(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】遊技用装置、遊技用システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A63F7/02 353
A63F7/02 328
(21)【出願番号】P 2017144542
(22)【出願日】2017-07-26
【審査請求日】2020-06-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 周二
【合議体】
【審判長】鉄 豊郎
【審判官】▲吉▼川 康史
【審判官】北川 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-29201(JP,A)
【文献】特開2007-37801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計数手段による遊技媒体の計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能な制御手段と、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記特定値に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記特定値であっても、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能であり、
前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立を規制し、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から
新規発行させないための制御を実行可能であり、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記制御手段により、前記第1記録媒体発行手段から第1記録媒体を
新規発行
又は更新発行させるための制御が実行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
計数手段による遊技媒体の計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能な制御手段と、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段と、
を備え、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記所定値
以上に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記所定値であっても、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能であり、
前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立が規制されることで、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行せず、
前記制御手段により、前記第1記録媒体発行手段から第1記録媒体を
新規発行
又は更新発行させるための制御が実行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項3】
前記第2記録媒体発行手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられており、且つ、前記計数手段による計数結果が示す遊技媒体数の当該第1記録媒体に対応付けられた遊技媒体数への加算が終了する前において、前記第1記録媒体発行手段との接続が切断した場合、当該計数結果の確認を促す情報が記録された特殊第2記録媒体を発行可能である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記第2記録媒体発行手段は、
前記計数手段による計数結果を情報化したバーコード情報が記録されていない前記特殊第2記録媒体を発行可能である
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記第1記録媒体は、
前記計数手段による計数結果に関する情報を内部領域に記録可能なカードであり、
前記第2記録媒体は、
前記計数手段による計数結果に関する情報を印字することで記録可能なレシートである
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の遊技用装置。
【請求項6】
前記所定の変更条件は、
リモコンへの所定の操作により成立する条件である
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の遊技用装置。
【請求項7】
遊技媒体を計数可能な計数手段と、
前記計数手段による計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を
新規発行可能な第1記録媒体発行手段と、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段と、
を備え、
前記第1記録媒体発行手段は、
第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記特定値に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記特定値
であっても、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を
新規発行可能であり、
前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立を規制し、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第1記録媒体を
新規発行しないことが可能であり、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記第1記録媒体発行手段により第1記録媒体が
新規発行
又は更新発行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とする遊技用システム。
【請求項8】
遊技媒体を計数可能な計数手段と、
前記計数手段による計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を
新規発行可能な第1記録媒体発行手段と、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段と、
を備え、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記所定値
以上に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記所定値
であっても、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能であり、
前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立が規制されることで、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行せず、
前記第1記録媒体発行手段により第1記録媒体が
新規発行
又は更新発行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とする遊技用システム。
【請求項9】
コンピュータを、
計数手段による遊技媒体の計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能な制御手段、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段、
として機能させ、
前記制御手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記特定値に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記特定値であっても、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能であり、
前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立を規制し、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から
新規発行させないための制御を実行可能であり、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記制御手段により、前記第1記録媒体発行手段から第1記録媒体を
新規発行
又は更新発行させるための制御が実行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
計数手段による遊技媒体の計数結果が所定値
以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を第1記録媒体発行手段から
新規発行させるための制御を実行可能な制御手段、
前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段、
として機能させ、
前記第2記録媒体発行手段は、
前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記所定値
以上に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記所定値であっても、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能であり、
前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立が規制されることで、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行せず、
前記制御手段により、前記第1記録媒体発行手段から第1記録媒体を
新規発行
又は更新発行させるための制御が実行される場合、第2記録媒体を発行しない
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体の計数結果が対応付けられた記録媒体を発行する遊技用装置、遊技用システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置されるホールには、遊技者が獲得した遊技球等の遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置が備えられている。
この種の遊技媒体計数装置では、例えば、計数対象として遊技球を計数する計数装置の場合、すり鉢状に形成されたホッパーに投入された遊技球がホッパー底面の投入口から装置内部に順次流入し、所定の計数手段(例えば、近接センサ)で計数される。その計数結果は、紙製のチケット(レシート)や、磁気カード、ICカードなど、所定の記録媒体に記録されて遊技者に発行・提供される(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の遊技媒体計数装置には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技用装置は、計数手段による遊技媒体の計数結果が所定値以上である場合、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を第1記録媒体発行手段から新規発行させるための制御を実行可能な制御手段と、前記計数手段による計数結果が前記所定値未満の特定値である場合、当該計数結果が対応付けられた第2記録媒体を発行可能な第2記録媒体発行手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1記録媒体発行手段に第1記録媒体が受け付けられておらず、且つ、前記計数手段による計数結果が前記特定値に確定した後において、所定の変更条件が成立した場合には、前記計数手段による計数結果が前記特定値であっても、当該計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から新規発行させるための制御を実行可能であり、前記第1記録媒体発行手段に前記第1記録媒体が受け付けられている場合には、前記所定の変更条件の成立を規制し、前記計数手段による計数結果が対応付けられた第1記録媒体を前記第1記録媒体発行手段から新規発行させないための制御を実行可能であり、前記第2記録媒体発行手段は、前記制御手段により、前記第1記録媒体発行手段から第1記録媒体を新規発行又は更新発行させるための制御が実行される場合、第2記録媒体を発行しない構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】計数装置と持玉カード発行装置の外観図である。
【
図3】計数装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図4】持玉カード発行装置の制御構成を示すブロック図である。
【
図5】各装置間において送受信される情報を示す図である。
【
図7】レシート発行装置の表示部における表示例を示す図である。
【
図8】レシート発行装置の表示部における表示例を示す図である。
【
図9】レシート発行装置の表示部における表示例を示す図である。
【
図10】計数結果と各閾値に基づいて記録媒体を発行するか否かを判断する一例を説明する図である。
【
図11】レシート発行部から発行されるレシートの一例を説明する図である。
【
図12】オフライン運用時の運用パターンの一例を説明する図である。
【
図13】記録媒体発行処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技用装置と、この遊技用装置を備える遊技用システム及びプログラムの好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
本実施形態に係る遊技用装置を含む遊技用システム1は、
図1に示すように、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機10と複数の装置で構成されている。
複数の装置としては、例えば、遊技媒体貸出機20、台管理装置30、島管理装置40、遊技場管理装置50、計数装置60、持玉カード発行装置90、持玉管理装置100、会員管理装置110、レシート発行履歴管理装置120などを備えている。
これらの装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0009】
また、本実施形態に係る遊技用システム1は、再プレイシステムとして構築されている。
再プレイシステムとは、遊技者が獲得した遊技媒体を遊技場が預かるとともに再び遊技(再プレイ)可能に引き出すことができるシステムであり、例えば、本実施形態では、遊技者が遊技によって獲得した遊技媒体(獲得遊技媒体)を持玉管理装置100や会員管理装置110で管理するともに、その獲得遊技媒体を遊技媒体貸出機20から引き出し可能とし、遊技機10において再プレイできるようになっている。
なお、獲得遊技媒体は、遊技場の所定の箇所(各遊技コーナーの遊技機島の島端など)に設置されている再プレイ機(非図示)で引き出すこともできる。
また、獲得遊技媒体には、遊技者が当日獲得した遊技媒体(以下、当日持玉ともいう)の数量である当日持玉数と、遊技者(会員)により前日以前に遊技場に預け入れられた遊技媒体(以下、貯玉ともいう)の数量である貯玉数がある。
本実施形態では、当日持玉数は持玉管理装置100で管理し、貯玉数は会員管理装置110で管理するようになっている。
【0010】
遊技媒体貸出機20は、遊技機10ごとに設置された装置であって、例えば、所定の紙幣を投入するための紙幣投入口21、所定の有価価値を有するカードを挿入するためのカード挿入口22等が設けられている。
カードには、遊技場の会員が獲得した遊技媒体を遊技場に預け入れ又は引き出し可能な会員カード(会員記録媒体、第3記録媒体に相当)や、会員登録のない一般遊技者が使用可能な一般カード(一般記録媒体、第1記録媒体に相当)等がある。
会員カードと一般カードは、不揮発性のEEPROMからなる記憶領域を備えており、会員カードには会員カードを一意に特定可能な会員カードIDが予め記録され、一般カードには一般カードを一意に特定可能な一般カードIDが予め記録されている。
なお、本実施形態では、会員カードには、所定の情報(計数値など)の書き込みはできないものとし、一方、一般カードには、所定の情報(計数値など)の書き込みはできるものとする。また、会員カードと一般カードとを区別しない場合には、単に「カード」と称し、会員カードIDと一般カードIDとを区別しない場合には、単に「カードID」と称する。
【0011】
本実施形態に係る遊技用システム1が適用される遊技場では、遊技媒体貸出機20と、各台計数機能付き遊技媒体貸出機20が併用して設けられている。
各台計数機能付き遊技媒体貸出機20は、少なくとも、併設された遊技機10において獲得した遊技媒体を計数する計数部(不図示)、計数された遊技媒体や貯玉を払い出す払出部(不図示)等を備えており、計数部は遊技機10の下皿から投下される遊技媒体を計数し、この計数結果を一般カードに記録又は会員カードに対応付けて記録して発行することができる。
遊技媒体貸出機20は、多くの出玉を獲得可能な機種の遊技機10に併設されており、一方、各台計数機能付き遊技媒体貸出機20は、多くの出玉を獲得し難い機種の遊技機10に併設されている。
このような配置構成により、遊技媒体貸出機20が設けられた遊技島や遊技機10においては、遊技によって払い出された遊技媒体が玉箱に収納されて、遊技場の通路等に積み上げられた状態で置かれるので、遊技場では、遊技者に対して出玉感をアピールし興趣を高めることができるようになっている。
【0012】
台管理装置30は、遊技機10ごとに設置された装置であって、遊技機10や遊技媒体貸出機20から出力された信号を入力して島管理装置40に送る中継装置として機能する。
島管理装置40は、複数の台管理装置30と接続される装置であって、台管理装置30から出力された信号を入力して遊技場管理装置50に送る中継装置として機能する。
遊技場管理装置50は、複数の島管理装置40と接続される装置であって、島管理装置40から出力された信号を入力し、この信号に基づいて遊技に関する所定の情報を算出し、算出した所定の情報を遊技情報として集計管理する。
【0013】
計数装置60は、遊技者が遊技によって獲得した遊技媒体の数量を計数するための遊技媒体計数装置であり、遊技球の数量を計数する玉計数機とメダルの数量を計数するメダル計数機に区別され、遊技場内の所定の箇所、例えば、遊技機島の島端などに設置されている。
なお、本実施形態に係る計数装置60は、設置用の台・テーブル等に据置できる卓上型の計数装置であり、玉計数機を例に挙げて説明する。
計数装置60は、
図2に示すように、遊技球が投入される装置本体70と、計数結果として得られた遊技球の数量である計数値をレシート(第2記録媒体に相当)に印字して発行するレシート発行装置80とが一体的に設けられ、一個の計数装置を形成している。
なお、計数装置60の詳細な構成は後述する。
【0014】
持玉カード発行装置90は、
図2に示すように、レシート発行装置80とシリアルケーブルで接続されており、計数装置60により計数された計数結果に応じてカードを発行するための装置である。
持玉カード発行装置90は、
図2及び
図4に示すように、会員カード又は一般カードを挿入可能であるとともに、会員カード又は一般カードを発行可能なカード挿入・発行部91と、その挿入されているカードから所定の情報を読み取る又は書き込むカードリーダ・ライタ92と、カードリーダ・ライタ92に連通して設けられ、複数枚(例えば、100枚)の一般カードを保有可能なカードストック部93を有している。
また、持玉カード発行装置90の内部には、レシート発行装置80や持玉管理装置100等と各種情報を送受信する通信部94、持玉カード発行装置90が備える各種機能を実行するためのプログラムや計数結果等のデータを記憶する記憶部95、CPU等により構成され、記憶部95に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、各部に指令を送り、又は自ら動作して、各種機能を制御する制御部96等が内蔵されている。
【0015】
また、持玉カード発行装置90(通信部94)は、レシート発行装置80(通信部85)との間でシリアル通信によって各種情報の送受信を行う。
例えば、カードリーダ・ライタ92で読み取った一般カード又は会員カードに関するカード情報(カードID、カード種別、当日持玉数等)を計数装置60に送信する。
また、計数装置60から計数結果(計数値)や実行コマンドを受信し、その応答を計数装置60に返信する。計数装置60から送信される実行コマンドとしては、「一般カード新規発行コマンド」、「一般カード更新発行コマンド」、「会員カード更新発行コマンド」等がある。
【0016】
制御部96は、カード挿入・発行部91を本発明における第1記録媒体発行手段として動作させることで、計数装置60から受信した実行コマンドに応じて、次のような動作を行う。
例えば、制御部96は、計数装置60から「一般カード新規発行コマンド」を受信すると、カードストック部93に保有している複数枚の一般カードのうち1枚のカードをカードリーダ・ライタ92に搬送させ、計数装置60から受信した計数値を記録して、カード挿入・発行部91から発行させる。
また、計数装置60から「一般カード更新発行コマンド」を受信すると、カード挿入・発行部91に挿入されている一般カードに記録されている当日持玉数に、計数装置60から受信した計数値を加算して書き込ませた後に、一般カードを返却させる。
これらの場合、制御部96は、一般カードに書き込んだ計数値や、一般カードのカードID等を含む計数情報を通信部94を介して持玉管理装置100に送信させる。これにより、一般カードの利用者によって計数装置60で計数された計数結果が当日持玉数として持玉管理装置100で管理される。
【0017】
また、制御部96は、計数装置60から「会員カード更新発行コマンド」を受信すると、カード挿入・発行部91に挿入されている会員カードのカードIDに計数装置60から受信した計数値を対応付けて持玉管理装置100に送信する。これにより、会員カードの利用者(会員)によって計数装置60で計数された計数結果が当日持玉数として持玉管理装置100で管理される。
なお、計数値を会員管理装置110に送信することで、会員による当日持玉数を会員管理装置110で管理することも可能である。
【0018】
持玉管理装置100は、遊技者の持玉に関する情報を管理する管理機能、他の装置との間で持玉に関する情報を送受信する通信機能等を備えた装置である。
具体的には、持玉管理装置100は、持玉カード発行装置90において一般カードが新規に発行された場合や、遊技媒体貸出機20において一般カードや会員カードが返却された場合に、該カードのカードIDと、その時点での持玉数を各装置から受信し、当日持玉数としてカードIDに対応付けて記憶する。
また、遊技媒体貸出機20から当日持玉の引き出し要求や、持玉カード発行装置90から当日持玉の参照要求を受信すると、カードIDと対応付けられた当日持玉数を各装置に送信する。
また、持玉管理装置100に記憶されている当日持玉数は、計数が行われた当日のみ使用可能であり、当日の営業が終了すると、会員カードIDに対応付けられている当日持玉数は会員管理装置110に送信されて貯玉数として管理され、一般カードIDに対応付けられている当日持玉数は無効となる。
【0019】
会員管理装置110は、遊技者(会員)に関する情報を管理する管理機能、他の装置との間で会員に関する情報を送受信する通信機能等を備えた装置である。
会員管理装置110は、遊技場の会員ごとに集計された会員情報を記憶する。会員情報は、例えば、会員カードIDに貯玉数、会員暗証番号、氏名、住所、遊技履歴等の項目が関連付けて構成される。
また、会員管理装置110は、遊技媒体貸出機20から貯玉の引き出し要求や、レシート発行装置80から貯玉の参照要求を受信すると、会員カードIDと対応付けて記憶している貯玉数を各装置に送信する。
遊技者によって遊技媒体貸出機20から貯玉の引き出し操作がされた場合には、会員カードIDに対応する貯玉数から所定値を減算して得られた差を新たな貯玉数として更新して記憶する。
【0020】
レシート発行履歴管理装置120は、レシート発行装置80において計数結果としてレシートを発行した際の情報を管理する装置である。
具体的には、レシート発行履歴管理装置120は、レシートの発行後、発行日付時刻、計数値、装置番号等からなるレシート発行情報をレシート発行装置80から受信する。
なお、レシート発行履歴管理装置120は、外部の装置(景品交換装置(POS端末)や遊技場管理装置50)から参照要求を受信すると、レシート発行情報を各装置に送信する。
【0021】
このような構成からなる遊技用システム1において、本発明に係る遊技用装置としては、様々な形態や種類のものがあるが、本実施形態では、計数装置60を遊技用装置として例示し、以下にこれらの構成及び機能を詳述する。
【0022】
[計数装置]
本実施形態の計数装置60は、
図2に示すように、装置本体70とレシート発行装置80が一体的に構成されている。
装置本体70は、
図2に示すように、装置上面に開口したすり鉢形状のホッパー72を備え、ホッパー72に投入された遊技球が、ホッパー底面に配置された投入口に向かって落下・転動し、投入口を介して遊技球が装置内に順次投入・流入されるようになる。その後、装置内において複数の流路(レーン)によって分流・整流されつつ、遊技球を検出する複数のセンサ(計数センサ部71)へ誘導されて計数されるようになっている。
また、装置本体70には、所定の駆動手段により駆動されて投入口を開放/閉鎖して、装置内への遊技球の流入を制限・規制するシャッター73を備えており、遊技場の店員等の立ち会いの下にシャッター73が開放されて計数処理が行えるようになっている。
また、装置本体70の前面には、余り玉を放出するための余り玉返却部74が設けられている。
【0023】
計数センサ部71は、本発明に係る計数手段の一例として動作し、装置本体70の内部に配置され、投入口を介して複数の各流路から流下する遊技球を検出する、例えば複数の近接センサからなる。
各近接センサからの検出信号が、レシート発行装置80の制御部87に送信され、制御部87によって、この入力回数が計数されて、遊技球の計数値として算出される。
そして、計数センサ部71における計数結果が、後述するレシート発行部82によってレシートに記録され、又は、持玉カード発行装置90のカードリーダ・ライタ92によって一般カードに書き込まれる。
【0024】
レシート発行装置80は、
図2に示すように、表示部81、レシート発行部82、リモコン受光部83、前カバー部84を備えている。
また、レシート発行装置80は、
図3に示すように、装置内部に、通信部85、記憶部86及び制御部87を備えている。
【0025】
表示部81は、遊技場の店員等の操作を受付可能なタッチパネル(操作手段に相当)によって構成されており、パネル上に情報を表示する表示機能と、パネル上の操作領域がタッチ操作されることにより操作に応じた情報を設定する設定機能(第1設定手段、第2設定手段、第3設定手段に相当)を備えている。
例えば、表示部81には、計数された遊技球の計数値、タッチ操作可能な操作ボタン、エラー情報、各種設定内容等が表示される。
【0026】
具体的には、
図7(a)に示すように、計数がされていない状態としての待ち受け状態では「待ち受け画面」が表示され、この待ち受け状態でホッパー72内に遊技球が投入されると、
図7(b)に示す「計数中画面」が表示される。
「計数中画面」では、計数センサ部71から送られてきた検出信号に基づいて表示を行い、リアルタイムで計数中の玉数が表示され、計数が完了すると、
図7(c)に示す「計数確定画面」が表示される。この「計数確定画面」には、計数結果を示す計数値と、例えば「全部」ボタンが表示される。
この「計数確定画面」が表示されるのは、例えば、計数センサ部71が遊技球を検知しなくなってから所定期間(5秒程度)経過した状態である(以下、この状態を「計数確定後」ともいう)。
そこで、遊技場の店員等が「計数確定画面」の「全部」ボタンにタッチすると、
図7(d)に示す「発行画面」が表示されるとともに、レシート発行部82からレシートが発行される。「発行画面」には、レシートに印刷された玉数が表示される。
【0027】
「計数確定画面」に表示される操作ボタン(操作情報)は、計数が確定した際に表示される。前述の「全部」ボタン(第1操作情報に相当)の他に、例えば、「持玉」ボタン(第2操作情報に相当)、「貯玉」ボタン(第3操作情報に相当)、「返却」ボタン等が表示される。
「持玉」ボタンは、一般カードに計数結果を書き込んでカード挿入・発行部91から発行させる場合や、カード挿入・発行部91に受け付けられている一般カード又は会員カードの当日持玉数に計数結果を加算する場合に操作される(
図8参照)。
「貯玉」ボタンは、カード挿入・発行部91に受け付けられている会員カードの貯玉数に計数結果を加算する場合に操作される(
図9参照)。
【0028】
「返却」ボタンは、特殊景品と交換可能な最小の玉数に相当する最低特殊景品数(例えば、250玉)に達しない玉数分を余り玉として余り玉返却部74から返却する場合に操作される。
例えば、
図8(b)に示すように、計数確定後に「返却」ボタンが表示された状態において、「返却」ボタンがタッチ操作されると、計数結果(255玉)のうち余り玉となる5玉(255玉-250玉)が余り玉返却部74から返却され、250玉は一般カードに書き込まれて発行される。
また、
図9(b)に示すように、計数確定後に「返却」ボタンが表示された状態において、「返却」ボタンがタッチ操作されると、計数結果(255玉)のうち余り玉となる5玉(255玉-250玉)が余り玉返却部74から返却され、250玉は会員カードに対応付けられて発行される。
このように特殊景品との交換に満たない端数玉を返却することで、遊技者は、この端数玉を再度遊技に用いることができる。
「返却」ボタンの表示の可否は、計数装置60ごとに設定が可能である。例えば、計数装置60の各種設定が可能な設定モード中に、表示部81から「有効」又は「無効」を設定することで、「有効」と設定されている場合には、計数結果のうち余り玉が生じるときに、「返却」ボタンが表示される(
図7~
図9参照)。
【0029】
なお、最低特殊景品数(250玉)とは別に、最低記録単位数を設けることで、この最低記録単位数に満たない計数結果のみ、返却されるようにしてもよい。
例えば、最低記録単位数を25玉として設定した場合、計数結果が155玉の状態では、最低記録単位数の25玉で割り切れる値(150玉)はレシートに印字して発行し、残りの値(5玉)は余り玉返却部74から返却するようにしてもよい。
【0030】
また、表示部81における表示態様は、計数値、カード挿入・発行部91に受け付けられているカードの種類及びカードの有無に応じて異なるようになっている。
例えば、計数がされていない待ち受け状態(「待ち受け画面」)では、背景色が「青色」で表示される。
また、カード挿入・発行部91にカードが受け付けられていない状態で、計数結果(計数値)が最低特殊景品数(250玉)未満の場合には背景色が「青色」で表示され、計数結果(計数値)が最低特殊景品数(250玉)以上の場合には背景色が「橙色」で表示される。
また、カード挿入・発行部91にカードが受け付けられている状態では、背景色が「黄色」で表示される。
このように、計数値、カードの種類及びカードの有無に応じて表示部81における表示態様が異なるので、遊技場の店員は計数の状態を一目で認識することができる。
なお、表示部81における表示態様は、これに限らず、背景色に限らず、表示される操作ボタンの色・形状や、文字情報の色・形状等を異ならせてもよい。
【0031】
レシート発行部82は、本発明に係る第2記録媒体発行手段の一例として動作し、計数センサ部71により計数された遊技球の計数結果を、紙製のレシートに印字して発行可能な印刷手段(例えば、プリンタ)からなる。
レシート発行部82によるレシートの発行は、表示部81に表示される「全部」ボタンが操作されることで行われる。
また、レシートには、例えば、
図11(a)に示すように、店名、計数値、計数値をコード化したバーコード、発行日時等が印刷されている。
【0032】
リモコン受光部83は、遊技場の店員が所持するリモコンRから無線送信される所定の信号を受信する受信部である。
本実施形態では、リモコンRからの操作に応じて、計数結果を記録する記録媒体の種類を変更できるようになっている。
具体的には、計数結果をレシートによって発行可能な状態であっても、遊技場の店員によるリモコンRへの操作を条件として、一般カードによって新規に発行可能な状態に変更することができる。また、その反対に、計数結果を一般カードによって新規発行可能な場合であっても、遊技場の店員によるリモコンRへの操作を条件として、レシートによって発行可能な状態に変更することができる。
【0033】
前カバー部84は、表示部81、レシート発行部82を覆うように開閉可能なカバー体であり、遊技場の店員が所持する鍵によって開錠され、前カバー部84が開放されることで、レシート発行装置80の内部へのアクセスが可能となり、メンテナンスや故障の修理等が行えるようになっている。
【0034】
通信部85は、例えば、持玉カード発行装置90、レシート発行履歴管理装置120、遊技場管理装置50と通信を行う通信手段である。
例えば、
図5に示すように、計数装置60で計数した計数結果(計数値)を持玉カード発行装置90に送信する。また、レシートの発行後、レシートに印字した計数値等を含むレシート発行情報をレシート発行履歴管理装置120に送信する。
また、持玉カード発行装置90(通信部94)から、カードリーダ・ライタ92で読み取ったカード情報を受信する。例えば、会員カードが挿入された状態で「貯玉」ボタンが操作された場合には、会員カードIDと計数装置60で計数した計数値等を含む計数情報をレシート発行履歴管理装置120を経由して会員管理装置110に送信する。
これにより、計数装置60で計数された計数結果が、貯玉数として会員管理装置110で管理される。
【0035】
記憶部86は、計数装置60が備える各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する記憶手段であり、例えば、計数値、各種設定値等を記憶する。
本実施形態の記憶部86は閾値情報を記憶する。
閾値情報は、計数装置60で計数した計数値と大小比較する際に参照される複数の閾値から構成されており、この比較結果に応じて計数値を記録媒体に記録するか否かが判断される。
閾値は、遊技場の店員によって予め設定され、計数装置60が備える設定モード中に表示部81から設定することができる。
例えば、
図6に示すように、「第1閾値(第1所定値、所定値に相当)」、「第2閾値(第2所定値に相当)」、「第3閾値(第3所定値に相当)」、「第4閾値(第3所定値に相当)」等を有している。
【0036】
「第1閾値」は、一般カードを受け付けていない場合に、カードストック部93に保有されている一般カードに計数結果(計数値)を書き込んで新規に発行する場合に最低限必要な玉数(最低一般カード発行玉数)からなる。
例えば、最低特殊景品数に相当する「250玉」が設定されている。
「第2閾値」は、一般カードを受け付けている場合に、当該一般カードに計数結果(計数値)を書き込んで更新する場合に最低限必要な玉数(最低一般カード更新玉数)からなる。
例えば、「第1閾値」と同様に、最低特殊景品数に相当する「250玉」が設定されている。
「第3閾値」は、会員カードを受け付けている場合に、当該会員カードに対応付けられている当日持玉数に計数結果(計数値)を加算して更新する場合に最低限必要な玉数(最低会員カード更新玉数)からなる。
「第4閾値」は、会員カードを受け付けている場合に、当該会員カードに対応付けられている貯玉数に計数結果(計数値)を加算して更新する場合に最低限必要な玉数(最低貯玉可能数)からなる。
なお、「第3閾値」及び「第4閾値」は、会員管理装置110で管理してもよい。この場合、計数装置60で計数した計数値と「第3閾値」又は「第4閾値」とを大小比較する際に、「第3閾値」又は「第4閾値」を会員管理装置110から受信して、大小比較をしてもよい。あるいは、計数装置60で計数した計数値と「第3閾値」又は「第4閾値」とを大小比較する際に、「第3閾値」又は「第4閾値」を会員管理装置110に送信することで、会員管理装置110において大小比較をし、その結果を計数装置60が受信してもよい。
また、閾値は、4つに限らず、4つ以上の閾値を設けてもよく、複数の閾値をまとめて3つ以下の閾値として設けてもよい。また、各閾値に設定する数値は、任意に変更が可能である。
【0037】
また、記憶部86には、会員カード取引設定情報が記憶される。
会員カード取引設定情報は、カードリーダ・ライタ92に会員カードが受け付けられている状態で、計数値を当日持玉として管理するか、又は、貯玉として管理するかを設定するための情報である。
具体的には、会員カード取引設定フラグを記憶しており、持玉を示す「0」と貯玉を示す「1」が記憶される。「0」が設定されている場合には、計数値を当日持玉として管理し、「1」が設定されている場合には、計数値を貯玉として管理するようになっている。
【0038】
制御部87は、計数装置60の各部を制御するコンピュータとして構成された制御手段である。
制御部87は、記憶部86に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、計数装置60の構成各部に指令を送り、又は自ら動作して、計数装置60が有する各種機能を実行・制御する。
例えば、制御部87が、計数センサ部71から入力される検出信号を計数するとともに、表示部81に表示される操作ボタン(「全部」ボタン)のタッチ操作の検出に基づいてレシート発行部82からレシートを発行させるという、計数装置60としての基本的な動作を行う。
また、制御部87は、持玉カード発行装置90の構成各部に指令(実行コマンド)を送り、持玉カード発行装置90が有する各種機能を実行可能に制御する。
例えば、制御部87が、計数センサ部71から入力される検出信号を計数するとともに、表示部81に表示される操作ボタン(「持玉」ボタン)のタッチ操作の検出に基づいてカード挿入・発行部91から一般カードを新規発行させるという、持玉カード発行装置90としての基本的な動作を行わせる。
さらに、制御部87は、上記のような基本的な動作を行いつつ、以下のような特徴的な動作を行う。
【0039】
制御部87は、計数センサ部71から入力される検出信号の計数結果(計数値)に応じて、当該計数値を対応付けて発行する記録媒体を決定する。
具体的には、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91にカードが受け付けられているか否かと、計数値と各閾値(
図6参照)との大小比較に基づいて発行する記録媒体を決定する。
以下、
図10を参照して具体的に説明する。
なお、以下の説明においては、閾値には、
図6に示す数値が設定されているものとする。
また、「返却」ボタンの表示は「無効」と設定されているものとする。
【0040】
(1)「カード:受付無、計数値<第1閾値」の場合
制御部87は、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91に一般カード又は会員カードが受け付けられておらず、且つ、遊技媒体の計数結果(計数値)が第1閾値未満であると判断した場合には、当該計数値を記録したレシートをレシート発行部82から発行させる。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」である場合、この計数値が第1閾値(250玉)未満の数値(第1特定値、特定値に相当)であることから、表示部81には「全部」ボタンが表示される。そして、この「全部」ボタンがタッチ操作されると、計数値(155玉)が印字されたレシートがレシート発行部82から発行される。
【0041】
(2)「カード:受付無、計数値≧第1閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に一般カード又は会員カードが受け付けられておらず、且つ、遊技媒体の計数結果(計数値)が第1閾値以上であると判断した場合には、当該計数値を書き込んだ一般カードをカード挿入・発行部91から新規に発行させる。
例えば、計数確定後の計数値が「255玉」である場合、この計数値が第1閾値(250玉)以上の数値であることから、表示部81には「持玉」ボタンが表示される。そして、この「持玉」ボタンがタッチ操作されると、「一般カード新規発行コマンド」が持玉カード発行装置90に送信され、カードストック部93に保有されている1枚の一般カードがカードリーダ・ライタ92に搬送されて、計数値が書き込まれた状態でカード挿入・発行部91から発行される。
【0042】
(3)「一般カード:受付有、計数値+当日持玉数<第2閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に一般カードが受け付けられており、且つ、この一般カードに記録されている当日持玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加算した値(以下、合算値ともいう)が第2閾値未満であると判断した場合には、この一般カードに計数値を書き込まずに、カード挿入・発行部91から返却する。すなわち、受け付けられている一般カードに計数値が書き込まれた状態で、カード挿入・発行部91から発行されないように制御する。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、一般カード内の当日持玉数が「50玉」である場合、合算値(205玉)が第2閾値(250玉)未満の数値(第2特定値に相当)であることから、表示部81にはエラー(持玉更新下限エラー)が表示されるとともに、カード挿入・発行部91に受け付けられている一般カードが、計数値が書き込まれない状態で返却される。
【0043】
(4)「一般カード:受付有、計数値+当日持玉数≧第2閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に一般カードが受け付けられており、且つ、この一般カードに記録されている当日持玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値が第2閾値以上であると判断した場合には、この一般カードの当日持玉数に計数値を加算して更新させるとともに、更新した後の一般カードをカード挿入・発行部91から返却させる。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、一般カード内の当日持玉数が「200玉」である場合、合算値(355玉)が第2閾値(250玉)以上の数値であることから、表示部81には「持玉」ボタンが表示される。そして、「持玉」ボタンがタッチ操作されると、「一般カード更新発行コマンド」が持玉カード発行装置90に送信され、カード挿入・発行部91に受け付けられている一般カードの当日持玉数に計数値が加算されて書き込まれた状態でカード挿入・発行部91から返却される。
【0044】
このように、一般カードを受け付けていない場合、且つ、計数結果が第1閾値に満たない場合には、計数結果を一般カードに書き込んで新規に発行せずに、レシートに印字して発行するようになっている(
図10中(1))。
また、一般カードを受け付けている場合、且つ、計数結果と当日持玉数との合算値が第2閾値に満たない場合には、受け付けている一般カードに計数結果を書き込んで更新しないようになっている(
図10中(3))。
すなわち、一般カードへの計数結果の書き込みを、特定の条件を満たす場合のみ許可している。
一般に、一般カードは、一定の製造原価がかかるものであり、遊技者に持ち帰られたり又は破棄されると、遊技場にとって損が生じることになる。また、一般カードに少量の玉数が記録されているにもかかわらず破棄した場合には、遊技者にとっても損となる。
本実施形態では、一般カードに、特殊景品と交換可能な最小の玉数(第1閾値)未満の玉数を記録して発行することがないため、一般カードを所持する遊技者が景品交換を行わずに、一般カードを持ち帰ったり又は破棄することを防ぐことができる。
その結果、遊技場及び遊技者にとって損が生じることを防止することができる。
【0045】
(5)「会員カード:受付有、計数値<第3閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に会員カードが受け付けられており、会員カード取引設定フラグに「0:持玉」が設定されている状態であって、且つ、この会員カードに対応付けられている当日持玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値が第3閾値未満であると判断した場合には、この会員カードに対して計数値を対応付けない状態で、カード挿入・発行部91から返却する。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、会員カードに対応付けられている当日持玉数が「50玉」である場合、合算値(205玉)が第3閾値(250玉)未満の数値(第3特定値に相当)であることから、表示部81にはエラー(持玉更新下限エラー)が表示されるとともに、カード挿入・発行部91に受け付けられている会員カードが返却される。
【0046】
(6)「会員カード:受付有、計数値≧第3閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に会員カードが受け付けられており、会員カード取引設定フラグに「0:持玉」が設定されている状態であって、且つ、この会員カードに対応付けられている当日持玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値が第3閾値以上であると判断した場合には、この会員カードに対応付けられている当日持玉数に計数値を加算させるとともに、更新後の会員カードをカード挿入・発行部91から返却させる。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、会員カードに対応付けられている当日持玉数が「200玉」である場合、合算値(355玉)が第3閾値(250玉)以上の数値であることから、表示部81には「持玉」ボタンが表示される。そして、「持玉」ボタンがタッチ操作されると、「会員カード更新発行コマンド」が持玉カード発行装置90に送信され、受け付けられている会員カードに対応付けられている当日持玉数に計数値が加算されて(持玉管理装置100に記憶されて)カード挿入・発行部91から返却される。
【0047】
(7)「会員カード:受付有、計数値<第4閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に会員カードが受け付けられており、会員カード取引設定フラグに「1:貯玉」が設定されている状態であって、且つ、この会員カードに対応付けられている貯玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値が第4閾値未満であると判断した場合には、この会員カードに対して計数値を対応付けない状態で、カード挿入・発行部91から返却する。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、会員カードに対応付けられている貯玉数が「50玉」である場合、合算値(205玉)が第4閾値(250玉)未満の数値であることから、表示部81にはエラー(最低貯玉可能数エラー)が表示されるとともに、カード挿入・発行部91に受け付けられている会員カードが返却される。
【0048】
(8)「会員カード:受付有、計数値≧第4閾値」の場合
制御部87は、カード挿入・発行部91に会員カードが受け付けられており、会員カード取引設定フラグに「1:貯玉」が設定されている状態であって、且つ、この会員カードに対応付けられている貯玉数に、遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値が第4閾値以上であると判断した場合には、会員カードに対応付けられている貯玉数に、計数値を加算させるとともに、更新後の会員カードをカード挿入・発行部91から返却させる。
例えば、計数確定後の計数値が「155玉」であり、会員カードに対応付けられている当日持玉数が「2000玉」である場合、合算値(2155玉)が第4閾値(250玉)以上の数値であることから、表示部81には「貯玉」ボタンが表示される。そして、「貯玉」ボタンがタッチ操作されると、受け付けられている会員カードに対応付けられている貯玉数に計数値が加算されて(会員管理装置110に記憶されて)カード挿入・発行部91から返却される。
【0049】
また、前述の(3)、(4)においては、一般カードが受け付けられている状態で、この一般カードに記録されている当日持玉数に遊技媒体の計数結果(計数値)を加えた値(合算値)と、第2閾値とを比較する場合で説明したが、これに限らず、計数値と第2閾値とを比較してもよい。つまり、「計数値+当日持玉数<第2閾値」の代わりに「計数値<第2閾値」とし、「計数値+当日持玉数≧第2閾値」の代わりに「計数値≧第2閾値」としてもよい。
この場合、計数値が第2閾値(250玉)未満の数値(第2特定値)である場合には、前述の(3)、(4)と同様に、表示部81にはエラー(持玉更新下限エラー)が表示され、計数値が第2閾値(250玉)以上の数値である場合には、表示部81には「持玉」ボタンが表示される。
【0050】
また、各閾値の数値を変更することで、遊技場の運用方法に応じた処理を行うことができる。
例えば、一般カードが受け付けられている状態で、当該一般カードに対して計数結果の書き込みを常に許可する運用の場合には、第2閾値を「1」と設定することにより、必ず「計数値+当日持玉数≧第2閾値」が成立して「持玉」ボタンが表示されるため、計数結果に関わらず一般カードに計数結果の書き込みがされることになる。
また、会員カードが受け付けられている状態で、計数結果を当該会員カードに対応する当日持玉数又は貯玉数に加算することを常に許可する運用の場合には、第3閾値を「1」と設定することにより、必ず「計数値+当日持玉数≧第3閾値」が成立して「持玉」ボタンが表示されるため、計数結果に関わらず当日持玉数に計数結果が加算されることになる。また、第4閾値を「1」と設定することにより、必ず「計数値+貯玉数≧第4閾値」が成立して「貯玉」ボタンが表示されるため、計数結果に関わらず貯玉数に計数結果が加算されることになる。
また、計数結果をレシートに印字して発行せずに、常に一般カードに書き込んで発行する運用の場合には、第1閾値と第2閾値の双方を「1」と設定することにより、計数結果に関わらず、一般カードの新規発行と一般カードの更新発行が常に行われることになる。
その反対に、計数結果を一般カードに書き込んで発行せずに、常にレシートに印字して発行する運用の場合には、第1閾値と第2閾値の双方を、例えば「999999」と設定することにより、計数結果に関わらず、レシートによる発行が常に行われることになる。
【0051】
また、制御部87は、本発明に係る変更手段の一例として動作し、遊技場の店員が所持するリモコンRの操作に基づいて、計数結果を記録して発行する記録媒体の種類を変更する。
具体的には、制御部87は、計数結果をレシートに記録して発行可能な状態において、リモコンRから記録媒体の変更を指示する信号をリモコン受光部83を介して受信した場合には、計数結果を一般カードに記録して新規に発行可能な状態に切り替える。
例えば、前述の(1)の場合のように、計数結果をレシートに印字して発行可能な状態であっても、店員によるリモコン操作によって、計数結果を一般カードに書き込んで発行可能な状態にすることができる。
すなわち、計数結果(計数値)が第1閾値未満であっても、計数値を新規の一般カードに記録して発行することができる。
【0052】
また、この反対に、計数結果を一般カードに記録して新規に発行可能な状態において、リモコンRから記録媒体の変更を指示する信号をリモコン受光部83を介して受信した場合には、計数結果をレシートに記録して発行可能な状態に切り替える。
例えば、前述の(2)の場合のように、計数結果を新規の一般カードに書き込んで発行可能な状態であっても、店員のリモコン操作によって、計数結果をレシートに印字して発行可能な状態にすることができる。
すなわち、計数結果(計数値)が第1閾値以上であっても、計数値をレシートに印字して発行することができる。
【0053】
これにより、遊技場では、計数結果を記録する記録媒体を一時的に切り替えて発行する運用を行うことができる。
また、このような運用によって、遊技者が少額景品(ジュース(例えば、50玉)等)の交換を希望する際に、計数開始後にリモコン操作によって、レシートによる発行から一般カードによる発行に変更した場合、遊技場の店員は、ちょうど50玉となるようにホッパー72に遊技球を投入する必要はなく、おおよそ50玉となる玉数を投入することができる。つまり、50玉を超えて計数した遊技球分は、一般カードに記録されて遊技に使用可能に遊技者に返却することができるため、少額景品交換時の店員の手間を軽減することができる。
このようなリモコン操作は、遊技媒体の計数開始後に操作可能とすることが好ましい。なお、これに限らず、計数前にリモコン操作を可能にしてもよい。
【0054】
このように、計数結果をレシートによる発行及び一般カードによる発行の何れか一方で可能な状態であっても、リモコンRの操作によって、他方の記録媒体によって計数結果を発行可能に変更することができる。
これにより、計数結果に関わらず、何れか一方の記録媒体で発行したい遊技者又は遊技場の店員の要望に応えることができる。
また、レシート発行部82及びカード挿入・発行部91の何れか一方が故障した場合でも、この切り替え機能を用いて、他方の記録媒体によって計数結果を発行することができる。
【0055】
また、制御部87は、本発明に係る規制手段の一例として動作し、カード挿入・発行部91に一般カードが受け付けられている状態では、リモコンRの操作によって記録媒体の変更を指示する信号を受信しても、発行する記録媒体の変更を規制するようになっている。
すなわち、一般カードがカード挿入・発行部91に挿入された状態では、上述したリモコン操作による記録媒体の変更は禁止されており、一方で、一般カードがカード挿入・発行部91に挿入されていない状態、すなわち、レシートによる計数結果の発行と一般カードによる計数結果の新規発行が可能な状態では、リモコン操作による記録媒体の変更が許可されている。
これにより、遊技者が所持する一般カードがカード挿入・発行部91に挿入された状態で、計数結果を記録したレシートが発行されることがないので、計数結果が一般カードとレシートのどちらに記録されたのかといった疑義が遊技者に生じることを防止することができる。
なお、これに限らず、一般カードがカード挿入・発行部91に挿入された状態でもリモコン操作による記録媒体の変更を許可してもよく、一般カードがカード挿入・発行部91に挿入されていない状態では変更を禁止してもよい。
【0056】
[オフライン運用]
計数装置60は、ネットワークの通信状態が正常な状態であり、通常の運用形態であるオンラインモードと、何らかの理由によりネットワークの通信状態が異常な状態で、一時的な運用形態であるオフラインモードの2通りの運用形式を有している。
計数装置60は、レシート発行履歴管理装置120との通信状態が異常な場合に、オフラインモードに切り替わる。
オフラインモードでは、オフラインレシートが発行され、
図11(b)に示すように、計数値に下線が印刷されること以外はレシート(以下、オンラインレシートともいう)(
図11(a))と同様な情報が印刷される。
また、オフラインモード中は、表示部81の背景色がオンラインモードと異なる色で表示され、オンラインモード中と区別可能になっている。
【0057】
次に、
図12を参照して、経路A、経路B、経路C(
図5参照)の通信状態に応じた運用パターンについて説明する。
前述のように、経路Aの通信状態が異常の場合は、計数装置60は、オフラインモードで実行され、レシート発行部82からオフラインレシートが発行される(パターン(5)~(8))。
また、経路A、B、Cの通信状態が全て正常の場合には、計数装置60はオンラインモードで実行され、レシート発行部82からオンラインレシートが発行されるとともに、一般カードの新規発行、一般カードの更新発行、会員カードの更新発行も正常に行われる(パターン(1))。
【0058】
一方、経路B又は経路Cの通信状態が異常の場合は、計数装置60と持玉カード発行装置90、又は、持玉カード発行装置90と持玉管理装置100との通信ができない状態であるため、一般カードの新規発行、一般カードの更新発行、会員カードの更新発行は行われないようになっている(パターン(2)~(4)、パターン(6)~(8))。
また、この状態で一般カードや会員カードが、カード挿入・発行部91に挿入された場合には、カードが返却されるとともに、表示部81にはエラー表示(「カード発行機接続エラー」又は「持玉サーバオフラインエラー」)がされる。
なお、一般カードへの書き込み処理中(新規発行中、更新発行中)に、経路B又は経路Cの通信状態が異常となった場合には、一般カードを排出するとともに、エラー表示(持玉発行エラー又は持玉更新エラー)がされる。この場合、レシート発行部82から要確認レシートが発行され、
図11(c)に示すように、バーコードの記載は無く、持玉の異常を示す文字情報、持玉数の確認を促す文字情報、計数値等が印字される。
【0059】
また、経路Cのみが通信状態が異常の場合には、計数装置60とレシート発行履歴管理装置120(会員管理装置110)との通信は可能な状態であるため、計数結果(計数値)を貯玉数に加算する貯玉処理は正常に行われる(パターン(3))。なお、経路Cの通信状態が異常の場合には、貯玉処理が実行されないようにしてもよい。
また、経路Aのみが通信状態が異常の場合には、前述のように、計数装置60はオフラインモードで実行され、オフラインレシートが発行されるとともに、計数装置60と持玉カード発行装置90、持玉カード発行装置90と持玉管理装置110との通信は可能な状態であるため、一般カードの新規発行、一般カードの更新発行、会員カードの更新発行は正常に行われる(パターン(5))。
【0060】
[記録媒体発行処理]
次に、本実施形態に係る計数装置60の特徴的な動作として、計数装置60の制御部87で実行される記録媒体発行処理について、
図13及び
図14に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】
計数装置60の制御部87は、待機状態において、遊技球の計数の有無を監視している(S1)。
遊技球の計数があったと判断した場合には(S1-Yes)、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91に一般カード又は会員カードが受け付けられているか否かを判断する(S2)。
カードが受け付けられていないと判断した場合には(S2-No)、計数確定後の計数値が第1閾値未満の数値(第1特定値)であるか否かを判断する(S3)
計数値が第1特定値であると判断した場合には(S3-Yes)、表示部81に「全部」ボタンを表示させる(S4)。
次いで、「全部」ボタンのタッチ操作の有無を判断する(S5)。
「全部」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S5-Yes)、レシート発行部82から計数値が印字されたレシートを発行し(S6)、処理を終了する。
【0062】
S5において、「全部」ボタンのタッチ操作がされていない状態では(S5-No)、店員が所持するリモコンRから記録媒体の変更を指示する信号の有無を判断する(S7)。すなわち、リモコン操作によって、レシートによる発行から一般カードによる新規発行への切替操作がされたか否かを判断する。
リモコン操作がされたと判断した場合には(S7-Yes)、表示部81に「持玉」ボタンを表示させる(S8)。
次いで、「持玉」ボタンのタッチ操作の有無を判断する(S9)。
「持玉」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S9-Yes)、計数値と「一般カード新規発行コマンド」を持玉カード発行装置90に送信し(S10)、処理を終了する。
【0063】
一方、S3において、計数値が第1特定値ではないと判断した場合(S3-No)、すなわち、計数値が第1閾値以上の数値であると判断した場合には、表示部81に「持玉」ボタンを表示させる(S11)。
次いで、「持玉」ボタンのタッチ操作の有無を判断し(S12)「持玉」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S12-Yes)、計数値と「一般カード新規発行コマンド」を持玉カード発行装置90に送信し(S13)、処理を終了する。その結果、持玉カード発行装置90のカードストック部93に保有されている一般カードがカードリーダ・ライタ92に搬送されて、当該計数値が書き込まれるとともにカード挿入・発行部91から一般カードが新規に発行される。
【0064】
S12において、「持玉」ボタンのタッチ操作がされていない状態では(S12-No)、店員が所持するリモコンRから記録媒体の変更を指示する信号の有無を判断する(S14)。すなわち、リモコン操作によって、一般カードによる新規発行からレシートによる発行への切替操作がされたか否かを判断する。
リモコン操作がされたと判断した場合には(S14-Yes)、表示部81に「全部」ボタンを表示させる(S15)。
次いで、「全部」ボタンのタッチ操作の有無を判断し(S16)、「全部」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S16-Yes)、レシート発行部82から計数値が印字されたレシートを発行し(S17)、処理を終了する。
【0065】
S2において、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91にカードが受け付けられていると判断した場合には(S2-Yes)、持玉カード発行装置90からこのカードに関するカード情報(カードID、カード種別、当日持玉数等)を受信する。
次いで、受け付けられているカードの種類を判断する(S18)。
一般カードが受け付けられていると判断した場合には(S18-Yes)、計数確定後に表示部81に「計数確定画面」を表示し、計数結果を示す計数値と「持玉」ボタンを表示する(S19)。
次いで、「持玉」ボタンのタッチ操作の有無を判断し(S20)、「持玉」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S20-Yes)、この一般カードに記録されている当日持玉数に、計数確定後の計数値を加算した値(合算値)が第2閾値未満の数値(第2特定値)であるか否かを判断する(S21)。一方、「持玉」ボタンがタッチ操作されない間は(S20-No)、ホッパー72内に遊技球を追加投入して計数値を増加させることができる。
S21において、合算値が第2特定値であると判断した場合には(S21-Yes)、表示部81にエラー表示(持玉更新下限エラー)をさせる(S22)。
また、一般カードを排出させるためのコマンドを持玉カード発行装置90に送信する(S23)。これにより、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91に受け付けられている一般カードが、計数値が書き込まれていない状態で返却される。
【0066】
一方、S21において、合算値が第2特定値ではないと判断した場合(S21-No)、すなわち、合算値が第2閾値以上の数値であると判断した場合には、計数値と「一般カード更新発行コマンド」を持玉カード発行装置90に送信し(S24)、処理を終了する。その結果、受け付けられている一般カードの当日持玉数に計数値が加算されて書き込まれるとともに、カード挿入・発行部91から更新後の一般カードが返却される。
【0067】
S18において、会員カードが受け付けられていると判断した場合には(S18-No)、
図14に示すように、会員カード取引設定フラグに「0:持玉」が設定されているか否かを判断する(S25)。
会員カード取引設定フラグに「0:持玉」が設定されていると判断した場合には(S25-Yes)、計数確定後に表示部81に「計数確定画面」を表示し、計数結果を示す計数値と「持玉」ボタンを表示する(S26)。
次いで、「持玉」ボタンのタッチ操作の有無を判断し(S27)、「持玉」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S27-Yes)、この会員カードに対応付けられている当日持玉数に、計数確定後の計数値を加算した値(合算値)が第3閾値未満の数値(第3特定値)であるか否かを判断する(S28)。一方、「持玉」ボタンがタッチ操作されない間は(S27-No)、ホッパー72内に遊技球を追加投入して計数値を増加させることができる。
S28において、合算値が第3特定値であると判断した場合には(S28-Yes)、表示部81にエラー表示(持玉更新下限エラー)をさせる(S29)。
また、会員カードを排出させるためのコマンドを持玉カード発行装置90に送信する(S30)。これにより、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91に受け付けられている会員カードの当日持玉数に計数値が対応付けられていない状態で返却される。
【0068】
一方、S28において、合算値が第3特定値ではないと判断した場合(S28-No)、すなわち、合算値が第3閾値以上の数値であると判断した場合には、計数値と「会員カード更新発行コマンド」を持玉カード発行装置90に送信し(S31)、処理を終了する。その結果、受け付けられている会員カードに対応付けられている当日持玉数に計数値が加算されてカード挿入・発行部91から更新後の会員カードが返却される。
【0069】
S25において、会員カード取引設定フラグに「1:貯玉」が設定されていると判断した場合には(S25-No)、計数確定後に表示部81に「計数確定画面」を表示し、計数結果を示す計数値と「貯玉」ボタンを表示する(S32)。
次いで、「貯玉」ボタンのタッチ操作の有無を判断し(S33)、「貯玉」ボタンのタッチ操作がされたと判断した場合には(S33-Yes)、この会員カードに対応付けられている貯玉数に、計数確定後の計数値を加算した値(合算値)が第4閾値未満の数値であるか否かを判断する(S34)。一方、「貯玉」ボタンがタッチ操作されない間は(S33-No)、ホッパー72内に遊技球を追加投入して計数値を増加させることができる。
S34において、合算値が第4閾値未満の数値であると判断した場合には(S34-Yes)、表示部81にエラー表示(最低貯玉可能数エラー)をさせる(S35)。
また、会員カードを排出させるためのコマンドを持玉カード発行装置90に送信する(S36)。これにより、持玉カード発行装置90のカード挿入・発行部91に受け付けられている会員カードの貯玉数に計数値が対応付けられていない状態で返却される。
【0070】
一方、S34において、合算値が第4閾値以上の数値であると判断した場合には(S34-No)、合算値を会員管理装置110に送信し(S37)、カード挿入・発行部91から更新後の会員カードを返却させて、処理を終了する。
【0071】
上述のS23、S30、S36において、エラーによりカードが排出されて処理が終了した後は、表示部81には「全部」ボタン又は「持玉」ボタンが表示される。
すなわち、「計数あり」且つ「カード受付無し」の状態で、再度S1から処理が開始されるため、S1→S2→S3→S4又はS11と実行される。
【0072】
また、上述のS21における「計数値+当日持玉数<第2閾値」の代わりに「計数値<第2閾値」とすることができる。
同様に、S28における「計数値+当日持玉数<第3閾値」の代わりに「計数値<第3閾値」とすることができ、S34における「計数値+貯玉数<第4閾値」の代わりに「計数値<第4閾値」とすることができる。
なお、これに限らず、S28における「計数値+当日持玉数<第3閾値」の代わりに「計数値+当日持玉数+貯玉数<第3閾値」としてもよく、S34における「計数値+貯玉数<第4閾値」の代わりに「計数値+当日持玉数+貯玉数<第4閾値」としてもよい。
【0073】
また、前述のS7~S10やS14~S17における記録媒体の変更処理は、繰り返し実行が可能になっている。
すなわち、リモコン操作によってレシートによる発行と一般カードによる発行との切り替えを、操作ボタンが操作されるまでは何回でも実行可能になっている。
【0074】
また、前述のS5において、「全部」ボタンが操作される前に、ホッパー72内に遊技球を投入して計数値が増加した場合は、その増加後の計数値に応じて発行可能な記録媒体が変更するようになっている。
例えば、計数結果が155玉の状態で、「全部」ボタン操作前に100玉を追加で計数した場合には、250玉<255玉となり、「持玉」ボタンが代わって表示される。このように、発行可能な記録媒体が変更するようになっている。
一方、S7やS14において、リモコン操作によって発行する記録媒体の変更をした場合で操作ボタンが操作される前に、ホッパー72内に遊技球を投入して計数値が増加した場合には、その増加後の計数値にかかわらず、リモコン操作によって変更した記録媒体が発行されるようになっている。
例えば、計数結果が155玉の状態で、「全部」ボタン操作前にリモコン操作がされると「持玉」ボタンが表示されて、一般カードが発行可能な状態となる。そして、この「持玉」ボタン操作前に20玉を追加で計数した場合には、250玉>175玉ではあるものの、レシートによる発行ではなく、一般カードによる発行がされることになる。
すなわち、リモコン操作によって発行する記録媒体を変更した後は、計数値にかかわらず、リモコン操作で変更した記録媒体が発行されるようになっている。
【0075】
[変形例]
次に、本発明の遊技用装置及び遊技用システムにおける変形例について説明する。
上述の実施形態においては、計数装置60が装置本体70とレシート発行装置80により一体的に構成され、持玉カード発行装置90が計数装置60と別体に設けた構成で説明したが、このような構成に限らず、例えば、装置本体70、レシート発行装置80及び持玉カード発行装置90のそれぞれを別体として設け、通信可能に構成した場合でも本発明を適用することができる。
この場合、上述の実施形態においてレシート発行装置80が備える各種手段(制御手段、変更手段、規制手段、操作手段(表示部)、設定手段等)の全て又は一部を、装置本体70又は持玉カード発行装置90に備えることで、上述の実施形態と同様な動作を実現することができる。
例えば、計数結果と各閾値に基づいて発行する記録媒体を判断する機能(制御手段に相当)を持玉カード発行装置90に備え、持玉カード発行装置90が各装置へ指令(実行コマンド)を送る構成としてもよい。
また、設定手段(第1設定手段、第2設定手段、第3設定手段)は、他の装置(遊技場管理装置50、持玉管理装置100、会員管理装置110等)に備えてもよく、設定手段により設定される各閾値も、他の装置に記憶してもよい。
【0076】
また、その他の構成として、装置本体70、レシート発行装置80及び持玉カード発行装置90の全てを一体的に構成した場合や、装置本体70と持玉カード発行装置90を一体的に構成し、レシート発行装置80を別体に設けた構成とした場合や、レシート発行装置80と持玉カード発行装置90を一体的に構成し、装置本体70を別体に設けた構成とした場合でも本発明を適用することができる。
このような構成においても、レシート発行装置80が備える各種手段(制御手段、変更手段、規制手段、操作手段(表示部)、設定手段等)の全て又は一部を、装置本体70又は持玉カード発行装置90に備えることで、上述の実施形態と同様な動作を実現することができる。
【0077】
上述の実施形態では、当日持玉数が一般カードと持玉管理装置100の両方に記録・記憶され、貯玉数が会員管理装置110で記憶されており、会員カードでは記録されていない例について説明したが、これに限らず、一般カードと同様に、会員カードに当日持玉数(計数値)を記録してもよい。また、貯玉数を、会員管理装置110と会員カードの両方に記憶・記録してもよく、会員カードのみに記録してもよい。
【0078】
以上説明したように、本実施形態の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムによれば、一般カードを受け付けていない場合、且つ、計数結果が第1閾値未満である場合には、計数結果を印字したレシートをレシート発行部82から発行し、計数結果が第1閾値以上である場合には、計数結果を書き込んだ一般カードをカード挿入・発行部91から新規発行する。
また、一般カードを受け付けている場合、且つ、計数結果と一般カードに記録されている当日持玉数との合算値が第2閾値未満である場合には、一般カードに計数結果を書き込まずにカード挿入・発行部91から返却し、合算値が第2閾値以上である場合には、一般カードに計数結果を書き込んでカード挿入・発行部91から発行する。
これによって、一般カードが、特殊景品と交換可能な最小の玉数からなる第1閾値未満又は第2閾値未満の玉数が書き込まれた状態で発行・返却されないため、遊技者に一般カードが持ち帰られたり又は破棄されることを防止することができる。
また、一般カードを受け付けている場合には、計数結果と一般カードに記録されている当日持玉数との合算値に基づいて、一般カードに計数結果を記録するか否かを判断するため、一般カードに記録され得る遊技者が獲得した遊技媒体数(合算値)を適切に算出して、処理することができる。
また、会員カードを受け付けている場合においても、計数値と会員カードに対応付けられている当日持玉数との合算値、又は、計数値と会員カードに対応付けられている貯玉数との合算値に基づいて処理がされるため、一般カードを受け付けている場合と同様の効果を奏することができる。
また、第1閾値と第2閾値とは別々の値にそれぞれ設定可能であるため、カードを受け付けている場合と受け付けていない場合において、記録媒体が発行される条件(閾値の値)を変更することができ、遊技場の運用方針に基づいて記録媒体を発行できる。
【0079】
また、計数結果をレシートによる発行及び一般カードによる発行の何れか一方で可能な状態であっても、リモコンRの操作によって、他方の記録媒体によって計数結果を発行可能に変更することができる。
これにより、計数結果に関わらず、何れか一方の記録媒体で発行したい遊技者又は遊技場の店員の要望に応えることができる。
また、レシート発行部82及びカード挿入・発行部91の何れか一方が故障した場合でも、この切り替え機能を用いて、他方の記録媒体によって計数結果を発行することができる。
【0080】
一方、上記特許文献1には、計数手段による計数結果が所定数未満である場合には、計数結果を印字したレシートを発行し、所定数以上である場合には、計数結果を記録したカードを発行することで、計数結果に基づいて発行単価が安価なレシートとレシートより発行単価が高いカードとを区別して発行する遊技用装置が開示されている。
しかしながら、遊技者が所有するカードを受け付けている場合に、当該カードにどのように計数結果を記録するか、あるいは、発行するか又は発行しないかについて開示されていないため、計数結果を適切に処理できないという虞があった。
また、計数結果に応じて発行される記録媒体(レシート、カード)が一義的に結びついているため、計数結果に関わらず、何れか一方の記録媒体で発行したい遊技者又は店員の要望に応えられないという問題があった。
本実施形態の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムによれば、従来の遊技用装置(遊技媒体計数装置)が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0081】
以上、本発明の遊技用装置、遊技用システム及びプログラムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技用装置、遊技用システム及びプログラムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0082】
例えば、本実施形態では、計数結果を記録する記録媒体の種類を変更可能な条件(変更条件)として、遊技場の店員が所持するリモコンRによる操作に基づいて成立する場合で説明したが、これに限らず、例えば、表示部81などの入力手段による入力や、携帯端末などの操作手段による入力に基づいて成立させることもできる。
【0083】
また、上記の実施形態では、第1記録媒体(一般カード)、第3記録媒体(会員カード)が、カードである場合で説明したが、これに限らず、これら記録媒体は、コインであってもよく、また赤外線、BLUETOOH(登録商標)等の非接触通信により情報を送受信可能な媒体であってもよい。
また、第2記録媒体は、紙製のレシートとしたが、紙製に限るものではなく、第1記録媒体よりも発行単価が安価な媒体であれば、特に限らない。
【0084】
また、上記の実施形態では、各閾値に基準値となる一の数値を設定して、計数値がその数値未満(以上)か否かを判断する場合で説明したが、これに限らず、各閾値を範囲で設定し、その範囲内に計数値が含まれるか否かによって判断してもよい。例えば、第1閾値を「250玉」の代わりに「250玉」~「99999玉」と設定することで、この範囲内に含まれる場合には、一般カードを新規発行し、含まれない場合にはレシートを発行するようにしてもよい。
【0085】
また、上記の実施形態における記録媒体発行処理では、計数の有無の判断(S1)、カード受付の有無の判断(S2)の順番に処理する場合で示したが、その反対の順番に処理することもできる。すなわち、計数開始前にカードを受付可能としてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 遊技用システム
60 計数装置
70 装置本体
71 計数センサ部(計数手段)
80 レシート発行装置
81 表示部(操作手段、第1設定手段、第2設定手段、第3設定手段)
82 レシート発行部(第2記録媒体発行手段)
87 制御部(制御手段、変更手段、規制手段)
90 持玉カード発行装置
91 カート挿入・発行部(第1記録媒体発行手段)
100 持玉管理装置
110 会員管理装置
120 レシート発行履歴管理装置