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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】冷暖房システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20221206BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20221206BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20221206BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20221206BHJP
   F24F 13/04 20060101ALN20221206BHJP
【FI】
F24F13/02 F
F24F5/00 101B
F24F13/02 B
F24F13/02 C
F24F13/02 G
F24F13/068 A
F24F13/068 B
F24F13/06
F24F13/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021130880
(22)【出願日】2021-08-10
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】592147790
【氏名又は名称】株式会社インターセントラル
(74)【代理人】
【識別番号】100068308
【弁理士】
【氏名又は名称】後田 春紀
(72)【発明者】
【氏名】肥田 冠
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-194303(JP,A)
【文献】特開2014-134301(JP,A)
【文献】特開2018-63095(JP,A)
【文献】特開2021-32443(JP,A)
【文献】特開2004-232989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 5/00
F24F 13/068
F24F 13/06
F24F 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の底部に、断熱材を上面に配設したコンクリートスラブと、下面に床下地ボードを設置した床材との間に床下空間を形成し、前記室内のいずれか一つの壁面の前方側に、冷・温風生成機を設置する壁空間を前記コンクリートスラブ上の断熱材から天井材までの高さの仕切壁を設けて形成し、且つ該壁空間内に設置された冷・温風生成機の下方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管の上流側を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を前記仕切壁に貫通固定して床下空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側端部を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に該送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通開口部に、前記床下空間内に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、小径円筒部と有底の大径円筒部とを上下に備えてボトル状に一体成型して、前記小径円筒部上に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成され送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の上方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変
換器の両側外周面および底部と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの上面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その上方部をわずかに残して挿入して、該上方部をダクト上方に露出させ、前記上方部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を上方へ押し上げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置のコンクリートスラブに立設固定された2本の金属製支持杆の上端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの起立片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の上方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを起立片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記起立片に圧着固定すると共に、該起立片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の水平気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への垂直気流に変換し、該各気流方向変換器から床下地ボードの下面に、前記噴射口を介して垂直に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、該床下地ボードからの熱伝導により床材全面を平均してむらなく冷却または加温して、該床材から生じる冷輻射または温輻射で室内の床輻射冷暖房を行うと共に、前記床材を冷却また加温した後の冷風または温風を前記床材に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側を前記冷・温風生成機の上方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側を前記仕切壁の上方側に開口した還流開口部に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の上方部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。
【請求項2】
室内の上方部において、天井用コンクリートスラブの下面の断熱材と天井材との間に天井空間を形成し、且つ前記室内のいずれか一つの壁面の室内側に、冷・温風生成機を設置する壁空間を床材から天井材までの高さの仕切壁を設けて形成し、且つ壁空間に設置された冷・温風生成機の上方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備え、且つ直角に折曲した直方体状の送気延長管の上流側端部を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を前記仕切壁に貫通固定して天井空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に前記送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通固定部に、前記天井空間に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風精製機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、有底の大径円筒部と小径円筒部とを上下に備えて逆ボトル状に一体成型して、前記小径円筒部下端に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成された送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の下方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変換器の両側外周面および上面と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの下面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その下方部をわずかに残して挿入して、該下方部をダクト下方に露出させ、前記下方部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を下方へ押し下げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置の天井用下地材に垂設固定された2本の金属製支持杆下端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの折曲片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の下方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを折曲片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記折曲片に圧着固定すると共に、該折曲片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の水平気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への垂直気流に変換し、該各気流方向変換器から天井材の上面に、前記噴射口を介して垂直に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、前記天井材の熱伝導により、該天井材全面を平均してむらなく冷却または加温して、該天井材から生じる冷輻射または温輻射で室内の天井輻射冷暖房を行うと共に、前記天井材を冷却また加温した後の冷風または温風を前記天井材に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側を前記冷・温風生成機の下方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側を前記区画壁の下方側に開口した還流開口部に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の下方部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。
【請求項3】
室内の上方部において、天井用下地材下面の断熱材に固定した天井仕切り板と天井材との間に天井空間を形成し、且つ該天井空間に冷・温風生成機を設置すると共に、前記室内の壁面用下地材の前面に断熱材を固定して設置したいずれか一つの壁面の室内側に、室内下部の床材から天井材までの高さの仕切壁を設けて、筒状のガラスクロスより成るダクトを設置する壁空間を形成し、
前記天井空間内に設置された冷・温風生成機の下流側に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管の上流側を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を下方へ直角に折曲して前記天井材に貫通固定して壁空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側端部を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に該送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通開口部に、前記壁空間内に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより縦長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、小径円筒部と有底の大径円筒部とを横方向に備えて倒ボトル状に一体成型して、前記小径円筒部先端に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成された送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の前方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変換器の上下周面および基端面と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの室内側面に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その室内側部をわずかに残して挿入して、該室内側部をダクト外方に露出させ、前記室内側部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を室内側方向へ押圧するようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置の壁面用下地材に水平方向に固定された2本の金属製支持杆先端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの起立片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の前方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを起立片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記起立片に圧着固定すると共に、該起立片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の垂直気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への水平気流に変換し、該各気流方向変換器から前記噴射口を介して前記仕切壁に水平に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、該仕切壁からの熱伝導により仕切壁全面を平均してむらなく冷却または加温して、該仕切壁から生じる冷輻射または温輻射で室内の床輻射冷暖房を行うと共に、前記仕切壁を冷却また加温した後の冷風または温風を前記仕切壁に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の冷風または温風を壁空間に送気して、これら冷風または温風を前記仕切壁の下方側に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の冷暖房を行う一方、
前記室内を冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側端部を前記冷・温風生成機の上方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側端部を前記天井材に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の基端部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。
【請求項4】
請求項1記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の送風流入口に流入して噴射口から床下地ボード下面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材の全面を平均して冷却または加温して、該床材から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から床下空間に排気され、該床下空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して床材を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記床材に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。
【請求項5】
請求項2記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の噴射口から天井材上面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により天井材の全面を平均して冷却または加温して、該天井材から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から天井空間に排気され、該天井空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して天井材を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記天井材に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機のの吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。
【請求項6】
請求項3記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の噴射口から仕切壁に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により仕切壁の全面を平均して冷却または加温して、該仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から壁空間に排気され、該壁空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記仕切壁に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所や集会所、あるいは居室等の室内の床下空間または天井空間あるいは壁空間に、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備えた筒状のガラスクロスより成り、且つ下流側端部を密封したダクト、または下流側端部を密封することなく排気開口を設けたダクトのいずれかを配設し、且つ室内の壁空間あるいは天井空間に設置された空気調和機等の冷・温風生成機で生成された冷風または温風を、送気混合ボックス内において混合させて温度をほぼ均一にして前記ダクト内に送気し、該ダクト内に複数個間隔を有して配設された気流方向変換器で、前記冷風または温風の送風方向を室内側方向へ変換し、床材または天井材あるいは仕切壁に前記各気流方向変換器からほぼ均一の温度で噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材または天井材あるいは仕切壁の全面を効率よく平均して冷却または加温して、該床材または天井材あるいは仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により前記室内を輻射冷暖房すると共に、前記下流側端部を密封したダクトの気流方向変換器の噴射口から噴射して床材または天井材あるいは仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風を前記床下空間または天井空間あるいは壁空間に送気するか、または前記下流側端部に排気開口を設けたダクトの気流方向変換器の噴射口から噴射して床材または天井材あるいは仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風と、該各気流方向変換器で捕捉されず、前記排気開口から排気された冷風または温風とを、前記床下空間または天井空間あるいは壁空間に送気するか、のいずれかにより、前記床材または天井材あるいは仕切壁に設けられた吹出開口より前記室内に吹出して室内全体を、前記冷風または温風により空気冷暖房し、更に前記室内を冷暖房した後の空気を、前記天井材あるいは仕切壁に設けられた還流開口部から還気延長管を介して前記冷・温風生成機に吸引して循環再利用して、前記室内を再度冷却または加温することができ、そして更に、冷・温風生成機が壁空間または天井空間内に設置されるので、該冷・温風生成機の作動音を消音して室内を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機が室内に露出することがなく、室内の美観を損なうことのない冷暖房システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和機等の冷・温風生成機で生成された冷風または温風が流れ込む開口部を備えた気流方向変換器を、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクト内に、間隔を有して複数個、下流側に行くに従い、前記開口部の位置を送風方向に対して徐々に面積が広がる位置に配置するようにして設置し、前記ダクト内に送気された冷風または温風の水平気流を前記各気流方向変換器で垂直気流に変換し、該各気流方向変換器からその風速をほぼ均一にして床材または天井材に噴射して放射状に拡散させて、該熱伝導により床材または天井材の全面を平均して冷却または加温することができる共に、耐熱性および断熱性を備えた塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを使用することにより、前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風による冷気または暖気が、前記各気流方向変換器に到達する前に抜けてしまうことがなく、そのため前記冷風または温風の有効利用を図ることができるという冷暖房システムが下記特許文献1に開示されている。
【0003】
前記特許文献1記載の冷暖房システムでは、冷・温風生成機の横長長方形状の冷・温風吹出開口部に径の異なる筒状のダクトが連通固定されているが、両者の連通固定部分の形状が異なるため、その連通固定作業が困難であると共に、前記ダクトに流入する送風の温度を均一にするという手段を備えていないので、前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風が不均一の温度を維持したまま各気流方向変換器に送風され、床材または天井材あるいは区画壁からの冷輻射または温輻射にむらがあり、効率よく室内の冷暖房ができないという課題があった。更に、前記特許文献1記載の冷暖房システムは、気流方向変換器の開口部の位置が下流側に行くに従い、送風方向に対して徐々に面積が広がる位置に配置する必要があるので、前記ダクト内にそれぞれ開口部の位置を調整して取付けねばならず、前記各気流方向変換器の取付作業に手間がかかるという課題があり、そして更に、前記特許文献1記載の冷暖房システムは、室内に冷・温風生成機が裸の状態で設置されていると共に、配管も室内に露出した状態であるので、前記冷・温風生成機の作動音で室内を静寂に保つことができず、且つ室内の美観を損なうという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5466776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記各課題を解決すべくなされたものであって、空気調和機等の冷・温風生成機で生成された冷風または温風を、送気延長管を介して送気混合ボックスに送気し、且つ該送気混合ボックス内において混合させて温度をほぼ均一にして、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成る小径のダクト内に送気すると、該ダクト内に、ほぼ同一幅および同一高さに開口された送風流入口の開口中心部をすべて同一上流側へ向けて一定間隔を有して配設された複数個の気流方向変換器の各送風流入口に流入して、前記ダクト内に送気された冷風または温風の送風方向を、室内側である床材または天井材あるいは仕切壁方向へ変換して、該各気流方向変換器の噴射口から温度をほぼ均一にして、前記床材または天井材あるいは仕切壁に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材または天井材あるいは仕切壁の全面を平均して冷却または加温して、前記床材または天井材あるいは仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により前記室内を輻射冷暖房することができる共に、耐熱性および断熱性を備えた塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを使用することにより、前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風による冷気または暖気が、前記各気流方向変換器に到達する前に温度変化が生ずることがなく、ほぼ均一の温度を維持し、そのため前記冷風または温風の有効利用を図ることができ、更に、前記床材または天井材あるいは仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により前記室内を輻射冷暖房した後の冷風または温風を室内に送気して、該冷風または温風により前記室内を空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に吸引して、再び冷却または加温して循環再利用することができ、そして更に、前記冷・温風生成機とダクトとの連通固定作業が、両者間に送気延長管および送気混合ボックスを介在せしめることにより手間がかからず迅速にでき、然も、前記冷・温風生成機が壁空間または天井空間内に設置されているので、該冷・温風生成機の作動音を消音して室内を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機が室内に露出することがなく、室内の美観を損なうことのない冷暖房システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決する手段として、
請求項1記載の発明において、
室内の底部に、断熱材を上面に配設したコンクリートスラブと、下面に床下地ボードを設置した床材との間に床下空間を形成し、前記室内のいずれか一つの壁面の前方側に、冷・温風生成機を設置する壁空間を前記コンクリートスラブ上の断熱材から天井材までの高さの仕切壁を設けて形成し、且つ該壁空間内に設置された冷・温風生成機の下方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管の上流側を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を前記仕切壁に貫通固定して床下空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側端部を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に該送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通開口部に、前記床下空間内に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、小径円筒部と有底の大径円筒部とを上下に備えてボトル状に一体成型して、前記小径円筒部上に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成され送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の上方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変
換器の両側外周面および底部と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの上面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その上方部をわずかに残して挿入して、該上方部をダクト上方に露出させ、前記上方部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を上方へ押し上げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置のコンクリートスラブに立設固定された2本の金属製支持杆の上端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの起立片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の上方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを起立片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記起立片に圧着固定すると共に、該起立片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の水平気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への垂直気流に変換し、該各気流方向変換器から床下地ボードの下面に、前記噴射口を介して垂直に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、該床下地ボードからの熱伝導により床材全面を平均してむらなく冷却または加温して、該床材から生じる冷輻射または温輻射で室内の床輻射冷暖房を行うと共に、前記床材を冷却また加温した後の冷風または温風を前記床材に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側を前記冷・温風生成機の上方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側を前記仕切壁の上方側に開口した還流開口部に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の上方部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供され、
また、請求項2記載の発明において、
室内の上方部において、天井用コンクリートスラブの下面の断熱材と天井材との間に天井空間を形成し、且つ前記室内のいずれか一つの壁面の室内側に、冷・温風生成機を設置する壁空間を床材から天井材までの高さの仕切壁を設けて形成し、且つ壁空間に設置された冷・温風生成機の上方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備え、且つ直角に折曲した直方体状の送気延長管の上流側端部を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を前記仕切壁に貫通固定して天井空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に前記送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通固定部に、前記天井空間に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風精製機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、有底の大径円筒部と小径円筒部とを上下に備えて逆ボトル状に一体成型して、前記小径円筒部下端に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成された送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の下方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変換器の両側外周面および上面と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの下面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その下方部をわずかに残して挿入して、該下方部をダクト下方に露出させ、前記下方部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を下方へ押し下げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置の天井用下地材に垂設固定された2本の金属製支持杆下端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの折曲片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の下方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを折曲片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記折曲片に圧着固定すると共に、該折曲片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の水平気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への垂直気流に変換し、該各気流方向変換器から天井材の上面に、前記噴射口を介して垂直に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、前記天井材の熱伝導により、該天井材全面を平均してむらなく冷却または加温して、該天井材から生じる冷輻射または温輻射で室内の天井輻射冷暖房を行うと共に、前記天井材を冷却また加温した後の冷風または温風を前記天井材に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側を前記冷・温風生成機の下方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側を前記区画壁の下方側に開口した還流開口部に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の下方部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供され、
更に、請求項3記載の発明において、
室内の上方部において、天井用下地材下面の断熱材に固定した天井仕切り板と天井材との間に天井空間を形成し、且つ該天井空間に冷・温風生成機を設置すると共に、前記室内の壁面用下地材の前面に断熱材を固定して設置したいずれか一つの壁面の室内側に、室内下部の床材から天井材までの高さの仕切壁を設けて、筒状のガラスクロスより成るダクトを設置する壁空間を形成し、
前記天井空間内に設置された冷・温風生成機の下流側に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管の上流側を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側方向を下方へ直角に折曲して前記天井材に貫通固定して壁空間内へ延設し、前記送気延長管の下流側端部を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に該送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通開口部に、前記壁空間内に配設された小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部を連通固定して、該ダクト内に前記冷・温風生成機で生成された冷風または温風を送気できるよう形成され、
前記送気延長管を介して送気混合ボックス内に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス内において混合し温度をほぼ均一にした前記冷風または温風は、前記ダクト内に送気され、
前記ダクトは、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、且つ該ダクト内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより縦長筒状に形成され、且つ該ダクトの下流側端部は密封されると共に、小径円筒部と有底の大径円筒部とを横方向に備えて倒ボトル状に一体成型して、前記小径円筒部先端に冷風または温風を噴射する噴射口を備え、且つ前記大径円筒部に、ほぼ同一幅および同一高さに形成された送風流入口を備えた気流方向変換器が、前記送風流入口を同一上流側へ向け、且つ前記噴射口をダクト外の前方に突出させてそれぞれ一定間隔を有して複数個ダクト内に配設して、前記ダクト内に設置された各気流方向変換器の上下周面および基端面と該ダクトの内周壁面間には送気用隙間が形成され、
前記気流方向変換器を前記ダクト内に配設する手段は、該ダクトの室内側面に同一間隔を有して円状の取付け開口部を複数個開口し、該各取付け開口部に前記各気流方向変換器の大径円筒部を、その室内側部をわずかに残して挿入して、該室内側部をダクト外方に露出させ、前記室内側部の外周面に前記ダクトの取付け開口部の開口縁部を室内側方向へ押圧するようにして巻付けて、その外周面を金属バンドで締付け固定する一方、前記各気流方向変換器が配設されているダクトの両側外側位置の壁面用下地材に水平方向に固定された2本の金属製支持杆先端部にL字状アングルを支架固定すると共に、該L字状アングルの起立片の中央部において、前記気流方向変換器のダクト外へ突出した小径円筒部の前方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンドの両側端部に固定された固定ボルトを起立片に貫通し、且つ該貫通した各固定ボルトの先端部に固定ナットをそれぞれ螺合して、前記起立片に圧着固定すると共に、該起立片を前記小径円筒部に圧接することにより、前記ダクト内の各気流方向変換器は前記各複数組みの金属製支持杆に固定できるよう形成され、
前記ダクト内に送気された冷風または温風の垂直気流を、前記各送風流入口より流れ込ませて各気流方向変換器で室内側への水平気流に変換し、該各気流方向変換器から前記噴射口を介して前記仕切壁に水平に噴射して、冷風または温風を放射状に拡散させ、該仕切壁からの熱伝導により仕切壁全面を平均してむらなく冷却または加温して、該仕切壁から生じる冷輻射または温輻射で室内の床輻射冷暖房を行うと共に、前記仕切壁を冷却また加温した後の冷風または温風を前記仕切壁に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の空気冷暖房を行う一方、前記室内を空気冷暖房した後の冷風または温風を壁空間に送気して、これら冷風または温風を前記仕切壁の下方側に設けられた吹出開口より室内に吹き出して室内の冷暖房を行う一方、
前記室内を冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機に還流させるべく、直角に折曲した縦断面長方形状の還気延長管の下流側端部を前記冷・温風生成機の上方部に設けられ、該還気延長管と同一幅の長方形状の吸引開口部に連通固定すると共に、該還気延長管の上流側端部を前記天井材に貫通固定して前記室内に開口し、該室内に開口された還気延長管を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機の基端部の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温されて循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供され、
更にまた、請求項4記載の発明において、
請求項1記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の送風流入口に流入して噴射口から床下地ボード下面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材の全面を平均して冷却または加温して、該床材から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から床下空間に排気され、該床下空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して床材を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記床材に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供され、
また更に、請求項5記載の発明において、
請求項2記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の噴射口から天井材上面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により天井材の全面を平均して冷却または加温して、該天井材から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から天井空間に排気され、該天井空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して天井材を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記天井材に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機のの吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供され、
そして更に、請求項6記載の発明において、
請求項3記載の冷暖房システムを構成する下流側端部が密封されているダクトに代わり、下流側端部が開口されて排気開口を備えたダクトを使用し、前記ダクトに送気された冷・温風生成機で生成された冷風または温風は、各気流方向変換器の噴射口から仕切壁に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により仕切壁の全面を平均して冷却または加温して、該仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房する一方、前記各気流方向変換器で捕捉されなかった冷風または温風は、下流側端部の排気開口から壁空間に排気され、該壁空間内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記仕切壁に設けられた吹出開口から室内に吹出されて、前記冷風または温風により室内全体を空気冷暖房し、前記室内を空気冷暖房した後の空気は、前記冷・温風生成機の吸引開口部から吸引されて、前記冷・温風生成機で再度冷却または加温して循環再利用することを特徴とする冷暖房システム。が提供される。
【発明の効果】
【0007】
前記構成より成る本発明によれば、事業所や集会所、あるいは居室等の室内の床下空間または天井空間あるいは壁空間に、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備えた筒状のガラスクロスより成り、且つ下流側端部を密封したダクト、または下流側端部を密封することなく排気開口を設けたダクトのいずれかを配設し、前記室内の壁空間あるいは天井空間に設置された冷・温風生成機で生成された冷風または温風を、該冷・温風生成機の横長長方形状の冷・温風吹出開口部に、該冷・温風吹出開口部と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管の上流側を連通固定すると共に、該送気延長管の下流側を、該送気延長管の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックスの上流側側壁に開口された連通開口部に連通固定し、更に、該送気混合ボックスの下流側側壁に開口された小径の連通開口部に、前記小径の筒状のガラスクロスより成るダクトの上流側端部の連通開口部が迅速に連通固定されて、前記送気混合ボックス内において前記冷風または温風を混合させて温度をほぼ均一にして、前記小径のダクト内に送気し、該ダクト内に複数個間隔を有して配設された気流方向変換器で、前記冷風または温風の送風方向を室内側方向へ変換し、床材または天井材あるいは仕切壁に前記各気流方向変換器の噴射口から噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材または天井材あるいは仕切壁の全面を効率よく平均して冷却または加温して、該床材または天井材あるいは仕切壁から生じる冷輻射や温輻射により前記室内を輻射冷暖房することができる。更に、前記下流側端部を密封したダクトの気流方向変換器の噴射口から噴射して、床材または天井材あるいは仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風を、前記床下空間または天井空間あるいは壁空間に送気するか、または前記下流側端部に排気開口を設けたダクトの気流方向変換器の噴射口から噴射して床材または天井材あるいは仕切壁を冷却または加温した後の冷風または温風と、該各気流方向変換器で捕捉されず、前記排気開口から排気された冷風または温風とを、前記床下空間または天井空間あるいは壁空間に送気するか、のいずれかにより、前記床材または天井材あるいは仕切壁に設けられた吹出開口より前記室内に吹出して室内全体を前記冷風または温風により空気冷暖房し、更に前記室内を空気冷暖房した後の空気を、前記天井材あるいは区画壁に設けられた還流開口部から還気延長管を介して前記冷・温風生成機に吸引して循環再利用して、前記室内を再度冷却または加温することができ、そして更に、前記冷・温風生成機が壁空間または天井空間内に設置されているので、該冷・温風生成機の作動音を消音して室内を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機が室内に露出することがなく、室内の美観を損なうことのないという優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例1の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
図2】本発明の実施例1の冷暖房システムにおける気流方向変換器の拡大斜視図である。
図3】本発明の実施例1の冷暖房システムにおけるダクトへの気流方向変換器の設置固定状態を示す要部の拡大縦断面図である。
図4図3のA-A線拡大断面図である。
図5】本発明の実施例1における気流変換器のダクトへの取付状態を示す要部の拡大平面図である。
図6】本発明の実施例2の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
図7】本発明の実施例2の冷暖房システムにおける気流方向変換器の拡大斜視図である。
図8】本発明の実施例2の冷暖房システムにおけるダクトへの気流方向変換器の設置固定状態を示す要部の拡大縦断面図である。
図9図8のB-B線拡大断面図である。
図10】本発明の実施例2における気流変換器のダクトへの取付状態を示す要部の拡大底面図である。
図11】本発明の実施例3の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
図12】本発明の実施例3の冷暖房システムにおける気流方向変換器の拡大斜視図である。
図13】本発明の実施例3の冷暖房システムにおけるダクトへの気流方向変換器の設置固定状態を示す要部の拡大縦断面図である。
図14図13のC-C線拡大断面図である。
図15】本発明の実施例3における気流変換器のダクトへの取付状態を示す要部の拡大右側面図である。
図16】本発明の実施例4の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
図17】本発明の実施例5の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
図18】本発明の実施例6の冷暖房システムを示す概略縦断面図である。
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1を図1図5を用いて詳細に説明する。実施例1は、空気調和機等の冷・温風生成機で生成した冷風や温風を送気する、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを、事業所や集会所、あるいは居室等の室内の床下空間に配設するタイプの冷暖房システムである。以下、実施例1の冷暖房システムにつき、図を用いて更に詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施例1の表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを床下空間に配設した冷暖房システムを示す概略縦断面図である。すなわち、図1に示すように、室内1の底部に、断熱材2を上面に配設したコンクリートスラブ3と、下面に床下地ボード4を設置した床材5との間に床下空間6を形成し、前記室内1のいずれかの側の壁面7の室内1側に、空気調和機等の冷・温風生成機Wを設置する壁空間8を前記コンクリートスラブ3上の断熱材2から天井材9までの高さの仕切壁10を設けて形成し、且つ該壁空間8内の前記コンクリートスラブ3上の断熱材2上に設置された冷・温風生成機Wの下方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部11に、該冷・温風吹出開口部11と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管12の上流側端部を連通固定すると共に、該送気延長管12の下流側方向を前記仕切壁10に貫通固定して床下空間6内へ延設し、且つ前記送気延長管12の下流側端部を、該送気延長管12の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス13の上流側側壁に開口された連通開口部13aに連通固定し、更に前記送気混合ボックス13の下流側側壁に開口された小径の連通開口部13bに、筒状のガラスクロスにより小径に形成され、前記床下空間6内に配設されたダクト14の上流側端部の連通開口部15が連通固定されると共に、該ダクト14の下流側端部は開口されることなく密封16されている。そして、前記のように、本発明においては、前記冷・温風生成機Wが図示していない配管も含めて壁空間8内に設置されているので、該冷・温風生成機Wの作動音を消音して室内1を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機Wが室内1に露出しないよう形成されて、室内1の美観を保持している。なお、図中、7aは断熱材、7bは壁面用下地材、9aは断熱材、9bは天井用下地材である。
【0011】
前記冷・温風生成機Wの下方部の冷・温風吹出開口部11は横長長方形状に形成されていて、前記筒状のガラスクロスより成るダクト14は直に連通固定することはできないので、前記したように本発明は、前記冷・温風生成機Wの下方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部11に、該冷・温風吹出開口部11と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管12の上流側端部を連通固定し、更に前記送気延長管12の下流側端部を、該送気延長管12の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス13の上流側側壁に開口された連通開口部13aに連通固定し、そして前記送気混合ボックス13の下流側側壁に開口された小径の連通開口部13bに前記ダクト14の上流側端部の連通開口部15が連通固定されている。
【0012】
前記送気混合ボックス13の下流側壁面に開口された小径の連通開口部13bに連通固定された小径のダクト14内に、前記冷・温風送風機Wからの冷風または温風が送気されるが、前記ダクト14内に送気される冷風または温風は、容量の大なる送気混合ボックス13内において混合されて温度をほぼ均一にして前記ダクト14内に送気される。
【0013】
前記ダクト14は、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、更に該ダクト14内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成されている。
【0014】
前記ダクト14内の適位置には、小径円筒部17と有底の大径円筒部18とを上下に備えてボトル状に一体成型されて、前記小径円筒部17上に冷風または温風の噴射口19を開口すると共に、前記大径円筒部18に送風流入口20を開口して形成された気流方向変換器21が一定間隔を有して複数個配設され、更に図4に示すように前記ダクト14内に配設された各気流方向変換器21の両側外周面および底面と該ダクト14の内周壁面間には送気用隙間22が形成されている。
【0015】
前記各気流方向変換器21は、前記冷・温風生成機Wから、前記送気延長管12および送気混合ボックス13を介して送気された冷風または温風が流れ込む送風流入口20を開口すると共に、前記ダクト14内に送気された冷風または温風の水平気流の最大風量を流入できるよう、前記各送風流入口20は、前記大径円筒部18に、ほぼ同一幅および同一高さに開口されて、前記ダクト14内にそれぞれ該各送風流入口20の開口中心部をすべて同一上流側へ向けて配設されている。
【0016】
前記各気流方向変換器21のダクト14内への配設固定手段は、図4に示すように、前記ダクト14の上面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部23を開口し、該取付け開口部23に前記各気流方向変換器21の大径円筒部18を、その上方部をわずかに残して挿入して、該上方部をダクト14上方に露出させ、前記上方部の外周面に前記ダクト14の取付け開口部23の開口縁部を上方へ押し上げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンド24で締付け固定する。
【0017】
そして、前記各気流方向変換器21が配設されているダクト14の両側外側位置のコンクリートスラブ3に、例えば、アンカーボルトにより下端部を埋め込んで立設固定された2本の金属製支持杆25の上端部に、L字状アングル26の水平片26aを、例えば、2本の締付けナット26bにより締付けて支架固定すると共に、該L字状アングル26の起立片27の中央部において、前記気流方向変換器21の小径円筒部17の上方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンド28の両側端部に溶接等により固定された固定ボルト28aを起立片27にそれぞれ貫通し、且つ該貫通した前記各固定ボルト28aの先端部に固定ナット29をそれぞれ螺合して、前記起立片27に圧着固定すると共に、該起立片27を前記小径円筒部17に圧接することにより、前記ダクト14は前記各複数組みの金属製支持杆25に固定される。
【0018】
前記冷・温風生成機Wから送気延長管12を経て送気混合ボックス13に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス13内において混合して温度をほぼ均一にしてダクト14内に送気すると、間隔を有して複数個の気流方向変換器21を設置しているために、一番上流側に位置する気流方向変換器21の送風流入口20から前記冷風または温風の水平気流が流入し、小径円筒部17の噴射口19から上方の室内側への垂直上昇気流に変換されて噴射される。そして、前記一番上流側に位置する気流方向変換器21の送風流入口20に流入できなかった冷風または温風は、前記一番上流側の気流方向変換器21の両側外周面および底面とダクト14の内周壁面間の送気用隙間22を通って二番目の気流方向変換器21方向へ流れる。
【0019】
前記二番目の気流方向変換器21方向へ流れた冷風または温風の水平気流は、該二番目の気流方向変換器21の送風流入口20から流入し、小径円筒部17の噴射口19から上方の室内側への垂直上昇気流に変換されて噴射される。以下、同様に下流側の各気流方向変換器21方向へ流れる。前記のようにダクト14内の各気流方向変換器21の送風流入口20の開口中心部をすべて同一上流側方向へ向けて配設されていると共に、前記送気用隙間22が形成されているために、前記各開送風流入口20に流入する冷風または温風の流入量はほぼ均一である。また、前記ダクト14は、耐熱性および断熱性を備えているため、ダクト14内に送気された冷風または温風による冷気または暖気が、前記各気流方向変換器21に到達する前に該ダクト14外へ抜けてしまうことがない。
【0020】
そして、前記ダクト14は下流側端部が密封16されているので、前記ダクト14に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器21の送風流入口20から流入し、各噴射口19を介して床下地ボード4の下面に噴射される。すなわち、前記ダクト14内に送気された冷風または温風は、前記各気流方向変換器21の送風流入口20から流入し、更に前記各気流方向変換器21の送風流入口20から流入できなかった冷風または温風は、前記密封16部分により圧力を高めて、前記いずれかの気流方向変換器21の送風流入口20から流入し、すべての冷風または温風を噴射口19から床下地ボード4の下面に垂直に噴射する一方、前記噴射した冷風または温風を放射状に拡散させ、該床下地ボード4からの熱伝導により床材5全面を平均してむらなく冷却または加温して、該床材5から生じる冷輻射または温輻射の効果を高めて、室内1の床材5を輻射冷暖房するが、前記床材5を冷却または加温した後の冷風または温風は、前記床材5の先方側端部に設けられた吹出開口30から室内1内に吹き出されて、該室内1全体を前記冷風または温風により空気冷暖房し、その後、前記空気冷暖房した後の空気は、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【0021】
すなわち、前記室内1を冷却または加温した後の空気を、冷・温風生成機Wに還流して再び冷却または加温して循環再利用する手段は、図1に示すように、前記仕切壁10の上方側に開口した還流開口部31に、前記室内1の空気冷暖房した後の空気を前記冷・温風生成機Wに還流させるため、縦断面長方形状の還気延長管32の下流側端部を、前記冷・温風生成機Wの上方部に設けられた、該還気延長管32と同一幅の長方形状の吸引開口部33に連通固定すると共に、該還気延長管32の上流側を直角に折曲して前記還流開口部31に貫通固定して前記室内1に開口されており、該室内1に開口されている還気延長管32を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機Wの上端部の吸引開口部33から吸引されて、前記冷・温風生成機Wで再度冷却または加温されて循環再利用できるよう構成されている。
【0022】
なお、前記説明においては、冷・温風生成機Wに1本のダクト14が連結されているものとして説明したが、前記ダクト14に図示していない、複数本の前記ダクト14と同一構成の分岐ダクトを連結すれば、面積の広い室内の冷暖房に対応することができる。
【実施例2】
【0023】
本発明の実施例2を図6図10を用いて詳細に説明する。実施例2は、実施例1と同様に、空気調和機等の冷・温風生成機で生成した冷風や温風を送気する、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを、事業所や集会所または居室等の室内の天井空間に配設するタイプの冷暖房システムである。以下、実施例2の冷暖房システムにつき、図を用いて更に詳細に説明する。
【0024】
図6は、本発明の実施例2の表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを天井空間に配設した冷暖房システムを示す概略縦断面図である。すなわち、図6に示すように、室内34の上方部において、天井用下地材35の下面に配設した断熱材36と天井材37との間に天井空間38を形成し、且つ前記室内34のいずれかの側の壁面39の室内34側に、空気調和機等の冷・温風生成機Wを設置する壁空間40を床材41から天井材37までの高さの仕切壁42を設けて形成し、且つ該壁空間40内の床材41上に設置された冷・温風生成機Wの上方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部43に、該冷・温風吹出開口部43と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管44の上流側端部を連通固定すると共に、該送気延長管44の下流側方向を直角に折曲して前記仕切壁42に貫通固定して天井空間38内へ延設し、且つ前記送気延長管44の下流側端部を、該送気延長管44の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス45の上流側側壁に開口された連通開口部45aに連通固定し、更に該送気混合ボックス45の下流側側壁に開口された小径の連通開口部45bに、筒状のガラスクロスにより小径に形成されたダクト46の上流側端部の連通開口部47が連通固定されると共に、該ダクト46の下流側端部は開口されることなく密封48されている。そして、前記のように、本発明においては、前記冷・温風生成機Wが図示していない配管も含めて壁空間40内に設置されているので、該冷・温風生成機Wの作動音を消音して室内34を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機Wが室内34に露出しないよう形成されて、室内34の美観を保持している。なお、図中、39aは壁面用下地材、39bは断熱材、41aはコンクリートスラブ、41bは断熱材である。
【0025】
前記冷・温風生成機Wの上方部の冷・温風吹出開口部43は横長長方形状に形成されていて、前記筒状のガラスクロスより成るダクト46は直に連通固定することはできないので、前記したように本発明は、前記冷・温風生成機Wの上方部に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部43に、該冷・温風吹出開口部43と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管44の上流側端部を連通固定し、更に前記送気延長管44の下流側端部を、該送気延長管44の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス45の上流側側壁に開口された連通開口部45aに連通固定し、そして前記送気混合ボックス45の下流側側壁に開口された小径の連通開口部45bに前記ダクト46の上流側端部の連通開口部47が連通固定されている。
【0026】
前記送気混合ボックス45の下流側壁面に開口された小径の連通開口部45bに連通固定された小径のダクト46内に、前記冷・温風送風機Wからの冷風または温風が送気されるが、前記ダクト46内に送気される冷風または温風は、容量の大なる送気混合ボックス45内において混合されて温度をほぼ均一にして前記ダクト46内に送気される。
【0027】
前記ダクト46は、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、更に該ダクト46内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより横長筒状に形成されている。
【0028】
前記ダクト46内の適位置には、有底の大径円筒部49と小径円筒部50とを上下に備えて逆ボトル状に一体成型され、前記小径円筒部50下端に冷風または温風の噴射口51を備えると共に、前記大径円筒部50に送風流入口52を開口して形成された気流方向変換器53が一定間隔を有して複数個配設され、更に図6に示すように前記ダクト46内に配設された各気流方向変換器53の両側外周面および上面と該ダクト46の内周壁面間には送気用隙間54が形成されている。
【0029】
前記各気流方向変換器53は、前記冷・温風生成機Wから、前記送気延長管44および送気混合ボックス45を介して送気された冷風または温風が流れ込む送風流入口52を開口すると共に、前記ダクト46内に送気された冷風または温風の水平気流の最大風量を流入できるよう、前記各送風流入口52は、前記大径円筒部49に、ほぼ同一幅および同一高さに開口されて、前記ダクト46内にそれぞれ該各送風流入口52の開口中心部をすべて同一上流側へ向けて配設されている。
【0030】
前記各気流方向変換器53のダクト46内への配設固定手段は、図9に示すように、前記ダクト46の下面部に同一間隔を有して円状の取付け開口部55を開口し、該取付け開口部55に前記各気流方向変換器53の大径円筒部49を、その下方部をわずかに残して挿入して、該下方部をダクト46下方に露出させ、前記下方部の外周面に前記ダクト46の取付け開口部55の開口縁部を下方へ押し下げるようにして巻付けて、その外周面を金属バンド56で締付け固定する。
【0031】
そして、前記各気流方向変換器53が配設されているダクト46の両側外側位置の天井用下地材35に、例えば、アンカーボルトにより基端部を埋め込んで、該天井用下地材35下方に垂設固定された2本の金属製支持杆57の下端部に、L字状アングル58の水平片58aを、例えば、2本の締付けナット58bで締付けて支架固定すると共に、該L字状アングル58の折曲片59の中央部において、前記気流方向変換器53の小径円筒部50の下方部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンド60の両側端部に溶接等により固定された固定ボルト60aを折曲片59にそれぞれ貫通し、且つ該貫通した前記各固定ボルト60aの先端部に固定ナット61をそれぞれ螺合して、前記折曲片59に圧着固定すると共に、該折曲片59を前記小径円筒部50に圧接することにより、前記ダクト46は前記複数組の金属製支持杆57に固定される。
【0032】
前記冷・温風生成機Wから送気延長管44を経て送気混合ボックス45に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス45内において混合して温度をほぼ均一にしてダクト46内に送気すると、間隔を有して複数個の気流方向変換器53を配設しているために、一番上流側に位置する気流方向変換器53の送風流入口52から前記冷風または温風の水平気流が流入し、小径円筒部50の噴射口51から下方の室内側への垂直下降気流に変換されて噴射される。そして、前記一番上流側に位置する気流方向変換器53の送風流入口52に流入できなかった冷風または温風は、前記一番上流側の気流方向変換器53の両側外周面および上面とダクト46の内周壁面間の送気用隙間54を通って二番目の気流方向変換器53方向へ流れる。
【0033】
前記二番目の気流方向変換器53方向へ流れた冷風または温風の水平気流は、該二番目の気流方向変換器53の送風流入口52から流入し、小径円筒部50の噴射口51から下方の室内側への垂直下降気流に変換されて噴射される。以下、同様に下流側の各気流方向変換器53方向へ流れる。前記のようにダクト46内の各気流方向変換器53の送風流入口52の開口中心部をすべて同一上流側方向へ向けて配設されていると共に、前記送気用隙間54が形成されているために、前記各開送風流入口52に流入する冷風または温風の流入量はほぼ均一である。また、前記ダクト46は、耐熱性および断熱性を備えているため、ダクト46内に送気された冷風または温風による冷気または暖気が、前記各気流方向変換器53に到達する前に該ダクト46外へ抜けてしまうことがない。
【0034】
そして、前記ダクト46は下流側端部が密封48されているので、前記ダクト46に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器53の送風流入口52から流入し、各噴射口51を介して天井材37の上面に噴射される。すなわち、前記ダクト46内に送気された冷風または温風は、前記各気流方向変換器53の送風流入口52から流入し、更に前記各気流方向変換器53の送風流入口52から流入できなかった冷風または温風は、前記密封48部分により圧力を高めて、前記いずれかの気流方向変換器53の送風流入口52から流入し、すべての冷風または温風が噴射口51から天井材37の上面に垂直に噴射させる一方、前記冷風または温風を放射状に拡散させ、該天井材37全面を平均してむらなく冷却または加温して、該天井材37から生じる冷輻射または温輻射の効果を高めて、室内34の輻射冷暖房をするが、前記天井材37を冷却または加温した後の冷風または温風は、前記天井材37の先方側端部に設けられた吹出開口62から室内34内に吹き出されて、該冷風または温風により室内34全体を空気冷暖房し、その後、前記空気冷暖房した後の空気は、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【0035】
すなわち、前記室内34を冷却または加温した後の空気を、冷・温風生成機Wに還流して再び冷却または加温して循環再利用する手段は、図6に示すように、前記仕切壁42の下方側に開口した還流開口部63に、前記室内34の空気を前記冷・温風生成機Wに還流させるため、縦断面長方形状の還気延長管64の上流側を前記仕切壁42の還流開口部63に貫通固定して前記室内34に開口すると共に、前記冷・温風生成機Wの下方部に設けられた、縦断面長方形状の還気延長管64と同一幅の長方形状の吸引開口部65に、前記還気延長管64の下流側端部を連通固定して、前記室内34に開口されている還気延長管64を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機Wの下方部の吸引開口部65から吸引されて、前記冷・温風生成機Wで再度冷却または加温されて循環再利用されるよう構成されている。
【0036】
なお、前記説明においては、冷・温風生成機Wに1本のダクト46が連結されているものとして説明したが、前記ダクト46に図示していない、複数本の前記ダクト46と同一構成の分岐ダクトを連結すれば、面積の広い室内の冷暖房に対応することができる。
【実施例3】
【0037】
本発明の実施例3を図11図15を用いて詳細に説明する。実施例3は、空気調和機等の冷・温風生成機で生成した冷風や温風を送気する、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを、事業所や集会所、あるいは居室等の室内の壁空間に設置するタイプの冷暖房システムである。以下、実施例3の冷暖房システムにつき、図を用いて更に詳細に説明する。
【0038】
図11は、本発明の実施例3の表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施した筒状のガラスクロスより成るダクトを壁空間に設置した冷暖房システムを示す概略縦断面図である。すなわち、図11に示すように、室内66の上方部において、天井用下地材67下面の断熱材67aに固定した天井仕切り板68と天井材69との間に天井空間70を形成し、且つ該天井空間70に空気調和機等の冷・温風生成機Wを設置すると共に、前記室内66の壁面用下地材71の前面に断熱材72aを設けて形成されたずれかの側の壁面72の室内66側に、室内66下部の床材73から天井材69までの高さの仕切壁74を設けて、筒状のガラスクロスより成るダクト75を配設する壁空間76を形成し、且つ前記天井空間70に設置された冷・温風生成機Wの下流側に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部77に、該冷・温風吹出開口部77と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管78の上流側端部を連通固定すると共に、該送気延長管78の下流側方向を下方へ直角に折曲して前記天井材69に貫通固定して壁空間76内へ延設し、且つ前記送気延長管78の下流側端部を、該送気延長管78の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス79の上流側側壁に開口された連通開口部79aに連通固定し、更に前記送気混合ボックス79の下流側側壁に開口された小径の連通開口部79bに、筒状のガラスクロスにより小径に形成され、前記壁空間76内に配置されたダクト75の上流側端部の連通開口部81が連通固定されると共に、該ダクト75の下流側端部は開口されることなく密封80されている。そして、前記のように、本発明においては、前記冷・温風生成機Wが図示していない配管も含めて天井空間70内に設置されているので、該冷・温風生成機Wの作動音を消音して室内66を静寂に保つことができると共に、配管も含めて前記冷・温風生成機Wが室内66に露出しないよう形成されて、室内66の美観を保持している。なお、図中、73aはコンクリートスラブ、73bは断熱材である。
【0039】
前記冷・温風生成機Wの冷・温風吹出開口部77は横長長方形状に形成されていて、前記筒状のガラスクロスより成るダクト75は直に連通固定することはできないので、前記したように本発明は、前記冷・温風生成機Wの下流側に設けられた横長長方形状の冷・温風吹出開口部77に、該冷・温風吹出開口部77と同一幅の開口部を備えた直方体状の送気延長管78の上流側端部を連通固定し、更に前記送気延長管78の下流側端部を、該送気延長管78の開口幅より幅広の側壁を備えた立方体状の送気混合ボックス79の上流側側壁に開口された連通開口部79aに連通固定し、そして前記送気混合ボックス79の下流側側壁に開口された小径の連通開口部79bに前記ダクト75の上流側端部の連通開口部81が連通固定されている。
【0040】
前記送気混合ボックス79の下流側壁面に開口された小径の連通開口部79bに連通固定された小径のダクト75内に、前記冷・温風送風機Wからの冷風または温風が前記送気されるが、前記ダクト75内に送気される冷風または温風は、容量の大なる送気混合ボックス79内において混合されて温度をほぼ均一にして前記ダクト75内に送気される。
【0041】
前記ダクト75は、前記冷風または温風が送気されてチューブ状に膨らむことができるよう、柔軟性を有すると共に、不燃性、強度性、耐熱性および断熱性を備え、更に該ダクト75内に送気された冷風または温風が漏洩するのを防止すべく、表裏面に塩化ビニール樹脂系塗装を施したガラスクロスにより縦長筒状に形成されている。
【0042】
前記ダクト75内の適位置には、小径円筒部82と有底の大径円筒部83とを横方向に備えて倒ボトル状に一体成型され、前記小径円筒部82先端に冷風または温風の噴射口84を備えると共に、前記大径円筒部83に送風流入口85を開口して形成された気流方向変換器86が一定間隔を有して複数個配設され、更に図に示すように前記ダクト75内に配設された各気流方向変換器86の上下外周面および基端面と該ダクト75の内周壁面間には送気用隙間87が形成されている。
【0043】
前記各気流方向変換器86は、前記冷・温風生成機Wから、前記送気延長管78および送気混合ボックス79を介して送気された冷風または温風が流れ込む送風流入口85を開口すると共に、前記ダクト75内に送気された冷風または温風の垂直気流の最大風量を流入できるよう、前記各送風流入口85は、前記大径円筒部83に、ほぼ同一幅および同一長さに開口されて、前記ダクト75内にそれぞれ該各送風流入口85の開口中心部をすべて同一上流側へ向けて配設されている。
【0044】
前記各気流方向変換器86のダクト75内への配設固定手段は、図に示すように、前記ダクト75の室内側面に同一間隔を有して円状の取付け開口部88を開口し、該取付け開口部88に前記各気流方向変換器86の大径円筒部83を、その室内側部をわずかに残して挿入して、該室内側部をダクト75外方に露出させ、前記室内側部の外周面に前記ダクト75の取付け開口部88の開口縁部を室内側方向へ押圧するようにして巻付けて、その外周面を金属バンド89で締付け固定する。
【0045】
そして、前記各気流方向変換器86が配設されているダクト75の両側背面側位置の壁面用下地材71に、例えば、アンカーボルトにより基端部を埋め込んで、該壁面用下地材71前面に水平方向に固定された2本の金属製支持杆90の先端部に、L字状アングル91の垂直片91aを、例えば2本の締付けナット91bにより締付けて支架固定すると共に、該L字状アングル91の起立片92の中央部において、前記気流方向変換器86の小径円筒部82の室内側部のほぼ半周面に巻き付けたU字バンド93の両側端部に溶接等により固定された固定ボルト93aを起立片92にそれぞれ貫通し、且つ該貫通した各固定ボルト93aの先端部に固定ナット94をそれぞれ螺合して、前記起立片92に圧着固定すると共に、該起立片92を前記小径円筒部82に圧接することにより、前記ダクト75は前記各複数組の金属製支持杆90に固定される。
【0046】
前記冷・温風生成機Wから送気延長管78を経て送気混合ボックス79に送気された冷風または温風を、該送気混合ボックス79内において混合して温度をほぼ均一にしてダクト75内に垂直下降気流として送気すると、間隔を有して複数個の気流方向変換器86を配設しているために、一番上流側に位置する気流方向変換器86の送風流入口85から前記冷風または温風が流入して、前記下方への垂直下降気流を室内側への水平気流に変換して、小径円筒部82の噴射口84から仕切壁74へ噴射される。そして、前記一番上流側に位置する気流方向変換器86の送風流入口85に流入できなかった冷風または温風は、前記一番上流側の気流方向変換器86の上下外周面および基端面と前記ダクト75の内周壁面間の送気用隙間87を通って二番目の気流方向変換器86方向へ流れる。
【0047】
前記二番目の気流方向変換器86方向へ流れた冷風または温風の垂直気流は、該二番目の気流方向変換器86の送風流入口85から流入し、小径円筒部82の噴射口84から室内側の仕切壁74方向への水平気流に変換して噴射される。以下、同様に下流側の各気流方向変換器86方向へ流れる。前記のようにダクト75内の各気流方向変換器86の送風流入口85の開口中心部をすべて同一上流側方向へ向けて配設されていると共に、前記送気用隙間87が形成されているために、前記各送風流入口85に流入する冷風または温風の流入量はほぼ均一である。また、前記ダクト75は、耐熱性および断熱性を備えているため、ダクト75内に送気された冷風または温風による冷気または暖気が、前記各気流方向変換器86に到達する前に該ダクト75外へ抜けてしまうことがない。
【0048】
そして、前記ダクト75は下流側端部が密封80されているので、前記ダクト75に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器86の送風流入口85から流入し、更に前記各気流方向変換器86の送風流入口85に流入できなかった冷風または温風は、すべて各気流方向変換器86の送風流入口85から流入し、前記冷風または温風が各噴射口84から仕切壁74に噴射される。すなわち、前記ダクト75内に送気された冷風または温風は、前記各気流方向変換器86の送風流入口85から流入し、更に前記各気流方向変換器86の送風流入口85に流入できなかった冷風または温風は、前記密封80部分により圧力を高めて、前記いずれかの気流方向変換器86の送風流入口85から流入し、すべての冷風または温風を噴射口84から仕切壁74に水平に噴射させる一方、冷風または温風を放射状に拡散させ、該区画壁74からの熱伝導により仕切壁74全面を平均してむらなく冷却または加熱して、該仕切壁74から生じる冷輻射または温輻射の効果を高めて、室内66の輻射冷暖房をするが、前記仕切壁74を冷却または加温した後の冷風または温風は、前記仕切壁74の下方側に設けられた吹出開口95から室内66内に吹き出されて、該冷風または温風により室内66全体を空気冷暖房し、その後、前記空気冷暖房した後の空気は、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【0049】
すなわち、前記室内66を冷却または加温した後の空気を、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用する手段は、図11に示すように、前記天井材69の先方側に開口した還流開口部96に、前記室内66の空気を前記冷・温風生成機Wに還流させるため、縦断面長方形状の還気延長管97の上流側を貫通固定して室内66に開口すると共に、前記還気延長管97の下流側端部が、前記冷・温風生成機Wの基端部に設けられた、該還気延長管97と同一幅の長方形状の吸引開口部98に連通固定され、前記室内66に開口されている還気延長管97を介して吸引された空気は、前記冷・温風生成機Wの前記吸引開口部98から吸引されて、前記冷・温風生成機Wで再度冷却または加温されて循環再利用されるよう構成されている。
【0050】
なお、前記説明においては、冷・温風生成機Wに1本のダクト75が連結されているものとして説明したが、前記ダクト75に図示していない、複数本の前記ダクト75と同一構成の分岐ダクトを連結すれば、面積の広い室内の冷暖房に対応することができる。
【実施例4】
【0051】
本発明の実施例4を、図16を用いて詳細に説明する。本発明の実施例4は実施例1の変形であって、実施例1によるダクト14の下流側端部は開口されず密封16されているのに対し、実施例4のダクト100の下流側端部に排気開口101が形成されている点のみが異なり、他の構成は実施例1と同一であるので、同一符号を付したが、同一符号を付した部材の作用も実施例1と同一であるので説明は省略する。実施例4においては、実施例1と同様、前記ダクト100に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器21の送風流入口20に流入して噴射口19から床下地ボード4下面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により床材5の全面を効率よく平均して冷却または加温して、該床材5から生じる冷輻射や温輻射により室内1を輻射冷暖房する。しかしながら、図16に示すように、実施例4によるダクト100は下流側端部に排気開口101が形成されているので、前記各気流方向変換器21で捕捉されなかった前記冷風または温風は、下流側端部の排気開口101から床下空間6に排気され、該床下空間6内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器21の噴射口19から噴射して床材5を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記床材5の先方側端部に設けられた吹出開口30から室内1に吹出されて、前記冷風または温風により室内1全体を空気冷暖房する。その後、前記室内1を空気冷暖房した後の空気は、実施例1におけると同様、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【実施例5】
【0052】
本発明の実施例5を、図17を用いて詳細に説明する。本発明の実施例5は実施例2の変形であって、実施例2によるダクト46の下流側端部は開口されず密封48されているのに対し、実施例5のダクト102の下流側端部に排気開口103が形成されている点のみが異なり、他の構成は実施例2と同一であるので、同一符号を付したが、同一符号を付した部材の作用も実施例2と同一であるので説明は省略する。実施例5においては、実施例2と同様、前記ダクト102に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器53の噴射口51から天井材37上面に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により天井材37の全面を効率よく平均して冷却または加温して、該天井材37から生じる冷輻射や温輻射により室内34を輻射冷暖房する。しかしながら、図17に示すように、実施例5よるダクト102は下流側端部に排気開口103が形成されているので、前記各気流方向変換器53で捕捉されなかった前記冷風または温風は、下流側端部の排気開口103から天井空間38に排気され、該天井空間38内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器53の噴射口51から噴射して天井材37を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記天井材37の先方側端部に設けられた吹出開口30から室内34に吹出されて、前記冷風または温風により室内34全体を空気冷暖房する。その後、前記室内34を空気冷暖房した後の空気は、実施例2におけると同様、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【実施例6】
【0053】
本発明の実施例6を、図18を用いて詳細に説明する。本発明の実施例6は実施例3の変形であって、実施例3によるダクト75の下流側端部は開口されず密封80されているのに対し、実施例6のダクト104の下流側端部に排気開口105が形成されている点のみが異なり、他の構成は実施例3と同一であるので、同一符号を付したが、同一符号を付した部材の作用も実施例3と同一であるので説明は省略する。実施例6においては、実施例3と同様、前記ダクト104に送気された冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風は、各気流方向変換器86の噴射口84から仕切壁74に噴射して放射状に拡散させて、熱伝導により仕切壁74の全面を効率よく平均して冷却または加温して、該仕切壁74から生じる冷輻射や温輻射により室内66を輻射冷暖房する。しかしながら、図18に示すように、実施例6によるダクト104は下流側端部に排気開口105が形成されているので、前記気流方向変換器86で捕捉されなかった前記冷風または温風は、下流側端部の排気開口105から壁空間76に排気され、該壁空間76内に排気された前記冷風または温風と、前記各気流方向変換器86の噴射口84から噴射して仕切壁74を冷却または加温した後の冷風または温風とが、前記仕切壁74の下方部に設けられた吹出開口95から室内66内に吹出されて、前記冷風または温風により室内66全体を空気冷暖房する。その後、前記室内66を空気冷暖房した後の空気は、実施例3におけると同様、冷・温風生成機Wに還流されて再び冷却または加温して循環再利用される。
【符号の説明】
【0054】
W 冷・温風生成機、1 室内、2 断熱材、3 コンクリートスラブ、4 床下地ボード、5 床材、6 床下空間、7 壁面、8 壁空間、9 天井材、10 仕切壁、11 冷・温風吹出開口部、12 送気延長管、13 送気混合ボックス、13a・13b 連通開口部、14 ダクト、15 連通開口部、16 密封、17 小径円筒部、18 大径円筒部、19 噴射口、20 送風流入口、21 気流方向変換器、 22 送気用隙間、23 取付け開口部、24 金属バンド、 25 金属製支持杆、26 L字状アングル、27 起立片、28 U字バンド、28a 固定ボルト、29 固定ナット、30 吹出開口、31 還流開口部、32 還気延長管、 33 吸引開口部、34 室内、35 天井用下地材、 36 断熱材、37 天井材、38 天井空間、39 壁面、39a 壁面用下地材、 39b 断熱材、 40 壁空間、41 床材、42 仕切壁、 43 冷・温風吹出開口部、44 送気延長管、45 送気混合ボックス、45a・45b 連通開口部、46 ダクト、47 連通開口部、48 密封、49 大径円筒部、50 小径円筒部、51 噴射口、52 送風流入口、53 気流方向変換器、54 送気用隙間、 55 取付け開口部、56 金属バンド、57 金属製支持杆、58 L字状アングル、59 折曲片、60 U字バンド、60a 固定ボルト、61 固定ナット、62 吹出開口、63 還流開口部、64 還気延長管、65 吸引開口部、66 室内、67 天井用下地材、67a 断熱材、 68 天井仕切り材、69 天井材、70 天井空間、71 壁面用下地材、72 壁面、72a 断熱材、73 床材、73a コンクリートスラブ、73b 断熱材、74 仕切壁、75 ダクト、76 壁空間、77 冷・温風吹出開口部、78 送気延長管、79 送気混合ボックス、79a・79b 連通開口部、80 密封、 81 連通開口部、82 小径円筒部、83 大径円筒部、84 噴射口、 85 送風流入口、86 気流方向変換器、87 送気用隙間、88 取付け開口部、89 金属バンド、90 金属製支持杆、91 L字状アングル、92 折曲片 93 U字バンド、93a 固定ボルト、94 固定ナット、95 吹出開口、96 還流開口部、97 還気延長管、98 吸引開口部、100 ダクト、101 排気開口、102 ダクト、103 排気開口、104 ダクト、105 排気開口。

【要約】
【課題】床材全面を冷却または加温して、床材から生じる冷輻射や温輻射により室内を輻射冷暖房すると共に、室内を空気冷暖房する。
【解決手段】冷・温風生成機Wで生成された冷風または温風が流れ込む送風流入口20を同一幅および同一高さに開口した気流方向変換器21をダクト14内に、前記各送風流入口20を同一上流側へ向けて間隔を有して複数個配設し、前記冷風または温風の水平気流を気流方向変換器21で室内1側への垂直上昇気流に変換し、温度をほぼ均一にして床下地ボード4に噴射して放射状に拡散させて、床下地ボード4からの熱伝導により床材5全面を平均して冷却または加温して、床材5から生じる冷輻射や温輻射により室内1内を輻射冷暖房すると共に、室内1を空気冷暖房した後の空気は前記冷・温風生成機Wに還流して、再度冷却または加温して再利用する。
【選択図】図1

図1
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