(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】カーテンウォールと、そのようなカーテンウォールのセットおよび施工方法
(51)【国際特許分類】
E04B 2/96 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
E04B2/96
(21)【出願番号】P 2019514152
(86)(22)【出願日】2017-05-02
(86)【国際出願番号】 BE2017000027
(87)【国際公開番号】W WO2017201589
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-02
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】518416997
【氏名又は名称】クレイズ, ステファニー キャサライナ アール.
(73)【特許権者】
【識別番号】518417008
【氏名又は名称】クレイズ, ローレンス レオナード ジェイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】518417019
【氏名又は名称】クレイズ, ナウシカアー エルス ピー.
(74)【代理人】
【識別番号】100097319
【氏名又は名称】狩野 彰
(72)【発明者】
【氏名】クレイズ, エリック
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03266210(US,A)
【文献】中国実用新案第205153232(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第10223038(DE,A1)
【文献】特開2014-009573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切り形状部(5)と、横木形状部(14)と、および一枚以上のパネル(4)と、を含むカーテンウォールであって、前記仕切り形状部(5)が垂直方向に延び、前記横木形状部(14)はそれぞれ2本の仕切り形状部(5)に取り付けられて水平方向に延び、前記仕切り形状部(5)は、パネル(4)の側縁(33)を受容する溝(9、10)を各側に備え、前記溝(9、10)はアクセス開口(12)を有し、前記アクセス開口は、水平方向に第1の寸法(A1)を有し、前記横木形状部(14)は、水平方向および前記横木形状部(14)の輪郭方向に対して直角に第2の寸法(A3)を有し、前記第2の寸法(A3)は、前記第1の寸法(A1)よりも大きく、前記横木形状部(14)は、非水平方向および輪郭方向に対して直角に第3の寸法(A4)を有し、前記第3の寸法(A4)は、前記第1の寸法(A1)よりも小さい、カーテンウォールにおいて、
前記横木形状部(14)は、輪郭方向に延びるアンダーカット溝(30)と、前記アンダーカット溝(30)に挿通されるロッド(32)と、を備え、前記仕切り形状部(
5)は、前記アンダーカット溝(30)を超えて突出する前記ロッド(32)の端部を受容する第2の溝(13)を備えており、これによって、前記横木形状部(14)の回転運動を阻止し、予め組み立てられたシール片(28、29)は、前記横木形状部(14)の両端部に密着して摺動し、各シール片は、対向する
2本の仕切り形状部(5)の前記溝(9、10)に密封的に固定され、それによって、前記横木形状部(14)の前記両端部と対応する前記仕切り形状部(5)との間にシールを形成することを特徴とするカーテンウォール(1)。
【請求項16】
仕切り形状部(5)が垂直方向に配置され、横木形状部(14)が2本の仕切り形状部(5)の間に水平に配置されるカーテンウォール(1)を施工する方法であって、
ステップA)前記横木形状部(14)は、仕切り形状部(5)によって画定された垂直面内で非水平方向に保持され、前記横木形状部(14)の輪郭方向に平行な軸上の前記横木形状部(14)の所望の端部方向に対して回転され、
ステップB)前記横木形状部(14)は、前記仕切り形状部(5)によって画定された垂直面内で水平に配置され、
ステップC)前記横木形状部(14)は、前記軸の所望の端部方向に回転される一方、前記横木形状部(14)は、水平方向に維持され、
ステップD)前記横木形状部(14)のアンダーカット溝(30)内のロッド(32)を、仕切り形状部(5)の第2の溝(13)にシフトさせて前記軸周りの前記横木形状部の回転を阻止すること、
を順次行うことにより、この横木形状部(14)が配置されることを特徴とする請求項1から11までのいずれか1つに記載のカーテンウォール(1)を施工する方法。
【請求項17】
ステップCにおいて、ヘッド(53)と、前記ヘッド(53)に取り付けられたレバー(54)を有するツール(52)を使用し、前記ヘッド(53)の形状が前記横木形状部(14)の形状と相補的であり、前記ヘッド(53)は、ステップCにおいて前記横木形状部(14)に嵌合され、前記レバー(54)を介して前記横木形状部(14)に回転力が印加されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォール(a curtain wall)と、そのようなカーテンウォールのセットおよび施工方法(a set and construction method for such a curtain wall)に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールは、閉鎖されたパネルもまた可能ではあるが、通常はガラスパネルであるパネルが非耐荷重外壁(a non-load-bearing outer wall)を形成するために配置可能な仕切り形状部(mullion profiles)と横木形状部(transom profiles)とから構成される構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知のカーテンウォールの欠点は、仕切り形状部と横木形状部が、外側から組み立てられて形状部の構造(a structure of the profiles)を形成するように設計されていることである。また、パネルは外部から設置する必要がある。これは、特に、施工をある程度の高さで行わなければならない時には複雑であり、足場や吊り下げ式の作業プラットフォームが必要で、この作業を行う人にとっては危険であり、その下を通る人々にとっても危険である。
【0005】
等間隔に床があるので、内側からパネルを設置すれば、ずっと簡単で安全である。
【0006】
また、既知の仕切り形状部および横木形状部のシステムは、多数の構成部品を必要とし、それらを組み立てるためには多数の動作が必要である。
【0007】
米国特許第3,266,210号明細書から、カーテンウォール構造が仕切り形状部の間に取り付けられた横木形状部で、仕切り形状部と横木形状部の組み立てを内部から行なうということは既知である。
【0008】
この既知の構造では、横木は仕切り内で所定の位置にスナップ留めされるので、不都合なことに、横木が緩んで悲惨な結果を伴う場合もある。
【0009】
この既知の構造のもう1つの重要な欠点は、公差の問題が解決しないことである。
【0010】
カーテンウォールの場合、2種類の公差を区別することができる。1つは、製造時の精度に関連する制限による製造公差、そしてもう1つは、現場での設置の際の施工公差である。
【0011】
さらに、横木形状部は、その端部を仕切り形状部の間に取り付けて、一方で横木形状部の熱膨張を許容し、他方では、コンクリートまたは鋼構造では避けられず、固有の特徴である建物の差分沈下を許容しなければならない。
【0012】
しかし、このことは仕切りと横木との間を水密に接続することはできず、これにより、ファサード(a facade)では明らかに許容できない漏れを生じることがある。
【0013】
前記カーテンウォール構造は、横木を回転させることによる特殊な組み立て方法のため、仕切りと横木の間をシールすることはない。この方法は、シールをその場所に適用するだけの十分な空間を提供しない。
【0014】
さらに、金属と金属の接続を考えると、また、避けられない金属製の横木の熱膨張と収縮を考えると、弾性キット(an elastic kit)を使用したシールはその場所に耐久性のある解決策を提供することはできない。
【0015】
さらに、この構造は、製造および組立において避けられないような公差を許容しない。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の目的は、上記した欠点および他の欠点に対する解決策を提供することであり、よって、仕切り形状部と、横木形状部と、および1枚以上のパネルと、を備えたカーテンウォールであって、前記仕切り形状部が垂直方向に延び、前記横木形状部はそれぞれ2本の仕切り形状部に取り付けられて水平方向に延び、前記仕切り形状部は、パネルの前記側縁を受容する溝を各側に備え、前記溝はアクセス開口(an access opening)を有し、前記アクセス開口は、水平方向に第1の固定寸法または幅(a first fixed dimension or width)または第1の寸法を有し、前記横木形状部は、前記横木形状部の水平方向および前記横木形状部の輪郭方向(the profile direction)に対して直角に第2の寸法(a second dimension)を有し、前記第2の寸法は、前記第1の寸法よりも大きく、前記横木形状部は、非水平方向および輪郭方向に対して直角に第3の寸法(a third dimension)を有し、前記横木形状部の前記端部は、前記第3の寸法の方向が水平となる前記横木形状部の回転状態で前記アクセス開口を通るように、前記第3の寸法は前記第1の寸法よりも小さく、前記横木形状部は、輪郭方向に延びるアンダーカット溝(an undercut groove)と、前記アンダーカット溝に挿入されたロッドとを備えており、前記仕切り形状部は、前記アンダーカット溝から突出する前記ロッドの端部を受容する第2の溝を備えており、これによって、前記横木形状部の回転運動を阻止し、予め組み立てられたシール片(28、29)は、前記横木形状部(14)の両端部に密着して摺動し、各シール片は、対向する2枚の仕切り形状部(5)の前記溝(9、10)に密封的に固定され、それによって、前記横木形状部(14)の前記両端部と対応する前記仕切り形状部(5)との間にシールを形成する。ここで、仕切り形状部は、一体型の部品または複数の接続された着脱不可な部分形状部(a sub-profile)であり、上記したアクセス開口の幅に対して固定されたサイズを形成する。
【0017】
このようなカーテンウォールは、内側から多くの動作を必要とせずに簡単に組み立てることができる。なぜなら、上記した特徴により、長手軸のまわりの溝内に横木形状部を配置でき、その後、回転によって簡単に所望の配向として、横木形状部を溝内に固定することができる。
【0018】
本発明に係るカーテンウォールの利点は、カーテンウォールの組み立て中に、横木形状部が、取り付け時とは逆方向に回転することによって、仕切り形状部との間から外れないように防ぐロッドまたはスラット(a rod or slat)が単にシフトするだけで、横木形状部を固定することができることである。
【0019】
好ましい実施形態では、前記溝の1つ以上の壁は、前記横木形状部の部位が配置された凹部を備えており、前記横木形状部は、前記凹部の底縁(a bottom edge)によって垂直方向に支持される。
【0020】
これは、追加の取り付け具を必要とせずに、前記横木形状部を前記仕切り形状部に固定する簡単な方法である。さらに、このようなサスペンションにより、横木形状部が、カーテンウォールの応力を受け入れるのに望ましい遊びを輪郭方向に持つことができるようになる。
【0021】
さらに別の好ましい実施形態では、前記横木形状部は、上方向を向き、前記横木形状部の内側に配置された第1の垂直脚部(a first vertical leg)と、下方向を向き、前記横木形状部の外側に位置する第2の垂直脚部(a second vertical leg)と、前記第1と第2の脚部の間の水平中間部位(a horizontal intermediate section)を有するZ字形状部(Z-profiles)である。
【0022】
垂直脚部により、十分な剛性が得られる一方で、水平中間部位により、横木形状部の上にパネルを設置するのに十分な空間を確保できる。
【0023】
横木の回転を妨げるためのロッドを含む上記のアンダーカット溝は前記第2の脚部の内側に設けられていることが好ましい。
【0024】
これにより、カーテンウォールを組み立てるときに、内側から、即ち、カーテンウォールが組み立てられるフロアから、ロッドを簡単にシフトすることができる。
【0025】
好ましくは、前記仕切り形状部と前記横木形状部は複合形状部(composite profiles)であり、それぞれが2つ以上の部分形状部から構成されており、前記部分形状部は必ずしも同じ材料で作られている必要はない。
【0026】
これにより、例えば、断熱性のプラスチック製の形状部(insulating plastic profiles)によって接続された、アルミニウムの外側と内側の部分形状部とを用いて、良好な断熱性が達成される。
【0027】
好ましくは、前記仕切り形状部の異なる側面上の前記溝は、異なる深さを有する。
【0028】
また、これにより、パネルを最も深い溝にシャッフルしてから、それを所望の配向にシフトさせ、さらに浅い溝に向かって摺入することによって、パネルを内側から配置することも可能である。
【0029】
好ましくは、前記パネルはガラスパネルである。
【0030】
さらに別の好ましい実施形態では、水のバリア(a barrier for water)は、前記仕切り形状部上の前記横木形状部の固定点に設けられ、前記バリアは、この水を前記横木形状部に迂回するように構成され、前記横木形状部は、この水を前記カーテンウォールの外部に排水するために構成されている。
【0031】
ここでは、カーテンウォールの外部が大気の影響にさらされる側である。
【0032】
利点は、仕切り形状部に水の排水開口(water drainage openings)を設ける必要がないことであるが、カーテンウォールの浸透水は、従来のカーテンウォールとは異なり、各ファサード面に対して個別に排気することができる。従来のカーテンウォールでは、複数のファサード面にわたって浸透水を回収および排水することができる。
【0033】
また、これにより、各パネルに対する仕切り形状部の垂直および水平シールが生じるため、起こりうるすべての水漏れを、その特定パネル、あるいは、その特定のパネルの周囲にある仕切り形状部または横木形状部の配置に関する問題に確実に割り当てることにより、問題の発見と解決を大いに容易にすることができる。
【0034】
従来のカーテンウォールでは、水は横木形状部から仕切り形状部に導かれ、そこから排水されるが、本発明によるカーテンウォールは、個々のパネルからの水を仕切り形状部から横木形状部に別々に誘導し、その水をそこから排水するように設計されている。
【0035】
好ましくは、前記溝は、水平断面において長方形であり、それらのアクセス開口は考慮されない。これにより、溝の形状を防水性バリアの形状に容易に嵌合させることができ、良好な防水性を確保することができるとともに、横木形状部とともに容易にそのようなバリアを設置することができる。
【0036】
好ましくは、前記横木形状部は、前記水を前記カーテンウォールの外側に排出するように設計される。なぜなら、横木形状部、または横木形状部に取り付けられた別の形状部、例えば、ガラス押し縁(glazing beads)などが、水を外に排水するための排水開口を備え、これらの排水開口は、仕切り形状部から離れた位置に配置されている。好ましくは、この距離は10mmから300mmの間である。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、前記横木形状部は、前記水を迂回させる前記横木形状部の前記部位が、水平または外側に傾斜して配置されるように設計され、前記横木形状部は一体型に構成された部分形状部を含み、前記部分形状部は、前記水を迂回させる前記部位の一部である。前記部分形状部は、前記部位の内側に直立した縁を備える。
【0038】
前記部位は一体型のアルミ製であり、よって耐水性(waterproof)である。直立した縁のおかげで、前記横木形状部に少量の水が入っても、この量が縁を超えて上昇しない限り、内側への漏れは防止される。
【0039】
さらに別の好ましい実施形態では、前記バリアは、予め組み立てた可撓性のプラスチック製またはゴム製のシール片(a sealing piece)によって形成され、ここでは、前記シール片は、取付け前に前記横木形状部の端部に配置される。前記仕切り形状部と前記シール片の形状は互いに適合されて、上記した取り付け点の位置における前記横木形状部と前記仕切り形状部との間に水密接続を確立する。
【0040】
このようなシール片は、そのようなバリアを得るための実用的な方法であり、時間の経過とともに耐久性があり、カーテンウォールのあらゆる可能性のある小さな動きに対応することができる。
【0041】
これにより、前記予め組み立てられたシール片は、前記横木形状部の端部に密着して摺動し、各シール片は、対向する2枚の仕切りの上記したアンダーカット溝に密封的に嵌合し、それによって、前記横木形状部の両端部と対応する前記仕切り形状部との間にシールを形成する。
【0042】
このようにして、仕切り形状部と横木形状部の端部との間の遊びを水密に密封することができる。実際に、このような遊びは、前記横木形状部の避けられない収縮および膨張に適応するために本来備わっている必要がある。
【0043】
予め組み立てられた取り付け具シール片によって、仕切りの間に横木形状部を取り付けるときに、追加の動作を必要とせずに、自動的に仕切り形状部と横木形状部との間の接続が行われる。
【0044】
さらに好ましい実施形態では、前記シール片は、変形可能な中空チャンバ(an elastic deformable hollow chamber)を備え、そのシール片が取り付けられる前記横木形状部を容易に配置できるように構成されている。
【0045】
この変形可能なチャンバのおかげで、シール片は、設置中に変形可能である。小さい空間が仕切り形状部の溝内にあれば、前記横木を前記仕切りの間に取り付けるときに、これらの溝の内部でシール形状部が回転できるので設置が容易となり、必要なシールを確保するためには、組み立て後にシール片がこれらの溝の幅を充填できなければいけないという事実が促進される。
【0046】
さらに好ましい実施形態では、前記横木形状部の2つの端部の各々にシール片が設けられている。横木形状部のシール片の少なくとも1つ、好ましくは1つが前記横木形状部上で、好ましくは少なくとも1mm以上12mm以下の距離だけこの横木形状部の輪郭方向に摺動可能であり、小さな動きに適応することができる。
【0047】
風や時間の経過の影響を受けて、カーテンウォールに小さな変形が発生することがある。これらが、破損につながる高い応力を発生させないようにするためには、前記摺動性は望ましい。
【0048】
したがって、仕切りと横木との間のシール片の防水性を損なうことなく、横木形状部の長さの避けられない差を収容することができる。
【0049】
好ましくは、前記シール片は、前記横木形状部の輪郭方向に垂直な平坦端壁(a flat endwall)を含み、前記端壁は前記横木形状部の輪郭方向に完全に閉じており、前記端壁は、仕切り形状部に支えられるので、前記横木形状部の前記端部は前記シール片に完全に収容される。
【0050】
さらに別の好ましい実施形態では、前記シール片は、前記横木形状部の輪郭方向に垂直な平坦端壁を含み、前記端壁は前記横木形状部の輪郭方向に完全に閉じており、前記端壁は、仕切り形状部、より具体的には、仕切り形状部の溝の底部に支えられる。
【0051】
これにより、発生しうる浸透水がシール片を通過して下方へ浸みこむことが防止される。
【0052】
さらに別の好ましい実施形態では、前記仕切り形状部および前記横木形状部は長方形開口を画定し、1枚以上のパネルは前記開口に配置されてこれらの開口を閉鎖し、前記1枚以上のパネルは、第1の取り付け補助手段(first attachment aids)によって上記した仕切り形状部に取り付けられた第1のガラス押し縁によって固定され、前記第1の取り付け補助手段および前記仕切り形状部は前記第1の取り付け補助手段を、好ましくは定位置にスナップ留めすることによって前記仕切り形状部に固定するように構成され、前記第1の取り付け補助手段と前記第1のガラス押し縁は、前記第1のガラス押し縁を前記第1の取り付け補助手段に固定するように構成されている。
【0053】
このようにして、第1のガラス押し縁は、単に適所にスナップ留めすることによって簡単に取り付けることができる。これにより、パネルを内部から嵌合させることができる。
【0054】
また、これにより、第1のガラス押し縁の配置可能性がすでに提供されているので、仕切り形状部の設計においてより大きな自由度を可能にする。第1の取り付け補助手段は、パネルの設置前に既に取り付けられていてもよく、ガラス押し縁は後で取り付けることができ、したがって、ガラス押し縁の接続の可能性を直接仕切り形状部に限定することができる。
【0055】
さらに別の好ましい実施形態では、前記第1の取り付け補助手段はプラスチック製であり、前記第1のガラス押し縁はアルミニウム製である。
【0056】
比較的高価なアルミニウムではなく、プラスチック製の第1の取り付け補助手段を使用することによってコストを節約することができる。
【0057】
さらに好ましい実施形態では、前記第1の取り付け補助手段および上記した仕切り形状部は、前記第1の取り付け補助手段を前記仕切り形状部に対し該パネルの面に垂直な方向にスナップ留めするように設計されており、前記第1の取り付け補助手段と前記第1のガラス押し縁は、前記第1のガラス押し縁を前記第1の取り付け補助手段に対し、前記それぞれのパネルの面と平行な方向にスナップ留めするように構成されている。
【0058】
さらに別の好ましい実施形態では、前記第1の取り付け補助手段は、前記第1のガラス押し縁の長さの一部のみにわたって延びる形状部である。
【0059】
さらに別の好ましい実施形態において、前記第1のガラス押し縁は、各々、距離を隔てて配置された少なくとも2つの第1の取り付け補助手段によって、仕切り形状部に各々固定される。
【0060】
さらに別の好ましい実施形態では、上記した仕切り形状部および前記第1のガラス押し縁のうちの1つ以上は、前記第1のガラス押し縁が、それぞれのパネルから離れる方向に側面を向けて、仕切り形状部に支えられるように設計される。
【0061】
さらに別の好ましい実施形態では、1枚以上のパネルは、第2の取り付け補助手段によって上記した横木形状部に取り付けられた第2のガラス押し縁によって固定される。前記第2の取り付け補助手段と1本以上の前記横木形状部は、前記第2の取り付け補助手段を前記横木形状部に取り付けるように構成され、前記第2の取り付け補助手段と前記第2のガラス押し縁は、前記第2のガラス押し縁を前記第2の取り付け補助手段にスナップ留めするように構成されている。
【0062】
したがって、第1のガラス押し縁および仕切り形状部に関して言及した利点は、横木形状部および第2のガラス押し縁にも適用することができる。
【0063】
また、本発明は、カーテンウォールを施工するためのセットに関する。ここで、前記セットは、2本以上の仕切り形状部と、2本以上の横木形状部とを含み、前記仕切り形状部は外側、内側、および2つの側面を有する。前記仕切り形状部は、各側にパネルの前記側縁を受容する溝を備え、前記溝はアクセス開口を有し、前記アクセス開口は、水平方向の第1の寸法を有し、前記横木形状部は前記横木形状部の輪郭方向に対して垂直な水平方向の第2の寸法を有し、前記第2の寸法は、前記第1の寸法よりも大きく、前記横木形状部は、非水平方向および輪郭方向に対して直角の第3の最大寸法を有し、前記第3の寸法は、前記第1の寸法よりも小さく、前記横木形状部(14)は、輪郭方向に延びるアンダーカット溝(30)と、アンダーカット溝(30)に挿入されたロッド(32)と、を備えており、前記仕切り形状部(5)は、前記アンダーカット溝(30)から突出する前記ロッド(32)の端部を受容する第2の溝(13)を備えており、これによって、横木形状部(14)のあらゆる回転運動を阻止する。
【0064】
このようなセットは、上述のような同様の利点を有するカーテンウォールに容易に組み立てることができる。
【0065】
好ましい実施形態では、また、前記セットは、ヘッドと、前記ヘッドに取り付けられたレバーとを有するツールを含み、ここで、前記ヘッドの形状は、前記横木形状部の形状に相補的であるため、前記ヘッドは、前記横木形状部にぴったりと嵌合することができる。
【0066】
ここで、レバーは、ヘッドが横木形状部に嵌め込まれるときに、レバーは横木形状部の輪郭方向に対して直角の方向のレバーであり、よって、そのレバーのおかげで横木形状部に回転力が印加されるように、ヘッドに取り付けられている。
【0067】
本発明はさらに、仕切り形状が垂直方向に配置されたカーテンウォールの施工方法に関するものであって、そこでは、一対の隣接した仕切り形状部間に、横木形状部が、その片側を上方に突出するようにして水平に配置され、この横木形状部は次のステップを順次行うことによって配置される。
【0068】
ステップA)前記横木形状部は、仕切り形状部によって画定された垂直面内で非水平方向に保持され、横木形状部の輪郭方向に平行な軸上の横木形状部の所望の端部方向に対して回転される。
ステップB)横木形状部は、仕切り形状部によって画定された垂直面内で水平に配置される。
ステップC)横木形状部は、前記軸の所望の端部方向に回転され、横木形状部は、水平方向に維持される。
ステップD)横木形状部(14)のアンダーカット溝(30)内のロッド(32)を、仕切り形状部(5)の第2の溝(13)にシフトさせて前記軸周りの横木形状部の回転を阻止する。
【0069】
横木形状部の最終的な方向、すなわち、どちらが上に来るべきかは、本発明に外部的に付与され、カーテンウォール設計から続くものとする。
【0070】
好ましい変形実施例では、ステップCにおいて、前記横木形状部は、この目的のために、前記仕切り形状部に設けられた凹部にスナップ留めされる。
【0071】
好ましい変形実施例では、ステップCにおいて、ヘッドおよび前記ヘッドに取り付けられたレバーを有するツールが使用され、前記ヘッドの形状は前記横木形状部の形状に相補的であり、前記ヘッドは前記横木形状部に嵌合され、前記レバーを介して、回転力は前記横木形状部に印加されることができる。
【0072】
以上の記載では、水平方向、垂直方向、内側面、外側面、側面などの方向への参照は、組み立てられた状態での方向として考慮される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明による好ましい構成について、以下に示す図面を限定的な意味を持たずに参照して、実施例を用いて以下に記載する。
【0074】
【
図1】本発明によるカーテンウォールの外観を概略的に表す図である。
【
図2】
図1のカーテンウォールを線II-IIに沿って切った概略断面図であり、両方の図中、明確に示すために部品を省略している。
【
図3】
図1のカーテンウォールを線II-IIに沿って切った概略断面図であり、両方の図中、明確に示すために部品を省略している。
【
図4】
図1のカーテンウォールの線IV-IVに沿って切った概略断面図である。
【
図5】
図1のカーテンウォールの線V-Vに沿って切った概略断面図である。
【
図6】
図1のカーテンウォールの一部を概略的に表し、
図1のカーテンウォールの製造手順におけるステップを示す図である。
【
図7】
図6のステップの結果をF7に従って図の中で概略的に表す図である。
【
図8】
図1のカーテンウォールの一部を概略的に表し、
図1のカーテンウォールの製造プロセスにおけるステップを概略的に示す図である。
【
図9】
図1のカーテンウォールの一部を示す概略斜視図である。
【
図10】
図1のカーテンウォールの一部を示す概略斜視図である。
【
図11】
図1のカーテンウォールの製造プロセスにおける次のステップを示す概略斜視図である。
【
図12】
図5に類似した、
図1のカーテンウォールの製造プロセスにおける次のステップを示す概略断面図である。
【
図13】
図1のカーテンウォールの製造手順における次のステップを概略的に示す側面図である。
【
図14】
図1のカーテンウォールの製造手順における次のステップを概略的に示す上面図である。
【
図15】
図1のカーテンウォールの製造手順における次のステップを概略的に示す側面図である。
【
図16】
図1のカーテンウォールの製造手順における次のステップを概略的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1~
図5に示すカーテンウォール1は、水平横木3が取り付けられた垂直仕切り2の構造で構成されている。仕切り2と横木3によって形成された開口では、パネルは、必ずしもそうでなくてもよいが、この実施例ではガラスパネル4であり、仕切り2および横木3にそれらの縁部が収まるように配置されている。
【0076】
仕切り2は、56mmの幅B1を有する仕切り形状部5によって形成される。仕切り形状部5は、
図6の断面図では別々に示されている。
【0077】
垂直仕切り形状部5は、4つの部分形状部、即ち、内側にアルミニウム製の管状部分形状部6、外側にアルミニウム製の部分形状部7、2つのプラスチック製の断熱性の形状部8で構成されている。これらの4つの部分形状部6、7および8は、例えば、アルミニウム製の部分形状部6および7上のリップの圧延、すなわち、機械的変形によって一体構造に組み立てられ、プラスチック形状部8を挟持する。
【0078】
仕切り形状部5は、両側に横方向のアンダーカット溝を有する。即ち、一方の側、
図2および
図3では右側に深い横溝9と、他方の側には浅い溝10とを有する。深い横溝9は28mmの深さD1を有し、浅い横溝9は14mmの深さD2を有する。
【0079】
両方の溝9および10は、パネル4の側縁部のための切り込み(a rabbet)11として機能する。横溝9および10のアクセス開口12は、幅54mmの水平寸法を有している。横溝9および10の最大水平寸法A2は、約76mmである。
【0080】
また、仕切り形状部5の部分形状部6、7および8は、互いに分離不能に接続されており、不可逆的な損傷を与えずして互いに分離できないことを意味する。つまり、溝9および10は、損傷せずに開くことができず、アクセス開口12の幅A1は固定された大きさとなっている。2本の横溝9および10の底部9’および10’には、狭い第2の溝13が設けられている。
【0081】
横木3は、主に、アルミニウム製のガラス押し縁15がカーテンウォール1の外側に取り付けられた横木形状部14によって形成される。横木形状部14は、
図8の断面図では別々に示されている。
【0082】
横木形状部14は、内側に第1の垂直脚部16、外側に第2の垂直脚部17、そして、両方の脚部16および17の間に部位18を有するZ字形状部である。
【0083】
横木形状部14は、合計高さH1が56mmであり、水平寸法A3が64mmである。
【0084】
水平方向から約60°ずれた傾斜方向では、横木形状部14は、
図8に示されるように、約34mmという、はるかに小さい寸法A4を有することに留意することが重要である。
【0085】
横木形状部14は、3つの部分形状部すなわち、その一部が第1の脚部16を形成するアルミニウム製の内側部分形状部19と、その一部が第2の脚部17を形成するアルミニウム製の外側部分形状部20と、プラスチック製の断熱性の形状部22とを形成する。これら3つの部分形状部19、20、および22は、例えばアルミニウム製の部分形状部19および20上のリップを圧延、すなわち、機械的に変形させることによって互いにしっかりと取り付けられて、プラスチック製の形状部22を挟持する。
【0086】
内側および外側部位形状部19および20は、それぞれ内部チャンバ23を備えている。
【0087】
図4に示されるように、ガラス押し縁15は、クリップ部21またはその他の固定具を備えており、例えばカーテンウォール1の外側の垂直脚部17に対して、それらを横木形状部14に取り付けるようになっている。
【0088】
図5から特に明らかなように、ガラス押し縁15は、仕切り形状部5からわずかに離れた場所に水の排水開口24を備える。このような排水開口24は、さらに、ガラス押し縁15内の1つ以上の他の位置に設けられてもよい。これは横木3の長さに依存する。
【0089】
横木形状部14は、仕切り形状部5に取り付けられる。なぜなら、横木形状部14の一部、より具体的には、第1および第2の脚部16および17は、仕切り形状部5の横溝9および10の壁26内の
図7および11に示された凹部25内に収まり、これら凹部25の底縁27によって垂直方向に支持されるからである。この実現方法については後述する。
【0090】
横木形状部14の端部には、ショア硬度が75であるゴム製のシール片28および29が設けられている。これらのシール片28および29は、仕切り形状部5の横溝9および10にぴったりと嵌合してこれらの溝9および10を垂直方向に密封して、発生しうる溝9および10への水の浸透を防止し、垂直バリアを構成して、いわゆるウォーターフォール原理またはカスケード排水(the so-called waterfall principle or cascade drain)で水が下層のモジュール(an underlying module)まで通り抜けずに、発生しうる浸透水が各パネル(またはファサード面)から個別に分かれて排水されるようにする。
【0091】
横木形状部14は、好ましくは、この水をカーテンウォール1の外側に排出するために設けられ、横木形状部14の上側は、例えば、カーテンウォール1の外側に向かって下向きに傾斜している。
【0092】
カーテンウォールの内側にある隆起した脚部16は、水が内側に浸透するのを防ぐ。
【0093】
これらのシール片28および29と、それらが横木形状部14に取り付けられる方法の詳細は後で説明する。これらのシール片28および29は、
図3、
図9、
図10に示されており、好ましくは、射出成形などによって単一部品で製造される。
【0094】
横木形状部14の仕切り形状部5へしっかり取り付けるために、第2の脚部17の内側にある横木形状部14にはアンダーカット溝30が設けられている。このアンダーカット溝30の一方または両方の端部はロッドであり、この実施例では、溝30内に取り付けられたアルミニウム製のスラット32を溝内で摺動させることができるようにしている。取り付けた後、スラット32は、アンダーカット溝30を越えて延びて末端が突出し、前記端部は、仕切り形状部5の第2の溝13に嵌合されて、ロックとして作用する。
【0095】
溝30とスラット32が横木形状部14の外側垂直脚部17の内側に配置されていることにより、横木形状部14は、その端位置で、溝30から仕切り形状部5の溝13にスラット32を摺動させることによって、カーテンウォール1の施工中に内側からロックすることができる。
【0096】
ガラスパネル4の側縁部33は、仕切り形状部5の外側形状部7とカーテンウォール1の内側にある垂直ガラス押し縁34との間に嵌合されることによって、仕切り形状部5の横溝9および10に固定される。このセットアップでは、ゴム製ガスケット35が、外側形状部7とガラスパネル4との間、および垂直ガラス押し縁34とガラスパネルとの間に配置される。
【0097】
ガラス押し縁は、剛性材料で作られた形状部であり、ガスケットの助けを借りて、パネル4の厚さと切り込み11の幅A1の間の遊びを調整する、あるいは、むしろ、より厚いまたはより薄いパネル間の厚さの差を調整する。これらのガラス押し縁は、設置されるパネルの厚さに調整する必要がある幅を有する。
【0098】
垂直ガラス押し縁34は、2つの変形実施例、すなわち、深い横溝9で使用される第1の変形実施例36Aと、浅い横溝10で使用される第2の変形実施例36Bで使用される第1の取り付け補助手段36によって、仕切り形状部5に取り付けられる。
【0099】
これらの第1の取り付け補助手段36は、約3cmの輪郭長を有するPVC形状部である。約60cmの距離で、それらは、仕切り形状部5上にスナップ留めされ、垂直ガラス押し縁34は、次に、第1の取り付け補助手段36上にスナップ留めされる。
【0100】
ガラス押し縁15は横木形状部14の部位18より上に特定の高さだけ突出し、横木形状部14の上方向に向けられた脚部16と共に、上側ガラスパネル4の下縁39に対して切り込み37を形成する。
【0101】
ガラスパネル4の下縁39は、
図5に示されるように、仕切り形状部5の近傍の横木形状部14の第1の脚部16に取り付けられたガラス支持体40によって支持されている。
【0102】
ガラスパネル4の下縁39は、カーテンウォール1の外側にあるガラス押し縁15と、内側にある水平ガラス押し縁42との間に嵌合される。
図4に示されるように、ガラス押し縁15とガラスパネル4との間と、水平ガラス押し縁42とガラスパネル4との間にはゴム製のガスケット35が挿入される。
【0103】
水平ガラス押し縁42は、
図4に示されるように、カーテンウォール1の内側にある第2の取り付け補助手段43によって横木形状部14に取り付けられる。
【0104】
これらの第2の取り付け補助手段43は、約3cmの輪郭長を有するPVC形状部である。それらは、約60cmの間隔で横木形状部14に取り付けられ、水平ガラス押し縁42は、第2の取り付け補助手段43上にスナップ留めされる。
【0105】
ガラスパネル4の上縁44は、カーテンウォール1の外側にあるガラス押し縁15と、ゴムガスケット35が設けられ横木形状部14上に直接スナップ留めされる、内側にある別の水平ガラス押し縁45との間に嵌合される。
【0106】
なお、一部の図では、他の部分が見えるようにするために、一部を省略している。これは特に
図2および
図3に当てはまるが、
図2では主にシール片28および29と横木形状部14の端部が省略されており、
図3では主にガラスパネル4、垂直ガラス押し縁34および垂直ガラス押し縁34の第1の取り付け補助手段36が省略されている。
【0107】
上記のようなカーテンウォール1の製造および施工は、以下の通りである。
【0108】
まず、仕切り形状部5と横木形状部14とが作成される。横木形状部14が仕切り形状部に接続されるべき位置では、仕切り形状部は、特に横溝9および10のアクセス開口12を画定する壁26に凹部25を備えている。これは
図6のハッチングによって示しており、これは、例えば、フライス加工によって、仕切り形状部5の材料が除去される場所を示す。得られた結果を
図7に示す。
【0109】
横木形状部14も作製されている。その端部では、横木形状部14の一部が約11mmの長さでフライス加工される。
図8において、ハッチングがこの部分を示している。
【0110】
これらのステップは、必ずしもそうではないが、通常は自動化されており、カーテンウォール1が組み立てられる場所に形状部5および14が搬送される前に、専用の作業場で実施される。
【0111】
次に、必要なガラス支持体40および第2の取り付け補助手段43が、この目的のために第1の脚部16内に敷設された溝に設けられている。
【0112】
続いて、端部にシール片28および29を摺動させる。これらは
図9および10に示され、2つの変形実施例、すなわち、
図9に示されるような、仕切り形状部5の浅い横溝10に嵌合させることを意図した横木形状部14の端部に配置される第1の変形実施例(28)と、
図10に示されるような、仕切り形状部5の深い横溝9に嵌合させることを意図した横木形状部14の端部に配置される第2の変形実施例(29)に存在する。
【0113】
横木に取り付けられた予め組み立てられたシール片28および29は共に、シール片28および29が嵌合する溝9および10それぞれの底部9’または10’から離れた最も低い点47に対して傾斜した面から形成された上面46を有している。また、両シール片28および29は、横木形状部14のチャンバ23に対し、対応する位置とフォーマットを有する2つのリッジ49を有する横木形状部14の端部を受け入れるための凹部48を有している。
【0114】
これらの凹部48は、シール片28および29を貫通することはない。横木形状部14、すなわち
図9および
図10の後壁に垂直な壁51は完全に閉じられている。シール片28および29は、それらが取り付けられた溝9または10の底部9’および10’に対してこれらの壁51に密封的に嵌合する。
【0115】
上面図(top view)では、シール片28および29は、横溝9および10に正確に嵌合する寸法を有する。
【0116】
また、両方のシール片28および29は、空気室50を備えており、空気室50の位置には、空気室50が変形可能になるように比較的薄い外壁が設けられている。
【0117】
第1の変形実施例によるシール片28は、例えば、接着剤によって横木形状部14上に永久的に固定されている。第2の変形実施例のシール片29は、横木形状部14上に摺動され、さらに横木形状部14上には固定されない。
【0118】
次いで、前述のアルミニウム製スラット32は、横木形状部14の両端にある第2の脚部17のアンダーカット溝30内に嵌合される。
次に、仕切り形状部5は、その所望の位置に取り付けられる。
【0119】
次に、横木形状部14は、それらが長手軸上で約60°回転され、それらが水平ではない方向を向くと、
図11に示されるように、仕切り形状部14によって画定される平面内に保持される。
【0120】
横木形状部14は、矢印Pで示されるように、現在水平方向となり、端部は、仕切り形状部5の横溝9および10に挿入される。横木形状部14の回転方向によって、これらの端部は、それらの輪郭方向を中心に回転され、これらの端部は、これらの横溝9および10のアクセス開口12に容易に嵌合させられる。
【0121】
次に、横木形状部14は、それらが所望の位置、即ち、仕切り形状部5内の凹部25になるまで下方に移動される。次に、横木形状部14は矢印Qで示されるように回転されることにより、
図12に示される状況に到達する。
【0122】
横木形状部14は、
図12に示される状況から開始してさらに回転させる必要がある。これには、比較的大きな力を必要とするので、好ましくは工具52が使用される。これは、横木形状部14に部分的に相補的な形状を有するヘッド53と、ヘッド53に取り付けられたレバー54とを有する工具52である。工具52のレバー54は矢印Q方向に移動され、
図4および
図5に示すように、横木形状部14が凹部25の端部方向を向くように配置される。
【0123】
シール片28および29、より具体的には、空気室50は、この操作の間にかなり変形するが、横木形状部14がその最終的な配向位置にあるときは、元の形状に復帰する。これにより、シール片28および29は、垂直方向の横溝9および10を完全に閉じる。
【0124】
次に、ガラス押し縁15は、カーテンウォールの外側にある横木形状部14の部分形状部20にガスケット35とともに取り付けられる。これは、クリップ21を使用してカーテンウォールの内側から簡単に行うことができる。
【0125】
ガラス支持体40は、所望の位置、即ち、仕切り形状部5から約20mmの位置に押し込まれ、第2の取り付け補助手段43は、横木形状部14の長さに亘って広がるまでシフトされ、垂直ガラス押し縁34用の第1の取り付け補助手段36は、
図13および
図14に概略的に示されるように、それらの位置にスナップ留めされる。
【0126】
ガラス押し縁は、既にゴム製のガスケット35を備えており、
図5に示されるように、ガラス支持体46上には、ネオプレンブロック55が接着されている。
【0127】
アンダーカット溝内のスラット32は、端部を第2の溝13内で摺動するまで外側へ押し出される。その後、例えば、少しの接着剤やネジなどでその位置に固定される。これで、横木形状部14は、もはや仕切り形状部5から分離することができなくなる。
【0128】
これにより、施工物にガラスパネル4を設けることができる。
【0129】
まず、第1の脚部16の上に、第1の脚部16用の凹部57を有する木製ブロック56が一時的に配置される。この上に、ガラスパネル4が傾斜した方向に配置されている。これを
図15および
図16に示す。次に、深い横溝9に嵌合するガラスパネル4の側縁33は、矢印Rによって示されるように、この横溝9に摺入される。
【0130】
次に、反対側縁33は、矢印Sによって示されるように、反対側の仕切り部5に沿って摺入される。このために、溝9の深さD1は、浅い溝10に向かうガラスパネル4の旋回動作で、ガラスパネル4をこの溝9内に十分深く摺入させ、その後、ガラスパネル4を右に摺入させるのに十分である必要があり、よって、ガラスパネル4は、両方の側縁33を溝9または10内に約10mm嵌合させる。
【0131】
次に、ガラスパネル4は、両方の横溝9および10にほぼ10mmに嵌合するように中央に配置され、その後、ネオプレンブロック55上まで下降される。これで、木製ブロック56を除去することができる。
【0132】
次に、水平および垂直ガラス押し縁34、42および45と、それらのガスケット35を適用することができる。ガラス押し縁34、42および45は、カーテンウォール1の内側に沿って、簡単に適所にスナップ留めできる。上部水平ガラス押し縁45において、これは横木形状部14上に直接的に行われる。下部水平ガラス押し縁42は、第2の取り付け補助手段43上にスナップ留めされ、これを介して横木形状部14上にスナップ留めされる。垂直ガラス押し縁34は、第1の取り付け補助手段36上にスナップ留めされ、これを介して、仕切り形状部4上に嵌合される。
【0133】
次に、
図1~
図5に示すように、最終的なカーテンウォール1が組み立てられる。
【0134】
ガラス支持体40が取り付けられ、仕切り形状部5のすぐ隣に取り付けられた部分の外側では、横木形状部14は、ガラスパネル4に対して軸受機能を持たないことに留意されたい。
【0135】
水が外側の水平ガスケット35に達すると、この水は、
図5に示すように、排水開口24を通して外側の、ガラス押し縁15内に迂回する。水が垂直ガスケット35に横溝9および10に到達すると、シール片28および29の上面46を介して横木形状部14に向けて迂回し、そこからガラスフレーム15内の排水開口24を介して外部へ排出される。
【0136】
風又は他の原因がカーテンウォール1のわずかな変形を引き起こす場合、横木形状部14は、第2の変形実施例にしたがって、シール片29へ数ミリメートルだけ摺動させることができ、これによってカーテンウォール1への応力が少なくなる。また、動作と変形は、カーテンウォール1の防水性を損なうことなく、ゴム製のシール片28および29によって吸収することができる。
【0137】
上述のような施工方法は内側から行うが外側から行ってもよい。ただし、内側からの設置の方が通常は有利である。
【0138】
本発明は、例示として記載され、図面に示される実施形態に限定されないが、本発明のカーテンウォールは、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、あらゆる種類の変形実施態様で実現することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 カーテンウォール
2 仕切り
3 横木
4 パネル
5 形状部
6 形状部
7 形状部
8 形状部
9 溝
9‘ 底部
10 溝
10‘ 底部
11 切り込み
12 アクセス開口
13 溝
14 横木形状部
15 ガラス押し縁
16 脚部
17 脚部
18 部位
19 形状部
20 形状部
21 クリップ部
22 形状部
23 内部チャンバ
24 排水開口
25 凹部
26 壁
27 底縁
28 シール片
29 シール片
30 溝
32 スラット
33 側縁部
34 ガラス押し縁
35 ガスケット
36 補助手段
37 切り込み
39 下縁
40 ガラス支持体
42 ガラス押し縁
43 補助手段
44 上縁
45 ガラス押し縁
46 上面
47 最も低い点
48 凹部
50 空気室
51 壁
52 工具
53 ヘッド
54 レバー
55 ネオプレンブロック
56 木製ブロック
57 凹部