLN2と比べて大きい縦閾値ThLN1を設定する。S23において、駐車場管理サーバ1は、位置フェール判定部14により、縦閾値として、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値未満である場合の縦閾値ThLN2を設定する。その後、今回の図6の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図6の処理を繰り返し実行する。
【0101】
図7は、位置フェール判定処理の一例を示すフローチャートである。位置フェール判定処理は、例えば駐車場管理サーバ1と通信可能な自動運転車両2が駐車場に入場した場合等、自動バレーパーキングの開始後に実行される。
【0102】
図7に示されるように、駐車場管理サーバ1は、S31において、車両情報取得部11により、指示に応じて自動運転中の自動運転車両2の外部センサ22の検出結果に基づいて自動運転車両2の車両位置認識部33によって認識された、自動運転車両2の第1車両位置の取得を行う。駐車場管理サーバ1は、S32において、車両状況認識部12により、駐車場50内に設けられた駐車場センサ4の検出結果に基づいて、自動運転車両2の駐車場地図上の位置である第2車両位置を取得を行う。
【0103】
駐車場管理サーバ1は、S33において、位置誤差算出部13により、取得された第1車両位置と第2車両位置との位置誤差の算出を行う。位置誤差算出部13は、例えば、取得された第1車両位置と第2車両位置とに基づいて、通路の延在方向に沿う第1縦位置と第2縦位置との差分である縦位置誤差と、通路の幅方向に沿う第1横位置と第2横位置との差分である横位置誤差と、を算出する。
【0104】
駐車場管理サーバ1は、S34において、位置フェール判定部14により、第1縦位置と第2縦位置との差分(縦位置誤差)が、縦閾値以上であるか否かの判定を行う。
【0105】
駐車場管理サーバ1は、縦位置誤差が縦閾値以上であると位置フェール判定部14により判定されなかった場合(S34:NO)、S35に移行する。駐車場管理サーバ1は、S35において、位置フェール判定部14により、第1横位置と第2横位置との差分(横位置誤差)が、縦閾値よりも小さい横閾値以上であるか否かの判定を行う。駐車場管理サーバ1は、横位置誤差が横閾値以上であると位置フェール判定部14により判定されなかった場合(S35:NO)、S36に移行する。駐車場管理サーバ1は、S36において、位置フェール判定部14により、位置フェールがないとの判定を行う。その後、今回の図7の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図7の処理を繰り返し実行する。
【0106】
一方、駐車場管理サーバ1は、縦位置誤差が縦閾値以上であると位置フェール判定部14により判定された場合(S34:YES)、あるいは、横位置誤差が横閾値以上であると位置フェール判定部14により判定された場合(S35:YES)、S37に移行する。駐車場管理サーバ1は、S37において、位置フェール判定部14により、位置フェールがあるとの判定を行う。その後、今回の図7の処理を終了する。その後、駐車場管理サーバ1は、例えば所定時間経過後、図7の処理を繰り返し実行する。
【0107】
以上説明した本実施形態に係る自動駐車システム100によれば、第1縦位置と第2縦位置との差分が縦閾値以上、又は、第1横位置と第2横位置との差分が横閾値以上の場合に、位置フェールがあると判定する。位置フェールの判定においては、縦閾値(ThLN1又はThLN2)よりも小さい横閾値(ThLT1~ThLT5の何れか)が用いられる。そのため、通路の幅方向について、第1車両位置の位置フェールの判定を適切に行うことができる。
【0108】
また、自動駐車システム100によれば、駐車場地図情報は、通路の通路幅に関する通路幅情報を含んでいる。位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値以上である場合、自動運転車両2が走行している通路の通路幅が通路幅閾値未満である場合の横閾値ThLT2と比べて大きい横閾値ThLT1を用いて、位置フェールの有無を判定する。これにより、横位置についての位置フェールの判定を通路幅に応じて行うことができる。
【0109】
また、自動駐車システム100によれば、駐車場地図情報は、通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報を含み、位置フェール判定部14は、自動運転車両2が走行している通路において隣り合うノードのノード間隔がノード間隔閾値以上である場合、ノード間隔がノード間隔閾値未満である場合の縦閾値ThLN2と比べて大きい縦閾値ThLN1を用いて、位置フェールの有無を判定する。これにより、縦位置についての位置フェールの判定をノード間隔に応じて行うことができる。
【0110】
また、自動駐車システム100によれば、駐車場地図情報は、通路に対応して所定間隔で互いに離間するように予め設定された複数のノードに関するノード位置情報と、ノードの種別に関するノードラベル情報と、を更に含んでおり、ノードラベル情報は、ノードがカーブ区間に位置するとのノードの種別と、ノードが直線区間に位置するとのノードの種別と、を含んでいる。位置フェール判定部14は、走行している自動運転車両2の付近のノードがカーブ区間に位置する場合、ノードが直線区間に位置する場合の横閾値ThLT5と比べて小さい横閾値ThLT4を用いて、位置フェールの有無を判定する。これにより、ノードが直線区間に位置するか又はノードがカーブ区間に位置するかに応じて、横位置についての位置フェールの判定を行うことができる。
【0111】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0112】
駐車場管理サーバ1は、自動運転車両2と直接的に通信可能である必要はなく、他のサーバ等を介して通信する態様であってもよい。駐車場管理サーバ1は、例えば自動運転車両2のメーカー側の管理サーバ又はMaaS[Mobility as a Service]の運用サーバ等を経由して自動運転車両2と通信してもよい。
【0113】
ノードの種別として、ノードが駐車区画付近に位置するとの第1ノード種別、ノードがカーブ区間に位置するとの第2ノード種別、及び、ノードの位置が駐車区画付近にもカーブ区間にも位置していないとの第3ノード種別を例示したが、これら3つの種別のうち1又は2の種別が省略されてもよいし、更にその他の種別が含まれていてもよい。あるいは、駐車場地図情報は、必ずしもノードの種別に関するノードラベル情報を含んでいなくてもよい。
【0114】
上記実施形態において、駐車場地図データベース5は、走行境界の位置情報及びランドマークの位置情報がノード情報としてノードに予め関連付けられて記憶されていたが、このようなノード情報が必ずしも駐車場地図データベース5に記憶されていなくてもよい。例えば、このようなノード情報は、駐車場地図データベース5とは異なる提供元(例えば地図データ制作会社等)から、走行境界の位置情報及びランドマークの位置情報がノード情報としてノードに予め関連付けられた状態で入手されて用いられる態様であってもよい。
【0115】
上記実施形態において、横閾値は、図4の横閾値設定処理又は図5の横閾値設定処理により設定されたが、図4の横閾値設定処理と図5の横閾値設定処理との両方を用いて設定されてもよい。なお、横閾値は、必ずしも通路幅及びノード種別に応じて設定されなくてもよい。また、上記実施形態において、縦閾値は、図6の縦閾値設定処理により設定されたが、必ずしもノード間隔に応じて設定されなくてもよい。要は、本開示では、いずれの場合においても、横閾値は、縦閾値よりも小さくされればよい。
【0116】
上記実施形態において、位置フェール判定部14は、第1縦位置と第2縦位置との差分が縦閾値以上との条件と、第1横位置と第2横位置との差分が横閾値以上との条件と、の何れかが成立した場合に、位置フェールがあると判定したが、両方の条件が成立した場合に位置フェールがあると判定してもよい。つまり、位置フェール判定部14は、第1縦位置と第2縦位置との差分が縦閾値以上、及び、第1横位置と第2横位置との差分が横閾値以上、の少なくとも何れかの場合に、位置フェールがあると判定してもよい。
【符号の説明】
【0117】
2…自動運転車両、4…駐車場センサ(施設センサ)、11…車両情報取得部(第1車両位置取得部)、12…車両状況認識部(第2車両位置取得部)、14…位置フェール判定部、22…外部センサ(車載センサ)、50…駐車場、100…自動駐車システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7