(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】交通評価システム、交通情報管理システム、交通評価方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20221206BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20221206BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/04 D
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2020062331
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】柴田 伝幸
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/049737(WO,A1)
【文献】特開2006-267007(JP,A)
【文献】特開2012-256241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G06Q 10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通評価システムであって、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記移動軌跡を蓄積する軌跡記憶部と、
前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡
のうち、
所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記
模範軌跡との類似性を求める分析部と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力部と、
を備
え、
前記分析部は、
算出した前記模範軌跡と前記一の移動軌跡との間の面積から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価システム。
【請求項2】
交通評価システムであって、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記移動軌跡を蓄積する軌跡記憶部と、
前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡のうち、所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記模範軌跡との類似性を求める分析部と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力部と、
を備え、
前記分析部は、
経時的に変化する前記模範軌跡の各点の位置と前記一の移動軌跡の対応する各点の位置との距離の合計から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価システム。
【請求項3】
請求項1
または請求項
2に記載の交通評価システムであって、さらに、
前記分析部により求められた前記類似性を用いて、前記一の移動軌跡について、交通マナーを基準としたスコアを算出するスコア算出部を備え、
前記出力部は、前記類似性に代えて、または、前記類似性と共に前記スコアを出力する、交通評価システム。
【請求項4】
交通情報管理システムであって、
請求項1から請求項
3までのいずれか一項に記載された交通評価システムと、
利用者の速度を検出する速度センサと、利用者の周囲を撮影するカメラとの少なくとも一方を有するデータ取得部と、
を備え、
前記
交通データに含まれる前記移動軌跡は、前記データ取得部により取得されたデータ
を用いて作成される、交通情報管理システム。
【請求項5】
請求項
4に記載の交通情報管理システムであって、さらに、
前記出力部により出力された複数の移動軌跡に対する前記類似性を、各移動軌跡に対応付けて記憶する評価記憶部を有する地域ノードを備える、交通情報管理システム。
【請求項6】
交通評価方法であって、情報処理装置が、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集工程と、
収集された複数の前記移動軌跡
のうち、
所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記
模範軌跡との類似性を求める分析工程と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力工程と、
を備
え、
前記分析工程は、
算出した前記模範軌跡と前記一の移動軌跡との間の面積から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価方法。
【請求項7】
交通評価方法であって、情報処理装置が、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集工程と、
収集された複数の前記移動軌跡のうち、所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記模範軌跡との類似性を求める分析工程と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力工程と、
を備え、
前記分析工程は、
経時的に変化する前記模範軌跡の各点の位置と前記一の移動軌跡の対応する各点の位置との距離の合計から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価方法。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集機能と、
収集された複数の前記移動軌跡
のうち、
所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記
模範軌跡との類似性を求める分析機能と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力機能と、
を情報処理装置に実現さ
せ、
前記分析機能は、
算出した前記模範軌跡と前記一の移動軌跡との間の面積から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、コンピュータプログラム。
【請求項9】
コンピュータプログラムであって、
交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集機能と、
収集された複数の前記移動軌跡のうち、所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記模範軌跡との類似性を求める分析機能と、
前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力機能と、
を情報処理装置に実現させ、
前記分析機能は、
経時的に変化する前記模範軌跡の各点の位置と前記一の移動軌跡の対応する各点の位置との距離の合計から、前記類似性を求め、
前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通評価システム、交通情報管理システム、交通評価方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車の運転者の交通マナーを向上させるための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたシステムは、予め設定された停止領域内に自転車が停止すると、運転者が携帯するスマートフォンなどの携帯端末に、評価点としての停止ポイントを付与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシステムは、自転車の停止位置が予め設定された領域内であるか否かの判定によって、停止ポイントの付与を決定する。しかしながら、交通マナーの善し悪しは、一つの自転車の通行状態のみで決まるものではなく、他の移動体である歩行者や自転車などの通行状態によって変化する。例えば、自転車の運転手が守るべき交通マナーとして、歩行者から離れて走行する、歩道および車道で蛇行しない等が挙げられる。そのため、決められた交通ルール以外も考慮して、歩行者や自転車など利用者の交通マナーをさらに向上させたい課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、歩行者や自転車などの利用者の交通マナーを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。交通評価システムであって、交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記移動軌跡を蓄積する軌跡記憶部と、前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡のうち、所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記模範軌跡との類似性を求める分析部と、前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力部と、を備え、前記分析部は、算出した前記模範軌跡と前記一の移動軌跡との間の面積から、前記類似性を求め、前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価システム。交通評価システムであって、交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記移動軌跡を蓄積する軌跡記憶部と、前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡のうち、所定の地点間を結ぶ最短経路である1つの模範軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記模範軌跡との類似性を求める分析部と、前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力部と、を備え、前記分析部は、経時的に変化する前記模範軌跡の各点の位置と前記一の移動軌跡の対応する各点の位置との距離の合計から、前記類似性を求め、前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記模範軌跡を、前記模範軌跡の前記所定範囲内に前記他の移動軌跡がすれ違わないように補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記模範軌跡との類似性を求める、交通評価システム。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、交通評価システムが提供される。この交通評価システムは、交通状態に関する交通データを取得し、前記交通データに含まれる利用者の移動軌跡を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記移動軌跡を蓄積する軌跡記憶部と、前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡を用いて、安全面において相対的に望ましい移動軌跡を算出し、ある一の前記移動軌跡について前記望ましい移動軌跡との類似性を求める分析部と、前記一の移動軌跡について、前記分析部により求められた前記類似性を出力する出力部と、を備える。
【0008】
道路交通法等で定められている交通ルールに含まれない交通マナーは、同じ場所であっても状況によって変化する。この構成によれば、分析部は、蓄積された複数の移動軌跡を用いることにより、状況によって変化する交通マナーに応じて、安全面において相対的に望ましい移動軌跡を算出する。さらに、分析部は、算出された望ましい移動軌跡と、各利用者の移動軌跡との類似性を求めることにより、各利用者の交通マナーを評価できる。分析部による評価結果が利用されることによって、各利用者の交通マナーを向上させることができる。
【0009】
(2)上記態様の交通評価システムにおいて、前記分析部は、前記望ましい移動軌跡として、所定の地点間を結ぶ1つの模範軌跡を算出し、算出した前記模範軌跡と前記一の移動軌跡との間の面積から、前記類似性を求めてもよい。
この構成によれば、模範軌跡と、利用者が通行した移動軌跡との類似性を、面積という具体的な数値によって評価できる。
【0010】
(3)上記態様の交通評価システムにおいて、前記分析部は、前記望ましい移動軌跡として、所定の地点間を結ぶ1つの模範軌跡を算出し、経時的に変化する前記模範軌跡の各点の位置と前記一の移動軌跡の対応する各点の位置との距離の合計から、前記類似性を求めてもよい。
この構成によれば、利用者の移動軌跡の全てが分からなくても、移動軌跡における所定期間毎の位置が分かれば、利用者の移動軌跡を評価できる。
【0011】
(4)上記態様の交通評価システムにおいて、前記分析部は、さらに、前記一の移動軌跡と所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡を用いて、前記望ましい移動軌跡を補正し、前記一の移動軌跡について補正後の前記望ましい移動軌跡との類似性を求めてもよい。
この構成によれば、一人の利用者の移動軌跡のみならず、他の利用者の移動軌跡も考慮した模範軌跡が算出される。これにより、より実態に即した交通マナーを基準とする移動軌跡の評価が行われる。
【0012】
(5)上記態様の交通評価システムにおいて、前記分析部は、前記軌跡記憶部に蓄積された複数の前記移動軌跡から、機械学習によって前記望ましい移動軌跡を算出してもよい。
この構成によれば、状況によって変化する交通データに応じて、最適な望ましい移動軌跡が算出される。
【0013】
(6)上記態様の交通評価システムにおいて、さらに、前記分析部により求められた前記類似性を用いて、前記一の移動軌跡について、交通マナーを基準としたスコアを算出するスコア算出部を備え、前記出力部は、前記類似性に代えて、または、前記類似性と共に前記スコアを出力してもよい。
この構成によれば、利用者毎に設定されたスコアを用いて、各利用者の交通マナー全般を評価できる。
【0014】
(7)本発明の他の一形態によれば、交通情報管理システムが提供される。この交通情報管理システムは、上記態様の交通評価システムと、利用者の速度を検出する速度センサと、利用者の周囲を撮影するカメラとの少なくとも一方を有するデータ取得部と、を備え、前記収集部は、前記データ取得部により取得されたデータを、前記交通データとして取得する。
この構成によれば、一の利用者と他の利用者とにおいて、一の利用者のカメラの撮影画像から他の利用者との位置関係が特定され、速度センサにより利用者の移動経路が特定される。
【0015】
(8)上記態様の交通情報管理システムにおいて、さらに、前記出力部により出力された複数の移動軌跡に対する前記類似性を、各移動軌跡に対応付けて記憶する評価記憶部を有する地域ノードを備えてもよい。
この構成によれば、複数の利用者に対する類似性の評価結果を用いて、交通マナーの基準となる望ましい移動軌跡が、更新され最適化される。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、交通評価装置、交通情報管理装置、交通マナー向上装置、およびこれらを備えるシステム、およびこれらの装置を制御する制御方法、交通評価方法、交通情報管理方法、これら装置や方法を実行するためのコンピュータプログラム、このコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、コンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施形態としての交通評価システムを備える交通情報管理システムの概略ブロック図である。
【
図3】1つの移動軌跡と望ましい移動軌跡との類似性についての説明図である。
【
図4】1つの移動軌跡と望ましい移動軌跡との類似性についての説明図である。
【
図5】ゲートウェイおよびITインフラの説明図である。
【
図6】本実施形態の交通評価方法のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態における1つの移動軌跡と望ましい移動軌跡との類似性についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態としての交通評価システム100を備える交通情報管理システム500の概略ブロック図である。交通情報管理システム500は、歩行者、自転車、自動車といった交通を利用する者の交通データを管理する。交通評価システム100は、交通情報管理システム500に管理される交通データを用いて、各利用者の交通マナーを評価する。
【0019】
図1に示されるように、交通情報管理システム500は、複数の地域ノード201~205が互いに接続されている地域ノードネットワーク200と、各地域ノード201~205と情報を送受信する複数の交通評価システム100と、各利用者に携帯されて各利用者の交通状態に関する交通データを取得する携帯端末10と、地域ノードネットワーク200に接続されているゲートウェイ300と、ゲートウェイ300とデータの送受信を行うITインフラ400と、を備えている。各地域ノード201~205は、交通評価システム100により評価される各利用者の交通マナーを数値化したスコアを、各利用者と対応付けて記憶している。なお、交通マナーを数値化したスコアについては後述する。
【0020】
図2は、交通評価システム100の概略ブロック図である。
図2には、交通評価システム100に加えて、1つの携帯端末10と、交通評価システム100と情報を送受信する地域ノード201とのブロック図が示されている。交通評価システム100は、各利用者が携帯する携帯端末10から交通データとしての移動軌跡を取得し、取得した移動軌跡を用いて算出したスコアを地域ノード201に送信する。
【0021】
本実施形態の携帯端末10は、利用者に携帯されるスマートフォンである。
図2に示されるように、携帯端末10は、周囲を撮影するカメラ11と、携帯端末10の加速度を検出する加速度センサ(速度センサ)12と、無線通信によって交通評価システム100と各種情報を送受信する通信部13と、各種プログラムを実行するCPU14と、を備えている。
【0022】
カメラ11は、カメラ11の周囲を撮影することにより、利用者の周囲を撮影している。CPU(Central Processing Unit)14は、図示されていないROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)に接続され、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、携帯端末10の各部を制御する。CPU14は、カメラ11の撮影画像および加速度センサ12の検出値から交通データとしての利用者の移動軌跡を取得するデータ取得部15、通信部13を介してデータ取得部15により取得された撮影画像および検出値を交通評価システム100に送信する送受信部16、および携帯端末10の位置を特定する位置特定部17として機能する。データ取得部15は、加速度センサ12の検出値を用いて、携帯端末10の利用者の速度を検出する。
【0023】
各利用者は、携帯端末10に予め交通評価システム100を利用するためのアプリケーションをダウンロードすることにより、交通評価システム100を利用できる。携帯端末10に当該アプリケーションがダウンロードされると、位置特定部17は、通信部13を介してGPS(Grobal Positioning System)を利用することにより、携帯端末10の位置を特定する。
【0024】
本実施形態の交通評価システム100は、各交差点の信号機内に設置されるコンピュータであり、各交差点に1つ設置されている。
図2に示されるように、交通評価システム100は、各種プログラムを実行するCPU20と、無線通信によって携帯端末10および地域ノード201と各種情報を送受信する通信部30と、各種情報を記憶する記憶部40と、を備えている。
【0025】
記憶部40は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)などで構成されている。記憶部40は、通信部30を介して複数の携帯端末10から送信される各利用者の移動軌跡を、各利用者と対応付けて蓄積する軌跡DB(軌跡記憶部)41を備えている。
【0026】
CPU20は、図示されていないROMおよびRAMに接続され、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、複数の携帯端末10から各利用者の移動軌跡を収集する収集部21と、収集された利用者の移動軌跡を分析する分析部22と、分析部22の分析結果を用いて各利用者の交通マナーをスコアとして算出するスコア算出部23と、通信部30を介してスコア算出部23により算出されたスコアを地域ノード201へと出力する出力部24と、として機能する。
【0027】
収集部21により収集された各利用者の移動軌跡は、軌跡DB41に記憶される。分析部22は、軌跡DB41に記憶された各利用者の複数の移動軌跡を用いて、安全面において相対的に望ましい移動軌跡(以降、単に「望ましい移動軌跡」とも呼ぶ)を算出する。本実施形態の分析部22は、軌跡DB41に蓄積された複数の移動軌跡から、機械学習によって望ましい移動軌跡を算出する。分析部22は、ある1つの移動軌跡について、算出された望ましい移動軌跡との類似性(換言すれば、類似の程度)を求める。分析部22は、カメラ11の撮影画像に含まれる他の利用者を抽出することにより、カメラ11を備える携帯端末10と、他の利用者との距離を含む位置関係を特定できる。
【0028】
図3および
図4は、1つの移動軌跡と望ましい移動軌跡との類似性についての説明図である。
図3および
図4には、交通評価システム100が評価する交差点CRにおいて、ある利用者が出発地点Aから到着地点Bまでの移動軌跡ML(実線)が示されている。
図3および
図4に示される場合に、分析部22は、望ましい移動軌跡として、出発地点Aと到着地点Bとを結ぶ1つの模範軌跡EL(破線)を算出する。分析部22は、移動軌跡MLと模範軌跡ELとの類似性として、模範軌跡ELと移動軌跡MLとの間の面積S1(
図4のハッチング部)を算出する。なお、模範軌跡ELと移動軌跡MLとの間の面積S1は、小さいほど移動軌跡MLが模範軌跡ELに近いことを意味する。
【0029】
図2に示されるスコア算出部23は、分析部により算出された面積S1を用いて、評価対象である1つの移動軌跡MLについてスコアを算出する。本実施形態のスコア算出部23は、面積S1を模範軌跡ELの距離で除した値をスコアとして算出する。本実施形態では、算出されたスコアは、低ければ低いほど当該移動軌跡MLが模範軌跡ELに近いこと、換言すれば、当該移動軌跡MLが安全面において望ましいことを意味する。また、スコア算出部23は、利用者毎に、分析部22により分析された複数の移動軌跡MLの評価結果に対応するスコアを合算したトータルスコアを算出する。出力部24は、通信部30を介して、スコア算出部23により算出されたトータルスコアを、移動軌跡MLの利用者に対応付けて地域ノード201へと送信する。
【0030】
図2に示されるように、地域ノード201は、交通評価システム100およびITインフラ400(
図1)と無線通信を行う通信部212と、通信部212を介して交通評価システム100から送信されたスコアを記憶する評価記憶部211と、を備えている。評価記憶部211は、スコア算出部23により算出されたトータルスコアを、移動軌跡MLと、移動軌跡MLの主体である利用者とのそれぞれと対応付けて記憶している。本実施形態の地域ノード201は、ブロックチェーン技術を用いた共通台上を利用することにより高いセキュリティーの下、評価記憶部211に記憶される全ての情報を保管している。
【0031】
図5は、ゲートウェイ300およびITインフラ400の説明図である。ゲートウェイ300は、各地域ノード201~205に記憶された利用者および移動軌跡MLに関するトータルスコアを管理する。
図5に示されるように、ゲートウェイ300は、利用者からの要望に応じて、要望された利用者のトータルスコアをITインフラ400に送信する。また、ゲートウェイ300は、ITインフラ400から各利用者に送信される情報を、地域サーバ(
図1では不図示)を介して各利用者の携帯端末10へと送信する。各利用者に送信される情報としては、例えば、優秀なトータルスコアに応じて与えられる報酬(ポイントなど)が挙げられる。これらの報酬は、API(Application Programming Interface)を用いて高速かつ確実に各利用者の携帯端末10に送信される。
【0032】
ITインフラ400は、信用紹介センター(与信)や情報銀行などの個人情報を管理する機構である。ITインフラ400は、各種商店など(自治体、金融機関、保険会社、公安委員会など)のやり取りと、ゲートウェイ300を介して送信された各利用者のトータルスコアとを用いて、各利用者に与える報酬を決定する。
【0033】
図6は、本実施形態の交通評価方法のフローチャートである。
図6に示される交通評価フローでは、初めに、収集部21が、複数の携帯端末10から各利用者の移動軌跡MLを収集する収集工程を行う(ステップS1)。分析部22は、収集された複数の移動軌跡MLを用いて望ましい移動軌跡を算出し、1つの移動軌跡MLと望ましい移動軌跡との類似性を求める分析工程を行う(ステップS2)。本実施形態では、
図3および
図4に示されるように、分析部22は、望ましい移動軌跡として機械学習によって算出した模範軌跡ELを用いる。また、分析部22は、類似性として、模範軌跡ELと移動軌跡MLとの間の面積S1を算出する。
【0034】
次に、スコア算出部23は、分析部22により分析された類似性を用いて、移動軌跡MLに対するスコアおよびトータルスコアを算出する(ステップS3)。出力部24は、スコア算出部23により算出されたトータルスコアを地域ノード201に送信する出力工程を行い(ステップS4)、交通評価フローが終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の交通評価システム100では、分析部22は、軌跡DB41に蓄積された複数の移動軌跡を用いて、安全面において相対的に望ましい移動軌跡を算出する。分析部22は、1つの移動軌跡MLについて、望ましい移動軌跡との類似性を求める。道路交通法等で定められている交通ルールに含まれない交通マナーは、同じ場所であっても状況によって変化する。それに対して、本実施形態の分析部22は、蓄積された複数の移動軌跡を用いることにより、状況によって変化する交通マナーに応じて、安全面において相対的に望ましい移動軌跡を算出する。さらに、分析部22は、算出された望ましい移動軌跡と、各利用者の移動軌跡MLとの類似性を求めることにより、各利用者の交通マナーを評価できる。分析部22による評価結果が利用されることによって、各利用者の交通マナーを向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態の分析部22は、
図3および
図4に示されるように、望ましい移動軌跡として、出発地点Aと到着地点Bとを結ぶ模範軌跡ELを算出する。分析部22は、
図4に示されるように、模範軌跡ELと、利用者の移動軌跡MLとの間の面積S1を用いて類似性を求める。これにより、本実施形態の交通評価システム100は、模範軌跡ELと利用者の移動軌跡MLとの類似性を、面積S1という具体的な数値によって評価できる。
【0037】
また、本実施形態の分析部22は、軌跡DB41に蓄積された複数の移動軌跡から、機械学習によって望ましい移動軌跡を算出する。そのため、本実施形態の交通評価システム100は、状況によって変化する各利用者の交通データに応じて、最適な望ましい移動軌跡を算出できる。
【0038】
また、本実施形態のスコア算出部23は、分析部22により求められた類似性としての面積S1を用いて、移動軌跡MLについて、交通マナーを基準としたスコアおよびトータルスコアを算出する。そのため、本実施形態の交通評価システム100は、利用者毎に設定されたトータルスコアを用いて、各利用者の交通マナー全般を評価できる。
【0039】
また、本実施形態の交通情報管理システム500では、携帯端末10のデータ取得部15が、カメラ11のカメラ11の撮影画像および加速度センサ12の検出値から交通データとしての利用者の移動軌跡を取得する。データ取得部15は、加速度センサ12の検出値を用いて、携帯端末10の利用者の速度を検出する。そのため、本実施形態の分析部22は、一の利用者と他の利用者との関係において、一の利用者のカメラ11の撮影画像から他の利用者の位置関係を特定できる。また、分析部22は、速度センサの検出値により利用者の移動軌跡MLを特定できる。
【0040】
また、本実施形態の交通情報管理システム500では、評価記憶部211は、スコア算出部23により算出されたトータルスコアを、移動軌跡MLと対応付けて記憶している。そのため、本実施形態の交通情報管理システム500は、複数の利用者のトータルスコアを用いて、交通マナーの基準となる望ましい移動軌跡を、更新して最適化できる。
【0041】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態における1つの移動軌跡と望ましい移動軌跡との類似性についての説明図である。第2実施形態では、分析部22が1つの移動軌跡MLに対して行う分析が第1実施形態と異なり、その他の構成および制御については第1実施形態と同じである。そのため、第2実施形態では、分析部22が移動軌跡MLに対して行う分析について説明し、その他の構成および制御についての説明を省略する。
【0042】
図7には、利用者である運転手が乗る自転車CYの移動軌跡MLaと、自転車CYの反対側から自転車CYに近づいてくる歩行者FPの移動軌跡FLと、が示されている。第2実施形態の分析部22は、望ましい移動軌跡として、出発地点Cと到着地点Dとを結ぶ模範軌跡ELa(破線)を算出する。分析部22は、第1実施形態と同じように歩行者FPが存在しない場合の模範軌跡を算出し、その後、歩行者FPの移動軌跡FLを用いて、歩行者FPがいない場合の模範軌跡を補正した模範軌跡ELaを算出する。分析部22は、移動軌跡MLaと所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡FLが存在する場合に、補正した模範軌跡ELaを算出する。
【0043】
第2実施形態の分析部22は、補正した模範軌跡ELaと、自転車CYの移動軌跡MLaとの類似性を求める。分析部22は、自転車CYの移動軌跡MLa、模範軌跡ELa、および歩行者FPの移動軌跡FLのそれぞれにおいて、経時的に変化する各点の位置を決定する。分析部22は、
図7に示されるように、例えば時刻t1において、自転車CYの位置p
BS(t
1)、模範軌跡ELaの位置p
B(t
1)、および歩行者FPの位置p
P(t
1)を決定する。分析部22は、移動軌跡MLaと、補正後の模範軌跡ELaとの類似性として、各時刻における自転車CYの位置と、模範軌跡ELaの位置との距離d
B(t
1)~d
B(t
6)の合計を算出する。第2実施形態のスコア算出部23は、分析部22により算出された距離d
B(t
1)~d
B(t
6)の合計を、そのままスコアとして採用する。
【0044】
以上説明したように、第2実施形態の分析部22は、
図7に示されるように、経時的に変化する模範軌跡ELaの各点の位置(例えばp
BS(t
1))と、移動軌跡MLaの対応する各点の位置(例えばp
B(t
1))との距離から、類似性を求める。そのため、第2実施形態の交通評価システムは、利用者の移動軌跡MLaの全てが分からなくても、移動軌跡MLaにおける所定期間毎の位置が分かれば、利用者の移動軌跡MLaを評価できる。
【0045】
また、第2実施形態の分析部22は、移動軌跡MLaと所定範囲内ですれ違う他の移動軌跡FLが存在する場合に、補正した模範軌跡ELaを算出する。そのため、第2実施形態の交通評価システムは、一人の利用者の移動軌跡MLaのみならず、他の利用者の移動軌跡も考慮した模範軌跡ELaを算出する。これにより、より実態に即した交通マナーを基準とする移動軌跡MLaの評価が行われる。
【0046】
<その他の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0047】
上記第1実施形態における交通評価システム100および交通情報管理システム500の構成等については、一例であり、交通評価システム100が収集部21、軌跡DB41、分析部22、および出力部24を備える範囲で種々変形可能である。例えば、交通評価システム100は、スコア算出部23として機能しなくてもよいし、通信部30を備えていなくてもよい。また、交通評価システム100は、分析部22による分析結果を画像として出力するモニタ、および、音声として出力するスピーカなどを備えていてもよい。交通評価システム100は、交通評価システム100に対する入力を受け付けるためのキーボードおよびマウスや、音声入力を受け付けるためのマイクを備えていてもよい。
【0048】
分析部22は、望ましい移動軌跡としての模範軌跡EL,ELaを算出しなくてもよく、例えば、1つの移動軌跡MLと、複数の移動軌跡とを比較することによって類似性を求めてもよい。上記第2実施形態の分析部22は、1つの移動軌跡MLaと所定範囲内ですれ違う歩行者FPの移動軌跡FLを用いて、模範軌跡ELaを補正したが、補正をしなくてもよい。分析部22は、他の利用者とすれ違わなくても、所定の範囲内に存在する他の利用者の全て又は一部の位置を考慮して模範軌跡ELaを補正してもよい。また、分析部22は、歩行者FPと自転車CYとのように、利用者の属性や利用者の速度などを用いて、模範軌跡ELaを補正してもよい。分析部22は、補正後の模範軌跡ELaに相当する模範軌跡として、機械学習により補正を行わずに
図7に示される模範軌跡ELaを算出してもよい。分析部22は、自転車CYにすれ違う歩行者FPとの距離を測定し、最適な距離と比較することにより、自転車CYの交通マナーを評価してもよい。
【0049】
上記第1実施形態および第2実施形態において、出力部24は、スコア算出部23により算出されたスコアを地域ノード201へと出力したが、分析部22による分析結果をそのまま出力してもよいし、分析結果とスコアとを合わせて出力してもよい。上記第1実施形態および第2実施形態においてスコア算出部23が算出したスコアは、一例であり、例えば、トータルスコアを複数の閾値で分類し、分類した数値範囲毎に交通マナーのランクを決定してもよい。
図6に示される交通評価フローは、ステップS3の処理を備えていなくてもよく、他の工程を備えていてもよい。例えば、交通評価フローは、各利用者の交通データを取得する工程を備えていてもよいし、ITインフラ400による与信審査の工程を備えていてもよい。
【0050】
交通情報管理システム500は、交通評価システム100と、データ取得部15としての携帯端末10とを備えていればよく、例えば、ゲートウェイ300やITインフラ400を備えていなくてもよい。データ取得部15として機能する装置は、利用者が携帯する携帯端末10に限られず、例えば、自動車に搭載されたカーナビゲーションシステムなどであってもよい。携帯端末10は、必ずしもカメラ11および加速度センサ12を備えてなくてもよく、一方のみを備えていたり、別の代用センサを備えていてもよい。交通マナーの評価対象である利用者は、歩行者FPおよび自転車CYの運転手に限られず、自動車など、予め定められた経路以外の走行可能な対象全般を含んでいる。交通情報管理システム500は、地域ノード201~205を備えていなくてもよく、例えば、交通評価システム100による各利用者の評価結果を、ゲートウェイ300を介してそのままITインフラ400に送信してもよい。交通評価システム100の実行するための方法として、携帯端末10にダウンロードするアプリケーションを例として説明したが、異なる方法であってもよい。交通評価システム100を実施する携帯端末が単体で製造されてもよいし、インターネットを介した特定プログラムに対する個人認証によって、交通評価システム100が実行されてもよい。
【0051】
上記第1実施形態の交通評価システム100は、交差点CRの信号機に設置されておらず、地中に設置されていてもよいし、1つのデータセンターとして複数の交差点CRの交通データを取得してもよい。交通評価システム100が取得する交通データは、交差点CRに限られず、例えば、歩道と車道との境界が分かりづらい道路であったり、ショッピングセンターの出入口など、複数の利用者が走行可能な種々の範囲を含んでいてもよい。
【0052】
上記第1実施形態および第2実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0053】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0054】
10…携帯端末
11…カメラ
12…加速度センサ(速度センサ)
13…携帯端末の通信部
14…携帯端末のCPU
15…データ取得部
16…送受信部
17…位置特定部
20…交通評価システムのCPU
21…収集部
22…分析部
23…スコア算出部
24…出力部
30…交通評価システムの通信部
40…記憶部
41…軌跡DB(軌跡記憶部)
100…交通評価システム
200…地域ノードネットワーク
201~205…地域ノード
211…評価記憶部
212…地域ノードの通信部
300…ゲートウェイ
400…ITインフラ
500…交通情報管理システム
A,C…出発地点
B,D…到着地点
CR…交差点
CY…自転車
EL,ELa…模範軌跡
FL…歩行者の移動軌跡
FP…歩行者
ML,MLa…移動軌跡
S1…面積