(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
A01B 69/00 20060101AFI20221206BHJP
A01C 11/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A01B69/00 303Z
A01C11/02 320Z
A01B69/00 303G
(21)【出願番号】P 2020204885
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲
(72)【発明者】
【氏名】小佐野 光
(72)【発明者】
【氏名】高橋 学
(72)【発明者】
【氏名】藤本 和之
(72)【発明者】
【氏名】吉田 悠未
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳菜子
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000065(JP,A)
【文献】特開2012-125153(JP,A)
【文献】特開2020-103160(JP,A)
【文献】特開2001-086820(JP,A)
【文献】特開2001-086818(JP,A)
【文献】特開平11-254984(JP,A)
【文献】特開2020-000064(JP,A)
【文献】特開2015-208298(JP,A)
【文献】特開平08-322345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
A01C 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行しながら圃場(2000)へ苗(1000)を植付ける作業車両であって、
前記苗(1000)を植付ける苗植付け装置(230)と、
前記植付けられる苗(1000)の苗生育環境についての検出を前記圃場(2000)において行う苗生育環境検出装置(600)と、
前記検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、前記植付けられる苗(1000)の株間距離(d)または条間距離(D)の制御を行うコントローラー(500)と、
を備え、
主変速レバーにはポテンショメーターが設けられており、副変速レバーにはリミットスイッチが設けられており、
株間情報
としての変速情報が、前記主変速レバーおよび前記副変速レバーのレバー位置を検出することで取得され、
前記コントローラー(500)は、前記苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を増やす、または前記苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を減ら
し、
前記苗生育環境は、土壌肥沃度および土壌温度の内の少なくとも一つに関することを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記苗生育環境は、
作土深(δ)に関することを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、田植え機などのような作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車体へ昇降可能に取付けられた植付け装置と、ステアリングハンドルを駆動するステアリングモーターと、ステアリングモーターにステアリングハンドルを駆動させることにより、車体の直進制御を行う制御装置と、を有する田植え機などのような作業車両が、知られている(たとえば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-24541号公報
【文献】特開2002-335720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本発明者は、苗の生育を平準化してさまざまな要素を調節しながら最適な営農方法を見出すことが重要であると考えている。
【0005】
しかしながら、上述された従来の作業車両については、最適な営農方法のためのきめ細かな植付け作業が必ずしも実現されていない。
【0006】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することができる作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明は、走行しながら圃場(2000)へ苗(1000)を植付ける作業車両であって、
前記苗(1000)を植付ける苗植付け装置(230)と、
前記植付けられる苗(1000)の苗生育環境についての検出を前記圃場(2000)において行う苗生育環境検出装置(600)と、
前記検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、前記植付けられる苗(1000)の株間距離(d)または条間距離(D)の制御を行うコントローラー(500)と、
を備え、
主変速レバーにはポテンショメーターが設けられており、副変速レバーにはリミットスイッチが設けられており、
株間情報としての変速情報が、前記主変速レバーおよび前記副変速レバーのレバー位置を検出することで取得され、
前記コントローラー(500)は、前記苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を増やす、または前記苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を減らし、
前記苗生育環境は、土壌肥沃度および土壌温度の内の少なくとも一つに関することを特徴とする作業車両である。
第2の本発明は、前記苗生育環境は、作土深(δ)に関することを特徴とする第1の本発明の作業車両である。
本発明に関連する第1の発明は、走行しながら圃場(2000)へ苗(1000)を植付ける作業車両であって、
前記苗(1000)を植付ける苗植付け装置(230)と、
前記植付けられる苗(1000)の苗生育環境についての検出を前記圃場(2000)において行う苗生育環境検出装置(600)と、
前記検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、前記植付けられる苗(1000)の苗取り量の制御を行うコントローラー(500)と、
を備え、
前記コントローラー(500)は、前記苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において前記苗取り量を減らす、または前記苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において前記苗取り量を増やすことを特徴とする作業車両である。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、走行しながら圃場(2000)へ苗(1000)を植付ける作業車両であって、
前記苗(1000)を植付ける苗植付け装置(230)と、
前記植付けられる苗(1000)の苗生育環境についての検出を前記圃場(2000)において行う苗生育環境検出装置(600)と、
前記検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、前記植付けられる苗(1000)の苗植付け深さの制御を行うコントローラー(500)と、
を備え、
前記コントローラー(500)は、前記苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において前記苗植付け深さを増やす、または前記苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において前記苗植付け深さを減らすことを特徴とする作業車両である。
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、走行しながら圃場(2000)へ苗(1000)を植付ける作業車両であって、
前記苗(1000)を植付ける苗植付け装置(230)と、
前記植付けられる苗(1000)の苗生育環境についての検出を前記圃場(2000)において行う苗生育環境検出装置(600)と、
前記検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、前記植付けられる苗(1000)の株間距離(d)または条間距離(D)の制御を行うコントローラー(500)と、
を備え、
前記コントローラー(500)は、前記苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を増やす、または前記苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において前記株間距離(d)または前記条間距離(D)を減らすことを特徴とする作業車両である。
【0010】
本発明に関連する第4の発明は、前記苗生育環境は、作土深(δ)、土壌肥沃度および土壌温度の内の少なくとも一つに関することを特徴とする本発明に関連する第1から第3のいずれかの発明の作業車両である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することが可能である。
本発明に関連する第1の発明により、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することが可能である。
【0012】
本発明に関連する第2の発明により、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することが可能である。
【0013】
本発明に関連する第3の発明により、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することが可能である。
【0014】
本発明に関連する第4の本発明により、本発明に関連する第1から第3のいずれかの発明の効果に加えて、精密性の高い制御を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明における実施の形態の田植え機の左側面図
【
図2】本発明における実施の形態の田植え機のブロック図
【
図3】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け作業の説明図(その一)
【
図4】本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け作業の説明図(その二)
【
図5】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その一)
【
図6】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その二)
【
図7】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その三)
【
図8】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その四)
【
図9】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その五)
【
図10】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その六)
【
図11】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その七)
【
図12】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その八)
【
図13】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その九)
【
図14】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その十)
【
図15】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その十一)
【
図16】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その十二)
【
図17】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その十三)
【
図18】本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その十四)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし透視的にまたは省略的に示されていることもある。
【0018】
はじめに、
図1から4を参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作について具体的に説明する。
【0019】
ここに、
図1は本発明における実施の形態の田植え機の左側面図であり、
図2は本発明における実施の形態の田植え機のブロック図であり、
図3および4は本発明における実施の形態の田植え機の苗植付け作業の説明図(その一および二)である。
【0020】
本実施の形態の田植え機は、苗1000を植付ける苗植付け装置230を有し、走行しながら圃場2000へ苗1000を植付ける作業車両であって、本発明における作業車両の例である。
【0021】
本実施の形態の田植え機の動作について説明しながら、本発明に関連した発明の田植え機動作制御方法についても説明する。
【0022】
本実施の形態の田植え機は、操縦装置240における手動操縦操作または自動操縦操作に応じて、左右一対の前輪221および後輪222を有する走行装置220で走行しながら、整地フロート261を有する整地装置260により圃場2000の整地を行って苗植付け装置230により圃場2000への苗植付けを行うとともに施肥装置250により圃場2000への施肥を行うための田植え機である。
【0023】
走行装置220ならびに苗植付け装置230、施肥装置250および整地装置260は、HST(Hydro Static Transmission)である主変速装置300および副変速装置400などを介して伝達されるエンジン110の動力により駆動される。
【0024】
苗生育環境検出装置600は、植付けられる苗1000の苗生育環境についての検出を圃場2000において行う装置である。
【0025】
典型的には、後述されるように、苗生育環境は、作土深δ、土壌肥沃度(SFV)および土壌温度の内の少なくとも一つに関する。
【0026】
たとえば、苗生育環境検出装置600はさまざまな超音波センサー、電極板センサーおよび温度センサーなどを有し、作土深δは作土深検出のための苗生育環境検出装置600の超音波センサーを利用して検出され、土壌肥沃度は土壌肥沃度検出のための苗生育環境検出装置600の超音波センサーおよび電極板センサーを利用して検出され、土壌温度は土壌温度検出のための苗生育環境検出装置600の温度センサーを利用して検出される。
【0027】
苗生育環境についての検出の結果を利用して、稲のような作物の苗1000の生育を平準化してさまざまな要素を調節しながら最適な営農方法を見出すことができる。
【0028】
つぎに、
図3および4を主として参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作についてより具体的に説明する。
【0029】
苗生育環境は、作土深δ、土壌肥沃度および土壌温度の内の少なくとも一つに関する。
【0030】
コントローラー500により行われる、(A)苗1000の苗取り量の制御、(B)苗1000の苗植付け深さの制御、ならびに(C)苗1000の株間距離dおよび条間距離Dの制御についてこの順に説明する。
【0031】
(A)コントローラー500は、検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、植付けられる苗1000の苗取り量の制御を行う。
【0032】
苗1000の苗取り量は、コントローラー500の制御により自動的に調節される、いわゆる電動苗取り量である。
【0033】
コントローラー500は、苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において苗取り量を減らす、または苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において苗取り量を増やす。
【0034】
より具体的に説明するとつぎの通りである。
【0035】
作土深δが浅い箇所においては、苗取り量を減らすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが浅いと、根の育つ範囲が狭くなり、気温および土壌水分量の変化の悪影響が比較的に大きく、苗1000は育ちにくいので、苗取り量を減らすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。作土深δが深い箇所においては、苗取り量を増やすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが深いと、根は作土深δを与える作土層2100の下方の深い耕盤層2200へ向かって伸びやすく、根の育つ範囲が広くなり、気温および土壌水分量の変化による悪影響が比較的に小さく、苗1000はよく育つので、苗取り量を増やすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0036】
土壌肥沃度が低い箇所においては、苗取り量を減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が低いと、苗1000は育ちにくいので、苗取り量を減らすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。土壌肥沃度が高い箇所においては、苗取り量を増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が高いと、苗1000はよく育つので、苗取り量を増やすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0037】
土壌温度が低い箇所においては、苗取り量を減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が低いと、出葉および分蘖が抑制され、苗1000は育ちにくいので、苗取り量を減らすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。土壌温度が高い箇所においては、苗取り量を増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が高いと、出葉および分蘖が促進され、苗1000はよく育つので、苗取り量を増やすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0038】
(B)コントローラー500は、検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、植付けられる苗1000の苗植付け深さの制御を行う。
【0039】
苗1000の苗植付け深さは、コントローラー500の制御により自動的に調節される、いわゆる電動苗植付け深さである。
【0040】
コントローラー500は、苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において苗植付け深さを増やす、または苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において苗植付け深さを減らす。
【0041】
より具体的に説明するとつぎの通りである。
【0042】
作土深δが浅い箇所においては、苗植付け深さを増やすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが浅いと、根の育つ範囲が狭くなり、気温および土壌水分量の変化の悪影響が比較的に大きく、苗1000は育ちにくいので、苗1000が育ちやすいように苗植付け深さを増やすことにより、登熟歩合を高めて作物品質を保つことができるからである。作土深δが深い箇所においては、苗植付け深さを減らすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが深いと、根は作土深δを与える作土層2100の下方の深い耕盤層2200へ向かって伸びやすく、根の育つ範囲が広くなり、気温および土壌水分量の変化による悪影響が比較的に小さく、苗1000はよく育つので、苗植付けが困難である大きい苗植付け深さは不要であり、苗植付け深さがやや小さくなるように苗植付け深さを減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0043】
土壌肥沃度が低い箇所においては、苗植付け深さを増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が低いと、苗1000は育ちにくいので、苗1000が育ちやすいように苗植付け深さを増やすことにより、登熟歩合を高めて作物品質を保つことができるからである。土壌肥沃度が高い箇所においては、苗植付け深さを減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が高いと、苗1000はよく育つので、苗植付けが困難である大きい苗植付け深さは不要であり、苗植付け深さがやや小さくなるように苗植付け深さを減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0044】
土壌温度が低い箇所においては、苗植付け深さを増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が低いと、出葉および分蘖が抑制され、苗1000は育ちにくいので、苗1000が育ちやすいように苗植付け深さを増やすことにより、登熟歩合を高めて作物品質を保つことができるからである。土壌温度が高い箇所においては、苗植付け深さを減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が高いと、出葉および分蘖が促進され、苗1000はよく育つので、苗植付けが困難である大きい苗植付け深さは不要であり、苗植付け深さがやや小さくなるように苗植付け深さを減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0045】
(C)コントローラー500は、検出の結果に基づき苗生育環境レベルを判断して、植付けられる苗1000の株間距離dまたは条間距離Dの制御を行う。
【0046】
苗1000の株間距離dおよび条間距離Dはそれぞれ、コントローラー500の制御により自動的に調節される、いわゆる電動株間距離および電動条間距離である。
【0047】
コントローラー500は、苗生育環境レベルが第一の所定基準レベルを下回る場合において株間距離dまたは条間距離Dを増やす、または苗生育環境レベルが第二の所定基準レベルを上回る場合において株間距離dまたは条間距離Dを減らす。
【0048】
より具体的に説明するとつぎの通りである。
【0049】
作土深δが浅い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが浅いと、根の育つ範囲が狭くなり、気温および土壌水分量の変化の悪影響が比較的に大きく、苗1000は育ちにくいので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。作土深δが深い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことがしばしば望ましい。これは、作土深δが深いと、根は作土深δを与える作土層2100の下方の深い耕盤層2200へ向かって伸びやすく、根の育つ範囲が広くなり、気温および土壌水分量の変化による悪影響が比較的に小さく、苗1000はよく育つので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0050】
土壌肥沃度が低い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が低いと、苗1000は育ちにくいので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。土壌肥沃度が高い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌肥沃度が高いと、苗1000はよく育つので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0051】
土壌温度が低い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が低いと、出葉および分蘖が抑制され、苗1000は育ちにくいので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を増やすことにより、疎植が実現され、作物品質を保つことができるからである。土壌温度が高い箇所においては、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことがしばしば望ましい。これは、土壌温度が高いと、出葉および分蘖が促進され、苗1000はよく育つので、株間距離dおよび条間距離Dの内の少なくとも一方を減らすことにより、作物品質を保ちながら作物収量を増やすことができるからである。
【0052】
つぎに、
図5から18を主として参照しながら、本実施の形態の田植え機の構成および動作についてさらにより具体的に説明する。
【0053】
ここに、
図5~18は、本発明における実施の形態の田植え機の説明図(その一から十四)である。
【0054】
はじめに、田植え機アクチュエイタの構成について説明する。
【0055】
<田植え機アクチュエイタの構成(1)>
電動苗取り量のアクチュエイタを植付け部上部(アッパリンクより上方)に設けることが考えられる。
【0056】
<田植え機アクチュエイタの構成(2)>
電動植付け深さのアクチュエイタを植付け部上部(アッパリンクより上方)に設けることが考えられる。
【0057】
<田植え機アクチュエイタの構成(3)>
電動苗取り量のアクチュエイタを植付け部の端に設けることが考えられる。
【0058】
<田植え機アクチュエイタの構成(4)>
電動植付け深さのアクチュエイタを植付け部の端に設けることが考えられる。
【0059】
<田植え機アクチュエイタの構成(5)>
電動苗取り量のアクチュエイタと電動植付け深さのアクチュエイタを中央より同じ幅、高さに設け、バランスを良くすることが考えられる。
【0060】
<田植え機アクチュエイタの構成(6)>
電動苗取り量のアクチュエイタと電動植付け深さのアクチュエイタは苗タンクの前方かつサイドに配置することが考えられる。
【0061】
<田植え機アクチュエイタの構成(7)>
電動苗取り量のアクチュエイタと電動植付け深さのアクチュエイタの減速装置は苗タンクの前方かつサイドに配置することが考えられる。
【0062】
つぎに、ロボット田植え機の構成について説明する。
【0063】
<ロボット田植え機の構成(1)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプをGNSSセンサーのアンテナの下に配置することが考えられる(
図5参照)。GNSSのアンテナの衛星受信角度に影響を与えないという効果が期待される。
【0064】
<ロボット田植え機の構成(2)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプをGNSSセンサーを取り付けるステーに設置することが考えられる(
図12参照)。配線のための部材を削除できるという効果が期待される。
【0065】
<ロボット田植え機の構成(3)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプをU字型のステーに設置することが考えられる。前方視野を確保し設置できるという効果が期待される。
【0066】
<ロボット田植え機の構成(4)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプをU字型のステーとボンネット幅の内側に設置することが考えられる(
図13参照)。前方通路と運転者の前方視野を確保でき、ランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0067】
<ロボット田植え機の構成(5)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプを座席後ろで座席幅内に設置することが考えられる(
図14参照)。苗つぎ作業の邪魔にならないでランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0068】
<ロボット田植え機の構成(6)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプをサイドの手摺り上に設置することが考えられる。苗つぎ作業の邪魔にならないでランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0069】
<ロボット田植え機の構成(7)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプを両サイドの手摺りをつなぐアーチ上に設置することが考えられる(
図15参照)。苗つぎ作業の邪魔にならないでランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0070】
<ロボット田植え機の構成(8)>
自動走行中を表示するランプを作業時より低い位置に変更可能に構成することが考えられる。輸送納屋への格納時に高さを変更し収納スペースを少なくすることができるという効果が期待される。
【0071】
<ロボット田植え機の構成(9)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプを線引きマーカのアーム上に設置することが考えられる(
図16参照)。苗つぎ作業の邪魔にならないでランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0072】
<ロボット田植え機の構成(10)>
自動走行中を表示するランプを作業時より機体内側位置に変更可能に構成することが考えられる(
図6参照)。輸送納屋への格納時に高さを変更し収納スペースを少なくすることができるという効果が期待される。
【0073】
<ロボット田植え機の構成(11)>
自動走行をする田植え機において自動走行中を表示するランプを電動苗レールのモーターカバー上部に設置することが考えられる(
図7参照)。前方通路と運転者の前方視野を確保でき、ランプの視認性を確保できるという効果が期待される。
【0074】
<ロボット田植え機の構成(12)>
自動走行する田植え機において、前方に別部材で構成したステップ下に非接触センサーを設置することが考えられる(
図8参照)。ステップがあるため破損の前にステップが接触し予期せぬ衝突などの際センサーの破損を防ぐという効果が期待される。
【0075】
<ロボット田植え機の構成(13)>
自動走行する田植え機において、植込扞支持フレームの後方に片持ち構成で構成したステーに非接触センサーを設置することが考えられる。片持ち構成のため、センサーが破損する前にステーが変形し、予期せぬ衝突などの際、センサーの破損を防ぐという効果が期待される。
【0076】
<ロボット田植え機の構成(14)>
遠隔操作できる自動走行田植え機においてリモコン受信機をボンネット内、アンテナをGNSSセンサーのステーに設置することが考えられる(
図9参照)。GNSSセンサーのステーにアンテナだけ設置することによりGNSSセンサーのステーが遠心力で振動することを防ぐという効果が期待される。
【0077】
<ロボット田植え機の構成(15)>
遠隔操作できる自動走行田植え機においてリモコン受信機をボンネット内、アンテナを補助苗枠のステーに設置することが考えられる(
図10参照)。前方通路の確保ができるという効果が期待される。
【0078】
<ロボット田植え機の構成(16)>
遠隔操作できる自動走行田植え機においてリモコン受信機をボンネット内、アンテナをU字型のステーとボンネット幅の内側に設置することが考えられる。前方視界と前方通路の確保ができるという効果が期待される。
【0079】
<ロボット田植え機の構成(17)>
アンテナを作業位置より低い位置に収納する構成とすることが考えられる(
図11参照)。納屋等への収納時、高さを抑えられるという効果が期待される。
【0080】
つぎに、自動取り量調整機構について説明する。
【0081】
<自動取り量調整機構(1)>
自動取り量調整機構におけるモーター駆動の制限装置としてのセンサーレイアウトにおいてセンサーを苗タンク側に固定し、支持フレームの挙動をセンシングすることが考えられる。センサーを支持フレーム側に固定するのではないので、センサーを圃場表面から遠ざけることができるという効果が期待される。
【0082】
<自動取り量調整機構(2)>
自動取り量調整機構における取り量の計算においてスリップ率を考慮することが考えられる。スリップ率なしで取り量が調整されるのではないので、圃場ごとに取り量を適正化できるという効果が期待される。
【0083】
<自動取り量調整機構(3)>
田植え機のモニター表示において自動取り量機構で計算した取り量に基づき、積載苗に対する植付け可能面積(又は距離)を表示することが考えられる。補給タイミングを知ることができ、計画を立てやすいという効果が期待される。
【0084】
つぎに、硬軟センサーによる植付け深さ調整機構について説明する。
【0085】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(1)>
センタフロートの上部に軸があり、その軸に2つのポテンショメータがついている構成が考えられる(
図17参照)。
【0086】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(2)>
1つのポテンショメータはセンタフロートから鉛直方向に伸びているロッドと連結している構成が考えられる。
【0087】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(3)>
もう1つのポテンショメータは円盤から鉛直方向に伸びているロッドと連結している構成が考えられる。
【0088】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(4)>
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(3)>の円盤は植付に適正な比重の土壌に浮く程度の比重を有していることが考えられる。
【0089】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(5)>
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(2)>のポテンショメータと<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(3)>のポテンショメータの角度の差から土壌硬さを算出することが考えられる。
【0090】
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(6)>
<硬軟センサーによる植付け深さ調整機構(5)>にて算出した土壌硬さに応じて植付け深さを調整することが考えられる。
【0091】
つぎに、苗残量からの苗取り量計算機構について説明する。
【0092】
<苗残量からの苗取り量計算機構(1)>
苗タンクの前板にロードセルを取り付けることが考えられる(
図18参照)。
【0093】
<苗残量からの苗取り量計算機構(2)>
苗の荷重方向にかかる重量をロードセルが感知し、苗残量を検出することが考えられる。
【0094】
<苗残量からの苗取り量計算機構(3)>
縦送り軸に回転センサーをとりつけることが考えられる。
【0095】
<苗残量からの苗取り量計算機構(4)>
回転回数から苗使用量を検出することが考えられる。
【0096】
<苗残量からの苗取り量計算機構(5)>
初期に入力した苗枚数から苗使用量を減算して苗残量を検出することが考えられる。
【0097】
<苗残量からの苗取り量計算機構(6)>
GPSにて走行経路を記録することが考えられる。
【0098】
<苗残量からの苗取り量計算機構(7)>
記録した走行経路から残走行距離を検出することが考えられる。
【0099】
<苗残量からの苗取り量計算機構(8)>
苗残量と残走行距離から苗取り量を再計算することが考えられる。
【0100】
つぎに、苗取り量の自動調整機構について説明する。
【0101】
<苗取り量の自動調整機構(1)>
ロボット田植え機において、自動植付け作業中に植付け部を上昇させる度に、残り植付け面積と残り苗箱数から苗取り量を自動で調整する機能を有するロボット田植え機が考えられる。苗の過不足を抑えることができるという効果が期待される。
【0102】
<苗取り量の自動調整機構(2)>
ロボット田植え機において、自動植付け作業の往復行程中に後輪回転センサーのパルス値から得られる往復行程の距離と苗取り量、横送り回数、株数から往復行程1回で使用する苗箱数を算出し田植え機のモニターまたはリモコンのモニターに表示する機能を有するロボット田植え機が考えられる。不要不急の補給工程で時間ロスしてしまわないので、不要な苗補給工程を省けるという効果が期待される。
【0103】
<苗取り量の自動調整機構(3)>
ロボット田植え機において、自動植付け作業の往復行程中にGNSSの位置情報から得られる往復行程の距離と苗取り量、横送り回数、株数から往復行程1回で使用する苗箱数を算出し田植え機のモニターまたはリモコンのモニターに表示する機能を有するロボット田植え機が考えられる。不要不急の補給工程で時間ロスしてしまわないので、不要な苗補給工程を省けるという効果が期待される。
【0104】
<苗取り量の自動調整機構(4)>
ロボット田植え機において、自動植付け作業の内周工程前に残りの苗箱数を入力することで、残りの面積、横送り量、株数から最適な苗取り量を算出し自動で調整する機能を有するロボット田植え機が考えられる。往復行程と違い内周工程は苗箱の消費量を計算しにくいので、内周工程以降を適切な株数で植え付けることで苗の過不足を抑えることができるという効果が期待される。
【0105】
<苗取り量の自動調整機構(5)>
ロボット田植え機において、エリア取得のため外周を走行する時に外周・内周の面積を後輪回転センサーのパルス値と作業幅から計算し外周・内周作業で使用する苗箱量を算出する機能を有するロボット田植え機が考えられる。往復行程と違い内周工程は苗箱の消費量を計算しにくいので、不要な苗補給工程を省けるという効果が期待される。
【0106】
<苗取り量の自動調整機構(6)>
ロボット田植え機において、エリア取得のため外周を走行する時に外周・内周の面積をGNSSの位置情報と作業幅から計算し外周・内周作業で使用する苗箱量を算出する機能を有するロボット田植え機が考えられる。往復行程と違い内周工程は苗箱の消費量を計算しにくいので、不要な苗補給工程を省けるという効果が期待される。
【0107】
つぎに、ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構について説明する。
【0108】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(1)>
基本フローにおいて、指定した苗枚数に応じ、取り量を調整するシステムが考えられる。指定した苗枚数で田植ができるので、苗を無駄にしないという効果が期待される。
【0109】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(2)>
基本構成において、指定した苗枚数に応じ、取り量を調整するシステムが考えられる。指定した苗枚数で田植ができるので、苗を無駄にしないという効果が期待される。
【0110】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(3)>
自動苗取り量調整装置における植付け経路情報の取得において、GNSSを利用した情報取得フローが考えられる。
【0111】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(4)>
自動苗取り量調整装置における植付け経路情報の取得において、植付け面積ではなく、植付け走行距離を基準に必要苗枚数を計算することが考えられる。面積で計算すると少なく見積もってしまう恐れがほとんどなく、苗不足を防ぐことができるという効果が期待される。
【0112】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(5)>
自動苗取り量調整装置における植付け経路情報の取得において、植付け面積から必要苗枚数を計算することが考えられる。簡単に必要苗枚数の計算ができるという効果が期待される。
【0113】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(6)>
自動苗取り量調整装置における植付け経路情報の取得において、植付け走行経路から畦クラッチ作動を考慮し、必要苗枚数を計算することが考えられる。面積で計算した場合において、少なく見積もってしまう恐れがほとんどなく、必要苗枚数の計算精度が上がるという効果が期待される。
【0114】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(7)>
自動苗取り量調整装置における株間情報の取得において、レバー位置を検出することで株間情報を取得し、主変速、副変速各レバーにポテンショメータを設け、2センサー値の検出結果(パターン)で対応する株間を決定することが考えられる。
【0115】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(8)>
自動苗取り量調整装置における株間情報の取得において、レバー位置を検出することで株間情報を取得し、主変速にポテンショメータを、副変速各レバーにリミットスイッチを設けることで比較的安価に構成することが考えられる。
【0116】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(9)>
自動苗取り量調整装置における株間情報の取得において、軸回転を検出することで、株間を検知し、トランスミッション内、走行系(常時回転)軸とクラッチ前の植付け出力軸との回転数を検知することで、その比から株数を割り出すことが考えられる。正確な回転数を検出できるという効果が期待される。
【0117】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(10)>
自動苗取り量調整装置における横送り情報の取得において、軸回転を検出することで横送り量を決定し、植付け駆動ケース内、横送りチェンジ前と後で回転数を検出することで横送り量を算定することが考えられる。正確に横送り量を求めることができるという効果が期待される。
【0118】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(11)>
自動苗取り量調整装置における苗枚数の決定フローが基本フローで構成されることが考えられる。
【0119】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(12)>
自動苗取り量調整装置における苗枚数の決定フローで入力苗枚数を使用する苗の総数か単位面積あたりの苗枚数かを選択できることが考えられる。
【0120】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(13)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の決定方法が基本フローで構成され、植付け走行経路を苗枚数、株間、横送り量で割った値の関数として取り量を決定されることが考えられる。
【0121】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(14)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の調整方法が基本フローで構成され、取り量に対応するポテンショメータ位置となるところまでモーターを駆動させることが考えられる。
【0122】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(15)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の調整方法において、ガタ寄せするため取り量最大位置までモーター出力後、決定したポテンショメータ位置までモーター出力をするとき、取り量を現在位置から減らす場合は最大位置まで戻さず、直接ポテンショメータ位置までモーター出力することが考えられる。ガタ寄せができ、作動のタイムラグを減らせるという効果が期待される。
【0123】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(16)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の中間補正方法において、自動苗取り量調整を行ったうえで、自律走行を行っている途中で補正プログラムを実行し苗取り量を微調整することが考えられる。ずれを最小限に抑えるという効果が期待される。
【0124】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(17)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の中間補正方法において、苗送りベルト回転数をカウントすることで使用苗枚数のカウントをすることが考えられる。ずれを最小限に抑えるという効果が期待される。
【0125】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(18)>
自動苗取り量調整装置における苗取り量の中間補正方法において、設定どおり苗が消費されていないときは、使用予定だった苗枚数と実施消費した苗枚数の割合に応じ苗取りポジションを変更することが考えられる。ずれを最小限に抑え、計算が簡単であるという効果が期待される。
【0126】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(19)>
自動苗取り量調整装置におけるイレギュラー対応において、株間、苗送り量の変更でプログラムリセットをかけ、植付け途中の変更の場合、取り量はリセットさせず、直前の設定値を用いることが考えられる。
【0127】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(20)>
自動苗取り量調整装置におけるイレギュラー対応において、作業経路途中でも自動苗取り調整を行えるよう、植付け経路情報を作業状況により補正することが考えられる。
【0128】
<ロボット田植え機の自動苗取り量調整機構(21)>
自動苗取り量調整機構の応用において、苗枚数を入力することで、横送り量を変更するシステムが考えられる。苗枚数基準で横送りを変更できるという効果が期待される。
【0129】
なお、本発明に関連した発明のプログラムは、上述された本発明に関連した発明の田植え機動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0130】
また、本発明に関連した発明の記録媒体は、上述された本発明に関連した発明の田植え機動作制御方法の全部または一部のステップ(または工程、動作および作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用されるコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【0131】
なお、上述された「一部のステップ(または工程、動作および作用など)」は、それらの複数のステップの内の一つまたはいくつかのステップを意味する。
【0132】
また、上述された「ステップ(または工程、動作および作用など)の動作」は、上述されたステップの全部または一部の動作を意味する。
【0133】
また、本発明に関連した発明のプログラムの一利用形態は、インターネット、光、電波または音波などのような伝送媒体の中を伝送され、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作するという形態であってもよい。
【0134】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0135】
また、コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのような純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0136】
なお、上述されたように、本発明の構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明における作業車両は、きめ細かな植付け作業を自動的に実現することができ、田植え機などのような作業車両に利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0138】
100 車体
210 エンジン
220 走行装置
221 前輪
222 後輪
230 苗植付け装置
240 操縦装置
250 施肥装置
260 整地装置
261 整地フロート
300 主変速装置
400 副変速装置
500 コントローラー
600 苗生育環境検出装置
1000 苗
2000 圃場
2100 作土層
2200 耕盤層
d 株間距離
D 条間距離
δ 作土深