(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】梱包体
(51)【国際特許分類】
B65D 5/42 20060101AFI20221206BHJP
B65D 5/66 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B65D5/42 F
B65D5/66 311A
(21)【出願番号】P 2019074298
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2021-07-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年4月9日に、株式会社村田製作所へ販売
(73)【特許権者】
【識別番号】391057052
【氏名又は名称】株式会社サンパック
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 総一郎
(72)【発明者】
【氏名】嶽下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】種田 強
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3097556(JP,U)
【文献】特開昭62-021533(JP,A)
【文献】特開2011-246127(JP,A)
【文献】特表昭61-502457(JP,A)
【文献】特開平10-86930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42
B65D 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の樹脂製ダンボールを含む第1収容体
と、
前記第1収容体に出し入れ可能に収容され、1枚の他の樹脂製ダンボールを含む第2収容体とを備える、梱包体であって、
前記1枚の樹脂製ダンボールは、
第1面部と、
前記第1面部と互いに平行な第2面部と、
前記第1面部と前記第2面部とを互いに接続し、前記第1面部の面内方向において互いに平行に延在する複数の第1リブとを有し、
前記第1面部の表面は、前記第1収容体の内面を構成しており、
前記第1収容体は、
内面側から見たときに矩形状の外形を有する第1底面部と、
内面側から見たときの前記第1底面部の各辺を第1接続部として、該第1接続部において前記第1底面部と互いに接続する4つの第1側面部と、
前記4つの第1側面部の各々の、第1底面部側とは反対側の端部を第2接続部として、該第2接続部において前記4つの第1側面部のうち少なくとも1つの第1側面部と互いに接続する少なくとも1つの上面部とを有し、
前記第1リブの延在方向と、前記第1接続部および前記第2接続部の各々の延在方向とが、互いに交差しており、
前記第1底面部の各辺において、前記第1接続部の少なくとも一部は、前記第2面部が切断されており、
前記少なくとも1つの第1側面部において、前記第2接続部の少なくとも一部は、前記第2面部が切断されて
おり、
前記1枚の他の樹脂製ダンボールは、
第3面部と、
前記第3面部と互いに平行な第4面部と、
前記第3面部と前記第4面部とを互いに接続し、前記第3面部の面内方向において互いに平行に延在する複数の第2リブとを有し、
前記第3面部の表面は、前記第2収容体の内面を構成しており、
前記第2収容体は、
内面側から見たときに矩形状の外形を有する第2底面部と、
内面側から見たときの前記第2底面部の各辺を第3接続部として、該第3接続部において前記第2底面部と互いに接続する4つの第2側面部とを有し、
前記第2リブの延在方向と、前記第3接続部の延在方向とが互いに交差しており、
各辺の前記第3接続部の少なくとも一部は、前記第4面部が切断されており、
前記第2底面部および前記4つの第2側面部は、前記第1底面部および前記4つの第1側面部のそれぞれに接触している、梱包体。
【請求項2】
前記第1リブの延在方向と、前記第1接続部および前記第2接続部の各々の延在方向とが、互いに45度で交差している、請求項1に記載の梱包体。
【請求項3】
前記第1収容体は、前記少なくとも1つの上面部として4つの上面部を有しており、
前記4つの上面部の各々は、前記第2接続部において前記4つの第1側面部とそれぞれ互いに接続しており、
前記4つの上面部の各々は、内面側から見たときに、1辺が前記第2接続部で構成される略三角形状の外形を有しており、
前記1枚の樹脂製ダンボールは平板状に展開可能であって、前記1枚の樹脂製ダンボールを展開した状態において、前記4つの上面部のうち互いに隣接する上面部の端縁が、同一直線上に位置している、請求項1または請求項2に記載の梱包体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂製ダンボールの構成を開示した先行技術文献として、特開2007-106065号公報がある。特許文献1には、ハニカム状の中芯(リブ)構造を備える合成樹脂製ダンボールからなる単板材が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂製ダンボールを梱包体の面材として用いる場合、樹脂製ダンボールの表面および裏面の各々を構成する複数の面部のうち一方を切断し、かつ、複数の面部のうち他方において、上記切断した部分と対応する部分が折り曲げられることで、各面部が形成される。
【0005】
しかしながら、上記複数の面部の間に位置する複数のリブの延在方向に沿って複数の面部のうち一方を切断した場合、切断部分と対応する他方の面部は、複数のリブとの接続部同士の間において様々な位置で折り曲げ可能となる。これにより、梱包体の面部の寸法精度が低下する。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂製ダンボールを用いて製造される梱包体において、面部の寸法精度を向上できる梱包体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に基づく梱包体は、第1収容体を備えている。第1収容体は、1枚の樹脂製ダンボールを含んでいる。1枚の樹脂製ダンボールは、第1面部と、第2面部と、複数の第1リブとを有している。第2面部は、第1面部と互いに平行である。複数の第1リブの各々は、第1面部と第2面部とを互いに接続し、第1面部の面内方向において互いに平行に延在している。第1面部の表面は、第1収容体の内面を構成している。第1収容体は、第1底面部と、4つの第1側面部と、少なくとも1つの上面部とを有している。第1底面部は、内面側から見たときに矩形状の外形を有している。4つの第1側面部の各々は、内面側から見たときの第1底面部の各辺を第1接続部として、第1接続部において第1底面部と互いに接続している。少なくとも1つの上面部は、4つの第1側面部の各々の、第1底面部側とは反対側の端部を第2接続部として、第2接続部において4つの第1側面部のうち少なくとも1つの第1側面部と互いに接続している。第1リブの延在方向と、第1接続部および第2接続部の各々の延在方向とは、互いに交差している。第1底面部の各辺において、第1接続部の少なくとも一部は、第2面部が切断されている。上記少なくとも1つの第1側面部の各々において、第2接続部の少なくとも一部は、第2面部が切断されている。
【0008】
本発明の一形態においては、第1リブの延在方向と、第1接続部および第2接続部の各々の延在方向とが、互いに45度で交差している。
【0009】
本発明の一形態においては、第1収容体は、上記少なくとも1つの上面部として4つの上面部を有している。4つの上面部の各々は、第2接続部において前記4つの第1側面部とそれぞれ互いに接続している。4つの上面部の各々は、内面側から見たときに、1辺が第2接続部で構成される略三角形状の外形を有している。1枚の樹脂製ダンボールは平板状に展開可能である。1枚の樹脂製ダンボールを展開した状態において、4つの上面部のうち互いに隣接する上面部の端縁は、同一直線上に位置している。
【0010】
本発明の一形態においては、梱包体は、第2収容体をさらに備えている。第2収容体は、第1収容体に出し入れ可能に収容される。第2収容体は、1枚の他の樹脂製ダンボールを含んでいる。1枚の他の樹脂製ダンボールは、第3面部と、第4面部と、複数の第2リブとを有している。第4面部は、第3面部と互いに平行である。複数の第2リブは、第3面部と第4面部とを互いに接続し、第3面部の面内方向において互いに平行に延在している。第3面部の表面は、第2収容体の内面を構成している。第2収容体は、第2底面部と、4つの第2側面部とを有している。第2底面部は、内面側から見たときに矩形状の外形を有している。4つの第2側面部の各々は、内面側から見たときの第2底面部の各辺を第3接続部として、第3接続部において第2底面部と互いに接続している。第2リブの延在方向と、第3接続部の延在方向とが互いに交差している。各辺の第3接続部の少なくとも一部は、第4面部が切断されている。第2底面部および4つの第2側面部は、第1底面部および4つの第1側面部のそれぞれに接触している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、樹脂製ダンボールを用いて製造される梱包体において、面部の寸法精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る梱包体の構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る梱包体における、第1収容体および第2収容体の各々の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る梱包体の閉状態を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示した梱包体をIV-IV線矢印方向から見た断面図である。
【
図5】
図4に示したV部を拡大して示す一部拡大図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る梱包体における、第1収容体に含まれる樹脂製ダンボールの展開図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る梱包体における、第2収容体に含まれる樹脂製ダンボールの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る梱包体について図面を参照して説明する。以下の一実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明を繰り返さない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包体の構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の一実施形態に係る梱包体における、第1収容体および第2収容体の各々の構成を示す斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る梱包体の閉状態を示す斜視図である。
図4は、
図1に示した梱包体をIV-IV線矢印方向から見た断面図である。
図5は、
図4に示したV部を拡大して示す一部拡大図である。
【0015】
図1から
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る梱包体100は、第1収容体110と、第2収容体120とを備えている。第2収容体120は、第1収容体110に出し入れ可能に収容される。第1収容体110は、さらに紙製のダンボールなどの梱包箱に収容可能である。
【0016】
まず、第1収容体110について説明する。
図1から
図4に示すように、第1収容体110は、1枚の樹脂製ダンボール10を含んでいる。本実施形態においては、第1収容体110は、1枚の平板状の樹脂製ダンボール10を折り曲げた後、折り曲げられた樹脂製ダンボール10の一部を固定することにより製造される。樹脂製ダンボール10は、たとえば、ポリプロピレンまたはポリカーボネートなどの樹脂材料で構成されている。
【0017】
図2、
図4および
図5に示すように、1枚の樹脂製ダンボール10は、第1面部11と、第2面部12と、複数の第1リブ13とを有している。
図4および
図5に示すように、第1面部11および第2面部12の各々は、平板状の外形を有しており、折り曲げ可能に構成されている。第2面部12は、第1面部11と互いに平行である。
【0018】
図4および
図5に示すように、複数の第1リブ13の各々は、第1面部11と第2面部12とを互いに接続している。複数の第1リブ13の各々は、平板状の外形を有している。本実施形態においては、複数の第1リブ13の各々の厚さ方向に直交する方向の両端部において、第1面部11と第2面部12とを互いに接続している。
図2に示すように、複数の第1リブ13の各々は、第1面部11の面内方向において互いに平行に延在している。
【0019】
なお、複数の第1リブ13の各々は、後述する第1底面部、第1側面部および上面部の各々において、複数の第1リブ13の延在方向に対して直交する方向において互いに連続して構成されていてもよい。複数の第1リブ13の各々が互いに連続して構成される場合において、複数の第1リブ13は、たとえば、複数の第1リブ13の延在方向から見たときに、波形状の外形を有していてもよい。
【0020】
図2、
図4および
図5に示すように、第1面部11の表面は、第1収容体110の内面を構成している。本実施形態において、第2面部12は複数の部分に分割されており、第1収容体110の外面の一部を構成している。
【0021】
図2に示すように、第1収容体110は、第1底面部111と、4つの第1側面部112と、少なくとも1つの上面部113とを有している。
【0022】
第1底面部111は、内面側から見たときに矩形状の外形を有している。本実施形態において、第1底面部111は、内面側から見たときに正方形状の外形を有している。
【0023】
4つの第1側面部112の各々は、内面側から見たときの第1底面部111の各辺を第1接続部114として、第1接続部114において第1底面部111と互いに接続している。本実施形態において、4つの第1側面部112の各々は、内面側から見たときに、矩形状の外形を有している。すなわち、第1接続部114は、4つの第1側面部112の各々の一辺である。
【0024】
図4および
図5に示すように、第1底面部111の各辺において、第1接続部114の少なくとも一部は、第2面部12が切断されている。すなわち、第1底面部111の各辺においては、第1接続部114の少なくとも一部は、第1面部11が折り曲げられることにより構成されている。
【0025】
また、第1底面部111の各辺においては、第2面部12が切断された第1接続部114において、第1リブ13の少なくとも一部が切断されている。第1接続部114において第1リブ13が切断されていることにより、第1面部11は容易に折り曲げ可能となり、かつ、第1底面部111および第1側面部112の各々の寸法精度がさらに向上する。本実施形態においては、第2面部12が切断された第1接続部114において、第1リブ13の全部が切断されている。
【0026】
本実施形態においては、
図1から
図3に示すように、第1底面部111の各辺において、第1接続部114の全部で、第2面部12が切断されている。すなわち、第1底面部111の各辺においては、第1接続部114の全部が、第1面部11が折り曲げられることにより構成されている。本実施形態においては、第2面部12が切断された第1接続部114の全部において、第1リブ13の全部が切断されている。
【0027】
図2に示すように、少なくとも1つの上面部113は、4つの第1側面部112の各々の、第1底面部111側とは反対側の端部を第2接続部115として、第2接続部115において4つの第1側面部112のうち少なくとも1つの第1側面部112と互いに接続している。
【0028】
図1から
図3に示すように、本実施形態において、少なくとも1つの上面部113は、第1収容体の上部を開閉可能に構成されている。すなわち、
図2に示すように、少なくとも1つの上面部113が開状態のとき、上記少なくとも1つの上面部113は、上記少なくとも1つの上面部113の面内方向が第1側面部112の面内方向と平行となるまで変位させることができる。
【0029】
本実施形態においては、前記第1収容体110は、少なくとも1つの上面部113として4つの上面部113を有している。4つの上面部113の各々は、第2接続部115において4つの第1側面部112とそれぞれ互いに接続している。本実施形態においては、第2接続部115は、4つの第1側面部112の各々の一辺を構成している。第2接続部115は、第1接続部114の延在方向と平行に延在している。
【0030】
本実施形態において、上記少なくとも1つの上面部113の外形は、特に限定されない。本実施形態において、4つの上面部113の各々は、内面側から見たときに、1辺が第2接続部115で構成される略三角形状の外形を有している。具体的には、4つの上面部113の各々は、第2接続部115を構成する辺以外の二辺の長さが互いに同一となる略二等辺三角形状の外形を有しており、具体的には、略直角二等辺三角形状の外形を有している。これにより、
図3に示すように、梱包体100が閉状態のとき、4つの上面部113の各々を同一平面上に配置しつつ、第1収容体110の蓋部として構成することができる。本実施形態において、梱包体100が閉状態のとき、4つの上面部113はプラスチックテープなどの図示しない固定部材によって互いに固定されている。当該固定部材の種類は特に限定されない。
【0031】
また、
図1から
図3に示すように、4つの上面部113の各々の頂点部は、面取りされて角丸状に形成されている。これにより、
図3に示すように、第1収容体110を第1底面部111の面内方向に対して直交する方向から見たときに、第1収容体110が閉状態のとき、4つの上面部113の各々の角丸状の頂点部同士は、互い隙間を空けつつ、中心方向を向いている。
【0032】
図4および
図5に示すように、少なくとも1つの上面部113が接続された少なくとも1つの第1側面部112の各々において、第2接続部115の少なくとも一部は、第2面部12が切断されている。本実施形態において、少なくとも1つの上面部113が接続された第1側面部112において、第2接続部115は、第1面部11が折り曲げられることにより構成されている。
【0033】
また、上記少なくとも1つの上面部113においては、第2面部12が切断された第2接続部115において、第1リブ13の少なくとも一部が切断されている。第2接続部115において、第1リブ13が切断されていることにより、第1面部11は容易に折り曲げ可能となり、かつ、第1側面部112および上面部113の各々の寸法精度がさらに向上する。本実施形態においては、第2面部12が切断された第2接続部115において、第1リブ13の全部が切断されている。
【0034】
本実施形態においては、4つの上面部113が接続された第1側面部112の各々において、第2接続部115の全部で、第2面部12が切断されている。すなわち、4つの上面部113の各々が接続された4つの第1側面部112の各々においては、第2接続部115の全部が、第1面部11が折り曲げられることにより構成されている。本実施形態においては、第2面部12が切断された第2接続部115の全部において、第1リブ13の全部が切断されている。
【0035】
図1から
図3に示すように、本実施形態において、第1収容体110は、複数のフラップ116をさらに備えている。複数のフラップ116も、1枚の樹脂製ダンボール10で構成されている。
【0036】
複数のフラップ116の各々は、4つの第1側面部112のいずれかの端部に設けられている。複数のフラップ116の各々は、第1側面部112との接続部を側面接続部117として樹脂製ダンボール10を折り曲げることにより、複数のフラップ116が接続している第1側面部112と隣り合う第1側面部112の外面と互いに面接触するように位置している。
【0037】
本実施形態においては、複数のフラップ116は、4つの第1側面部112のうち、互いに対向する2つの第1側面部の112の、第1底面部111の面内方向における両端に設けられている。
【0038】
本実施形態において、複数のフラップ116の各々、および、複数のフラップ116の各々と面接触する第1側面部112は、外部からプラスチックテープなどの図示しない固定部材によって互いに固定されている。固定部材の種類は、特に限定されない。
【0039】
本実施形態においては、側面接続部117における第1面部11および第2面部12の各々は切断されていない。これにより、複数のフラップ116各々の強度を高めることができる。
【0040】
本実施形態においては、第1収容体110は樹脂製ダンボール10を折り曲げて製造される。すなわち、1枚の樹脂製ダンボール10は平板状に展開可能である。以下、第1収容体110を構成する1枚の樹脂製ダンボール10を展開した状態の構成について説明する。
【0041】
図6は、本発明の一実施形態に係る梱包体における、第1収容体に含まれる樹脂製ダンボールの展開図である。すなわち、
図6においては、第1面部11側から見たときの1枚の樹脂製ダンボール10が示されている。
【0042】
図6に示すように、第1リブ13の延在方向と、第1接続部114および第2接続部115の各々の延在方向とは、互いに交差している。本実施形態においては、第1リブ13の延在方向と、第1接続部114および第2接続部115の各々の延在方向とが、互いに45度で交差している。
【0043】
また、
図6に示すように、1枚の樹脂製ダンボール10を展開した状態において、4つの上面部113のうち互いに隣接する上面部113の端縁は、同一直線上に位置している。本実施形態においては、4つの上面部113の各々の端縁は、上面部113の外形である略三角形状の頂点部を除いて、第1リブ13の延在方向と互いに平行な方向、または、直交する方向に延在している。
【0044】
次に、第2収容体120について説明する。
図2に示すように、第2収容体120は、1枚の他の樹脂製ダンボール20を含んでいる。本実施形態においては、第2収容体120は、1枚の他の樹脂製ダンボール20を折り曲げることにより製造される。
【0045】
図2、
図4および
図5に示すように、1枚の他の樹脂製ダンボール20は、第3面部21と、第4面部22と、複数の第2リブ23とを有している。
図4および
図5に示すように、第3面部21と第4面部22の各々は、平板状の外形を有しており、折り曲げ可能に構成されている。第4面部22は、第3面部21と互いに平行である。
【0046】
図4および
図5に示すように、複数の第2リブ23の各々は、第3面部21と第4面部22とを互いに接続している。複数の第2リブ23の各々の厚さ方向に直交する方向の両端部において、第3面部21と第4面部22とを互いに接続している。
図2に示すように、複数の第2リブ23の各々は、第3面部21の面内方向において互いに平行に延在している。
【0047】
なお、複数の第2リブ23の各々は、後述する第2底面部および第2側面部の各々において、複数の第2リブ23の延在方向に対して直交する方向において互いに連続して構成されていてもよい。複数の第2リブ23の各々が互いに連続して構成される場合において、複数の第2リブ23は、たとえば、複数の第2リブ23の延在方向から見たときに、波形状の外形を有していてもよい。
【0048】
図2、
図4および
図5に示すように、第3面部21の表面は、第2収容体120の内面を構成している。本実施形態において、第4面部22は複数の部分に分割されており、第2収容体120の外面の一部を構成している。
【0049】
図2に示すように、第2収容体120は、第2底面部121と、4つの第2側面部122とを有している。
【0050】
第2底面部121は、内面側から見たときに矩形状の外形を有している。本実施形態において、第2底面部121は、内面側から見たときに正方形状の外形を有している。
【0051】
4つの第2側面部122の各々は、内面側から見たときの第2底面部121の各辺を第3接続部123として、第3接続部123において第2底面部121と互いに接続している。本実施形態において、4つの第2側面部122の各々は、内面側から見たときに、略矩形状の外形を有している。すなわち、第3接続部123は、4つの第2側面部122の各々の一辺である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態において、第2収容体120が第1収容体110に収容される状態において、第2底面部121および4つの第2側面部122は、第1底面部111および4つの第1側面部112のそれぞれに接触している。
【0053】
図4および
図5に示すように、第2側面部122の各辺の第3接続部123の少なくとも一部は、第4面部22が切断されている。すなわち、第2底面部121の各辺においては、第3接続部123の少なくとも一部は、第3面部21が折り曲げられることにより構成されている。
【0054】
また、第2底面部121の各辺においては、第4面部22が切断された第3接続部123において、第2リブ23の少なくとも一部が切断されている。第3接続部123において第2リブ23が切断されていることにより、第3面部21は容易に折り曲げ可能となり、かつ、第2底面部121および第2側面部122の各々の寸法精度がさらに向上する。本実施形態においては、第4面部22が切断された第3接続部123の全部において、第2リブ23の全部が切断されている。
【0055】
本実施形態においては、
図1から
図3に示すように、第2底面部121の各辺において、第3接続部123の全部で、第4面部22が切断されている。すなわち、第2底面部121の各辺においては、第3接続部123の全部が、第3面部21が折り曲げられることにより構成されている。本実施形態においては、第4面部22が切断された第3接続部123の全部において、第2リブ23の全部が切断されている。
【0056】
また、
図2に示すように、4つの第2側面部122の上側の、第3接続部123の延在方向における両端部は、面取りされることにより、角丸状に構成されている。
【0057】
図2に示すように、4つの第2側面部122の各々の第3接続部123の両端は、第2底面部121の各辺の両端より内側に位置している。すなわち、4つの第2側面部122の各々は、第3接続部123の延在方向における両端において、隣り合う第2側面部122と互いに離間して位置している。4つの第2側面部122の各々は、隣り合う第2側面部122と互いに離間していることにより、第2底面部121の複数の角部の各々の上方には、複数の隙間124が形成されている。
【0058】
このように、4つの第2側面部122は、第2底面部121を内面側から見たときの第2底面部121の複数の角部の上方において、互いに離間して位置している。これにより、第2収容体120の内側に変形しやすい物品を収容した場合であっても、当該物品には、第2収容体120の4つの第2側面部122によって構成される角部から応力が加わらなくなるため、上記物品の変形を抑制することができる。
【0059】
本実施形態においては、第2収容体120は1枚の他の樹脂製ダンボール20を折り曲げて製造される。すなわち、1枚の他の樹脂製ダンボール20は平板状に展開可能である。
図7は、本発明の一実施形態に係る梱包体における、第2収容体に含まれる樹脂製ダンボールの展開図である。
図7においては、第3面部21側から見たときの1枚の他の樹脂製ダンボール20が示されている。
【0060】
図7に示すように、第2リブ23の延在方向と、第3接続部123の延在方向とは互いに交差している。本実施形態においては、第2リブ23の延在方向と、第3接続部123の延在方向とが、互いに45度で交差している。
【0061】
上記のように、本発明の一実施形態に係る梱包体100においては、第1リブ13の延在方向と、第1接続部114および第2接続部115の各々の延在方向とは、互いに交差している。第1底面部111の各辺において、第1接続部114の少なくとも一部は、第2面部12が切断されている。上記少なくとも1つの第1側面部112の各々において、第2接続部115の少なくとも一部は、第2面部12が切断されている。
【0062】
これにより、樹脂製ダンボール10を用いて製造される第1収容体110において、第1底面部111、第1側面部112および少なくとも1つの上面部113の各々の寸法精度を向上させることができる。
【0063】
本実施形態においては、第1リブ13の延在方向と、第1接続部114および第2接続部115の各々の延在方向とが、互いに45度で交差している。
【0064】
これにより、第1接続部114および第2接続部115の各々を全て同様の条件で構成させることができるため、第1底面部111、第1側面部112および少なくとも1つの上面部113の寸歩精度をさらに向上させることができる。
【0065】
本実施形態においては、第1収容体110は、上記少なくとも1つの上面部113として4つの上面部113を有している。4つの上面部113の各々は、第2接続部115において前記4つの第1側面部112とそれぞれ互いに接続している。4つの上面部113の各々は、内面側から見たときに、1辺が第2接続部115で構成される略三角形状の外形を有している。1枚の樹脂製ダンボール10は平板状に展開可能である。1枚の樹脂製ダンボール10を展開した状態において、4つの上面部113のうち互いに隣接する上面部113の端縁は、同一直線上に位置している。
【0066】
これにより、
図6に示すように、第1収容体110の展開時の外形が略矩形状または略平行四辺形状となるため、第1収容体110に含まれる1枚の樹脂製ダンボール10を複数枚製造する際においては、1枚の大きな樹脂製ダンボールから効率よく上記1枚の樹脂製ダンボールを複数枚切り出すことができる。
【0067】
本実施形態においては、梱包体100は、第2収容体120をさらに備えている。4つの第2側面部122の各々は、内面側から見たときの第2底面部121の各辺を第3接続部123として、第3接続部123において第2底面部121と互いに接続している。第2リブ23の延在方向と、第3接続部123の延在方向とが互いに交差している。各辺の第3接続部123の少なくとも一部は、第4面部22が切断されている。第2底面部121および4つの第2側面部122は、第1底面部111および4つの第1側面部112のそれぞれに接触している。
【0068】
これにより、他の樹脂製ダンボール20を用いて製造される第2収容体120において、第2底面部121および4つの第2側面部122の各々の寸法精度を向上させることができる。ひいては、第1収容体110に対して、第2収容体120の出し入れを滑らかに行うことを可能にしつつ、第2収容体120を第1収容体110に収容した際においては、第2収容体120を第2側面部122の外面側から固定することができる。
【0069】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0070】
10 樹脂製ダンボール、11 第1面部、12 第2面部、13 第1リブ、20 他の樹脂製ダンボール、21 第3面部、22 第4面部、23 第2リブ、100 梱包体、110 第1収容体、111 第1底面部、112 第1側面部、113 上面部、114 第1接続部、115 第2接続部、116 フラップ、117 側面接続部、120 第2収容体、121 第2底面部、122 第2側面部、123 第3接続部、124 隙間。