(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】エレベータシステム
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20221206BHJP
【ＦＩ】
B66B1/18 N
【請求項の数】
4
(21)【出願番号】P 2021125601
(22)【出願日】2021-07-30
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】須藤 豪
(72)【発明者】
【氏名】小村 章
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開２０２１－０３８０３２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１５－２０２９２５（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６６Ｂ １／００－ １／５２
Ｂ６６Ｂ ３／００－ ３／０２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部と、を備え、
前記顔検出部は、前記撮像画像内に１人目の顔を検出して顔データを生成した場合、検出してから所定時間の間顔検出処理を継続し、前記所定時間内に２人目以後の顔を検出する都度、検出された顔の顔データを生成し、
前記出力部は、前記１人目の利用者の顔の顔データと、前記所定時間内に検出された全ての顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部に出力し、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う、
エレベータシステム。
【請求項2】
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部と、を備え、
前記出力部は、前記撮像画像から検出された顔のそれぞれについて、生成された顔データに基づいて前記撮像画像上における顔の大きさを推定し、前記撮像画像上で最も大きい顔の顔データと、前記撮像画像上で最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部に出力し、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う、
エレベータシステム。
【請求項3】
エレベータの割当結果を表示する表示部を備え、前記割当部は、前記グループ割当を行った際、各デフォルト行先階の階名を前記表示部に表示させる、
請求項１または２に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
エレベータの割当結果を表示する表示部を備え、前記割当部は、前記グループ割当を行った際、その旨の案内を前記表示部に表示させる、
請求項１または２に記載のエレベータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エレベータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１は、複数台のエレベータと乗場行先階登録装置を備えたエレベータシステムを開示している。このエレベータシステムでは、複数人の利用者で形成されるグループのうちの１人の利用者が乗場行先階登録装置で利用者数及び行先階を入力することにより、グループを形成する複数人の利用者を同じ号機に割り当てることが可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許５０８７２８１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、グループを形成する複数人の利用者がエレベータを利用する際の利便性を向上させるエレベータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のエレベータシステムは、
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部と、を備え、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部と、を備え、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、グループを形成する複数人の利用者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態１におけるエレベータシステムを備えたビル（建物）の各階における機器配置を示した概略平面図である。
【図2】エレベータシステムの構成を示したブロック図である。
【図3】行先階登録装置の電気的構成を示したブロック図である。
【図4】行先階登録装置の外観を模式的に示した正面図である。
【図5】群管理制御装置の記憶部に格納されている利用者ＤＢの構成を示す図である。
【図6】行先階登録装置の動作を説明したフローチャートである。
【図7】利用案内情報の表示の一例を示した図である。
【図8A】割当結果情報及びグループ登録情報の表示の一例を示した図である。
【図8B】割当結果情報及びグループ登録情報の表示の一例を示した図である。
【図8C】割当結果情報の表示の一例を示した図である。
【図8D】割当結果情報の表示の一例を示した図である。
【図8E】エラー情報の表示の一例を示した図である。
【図9】群管理制御装置の動作を説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0009】
【0010】
図１では、エレベータシステムが、１号機～６号機の６台（複数台の一例）のエレベータ６０Ａ～６０Ｆを備えている例を示す。エレベータの利用者は、エレベータ乗場からエレベータ６０Ａ～６０Ｆに乗車する。以下では、エレベータ６０Ａ～６０Ｆを区別せずに「エレベータ６０」という場合がある。
【0011】
各階床のエレベータ乗場またはその近傍の建物壁面には、行先階登録装置３０が配置されている。行先階登録装置３０は各階床に複数台配置されてもよい。
【0012】
【0013】
エレベータシステムは、複数台のエレベータ６０Ａ～６０Ｆと、これらのエレベータ６０Ａ～６０Ｆの運行を統合的に制御する群管理制御装置１０と、各エレベータに対応させて設けられたエレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆと、各階に配置される行先階登録装置３０とを備える。
【0014】
エレベータシステムは、かごへの乗車前に利用者に行先階を予め登録させる行先階登録方式を採用している。群管理制御装置１０は、乗車前に登録された行先階に関する呼び（行先階呼び）を、複数台のエレベータ６０のうちのいずれかの号機（エレベータ）に割り当てて、割り当てた号機を示す情報を、行先階登録装置３０に表示させ、これにより、割り当てた号機に利用者を乗車させる。
【0015】
各エレベータ６０（６０Ａ～６０Ｆ）は、かご、巻上機（モータ）、釣合おもり等を有する。
【0016】
１－２－２．群管理制御装置
群管理制御装置１０は、エレベータ６０Ａ～６０Ｆの運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置１０は、行先階登録装置３０との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）等のＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークに接続されている前述の各装置は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送（情報伝送）が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
群管理制御装置１０は、エレベータ６０Ａ～６０Ｆの運行を統合的に制御する。また、群管理制御装置１０は、行先階登録装置３０との間で通信を行いながら、各号機に対する新規の呼びの割当制御を行う。各装置は、情報伝送可能なネットワークを介して接続されている。ネットワークは、例えばＥｔｈｅｒｎｅｔ（登録商標）等のＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークに接続されている前述の各装置は、ＴＣＰ／ＩＰ等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送（情報伝送）が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
【0017】
群管理制御装置１０は、コンピュータを利用して構成され、制御部１１と、記憶部１２と、入出力インタフェース１３と、を備える。
【0018】
記憶部１２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の群管理制御装置１０の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0019】
制御部１１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部１１は、記憶部１２から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置１０における後述する各種の機能を実現する。
【0020】
入出力インタフェース１３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース１３は、群管理制御装置１０が、行先階登録装置３０、及びエレベータ制御装置４０との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース１３は、制御部１１から出力される信号を所定の形式の信号に変換して、行先階登録装置３０、エレベータ制御装置４０に出力する。また、入出力インタフェース１３は、行先階登録装置３０、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆから入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部１１に出力する。
【0021】
１－２－３．エレベータ制御装置
エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、エレベータ６０Ａ～６０Ｆに対応させて設けられている。エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、群管理制御装置１０からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆの巻上機（モータ）等の動作を制御することにより、エレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置１０に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆを区別せずに「エレベータ制御装置４０」という場合がある。
エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、エレベータ６０Ａ～６０Ｆに対応させて設けられている。エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、群管理制御装置１０からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆの巻上機（モータ）等の動作を制御することにより、エレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆは、対応するエレベータ６０Ａ～６０Ｆのかごの位置、走行方向、ドアの開閉、荷重等のかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報等を群管理制御装置１０に出力する。なお、以下では、エレベータ制御装置４０Ａ～４０Ｆを区別せずに「エレベータ制御装置４０」という場合がある。
【0022】
エレベータ制御装置４０は、群管理制御装置１０などと同様に、制御部、記憶部、入出力インタフェースなどを備えたコンピュータを利用して構成される。
【0023】
【0024】
行先階登録装置３０は、利用者による行先階の登録（指定）を受け付ける装置である。行先階登録装置３０は、図４に示すようなタブレット形状を有するコンピュータを利用して構成され、図３に示すように、制御部３１と、記憶部３２と、入出力インタフェース３３と、表示部３４と、顔認証用カメラ３５とを備える。
【0025】
記憶部３２は、例えばＲＡＭ、ＲＯＭ、ＨＤＤ、ＳＳＤ等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施の形態の行先階登録装置３０の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
【0026】
制御部３１は、例えばＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成される。制御部３１は、記憶部３２から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置３０における後述する各種の機能を実現する。
【0027】
入出力インタフェース３３は、例えばＬＡＮアダプタ等を利用して構成される。ＬＡＮは、有線ＬＡＮ、無線ＬＡＮのいずれであってもよい。入出力インタフェース３３は、行先階登録装置３０が群管理制御装置１０との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース３３は、制御部３１から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置１０に出力する。また、入出力インタフェース３３は、群管理制御装置１０から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部３１に出力する。
【0028】
表示部３４は、制御部３１から出力される表示信号に基づく画像等の表示を行う。表示部３４は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ＥＬディスプレイパネルを利用して構成される。
【0029】
顔認証用カメラ３５は、表示部３４の上方に配置され、カメラ前方の所定画角領域の被写体を所定フレームレート、所定解像度で撮像するとともに、撮像された画像（撮像画像）の画像データを生成し、生成した画像データを制御部３１に出力する。顔認証用カメラ３５は、撮像部の一例である。所定画角領域は、行先階の登録を行おうとする２人または３人程度の利用者が行先階登録装置３０の前にいる際に、各利用者の顔を撮像可能な画角に設定されている。所定解像度は、顔認証の際の顔検出及び顔照合を適切に行うことができる解像度であればどのような解像度でもよいが、例えばＨＤ、ＦＨＤ、４Ｋなどの解像度とすることができる。フレームレートは、どのようなレートでもよいが、例えば１５ｆｐｓや３０ｆｐｓとすることができる。
【0030】
図５は、群管理制御装置１０の記憶部１２に格納されている利用者ＤＢの構成を示す図である。
【0031】
利用者ＤＢは、利用者の顔データに紐付けて、デフォルト行先階を記録している。これらの情報の利用者ＤＢへの登録は例えばエレベータ管理者やビル管理者により行われる。
【0032】
「顔データ」は、利用者の顔認証において利用されるデータである。「顔データ」は、利用者の顔を区別できるデータである限り、顔の画像データ（顔画像データ）であってもよいし、顔の特徴点データ（顔特徴点データ）であってもよいが、以下では「顔データ」が顔特徴点データである場合について説明する。顔特徴点データとは、例えば、目、眉、鼻、口などの位置、形状や、顔の輪郭などの特徴を示すデータである。顔特徴点データは、利用者ＤＢへの登録のために利用者から提供された顔写真や、登録のために撮像された利用者の顔画像データに基づいて生成することができる。
【0033】
「デフォルト行先階」は、利用者などによって予め指定された行先階である。例えば利用者の居住階などがデフォルト行先階として設定される。
【0034】
図５に示す例では、顔データ１に紐付けて、デフォルト行先階として“１２”が登録され、顔データ２に紐付けて、デフォルト行先階として“１５”が登録されている。残りの顔データについても同様に、顔データに紐付けて、デフォルト行先階が登録されている。
【0035】
２．エレベータシステムの動作
エレベータシステムの動作について、フローチャートを参照してより詳しく説明する。
エレベータシステムの動作について、フローチャートを参照してより詳しく説明する。
【0036】
図６は、行先階登録装置３０の動作を説明したフローチャートである。
【0037】
行先階登録装置３０の制御部３１は、表示部３４に利用案内情報を表示させる（Ｓ１０）。
【0038】
【0039】
図６に戻り、行先階登録装置３０の制御部３１は、顔認証用カメラ３５から出力される撮像画像に顔が含まれているか否かを判断する（Ｓ１１）。具体的には、撮像画像の画像データに対して顔検出処理を行う。なお、制御部３１は、撮像画像に含まれる顔を所定個検出できる。所定個は、任意に設定可能であるが、例えば３個である。
【0040】
撮像画像に顔が含まれていない場合（Ｓ１１でＮＯ）、つまり顔が検出されなかった場合、行先階登録装置３０の制御部３１は、ステップＳ１１の処理を再度実行する。
【0041】
撮像画像に顔が含まれている場合（Ｓ１１でＹＥＳ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、出発階と、検出した全ての顔の顔データを含む割当依頼信号を生成して群管理制御装置１０に送信する（Ｓ１２）。出発階としては当該行先階登録装置３０の設置階が利用される。ここでの「顔データ」は、利用者の顔を区別できるデータである限り、顔の画像データ（顔画像データ）であってもよいし、顔の特徴点データ（顔特徴点データ）であってもよいが、以下では「顔データ」が、顔特徴点データであるものとして説明する。送信用の顔データ（顔特徴点データ）は、ステップＳ１１で顔が含まれていると判断された際に撮像画像を解析することにより取得される。顔特徴点データを群管理制御装置１０に送信することにより、群管理制御装置１０では撮像画像の画像データから顔特徴点データを取得する処理が不要となる。
【0042】
行先階登録装置３０の制御部３１は、群管理制御装置１０から行先階配列、割当号機名、及びグループフラグｇｒｐＦＧを含む割当結果信号を受信したか否かを判断する（Ｓ１３）。行先階配列は、行先階の値を格納する関数であり、複数個の行先階各々の値を格納することができる。行先階の値は、例えば１、２、３などの数値で示される。
【0043】
割当結果信号を受信した場合（Ｓ１３でＹＥＳ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、グループフラグｇｒｐＦＧが“ＹＥＳ”であるか否かを判断する（Ｓ１４）。グループフラグｇｒｐＦＧが“ＹＥＳ”であることは、複数の利用者についてグループ登録が行われたことを意味する。
【0044】
グループフラグｇｒｐＦＧが“ＹＥＳ”である場合（Ｓ１４でＹＥＳ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、表示部３４に割当結果情報とグループ登録情報を一定時間表示させる（Ｓ１５）。一定時間は、表示内容を利用者が適切に認識可能な時間であり、例えば３秒である。割当結果情報は、行先階及び割当号機を示す情報である。グループ登録情報は、グループを形成する複数人の利用者の全ての行先階をいずれか１台のエレベータ（号機）にまとめて割り当てたことを示す情報である。以下では、このような割当を「グループ割当」という。
【0045】
図８Ａ、図８Ｂは、割当結果情報及びグループ登録情報の表示の一例を示した図である。図８Ａでは、右側の顔画像表示領域Ａ１に、顔検出された利用者の顔画像が表示され、左側のメッセージ表示領域Ａ２に、割当結果情報及びグループ登録情報が表示される場合について例示している。本例では、２人の利用者の顔が検出された例を示している。検出された各顔に重畳して、検出したことを示す矩形のフレームが表示されている。割当結果情報としては、行先階と割当号機の情報が表示される。図８Ａでは、行先階（デフォルト行先階）が１２階、割当号機が１号機である場合について例示している。グループ登録情報として、「グループ登録」という文字が表示されている。
【0046】
図８Ｂでは、顔検出された２人の利用者の行先階が異なる例を示している。顔検出された複数の利用者の行先階（デフォルト行先階）が異なる場合、各行先階が表示される。本例では、１人の利用者の行先階（デフォルト行先階）が１２階、もう１人の利用者の行先階（デフォルト行先階）が１５階である例を示している。
【0047】
グループフラグｇｒｐＦＧが“ＹＥＳ”でない場合（Ｓ１４でＮＯ）、つまりｇｒｐＦＧが“ＮＯ”である場合、行先階登録装置３０の制御部３１は、表示部３４に割当結果情報を一定時間表示させる（Ｓ１６）。グループフラグｇｒｐＦＧが“ＮＯ”であることは、グループ登録でないことを意味するため、ステップＳ１５とは異なり、「グループ登録」という文字を表示させない。一定時間は、表示内容を利用者が適切に認識可能な時間であり、例えば３秒である。
【0048】
図８Ｃ、図８Ｄは、割当結果情報の表示の一例を示した図である。グループフラグｇｒｐＦＧが“ＮＯ”となるのは、例えば、図８Ｃに示すように、顔検出され、かつ顔認証が成功した利用者が１人である場合や、図８Ｄに示すように、顔検出された利用者が複数人であるが、そのうちの少なくとも１人について顔認証が成功した場合である。図８Ｄでは、顔検出された２人のうち１人について顔認証が成功しなかった例を示す。この場合、行先階については顔認証が成功した利用者の行先階（デフォルト行先階）のみが表示される。
【0049】
ステップＳ１３において、割当結果信号を受信していない場合（Ｓ１３でＮＯ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、群管理制御装置１０からエラー信号を受信したか否かを判断する（Ｓ１７）。
【0050】
エラー信号を受信していない場合（Ｓ１７でＮＯ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、ステップＳ１３の判断に戻る。
【0051】
エラー信号を受信した場合（Ｓ１７でＹＥＳ）、行先階登録装置３０の制御部３１は、表示部３４にエラー情報を一定時間表示させる（Ｓ１８）。エラー情報とは、顔認証を行った利用者にエレベータを割り当てることができないことを報知するための情報である。一定時間は、表示内容を利用者が適切に認識可能な時間であり、例えば３秒である。
【0052】
図８Ｅは、エラー情報の表示の一例を示した図である。図８Ｅでは、２人の利用者の顔が検出されたが、２人とも顔認証が成功せずに、エラー情報として「お客様はエレベータをご利用できません」と表示された場合を例示している。
【0053】
図９は、群管理制御装置１０の動作を説明したフローチャートである。このフローチャートに基づく処理は、各行先階登録装置３０について実行される。つまり、各行先階登録装置３０について並列処理される。
【0054】
群管理制御装置１０の制御部１１は、行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信したか否かを判断する（Ｓ３１）。
【0055】
行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信していない場合（Ｓ３１でＮＯ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、ステップＳ３１の判断を再度実行する。
【0056】
行先階登録装置３０から割当依頼信号を受信した場合（Ｓ３１でＹＥＳ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、割当依頼信号に含まれる顔データの数を顔データ数Ｎとして設定する（Ｓ３２）。
【0057】
群管理制御装置１０の制御部１１は、グループ利用者数ｎｐｓｇを０に初期化するとともに、カウンタｉを１に初期化する（Ｓ３２）。グループ利用者数ｎｐｓｇは、グループとして同時に割り当てる利用者の数である。カウンタｉは、処理中利用者数（処理中顔データ数）のカウンタである。
【0058】
群管理制御装置１０の制御部１１は、割当依頼信号に含まれるｉ個目の顔データに所定程度以上一致する顔データが利用者ＤＢに登録されているか否かを判断する（Ｓ３４）。つまり、割当依頼信号に含まれる顔データに係る顔について顔認証を行う。なお、この判断のための顔データの比較においては、公知の種々の方法を利用することができる。例えば、割当依頼信号に含まれる顔データ（顔特徴点データ）と、利用者ＤＢに登録されている各顔データ（顔特徴点データ）とを順次比較（照合）して一致率を求める。そして、割当依頼信号に含まれる顔データに対して所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されているかを判断する。所定一致率以上の一致率を有する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合、群管理制御装置１０の制御部１１は、割当依頼信号に含まれる顔データ（顔特徴点データ）に係る利用者（顔検出された利用者）が、利用者ＤＢに登録されている利用者であると判断し、顔認証が成功したと判断する。
【0059】
ｉ個目の顔データに所定程度以上一致する顔データが利用者ＤＢに登録されている場合（Ｓ３４でＹＥＳ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、グループ利用者数ｎｐｓｇに１を加算する（Ｓ３５）。
【0060】
群管理制御装置１０の制御部１１は、利用者ＤＢから、登録されている顔データに紐付けられているデフォルト行先階を取得し、行先階として行先階配列に格納する（Ｓ３６）。
【0061】
群管理制御装置１０の制御部１１は、カウンタｉに１を加算する（Ｓ３７）。
【0062】
ステップＳ３４において、ｉ個目の顔データに所定程度以上一致する顔データが利用者ＤＢに登録されていない場合（Ｓ３４でＮＯ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、上記ステップＳ３７を実行する。
【0063】
群管理制御装置１０の制御部１１は、カウンタｉの値が顔データ数Ｎよりも大きいか否かを判断する（Ｓ３８）。
【0064】
カウンタｉの値が顔データ数Ｎよりも大きくない場合（Ｓ３８でＮＯ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、ステップＳ３４以後の処理を繰り返す。
【0065】
カウンタｉの値が顔データ数Ｎよりも大きい場合（Ｓ３８でＹＥＳ）、つまり、全ての顔データについて処理が終わった場合、群管理制御装置１０の制御部１１は、グループ利用者数ｎｐｓｇが０であるか否かを判断する（Ｓ３９）。
【0066】
グループ利用者数ｎｐｓｇが０である場合（Ｓ３９でＹＥＳ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、エラー信号を割当依頼信号の送信元の行先階登録装置３０に送信し（Ｓ４０）、ステップＳ３１の処理に戻る。割当依頼信号の送信元の行先階登録装置３０の特定は、割当依頼信号に行先階登録装置３０の装置ＩＤなどを含ませることなどにより適宜行うことができる。
【0067】
グループ利用者数ｎｐｓｇが０でない場合（Ｓ３９でＮＯ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、グループ利用者数ｎｐｓｇが１であるか否かを判断する（Ｓ４１）。
【0068】
グループ利用者数ｎｐｓｇが１である場合（Ｓ４１でＹＥＳ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、グループフラグｇｒｐＦＧに“ＮＯ”を設定する。
【0069】
群管理制御装置１０の制御部１１は、行先階配列に格納された単一（１個）の行先階をいずれか１台の号機（エレベータ）に割り当てる（Ｓ４３）。この割当を行う際の割当方法としては、乗場行先階登録方式における公知の割当方法を適宜利用することができる。
【0070】
ステップＳ４１において、グループ利用者数ｎｐｓｇが１でない場合（Ｓ４１でＮＯ）、群管理制御装置１０の制御部１１は、グループフラグｇｒｐＦＧに“ＹＥＳ”を設定する（Ｓ４４）。
【0071】
群管理制御装置１０の制御部１１は、行先階配列に格納された全ての行先階をいずれか１台の号機（エレベータ）にまとめて割り当てる（Ｓ４５）。つまり、グループ割当を行う。具体的に、群管理制御装置１０の制御部１１は、例えば、行先階配列に格納された全ての行先階をいずれか１台のエレベータに割り当てた場合における当該エレベータにおける待ち時間の総和またはサービス完了時間の総和を求めることを、各エレベータについて行い、求められた待ち時間の総和またはサービス完了時間の総和が最も小さいエレベータに、行先階配列に格納された全ての行先階を実割当する。この割当方法によれば、エレベータの運行効率に悪影響を与えることを抑制しつつ、行先階配列に格納された全ての行先階をいずれか１台のエレベータに割り当てることができる。なお、行先階配列に格納された全ての行先階でなく、全ての行先階のうち任意の１個の行先階のみをいずれか１台のエレベータに割り当てた場合における当該エレベータにおける待ち時間の総和またはサービス完了時間の総和を求めることを、各エレベータについて行い、求められた待ち時間の総和またはサービス完了時間の総和が最も小さいエレベータに、行先階配列に格納された全ての行先階を実割当してもよい。この割当方法によれば、群管理制御装置１０の制御部１１における演算量を軽減することができ、割当速度が向上する。
【0072】
ステップＳ４３またはＳ４５の実行後、群管理制御装置１０の制御部１１は、行先階配列、割当号機名、グループフラグｇｒｐＦＧを含む割当結果信号を割当依頼信号の送信元の行先階登録装置に送信し（Ｓ４６）、ステップＳ３１の処理に戻る。
【0073】
３．作用／効果等
本実施の形態の作用／効果等について説明する。本実施の形態のエレベータを利用する場合、まず利用者は行先階登録装置３０の前に行く。行先階登録装置３０は、顔認証用カメラ３５で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を一定時間間隔で繰り返し行っており、顔を検出すると、顔データを生成して、出発階（当該行先階登録装置３０の設置階）に関する情報、生成した顔データを含む割当依頼信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、受信した割当依頼信号に含まれる顔データのそれぞれについて、所定程度以上一致する顔データが利用者ＤＢに登録されているか否かを判断し、登録されている場合、登録されている顔データに紐付けられているデフォルト行先階のデータを利用者ＤＢから取得する。
本実施の形態の作用／効果等について説明する。本実施の形態のエレベータを利用する場合、まず利用者は行先階登録装置３０の前に行く。行先階登録装置３０は、顔認証用カメラ３５で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を一定時間間隔で繰り返し行っており、顔を検出すると、顔データを生成して、出発階（当該行先階登録装置３０の設置階）に関する情報、生成した顔データを含む割当依頼信号を群管理制御装置１０に送信する。群管理制御装置１０は、受信した割当依頼信号に含まれる顔データのそれぞれについて、所定程度以上一致する顔データが利用者ＤＢに登録されているか否かを判断し、登録されている場合、登録されている顔データに紐付けられているデフォルト行先階のデータを利用者ＤＢから取得する。
【0074】
ここで、本実施の形態のエレベータシステムでは、複数人の利用者の顔が撮像画像から検出された場合、これらの利用者をいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てる（グループ割当する）。複数人の利用者の顔が撮像画像から検出されるのは、これらの利用者が友人、同僚、知り合いなど、一定の近しい関係を有する人々（グループ）である可能性が高い。そのため、複数の顔が撮像画像から検出された場合には、これらの利用者をいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行うものである。このようなグループ割当により、近しい関係を有する利用者が別々のエレベータに割り当てられることが抑制され、利用者にとって利便性の高い割当が実現される。また、本割当方法では、利用者間の関係などをデータベースなどで予め登録する必要がないため、システムの複雑化を抑制しつつ、上記の効果を得ることができる。
【0075】
また、撮像画像から検出された複数人の利用者を１台のエレベータにグループ割当した際には、行先階登録装置３０の表示部３４に「グループ登録」というグループ登録情報が表示される。そのため、これらの利用者が安心して１台のエレベータに乗車することができる。これに対し、検出された顔のうち少なくとも一つの顔が利用者ＤＢに登録されていないときは、「グループ登録」というグループ登録情報が表示されないので、これらの利用者が、グループ登録がなされなかったことを認識できる。
【0076】
また、本実施の形態のエレベータシステムによれば、行先階登録装置３０での顔認証により行先階の登録を行うので、テンキーなどへのタッチ操作等を行う必要がなくなって、ウイルスや細菌などによる感染症への感染を抑制できる。
【0077】
（その他の実施の形態）
【0078】
前記実施の形態では、撮像画像に複数の顔が含まれる例として、図８Ｂに示す画像を例示したが、グループを形成する複数人の利用者は、少しずつずれたタイミングで顔認証用カメラ３５の画角内に入ってくることがある。例えば、グループを形成する複数人の利用者のうちまず１人目の利用者の顔が検出されたタイミングの少し後で、２人目の利用者が顔認証用カメラ３５の画角内に入ってきて顔が検出される場合があり得る。このような場合には、これら２人の利用者を１台のエレベータにグループ割当を行うことが好ましい。これを実現するために、ステップＳ１１で１人目の利用者の顔が検出された際に、すぐにステップＳ１２の処理を行うのではなく、１人目の利用者の顔の検出後の所定時間の間（例えば１秒～２秒間）、顔検出処理を継続し、所定時間内に２人目以後の顔を検出する都度、検出された顔の顔データを生成し、所定時間経過後に、ステップＳ１２の処理を行うようにしてもよい。つまり、１人目の利用者の顔の顔データと、所定時間内に検出された全ての顔の顔データとを含む割当依頼信号を群管理制御装置１０に送信するようにしてもよい。これにより、グループを形成する複数人の利用者が少しずつずれたタイミングで顔認証用カメラ３５の画角内に入ってきた場合でも、これらの複数の利用者を１台のエレベータにグループ割当することができる。
【0079】
また、制御部３１は、撮像画像から複数の顔が検出された場合に、一部の顔の顔データのみを割当依頼信号に含めるようにしてもよい。例えば、撮像画像から複数の顔が検出された場合に、撮像画像上で最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の利用者のみをグループを形成する利用者とみなし、最も大きい顔の顔データと、最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の顔データとのみを割当依頼信号に含めるようにしてもよい。グループを形成する利用者の立ち位置は比較的近い位置関係になりやすいため、これらの利用者について検出される顔の大きさは、最も大きい顔に対して、所定大きさ比率以上の大きさとなる可能性が高い。これに対し、グループを形成しない利用者の立ち位置は、グループを形成する利用者から比較的離れた位置になりやすいため、グループを形成しない利用者の顔の大きさは、撮像画像上において、グループを形成する利用者の顔よりも小さくなると考えられる。この他の実施の形態では、撮像画像上で最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の利用者についてのみグループを形成する利用者とみなすことにより、グループを形成する利用者のみが１台のエレベータにまとめて割り当てられる（グループ割当される）可能性が高くなる。ここで、所定大きさ比率は、例えば同僚などの比較的近しい関係にある利用者が接近したときの距離などに基づいて設定すればよい。所定大きさ比率は、例えば７０％である。なお、顔認証用カメラ３５のレンズの画角を考慮して、所定大きさ比率を設定してもよい。レンズの画角が大きくなると、遠近強調効果により、画像上での顔の大きさの差がより顕著となるため、所定大きさ比率を小さくしてもよい。
【0080】
前記実施の形態では、利用者ＤＢは群管理制御装置１０の記憶部１２に格納されているが、ビルによっては、顔認証を利用したセキュリティシステムが設けられる場合がある。このようなセキュリティシステムは、通常、顔認証用の顔データなどを格納するデータベースを有する。そのため、このデータベースの顔データに紐付けて、デフォルト行先階のデータを登録しておき、群管理制御装置１０は、このデータベースからデフォルト行先階のデータを取得するようにしてもよい。
【0081】
前記実施の形態では、行先階登録装置３０が各階床のエレベータ乗場またはその近傍の建物壁面に配置される例を示したが、ビルにセキュリティゲートが設けられる場合には、セキュリティゲートにも行先階登録装置３０を配置してもよい。この場合、群管理制御装置１０における顔認証結果に基づいて、セキュリティゲートのフラッパの開閉を制御するようにしてもよい。
【0082】
前記実施の形態では、「顔データ」が顔特徴点データである場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。「顔データ」は、顔の画像データであってもよい。画像データの形式は、ｂｍｐ形式、ｊｐｇ形式、ｇｉｆ形式などどのような形式であってもよい。「顔データ」を画像データとする場合には、利用者ＤＢにおける「顔データ」として、顔の画像データを登録すればよい。行先階登録装置３０は、図６のステップＳ１２において、「顔データ」として顔の画像データを含む割当依頼信号を群管理制御装置１０に送信する。顔の画像データは、例えば、ステップＳ１１で顔が含まれていると判断された際に撮像画像から取得される。群管理制御装置１０は、割当依頼信号を受信すると、ステップＳ３４において、割当依頼信号に含まれる顔データ（顔の画像データ）のそれぞれについて、所定程度以上一致する顔データ（顔の画像データ）が利用者ＤＢに登録されているか否かを判断する。他の処理については、実施の形態１と同様の処理を行えばよい
【0083】
前記各実施の形態では、各装置の制御部は、ＣＰＵ、ＭＰＵ等を利用して構成され、記憶部から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。つまり、各制御部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。しかし、各制御部は、例えば、ハードウェア（電子回路）のみ、ＦＰＧＡ、ＡＳＩＣ等を利用して構成されてもよい。
【0084】
前記各実施の形態では、ネットワークはＥｔｈｅｒｎｅｔであり、各装置の入出力インタフェースはＬＡＮアダプタ等を利用して構成されている。しかし、これは一例であり、ネットワークは、例えばＩＥＥＥ規格に準拠した無線ＬＡＮで構成され、入出力インタフェースは無線ＬＡＮアダプタ等で構成されてもよい。
【0085】
前記各実施の形態において、本発明の複数の態様を説明した。しかし、本発明の具体的態様は、上述した実施の形態に限られず、これらを組み合わせたものとすることもできる。
【0086】
（実施の形態についてのまとめ及び効果等）
（１）実施の形態のエレベータシステムは、
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部（例えば、顔認証用カメラ３５）と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部（例えば、群管理制御装置１０の記憶部１２に格納されている利用者ＤＢ）と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）と、を備え、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータ（６０）のうちののいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
（１）実施の形態のエレベータシステムは、
利用者の乗車前にその行先階を複数台のエレベータのうちのいずれかのエレベータに割り当てるエレベータシステムであって、
行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部（例えば、顔認証用カメラ３５）と、
前記撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）と、
顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部（例えば、群管理制御装置１０の記憶部１２に格納されている利用者ＤＢ）と、
行先階をエレベータに割り当てる割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）と、
前記顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を前記割当部に出力する出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）と、を備え、
前記割当部は、前記割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、前記記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を前記複数台のエレベータ（６０）のうちののいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
【0087】
この構成により、グループを形成する複数人の利用者がエレベータを利用する際の利便性を向上させることができる。
【0088】
（２）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
前記顔検出部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記撮像画像内に１人目の顔を検出して顔データを生成した場合、検出してから所定時間の間顔検出処理を継続し、前記所定時間内に２人目以後の顔を検出する都度、検出された顔の顔データを生成し、
前記出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記１人目の利用者の顔の顔データと、前記所定時間内に検出された全ての顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）に出力する。
前記顔検出部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記撮像画像内に１人目の顔を検出して顔データを生成した場合、検出してから所定時間の間顔検出処理を継続し、前記所定時間内に２人目以後の顔を検出する都度、検出された顔の顔データを生成し、
前記出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記１人目の利用者の顔の顔データと、前記所定時間内に検出された全ての顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）に出力する。
【0089】
この構成により、グループを形成する複数人の利用者が少しずつずれたタイミングで顔認証用カメラ３５の画角内に入ってきた場合でも、これらの複数の利用者を１台のエレベータにまとめて割り当て（グループ割当）することができる。
【0090】
（３）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
前記出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記撮像画像から検出された顔のそれぞれについて、生成された顔データに基づいて前記撮像画像上における顔の大きさを推定し、前記撮像画像上で最も大きい顔の顔データと、前記撮像画像上で最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）に出力する。
前記出力部（例えば、行先階登録装置３０の制御部３１）は、前記撮像画像から検出された顔のそれぞれについて、生成された顔データに基づいて前記撮像画像上における顔の大きさを推定し、前記撮像画像上で最も大きい顔の顔データと、前記撮像画像上で最も大きい顔に対して所定大きさ比率以上の大きさを有する顔の顔データとを含む割当依頼信号を前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）に出力する。
【0091】
この構成により、グループを形成する利用者のみが１台のエレベータにまとめて割り当てられる（グループ割当される）可能性が高くなる。
【0092】
（４）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
エレベータの割当結果を表示する表示部（例えば、行先階登録装置３０の表示部３４）を備え、
前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）は、前記グループ割当を行った際、各デフォルト行先階の階名を前記表示部に表示させる。
エレベータの割当結果を表示する表示部（例えば、行先階登録装置３０の表示部３４）を備え、
前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）は、前記グループ割当を行った際、各デフォルト行先階の階名を前記表示部に表示させる。
【0093】
この構成により、グループ割当対象の各利用者が自己の行先階について認識することができる。
【0094】
（５）実施の形態のエレベータシステムにおいて、
エレベータの割当結果を表示する表示部（例えば、行先階登録装置３０の表示部３４）を備え、
前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）は、前記グループ割当を行った際、その旨について認識することができる。
エレベータの割当結果を表示する表示部（例えば、行先階登録装置３０の表示部３４）を備え、
前記割当部（例えば、群管理制御装置１０の制御部１１）は、前記グループ割当を行った際、その旨について認識することができる。
【0095】
この構成により、グループ割当対象の各利用者がその旨について認識することができる。
【符号の説明】
【0096】
１０ 群管理制御装置
１１ 制御部
１２ 記憶部
１３ 入出力インタフェース
３０ 行先階登録装置
３１ 制御部
３２ 記憶部
３３ 入出力インタフェース
３４ 表示部
３５ 顔認証用カメラ
４０、４０Ａ～４０Ｆ エレベータ制御装置
６０、６０Ａ～６０Ｆ エレベータ
１１ 制御部
１２ 記憶部
１３ 入出力インタフェース
３０ 行先階登録装置
３１ 制御部
３２ 記憶部
３３ 入出力インタフェース
３４ 表示部
３５ 顔認証用カメラ
４０、４０Ａ～４０Ｆ エレベータ制御装置
６０、６０Ａ～６０Ｆ エレベータ
【要約】
【課題】グループを形成する複数人の利用者がエレベータを利用する際の利便性を向上させる。
【解決手段】エレベータシステムは、行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、行先階をエレベータに割り当てる割当部と、顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を割当部に出力する出力部と、を備え、割当部は、割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
【選択図】図８Ｂ
【解決手段】エレベータシステムは、行先階を登録しようとする利用者を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された撮像画像に対して顔検出処理を行い、検出された顔の顔データを生成する顔検出部と、顔認証用顔データに紐付けてデフォルト行先階を利用者毎に予め記憶する記憶部と、行先階をエレベータに割り当てる割当部と、顔検出部で生成された顔データを含む割当依頼信号を割当部に出力する出力部と、を備え、割当部は、割当依頼信号に複数の顔データが含まれている場合、記憶部において各顔データに所定程度以上一致する顔認証用顔データに紐付けて記憶されている各デフォルト行先階を複数台のエレベータのうちのいずれか１台のエレベータにまとめて割り当てるグループ割当を行う。
【選択図】図８Ｂ
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】