(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】電気サブアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H02K 11/30 20160101AFI20221206BHJP
【FI】
H02K11/30
(21)【出願番号】P 2018551790
(86)(22)【出願日】2017-03-28
(86)【国際出願番号】 GB2017050869
(87)【国際公開番号】W WO2017168139
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-24
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514291406
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ニューキャッスル アポン タイン
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF NEWCASTLE UPON TYNE
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】ウィドマー, ジェイムス デュメスニル
(72)【発明者】
【氏名】マーティン, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ミクロー, バリー チャールズ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101309035(CN,A)
【文献】特開2012-115135(JP,A)
【文献】国際公開第1998/028833(WO,A2)
【文献】特開2011-182480(JP,A)
【文献】特開平10-080183(JP,A)
【文献】特開2011-015560(JP,A)
【文献】特開2011-045181(JP,A)
【文献】特開2012-188201(JP,A)
【文献】WIDMER J D,USE OF A 3 PHASE FULL BRIDGE CONVERTER TO DRIVE A 6 PHASE SWITCHED RELUCTANCE MACHINE,6TH IET INTERNATIONAL CONFERENCE ON POWER ELECTRONICS, MACHINES AND DRIVES (PEMD 2012),2012年,https://www.academia.edu/22859462/Use_of_a_3_phase_full_bridge_converter_to_drive_a_6_phase_switched_reluctance_machine,http://dx.doi.org/10.1049/cp.2012.0260
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/30
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルを有するステータと、
複数対のダイオードであって、各対のダイオードが、
互いに逆並列に構成され
た2つのダイオードを有するとともに3つの電気端子を電気部品として有し、前記3つの電気端子の1つが、各対のダイオードの両ダイオードにより共有される共通端子であ
り、前記複数対のダイオードのうちの2対のダイオードが、前記共通端子の1つを共有する、前記複数対のダイオードと、
各ダイオードを前記複数のコイルの少なくとも1つに前記電気端子の1つ以上を介して電気的に接続する複数のバスバーと、
を有する、
電気サブアセンブリ。
【請求項2】
前記複数対のダイオードの1対以上が、それぞれ、1対のダイオードがパッケージ化された単一の電気部品として形成されている、請求項1に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項3】
前記複数対のダイオードの1対以上が、複数対のダイオードがパッケージ化された単一の電気部品として一緒に形成されている、請求項1または2に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項4】
前記複数対のダイオードの少なくとも2対が、前記単一の電気部品内の電気的接続によって互いに電気的に接続されている、請求項3に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項5】
前記複数対のダイオードの前記共通端子は、それぞれ、前記複数のバスバーのそれぞれに電気的に接続されている、請求項1~4のいずれかに記載の電気サブアセンブリ。
【請求項6】
n対のダイオードが、3n個のバスバーに電気的に接続されている、請求項5に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項7】
3対のダイオードが、9つのバスバーに電気的に接続されている、請求項6に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項8】
前記複数対のダイオードの前記共通端子の2つ以上が、前記複数のバスバーの1つに一緒に電気的に接続されている、請求項1~4のいずれかに記載の電気サブアセンブリ。
【請求項9】
n対のダイオードが、3n-1個のバスバーに電気的に接続されている、請求項8に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項10】
3対のダイオードが、8つのバスバーに電気的に接続されている、請求項9に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項11】
n対のダイオードが、3n-2個のバスバーに電気的に接続されている、請求項8に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項12】
3対のダイオードが、7つのバスバーに電気的に接続されている、請求項11に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項13】
前記ステータに取り付けられた冷却手段、をさらに有し、
前記複数対のダイオードは、前記冷却手段に取り付けられ、
前記冷却手段は、使用中、前記ステータおよび前記複数のダイオードを同時に冷却するように構成されている、
請求項1~12のいずれかに記載の電気サブアセンブリ。
【請求項14】
前記冷却手段は、ケーシングを有する、請求項13に記載の電気サブアセンブリ。
【請求項15】
前記冷却手段は、前記ステータを少なくとも部分的に取り囲む、請求項13または14に記載の電気的サブアセンブリ。
【請求項16】
前記冷却手段は、冷却流体の供給を受けるように構成されている、請求項13~15のいずれかに記載の電気的サブアセンブリ。
【請求項17】
請求項1~16のいずれかに記載の電気サブアセンブリを有する電気機械。
【請求項18】
前記電気機械は、モータであり、前記モータは、少なくとも六相を有する、請求項17に記載の電気機械。
【請求項19】
前記電気機械は、発電機であり、前記発電機は、少なくとも六相を有する、請求項17に記載の電気機械。
【請求項20】
請求項17~19のいずれかに記載の電気機械を有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気サブアセンブリに関する。本発明は、特に、しかし必ずしもそうではないが、ハイブリッド電気自動車または電気自動車に用いる電気サブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチトリラクタンス機(SRM)は、可変速駆動装置としてますます普及しつつある。これは、主に、SRMは、少なくとも、一般的に使用されているモータと比較したとき、製造が簡単でかつ安価であるからである。しかし、SRMは、通常、トルクリップルが大きく、非標準的な非対称ハーフブリッジコンバータを必要とするため、商業的用途では十分に活用されていない。
図1は、A、B、C、D、E、Fの6つの相を有するSRMを標準的な三相交流インバータ120によって駆動することを可能にする、最近提案された駆動装置構成110の実施形態を示す。電気的接続部116を有する複数のダイオード114が、三相コンバータの各相から出力されるバイポーラ電流波形を、当該波形の正と負の領域にそれぞれ関わる2つのユニポーラ半波形に変換するよう、電力コンバータ120の出力相の間に交互に配置されている。これにより、三相インバータ120は、六相SRMを提供しかつインバータ120とモータの間にたった3つの電力接続122だけ有しつつ、三相電気機械の場合と同様に動作することができる。相数を増やすことにより、トルクリップルを小さくすることができ、また、上記のダイオード配置により、標準的なフルブリッジコンバータを使用することができる。しかし、商業的用途、特にハイブリッド電気自動車(HEV)および電気自動車(EV)に適したSRMを改善するためには、上記提案された駆動装置構成のさらなる改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態の目的は、従来技術の上記問題の1つ以上を少なくとも緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によれば、複数のコイルを有するステータと、前記ステータに取り付けられた冷却手段と、前記冷却手段に取り付けられた複数対のダイオードであって、各対のダイオードが、逆並列に構成されるとともに3つの電気端子を有し、前記3つの電気端子の1つが、各対のダイオードの両ダイオードにより共有される共通端子である、前記複数対のダイオードと、を有し、前記冷却手段は、使用中、前記ステータおよび前記複数のダイオードを同時に冷却するように構成されている、電気サブアセンブリが提供される。本発明は、有益にも、前記ダイオードの前記冷却手段へのマウントを可能にすることができる。さらに、本発明は、駆動装置構成をステータのコイルに接続するのに必要な電気部品(例えば、バスバー)の数を低減することができる。
【0005】
好ましくは、前記電気サブアセンブリは、各ダイオードを前記複数のコイルの少なくとも1つに前記電気端子の1つ以上を介して電気的に接続する複数のバスバーをさらに有する。
【0006】
特定の実施形態では、前記複数対のダイオードの1対以上が、それぞれ、1対のダイオードがパッケージ化された単一の電気部品として形成されうる。
【0007】
特定の実施形態では、前記複数対のダイオードの1対以上が、複数対のダイオードがパッケージ化された単一の電気部品として一緒に形成されうる。
【0008】
特定の実施形態では、前記複数対のダイオードの少なくとも2対が、前記単一の電気部品内の電気的接続によって互いに電気的に接続されうる。
【0009】
特定の実施形態では、前記複数対のダイオードの前記共通端子は、それぞれ、前記複数のバスバーのそれぞれに電気的に接続されうる。特定の実施形態では、n対のダイオードが、3n個のバスバーに電気的に接続されうる。特定の実施形態では、3対のダイオードが、9つのバスバーに電気的に接続されうる。
【0010】
特定の実施形態では、前記複数対のダイオードの前記共通端子の2つ以上が、前記複数のバスバーの1つに一緒に電気的に接続されうる。特定の実施形態では、n対のダイオードが、3n-1個のバスバーに電気的に接続されうる。特定の実施形態では、3対のダイオードが、8つのバスバーに電気的に接続されうる。特定の実施形態では、n対のダイオードが、3n-2個のバスバーに電気的に接続されうる。特定の実施形態では、3対のダイオードが、7つのバスバーに電気的に接続されうる。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、複数のコイルを有するステータと、前記ステータに取り付けられた冷却手段と、前記冷却手段に取り付けられた複数のダイオードであって、各ダイオードが、前記複数のコイルのそれぞれに電気的に接続されている、前記複数のダイオードと、複数のバスバーであって、各バスバーが、前記複数のダイオードの1つ以上および/または前記複数のコイルの1つ以上に電気的に接続されている、前記複数のバスバーと、を有し、前記冷却手段は、使用中、前記ステータおよび前記複数のコイルを同時に冷却するように構成されている、電気サブアセンブリが提供される。
【0012】
特定の実施形態では、前記複数のダイオードは、少なくとも12個のダイオードを有しうる。ダイオード総数は、6の倍数である。
【0013】
特定の実施形態では、前記複数のバスバーは、第1のバスバー、第2のバスバー、および第3のバスバーを有しうる。特定の実施形態では、前記複数のダイオードのn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第1バスバーと前記第2バスバーを電気的に接続し、前記複数のダイオードのさらなるn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第1バスバーと前記第3バスバーを電気的に接続し、前記複数のダイオードの残りn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第2バスバーと前記第3バスバーを電気的に接続しうる。
【0014】
特定の実施形態では、前記複数のバスバーは、第4のバスバーをさらに有する。特定の実施形態では、前記複数のダイオードのn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第1バスバーと前記第2バスバーを電気的に接続し、前記複数のダイオードのさらなるn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第3バスバーと前記第2バスバーを電気的に接続し、前記複数のダイオードの残りn/3個およびそれぞれのコイルが、前記第4バスバーと前記第2バスバーを電気的に接続しうる。
【0015】
特定の実施形態では、前記冷却手段は、ケーシングを有する。特定の実施形態では、前記冷却手段は、前記ステータを少なくとも部分的に取り囲みうる。特定の実施形態では、前記冷却手段は、冷却流体の供給を受けるように構成されうる。
【0016】
本発明のさらなる態様によれば、上記の電気サブアセンブリを有する電気機械が提供される。
【0017】
特定の実施形態では、前記電気機械は、モータでありうる。任意選択的に、前記モータは、少なくとも六相を有する。特定の実施形態では、前記電気機械は、発電機でありうる。任意選択的に、前記発電機は、少なくとも六相を有する。
【0018】
本発明の別の態様によれば、上記のような電気機械を有する車両が提供される。
【0019】
以下、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してほんの一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】従来技術に係る六相SRMの駆動装置構成の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る六相SRMの駆動装置構成の概略図である。
【
図3】本発明のさらなる実施形態に係る六相SRMの駆動装置構成の概略図である。
【
図4】本発明のさらなる実施形態に係る六相SRMの駆動装置構成の概略図である。
【
図5】本発明のさらなる実施形態に係る六相SRMの駆動装置構成の概略図である。
【
図6】本発明のさらなる実施形態に係る六相SRMの部分駆動装置構成の概略図である。
【
図7】本発明のさらなる実施形態に係る六相SRMの部分駆動装置構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
さて、本発明の実施形態に係る電気サブアセンブリについて、
図2~
図5を参照して説明する。
図2は、A、B、C、D、E、Fの6つの相を有する六相スイッチトリラクタンス機(SRM)、具体的にはスイッチトリラクタンスモータ、の駆動装置構成210の概略図である。上記サブアセンブリは、複数のコイル212を有するステータと、このステータに取り付けられた(例えば、マウントされた)冷却手段とを有する。特定の実施形態では、冷却手段は、冷却ジャケット(ウォータージャケットと呼ばれることもある)を有しうる。冷却手段は、使用中に当該冷却手段がステータを冷却するように構成されうる。特定の実施形態では、冷却手段は、ケーシング、流体入口、および流体出口を有しうる。冷却手段は、ステータを少なくとも部分的に取り囲みうる、および/または、円筒形のケーシングでありうる。使用中、加圧された冷却流体(例えば、水または油)は、流体入口を通ってケーシングに供給され、ケーシングを循環した後、流体出口を通ってケーシングから排出されうる。冷却流体は、ケーシングを循環する間、ステータから熱を吸収するため、ステータを冷却しうる。特定の実施形態では、冷却手段は、ペルチェ冷却器、つまり熱電冷却器を有しうる。特定の実施形態では、冷却手段は、コイル212およびダイオード214に直接適用される油冷却、つまり、浸水モータを有しうる。
【0022】
電気サブアセンブリは、さらに、冷却手段に取り付けられた(例えば、マウントされた)複数対のダイオード214を有する。特定の実施形態では、電気サブアセンブリは、3対のダイオード214を有しうる。ダイオード214は、使用中に冷却手段がダイオード214を冷却することができるように冷却手段に取り付けられている。したがって、使用中、冷却手段は、ステータとダイオード214の両方を同時に冷却しうる。各対のダイオード214は、逆並列に構成されている、つまり、電流が、一対のダイオード214の第1のダイオード214を経由する第1の方向または当該一対のダイオード214の第2のダイオード214を経由する第2の方向のいずれか一方に流れることによって、当該一対のダイオード214を互いに反対の2方向に流れるように、電気的に並列に接続されている。さらに、各対のダイオード214は、3つの電気端子216を有する。各対のダイオード214の3つの電気端子216のうち、当該3つの電気端子216の1つは、一対のダイオード214の両方のダイオード214に電気的に接続された共通端子218である。すなわち、各共通端子218は、一対のダイオード214の両方のダイオード214によって共有されている。したがって、各対のダイオード214の3つの電気端子216のうちの2つは、一対のダイオード214の2つのダイオード214の一方のみに(但し、(駆動装置構成210の他の部品に加えて)電気的に接続されうる。
【0023】
電気サブアセンブリは、さらに、各ダイオード214を複数のコイル212の少なくとも1つに電気的に接続する複数のバスバー230を有しうる。各ダイオード214と複数のコイル214の1つ以上との間の電気的接続は、それぞれの電気端子216を介して行われる。さらなるバスバー230は、複数のコイルの多くを互いに接続しうる。バスバーは、電気サブアセンブリに取り付けられた導電性リングの形態を取りうる。
【0024】
駆動装置構成210は、複数の出力相を有する電力コンバータ220に電気的に接続されうる。特定の実施形態では、駆動装置構成210は、3つの出力相を有する三相電力コンバータ(例えば、フルブリッジコンバータ)に接続されうる。電力接続部222は、電力コンバータ220と駆動装置構成210とを互いに電気的に接続しうる。具体的には、各電力接続部222は、複数のダイオード214のそれぞれに電気的に接続されうる。各電力接続部222は、コンバータ220の出力相に対応しうるため、各対のダイオード214は、電力コンバータ220の複数の出力相の1つと一致して電気的に接続されうる。第1の対のダイオード214は、SRMのAおよびDの相に関連し、電力コンバータ220の第1の出力相に関係しうる。第2の対のダイオード214は、SRMのBおよびEの相に関連し、電力コンバータ220の第2の出力相に関係しうる。第3の対のダイオード214は、SRMのCおよびFの相と関連し、電力コンバータ220の第3の出力相に関係しうる。さらなるバスバー230は、複数のコイルの1つ以上を1つ以上の電力接続部222に接続しうる。
【0025】
このように配置されて、上記複数対のダイオード214は、電力コンバータ220の各出力相から出力されるバイポーラ電流波形を、当該波形の正と負の領域にそれぞれ関係する2つのユニポーラ半波形に変換しうる。その結果、n個の出力相を有する電力コンバータ220は、当該電力コンバータ220と駆動装置構成210との間にたったn個の電力接続部222のみを有しつつ、2n個の相を有するSRMを供給することができる(ここで、nは1以上の整数である)。例えば、電力コンバータ220が3つの出力相を有する実施形態では、電力コンバータは、当該電力コンバータ220と駆動装置構成210との間にたった3つの電力接続部222のみを有しつつ、6つの相を有するSRMを供給することができる。
【0026】
複数対のダイオード214の1対以上は、それぞれ、第1ダイオードユニット224として、つまり、1対のダイオード214がパッケージ化された単一の電気部品として形成されうる。各ダイオードユニット224は、パッケージ化されたダイオード214の電気端子216を有しうる。
【0027】
特定の実施形態では、駆動装置構成210は、
図2に示すように、デルタ型構成でありうる。
図2に示す駆動装置構成210を参照すると、複数対のダイオード214の共通端子216は、それぞれ、複数のバスバーのそれぞれに電気的に接続されうる、つまり、各電気端子216に対して、ダイオード214をコイルに接続するバスバーが1つ存在する。例えば、3対のダイオード214が存在しうる場合、9つの電気端子216は、それぞれ、9つのバスバーの少なくとも1つに接続されている。この例は、
図2に示す駆動装置構成210を用いて可能である。
【0028】
図3は、本発明のさらなる実施形態の駆動装置構成310の概略図であり、100だけオフセットされた参照番号は、
図2を参照して上述した同様の特徴を示している。複数対のダイオード314の1対以上は、第2ダイオードユニット326として、つまり、複数対のダイオード314がパッケージ化された単一の電気部品として一緒に形成されうる。特定の実施形態では、第2ダイオードユニット326は、複数の第1ダイオードユニット224(
図2参照)を有しうる。第2ダイオードユニット326は、パッケージ化された複数対のダイオード314の電気端子316を有しうる。
【0029】
図4は、本発明のさらなる実施形態の駆動装置構成410の概略図であり、200だけオフセットされた参照番号は、
図2を参照して上述した同様の特徴を示している。特定の実施形態では、駆動装置構成410は、
図4に示すように、スター型構成でありうる。
図4に示す駆動装置構成410を参照すると、複数対のダイオード414の2つ以上の共通端子416は、一緒に、複数のバスバー430の1つに電気的に接続されうる、つまり、2つ以上の共通端子416は、同じバスバー430に電気的に接続されうる。したがって、特定の実施形態では、ダイオード414をコイルに接続するバスバーは、電気端子416の数よりも少なくとも1つだけ少ない個数存在する。例えば、3対のダイオード414が存在しうる場合、9つの電気端子416は、7つのバスバー430に接続され、それぞれの3つの共通端子418は、1つのバスバー430に接続されている。この例は、
図4に示す駆動装置構成410を用いて可能である。
【0030】
図5は、本発明のさらなる実施形態の駆動装置構成510の概略図であり、300だけオフセットされた参照番号は、
図2を参照して上述した同様の特徴を示している。
図5に示すように、第2ダイオードユニット426内の内部電気接続部528は、少なくとも2対のダイオード514を電気的に接続しうる。その結果、2対のダイオード514は、共通端子518を共有しうる。内部電気接続部528は、
図5に示すように、ダイオード514をコイルに接続するバスバー530の数が電気端子516の数よりも少なくとも1つ少ないデルタ型駆動装置構成を可能にしうる、つまり、2つ以上の共通端子516は、同じバスバー530に電気的に接続されうる。例えば、3対のダイオード514が存在しうる場合、9つの電気端子516は、7つのバスバー530に接続され、3つの共通端子518の2つは、1つのバスバー530に接続されている。この例は、
図5に示す駆動装置構成510を用いて可能である。スター型駆動装置構成には第3高調波電流がないという利点があるが、本発明の好ましい実施形態では、デルタ型接続部を用いてダイオード電流定格、ダイオードサイズ、およびコストを最小化しうる。
【0031】
さて、本発明のさらなる実施形態に係る電気サブアセンブリについて、
図6および
図7を参照して説明する。
図6は、六相スイッチトリラクタンス機(SRM)、具体的にはスイッチトリラクタンスモータ、の部分駆動装置構成610の概略図である。上記サブアセンブリは、複数のコイル612を有するステータと、このステータに取り付けられた(例えば、マウントされた)冷却手段とを有する。冷却手段は、上記のとおりでありうる。電気サブアセンブリは、さらに、冷却手段に取り付けられた(例えば、マウントされた)複数のダイオード614を有する。各ダイオード614は、複数のコイル612のそれぞれ1つに電気的に接続されうる。
【0032】
電気サブアセンブリは、さらに、複数のバスバー630を有する。各バスバーは、複数のダイオード614の1つ以上および/または複数のコイル612の1つ以上に電気的に接続されている。上記のように、冷却手段は、使用中、ステータおよび複数のダイオード614を同時に冷却するように構成されている。
【0033】
図6においては、単に2つのダイオード614およびそのそれぞれのコイル612のみが示されているが、複数のダイオード614は、ダイオード614の総数が6の倍数である限り、12以上の任意の数のダイオード614を有しうる。
図6に示す駆動装置構成610を参照すると、複数のダイオード614のn/3個およびそれぞれのコイル612は、第1のバスバー630と第2のバスバー630を互いに電気的に接続しうる。複数のダイオード614のさらなるn/3個およびそれぞれのコイル612は、第3のバスバー630と第2のバスバー630を互いに電気的に接続しうる。複数のダイオード614の残りn/3個およびそれぞれのコイル612は、第4のバスバーと第2のバスバーを電気的に接続しうる。
図6に示す駆動装置構成610は、スター型構成でありうる。一方のバスバー630を他方のバスバー630に接続する複数のダイオード614およびそれぞれコイル612の半分は、第1の方向、例えば、第1のバスバー630から第2のバスバー630に、電流が流れるのを許容し、残りの半分は、反対の第2の方向、例えば、第2のバスバー630から第1のバスバー630に、電流が流れるのを許容しうる。
【0034】
図7は、本発明のさらなる実施形態の部分駆動装置構成710の概略図であり、100だけオフセットされた参照番号は、
図6を参照して上述した同様の特徴を示している。
図7においては、単に2つのダイオード714およびそのそれぞれのコイル712のみが示されているが、複数のダイオード714は、ダイオード714の総数が6の倍数である限り、12以上の任意の数のダイオード714を有しうる。
図7に示す駆動装置構成710を参照すると、複数のダイオード714のn/3個およびそれぞれのコイル715は、第1のバスバー730と第2のバスバー730を互いに電気的に接続しうる。ここで、nは、12以上の整数であり、かつ、6の倍数である。複数のダイオード714のさらなるn/3個およびそれぞれのコイル712は、第1のバスバー730と第3のバスバー730を互いに電気的に接続しうる。複数のダイオード714の残りのn/3個およびそれぞれのコイル712は、第2のバスバー730と第3のバスバー730を互いに電気的に接続しうる。
図7に示す駆動装置構成610は、デルタ型構成でありうる。上記のように、一方のバスバー730を他方のバスバー730に接続する複数のダイオード714およびそれぞれのコイル712の半分は、第1の方向、例えば、第1のバスバー730から第2のバスバー730に、電流が流れるのを許容し、残りの半分は、反対の第2の方向、例えば、第2のバスバー730から第1のバスバー730に、電流が流れるのを許容しうる。
【0035】
特定の実施形態では、電気サブアセンブリは、例えばハイブリッド電気自動車(HEV)または電気自動車(EV)の車両に使用されるトラクションモータに特に適用される。本発明の特定の実施形態は、ダイオードを冷却手段にマウントすることを可能にする。本発明の特定の実施形態は、駆動装置構成をステータのコイルに接続するのに必要な電気部品(例えば、バスバー)の数を減少させる。
【0036】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲および図面を含む)に開示されたすべての特徴、ならびに/または、本明細書に開示されたあらゆる方法もしくはプロセスのすべてのステップは、このような特徴および/またはステップの少なくとも一部が互いに排他的である組み合わせを除いて、任意に組み合わせてもよい。
【0037】
本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲および図面を含む)に開示された各特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同一、同等、または同様の目的を果たす別の特徴に置き換えられてもよい。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示された各特徴は、包括的な一連の同等または同様の特徴の単なる一例にすぎない。
【0038】
本発明は、上述の実施形態の内容に限定されない。本発明は、本明細書(あらゆる添付の特許請求の範囲、要約書、もしくは図面を含む)に開示された特徴の、あらゆる新規な特徴もしくはあらゆる新規な組み合わせ、または、本明細書に開示されたあらゆる方法もしくはプロセスのステップの、あらゆる新規なステップもしくはあらゆる新規な組み合わせにまで及ぶ。特許請求の範囲は、上述の実施形態だけではなく、特許請求の範囲内にあるあらゆる実施形態もカバーするものと解釈されるべきである。