(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】緊急避難用酸素マスク
(51)【国際特許分類】
A62B 18/04 20060101AFI20221206BHJP
A62B 18/10 20060101ALI20221206BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A62B18/04
A62B18/10
A41D13/11 G
A41D13/11 Z
(21)【出願番号】P 2021205494
(22)【出願日】2021-12-17
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0108920
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521553667
【氏名又は名称】マックセンス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ジュン ヨン
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-10350(JP,A)
【文献】特開平4-218174(JP,A)
【文献】登録実用新案第3012194(JP,U)
【文献】特表平5-506388(JP,A)
【文献】特開2008-157363(JP,A)
【文献】特開2013-48888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 18/00
A41D 13/11
F17C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭に被せられるフードと、
前記フードを着用した使用者に酸素を供給する酸素ボンベと、
前記フードを収容する上部カバーと、
前記上部カバーの下端部と結合され、前記フードに設けられた酸素供給口と連結される雌型結合部と、
前記酸素ボンベに設けられたまま前記雌型結合部と結合される雄型結合部と、を含み、
前記上部カバーまたは前記酸素ボンベが回転すれば、前記酸素ボンベから酸素が排出される
ことを特徴とする緊急避難用酸素マスク。
【請求項2】
前記雌型結合部は、前記上部カバーが一方向に回転すれば、前記上部カバーの回転方向と同一の一方向に回転し、
前記雄型結合部は、前記雌型結合部で発生する回転力によって上昇し、前記酸素ボンベに設けられたノズルを前記雌型結合部と接触させる
請求項1に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項3】
前記雄型結合部は、
前記酸素ボンベの上端部周縁と結合される第1胴体と、
前記第1胴体の外面から放射方向に突出形成される突出部材と、
前記第1胴体の上面から上向きに突出するように設けられ、前記酸素ボンベのノズルを取り囲む雄型管状部と、
前記雄型管状部の外面に設けられるガイド溝と、を含む
請求項2に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項4】
前記雌型結合部は、
前記第1胴体の上部に配置される第2胴体と、
前記第2胴体の外面に沿って形成され、前記突出部材が挿入されて係止される切欠部と、
前記第2胴体の外面から放射方向に突出形成され、前記上部カバーと連結されるリブと、
前記第2胴体の上面から上向きに突出するように設けられ、前記雄型管状部が挿入される雌型管状部と、
前記雌型管状部の内周面に設けられ、前記ガイド溝と締結される締結突起と、を含む
請求項3に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項5】
前記上部カバーは、
前記上部カバーの下端側内周面に形成され、前記リブが挿入されて安着される第1溝と、
前記第1溝と連通可能に連結され、前記切欠部に挿入された前記突出部材が垂直方向に移動し得る空間を提供する第2溝と、
前記第2溝と連通可能に連結され、前記突出部材に水平方向に移動し得る空間を提供する長孔と、を含む
請求項4に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項6】
前記ガイド溝は、
前記締結突起が垂直方向に移動する垂直区間と、
前記垂直区間と連通可能に連結され、前記締結突起が傾斜方向に移動する傾斜区間と、
前記傾斜区間と連通可能に連結され、前記締結突起が水平方向に移動する第1水平区間と、
前記第1水平区間の幅よりも小さい幅を有したまま、前記第1水平区間と連通可能に連結され、前記締結突起の移動を制限する第2水平区間と、を含む
請求項4に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項7】
前記切欠部は、
前記第2胴体の底部から上部に向かって形成され、
長手方向の一側部は、外部と開放された状態を成し、長手方向の他側部は、外部と遮断された形態で前記第2胴体の外面に形成される
請求項4に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項8】
前記第2胴体は、
前記突出部材の長手方向の一側部と接触して前記突出部材の移動を制限するストッパーと、
前記ストッパーと所定間隔を隔てて配置され、前記上部カバーが一方向に回転するか或いは前記酸素ボンベが他方向に回転すれば、前記突出部材の長手方向の他側部と接触するカム面と、を含む
請求項7に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項9】
前記突出部材は、前記ストッパーと前記カム面との間の空間に配置されたまま、前記切欠部の長手方向の他側部に向かって移動する
請求項8に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項10】
前記突出部材は、前記切欠部を経由して前記長孔に挿入されることを特徴とする、請求項5に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項11】
前記上部カバーが一方向に回転するか或いは前記酸素ボンベ又は下部カバーが他方向に回転することにより、前記突出部材が前記切欠部の長手方向の他側部に位置すると、前記突出部材の長手方向の他側部は前記リブと接触する
請求項8に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項12】
前記酸素ボンベを保護する下部カバーをさらに含み、
前記下部カバーの上端は、前記雄型結合部の下端と着脱自在に結合される
請求項1に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項13】
前記上部カバーの内側に前記フードとともに収容され、非常時に使用者の情報を他人に共有するための報知手段をさらに含み、
前記報知手段は、発光ランプ、スピーカーモジュール、GPSモジュール及び通信モジュールの少なくとも一つを含む
請求項1に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項14】
前記報知手段は、一側に所定の直径の貫通孔を具備するように形成され、
前記報知手段は、前記フードに固定されたワイヤが前記貫通孔を貫通することにより前記フードと分離されないように固定される
請求項13に記載の緊急避難用酸素マスク。
【請求項15】
前記上部カバーは、複数個の平面が外周面に沿って配置され、互いに隣接した二つの平面は、所定の角度を形成するように配置される
請求項1に記載の緊急避難用酸素マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急避難用酸素マスクに関し、詳しくは、火事のような災難時に使用者が安全な場所へ容易に避難することができる時間の間に酸素を供給するように構成された緊急避難用酸素マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マスクは、有害ガス及び粉塵が発生する産業現場で使われるフィルターマスクと、鉱山坑内のような酸素欠乏現場、そして火事場などで使われる自給式呼吸が可能なマスクとに分けられる。
【0003】
フィルターマスクは、着用者が有毒性ガスまたは現場で発生する粉塵等を浄化筒を介してフィルタリングして呼吸するように構成されており、自給式呼吸が可能なマスクは、着用者が有毒性ガスを吸入しないようにするとともに、呼吸に必要な酸素を供給するように構成されている。
【0004】
通常、自給式呼吸の可能なマスは、圧縮空気が充填された酸素タンクと、着用者の呼吸器に着用されるマスクとで構成される。しかし、このような自給式呼吸が可能なマスクは、酸素タンクの体積が大きいことから、移動性及び携帯性が劣るという問題点があり、実質的に火災を専門的に鎮圧する消防公務員のような専門人力にのみ適用されて制限的に用いられている。
【0005】
すなわち、前記のような自給式呼吸が可能なマスクは、火事場に長期間滞留しながら火災を鎮圧する消防公務員にとっては好適な構成を提供するものの、携帯性と移動性が劣ることから、一般人には適用されにくいという問題点がある。特に、老人や子供、女性は、重い酸素タンクを背負って避難場所へ移動するのが非常に難しい。
【0006】
したがって、地下鉄や空港、学校、ビルなどのような公共施設及び家庭には浄化筒を用いた防煙マスクが備え付けてある実情である。
前記のような防煙マスクは、体積が大きい酸素タンクを利用しないので携帯性と移動性に優れる長所があり、しかも、着用が簡便であるという長所もある。
【0007】
しかしながら、従来の浄化筒付き酸素マスクは、着用者が安全な場所に移動するゴールデンタイムを確保するのに足りない構成を持っている。
【0008】
すなわち、防煙マスクの浄化筒は、粒子濾過(フィルター)、化学吸着(活性炭素)、化学中和(化学薬品の添加)などの様々な公知の方式をもって有毒ガスの流入を遮断する構成を持っているだけで、自発的な酸素発生及び酸素供給の機能は、全く備えていないからである。
【0009】
着用者が安全な場所に退避する移動時間が長くなるほど浄化筒の性能が低下し、これによって、着用者は酸素欠乏症状を経験するようになり、結局、窒息死するという問題点がある。特に、火災発生箇所が、酸素濃度の低い、地下鉄や、チムジルバン(韓国式スパ)、建物の地下である場合は、浄化筒がまともに本来の機能を果たしても着用者は酸素欠乏症状を経験するようになる。実際に浄化筒を用いた酸素マスクは、酸素濃度17%以下では使用ができないと法令で定められている。
【0010】
また、避難動線が複雑でかつ長い場合は、浄化筒を用いた防煙マスクにのみ依存して移動することが、老人、子供、女性だけでなく、健康成人男性にも難しいことであるので、結局、有毒ガスによる窒息死が発生するという問題点がある。
【0011】
特に、安全な場所への退避のために移動する過程で着用者が、酸素濃度が低下する箇所を経由するようになると、防煙マスクを着用していても、不足な酸素濃度によって酸素欠乏症状を経験するようになる。
【0012】
酸素欠乏症状を経験すると、老若男女を問わず冷静な理性的判断が困難になり、露出時間によって運動能力が低下するので、避難動線を正確に把握することができずに現在の位置で待っていて結局窒息死する問題点がある。
【0013】
したがって、本出願人は、前記のような問題点を解決するために、火事のような災難時に使用者が安全な場所に移動する時間の間ひたすら純粋酸素のみを供給するように構成された酸素マスクを開発して、特許出願をした事がある(韓国特許出願第10-2020-0158172号)。
【0014】
一方、酸素マスクは、パウチ形態のかばんや別途の収納箱に保管されたまま家庭や事務所、公共施設、ビルなどに備え付けられる 。しかし、火事のような緊急状況の際に、使用者がパウチ形態のかばんや収納箱から酸素マスクを取り出してから着用する過程が、時間がかかり、かつ難しいという問題点がある。
特に、外部汚染を防止するためにパウチ形態のかばんは密封されているから女性や子供はパウチ形態のかばんを切開するのがかなり難しい。
【0015】
また、酸素マスクは、前述のような保管形態で公共施設や大型ビルに備え付けてある個数が足りないので、緊急状況時に酸素マスクを実質的に使用する人員は極めて制限的であるという問題点がある。
【0016】
したがって、本出願人は、前記のような問題点を解決するために本発明を開発することに至り、これに関連した先行技術文献としては、韓国登録特許第10-1138310号の「自給式酸素呼吸器」がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】韓国特許出願第10-2020-0158172号
【文献】韓国登録特許第10-1138310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、かかる問題点を解決するために案出されたものであって、その目的は、家庭や事務所、公共施設、ビルなどのような建物内で保管の便宜性を提供するとともに、着用者が迅速で簡便に使用できる緊急避難用酸素マスクを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、火事時に安全な場所に避難する移動過程で、着用者の移動性を低下させないとともに、安全な場所に移動するゴールデンタイムの間にだけひたすら純粋酸素を供給できるように構成された緊急避難用酸素マスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、使用者の頭に被せられるフードと、前記フードを着用した使用者に酸素を供給する酸素ボンベと、前記フードを収容する上部カバーと、前記上部カバーの下端部と結合され、前記フードに設けられた酸素供給口と連結される雌型結合部と、前記酸素ボンベに設けられたまま前記雌型結合部と結合される雄型結合部と、を含み、前記上部カバーまたは前記酸素ボンベが回転すれば、前記酸素ボンベから酸素が排出されることができる。
【0021】
また、前記雌型結合部は、前記上部カバーが一方向に回転すれば、前記上部カバーの回転方向と同一の一方向に回転し、前記雄型結合部は、前記雌型結合部で発生する回転力によって上昇し、前記酸素ボンベに設けられたノズルを前記雌型結合部と接触させることができる。
【0022】
また、前記雄型結合部は、前記酸素ボンベの上端部周縁と結合される第1胴体と、前記第1胴体の外面から放射方向に突出形成される突出部材と、前記第1胴体の上面から上向きに突出するように設けられ、前記酸素ボンベのノズルを取り囲む雄型管状部と、前記雄型管状部の外面に設けられるガイド溝と、を含むことができる。
【0023】
また、前記雌型結合部は、前記第1胴体の上部に配置される第2胴体と、前記第2胴体の外面に沿って形成され、前記突出部材が挿入されて係止される切欠部と、前記第2胴体の外面から放射方向に突出形成され、前記上部カバーと連結されるリブと、前記第2胴体の上面から上向きに突出するように設けられ、前記雄型管状部が挿入される雌型管状部と、前記雌型管状部の内周面に設けられ、前記ガイド溝と締結される締結突起と、を含むことができる。
【0024】
また、前記上部カバーは、前記上部カバーの下端側内周面に形成され、前記リブが挿入されて安着される第1溝と、前記第1溝と連通可能に連結され、前記切欠部に挿入された前記突出部材が垂直方向に移動し得る空間を提供する第2溝と、前記第2溝と連通可能に連結され、前記突出部材に水平方向に移動し得る空間を提供する長孔と、を含むことができる。
【0025】
また、前記ガイド溝は、前記締結突起が垂直方向に移動する垂直区間と、前記垂直区間と連通可能に連結され、前記締結突起が傾斜方向に移動する傾斜区間と、前記傾斜区間と連通可能に連結され、前記締結突起が水平方向に移動する第1水平区間と、前記第1水平区間の幅よりも小さい幅を有したまま、前記第1水平区間と連通可能に連結され、前記締結突起の移動を制限する第2水平区間と、を含むことができる。
【0026】
また、前記切欠部は、前記第2胴体の底部から上部に向かって形成され、長手方向の一側部は、外部と開放された状態を成し、長手方向の他側部は、外部と遮断された形態で前記第2胴体の外面に形成されることができる。
【0027】
また、前記第2胴体は、前記突出部材の長手方向の一側部と接触して前記突出部材の移動を制限するストッパーと、前記ストッパーと所定間隔を隔てて配置され、前記上部カバーが一方向に回転するか或いは前記酸素ボンベが他方向に回転すれば、前記突出部材の長手方向の他側部と接触するカム面と、を含むことができる。
また、前記突出部材は、前記ストッパーと前記カム面との間の空間に配置されたまま、前記切欠部の長手方向の他側部に向かって移動することができる。
また、前記突出部材は前記切欠部を経由して前記長孔に挿入されることができる。
【0028】
また、前記上部カバーが一方向に回転するか或いは前記酸素ボンベ又は下部カバーが他方向に回転することにより、前記突出部材が前記切欠部の長手方向の他側部に位置すると、前記突出部材の長手方向の他側部は前記リブと接触することができる。
また、前記酸素ボンベを保護する下部カバーをさらに含み、前記下部カバーの上端は、前記雄型結合部の下端と着脱自在に結合されることができる。
【0029】
また、前記上部カバーの内側に前記フードとともに収容され、非常時に使用者の情報を他人に共有するための報知手段をさらに含み、前記報知手段は、発光ランプ、スピーカーモジュール、GPSモジュール、及び通信モジュールの少なくとも一つを含むことができる。
【0030】
また、前記報知手段は、一側に所定の直径の貫通孔を具備するように形成され、前記報知手段は、前記フードに固定されたワイヤが前記貫通孔を貫通することにより前記フードと分離されないように固定されることができる。
また、前記上部カバーは、複数個の平面が外周面に沿って配置され、互いに隣接した二つの平面は、所定の角度を形成するように配置されることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、ワンタッチ方式で上部カバーを一方向に回転させるか或いは酸素ボンベ又は下部カバーを他方向に回転させる作動メカニズムで酸素を使用者に供給する構成を提供するので、老若男女を問わず危急な状況で誰も迅速で容易に使用することができる。
【0032】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、ガイド溝と締結突起、そして、切欠部と突出部材の結合構造によって、上部カバー、酸素ボンベ、下部カバーが意図せずに回転することを二重に防止し得るので、緊急状況時に使用者が酸素を供給してもらえない安全事故を未然に防止することができる。
【0033】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、火事場での酸素濃度の低下によって発生する酸素欠乏症状を、フードを用いた着用者が経験しないようにひたすら純粋酸素のみを着用者に供給する構成を提供するので、着用者が安全に避難場所まで移動するか、消防署員を待つようにする。
【0034】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、着用者が安全な場所に移動するゴールデンタイム、あるいは、消防署員が到着するゴールデンタイムの間だけ純粋酸素を供給する構成を提供するので、酸素を供給する構造の大きさ及び体積を簡素化することができ、その結果、着用者の移動性と携帯性を向上させる。
【0035】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、簡単で、かつ簡素化された構造だけでも着用者に酸素を供給する構成を提供するので、その製造コストが安く、これによって、学校、地下鉄、空港などのような公共施設に大量で備え付けが可能である。
【0036】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、フードの内部へ酸素を供給するボンベで酸素がすべて消尽しても、着用者は陽圧を形成するフードの内部で自発呼吸を実施することができる構成を提供するので、ゴールデンタイムを増やすことができる。
【0037】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、特有の報知手段を具備することで、非常時に使用者に関連する多様な情報を外部に送信することができて、使用者の迅速な救助を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクの斜視図である。
【
図2】
図1に示された酸素マスクの分解斜視図である。
【
図6】
図2に示された上部カバーを底部から見た斜視図である。
【
図7】本発明の一実施形態による雄型結合部と雌型結合部とが結合された状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示された突出部材が切欠部の長手方向の他側に位置した姿を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるガイド溝の構成を示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態による締結突起がガイド溝に沿って移動する過程を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態による雄型結合部に下部カバーが装着された状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施形態による雌型結合部にフードが設けられた姿を示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクの使用状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態による報知手段の上部を示す図である。
【
図15】本発明の一実施形態による報知手段の下部を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態による上部カバーを上部から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付される図面とともに詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、相異なる多様な形態で具現され、ただ本実施形態は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は特許請求の範囲の範疇によって定義されるだけである。
【0040】
以下、
図1~
図16を参照して本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクが詳細に説明する。本発明を説明するにおいて、関連した公知の機能あるいは構成についての具体的な説明は、発明の要旨を濁らすことを避けるために 省略する。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクの斜視図であり、
図2は、
図1に示された酸素マスクの分解斜視図であり、
図3は、
図2に示された雄型結合部の斜視図であり、
図4は、
図2に示された雌型結合部の斜視図であり、
図5は、
図2に示された雌型結合部の底面図であり、
図6は、
図2に示された上部カバーを底部から見た斜視図であり、
図7は、本発明の一実施形態による雄型結合部と雌型結合部とが結合された状態を示す斜視図であり、
図8は、
図7に示された突出部材が切欠部の長手方向の他側に位置した姿を示す斜視図であり、
図9は、本発明の一実施形態によるガイド溝の構成を示す斜視図であり、
図10は、本発明の一実施形態による締結突起がガイド溝に沿って移動する過程を示す図であり、
図11は、本発明の一実施形態による雄型結合部に下部カバーが装着された状態を示す斜視図であり、
図12は、本発明の一実施形態による雌型結合部にフードが設けられた姿を示す斜視図であり、
図13は、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクの使用状態を示す斜視図であり、
図14は、本発明の一実施形態による報知手段の上部を示す図であり、
図15は、本発明の一実施形態による報知手段の下部を示す図であり、
図16は、本発明の一実施形態による上部カバーを上部から見た平面図である。
【0042】
本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスクは、例えば、火事が発生した時、安全な待避所までの移動にかかる時間、または、消防署員が火事場まで到着する時間の間、使用者が酸素欠乏症状を経験しないように、ひたすら純粋酸素のみを使用者に供給して酸素濃度をゴールデンタイムの間低下させないことに特徴がある発明であるといえ、特に、老若男女を問わず誰も迅速で簡便に使用できるように構成されており、家庭、学校、事務所、ビル、地下鉄の駅、地下鉄などに多量で保管または常置できるように構成されたことに特徴がある。
【0043】
前記のような緊急避難用酸素マスク100は、大きく、
図1及び
図2に示されたように、使用者の頭に被せられるフードh(
図12及び
図13参照)と、前記フードhを着用した使用者に酸素を供給する酸素ボンベcと、前記フードhを収容する上部カバー200と、前記上部カバー200の下端部と結合され、前記フードhに設けられた酸素供給口(図示せず)と連結される雌型結合部300と、前記酸素ボンベcに設けられたまま前記雌型結合部300と結合される雄型結合部400と、を含むことができる。
【0044】
本発明の一実施形態による酸素マスク100は、使用者が上部カバー200や酸素ボンベcまたは後述する下部カバー500を回転させると、前記酸素ボンベcに格納された酸素が使用者に供給される構成を持っている。
【0045】
まず、雄型結合部400は、
図3に示されたように、酸素ボンベcの上端部周縁と結合される第1胴体410と、前記第1胴体410の外面から放射方向に突出形成される突出部材420と、前記第1胴体410の上面から上向きに突出するように設けられ、前記酸素ボンベcのノズルを取り囲む雄型管状部430と、前記雄型管状部430の外面に設けられるガイド溝440と、を含むことができる。
第1胴体410は、全体として円筒状を有し、その下部は、酸素ボンベcの上端部が挿入されることができるように開放されている。
【0046】
突出部材420は、第1胴体410の外面で互いに間隔を置いて複数個に設けられることができる。本発明の一実施形態では、二つの突出部材420が互いに間隔を置いて第1胴体410の上端側の外面に設けられるものと図面上に示されている。
【0047】
雄型管状部430は、酸素ボンベcに設けられたノズルを取り囲む中空の管状を有することができ、後述する雌型結合部300と直接的に締結される構成要素であると言える。すなわち、雄型管状部430は、酸素ボンベcの上端に形成されたノズルを保護すると同時に、前記酸素ボンベcのノズルをフードhに形成された酸素供給口(図示せず)と連通可能に連結させる。
【0048】
ガイド溝440は、雄型管状部430の周面に沿って形成されることができる。本発明の一実施形態では、二つのガイド溝440が互いに間隔を置いて雄型管状部430の外面に形成されることができる。
【0049】
また、ガイド溝440は、
図9及び
図10に示されているように、後述する雌型結合部300の締結突起350(
図5参照)が垂直方向に移動する垂直区間d1と、前記垂直区間d1と連通可能に連結され、前記締結突起350が傾斜方向に移動する傾斜区間d2と、前記傾斜区間d2と連通可能に連結され、前記締結突起350が水平方向に移動する第1水平区間d3と、前記第1水平区間d3の幅よりも小さい幅を有したまま、前記第1水平区間d3と連通可能に連結され、前記締結突起350の移動を制限する第2水平区間d4と、を含むことができる。
【0050】
垂直区間d1は、雌型結合部300と雄型結合部400が最初結合されれば、雌型結合部300の締結突起350が垂直方向に挿入されて移動する区間を言う。より具体的に説明すると、締結突起350が、ガイド溝440の形成されている雄型管状部430の高さ方向に沿って移動する区間と言える。
【0051】
前記垂直区間d1に配置された状態の締結突起350は、雄型管状部430の周方向に移動することができない。なぜなら、前記垂直区間d1を区切る側壁によって移動が遮断されるからである。
傾斜区間d2は、垂直区間d1に挿入された締結突起350の移動方向を水平方向に切り換える区間を指す。
【0052】
第1水平区間d3は、前記傾斜区間d2を経由した締結突起350が水平方向に移動する区間を指す。より正確に言えば、前記締結突起350が雄型管状部430の周方向に沿って移動する区間と言える。
【0053】
前記第1水平区間d3に配置された状態の締結突起350は、垂直方向に移動することができない。なぜなら、前記第1水平区間d3を区切る上・下壁によって移動が遮断されるからである。したがって、前記第1水平区間d3に締結突起350が到逹すると、雄型管状部430が後述する雌型管状部340(
図4参照)上から分離されずに結合された状態を維持することができる。
【0054】
一方、前記第1水平区間d3の幅は、前記締結突起350の幅よりも大きい。したがって、前記雄型管状部430は、雌型管状部340上から分離されない結合された状態を維持することはできるが、第1水平区間d3の幅と締結突起350の幅とが互いに異なることから、上・下方向に揺れが生じることがある。ところが、このような揺れは、後述する雌型結合部300の切欠部320(
図7参照)に挿入された突出部材420によって防止されることができる。
【0055】
第2水平区間d4は、前記第1水平区間d3を経由した締結突起350が挿入されて水平方向に移動する区間をいい、その一端部は閉塞されている。すなわち、第2水平区間d4は締結突起350が最終的に到逹する区間と言える。
【0056】
なお、第2水平区間d4の幅は、第1水平区間d3の幅よりも小さい。そして、第2水平区間d4の幅は、締結突起350の幅と等しいか大きい。これによって、第1水平区間d3を経由した締結突起350は、第1水平区間d3に挿入されて移動する場合に比して、上・下方向への揺れがさらに最小化されたまま第2水平区間d4へ移動することができる。例えば、締結突起350は、嵌め合い方式で第2水平区間d4に挿入されてもよい。一方、第2水平区間d4と連通可能に連結される第1水平区間d3の長手方向の一箇所は、締結突起350が第2水平区間d4に容易に進入できるように徐々に幅が細くなる形態を持っている。
【0057】
同様に、締結突起350は、第2水平区間d4を区切る上・下壁によって垂直方向への移動が遮断されることができる。このとき、前述のように、第2水平区間d4の幅が第1水平区間d3の幅よりも小さく、締結突起350の幅と等しいか大きいことから、前記締結突起350が前記第2水平区間d4に移動すれば、雄型管状部430が雌型管状部340上で揺れることなくしっかりと結合された状態を維持することができる。
【0058】
前記雌型結合部300は、
図4及び
図5に示されたように、前記第1胴体410の上部に配置される第2胴体310と、前記第2胴体310の外面に沿って形成され、前記突出部材420が挿入されて係止される切欠部320と、前記第2胴体310の外面から放射方向に突出形成され、前記上部カバー200と連結されるリブ330と、前記第2胴体310の上面から上向きに突出するように設けられ、前記雄型管状部430が挿入される雌型管状部340と、前記雌型管状部340の内周面に設けられ、前記ガイド溝440と締結される締結突起350と、を含むことができる。
第2胴体310は、全体として円筒状を有し、その下端部は、前記第1胴体410が挿入できるように開放されている。
【0059】
切欠部320は、第2胴体310の周面に沿って形成され、第1胴体410に設けられた突出部材420の個数と対応される個数で形成されることができる。本発明の一実施形態では、第2胴体310の周面に二つの切欠部320が互いに間隔を置いて形成される。
【0060】
また、切欠部320は、第2胴体310の底部から上部に向かって形成され、長手方向の一側部は、外部と開放された状態を成し、長手方向の他側部は、外部と遮断された形態で前記第2胴体310の外面に形成されることができる。
【0061】
リブ330は、第2胴体310の外面で互いに間隔を置いて複数個で形成されてもよく、第2胴体310の高さ方向に沿って形成されてもよい。本発明の一実施形態では、切欠部320の長手方向の一側部と長手方向の他側部にそれぞれリブ330が配置されるものと図面上に示されている。
雌型管状部340は、フードhと連結される部材と言え、雄型管状部430が挿入されることができる内部空間を形成している。
【0062】
締結突起350は、雌型管状部340の内周面で雌型管状部340の中心に向かって突出形成され、雄型管状部430の外面に形成されたガイド溝440の個数と対応される個数で形成されることができる。本発明の一実施形態では二つの締結突起350が互いに間隔を置いて形成されている。
【0063】
前記上部カバー200は、
図6に示されているように、上端は外部と遮断されており、下端には開口部が形成されている円筒状を有することができ、その下端部が前記雌型結合部300と着脱自在に結合されることができる。
【0064】
さらに、
図16を参照すれば、上部カバー200は、複数個の平面260、270が外周面に沿って配置され、このとき、互いに隣接した二つの平面260、270は、所定角度θを形成することができる。すなわち、使用者が把持する上部カバー200の外面に角部280が形成されることがあり、一例として、上部カバー200は、
図16のように水平断面が正多角形状に形成されていてもよい。これにより、使用者は非常時に上部カバー200を回転させるにあたり、滑ることなく安定的に速かに時計回り方向または反時計回り方向に回転させることができる。
【0065】
また、上部カバー200は、上部カバー200の下端側内周面に形成され、前記雌型結合部300のリブ330が挿入されて安着される第1溝210と、前記第1溝210と連通可能に連結され、前記切欠部320に挿入された前記突出部材420が垂直方向に移動し得る空間を提供する第2溝220と、前記第2溝220と連通可能に連結され、前記突出部材420に水平方向に移動し得る空間を提供する長孔230と、を含むことができる。
第1溝210は、雌型結合部300に設けられたリブ330の個数と対応される個数で形成されることができる。
【0066】
第2溝220は、上部カバー200が雌型結合部300と結合されるか、雌型結合部300上から分離される場合、雄型結合部400の突出部材420に干渉されないようにする役割をする。すなわち、第2溝220は、突出部材420が移動し得る空間を提供する。
【0067】
長孔230は、切欠部320に挿入されて係止された突出部材420が挿入され得る空間を提供するとともに、上部カバー200が突出部材420に干渉されることなく回転し得る空間を提供する。
【0068】
前記のように構成された上部カバー200、雌型結合部300、及び雄型結合部400によって、前記上部カバー200が一方向に回転すれば、雌型結合部300は、前記上部カバー200の回転方向と同一の一方向に回転することができる。
【0069】
このとき、前記雄型結合部400は、雌型結合部300で発生する回転力によって上昇して前記酸素ボンベcに設けられたノズルを雌型管状部340の天井面と接触させる。すなわち、酸素ボンベcは、雄型結合部400とともに上昇するところ、酸素ボンベcの上端に設けられたノズルが雌型管状部340の天井面と接触しながら酸素を排出することができる。ノズルから排出される酸素は、雌型管状部340の中央に形成された孔およびフードhの酸素供給口を経由して使用者に伝達される。
【0070】
雌型結合部300と雄型結合部400とは、
図7及び
図8に示された形態で互いに結合されることができる。すなわち、雄型結合部400が、雌型結合部300の形成する内側空間内に挿入されることができる。
【0071】
この時、雄型結合部400の突出部材420は、
図7に示されたように、切欠部320の長手方向の一側部から挿入されて切欠部320の長手方向の中間部に位置付けられる。
【0072】
前記のように、突出部材420が切欠部320の長手方向の中間部に位置付けられると、酸素ボンベcのノズルは、雌型管状部340の天井面と非接触状態を成すことになる。したがって、フードhの内部へ酸素が供給されない状態であると言える。
【0073】
一方、第2胴体310は、
図4及び
図7に示されたように、突出部材420の長手方向の一側部と接触して前記突出部材420の移動を制限するストッパー311と、前記ストッパー311と所定の間隔を隔てて配置され、前記上部カバー200が一方向に回転するか、前記酸素ボンベcが他方向に回転すれば、前記突出部材420の長手方向の他側部と接触するカム面312と、を含むことができる。
【0074】
すなわち、切欠部320の長手方向の一側から挿入されて切欠部320の長手方向の中間部に移動した突出部材420は、前記ストッパー311と前記カム面312との間の空間に配置された状態を成す。
【0075】
前記のような構成によって、上部カバー200が時計回り方向に回転すれば、これに連動して雄型結合部300の第2胴体310が時計回り方向に回転する。このとき、第2胴体310のカム面312が突出部材420の長手方向の他側部と摺接するようになる。
【0076】
逆に、酸素ボンベcが反時計回り方向に回転するか、後述する下部カバー500が反時計回り方向に回転しても、第2胴体310のカム面312が突出部材420の長手方向の他側部と摺接することができる。
【0077】
すると、
図8に示されているように、突出部材420は、切欠部320の長手方向の他側部に位置付けられた状態となる。一方、切欠部320は、第2胴体310の底部から上部に向かって形成されるので、突出部材420は、上向きに移動した状態で切欠部320の長手方向の他側部に位置付けられた状態になる。この時、突出部材420の長手方向の他側部は、第2胴体310の外面に形成されたリブ330と接触して移動が制限されることがある。すなわち、第2胴体310の外面に形成されたリブ330が突出部材420の長手方向の他側部と接触することによって、上部カバー200と雌型結合部300の時計回り方向の回転運動または酸素ボンベcと下部カバー500との反時計回り方向の回転運動を制限することができる。
【0078】
前記のような作動過程によって、雌型結合部300と雄型結合部400との間の間隔が狭まることがあり得る。すなわち、突出部材420が切欠部320の長手方向の他側部に位置すれば、雌型結合部300と雄型結合部400との間の間隔が狭くなることによって、酸素ボンベcのノズルが雌型管状部340の天井面と接触状態を成すようになる。したがって、このような状態は、フードhの内部に酸素が供給される状態であると言える。
【0079】
一方、雌型結合部300と雄型結合部400が
図7に示された形態のように結合されると、
図9及び
図10に示されているように雌型管状部340の内周面に形成された締結突起350は、ガイド溝440の垂直区間d1と傾斜区間d2を順次経由して第1水平区間d3に位置することができる。
【0080】
締結突起350が第1水平区間d3に位置すれば、酸素ボンベcのノズルは、雌型管状部340の天井面と非接触状態を成すようになる。したがって、フードhの内部に酸素が供給されない状態であると言える。
【0081】
上部カバー200が時計回り方向に回転するか、酸素ボンベcまたは後述する下部カバー500が反時計回り方向に回転すれば、第2水平区間d4に位置している締結突起350は、
図10に示されたように、第2水平区間d4に移動することができる。
【0082】
前記のような状態になると、雌型結合部300と雄型結合部400との間の間隔が狭まることが有り得る。すなわち、締結突起350がガイド溝440の第2水平区間d4に位置すれば、雌型結合部300と雄型結合部400との間の間隔が狭くなることによって、酸素ボンベcのノズルが雌型管状部340の天井面と接触状態を成すようになる。したがって、このような状態はフードhの内部に酸素が供給される状態であると言える。
【0083】
本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスク100は、上部カバー200を時計回り方向に回転させるか或いは酸素ボンベcや後述する下部カバー500を反時計回り方向に回転させる簡単な作動メカニズムにより、フードhの内部に酸素を供給することができるので、誰も容易に使用可能であるというメリットを持っている。
【0084】
また、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスク100は、前記雄型結合部400の下端側周面と着脱自在に結合される下部カバー500をさらに含むことができる。
【0085】
下部カバー500は酸素ボンベcを保護する役割を果たし、
図12に示されているように、ホルダ600と着脱自在に結合されて、家庭や事務室、公共施設、ビルなどに、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスク100を容易に保管及び常置できるようにする。
【0086】
一方、第1胴体410の下端側周面には、下部カバー500の上端側内周面に形成された締結部材(図示せず)と結合される係合部450が前記第1胴体410の周方向に沿って形成されてもよい。
【0087】
係合部450には、下部カバー500の締結部材(図示せず)が挿入されるレール溝452が所定の深さに形成されることができ、レール溝452の長手方向の両側には締結部材の移動を制限する係止条451がそれぞれ形成される。
【0088】
したがって、下部カバー500が反時計回り方向に回転すると、レール溝452に挿入された締結部材が反時計回り方向に移動しながら係止条451に当接した状態になり、それに連動して第1胴体410が反時計回り方向に回転することができるわけである。
【0089】
尚、
図13を参照すれば、本発明の一実施形態による酸素マスク100は、使用者の情報を他人に共有するための報知手段700をさらに含むことができる。この時、前記情報は、事故現場に所在する使用者の救助をより容易にするための情報であって、例えば、使用者の位置情報、個人識別情報または身体健康情報などが挙げられる。
【0090】
非制限的な一例として、報知手段700は、火事による避難時、使用者の位置を救助者に視覚的に伝達できるように、
図14に示されたように、LEDランプのような発光ランプ730を具備することができる。
【0091】
他の一例として、報知手段700は、内部に高周波の非常音を生成することができるスピーカーモジュール(図示せず)を具備して、
図15に示されているように、外側には前記非常音が外部に発散され得るように複数個の通孔740が形成されることができる。これによって、本発明の一実施形態による報知手段700は、救助者に使用者の位置を聴覚的に伝達して救助者に迅速な救助活動を促進させることができる。
【0092】
また他の一例として、報知手段700は、GPSモジュール(図示せず)を具備して、使用者の位置情報を送受信したり、例えばRFID(Radio-Frequency Identification)のように周波数を利用して情報を送信したりすることができる通信モジュール(図示せず)を具備して、使用者に係わる固有情報を外部に送信することで使用者の情報を知らせることができる。この時、通信モジュールによって伝送される情報は、例えば、使用者の高危険疾患情報、血液型情報などのような保健情報または現在の使用者の血圧または脈搏などのような、使用者が着用したウェアラブルデバイスから受信されたリアルタイム健康情報などが挙げられる。
【0093】
一方、報知手段700は、
図14に示されたように、所定の体積を有する筐体720を含んでなり、フードhとともに上部カバー200の内部空間に収容されやすいように、上部カバー200に比べて相対的に小さいサイズで形成されてもよい。
【0094】
また、報知手段700の筐体720の内部には、前述した発光ランプ730、スピーカーモジュール、GPSモジュールまたは通信モジュールなどを制御するための制御部及び前記複数のモジュール側に電源を供給するように所定の容量のバッテリーが設置されてもよい。
【0095】
そして、報知手段700の外側には、前記複数のモジュールを活性化させるように、操作信号を最初に生成するための物理ボタンが具備されることができ、これとは異なり、前記報知手段700が内側に火事場の空気などを自動に検知できるセンサーモジュール(図示せず)を具備することで、制御部が前述した物理ボタンによる活性化なしでも自動に前記複数のモジュールを活性化させることもできる。
【0096】
本発明の一実施形態において、報知手段700は、
図13及び
図15に示されているように、フードhを包む形態でフードhの一側に固定されたワイヤ710が貫通されることができる貫通孔750を具備して、フードhと分離されないように固定されることができる。
【0097】
次に、本発明の一実施形態による緊急避難用酸素マスク100の使用例を説明する。
使用者は、緊急状況時に片手では酸素ボンベcまたは下部カバー500を把持した状態で、もう片方の手で上部カバー200を時計回り方向みに回転させることができる。この時、酸素ボンベcまたは下部カバー500を反時計回り方向に回転させても構わない。
【0098】
前記のような状態になると、
図7及び
図8に示されているように、切欠部320に挿入された状態で第2胴体310のストッパー311とカム面312との間の空間に配置された突出部材420が、切欠部320の長手方向の他側部に上向き移動及び水平移動することができる。
【0099】
そして、切欠部320の長手方向の他側部に配置された突出部材420は、第2胴体310に外面に設けられたリブ330と接触して移動が制限される。
【0100】
これに併せて、
図10に示されているように、ガイド溝440の第1水平区間d3に配置された締結突起350は、第2水平区間d4に移動することができる。
【0101】
前記のような状態になると、雌型結合部300と雄型結合部400との間の間隔が狭くなりながら、酸素ボンベcのノズルが雌型管状部340の天井面と接触して押圧されるようになる。
【0102】
すると、酸素ボンベcのノズルと雌型管状部340に形成された貫通孔とフードhに形成された酸素供給口とが互いに連通可能な状態になって、フードhの内部へ酸素が供給されることができる。
【0103】
前記のような状態下、使用者は、
図12に示しているように、上部カバー200を垂直方向に持ち上げて雌型結合部300の第2胴体310上から分離させることができる。この時、上部カバー200は、第1溝210及び第2溝220によって第2胴体310に設けられたリブ330と、切欠部320の長手方向の他側に配置された突出部材420とに干渉されることなく、雌型結合部300上から容易に分離されることができる。
【0104】
上部カバー200が雌型結合部300上から分離されると、巻き込まれた状態のフードhが露出するところ、
図13に示したように、使用者は前記フードhを広げた後に自分の頭に被せて酸素を供給してもらえる。
【0105】
参考までに、前記フードhは、耐熱能力及び難燃性に優れた材質で作製されることができ、上部カバー200が形成する内部空間に折り畳まれるか巻き込まれた状態で配置されることができる。
【0106】
参考までに、フードhの内部は、酸素ボンベcから供給される酸素によって陽圧を形成するようになる。すると、使用者は自分が吐き出した呼気と、前記酸素ボンベcから供給される純粋な酸素とを利用して自発呼吸を実施することができる。
【0107】
フードhの内部空間が容易に陽圧状態をなし、かつ、使用者がフードhの内部空間で円滑に呼吸を実施するためには、使用者が最初にフードhを着用した時、その内面が着用者の顔または頭と所定の間隔離隔されるのが望ましい。したがって、前記フードhは、着用者の皮膚に密着されるサイズや形態を持つものよりは、着用者の皮膚から所定の間隔を隔ててなるサイズ及び形態を有するものの方が望ましい。
【0108】
また、酸素ボンベcは、酸素マスク100が設けられる場所、避難動線などを考慮して多様な大きさを持つことができる。同様に、酸素ボンベcに格納される酸素量、酸素圧縮度、酸素吐出量も、酸素マスク100が設けられる場所や避難動線などを考慮して設定可能である。
【0109】
また、酸素ボンベcは、オリフィスバルブを用いて酸素を吐出することができる。オリフィスバルブを用いた流体吐出方式は、構造が簡単であり、故障の危険が少ないため、安全装備、救護装備、防護装備に適用されることができる。
【0110】
また、使用者の頭と顔の全体を包むフードhの代わりに、使用者の口周囲にのみ着用されるマスクが適用されてもよい。
【0111】
これまで本発明による具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から離脱しない範囲内で様々な変形が可能であることは勿論である。それゆえ、本発明の範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のみならず、該特許請求の範囲と均等範囲によって定められる。
【要約】
【課題】使用者の頭に被せられるフードと、前記フードを着用した使用者に酸素を供給する酸素ボンベと、を含む緊急避難用酸素マスクを提供すること。
【解決手段】フードを収容する上部カバーと、前記上部カバーの下端部と結合され、フードに設けられた酸素供給口と連結される雌型結合部と、酸素ボンベに設けられたまま雌型結合部と結合される雄型結合部と、を含み、上部カバーまたは前記酸素ボンベが回転すれば、酸素ボンベから酸素が排出される。
【選択図】
図2