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特許7188446認証装置、認証方法、認証プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】認証装置、認証方法、認証プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20221206BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20221206BHJP
【FI】
G06T7/00 510D
G06T7/00 510B
G06T7/00 510F
G06T7/00 660A
G06T7/00 660B
G06T7/00 300F
A61B5/1171 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020547826
(86)(22)【出願日】2018-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2018036424
(87)【国際公開番号】W WO2020065954
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】谷内田 尚司
(72)【発明者】
【氏名】舟山 知里
(72)【発明者】
【氏名】塚田 正人
(72)【発明者】
【氏名】荻野 有加
(72)【発明者】
【氏名】蝶野 慶一
(72)【発明者】
【氏名】北川 恵美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 康彦
(72)【発明者】
【氏名】森 祐輔
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-150497(JP,A)
【文献】特開2005-227933(JP,A)
【文献】特開平09-198531(JP,A)
【文献】特開2007-334623(JP,A)
【文献】特開2000-148985(JP,A)
【文献】特開2003-058888(JP,A)
【文献】特開2009-015518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
A61B 5/1171
G06V 40/16 -40/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出する検出手段と、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力する第1画像入力手段と、
一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較し、比較結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する第1認証手段と、
前記検出手段に検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力する第2画像入力手段と、
前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段と、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と前記第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象を認証し、認証結果を出力する第2認証手段と、
前記第1認証手段による第1認証の後に前記第2認証手段が第2認証を実行し、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出手段が検出可能な時間内において完了するように調整する調整手段
とを備える認証装置。
【請求項2】
前記検出手段が前記対象による前記所定方向以外への移動を検出すると、前記第1画像入力手段および第2画像入力手段は前記対象にかかる画像の入力を中止する
請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記第1画像を含む情報を基に、前記第2画像が前記対象の左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を左右情報として前記第2画像に紐付けて出力する判定手段
を更に備え、
前記第2認証手段は、前記左右情報に紐付けされた前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と当該左右情報に対応する前記第2記憶手段に格納される1つ以上の特徴情報とを比較して前記照合スコアを算出する
請求項1または請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記第2記憶手段は、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報、および、当該一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の信頼度スコアを格納し、
前記第2認証手段は、前記照合スコアを基に前記対象を特定し、前記第2記憶手段から前記対象に対応する前記信頼度スコアを取得し、前記照合スコアに前記信頼度スコアを重み付けした重み照合スコアを算出する
請求項1に記載の認証装置。
【請求項5】
前記第2認証手段は、前記信頼度スコアを示す値が高い方の目を優先して、前記重み照合スコアを算出する
請求項4のいずれかに記載の認証装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記第1画像における前記対象の顔の領域に所定のテンプレートを適用して、前記第2画像が前記対象の左眼または右眼のいずれに対応するかを判定する
請求項3に記載の認証装置。
【請求項7】
前記第1画像入力手段による画像の入力と前記第2画像入力手段による画像の入力との間に、前記検出手段に検出された前記所定方向に移動中の前記対象の顔が撮影された第3画像を入力する第3画像入力手段と、
前記一人以上の認証される対象にかかる顔の特徴情報を格納する第3記憶手段と、
前記第1認証手段が出力する前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第3画像から算出される顔の特徴情報と前記第3記憶手段に格納される1つ以上の顔の特徴情報とを比較し、比較結果を基に、前記第3記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する第3認証手段
とを更に備える請求項1に記載の認証装置。
【請求項8】
前記第1認証手段による第1認証の後に前記第3認証手段が第3認証を実行し、前記第3認証の後に前記第2認証手段が第2認証を実行し、かつ、前記第1認証、前記第3認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出手段が検出可能な時間内において完了するように調整する調整手段
を更に備える請求項に記載の認証装置。
【請求項9】
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力し、
前記第1認証の後に前記第2認証を実行し、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を検出可能な時間内において完了するように調整する
ことを特徴とする、認証方法。
【請求項10】
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力し、
前記第1認証の後に前記第2認証を実行し、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を検出可能な時間内において完了するように調整する
ことをコンピュータに実現させる認証プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の認証プログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象を認証するための認証装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
生体の個人差に基づいた個人認証(Biometrics-based authentication)は、ユーザが作成するパスワード等に比べ漏えいや盗難の危険性が低い。この為、個人を特定し権利を確認する目的や、セキュリティ保護の目的で生体の個人差に基づいた個人認証を導入する例が増えている。生体の個人差に基づいた個人認証技術には、生体情報として、指紋(Fingerprint)、静脈(Vein)、顔(Face)、虹彩(Iris)、音声(Voice)などを用いるものが知られている。
【0003】
このうち、顔認証および虹彩認証は、認証対象の位置(顔および目)がほぼ同じであることもあり、これらを組み合わせたマルチモーダル認証が開発されている(引用文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-102524号公報
【文献】特開2005-242677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商業施設や大型イベント会場などを運営する企業や団体において、多くのユーザの入退場管理におけるセキュリティ対策の強化とユーザ側の利便性の両立を目的として、入退場管理システムにウォークスルー認証を活用したいというニーズがある。ウォークスルー認証では、認証の対象である生体(ユーザ)は、認証用カメラの前で立ち止まることなく所定の区間を歩くのみである。これにより、認証対象であるユーザが多くとも高速に、且つ、認証処理をユーザ側に意識させること無く、認証処理を実行することができる。このウォークスルー認証に上記のマルチモーダル認証として顔認証および虹彩認証を組合せて適用すると、ユーザに接触することなくカメラ撮影のみで認証データを採取できるため好適である。
【0006】
しかし、ウォークスルー認証では、ユーザが移動しているため、認証にかけられる時間は限られている。具体的には、ユーザが認証ゲート入口に入って認証のための画像を撮影する時間(認証開始時刻)からユーザが認証を終えて認証ゲート出口を通るまでの時間(認証完了時刻)は数秒程度に限られている。このため顔認証と虹彩認証の組合せのように認証領域の位置が近いと、ほぼ同じタイミングで2種類の認証処理を高速で実行せねばならず、複数のカメラおよび多くのハードウェアリソースを必要とする。
【0007】
本開示は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、移動中の認証対象に対して、少ないハードウェアリソースで所定時間内に高精度な認証を行える認証装置等を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を鑑みて、本開示の第1の観点である認証装置は、
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出する検出手段と、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力する第1画像入力手段と、
一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較し、比較結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する第1認証手段と、
前記検出手段に検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力する第2画像入力手段と、
前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段と、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と前記第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象を認証し、認証結果を出力する第2認証手段
を備える。
【0009】
本開示の第2の観点である認証方法は、
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力する。
【0010】
本開示の第3の観点である認証プログラムは、
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力する
ことをコンピュータに実現させる。
【0011】
尚、認証プログラムは記憶媒体に格納されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、移動中の認証対象に対して、少ないハードウェアリソースで所定時間内に高精度な認証を行える認証装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の第1実施形態に係る生体認証装置の構成の例図である。
図2】特定方向へ移動する対象ユーザの画像の例図である。
図3】特定方向へ移動する対象ユーザの画像から取得される第1画像の例図である。
図4】特定方向へ移動する対象ユーザの画像から取得される第2画像の例図である。
図5】本開示の第1実施形態に係る生体認証装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】本開示の第2実施形態に係る生体認証装置の構成の例図である。
図7】第2記憶部に格納されるデータの構成例を示す図である。
図8】本開示の第2実施形態に係る生体認証装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】本開示の第3実施形態に係る生体認証装置の構成例を示す図である。
図10】本開示の第3実施形態に係る生体認証装置の動作例を示すフローチャートである。
図11】第1乃至第3実施形態にて使用可能な情報処理装置の構成の例図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、各実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を概略的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
【0015】
各実施形態における認証は主に生体認証である。認証の対象は、主に生体であり、人(ユーザ)、動物等を含む。認証の対象には、生体以外のもの、例えば、マネキンを含めてもよい。虹彩認証を行う際には、当該対象の左右眼(なりすましを目的とした義眼も含む)を認証する。以下の各実施形態の説明において、認証の対象は、「対象ユーザ」とも称呼される。
【0016】
生体認証のための情報としては、超音波グラフ、生体の画像、又は、音声データなど、複数の情報がある。以下の説明では、一例として、主に画像(具体的には、虹彩画像)を用いて説明するが、これは、各実施形態の限定を意図するものではない。
【0017】
<第1実施形態>
マルチモーダル認証を認証の対象であるユーザと非接触で行うには、歩容認証、人型認証、顔認証、虹彩認証等が好適である。尚、人型認証とは、認証の対象者の身体の特徴(例えば、身長、体の幅、手足の長さ、顔の輪郭など、またはこれらの組み合わせ)を基に行う認証を指す。歩容認証とは、認証の対象者の歩行パターンの特徴(例えば、歩き時の姿勢、歩幅、腕の振り方、習慣付いた動きの左右非対称性(肩掛け鞄などを決まった側で持つか等)など、またはこれらの組み合わせ)を基に行う認証を指す。このうち、遠方からでも撮影できる認証対象ユーザの全身の画像から認証が容易なのは歩容認証、人型認証である。また、認証対象ユーザの近傍にて左右眼の撮影が正確にできるのであれば、最も高精度な認証結果が期待できるのは虹彩認証である。ウォークスルー認証の場合、対象ユーザは、個人差はあるが、数秒から数十秒をかけて認証ゲートの入口から出口まで移動してくる。このため、遠方の認証ゲートの入口近くにいる対象ユーザに対して全身画像を用いた歩容認証または人型認証を第1認証として行い、さらに第1認証の結果を踏まえて、認証ゲートの出口近くまで移動してきた対象ユーザに対して左右眼の画像を用いた虹彩認証を行う。第1認証により対象ユーザの候補は絞り込まれるため、虹彩認証を行うべき対象ユーザ候補の数はかなり少ないものとなる。これにより素早く精度の良い認証結果を得ることができる。以下、上述したようなウォークスルー認証を行うための生体認証装置について詳細に説明する。
【0018】
(生体認証装置)
生体認証装置100は、図1に示すように、検出部11、第1画像入力部12、第2画像入力部13、第1認証部14、第1記憶部15、第2認証部16および第2記憶部17を備える。
【0019】
検出部11は、認証実行エリアの入口ゲートから出口ゲートまでの所定エリアの映像内において、所定方向に移動中の認証の対象ユーザを検出する。
【0020】
検出部11は、図1に示すように外部のカメラ10に接続されている。カメラ10は認証の対象であるユーザを撮影するためのカメラである。カメラ10は1つであっても複数存在しても良い。検出部11は、カメラ10が撮影する画像(動画、静画を含む。以下同様。)中において特定方向に移動するユーザを検出する。特定方向への移動とは、例えばウォークスルー認証の場合に、ユーザが認証実行エリアの入口ゲートから出口ゲートまで歩行することを意味する。特定方向とは、当該入口ゲートから当該出口ゲートへの方向を意味する。図2に示す認証実行エリアの場合、カメラ10は、まず、ユーザを入口ゲート付近の位置1において撮影する。図2の認証実行エリアにおいては、奥側に入口ゲート、手前側に出口ゲートが配置される。カメラ10は図2に示すような画像を撮影できる位置(壁、ゲート等)に固定されている。
【0021】
検出部11は、カメラ10が撮影するユーザの画像のうち、位置1から特定方向に所定距離進んだ位置2(図3参照)まで移動したユーザがいれば、それを認証の対象ユーザと判断し、当該対象ユーザとして検出する。検出された対象ユーザの全身を含む領域の画像データは第1画像(図3参照)として第1画像入力部12に入力される。更に、検出部11は、カメラ10が撮影するユーザの画像のうち、位置2から特定方向に所定距離進んだ位置3(図4参照)まで移動したユーザがいれば、そのユーザを再び認証の対象ユーザと判断し、当該対象ユーザとして検出する。検出された対象ユーザの左右眼を含む領域の画像データは第2画像(図4参照)として第2画像入力部13に入力される。
【0022】
これらのユーザの体を含む画像領域(対象ユーザの全身を含む領域および左右眼を含む領域)の選択の処理は、検出部11で行われてから第1画像入力部12または第2画像入力部13に引き渡されても良いし、カメラ10が撮影する画像を受け取った第1画像入力部12または第2画像入力部13が行ってもよい。尚、上記の処理はカメラ10が行ってもよい。
【0023】
検出部11は、対象ユーザの所定方向以外への移動を検出すると、第1画像入力部12および第2画像入力部13に対する画像の出力を中止してもよい。即ち、第1画像入力部12および第2画像入力部13は所定方向以外への移動を始めた対象ユーザにかかる画像の入力を中止する。これは、一度は対象ユーザと誤って判断されても、認証実行エリアの監視員、保守員である場合や、対象ユーザが忘れ物をした等の理由で、途中で認証を止める場合があるからである。
【0024】
第1画像入力部12は、特定方向に移動するユーザの全身を含む領域を撮影した第1画像(図3参照)を検出部11から入力する。
【0025】
第1記憶部15は、一人以上の認証の対象となるユーザにかかる全身の特徴情報を格納する。ここで、全身の特徴情報とは、人型認証に用いられる人型の特徴情報、歩容認証に用いられる歩容の特徴情報等である。人型の特徴情報とは、例えば、全身画像のシルエットから抽出される身長、体の幅等のパターンである。全身画像のシルエットは、例えば、カラーカメラの画像と赤外線カメラの画像による背景差分を用いて抽出される。歩容の特徴情報とは、例えば、時空間輝度勾配に基づく歩容特徴であるSTHOG(Spatio-Temporal Histograms of Oriented Gradient)特徴情報、歩容シルエットボリューム(Gait Silhouette Volume)を用いた周波数領域特徴情報などである。このように第1認証においては、遠方で光の加減が分かりづらい、更に、光の制御がしづらいということもあり、対象ユーザのシルエットを用いて確実に且つ容易に特徴情報を抽出できるようにすることが望ましい。
【0026】
第1認証部14は、第1画像に撮影される対象ユーザの全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第1記憶部15に格納される全身の特徴情報とを比較して、比較結果を基に、第1記憶部15から一人以上の対象ユーザの候補情報を抽出する。候補情報とは、対象ユーザの候補を特定可能な情報、例えば対象ユーザのID(IDentifier)である。第1認証は、第2認証のプレフィルターとしての機能を備えている。
【0027】
第1認証部14は、抽出された対象ユーザの候補情報を第2認証部16へ出力する。
【0028】
第2画像入力部13は、検出部11に検出された所定方向に移動中の対象ユーザの右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像(図4参照)を入力する。尚、左右眼のいずれであるかは、各眼の目頭の形状などから判定することができる。第2画像入力部13は、両目分の画像を入力することが好ましい。しかし、カメラ10が片目の画像を取得できない(例えば、前髪がかかって撮影できない、眼鏡の反射で撮影できない等)場合、撮影可能なもう片方の目の画像を撮影するようにする。
【0029】
第2記憶部17は、一人以上の認証の対象となるユーザにかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する。尚、虹彩の特徴情報とは、例えば、ドーグマンアルゴリズムを基に生成される虹彩コード(図7の特徴情報参照)である。
【0030】
第2認証部16は、第1認証部14から候補情報を入力する。第2認証部16は、候補情報に含まれる対象ユーザ毎に、第2画像から算出される虹彩の特徴情報と第2記憶部17に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に第1画像および第2画像に撮影される対象ユーザを認証し、認証結果を出力する。照合スコアとは、対象ユーザの虹彩コードと第2記憶部17に登録済みの虹彩コードとにおいて異なるビットの数を算出(ハミング距離の算出)した結果の値である。
【0031】
第2認証部16は、候補情報に含まれる対象ユーザ毎に、左右情報に紐付けされた第2画像から虹彩の特徴情報を算出する。左右情報に紐付けされた第2画像とは、「右眼」とタグ付けされた右眼の虹彩画像、または、「左眼」とタグ付けされた左眼の虹彩画像のことを指す(図4の第2画像を参照)。尚、左右眼のいずれかがタグ付けされた虹彩コードであってもよい。虹彩の特徴情報として、一例として虹彩コードを使用する場合について説明する。第2認証部16は、第2画像入力部13から受け取る虹彩の画像から虹彩の境界線を特定して虹彩部分を抽出する。更に第2認証部16は、抽出された虹彩部分の情報に、2次元ガボールフィルタを適用して虹彩模様を符号化し、虹彩コードを生成する。虹彩コードは、例えば2048ビットのデジタル符号化コードである。
【0032】
第2認証部16は、算出された特徴情報と第2記憶部17に格納される左右情報に関連する複数のユーザの特徴情報とを比較する。具体的に、第2認証部16は、右眼とタグ付けされた虹彩画像の場合は、第2記憶部17に格納される右眼のみの特徴情報と比較し、左眼とタグ付けされた虹彩画像の場合は、第2記憶部17に格納される左眼のみの特徴情報と比較する。第2認証部16は、比較の結果、照合スコアを得る。第2認証部16は、例えば、算出した照合スコアが所定の閾値以上であれば、第2画像に撮影されたユーザは登録済みのユーザ(正当ユーザ)であると認証し、照合スコアが所定の閾値未満であれば、第2画像に撮影されたユーザは登録済みのユーザではないと認証する。第2認証部16は、認証結果を外部の表示部20に出力する。表示部20は液晶ディスプレイなどであり、対象ユーザや認証実行エリアの管理者が認証結果を閲覧可能に表示できるものとする。尚、第2画像に撮影されたユーザは、第1画像に撮影されたユーザである。この他、スピーカやブザーによる音声通知、ランプ点灯等により、認証結果を周知させても良い。
【0033】
(生体認証装置の動作)
第1実施形態に係る生体認証装置100の動作について図5のフローチャートを参照して説明する。尚、第1記憶部15には、認証対象となりえる複数のユーザにかかる全身の特徴情報が予め格納されているものとする。第2記憶部17には、認証対象となりえる複数のユーザにかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報が予め格納されているものとする。
【0034】
ステップS101において、検出部11は、カメラ10が撮影する認証実行エリアの映像内においてユーザを検出する(図2参照)。
【0035】
ステップS102において、検出部11は、ユーザが認証ゲートの入口から出口へ向かう方向に移動中であるか否かを検出する(図3参照)。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中であれば、検出部11はこのユーザを認証の対象ユーザとし、当該対象ユーザの全身の画像をカメラ10から取得して第1画像入力部12に出力する。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中でなければ、処理はステップS101へ戻される。
【0036】
ステップS103において、第1画像入力部12に、対象ユーザの全身を撮影した第1画像が入力される。
【0037】
ステップS104において、第1認証部14は、第1画像に撮影される対象ユーザの全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第1記憶部15に格納される全身の特徴情報とを比較して、比較結果を基に、第1記憶部15から一人以上の対象ユーザの候補情報を抽出する。
【0038】
ステップS105において、第1認証部14は、抽出された対象ユーザの候補情報を一時保持する。
【0039】
ステップS106において、検出部11は、対象ユーザが認証ゲートの入口から出口へ向かう方向に継続して移動中であるか否かを検出する(図4参照)。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中であれば、検出部11はこの対象ユーザの左右眼の領域の画像をカメラ10から取得して第2画像入力部13に出力する。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中でなければ、検出部11は、第1認証部14が保持する対象ユーザの候補情報を破棄するよう指示する(ステップS120)。第1認証部14はこれに従い当該候補情報を破棄し、処理はステップS101へ戻される。
【0040】
ステップS107において、第2画像入力部13には、カメラ10が撮影した対象ユーザの右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像が入力される。
【0041】
ステップS108において、第2認証部16は第1認証部14から候補情報を受け取り、当該候補情報に含まれる対象ユーザ毎に、第2画像から算出される虹彩の特徴情報と第2記憶部17に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出する。第2認証部16は、算出された照合スコアを基に、第1画像および第2画像に撮影される対象ユーザを認証し、認証結果を表示部20へ出力する。
【0042】
ステップS109において、表示部20は入力された認証結果を表示する。表示部20は入力された認証結果を表示する。
【0043】
以上で、生体認証装置100の動作を終了する。
【0044】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態によると、移動中の認証対象ユーザに対して、少ないハードウェアリソースで所定時間内に高精度な生体認証を行うことができる。この理由は、第1認証部14が対象ユーザの全身の画像を基に、対象ユーザの候補を絞り、第2認証部16が、対象ユーザの候補の中から、対象ユーザの虹彩の画像を基に、対象ユーザが登録済みのユーザ(正当ユーザ)かを判断するからである。最初に、遠方の認証ゲートの入口近くにいる対象ユーザに対して歩容認証または人型認証を第1認証として行い、次に、第1認証の結果を踏まえて、近傍の認証ゲートの出口近くまで移動してきた対象ユーザに対して虹彩認証を行う。第1認証により対象ユーザの候補は絞り込まれるため、虹彩認証を行うべき対象ユーザ候補の数はかなり少ないものとなる。これにより素早く精度の良い認証結果を得ることができる。また、第1認証と第2認証とは時間差をつけて別々に実行されるため、多くのハードウェアリソースを使用せずとも、2つの認証を行うことができる。また検出部11は、認証実行エリア内の所定方向に移動するユーザのみを検知し、当該ユーザが所定方向へ移動することを止めた場合には検出の対象として除外するので、第1認証部14および第2認証部16は、対象ユーザのみに対して認証処理を実行することができる。このことも、多くのハードウェアリソースを必要としない素早い精度の良い認証に寄与することができる。
【0045】
<第2実施形態>
虹彩の特徴として、同一人物であっても左右の虹彩の色や形状は異なるため、その特徴も異なる。よって、同一人物であっても、識別し易い眼と識別しづらい眼がある。識別し易い目は認証処理に要する時間も短く識別精度も高いため、左右でも識別し易い眼を用いて認証処理を行う方が、短時間でより高精度の認証を行うことができる。第2の実施形態においては、識別し易い眼に重み付けして認証処理を行う生体認証装置等について説明する。
【0046】
(生体認証装置)
生体認証装置200は、図6に示すように、検出部11、第1画像入力部12、第2画像入力部13、第1認証部14、第1記憶部15、第2認証部16a、第2記憶部17a、判定部21および調整部22を備える。尚、検出部11は、外部のカメラ10に接続されている。第2認証部16aは外部の表示部20に接続されている。
【0047】
第2記憶部17aは、認証の対象となるユーザに紐付けられた識別可能なID毎に、各ユーザの右眼の特徴情報および信頼度スコアと、左眼の特徴情報および信頼度スコアを格納する(図7参照)。信頼度とは、対象ユーザと他のユーザとの識別しやすさを表わす値であり、信頼度スコアとは信頼度を0-100%の値で表わしたものである。信頼度スコアの算出方法の一例について述べる。第2記憶部17aに格納される登録済みユーザのIDの各々をi(i={1,2,3,…,N};Nは登録済みユーザの総数)、各登録済みユーザの右眼の虹彩画像の特徴情報(特徴ベクトル)をXright(i)、現在の対象ユーザ(照合したい人)の右眼の虹彩画像の特徴情報(特徴ベクトル)をYrightとし、Xright (i)とYrightとの相関(例えば、正規化相互相関)を全ての登録済みユーザiについて算出する。算出後、最も大きかった相関値(すなわち、本人同士(対象ユーザが登録済みユーザとしてヒットした場合)の相関値)と二番目の相関値(本人と最も相関値が高い他人である登録済みユーザとの相関値)との比率(=一番高い相関値/二番目の相関値)を算出し、算出された値を信頼度Srightとする。同様に、左眼についても同様の処理を行い、算出された値を信頼度をSleftとする。これらの信頼度Sright、Sleftを正規化し、0%~100%の値に変換することで、信頼度スコア(例えば、左眼20%、右眼80%)を得る。信頼度の正規化には様々な手法があるが、例えば、信頼度スコア(%)=100×(S-1)/(M-1)(このとき、1≦S≦M;SはSright、Sleftのいずれかを、Mは信頼度の最大値を表わす。最大値は予め設計者等により設定されるものとし、M<Sの場合の信頼度は100とする。)と算出する。尚、信頼度スコアの算出方法は上記に限定されるものではない。信頼度スコアの値が高いほど、対象ユーザの特徴情報は他のユーザの特徴情報と比して識別し易い(レアな虹彩コードである)。例えば、図7に示すユーザID「1」の場合、右眼の信頼度スコア80%、左眼の信頼度スコア20%であるため、このユーザの右眼の虹彩は特徴的であり、似た特徴情報を有するユーザが比較的存在しないことを示す。逆にこのユーザの左眼の虹彩はあまり特徴が無く、似た特徴情報を有するユーザが多く存在することを示す。このような場合、認証処理には右眼を用いた方が効率的であるため、両眼の第2画像が撮影できた場合であっても、右眼の第2画像を用いて認証処理を行うことが望ましいといえる。逆に、何らかの事情により左眼の第2画像のみしか撮影できなかった場合、認証の照合スコアが低いとしても、それは左眼の信頼度スコアが低いためでないかとの推測が可能であり、この場合生体認証装置200は、当該ユーザに虹彩画像の取り直しを依頼することもできる。具体的には、生体認証装置200は、表示部20等を介して、当該ユーザに再度認証のための入口ゲートから出口ゲートまでの移動を依頼する。信頼度スコアが高い方の眼が髪の毛等で隠れている場合、第2認証部16aは、表示部20に、当該信頼度スコアが高い方の眼が明確にカメラ10で撮影できるようにユーザに協力を依頼する文面等を提示しても良い。
【0048】
第2認証部16aは、図1の第2認証部16の動作に付け加えて、照合スコアに信頼度スコアを加味した値を用いて認証をおこなう。第2認証部16aは、左右情報に紐付けされた第2画像から算出される虹彩の特徴情報と当該左右情報に対応する第2記憶部17aに格納される1つ以上の特徴情報とを比較して得られる照合スコアを算出する。更に第2認証部16aは、照合スコアを基に対象ユーザを特定し、第2記憶部17aから対象ユーザに対応する信頼度スコアを取得し、算出した照合スコアに信頼度スコアを反映させたスコアを算出する。例えば、図7中のIDが「1」のユーザだとすると、右眼の信頼度スコア80%、左眼の信頼度スコア20%である。このため、第2認証部16aは、両眼の第2画像の照合スコアが算出されている場合、右眼の照合スコアを右眼の信頼度スコアで、左眼の照合スコアを左眼の信頼度スコアで重み付けする。このとき第2認証部16aは、より信頼度が高い眼の優先度を高くし、右眼の照合スコアのみを右眼の信頼度スコアで重み付けしてもよい。これにより、更に高い信頼度のスコアを得ることができる。重み付けとは、例えば双方のスコアを乗算、加算したり、所定の数式に代入して算出結果を得ることを指す。第2認証部16aは、重み付けされたスコアを用いて、認証処理を行う。
【0049】
判定部21は、第1画像を含む情報を基に、第2画像がユーザの左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を示す左右情報を第2画像に紐付けて出力する。後述するように、判定部21は、図4に示すような虹彩の部分の画像を出力する。本実施形態では、左右眼の判定に、例として、以下の2つの手法のいずれかを用いる。第1の手法として、判定部21は、第1画像におけるユーザの顔の領域に、顔の輪郭および両眼等の位置関係を検出するための所定のテンプレートを適用してマッチング処理を行い、第2画像がユーザの左眼または右眼のいずれのものであるかを判定する。両眼の位置関係を検出するには、ユーザの顔はカメラ10に対して正面を向いていることが必要となるが、所定の進行方向に向かって移動中のユーザを撮影可能な位置にカメラ10を設定しておくことにより、必然的にカメラ10に対して正面を向いているユーザを判定の対象とすることができる。第2の手法として、判定部21は、第1画像におけるユーザの右眼および左眼の領域の画素と、第2画像におけるユーザの右眼または左眼の領域の画素とを比較して、第2画像がユーザの左眼または右眼のいずれに対応するかを判定する。この場合、判定部21は、全身の画像である第1画像内のユーザの右眼および左眼のそれぞれの領域の画素を抽出し、抽出された画素を第2画像に撮影された眼の領域の画素と比較して、比較された画素に類似度に応じて第2画像に撮影された眼が左右いずれのものであるか判定する。画素の比較には、チェインコードを用いた輪郭追跡アルゴリズム、主成分分析法、三次元位相限定相関法等を用いても良い。尚、左右眼の判定の手法は上記のものに限定されない。
【0050】
尚、第1画像と第2画像は、1つのカメラ10から撮影されても良いが、その場合、カメラ10は、被写体の第1画像および第2画像を撮影するための望遠機能の倍率の切り替えを素早く実行できるものが好ましい。
【0051】
調整部22は、撮影時間の調整を行う。調整部22は第1認証部14による第1認証の後に第2認証部16が第2認証を実行し、かつ、第1認証および第2認証が、認証実行エリアの映像内における所定方向に移動中の対象ユーザを検出部11が検出可能な時間内において完了するように調整する。即ち、対象ユーザの各々は、個々に数秒から数十秒をかけて認証ゲートの入口から出口までを通過するわけであるが、その間に第1認証および第2認証が完了していなければ、当該対象ユーザは認証を終えて出口から退出していくことができない。調整部22は、対象ユーザの移動速度を鑑みつつ、第1認証部14における第1認証のタイミング、第2認証部16aにおける第2認証のタイミングの調整を行い、対象ユーザが認証ゲートの出口を出るまでにこれらの認証処理をスムーズに完了できるようにする。
【0052】
他の部の動作は第1実施形態と同様である。
【0053】
(生体認証装置の動作)
第2実施形態に係る生体認証装置200の動作について図8のフローチャートを参照して説明する。尚、第1記憶部15には、認証対象となりえる複数のユーザにかかる全身の特徴情報が予め格納されているものとする。第2記憶部17aには、認証対象となりえる複数のユーザにかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報および信頼度スコア(図7参照)が予め格納されているものとする。
【0054】
ステップS201~S207、S220は図5のステップS101~S107、S120と同様である。
【0055】
ステップS208において、判定部21は、第1画像を含む情報を基に、第2画像が対象ユーザの左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を左右情報として第2画像に紐付けて第2認証部16aへ出力する。
【0056】
ステップS209において、第2認証部16aは、第1認証部14から対象ユーザの候補情報を受け取る。更に第2認証部16aは、判定部21から左右情報に紐付けされた第2画像を受け取る。第2認証部16aは、受け取った第2画像から算出される虹彩の特徴情報と、当該左右情報に対応する第2記憶部17に格納される当該候補情報に含まれる対象ユーザの特徴情報とを比較して、照合スコアを算出する。第2認証部16aは、算出された照合スコアを基に対象ユーザを特定し、第2記憶部17aから対象ユーザに対応する信頼度スコアを取得し、算出した照合スコアを信頼度スコアで重み付けする(以下、重み照合スコアと記載)。このとき第2認証部16aは、より信頼度が高い眼を優先して、当該優先度の高い眼の照合スコアを、当該眼の信頼度スコアで重み付けしてもよい。第2認証部16aは、重み付けされたスコアを基に、第1画像および第2画像に撮影される対象ユーザを認証する。具体的に、第2認証部16aは、重み照合スコアが所定の閾値以上であれば、第1画像および第2画像に撮影されたユーザは登録済みのユーザ(正当ユーザ)であると認証し、重み照合スコアが所定の閾値以下であれば、第1画像および第2画像に撮影されたユーザは登録済みのユーザではないと認証する。
【0057】
ステップS210において、第2認証部16aは認証結果を外部の表示部20に出力する。表示部20は入力された認証結果を表示する。
【0058】
以上で、生体認証装置200の動作を終了する。
【0059】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態によると、第1実施形態の効果に加え、より高い精度の認証処理を行うことができる。この理由は、第2認証部16aが、算出した照合スコアを基に第2記憶部17aから対象ユーザを特定し、第2記憶部17aから対象ユーザに対応する信頼度スコアを取得し、算出した照合スコアを信頼度スコアで重み付けするからである。更に、第2認証部16aは、より信頼度が高い眼を優先して、当該優先度の高い眼の照合スコアを、当該眼の信頼度スコアで重み付けするからである。
【0060】
<第3実施形態>
第1~2実施形態においては、全身の認証(人型認証または歩容認証)および虹彩認証のみを行ったが、第1認証および第2認証とは異なる第3の認証を組み合わせたマルチモーダル認証を行っても良い。例えば、第1~2実施形態においては、移動するユーザの全身画像および左右眼の画像を使用しているので、認証対象検出のタイミングの観点から、第1認証(全身)と第2認証(眼)との間に顔認証を行うことが好適といえる。第3の実施形態においては、3種類の生体認証を組み合わせた生体認証装置等について説明する。
【0061】
(生体認証装置)
生体認証装置300は、図9に示すように、検出部11、第1画像入力部12、第2画像入力部13、第1認証部14、第1記憶部15、第2認証部16b、第2記憶部17a、判定部21、調整部22a、第3画像入力部31、第3記憶部32、第3認証部33を備える。尚、検出部11は外部のカメラ10に接続されている。第2認証部16bは外部の表示部20に接続されている。
【0062】
第3画像入力部31は、第1画像入力部12による画像の入力と第2画像入力部13による画像の入力との間に、検出部11が検出した所定方向に移動中の対象ユーザの顔の領域が撮影された第3画像を入力する。
【0063】
第3記憶部32は、一人以上の認証の対象となるユーザにかかる顔の特徴情報を格納する。顔の特徴情報とは、例えば、顔の中における目、鼻、口端などの特徴的な形状、位置関係等を示す特徴点を、顔特徴量として抽出したものである。
【0064】
第3認証部33は、第1認証において出力された候補情報に含まれる対象ユーザ毎に、第3画像から算出される顔の特徴情報と第3記憶部に格納される1つ以上の顔の特徴情報とを比較して第2照合スコアを算出し、算出された第2照合スコアを基に、第3記憶部から一人以上の対象ユーザの候補情報を抽出する。第3認証部33は、抽出された候補情報を、第2認証部16bへ出力する。
【0065】
第2認証部16bは、上述する第2認証部16(図1参照)、第2認証部16a(図6参照)と同様の機能を有するが、第3認証部33から入力した候補情報を基に、対象ユーザの虹彩認証を行う。
【0066】
調整部22aは、第1認証の後に第3認証を実行し、第3認証の後に第2認証を実行し、かつ、第1認証、第3認証および第2認証が、認証実行エリアの映像内における所定方向に移動中の対象ユーザを検出が可能な時間内において完了するように認証のタイミングを調整する。
【0067】
他の部の動作は第1~2実施形態と同様である。
【0068】
(生体認証装置の動作)
第3実施形態に係る生体認証装置300の動作について図10のフローチャートを参照して説明する。尚、第1記憶部15には、認証対象となりえる複数のユーザにかかる全身の特徴情報が予め格納されているものとする。第2記憶部17aには、認証対象となりえる複数のユーザにかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報が予め格納されているものとする。虹彩の特徴情報に信頼度スコアを付加した情報(図7参照)が格納されていてもよい。第3記憶部32には、認証の対象となりえる複数のユーザにかかる顔の特徴情報が予め格納されているものとする。
【0069】
ステップS301~S305、S320は、図8のステップS201~S205、S220と同様である。
【0070】
ステップS306において、検出部11は、ユーザが認証ゲートの入口から出口へ向かう方向に移動中であるか否かを検出する。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中であれば、検出部11は当該対象ユーザの顔の画像をカメラ10から取得して第3画像入力部31に出力する。検出の結果、当該入口から出口へ向かう方向に移動中でなければ、処理はステップS320へ進められ、第1認証部14が一時保持する画像および候補情報を消去後、ステップS301へ戻される。
【0071】
ステップS307において、第3画像入力部31は、対象ユーザの顔を撮影した第3画像を入力する。このとき、第3画像入力部31は、対象ユーザの画像から顔の領域を選択して、第3画像として入力してもよい。
【0072】
ステップS308において、第3認証部33は、第3画像に撮影される対象ユーザの顔の領域の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第3記憶部32に格納される顔の特徴情報とを比較して、比較結果を基に、第3記憶部32から一人以上の対象ユーザの候補情報を抽出する。
【0073】
ステップS309において、第3認証部33は、抽出された対象ユーザの候補情報を一時保持する。
【0074】
ステップS310~S314は図8のステップS206~S210と同様である。
【0075】
以上で、生体認証装置300の動作を終了する。
【0076】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態によると、第1~第2実施形態の効果に加え、第1~第2実施形態に記載の生体認証装置よりも、さらに認証精度の高い生体認証装置300を提供することができる。この理由は、第1認証(全身)と第2認証(眼)との間に第3の認証として顔認証を組み合わせるからである。更に、認証実行エリアの入口から出口までにおいて、歩容認証等(全身)、顔認証(顔)、虹彩認証(左右眼)と、対象ユーザの移動に応じて最も撮影し易い認証の配置を組み合わせた上で、調整部22aが、第1認証、第3認証、第2認証の順に、第1~3認証が、認証実行エリアの映像内における所定方向に移動中の対象ユーザを検出が可能な時間内において完了するように認証のタイミングを調整するからである。
【0077】
なお、各実施形態は、組み合わせて用いられてもよい。
【0078】
(情報処理装置)
上述した本発明の各実施形態において、図1、6、9等に示す生体認証装置における各構成要素の一部又は全部は、例えば図11に示すような情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせを用いて実現することも可能である。情報処理装置500は、一例として、以下のような構成を含む。
【0079】
・CPU(Central Processing Unit)501
・ROM(Read Only Memory)502
・RAM(Random Access Memory)503
・プログラム504および他のデータを格納する記憶装置505
・記録媒体506の読み書きを行うドライブ装置507
・通信ネットワーク509と接続する通信インターフェース508
・データの入出力を行う入出力インターフェース510
・各構成要素を接続するバス511
本願の各実施形態における生体認証装置の各構成要素は、これらの機能を実現するプログラム504をCPU501が取得して実行することで実現される。生体認証装置の各構成要素の機能を実現するプログラム504は、例えば、予め記憶装置505やRAM503に格納されており、必要に応じてCPU501が読み出す。なお、プログラム504は、通信ネットワーク509を介してCPU501に供給されてもよいし、予め記録媒体506に格納されており、ドライブ装置507が当該プログラムを読み出してCPU501に供給してもよい。
【0080】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、生体認証装置は、構成要素毎にそれぞれ別個の情報処理装置とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、生体認証装置が備える複数の構成要素が、一つの情報処理装置500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0081】
また、生体認証装置の各構成要素の一部又は全部は、その他の汎用または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現される。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。
【0082】
生体認証装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0083】
生体認証装置の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0084】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出する検出手段と、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力する第1画像入力手段と、
一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段と、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較し、比較結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する第1認証手段と、
前記検出手段に検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力する第2画像入力手段と、
前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段と、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と前記第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象を認証し、認証結果を出力する第2認証手段
とを備える認証装置。
[付記2]
前記検出手段が前記対象による前記所定方向以外への移動を検出すると、前記第1画像入力手段および第2画像入力手段は前記対象にかかる画像の入力を中止する
付記1に記載の認証装置。
[付記3]
前記第1画像を含む情報を基に、前記第2画像が前記対象の左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を左右情報として前記第2画像に紐付けて出力する判定手段
を更に備え、
前記第2認証手段は、前記左右情報に紐付けされた前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と当該左右情報に対応する前記第2記憶手段に格納される1つ以上の特徴情報とを比較して前記照合スコアを算出する
付記1または付記2に記載の認証装置。
[付記4]
前記第2記憶手段は、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報、および、当該一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の信頼度スコアを格納し、
前記第2認証手段は、前記照合スコアを基に前記対象を特定し、前記第2記憶手段から前記対象に対応する前記信頼度スコアを取得し、前記照合スコアに前記信頼度スコアを重み付けした重み照合スコアを算出する
付記1に記載の認証装置。
[付記5]
前記第2認証手段は、前記信頼度スコアを示す値が高い方の目を優先して、前記重み照合スコアを算出する
付記1、付記3、付記4のいずれかに記載の認証装置。
[付記6]
前記判定手段は、前記第1画像における前記対象の顔の領域に所定のテンプレートを適用して、前記2画像が前記対象の左眼または右眼のいずれに対応するかを判定する
付記3に記載の認証装置。
[付記7]
前記第1認証手段による第1認証の後に前記第2認証手段が第2認証を実行し、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出手段が検出可能な時間内において完了するように調整する調整手段
を更に備える付記1に記載の認証装置。
[付記8]
前記第1画像入力手段による画像の入力と前記第2画像入力手段による画像の入力との間に、前記検出手段に検出された前記所定方向に移動中の前記対象の顔が撮影された第3画像を入力する第3画像入力手段と、
前記一人以上の認証される対象にかかる顔の特徴情報を格納する第3記憶手段と、
前記第1認証手段が出力する前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第3画像から算出される顔の特徴情報と前記第3記憶手段に格納される1つ以上の顔の特徴情報とを比較し、比較結果を基に、前記第3記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する第3認証手段
とを更に備える付記1に記載の認証装置。
[付記9]
前記調整手段は、前記第1認証手段による第1認証の後に前記第3認証手段が第3認証を実行し、前記第3認証の後に前記第2認証手段が第2認証を実行し、かつ、前記第1認証、前記第3認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出手段が検出可能な時間内において完了するように調整する
付記7に記載の認証装置。
[付記10]
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力する
ことを備える認証方法。
[付記11]
前記検出において、前記対象による前記所定方向以外への移動を検出すると、前記対象にかかる第1画像および第2画像の入力を中止する
付記10に記載の認証方法。
[付記12]
前記第1画像を含む情報を基に、前記第2画像が前記対象の左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を左右情報として前記第2画像に紐付けて出力すること
を更に備え、
前記第2認証においては、前記左右情報に紐付けされた前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と当該左右情報に対応する前記第2記憶手段に格納される1つ以上の特徴情報とを比較して前記照合スコアを算出する
付記10または付記11に記載の認証方法。
[付記13]
前記第2記憶手段は、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報、および、当該一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の信頼度スコアを格納し、
前記第2認証においては、前記照合スコアを基に前記対象を特定し、前記第2記憶手段から前記対象に対応する前記信頼度スコアを取得し、前記照合スコアに前記信頼度スコアを重み付けした重み照合スコアを算出する
付記10に記載の認証方法。
[付記14]
前記第2認証においては、前記信頼度スコアを示す値が高い方の目を優先して、前記重み照合スコアを算出する
付記10、付記12、付記13のいずれかに記載の認証方法。
[付記15]
前記判定においては、前記第1画像における前記対象の顔の領域に所定のテンプレートを適用して、前記2画像が前記対象の左眼または右眼のいずれに対応するかを判定する
付記12に記載の認証方法。
[付記16]
前記第1認証の後に前記第2認証が実行され、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象の前記検出が可能な時間内において完了するように調整する
ことを更に備える付記10に記載の認証方法。
[付記17]
前記第1画像の入力と前記第2画像の入力との間に、前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の顔が撮影された第3画像を入力し、
前記第1認証において出力された前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第3画像から算出される顔の特徴情報と前記一人以上の認証される対象にかかる顔の特徴情報を格納する第3記憶手段に格納される1つ以上の顔の特徴情報とを比較して第2照合スコアを算出し、算出された前記第2照合スコアを基に、前記第3記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する
ことを更に備える付記10に記載の認証方法。
[付記18]
前記調整においては、前記第1認証の後に前記第3認証を実行し、前記第3認証の後に前記第2認証を実行し、かつ、前記第1認証、前記第3認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出が可能な時間内において完了するように調整する
付記16に記載の認証方法。
[付記19]
所定エリアの映像内において所定方向に移動中の認証の対象を検出し、
検出された前記対象の全身が撮影された第1画像を入力し、
前記第1画像に撮影される前記対象の全身の画像から特徴情報を算出し、算出された特徴情報と、一人以上の認証される対象にかかる全身の特徴情報を格納する第1記憶手段に格納される前記全身の特徴情報とを比較して第1認証を行い、当該第1認証の結果を基に、前記第1記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出し、
前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の右眼および左眼の少なくとも片方の虹彩を撮影した第2画像を入力し、
前記候補情報に含まれる対象毎に、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報を格納する第2記憶手段に格納される1つ以上の虹彩の特徴情報と前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報とを比較して照合スコアを算出し、算出された照合スコアを基に、前記第2画像に撮影される前記対象の第2認証を行い、認証結果を出力する
ことをコンピュータに実現させる認証プログラムを格納する記憶媒体。
[付記20]
前記検出において、前記対象による前記所定方向以外への移動を検出すると、前記対象にかかる第1画像および第2画像の入力を中止する
付記19に記載の記憶媒体。
[付記21]
前記第1画像を含む情報を基に、前記第2画像が前記対象の左眼のものか右眼のものかを判定し、判定結果を左右情報として前記第2画像に紐付けて出力すること
を更に備え、
前記第2認証においては、前記左右情報に紐付けされた前記第2画像から算出される虹彩の特徴情報と当該左右情報に対応する前記第2記憶手段に格納される1つ以上の特徴情報とを比較して前記照合スコアを算出する
付記19または付記20に記載の記憶媒体。
[付記22]
前記第2記憶手段は、前記一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の虹彩の特徴情報、および、当該一人以上の認証される対象にかかる右眼および左眼の信頼度スコアを格納し、
前記第2認証においては、前記照合スコアを基に前記対象を特定し、前記第2記憶手段から前記対象に対応する前記信頼度スコアを取得し、前記照合スコアに前記信頼度スコアを重み付けした重み照合スコアを算出する
付記19に記載の記憶媒体。
[付記23]
前記第2認証においては、前記信頼度スコアを示す値が高い方の目を優先して、前記重み照合スコアを算出する
付記19、付記21、付記22のいずれかに記載の記憶媒体。
[付記24]
前記判定においては、前記第1画像における前記対象の顔の領域に所定のテンプレートを適用して、前記2画像が前記対象の左眼または右眼のいずれに対応するかを判定する
付記21に記載の記憶媒体。
[付記25]
前記第1認証の後に前記第2認証が実行され、かつ、前記第1認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象の前記検出が可能な時間内において完了するように調整する
ことを更に備える付記19に記載の記憶媒体。
[付記26]
前記第1画像の入力と前記第2画像の入力との間に、前記検出された前記所定方向に移動中の前記対象の顔が撮影された第3画像を入力し、
前記第1認証において出力された前記候補情報に含まれる対象毎に、前記第3画像から算出される顔の特徴情報と前記一人以上の認証される対象にかかる顔の特徴情報を格納する第3記憶手段に格納される1つ以上の顔の特徴情報とを比較して第2照合スコアを算出し、算出された前記第2照合スコアを基に、前記第3記憶手段から一人以上の前記対象の候補情報を抽出する
ことを更に備える付記19に記載の記憶媒体。
[付記27]
前記調整においては、前記第1認証の後に前記第3認証を実行し、前記第3認証の後に前記第2認証を実行し、かつ、前記第1認証、前記第3認証および前記第2認証が、前記所定エリアの映像内における前記所定方向に移動中の前記対象を前記検出が可能な時間内において完了するように調整する
付記25に記載の記憶媒体。
【0085】
以上、本実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 カメラ
11 検出部
12 第1画像入力部
13 第2画像入力部
14 第1認証部
15 第1記憶部
16 第2認証部
16a 第2認証部
16b 第2認証部
17 第2記憶部
17a 第2記憶部
20 表示部
21 判定部
22 調整部
22a 調整部
31 第3画像入力部
32 第3記憶部
33 第3認証部
100 生体認証装置
200 生体認証装置
300 生体認証装置
500 情報処理装置
501 CPU
503 RAM
504 プログラム
505 記憶装置
506 記録媒体
507 ドライブ装置
508 通信インターフェース
509 通信ネットワーク
510 入出力インターフェース
511 バス
507 ドライブ装置
508 通信インターフェース
509 通信ネットワーク
510 入出力インターフェース
511 バス
図1
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