(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019062100
(22)【出願日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 完
(72)【発明者】
【氏名】田中 雅也
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-086138(JP,A)
【文献】特開2016-116561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動領域への入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生する遊技機において、
遊技の制御を行う
演算処理部を有する遊技制御手段と、
前記始動領域をなす始動入賞口と、
前記始動領域をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり、入賞により前記ゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置と、
前記特別結果の導出に伴い遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置と、
遊技球の発射方向を報知可能な発射方向指示手段と、を備え、
前記
遊技制御手段は、
前記普通変動入賞装置の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れ
かで制御し、
前記特別結果には、条件装置の作動を伴って前記特別変動入賞装置を開状態に変換する
特別遊技状態を発生する大当りと、条件装置の作動を伴わずに前記特別変動入賞装置を開状態に変換する
小当り遊技状態を発生する小当りがあり、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの
変動時間が終了する際に前記第1動作状態に移行することが可能であ
り、
遊技球が流下する遊技領域には第1遊技領域と第2遊技領域が設けられ、
遊技者が遊技球の発射勢を調節することで、前記第1遊技領域と前記第2遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを選択可能であり、
前記特別結果の導出に伴う前記特別遊技状態を除き、前記普通変動入賞装置の動作状態が前記第1動作状態である場合は前記第1遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、
前記普通変動入賞装置の動作状態が前記第2動作状態である場合及び前記小当り遊技状態である場合には、前記第2遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、
前記発射方向指示手段は、
前記第2動作状態である場合は、前記第2遊技領域に遊技球を流下させることを報知し、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの変動時間の終了に伴い前記第1動作状態に移行した場合は、前記ゲームの変動時間が終了してから前記小当り遊技状態を開始するまでの間は、前記第1遊技領域へ遊技球を流下させることの報知及び前記第2遊技領域へ遊技球を流下させることの報知のいずれも行わず、前記小当り遊技状態の開始時から前記第2遊技領域へ遊技球を流下させることを報知し、
前記演算処理部は、
前記第2動作状態である場合は、前記第2遊技領域に遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力し、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの変動時間の終了に伴い前記第1動作状態に移行した場合は、前記ゲームの変動時間が終了してから前記小当り遊技状態を開始するまでの間は、前記第1遊技領域に遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力し、前記小当り遊技状態の開始時から前記第2遊技領域へ遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力することを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定条件の成立に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機では、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技領域に設けられた変動表示装置に表示される複数の識別情報(図柄、記号など)を変動表示する変動表示ゲームを開始し、所定時間経過後に停止した複数の識別情報の態様が予め定められた特別結果態様であった場合には、遊技者に多くの賞球を払い出す特別遊技状態となるものがある。このような遊技機において、可動部材の動作態様を異ならせることにより始動口への入賞の容易さを変化させる普通変動入賞装置を備えたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、可動部材の動作状態を変化させる機会は特別遊技状態の終了時などありふれたものであり、興趣の向上に寄与するものではなかった。本発明の目的は、遊技の興趣を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
始動領域への入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生する遊技機において、
遊技の制御を行う演算処理部を有する遊技制御手段と、
前記始動領域をなす始動入賞口と、
前記始動領域をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり、入賞により前記ゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置と、
前記特別結果の導出に伴い遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置と、
遊技球の発射方向を報知可能な発射方向指示手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記普通変動入賞装置の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかで制御し、
前記特別結果には、条件装置の作動を伴って前記特別変動入賞装置を開状態に変換する特別遊技状態を発生する大当りと、条件装置の作動を伴わずに前記特別変動入賞装置を開状態に変換する小当り遊技状態を発生する小当りがあり、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの変動時間が終了する際に前記第1動作状態に移行することが可能であり、
遊技球が流下する遊技領域には第1遊技領域と第2遊技領域が設けられ、
遊技者が遊技球の発射勢を調節することで、前記第1遊技領域と前記第2遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを選択可能であり、
前記特別結果の導出に伴う前記特別遊技状態を除き、前記普通変動入賞装置の動作状態が前記第1動作状態である場合は前記第1遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、
前記普通変動入賞装置の動作状態が前記第2動作状態である場合及び前記小当り遊技状態である場合には、前記第2遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、
前記発射方向指示手段は、
前記第2動作状態である場合は、前記第2遊技領域に遊技球を流下させることを報知し、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの変動時間の終了に伴い前記第1動作状態に移行した場合は、前記ゲームの変動時間が終了してから前記小当り遊技状態を開始するまでの間は、前記第1遊技領域へ遊技球を流下させることの報知及び前記第2遊技領域へ遊技球を流下させることの報知のいずれも行わず、前記小当り遊技状態の開始時から前記第2遊技領域へ遊技球を流下させることを報知し、
前記演算処理部は、
前記第2動作状態である場合は、前記第2遊技領域に遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力し、
前記第2動作状態である場合に、前記小当りとなる前記ゲームの変動時間の終了に伴い前記第1動作状態に移行した場合は、前記ゲームの変動時間が終了してから前記小当り遊技状態を開始するまでの間は、前記第1遊技領域に遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力し、前記小当り遊技状態の開始時から前記第2遊技領域へ遊技球を流下させるべきであることを示す試験信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
【
図4】各種確率と特別変動入賞装置の開放態様を説明する図である。
【
図6】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図7】遊技機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図8】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図9】メイン処理を説明するフローチャートである。
【
図10】タイマ割込み処理を説明するフローチャートである。
【
図11】払出コマンド送信処理を説明するフローチャートである。
【
図12】入賞口スイッチ/状態監視処理を説明するフローチャートである。
【
図13】特図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【
図14】始動口スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
【
図15】ハード乱数取得処理を説明するフローチャートである。
【
図16】特図始動口スイッチ共通処理を説明するフローチャートである。
【
図17】特図保留情報判定処理を説明するフローチャートである。
【
図18】特定領域スイッチ監視処理を説明するフローチャートである。
【
図19】特図普段処理を説明するフローチャートである。
【
図20】(a)は特
図1変動開始処理を説明するフローチャート、(b)は特
図2変動開始処理を説明するフローチャートである。
【
図21】特図変動中処理を説明するフローチャートである。
【
図22】小当り移行状態設定処理を説明するフローチャートである。
【
図23】サポート管理処理を説明するフローチャートである。
【
図24】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
【
図25】特図表示中処理を説明するフローチャートである。
【
図26】小当り残存球処理を説明するフローチャートである。
【
図27】普図ゲーム処理を説明するフローチャートである。
【
図28】普図普段処理を説明するフローチャートである。
【
図29】普図変動中処理を説明するフローチャートである。
【
図30】普図表示中処理を説明するフローチャートである。
【
図31】普図当り中処理を説明するフローチャートである。
【
図32】普通変動入賞装置の開放態様を説明する図である。
【
図33】外部情報編集処理を説明するフローチャートである。
【
図34】外部情報編集処理を説明するフローチャートである。
【
図35】状態表示編集出力処理を説明するフローチャートである。
【
図36】小当り発生時の遊技の進行を説明する図である。
【
図37】演出制御装置でのメイン処理を説明するフローチャートである。
【
図38】受信コマンドチェック処理を説明するフローチャートである。
【
図39】受信コマンド解析処理を説明するフローチャートである。
【
図40】表示装置での表示の一例を説明する図である。
【
図41】表示装置での表示の一例を説明する図である。
【
図42】表示装置での表示の一例を説明する図である。
【
図43】表示装置での表示の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0009】
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15(透明板保持枠)が取り付けられている。
【0010】
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
【0011】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21(貯留皿)、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25aを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25の上面(押圧面)には、遊技者からの接触操作入力を受け付けるためのタッチパネル29が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、本実施形態ではタッチパネル29を演出ボタン25と一体的に設けたが、タッチパネル29は、演出ボタン25と別体であってもよく、例えば、演出ボタン25の近傍にサブ表示装置を設け、そのサブ表示装置の表示面にタッチパネル29を設けてもよい。
【0012】
また、演出ボタン25右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25やタッチパネル29を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
【0013】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
【0014】
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。また、遊技領域32の左側には、ガイドレール31に沿って設けられ、発射された遊技球を遊技領域32の所定位置まで誘導する誘導路490を形成する誘導壁491が設けられている。
【0015】
遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくするように形成されている。
【0016】
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0017】
また、センターケース40には、動作する可動演出部材44aによって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす盤演出装置44が設けられている。この盤演出装置44は、初期状態では表示装置41の表示領域から退避した位置にあり、この位置から表示装置の中央へ向けて動作可能となっている。また、センターケース40の右上部には、遊技者に右側の遊技領域32へ遊技球を発射することを指示するための右打ち指示表示器48が設けられている。この右打ち指示表示器48は、内部にLEDを備えるとともに、光を透過可能な前面部材に右斜め下向きの矢印が記されている。そして、右側の遊技領域32へ遊技球を発射すべき遊技状態であって、右打ちの指示を行う場合にはLEDを点灯させることで右打ち指示表示器48を点灯させるようになっている。
【0018】
また、左側の遊技領域32へ遊技球を発射すべき遊技状態ではLEDを消灯することで右打ち指示表示器48を消灯するようになっている。さらに、右側の遊技領域32へ遊技球を発射すべき遊技状態であるがあえて右打ちの指示を行わない場合にもLEDを消灯することで右打ち指示表示器48を消灯するようになっている。すなわち、右打ち指示表示器48を消灯した状態は、右打ちを報知しないという状態であって、明確に左打ちを報知しているものではない。
【0019】
また、センターケース40の左下部には、表示装置41で表示する飾り特図変動表示ゲームとは別に飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄の表示や、始動記憶数の表示を行うサブ情報表示装置90が設けられている。
【0020】
このサブ情報表示装置90は、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第1サブゲーム表示部91と、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを実行する第4図柄を表示するサブゲーム表示部をなす単一の発光部で構成された第2サブゲーム表示部92と、を備える。さらに、二つの発光部により第1特図変動表示ゲームを実行する権利である第1始動記憶の数を示す第1サブ表示部93と、二つの発光部により第2特図変動表示ゲームを実行する権利である第2始動記憶の数を示す第2サブ表示部94と、を備える。
【0021】
第1サブゲーム表示部91と、第2サブゲーム表示部92では、対応する特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す表示や、結果を示す表示を発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。また、第1サブ表示部93、第2サブ表示部94は、第1始動記憶(特
図1保留)、第2始動記憶(特
図2保留)の数を、それぞれ二つの発光部の消灯、点滅、点灯により表示可能である。
【0022】
サブ情報表示装置90を表示装置41とは別途に設けたことで、第4図柄を表示装置41に表示することにより表示装置41の表示領域を占有することがなく、表示領域を有効に活用することができる。なお、サブ情報表示装置90は、盤演出装置44の動作範囲外に設けられており、盤演出装置44が動作する過程でサブ情報表示装置90が覆われてしまうことがないようにされている。
【0023】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(
図6参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方及び右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート、普図始動領域、流入領域)が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(
図6参照)により検出される。
【0024】
遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって普図始動ゲート34の直下には、第1特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口、始動領域、流入領域)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(
図6参照)により検出される。普図始動ゲート34の直下に始動入賞口36が設けられていることで、普図始動記憶の発生直後に第1始動記憶を発生可能となっている。
【0025】
また、センターケース40の右下方には、上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換可能な一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、遊技釘が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図6参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(
図6参照)により検出される。なお、閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としてもよい。
【0026】
センターケース40の右下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が配設されている。第1特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第1特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての上大入賞口ソレノイド38b(
図6参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(
図6参照)が配設されている。
【0027】
始動入賞口36の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が配設されている。第2特別変動入賞装置39は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉39cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置39は、例えば、駆動装置としての下大入賞口ソレノイド39b(
図6参照)により駆動される開閉扉39cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての下大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(
図6参照)が配設されている。また、第2特別変動入賞装置39の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
【0028】
図3には第1特別変動入賞装置38における遊技球の流路を示した。第1特別変動入賞装置38の内部(入賞領域)には、当該第1特別変動入賞装置38に入った遊技球を検出する検出手段としての上大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38aが配設されている。第1特別変動入賞装置38に入った遊技球はすべて上大入賞口スイッチ38aを通って検出され、上部流路38jに流入する。
【0029】
上部流路38jには、遊技球が流入可能な特定領域38hが設けられているとともに、当該特定領域38hへの遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(
図6参照)により動作するレバー部材38iが設けられている。レバー部材38iは、前後方向にスライド可能な板状の部材で、
図3に示すように前方に突出して特定領域38hを覆い、特定領域38hに遊技球が流入不能な閉状態と、後方に退避して特定領域38hに遊技球が流入可能な開状態とに変換可能となっている。
【0030】
特定領域38hには遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38dが設けられており、特定領域38hに流入した遊技球は特定領域スイッチ38dで検出された後、下部流路38kに流入する。小当り遊技状態中においてこの特定領域スイッチ38dで遊技球を検出することに基づき特別遊技状態が発生するようにされている。
【0031】
また、上部流路38jにおける特定領域38hより左方の下流側には、遊技球の通過を検出可能な通過口スイッチ38gが設けられており、特定領域38hに流入しなかった遊技球は通過口スイッチ38gで検出された後、下部流路38kに流入する。下部流路38kは、特定領域38hを通過した遊技球が流下する流路と、通過口スイッチ38gを通過した遊技球が流下する流路が下流側で合流するようになっている。そして、下部流路38kの下流端部には、遊技球の通過を検出する排出確認スイッチ38eが設けられており、下部流路38kに流入したすべての遊技球は排出確認スイッチ38eで検出された後、遊技機の外部へ遊技球を排出する排出流路へ流入する。
【0032】
このように構成された第1特別変動入賞装置38では、上大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数と、特定領域スイッチ38d及び通過口スイッチ38gで検出された遊技球数とが一致することにより、上部流路38jに流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。さらに、特定領域スイッチ38d及び通過口スイッチ38gで検出された遊技球数と、排出確認スイッチ38eで検出された遊技球数とが一致することにより、下部流路38kに流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。また、上大入賞口スイッチ38aで検出された流入する遊技球数と、排出確認スイッチ38eで検出された遊技球数とが一致することにより、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球が全て排出されたことを確認できる。
【0033】
本実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで普図始動ゲート34、始動入賞口36及び第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことができるようになっている。
【0034】
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
【0035】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54,55,56とを備える。
【0036】
また、一括表示装置50には、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器、右打ち報知部)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器、時短状態報知部)58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。なお、一括表示装置50には、更に、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
【0037】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特
図1表示器51における特図変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するよう構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0038】
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示し、所定時間後にゲームの結果に応じた点灯態様や点灯色としてゲーム結果を表示する。また、普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特
図1保留表示器54は、特
図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。特
図2保留表示器55は、特
図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、複数のLEDの消灯、点滅、点灯により表示する。
【0039】
第1遊技状態表示部(右打ち報知部)57は、LEDランプ等で構成され、右打ちよりも左打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(通常打ち時)にはランプを消灯状態にし、左打ちよりも右打ちの方が遊技者にとって有利な遊技状態の場合(右打ち時)にはランプを点灯状態にする。
【0040】
第2遊技状態表示部(時短状態報知部)58は、LEDランプ等で構成され、時短状態が発生していない通常の遊技状態の場合(変動時間短縮機能未作動時)にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合(変動時間短縮機能作動時)にはランプを点灯状態にする。
【0041】
ラウンド表示部60は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合にはランプを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応するランプを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
【0042】
図4(a)には、本実施形態の遊技機のスペックを示した。大当り確率は第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで共通で1/300となっている。また、小当りは第2特図変動表示ゲームでのみ発生するものであり1/100となっている。大当りと小当りの抽選においては大当りと小当りは重複して当選しない。
【0043】
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての第2特別変動入賞装置39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。
【0044】
なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。以上のことから、特別結果には、第1特別遊技状態(特別遊技状態)を発生可能な第1特別結果(大当り)と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与可能な遊技価値が低い第2特別遊技状態(小当り遊技状態)を発生可能な第2特別結果(小当り)と、が含まれていることとなる。
【0045】
大当り種類には16R電サポ100回、16R電サポなし、2R電サポ100回の三種類がある。16R電サポ100回とは、ラウンド数が16ラウンドであり特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普電サポート状態となる大当りである。16R電サポなしとは、ラウンド数が16ラウンドであり特別遊技状態の終了後に普電サポート状態とならない大当りである。2R電サポ100回とは、ラウンド数が2ラウンドであり特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普電サポート状態となる大当りである。大当りとなった場合の大当り種類の振分確率は、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム、特定領域38hへの入賞であるV入賞によってそれぞれ異なっている。また、普図変動表示ゲームが当りとなる確率である普図確率は、低確率状態(普電サポート状態ではない状態)では10/251であり、高確率状態(普電サポート状態)では250/251である。
【0046】
普電サポートは、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とするものである。本実施形態の普電サポートでは、普電サポートがない状態に比べて普図の当り確率が高確率となり、普図変動時間が短縮される時短状態となり、普図の当りに対する普通変動入賞装置37の開放時間が長くなることで普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とするようにしている。もちろんこれ以外の手法により普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とするようにしても良い。
【0047】
図4(b)から(d)には、第1特別変動入賞装置38及び第2特別変動入賞装置39の開放態様を示した。大当り種類が16R電サポ100回及び16R電サポなしの場合は、16ラウンドの全てで
図4(b)に示す開放Aの開放態様となる。この開放Aでは、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t11)、25000msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39を閉鎖してラウンドを終了する(t12)。その後、インターバル時間が開始され(t12)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t13)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
【0048】
大当り種類が2R電サポ100回の場合は、2ラウンドの全てで
図4(c)に示す開放Bの開放態様となる。この開放Bでは、ラウンドの開始に伴い第2特別変動入賞装置39を開放し(t21)、200msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第2特別変動入賞装置39を閉鎖してラウンドを終了する(t22)。なお、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり、開放可能時間が経過することに伴いラウンドが終了することがほとんどである。その後、インターバル時間が開始され(t22)、インターバル時間が終了すると次ラウンドが開始される(t23)。なお、最終ラウンドである場合はラウンドの終了に伴い残存球処理時間が設定され、その後エンディング時間が設定される。
【0049】
小当りの場合は
図4(d)に示す開放Cの開放態様となる。この開放Cでは、小当りの開始に伴い第1特別変動入賞装置38を開放し(t31)、100msの開放時間が経過すると第1特別変動入賞装置38を一旦閉鎖する(t32)。その後、2000msの閉鎖時間が経過すると再び第1特別変動入賞装置38を開放し(t33)、1400msの開放可能時間が経過するか所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの何れかの条件が成立すると第1特別変動入賞装置38を閉鎖してラウンドを終了する(t36)。なお、開放可能時間が短いため所定個数の入賞が発生することは稀であり、2回目の開放(t33~t36)の開放可能時間が経過することに伴いラウンドが終了することがほとんどである。
【0050】
また、開放Cでは、第1特別変動入賞装置38の開放開始に伴いレバーソレノイド38fがON状態とされ、特定領域スイッチ38dが有効とされる。レバーソレノイド38fがOFFである状態ではレバー部材38iが特定領域38hを覆って遊技球が流入できない状態であり、レバーソレノイド38fがONである状態ではレバー部材38iが特定領域38hから退避して遊技球が流入可能な状態となる。また、特定領域スイッチ38dが有効である状態とは、特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を有効なものとして扱う状態である。これに対して特定領域スイッチ38dが無効である状態は、特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出があっても無効なものとして扱う状態である。
【0051】
レバーソレノイド38fは第1特別変動入賞装置38が閉鎖した後もON状態が継続され、残存球処理時間が終了する100ms前となるとOFF状態となる(t34)。そして、レバーソレノイド38fがOFF状態となってから100ms経過すると特定領域スイッチ38dが無効となる(t35)。すなわち、第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球はほぼすべて特定領域38hに流入する。
【0052】
特定領域38hに遊技球が流入した場合は、残存球処理時間が終了すると特別遊技状態となる(t35)。この場合に選択される大当り種類は16R電サポ100回であるが、開放Cでの第1特別変動入賞装置38の開放が1ラウンド目となるので、第2特別変動入賞装置39の開放が15ラウンドとなる。この第2特別変動入賞装置39の開放は開放Aで行われる。一方、特定領域38hに遊技球が流入しなかった場合は、残存球処理時間が終了した後に通常遊技状態へ移行する。
【0053】
このように小当りの場合の開放Cにおいて、始めに短時間の開放(t31~t32)を行うことで、動作によって開放される特別変動入賞装置を遊技者に意識させることができ、第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを遊技者に意識させることができる。また、最初の開放の後に一旦閉鎖状態とすることで、遊技者が第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを認識してから右打ちを行うための猶予期間を設けることができる。
【0054】
すなわち、小当りの開始から第1特別変動入賞装置38を一定時間開放するのみとすると、第1特別変動入賞装置38を狙うべきことを認識するまでの間に開放可能時間を消費してしまい、特に小当りは開放可能時間が短いため開放を認識してから右打ちをしても間に合わないおそれがある。しかし、初めに短開放を行い、猶予期間が経過した後に2回目の開放を行うことで、遊技者が入賞を狙うことが可能となる。
【0055】
なお、遊技盤30には第1特別変動入賞装置38へ遊技球を誘導するように図示しない遊技釘が配されており、右打ちを行っていればほぼ確実に第1特別変動入賞装置38へ遊技球が入賞するようになっており、流入した遊技球はほぼすべて特定領域38hへ流入する。すなわち、第1特別変動入賞装置38が開放した場合はほぼ確実に特定領域38hへ遊技球が流入して特別遊技状態が発生するようになっている。
【0056】
図5には本実施形態の遊技機における遊技状態の遷移を示した。遊技状態には、通常遊技状態ST1、特別遊技状態ST2、特定遊技状態ST3、小当り移行状態ST4及び小当り遊技状態ST5がある。各遊技状態では、遊技制御装置100が制御する普電サポートの有無、時短状態の有無、演出制御装置300が制御する演出態様を定める演出モードが規定されている。また、各遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図及び遊技球の発射方向が定められている。
【0057】
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより主に普通変動入賞装置37への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技状態では、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
【0058】
通常遊技状態ST1は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は第1特図変動表示ゲームであり、主始動領域は始動入賞口36であって、この始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、第1特図変動表示ゲームをメイン変動とし、第2特図変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この通常遊技状態ST1で第1特別結果である大当りが導出されると特別遊技状態ST2に移行する。
【0059】
また、通常遊技状態ST1で第2特別結果である小当りが導出されると小当り遊技状態ST5に移行する。ただし、左打ちで遊技を進行する通常遊技状態ST1で普通変動入賞装置37による第2始動記憶が発生して第2特図変動表示ゲームが実行されることはまれであるので小当りが導出されることはまれである。主に特定遊技状態ST3の終了時に残存していた第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームによって小当りが導出される場合が考えられる。
【0060】
特別遊技状態ST2は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは特別遊技モードとされる。この特別遊技状態ST2では、第2特別変動入賞装置39が開放されるため、この第2特別変動入賞装置39への入賞を右打ちにより狙うように指示するが、左打ちでも第2特別変動入賞装置39への入賞を狙うことが可能である。
【0061】
電サポなしの大当り(ここでは16R電サポなし)に基づき特別遊技状態ST2となった場合は、当該特別遊技状態の終了に伴い通常遊技状態ST1に移行する。電サポありの大当り(ここでは16R電サポ100回又は2R電サポ100回)に基づき特別遊技状態ST2となった場合は、当該特別遊技状態の終了に伴い特定遊技状態ST3に移行する。
【0062】
特定遊技状態ST3は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードは特定遊技モードとされる。また、主変動特図は第2特図変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、第2特図変動表示ゲームをメイン変動とし、第1特図変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
【0063】
この特定遊技状態ST3で第1特別結果である大当りが導出されて特図変動表示ゲームが終了すると特別遊技状態ST2に移行する。また、特定遊技状態ST3で特別結果が導出されずに100回目の特図変動表示ゲームが終了すると通常遊技状態ST1に移行する。また、特定遊技状態ST3において第2特別結果である小当りの結果を停止表示する停止表示時間が開始されると、小当り移行状態ST4に移行する。すなわち、特定遊技状態ST3における小当りの場合は当該小当りとなる特図変動表示ゲームの終了前に遊技状態が移行する。
【0064】
小当り移行状態ST4は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは小当り移行モードとされる。すなわち、特定遊技状態ST3における小当り結果を停止表示する停止表示時間の開始に伴い普電サポート及び時短状態が終了するようになっている。
【0065】
この小当り移行状態ST4では、普電サポートがないため発射方向は左打ちとなるが明確に左打ちであることは報知しない。これは次に発生する小当り遊技状態ST5が右打ちであるため、右打ちをしておいた方が第1特別変動入賞装置38への入賞の可能性が高いためである。特定遊技状態ST3は右打ちで遊技を進行する状態であるので、この特定遊技状態ST3から移行する小当り移行状態ST4において発射方向を明確に報知しないようにすることで、遊技者が発射方向を変えずに右打ちを継続するようになる。
【0066】
小当り移行状態ST4において小当り結果の停止表示時間が終了すると小当り遊技状態ST5に移行する。小当り遊技状態ST5は、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは小当りモードとされる。この小当り遊技状態ST5では、第1特別変動入賞装置38が開放されるため、この第1特別変動入賞装置38への入賞を右打ちにより狙うように指示する。
【0067】
小当り遊技状態ST5において特定領域38hへの入賞(V入賞)があった場合は、小当り遊技状態ST5の終了に伴い特別遊技状態ST2へ移行する。また、小当り遊技状態ST5において特定領域38hへの入賞(V入賞)がなかった場合は、小当り遊技状態ST5の終了に伴い通常遊技状態ST1へ移行する。
【0068】
なお、小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時の遊技状態や、小当り遊技状態ST5へ移行する前の遊技状態に応じて、第1特別変動入賞装置38の開放態様やレバーソレノイド38fの動作態様、特定領域スイッチ38dを有効とするか否かを選択するようにしても良い。このようにすることでイレギュラー変動による小当りの発生によって特別遊技状態が発生することを防止でき、設計から逸脱した遊技が行われることを防止できる。
【0069】
例えば、小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時の遊技状態が特定遊技状態ST3である場合や、小当り遊技状態ST5へ移行する前の遊技状態が小当り移行状態ST4である場合には、
図4(d)に示した開放Cの態様とする。これに対して、小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時の遊技状態が通常遊技状態ST1である場合や、小当り遊技状態ST5へ移行する前の遊技状態が通常遊技状態ST1である場合には、
図4(d)に示した開放Cの態様よりも第1特別変動入賞装置38の開放時間やレバーソレノイド38fがON状態となる時間、特定領域スイッチ38dを有効とする時間を短くしたり、レバーソレノイド38fをON状態としないようにしたり、特定領域スイッチ38dを有効としないようにしたりする。すなわち、特定領域38hへの入賞(V入賞)を困難又は不可能とする。
【0070】
図6は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0071】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0072】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0073】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0074】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0075】
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。なお、電源投入時以外でもエラーを解除するためにRAM初期化スイッチ112の操作が行われることがあるが、この場合はエラーの解除のみが行われ、RAM111Cの初期化等の処理は行われない。
【0076】
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0077】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0078】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。また、普図変動表示ゲームの変動時間を決定するための変動パターンテーブルも記憶されている。
【0079】
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0080】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
【0081】
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0082】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0083】
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態(電サポモードであるか否かなど)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
【0084】
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0085】
遊技用マイコン111の入力部120には、各種のスイッチやセンサが接続される。そして、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121a,121bが設けられている。近接I/F121a,121bは、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0086】
近接I/F121a,121bには、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内の上大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39の下大入賞口スイッチ39a、第1特別変動入賞装置38内の特定領域に設けられる特定領域スイッチ38d、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球を検出する排出確認スイッチ38e、第1特別変動入賞装置38内の特定領域の上方に滞在する遊技球を検出する通過口スイッチ38g、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62が接続される。
【0087】
近接I/F121a,121bの出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121a,121bの出力のうち、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ38d、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。
【0088】
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1,2は第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64や振動を検出する振動センサ65の検出信号も入力されるようになっている。また、近接I/F121a,121bの出力のうち、排出確認スイッチ38e、通過口スイッチ38gの検出信号は第4入力ポート126に入力される。
【0089】
また、近接I/F121a,121bの出力のうち、第2入力ポート123への出力と、第4入力ポート126への出力のうちの排出確認スイッチ38eの出力は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121a,121bの出力のうち始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
【0090】
上記のように近接I/F121a,121bは、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121a,121bには、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0091】
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126、後述の第1入力ポート122も同様である。
【0092】
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
【0093】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0094】
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0095】
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
【0096】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121a,121bから出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0097】
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0098】
また、出力部130には、データバス140に接続され第1特別変動入賞装置38を開成させる上大入賞口ソレノイド38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる下大入賞口ソレノイド39b、普通変動入賞装置37開成させる普電ソレノイド37c、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38fの動作データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
【0099】
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
【0100】
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b、普通変動入賞装置37開成させる普電ソレノイド37c、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38fの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0101】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
【0102】
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0103】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
【0104】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39a、第1特別変動入賞装置38内の特定領域スイッチ38d、排出確認スイッチ38eには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0105】
次に、
図7を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0106】
上記主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
【0107】
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
【0108】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
【0109】
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
【0110】
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
【0111】
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
【0112】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0113】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46やサブ情報表示装置90、右打ち指示表示器48を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備え、動作する可動演出部材によって、特図変動表示ゲームを含む遊技の演出を行う可動演出装置をなす枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
【0114】
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられたタッチパネル29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
【0115】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0116】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
【0117】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図6参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
【0118】
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図6参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してROM111Bに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
【0119】
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0120】
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示器53に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、普図表示器53を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で普図変動表示ゲームに対応した演出表示を行う。
【0121】
普図変動表示ゲームの結果が当り(特定結果)の場合は、当りの種類に対応して普図表示器53に特別の結果態様をなす第1当り停止図柄と第2当り停止図柄の何れかとなる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、100ms、1700ms又は2600ms)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う普通変動入賞装置制御手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
【0122】
また、始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、始動入賞口36への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出されるようになっており、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Bに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の特
図1保留表示器54や特
図2保留表示器55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。また、サブ情報表示装置90の第1サブ表示部91や第2サブ表示部92においても表示される。
【0123】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが開始可能な状態となると、開始する特図変動表示ゲームに応じた最先の始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理などを行う。さらに、遊技制御装置100のCPU111Aは、実行する特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。
【0124】
そして、第1特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特
図1表示器51(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特
図1変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第1特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、第2特図変動表示ゲームを実行する場合は、所定の変動時間に亘り特
図2表示器52(変動表示装置)で予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する特
図2変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する第2特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0125】
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41(変動表示装置)で特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、サブ情報表示装置90のサブゲーム表示部で特図変動表示ゲームに対応して発光部の発光態様を変化させる飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
【0126】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、表示装置41において前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第1特別図柄)、右変動表示領域(第2特別図柄)、中変動表示領域(第3特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0127】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、第1特別変動入賞装置38の特定領域38hに遊技球が流入した場合にも特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、下大入賞口ソレノイド39bにより第2特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、下大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、第1の変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果となった場合又は第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球が特定領域38hに流入することに基づき、第2特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生させるように制御する特別遊技状態発生手段をなす。
【0128】
また、遊技制御装置100のCPU111Aは、第2特図変動表示ゲームの結果が小当りの場合は、特
図2表示器52に小当り結果態様を表示するとともに、小当り遊技状態を発生させる処理を行う。小当り遊技状態を発生させる処理においては、上大入賞口ソレノイド38bにより第1特別変動入賞装置38の開閉扉38cを所定時間に亘り開放させ、上大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき(第2特図変動表示ゲームが小当りとなると)第1特別変動入賞装置38を開状態に変換可能な第1特別変動入賞装置制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0129】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態、第2動作状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御するように構成されている。
【0130】
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、例えば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、例えば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数を例えば、1700ms×2回、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数を例えば、2600ms×1回となるように設定することが可能である。
【0131】
なお、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行うよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定しても良く、例えば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動時間よりも短い第2変動時間となるように制御することが可能である(例えば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、600m秒が500m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、1700m秒が2500m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば、2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、例えば、10/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、例えば、250/251)とすることが可能である。なお、通常動作状態である場合の普図変動表示ゲームの当り結果となる確率である通常確率を0/251としても良い。
【0132】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにしても良い。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様の何れかを選択するようにしても良い。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせても良い。
【0133】
なお、特
図1表示器51と特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器51、特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行(優先して実行)されるようになっている。第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを同時に実行可能としても良い。また、本実施形態の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0134】
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に
図8及び
図9に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる
図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0135】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、
図8及び
図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップS4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
【0136】
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理を行う(ステップS7)。この処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
【0137】
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
【0138】
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
【0139】
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップS7)を行った後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)を行う。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS9)。
【0140】
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS9)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
【0141】
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
【0142】
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを-1更新し(ステップS11)、タイマの値が0であるかを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップS14)。
【0143】
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS15)。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるかを判定し(ステップS16)、正常であれば(ステップS16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるかを判定する(ステップS17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を行い(ステップS18)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するかを判定する(ステップS19)。チェックサムが一致する場合(ステップS19;Y)は、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチがオンにされたかを判定し(ステップS20)、初期化スイッチがオフである場合(ステップS20;N)は、
図9のステップS25へ移行して、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0144】
ステップS18及び後述のステップS45のチェックサム算出処理で算出するチェックサムは、遊技制御用のワーク領域のチェックサムと、状態表示用のワーク領域のチェックサムとを合算したものである。なお、遊技制御用のワーク領域のチェックサムと状態表示用のワーク領域のチェックサムとを別々に算出しステップS19にて一致するかを別々に判定しても良いし、何れか一方だけ(例えば遊技制御用のワーク領域のチェックサムだけ)を算出して当該一方だけをステップS19の判定に用いても良い。
【0145】
ここで、遊技制御用のワーク領域には、遊技制御を行うために必要な情報(各種データやプログラム)が格納される。
また、状態表示用のワーク領域には、ベース値や役物比率などを表示するために必要な情報が格納される。ベース値は、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数から算出される値であり、ベース値を表示するために必要な情報は、例えば、アウトスイッチでの遊技球の検出数に関する情報と、入賞領域への入賞に基づく払出数に関する情報とを含む。また、役物比率は、遊技機10の電源投入から現在までに入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中(すなわち、ファンファーレ及びエンディング中は除外)に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(いわゆる連続役物比率)であり、役物比率を表示するために必要な情報は、例えば、全賞球数(賞球の合計数)に関する情報と、賞球数(役物別獲得球数)に関する情報とを含む。
【0146】
また、初期化スイッチがオンである場合(ステップS20;Y)は、
図9のステップS30へ移行して、遊技制御用のRAM領域の初期化の処理を行う。初期化スイッチが、外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、停電検査領域の値が正常なチェックデータでないと判定された場合(ステップS16;NもしくはステップS17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップS19;N)は、ステップS21へ移行して、全てのRAM領域の初期化の処理を行う。すなわち、状態表示用のRAM領域は、RAM異常が生じた場合にのみ初期化される。また、遊技制御用のRAM領域は、初期化スイッチがオンにされた場合だけでなく、RAM異常が生じた場合にも初期化される。
【0147】
図9のステップS25では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS25)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0148】
ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS26;N)は、ステップS27,S28をスキップしてステップS29へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS26;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS27)、遊技盤30に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS28)。
そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS29)、ステップS33へ進む。本実施形態の場合、ステップS29では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定コマンド(例えば、客待ち状態中の場合には客待ちデモコマンド、それ以外の場合には復旧画面コマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0149】
画面指定コマンドは、再開された遊技の状態に応じたコマンドを送信する。制御の再開に伴い電源遮断により中断された特図変動表示ゲームを再開する場合には、画面指定コマンドとして復旧情報をなす復旧画面コマンドを送信する。さらにこの場合は、再開される特図変動表示ゲームの結果に関する情報も送信する。また、客待ち状態中に電源が遮断されて電源の復旧により客待ち状態で制御を再開する際には画面指定コマンドとして客待ちデモコマンドを送信する。また、制御の再開に伴い電源遮断により中断された特別遊技状態を再開する場合には、画面指定コマンドとして特別遊技状態再開コマンドを送信する。
【0150】
また、
図9のステップS30では、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアして(ステップS30)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS31)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS32)、ステップS33へ進む。
【0151】
一方、ステップS16、S17、S19からステップS21へジャンプした場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS21)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含む全てのRAM領域を0クリアして(ステップS22)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS23)。そして、初期化すべき領域に全RAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS24)。ここでの初期化すべき領域とは、遊技制御用のワーク領域と状態表示用のワーク領域とのうち、0以外の値をセットしたい領域であり、例えば客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。
【0152】
そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS32)、ステップS33へ進む。本実施形態の場合、ステップS32では、機種指定コマンド、特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化コマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや高確率回数情報コマンドも送信する。
【0153】
ステップS33では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0154】
上記ステップS33のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS34)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
【0155】
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS35)、割込みを許可する(ステップS36)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0156】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS37)を行う。本実施形態において、初期値乱数更新処理では、大当り図柄初期値乱数と、小当り図柄初期値乱数と、当り初期値乱数と、当り図柄初期値乱数とを更新(例えば+1更新)する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「小当り図柄初期値乱数」は、特図変動表示ゲームの小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動表示ゲームの当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では当然存在しない。また、機種によっては、当り図柄初期値乱数が存在しない遊技機もある。
【0157】
また、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1、あるいは-1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
【0158】
上記ステップS37の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(ステップS38)、停電監視信号がオンであるかの判定を行う(ステップS39)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS39;N)は、初期値乱数更新処理(ステップS37)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS37)の前に割り込みを許可する(ステップS36)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0159】
なお、上記ステップS37での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0160】
停電監視信号がオンである場合(ステップS39;Y)は、ステップS38で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているかを判定する(ステップS40)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS40;N)は、停電監視信号がオンであるかの判定(ステップS39)に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS40;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)を行う。
【0161】
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップS46)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
【0162】
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
【0163】
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
【0164】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
【0165】
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
【0166】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、
図10のタイマ割込み処理が開始される。
【0167】
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。
次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS102)。ステップS102では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS103)を行う。
【0168】
次に、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(上大入賞口ソレノイド38b、下大入賞口ソレノイド39b、普電ソレノイド37c、レバーソレノイド38f)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS104)を行う。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
【0169】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS105)、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新する乱数更新処理1(ステップS106)、特
図1,特
図2及び普図の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2(ステップS107)を行う。
次に、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、上大入賞口スイッチ38a、下大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を行う。
【0170】
次に、異常排出エラー発生中であるかを判定する(ステップS109)。異常排出エラーとは、上部流路38jに存在する遊技球が0であるにもかかわらず上部流路38jからの排出を検出すること、又は下部流路38kに存在する遊技球が0であるにもかかわらず下部流路38kからの排出を検出することである。なお、異常排出エラー発生中である場合には異常排出エラーフラグがセットされている。
【0171】
異常排出エラー発生中である場合(ステップS109;Y)は、ステップS113に移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。また、異常排出エラー発生中でない場合(ステップS109;N)は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS110)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS111)、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS112)を行う。
【0172】
次に、異常排出監視処理(ステップS113)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップS114)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップS115)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS116)を行って、アウトスイッチでの遊技球の検出数や入賞領域への入賞に基づく払出数からベース値を算出する処理等を行う状態表示編集出力処理を行い(ステップS117)、タイマ割込み処理を終了する。
【0173】
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
【0174】
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS105)の詳細について説明する。
図11に示すように払出コマンド送信処理では、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする(ステップS181)。
【0175】
入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111Cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
【0176】
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置へ出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
【0177】
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(本実施形態の場合、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であるのに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
具体的には、本実施形態の場合、入賞数カウンタ領域1の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ65535入賞まで記憶することができ、入賞数カウンタ領域2の3個賞球カウンタ領域、10個賞球カウンタ領域、及び14個賞球カウンタ領域には、それぞれ255入賞まで記憶することができるよう構成されている。
【0178】
入賞数カウンタ領域2にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS181)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。そして、カウント数がない場合(ステップS181;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS182)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS183)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS183;Y)と判定すると、ステップS192に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS183;N)と判定すると、ステップS181へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する。
【0179】
また、上記ステップS181で、カウント数がある(ステップS181;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を-1更新し(ステップS184)、対象の入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS185)。そして、賞球残数領域の値と取得した払出数を加算し(ステップS186)、加算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS187)。なお、この処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
【0180】
その後、加算結果から10を減算して(ステップS188)、減算結果が0以上かを判定し(ステップS189)、0以上でない場合(ステップS189;N)は、ステップS192の処理に移行する。また、0以上である場合(ステップS189;Y)は、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新する(ステップS190)。すなわち、賞球残数が10個になる度に、メイン賞球信号の出力回数を+1更新する。
そして、減算結果を賞球残数領域にセーブして(ステップS191)、ステップS188の処理に戻る。これにより、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
ここで、ステップS181~S191の処理は、メイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、ステップS192~S201の処理は、払出コマンドを送信する処理である。
【0181】
ステップS192では、払出コマンド送信タイマが「0」でなければ-1更新し(ステップS192)、払出コマンド送信タイマが「0」になったかを判定する(ステップS193)。払出コマンド送信タイマが「0」でない場合(ステップS193;N)は、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが「0」である場合(ステップS193;Y)は、払出ビジー信号フラグをチェックして、払出ビジー信号がビジー状態であるかを判定する(ステップS194)。
【0182】
払出ビジー信号は払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号とも言える。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。
【0183】
この払出ビジー信号がビジー状態である場合(ステップS194;Y)は、払出コマンド送信処理を終了する。すなわち、本実施形態では、タイマ割込み毎に払出コマンドを送信するのではなく、所定時間が経過し(払出コマンド送信タイマの値が0になり)、且つ、払出制御装置200側が賞球を払い出せる状態である場合に、払出コマンドを送信するよう構成されている。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
【0184】
払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)になる条件は、例えば、払出動作中、球貸し動作中、シュート球切れエラー中、オーバーフローエラー中、枠電波不正発生中、払出球検出スイッチ(払い出された球を監視するスイッチ)の異常中、払出不足エラー中、払出過剰エラー中、払出制御装置200のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)等である。
【0185】
払出ビジー信号がビジー状態でない場合(ステップS194;N)は、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする(ステップS195)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理(ステップS195)においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるかを判定する。
【0186】
そして、カウント数がない場合(ステップS195;N)は、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS196)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したかを判定する(ステップS197)。この判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS197;Y)と判定すると、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない(ステップS197;N)と判定すると、ステップS195へ戻って上記処理を繰り返す。本実施形態の場合、3個賞球カウンタ領域→10個賞球カウンタ領域→14個賞球カウンタ領域の順にチェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新する。
【0187】
また、上記ステップS195で、カウント数がある(ステップS195;Y)と判定した場合には、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を-1更新し(ステップS198)、対象の入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得する(ステップS199)。そして、取得した払出数コマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップS200)、払出コマンド送信タイマ領域に初期値をセーブして(ステップS201)、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として、例えば200m秒が設定される。
【0188】
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
【0189】
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
【0190】
従来の遊技機(例えば、特開2000-312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本発明によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
【0191】
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
【0192】
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38、39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
【0193】
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38、39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
【0194】
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38、39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
【0195】
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
【0196】
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37、一般入賞口35、特別変動入賞装置38、39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
【0197】
また、本実施形態では、遊技制御装置100からは、遊技球の払出予定個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力され、払出制御装置200からは、遊技球の払出個数が10個になる毎にメイン賞球信号が出力されるよう構成されている。
具体的には、遊技制御装置100は、10個の払出予定毎(払出コマンドを送信する毎)に、メイン賞球数信号出力回数を+1更新(払出コマンド送信処理内のサブルーチン)し、更新(設定)されている出力回数分、メイン賞球信号を出力する。
予定毎に出力されるメイン賞球信号に対し、払出制御装置200からは実際に10個の払出が行われる毎に賞球信号が送信されるので、予定と結果の整合をとることができ、不正な払出に対応することができる。また、大当り期間中に入賞しても、球切れ等で払出が遅れ、大当り終了後に払い出された場合にも、入賞時に出力されるメイン賞球信号によって、ホールコン(ホールコンピュータ)が正確な情報を収集(判断)することができる。
【0198】
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図12には、タイマ割込み処理における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)を示した。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、上大入賞口(第1特別変動入賞装置38)内の入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ38a)に対応する入賞口監視テーブルを準備し(ステップS301)、上大入賞口が開いていないにもかかわらず上大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS302)を実行する。
【0199】
入賞口監視テーブルには、対象のスイッチに入力があるかを判定するデータの位置を示す監視スイッチビット、不正監視情報の下位アドレス、不正入賞数領域の下位アドレス、不正入賞エラー報知コマンド、不正入賞数上限値(不正発生判定個数)、入賞口スイッチテーブルのアドレスの情報が定義されている。また、入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、監視の繰り返し回数(スイッチの数)に加えて、各スイッチ毎に、監視スイッチビット、入賞数カウンタ領域1の下位アドレス、入賞数カウンタ領域2の下位アドレスの情報が定義されている。入賞口監視テーブルは、監視対象のスイッチのそれぞれに応じたものが用意されている。
【0200】
その後、下大入賞口(第2特別変動入賞装置39)内の入賞口スイッチ(下大入賞口スイッチ39a)に対応する入賞口監視テーブルを準備し(ステップS303)、下大入賞口が開いていないにもかかわらず下大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS304)を実行する。
【0201】
次に、普電(普通変動入賞装置37)内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS305)、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS306)を実行する。そして、常時入賞可能な入賞口スイッチ(例えば、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36aや一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS307)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS308)を行う。
【0202】
次に、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(ステップS309)。本実施形態の場合、状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS310)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS311)を行う。
【0203】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常検知信号1に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が「2」である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態の監視が設定される。
【0204】
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS312)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS313)を行う。
【0205】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はガラス枠開放検出スイッチ63から出力される信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「1」である場合は本体枠開放検出スイッチ64から出力される信号に基づく状態の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が「2」である場合は枠電波不正信号に基づく状態の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が「3」である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
【0206】
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるかを判定し(ステップS314)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS314;N)は、ステップS318に移行する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS314;Y)は、遊技機状態監視テーブル3を準備し(ステップS315)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理(ステップS316)を行う。
【0207】
本実施形態の場合、状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力されるスイッチ異常検知信号2に基づく状態の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが「1」から「3」の場合は定義されていない。
【0208】
その後、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号をチェックする払出ビジー信号チェック処理(ステップS317)を行い、ステップS318に移行する。なお、ステップS315からS317の処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が「0」の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4m秒毎に行われる場合は、16m秒毎にステップS315からS317の処理が行われることとなる。
【0209】
次に、特定領域スイッチ38dでの異常な入力の検出を監視する異常通過監視処理(ステップS318)を行い、上部流路38jに残留する遊技球を監視する残存球監視処理(ステップS319)を行う。さらに、下部流路38kに残留する遊技球を監視する排出球監視処理(ステップS320)を行って、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
【0210】
異常通過監視処理(ステップS318)では、特定領域スイッチ38dが有効中でない場合に特定領域スイッチ38dに入力があった場合に異常であると判定する処理を行う。また、残存球監視処理(ステップS319)では、上部流路38jへの最後の遊技球の流入から所定時間(ここでは3秒)経過しても全ての遊技球が上部流路38jから排出されていない場合には残存球エラーと判定するようにしている。これにより、例えば糸を付けた遊技球(糸釣り球)を上部流路38j内に残留させるような不正行為を防止することができる。また、排出球監視処理(ステップS320)では、下部流路38kへの最後の遊技球の流入から所定時間(ここでは3秒)経過しても全ての遊技球が下部流路38kから排出されていない場合には排出球エラーと判定するようにしている。これにより、例えば糸を付けた遊技球(糸釣り球)を下部流路38k内に残留させるような不正行為を防止することができる。
【0211】
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS110)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0212】
図13に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0213】
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)を行う。この大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた上大入賞口スイッチ38aでの遊技球の検出の監視や、第2特別変動入賞装置39内に設けられた下大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視する処理を行う。そして、特定領域38hでの遊技球の検出を監視する特定領域スイッチ監視処理を行う(ステップA3)。
【0214】
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップA4)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップA5)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA5;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA6)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA7)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップA8)。
【0215】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0216】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0217】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0218】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0219】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップA16)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップA17)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップA18)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り終了処理(ステップA19)を行う。
【0220】
その後、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA20)、特
図1表示器51による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA21)を行う。そして、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA22)、特
図2表示器52による特別図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップA23)を行う。その後、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップA24)を行って、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA5にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA5;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA20の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0221】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。
図14に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)を行って、第1始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、第1始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA103にて、第1始動口への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。
【0222】
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、当該コマンドを演出制御装置300へ送信する演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)を行う。本実施形態の遊技機10の場合、第1始動口(始動入賞口36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に第1始動口に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によって行うよう構成されている。
次いで、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)を行う。
【0223】
次に、第2始動口(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)を行って、第2始動口への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、第2始動口への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、第2始動口への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるかを判定する(ステップA113)。
【0224】
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
【0225】
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0226】
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について説明する。
図15に示すように、ハード乱数取得処理では、まず、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるかを判定する(ステップA124)。
【0227】
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、第1始動口(始動入賞口36)及び第2始動口(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
【0228】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0229】
図16に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を+1更新して(ステップA132)、出
力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA135の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
【0230】
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0231】
また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特
図1保留数又は特
図2保留数)を+1更新して(ステップA136)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ハード乱数取得処理のステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
【0232】
次いで、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
【0233】
次いで、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)を行う。
次いで、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0234】
ここで、遊技制御装置100(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域での遊技球の検出に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
【0235】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0236】
図17に示すように、まず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行する。
一方、ステップA151にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるかを判定する(ステップA152)。
【0237】
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるかを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)を行う。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行する。
【0238】
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、第1始動口(始動入賞口36)への入賞であるかを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、第1始動口への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、ステップA158にて、第1始動口への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)を行う。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行する。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、特図始動口スイッチ共通処理のステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行する。
【0239】
そして、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA165)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理を行う(ステップA167)。
【0240】
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理を行い(ステップA169)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
【0241】
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
【0242】
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
【0243】
〔特定領域スイッチ監視処理〕
図18には、上述の特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(ステップA3)を示した。この特定領域スイッチ監視処理では、まず、小当り中であるかを判定する(ステップA181)。ここでの小当り中とは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間である。この小当り中でない場合(ステップA181;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。すなわち、特定領域スイッチ38dは、小当り中処理及び小当り残存球処理を行っている期間でのみ有効とされる。また、小当り中である場合(ステップA181;Y)は、条件装置が作動中であるかを判定する(ステップA182)。
【0244】
条件装置が作動中である場合(ステップA182;Y)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、条件装置が作動中でない場合(ステップA182;N)は、特定領域スイッチに入力があるかを判定する(ステップA183)。そして、特定領域スイッチに入力がない場合(ステップA183;N)は、特定領域スイッチ監視処理を終了する。また、特定領域スイッチに入力がある場合(ステップA183;Y)は、特定領域通過フラグをセットし(ステップA184)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。後にこの特定領域通過フラグがあることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われるようになる。
【0245】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図19に示すように、特図普段処理では、先ず、特
図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA301)。特
図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特
図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるかを判定する(ステップA305)。そして、特
図1保留数が「0」である(ステップA305;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるかを判定し(ステップA309)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA309;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA310)。
【0246】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA311)、演出コマンド設定処理(ステップA312)を行う。次いで、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定して(ステップA313)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA314)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(ステップA315)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA316)、特図普段処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲームを開始可能な状態であるが始動条件が成立しない場合に、待機情報をなす客待ちデモコマンドを演出制御装置300に送信するようにしていることとなる。
一方、ステップA309にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA309;Y)は、ステップA310~A312の処理を行わずに、ステップA313の処理へ移行する。
【0247】
また、ステップA301にて、特
図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特
図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA302)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA303)を行い、特
図2変動開始処理(ステップA304)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA305にて、特
図1保留数が「0」でない場合(ステップA305;N)は、特
図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備する(ステップA306)。次いで、演出コマンド設定処理(ステップA307)を行い、特
図1変動開始処理(ステップA308)を行って、特図普段処理を終了する。
【0248】
このように、特
図2保留数のチェックを特
図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特
図2保留数が「0」でない場合には特
図2変動開始処理(ステップA304)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
【0249】
〔特
図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図1変動開始処理(ステップA308)の詳細について説明する。特
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
図20(a)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図1)を示す特
図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA321)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA322)を行う。
【0250】
次に、特
図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図1停止図柄設定処理(ステップA323)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA324)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA325)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA326)を行い、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA327)を行う。
【0251】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA328)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA329)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA330)、特
図1の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA331)。その後、特
図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA332)、特
図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA333)。次いで、特
図1変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA334)、特
図1変動開始処理を終了する。
【0252】
〔特
図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特
図2変動開始処理(ステップA304)の詳細について説明する。特
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、
図20(a)に示した特
図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
【0253】
図20(b)に示すように、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特
図2)を示す特
図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するとともに、第2特図変動表示ゲームが小当りであるか否かを判別するための小当りフラグにはずれ情報や小当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)を行う。
【0254】
次に、特
図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特
図2停止図柄設定処理(ステップA343)を行った後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特
図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)を行い、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)を行う。
【0255】
次いで、処理番号として特図変動中処理にかかる「1」を設定し(ステップA348)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA349)。
そして、客待ちデモフラグ領域をクリアし(ステップA350)、特
図2の変動開始に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA351)。その後、特
図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA352)、特
図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特
図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(ここでは100ms)を設定する(ステップA353)。次いで、特
図2変動図柄番号領域に初期値(ここでは「0」)をセーブして(ステップA354)、特
図2変動開始処理を終了する。
【0256】
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づき特図変動表示ゲームを実行する特図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、特図変動表示ゲーム実行制御手段は、第1始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示ゲームを実行し、第2始動記憶に基づき特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲームを実行することとなる。
【0257】
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図21に示すように、特図変動中処理では、まず、変動図柄判別フラグ(特
図1変動フラグ又は特
図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンドを準備し(ステップA601)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA602)。すなわち、実行中の特図変動表示ゲームの変動時間が終了して結果を導出表示することに伴い停止情報をなす図柄停止コマンドが演出制御装置300に送信されることとなる。演出制御装置300では、この図柄停止コマンドの受信に伴い、当該特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止して結果を停止表示する。
【0258】
その後、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA603)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA604)。本実施形態の場合、特図変動表示ゲームの結果や、特定遊技状態を終了する特図変動表示ゲームであるか否かに基づき表示時間を設定する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
【0259】
次いで、処理番号として特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(ステップA605)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップA606)。
【0260】
次に、特
図1の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA607)、特
図2の変動終了に関する信号(例えば、特別図柄2変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA608)、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256m秒)をセーブする(ステップA609)。
【0261】
その後、特
図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特
図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA610)、特
図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報として、特
図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特
図2変動制御フラグ領域にセーブする(ステップA611)。さらに、特定遊技状態ST3において小当りの結果が停止表示された場合に小当り移行状態ST4へ移行するための小当り移行状態設定処理を行い(ステップA612)、特定遊技状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理するためのサポート回数を更新するサポート管理処理(ステップA613)を行って、特図変動中処理を終了する。
【0262】
〔小当り移行状態設定処理〕
次に、上述の特図変動中処理における小当り移行状態設定処理(ステップA612)の詳細について説明する。
図22に示すように小当り移行状態設定処理では、まず、普電サポート中であるかを判定する(ステップA621)。普電サポート中でない場合(ステップA621;N)は、小当り移行状態設定処理を終了する。また、普電サポート中である場合、すなわち特定遊技状態である場合(ステップA621;Y)は、結果が小当りであるかを判定する(ステップA622)
【0263】
結果が小当りでない場合(ステップA622;N)は、小当り移行状態設定処理を終了する。また、結果が小当りである場合(ステップA622;Y)は、小当り移行状態へ移行するためにステップA623以降の処理を行う。小当り移行状態へ移行するための処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA623)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA624)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
【0264】
そして、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA625)、特図ゲームモードフラグ領域にサポなしフラグをセーブする(ステップA626)。その後、普図低確率を設定して(ステップA627)、普電サポートありとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポート回数をクリアし(ステップA628)、小当り移行状態設定処理を終了する。これにより、特定遊技状態ST3が終了して小当り移行状態ST4に移行することとなる。
【0265】
〔サポート管理処理〕
図23には、上述の特図変動中処理におけるサポート管理処理(ステップA613)を示した。このサポート管理処理では、まず、普電サポート中であるかを判定し(ステップA771)、普電サポート中でない場合(ステップA771;N)は、サポート管理処理を終了する。また、普電サポート中である場合、すなわち特定遊技状態である場合(ステップA771;Y)は、普電サポートありとする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するサポート回数が0でなければ-1更新し(ステップA772)、サポート回数が0であるかを判定する(ステップA773)。
【0266】
サポート回数が0でない場合(ステップA773;N)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行しておらず特定遊技状態が継続する場合は、サポート管理処理を終了する。また、サポート回数が0である場合(ステップA773;Y)、すなわち特別遊技状態の終了から規定数目(ここでは100回目)の特図変動表示ゲームが終了する場合は、特定遊技状態を終了して通常遊技状態へ移行するためにステップA774以降の普電サポートを終了する処理を行う。
【0267】
普電サポートを終了する処理では、まず、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA774)。ここでは大当り2信号をOFFにするように設定する。さらに、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA775)。ここでは、特別図柄1変動時間短縮状態信号をOFF、特別図柄2変動時間短縮状態信号をOFFに設定する。
【0268】
そして、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA776)、特図ゲームモードフラグ領域にサポなしフラグをセーブする(ステップA777)。その後、普図低確率を設定して(ステップA778)、サポート管理処理を終了する。これにより、特定遊技状態ST3が終了して通常遊技状態ST1に移行することとなる。
【0269】
このように、本実施形態の遊技機では特図変動中処理において特定遊技状態を終了する処理を行うようにしている。これにより、小当りとなる特図変動表示ゲームや、特別遊技状態の終了から100回目の特図変動表示ゲームでは、停止表示時間の開始に伴い特定遊技状態が終了することとなる。すなわち、特定遊技状態を終了させる特図変動表示ゲームの終了よりも前に特定遊技状態が終了することとなる。
【0270】
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図24及び
図25に示すように、特図表示中処理では、まず、特
図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域をクリアする処理(ステップA702)を行う。
次いで、特
図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特
図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA704)を行う。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りかを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特
図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。
【0271】
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りかを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特
図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をON)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行う。
【0272】
ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA709)を行った後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、「16」又は「2」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
【0273】
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)を行う。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)を行う。続けて、特
図1又は特
図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号又は停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)を行う。このファンファーレコマンドが特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。
【0274】
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。本実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのON/OFFは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。例えば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはON、出玉のない大当り(所謂、突確大当りなど。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればON、それ以外ではOFFとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはON、出玉のない大当りである場合にはOFFとなる。
【0275】
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(例えば5000m秒、4700m秒、7700m秒又は300m秒)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報に基づき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
【0276】
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)を行い、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置38を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。
【0277】
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りかを判定する(ステップA725)。ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)を行う。
【0278】
そして、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)を行う。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)を行って、ステップA733の処理に移行する。この小当りファンファーレコマンドも特別遊技状態の開始時に演出制御装置300に送信される特別遊技状態開始情報をなす。その後、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。次いで、処理番号として小当りファンファーレ中処理にかかる「7」を設定して(ステップA734)、当該処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA735)。
【0279】
次いで、小当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA736)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をON(大当り+小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブして(ステップA737)、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、特別図柄2小当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA738)。
【0280】
次いで、大入賞口不正入賞数領域をクリアして(ステップA739)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA740)。
次いで、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をON)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA741)、右打ち中の表示LED(例えば、第1遊技状態表示部57)を点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA742)、特図表示中処理を終了する。
【0281】
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA744)を行い、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA745)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するかを判定する(ステップA746)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA746;N)には、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(ステップA749)、特図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブして(ステップA750)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(ステップA751)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA752)、特図表示中処理を終了する。
【0282】
一方、ステップA746にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA746;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA747)、演出コマンド設定処理(ステップA748)を行った後に、ステップA749の処理に移行する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
【0283】
〔小当り残存球処理〕
図26には、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA18)を示した。この小当り残存球処理では、まず、残存球エラーの発生中であるかを判定する(ステップA801)。残存球エラーの発生中である場合(ステップA801;Y)は、ステップA803に移行する。また、残存球エラーの発生中でない場合(ステップA801;N)は、残存球カウンタが0であるかを判定する(ステップA802)。残存球カウンタが0でない場合(ステップA802;N)は、小当り残存球処理を終了する。また、残存球カウンタが0である場合(ステップA802;Y)は、ステップA803以降の小当りを終了するための処理を行う。
【0284】
すなわち、第1特別変動入賞装置38内の残存球が全て排出されてから小当りを終了するための処理を行うようにしている。ただし、最後に遊技球が第1特別変動入賞装置38に流入してから所定時間以上経っても排出が確認できない状態である残存球エラー中の場合は、排出に必要な時間が十分経過したものとして小当りを終了するための処理に移行するようにしている。もちろん残存球エラー中の場合は小当りを終了するための処理に移行しないようにしても良い。よって、ステップA801の処理は行わないようにしても良い。
【0285】
小当りを終了するための処理では、まず、特定領域通過があったかを判定する(ステップA803)。特定領域38hに遊技球が流入して通過した場合は、特定領域スイッチ38dにより検出されて特定領域通過フラグがセットされる。ここではこの特定領域通過フラグの有無により特定領域通過があったかを判定する。特定領域通過があった場合(ステップA803;Y)は、ステップA811に移行して特別遊技状態を発生させる処理を行う。また、特定領域通過がない場合(ステップA803;N)は、ステップA804に移行して小当り遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理を行う。
【0286】
ステップA804以降の小当り遊技状態を終了して特図変動表示ゲームを実行可能とするための処理では、処理番号として小当り終了処理にかかる10を設定し(ステップA804)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA805)。次に、小当りエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA806)、上大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(ステップA807)。そして、大入賞口カウント数領域をクリアし(ステップA808)、小当り中制御ポインタ領域をクリアして(ステップA809)、小当り残存球処理を終了する。
【0287】
一方、特定領域通過があり(ステップA803;Y)、ステップA810以降の特別遊技状態を発生させる処理を行う場合は、飾り特図コマンド領域からコマンドをロードして準備し(ステップA810)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA811)。次に、V大当りファンファーレコマンドを準備して(ステップA812)、演出コマンド設定処理を行う(ステップA813)。
【0288】
その後、大当り(V大当り)の開始に関する信号外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA814)、大当り(V大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をON、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。
【0289】
そして、遊技状態表示番号領域に大当り中の番号をセーブし(ステップA816)、ラウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA817)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合16)を取得してラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA818)。さらに、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得してラウンドLEDポインタ領域にセーブし(ステップA819)、ラウンド数領域に初期値(ここでは1)をセーブする(ステップA820)。ラウンド数の上限値としては16ラウンドが設定されるが、小当り動作が1ラウンド目に相当するので、ラウンド数初期値として1を設定することで特別遊技状態では15ラウンド分の開放が行われるようにしている。
【0290】
その後、処理番号としてファンファーレ/インターバル処理にかかる3を設定し(ステップA821)、特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA822)。さらに、V大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA823)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA824)を行って、ステップA808に移行する。
【0291】
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS111)の詳細について説明する。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
【0292】
図27に示すように、普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行い、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。この普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)では、ゲートスイッチ34aからの入力に基づき当り乱数を普図始動記憶として所定の上限値(例えば4)まで記憶する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動領域(普図始動ゲート34)での遊技球の検出に基づき、普図変動表示ゲームの実行権利を普図始動記憶として所定数を上限に記憶する普図始動記憶手段をなす。
【0293】
次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったかを判定する(ステップB4)。
【0294】
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていたと判定すると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。そして、普図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールを行う(ステップB7)。
【0295】
ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB8)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB9)を行う。
【0296】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB11)を行う。
【0297】
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB7にて、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB13)を行う。
【0298】
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備した後(ステップB14)、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が「0」でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、ステップB14の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
【0299】
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。
図28に示すように、普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるかを判定し(ステップB301)、普図保留数が「0」である場合(ステップB301;Y)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB322)、普図ゲーム処理番号領域に当該処理番号をセーブする(ステップB323)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB324)、普図普段処理を終了する。
【0300】
また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB301;N)は、RWMの当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし、ロードした領域、すなわち当り乱数格納領域(保留数1用)及び当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアして(ステップB302)、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率(すなわち、普図低確率)よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態中であるかを判定する(ステップB303)。
【0301】
普図高確率中でない場合(ステップB303;N)は、普図低確率時の下限判定値(低確率下限判定値)を設定し(ステップB304)、普図高確率中である場合(ステップB303;Y)は、普図高確率時の下限判定値(高確率下限判定値)を設定する(ステップB305)。
その後、当り乱数の値が上限判定値以上であるかを判定し(ステップB306)、当り乱数の値が上限判定値以上でない場合(ステップB306;N)は、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満であるかを判定する(ステップB307)。
【0302】
当り乱数の値が上限判定値以上である場合(ステップB306;Y)や、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満である場合(ステップB307;Y)は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB308)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB309)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB310)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
一方、当り乱数の値がステップB304又はB305にて設定した下限判定値未満でない場合(ステップB307;N)は、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB311)、ステップB302にてロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB312)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブして(ステップB313)、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブする(ステップB314)。
【0303】
本実施形態の場合、普図低確率時における当りの確率は10/251、普図高確率時における当りの確率は250/251であり、上限判定値は「251」、低確率下限判定値は「241」、高確率下限判定値は「1」である。したがって、普図低確率時は、当り乱数の値が「241」~「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」~「240」である場合がはずれとなる。また、普図高確率時は、当り乱数の値が「1」~「250」の何れかである場合が当り、当り乱数の値が「0」である場合がはずれとなる。また、本実施形態の場合、当り図柄は2種類ある。
【0304】
停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブ(ステップB314)した後、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB315)。
その後、当り乱数格納領域をシフトし(ステップB316)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップB317)、普図保留数を-1更新する(ステップB318)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2~4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
【0305】
次いで、変動パターン乱数3を抽出して(ステップB319)、当該変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB320)。そして、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB321)を行い、普図普段処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、普図始動ゲート34(流入領域)での遊技球の検出に基づいて(普図始動記憶に基づいて)変動表示ゲームとして普図変動表示ゲームを実行する普図変動表示ゲーム実行制御手段をなす。また、遊技制御装置100が、普図変動表示ゲームの普図変動パターン(変動時間)を選択する普図変動パターン選択手段をなす。
【0306】
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)の詳細について説明する。
図29に示すように、普図変動中処理では、まず、処理番号として普図表示中処理にかかる「2」に設定し(ステップB401)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB402)。その後、普図表示器53における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば600m秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB403)、普図の変動終了に関する信号(例えば、普通図柄1変動中信号をOFF)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップB404)、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB405)、普図変動中処理を終了する。
【0307】
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。
図30に示すように、普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(ステップB501)、RWMの当りフラグ領域をクリアして(ステップB502)、ロードされた当りフラグが当り情報かを判定する(ステップB503)。
【0308】
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB503;N)は、処理番号として普図普段処理にかかる「0」を設定し(ステップB515)、当該処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB516)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB517)、普図表示中処理を終了する。
【0309】
一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB503;Y)は、当り中処理設定テーブルを設定して(ステップB504)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタの値(例えば、「0」又は「5」)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(ステップB505)。次いで、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタの値(例えば、「4」又は「7」)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(ステップB506)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(100m秒)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB507)。
【0310】
次いで、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB508)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB509)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(例えば、普通図柄1当り中信号をON)と、普電作動開始に関する信号(例えば、普通電動役物1作動中信号をON)を試験信号出力データ領域にセーブして(ステップB510)、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB511)。
【0311】
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアして(ステップB512)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB513)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグ(不正監視期間外フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB514)、普図表示中処理を終了する。
【0312】
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。
図31に示すように、普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードし、準備して(ステップB601)、ロードした普図当り中制御ポインタの値が上限値以上であるかを判定する(ステップB602)。
【0313】
そして、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上でない場合(ステップB602;N)は、普図当り中制御ポインタを+1更新して(ステップB603)、普図当り中制御ポインタの値(ステップB603で+1更新する前の値)に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
また、普図当り中制御ポインタの値が上限値以上である場合(ステップB602;Y)は、ステップB603における普図当り中処理制御ポインタ領域を+1更新する処理を行わずに、普図当り中制御ポインタの値に応じた分岐処理を行う(ステップB604)。
【0314】
制御ポインタの値が「0」、「2」又は「5」であった場合は、ステップB605へ移行して、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB605)、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB606)、普図当り中処理を終了する。
【0315】
また、制御ポインタの値が「1」又は「3」であった場合は、ステップB607へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB607)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB608)、普図当り中処理を終了する。
【0316】
また、制御ポインタの値が「6」であった場合は、ステップB609へ移行して、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB609)、普電ソレノイド37cをオンさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB610)、普図当り中処理を終了する。
【0317】
また、制御ポインタの値が「4」又は「7」であった場合は、ステップB611へ移行して、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理を行うため、処理番号として「4」を設定する(ステップB611)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB612)、普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB613)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるため、普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB614)、普図当り中処理を終了する。
【0318】
図32には本実施形態での普通変動入賞装置37の開放態様を示した。
図32(a)に示すように普図停止図柄が当り図柄1である場合は、当り状態の開始に伴い開放し(t51)、100msの開放時間が経過すると一旦閉鎖する(t52)。そして、2000msの閉鎖時間が経過すると再び開放し(t53)、1700msの開放時間が経過すると一旦閉鎖する(t54)。さらに、300msの閉鎖時間が経過すると再び開放し(t55)、1700msの開放時間が経過すると閉鎖し(t56)、その後当り状態が終了する。
【0319】
また、
図32(b)に示すように普図停止図柄が当り図柄2である場合は、当り状態の開始に伴い開放し(t61)、100msの開放時間が経過すると一旦閉鎖する(t62)。そして、2000msの閉鎖時間が経過すると再び開放し(t63)、2600msの開放時間が経過すると閉鎖し(t64)、その後当り状態が終了する。
【0320】
このように普通変動入賞装置37の開放において、始めに短時間の開放(t51~t52、t61~t62)を行うことで、動作によって普通変動入賞装置37が開放されることを遊技者に意識させることができ、普通変動入賞装置37を狙うべきことを遊技者に意識させることができる。また、最初の開放の後に一旦閉鎖状態とすることで、遊技者が普通変動入賞装置37を狙うべきことを認識してから右打ちに変更するための猶予期間を設けることができる。すなわち、当り状態の開始から普通変動入賞装置37を一定時間開放するのみとすると、普通変動入賞装置37を狙うべきことを認識するまでの間に開放可能時間を消費してしまい、その後に右打ちをしても間に合わないおそれがある。しかし、初めに短開放を行い、猶予期間が経過した後に2回目の開放を行うことで、遊技者が入賞を狙うことが可能となる。すなわち、遊技制御装置100が、普図変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合に、普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する普通変動入賞装置制御手段をなす。
【0321】
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS116)の詳細について説明する。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS105)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS108)、磁石不正監視処理(ステップS114)、盤電波不正監視処理(ステップS115)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
【0322】
図33及び
図34に示すように、外部情報編集処理では、まず、ガラス枠開放エラーの発生中でもなく(ステップS801;N)、本体枠開放エラーの発生中でもない場合(ステップS802;N)には、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS803)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS804)、ステップS807の処理に移行する。
一方、ガラス枠開放エラーの発生中である場合(ステップS801;Y)、あるいは、本体枠開放エラーの発生中である場合(ステップS802;Y)には、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS805)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS806)、ステップS807の処理に移行する。
【0323】
そして、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化が行われた時から所定時間(例えば256m秒)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップS807)。なお、セキュリティ信号制御タイマの初期値は、メイン処理においてRAMクリアで起動したときのRAM初期値設定時に設定され、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS808)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS808;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS809)、ステップS810の処理に移行する。また、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」である場合(ステップS808;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、ステップS809の処理を行わずに、ステップS810の処理に移行する。
【0324】
そして、磁石不正の発生中である場合(ステップS810;Y)、盤電波不正の発生中である場合(ステップS811;Y)、枠電波不正の発生中である場合(ステップS812;Y)、普電不正の発生中である場合(ステップS813;Y)、あるいは、大入賞口不正の発生中である場合(ステップS814;Y)は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS817)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。すなわち、エラーの発生が外部情報として出力される。
【0325】
一方、磁石不正の発生中でもなく(ステップS810;N)、盤電波不正の発生中でもなく(ステップS811;N)、枠電波不正の発生中でもなく(ステップS812;N)、普電不正の発生中でもなく(ステップS813;N)、大入賞口不正の発生中でもない場合(ステップS814;N)は、スイッチ異常の発生中であるかを判定する(ステップS815)。
スイッチ異常の発生中である場合(ステップS815;Y)には、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS818)、ステップS819の処理に移行する。また、スイッチ異常の発生中でない場合(ステップS815;N)には、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブして(ステップS816)、ステップS819の処理に移行する。
【0326】
そして、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップS819)を行い、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS820)を行う。
次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ-1更新する(ステップS821)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるかを判定する(ステップS822)。
【0327】
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップS822;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS823)、外部情報編集処理を終了する。
また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップS822;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップS824)、外部情報編集処理を終了する。
【0328】
〔状態表示編集出力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における状態表示編集出力処理(ステップS117)の詳細について説明する。
図35に示すように状態表示編集出力処理では、まず、対象のスイッチに入力があるかを判定する(ステップS901)。対象のスイッチとは、ベース値の算出に必要な情報を取得するためのスイッチであり、各入賞口に設けられた検出スイッチや遊技機から排出される遊技球を検出するアウトスイッチである。
【0329】
対象のスイッチに入力がない場合(ステップS901;N)は、ステップS908に移行する。また、対象のスイッチに入力がある場合(ステップS901;Y)は、大入賞口不正の発生中であるかを判定する(ステップS902)。大入賞口不正の発生中である場合(ステップS902;Y)は、ステップS908に移行する。また、大入賞口不正の発生中でない場合(ステップS902;N)は、普電不正の発生中であるかを判定する(ステップS903)。普電不正の発生中である場合(ステップS903;Y)は、ステップS908に移行する。また、普電不正の発生中でない場合(ステップS903;N)は、普電サポート中であるかを判定する(ステップS904)。
【0330】
ここで、大入賞口不正は、第1特別変動入賞装置38と第2特別変動入賞装置39のそれぞれにおいて、当該特別変動入賞装置が開放されていない状態における当該特別変動入賞装置への入賞数である異常入賞数が所定数に達した場合に大入賞口不正の発生中とするものである。また、普電不正は、普通変動入賞装置37が開放されていない状態における当該普通変動入賞装置37への入賞数である異常入賞数が所定数に達した場合に普電不正の発生中とするものである。
【0331】
普電サポート中である場合(ステップS904;Y)、すなわち特定遊技状態である場合は、高ベース期間カウンタを更新し(ステップS907)、ステップS908に移行する。高ベース期間カウンタは普電サポートがある高ベース期間での排出数及び賞球数を計数するものであり、入力があったスイッチの情報に対応した値が加算される。
【0332】
また、普電サポート中でない場合(ステップS904;N)は、特別遊技状態中であるかを判定する(ステップS905)。特別遊技状態である場合(ステップS905;Y)は、ステップS908に移行する。また、特別遊技状態でない場合(ステップS905;N)は、低ベース期間カウンタを更新し(ステップS906)、ステップS908に移行する。低ベース期間カウンタは普電サポートがなく特別遊技状態でもない低ベース期間での排出数及び賞球数を計数するものであり、入力があったスイッチの情報に対応した値が加算される。
【0333】
ベース値算出処理(ステップS908)では、高ベース期間カウンタの値に基づきベース値として高ベース期間値を算出し、低ベース期間カウンタの値に基づきベース値として低ベース期間値を算出する。ベース値の算出は「ベース値=(賞球数の値)÷(排出数の値)×100」の数式に従い、算出された値は小数点第1位を四捨五入する。算出されたベース値は遊技制御装置100に設けられる性能表示装置に表示可能である。
【0334】
図36(a)には、特定遊技状態で小当りが発生する場合の一例を示した。この例では、まず、特定遊技状態で遊技が進行している。特定遊技状態では算出対象となるベース値が高ベース期間値となる。また、特定遊技状態である場合は外部情報として大当り2信号がON状態とされる。さらに、特定遊技状態は右打ちで遊技を進行する状態であるので右打ちの発射方向指示が行われる。右打ちの発射方向指示としては、例えば右打ち指示表示器48を点灯させることや、表示装置41に右打ちであることを明確に表示することが挙げられる。また、試験信号では右打ちを示す信号が出力され、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態であることを報知する第1遊技状態表示部57は、点灯することで右打ちを報知する。
【0335】
結果がはずれとなる第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、識別情報の変動表示が終了して結果を表示する停止表示時間が開始される(t101)。この停止表示時間が経過すると当該第2特図変動表示ゲームが終了して次の第2特図変動表示ゲームが開始される(t102)。この新たに開始された第2特図変動表示ゲームは結果が小当りとなる特図変動表示ゲームとなっている。
【0336】
結果が小当りとなる第2特図変動表示ゲームの変動時間が終了すると、識別情報の変動時間が終了して結果を表示する停止表示時間が開始される(t103)。この停止表示時間の開始に伴い、特定遊技状態ST3が終了して小当り移行状態ST4となる。小当り移行状態となることで普電サポートが終了するので、算出対象となるベース値が低ベース期間値となるとともに、大当り2信号がOFF状態とされる。
【0337】
また、普電サポートが終了することにより左打ちで遊技を進行する状態となるため、試験信号は左打ちを示す信号を出力し、第1遊技状態表示部57は消灯することで左打ちを報知する状態とするが、発射方向指示は行わない状態とする。発射方向指示を行わない状態とは、例えば右打ち指示表示器48を消灯させることや、表示装置41に右打ち及び左打ちであることを明確に表示しないことが挙げられる。第1遊技状態表示部57での表示は遊技領域32の外側に設けられた一括表示装置50での表示であって目立たないものであるため、遊技者がこの表示から左打ちであることを認識する可能性は低い。そして、右打ち指示表示器48や表示装置41で発射方向指示を行わないことで、遊技者は特定遊技状態での発射方向である右打ちの状態が継続しているものと認識することとなる。
【0338】
小当り移行状態は短時間であり、また、小当り移行状態から移行する小当り遊技状態では右打ちで遊技を進行する状態となるため、左打ちに戻させてから再度右打ちすることは第1特別変動入賞装置38への入賞の可能性を低くしてしまうこととなる。よって、小当り移行状態では左打ちとすることをあえて明確に報知せず、遊技者に右打ちを継続させるようにしている。
【0339】
小当り結果を表示する停止表示時間が終了すると小当り遊技状態に移行する(t104)。小当り遊技状態では、第1特別変動入賞装置38が開放されるので右打ちで遊技を進行する状態となり、右打ちの発射方向指示が行われる。また、試験信号では右打ちを示す信号が出力される。また、普電サポートはすでに終了しているので、小当り遊技状態では算出対象となるベース値が低ベース期間値となる。
【0340】
このように少なくとも小当り遊技状態において算出対象となるベース値が低ベース期間値となるようにしたことで、遊技の興趣を向上することができる。従来の遊技機では、特定遊技状態で小当りが発生した場合には小当り遊技状態は高ベース期間に含まれるようになっていた。しかし、高ベース期間の主体となる特定遊技状態は特別遊技状態の終了から最大で100回の特図変動表示ゲームを実行する期間という短い期間であり、小当り遊技状態が高ベース期間に含まれると、第1特別変動入賞装置38への入賞による賞球が、高ベース期間値を上昇させる大きな要因となる。
【0341】
高ベース期間値は100を超えないようにする必要があるため、小当りによる賞球数を十分に考慮して特定遊技状態における普通変動入賞装置37の開放時間や各入賞口への入賞に対する賞球数、各入賞口の配置などを設計することとなり、実際の遊技では高ベース期間値が100より大きく下回る場合が多くなる。これにより、特定遊技状態中における持球の減少が多くなってしまい、遊技者が不満感を持つため遊技の興趣が低下する原因となってしまう。また、アウト球を増やすために普通変動入賞装置37の開放頻度や入賞の容易さを低下させると、第2特図変動表示ゲームが連続して実行されなくなってしまい、遊技者が不満感を持ち遊技の興趣が低下する原因となってしまう。
【0342】
しかし、本実施形態の遊技機のように、少なくとも小当り遊技状態において算出対象となるベース値が低ベース期間値となるようにしたことで、特定遊技状態における普通変動入賞装置37の開放時間や各入賞口への入賞に対する賞球数、各入賞口の配置などは小当りによる第1特別変動入賞装置38への入賞による賞球数を考慮する必要がなくなる。これにより、高ベース期間値を100に近い値で設計することができ、特定遊技状態中における持球の減少が少なくなるため、遊技者が不満感を持つことなく特定遊技状態を進行できて遊技の興趣を向上することができる。また、普通変動入賞装置37への入賞頻度を高めることもでき、第2特図変動表示ゲームが途切れることなく実行可能となるので、遊技の興趣を向上することができる。また、小当りによる賞球を考慮しなくてよいため高ベース期間の遊技の設計が容易となる。
【0343】
また、低ベース期間値は、遊技の大部分を占める長い期間であるので、小当り遊技状態での第1特別変動入賞装置38への入賞による賞球が低ベース期間値に与える影響はそれほど大きくなく、小当り遊技状態が低ベース期間に含まれることに対する特別な考慮をする必要はない。また、近年では低ベース期間値を一定以上とすることが求められており、このような要請に対して有利に働くこととなるので低ベース期間での遊技の設計が容易となる。
【0344】
なお、普電サポートを終了させるタイミングは小当りとなる特図変動表示ゲームの停止表示時間の開始時に限られるものではない。少なくとも小当り遊技状態では普電サポートが終了していれば良く、例えば、小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時、小当りとなる特図変動表示ゲームの停止表示時間の終了が挙げられる。もちろんこれ以外のタイミングでも良く、小当りとなる特図変動表示ゲームの実行中の任意のタイミングとしても良い。
【0345】
特に、小当り遊技状態の開始よりも一定時間以上前に普電サポートを終了すれば、小当り遊技状態において普通変動入賞装置37で遊技球が拾われることがなくなるので、下流にある第1特別変動入賞装置38への入賞の可能性を高めることができ、特別遊技状態の発生の可能性を高めることができるので遊技の興趣を向上することができる。この一定時間については、後述する
図36(b)で説明する停止表示時間と同じように考えることができ、この停止表示時間と同じとするようにしても良い。すなわち、普図変動表示ゲームの当りに基づく最長の当り状態の実行時間よりも長いものとすることで小当り遊技状態の開始前に普通変動入賞装置37の開放が終了している可能性を高めることができる。また、特定遊技状態における普図変動表示ゲームの変動時間と、当り状態の実行時間を合わせた時間のうち最長の時間とすることで、より確実に小当り遊技状態の開始前に普通変動入賞装置37の開放が終了するようになる。
【0346】
また、特定遊技状態であることを示す外部情報である大当り2信号について、特定遊技状態の終了に伴いOFF状態とするようにしたが、小当り遊技状態の終了までON状態を継続しても良い。小当り遊技状態でV入賞すれば特別遊技状態が発生するが、大当り2信号がOFF状態となっていると、外部装置では特別遊技状態が通常遊技状態において発生した大当りに基づくものであると判断してしまい、いわゆる連荘大当りとしてカウントされないおそれがある。このため、小当り遊技状態の終了までON状態を継続するようにして、外部装置で連荘大当りであることを判断できるようにしても良い。また、遊技機における連荘回数の計数においては、小当り遊技状態の終了時にV入賞がなかったことが確認できた場合に連荘が終了したと判定するようにしても良い。
【0347】
また、小当り移行状態では発射方向指示を行わないようにするとしたが、右打ちを指示する報知を行うようにしても良い。また、明確な右打ちを指示する報知は行わないようにするが、右打ちを示唆するような演出を行うようにしても良い。右打ちを示唆するような演出としては、例えば枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDを右方向に流れるように発光させることや、表示装置41において表示を右方向に流れるように表示することが挙げられる。
【0348】
次に、特別遊技状態の終了から規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行することにより特定遊技状態が終了する場合における普通変動入賞装置37の動作について説明する。
図36(b)には普通変動入賞装置37の動作の一例について示した。この例では、特定遊技状態である状態で普図変動表示ゲームが当り結果で停止し(t111)。結果の停止表示時間が終了すると普図の当り状態が開始される(t112)。ここでは、結果が当り図柄2となっており、当り図柄2に対応する開放態様で普通変動入賞装置37が動作する(t112~t113)。
【0349】
この普図の当り状態が終了すると新たな普図変動表示ゲームが開始される(t113)。この普図変動表示ゲームも当り結果で停止し(t114)。結果の停止表示時間が終了すると普図の当り状態が開始される(t115)。ここでは、結果が当り図柄1となっており、当り図柄1に対応する開放態様で普通変動入賞装置37が動作する(t115~t117)。
【0350】
この当り状態の開始直後に100回目となる特図変動表示ゲームの変動時間が終了して停止表示時間が開始している(t116)。上述したように本実施形態では規定回数目となる特図変動表示ゲームの停止表示時間が開始することで特定遊技状態が終了し、通常遊技状態に移行する。
【0351】
この特定遊技状態が終了することとなる特図変動表示ゲームの停止表示時間(t116~t118)については、普図の当り状態の実行時間(t115~t117やt112~t113)よりも長い時間とされている。これにより、停止表示時間内に当り状態が終了するようになる。このようにすることで、必要以上の第2始動記憶の発生を防止することができる。
【0352】
特定遊技状態が終了することとなる特図変動表示ゲームの停止表示時間が普図の当り状態の実行時間よりも短い場合には、特定遊技状態が終了した後に開始される新たな特図変動表示ゲームの開始タイミング(t118)よりも後に当り状態が終了する場合こととなる。特定遊技状態の終了時に第2始動記憶が上限値に達していても、新たな特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶が一つ消化されるため、普通変動入賞装置37への入賞により新たな第2始動記憶を記憶可能となる。すなわち、特定遊技状態が終了しているにもかかわらず新たな第2始動記憶が発生することとなる。
【0353】
第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームは、小当りの発生により特別遊技状態をほぼ確実に発生可能であることから、第1特図変動表示ゲームよりも有利に遊技を進行できるものである。よって、特定遊技状態の終了後にも新たな第2始動記憶が発生すると遊技者に有利な状態がさらに継続してしまうこととなる。このため、大当り確率や小当り確率、特定領域38hへの入賞確率などについては、特定遊技状態の終了後に発生する第2始動記憶の分だけ特定遊技状態が延長されることを見込んで余裕を持たせた値に設計されることとなり、これを見込まない場合よりも遊技者にとって不利な値に設定されることとなる。
【0354】
しかし、上記のように特定遊技状態の終了後に第2始動記憶が発生することは必ず起こるものではないため、ほとんどの場合で遊技機の設計において決定された理論上の出球率等を下回ることとなる。そこで、本実施形態の遊技機のように特定遊技状態の終了後に新たな第2始動記憶が発生しないようにすることで、出球率等に影響を与える不確定な要素を少なくすることができ、大当り確率や小当り確率、特定領域38hへの入賞確率などについては無駄な余裕を持たせる必要がなくなる。これにより、上記の場合に比べて遊技者にとって有利な値に設定することが可能となり、特定遊技状態における遊技の興趣を向上することができる。
【0355】
なお、特定遊技状態が終了することとなる特図変動表示ゲームの停止表示時間の設定は上述の例に限られるものではない。例えば、特定遊技状態における普図変動表示ゲームの変動時間と停止表示時間及び当り状態の実行時間を合計した時間のうち、最長の時間を特図変動表示ゲームの停止表示時間とするようにすれば、特定遊技状態の終了直前に普図変動表示ゲームが開始された場合であっても停止表示時間中に当り状態が終了することとなり、より確実に新たな第2始動記憶の発生を防止することができる。
【0356】
また、停止表示時間は当り状態の実行時間よりも短い時間であっても良く、例えば最長の当り状態の実行時間に対して半分の時間であっても良い。当り状態がある程度進行した状態で停止表示時間が開始する場合も多く、このようにしてもある程度は新たな第2始動記憶の発生を防止する効果を期待できる。すなわち、特定遊技状態が終了して新たな第2特図変動表示ゲームが開始した後に当り状態が継続する可能性は残るが、その時間は短くなり、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞する可能性を低減できるため、新たな第2始動記憶の発生を防止する効果は期待できる。
【0357】
また、当り状態を開始する際の遊技状態が通常遊技状態である場合には、普通変動入賞装置37の開放時間が短い開放態様が選択されるようにすれば、より特定遊技状態の終了後の新たな第2始動記憶の発生を防止することができる。
【0358】
また、上述の実施形態では、いわゆる1種+2種タイプの遊技機について説明したが、1種タイプの遊技機でも同様に適用可能である。この場合、特定領域38hへの入賞により、特図変動表示ゲームにおける大当りとなる確率状態を低確率状態よりも高い高確率状態とするようにしても良い。また、特定領域38hを設けないようにしても良い。このような1種タイプの遊技機においても小当りにより普電サポートが終了するというゲーム性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。この場合、小当りの発生確率は任意に設定可能であるが、例えば大当りの発生確率以下とすれば小当りによる普電サポートの終了の可能性を低くして遊技者に不利になりすぎないようにしつつも、普電サポートが終了する可能性があることによる緊張感を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0359】
また、事前判定手段により小当りとなる始動記憶の存在を確認した場合に、当該小当りの発生を当該小当りが発生する特図変動表示ゲームの開始前から示唆又は報知する先読み演出を行うようにしても良い。このようにすれば、普電サポートの終了を示唆又は報知することができ、遊技の興趣を向上することができる。
【0360】
また、普電サポートの終了を小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時とし、この他にも特図変動表示ゲームの開始時に普電サポートを終了する別の事象を設けることで遊技の興趣を向上することができる。例えば、上述の実施形態のように特定遊技状態で規定数の特図変動表示ゲームを実行して普電サポートが終了する場合には、規定数に達する特図変動表示ゲームの次の特図変動表示ゲームの開始時に普電サポートが終了する。よって、普電サポートの終了が、特定遊技状態の終了又は小当りの当選を報知するものとなり、遊技の興趣を向上することができる。
【0361】
また、普電サポートの終了を小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時とするとともに、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率状態を通常確率状態と、当該通常確率状態よりも高い高確率状態のいずれかに設定可能とし、さらに高確率状態である場合には普電サポートありとする。そして、高確率状態である場合には特図変動表示ゲームの開始時に転落抽選を行い、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時に高確率状態及び普電サポートを終了するようにしても良い。このようにすれば、普電サポートの終了が、転落抽選の当選又は小当りの当選を報知するものとなり、遊技の興趣を向上することができる。
【0362】
また、普電サポートの終了を小当りとなる特図変動表示ゲームの開始時とするとともに、大当りとなる特図変動表示ゲームの開始によっても普電サポートを終了するようにしても良い。このようにすれば普電サポートの終了が大当り又は小当りの当選を報知するものとなり、遊技の興趣を向上することができる。また、ここで挙げた特図変動表示ゲームの開始時に普電サポートが終了する条件である、小当りの当選、特定遊技状態とする規定数への到達、転落抽選の当選、大当りの当選を任意に組み合わせても良い。
【0363】
以上のことから、始動領域への入賞に基づきゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な遊技状態を発生する遊技機において、遊技の制御を行う制御手段(遊技制御装置100)と、始動領域をなす始動入賞口と、始動領域をなし、遊技球が入賞不能な閉状態と、遊技球が入賞可能な開状態と、に変換可能であり、入賞によりゲームの実行権利を発生可能な普通変動入賞装置37と、特別結果の導出に伴い遊技球が入賞不能な閉状態から遊技球が入賞可能な開状態に変換可能な特別変動入賞装置(第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39)と、を備え、制御手段は、普通変動入賞装置37の動作状態を、第1動作状態と、該第1動作状態よりも入賞が容易な第2動作状態と、の何れかの動作状態で制御し、特別結果には、条件装置の作動を伴って特別変動入賞装置を開状態に変換する大当りと、条件装置の作動を伴わずに特別変動入賞装置を開状態に変換する小当りがあり、第2動作状態である場合に、小当りとなるゲームの実行に伴い第1動作状態に移行するようにしたこととなる。
【0364】
したがって、小当りの発生により遊技者にとって不利な状態へ移行するというゲーム性を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。また、小当りの発生による賞球数が、第2動作状態でのベース値である高ベース期間値に含まれないようになるので、高ベース期間値を理論上の上限値に近づけることが容易となり、第2動作状態における遊技の興趣を向上することができる。
【0365】
また、制御手段は、第2動作状態である場合に、小当りとなるゲームの変動時間が終了する際に第1動作状態に移行することが可能であることとなる。また、制御手段は、第2動作状態である場合に、小当りとなるゲームが終了する際に記第1動作状態に移行することが可能であることとなる。また、制御手段は、第2動作状態である場合に、小当りとなるゲームが開始する際に第1動作状態に移行することが可能であることとなる。いずれの場合も、小当りの発生による賞球数が、第2動作状態でのベース値である高ベース期間値に含まれないようになるので、高ベース期間値を理論上の上限値に近づけることが容易となり、第2動作状態における遊技の興趣を向上することができる。
【0366】
また、遊技球が流下する遊技領域32には第1遊技領域(左側遊技領域)と第2遊技領域(右側遊技領域)が設けられ、遊技者が遊技球の発射勢を調節することで、第1遊技領域と第2遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを選択可能であり、特別結果の導出に伴い特別変動入賞装置38、39を開状態に変換する期間を除き、普通変動入賞装置37の動作状態が第1動作状態である場合は第1遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、普通変動入賞装置37の動作状態が第2動作状態である場合及び小当りに基づき特別変動入賞装置38、39が開状態となっている場合には、第2遊技領域へ遊技球を流下させて遊技を行うように構成され、第1遊技領域と第2遊技領域のいずれに遊技球を流下させるかを報知可能な発射方向指示手段(演出制御装置300、右打ち指示表示器48)を備え、発射方向指示手段は、第2動作状態である場合に、小当りとなるゲームの実行に伴い第1動作状態に移行した場合は、第1遊技領域へ遊技球を流下させることの報知を行わないようにしたこととなる。したがって遊技者に無駄な発射方向の変更を行わせることを防止し、小当り遊技状態で確実に利益を得られるようにすることができる。
【0367】
また、第2動作状態から第1動作状態に移行させる移行条件が成立したゲームの停止表示時間を、移行条件が成立しないゲームの停止表示時間よりも長くするようにしたこととなる。したがって、第1動作状態への移行後に遊技者に有利な状態が必要以上に継続してしまうことを防止できる。
【0368】
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、
図37に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
【0369】
〔メイン処理〕
図37に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
【0370】
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25やタッチパネル29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25やタッチパネル29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25やタッチパネル29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
【0371】
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
【0372】
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
【0373】
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
【0374】
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18、サブ情報表示装置90などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、発射演出処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
【0375】
〔受信コマンドチェック処理〕
図38には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
【0376】
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
【0377】
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
【0378】
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
【0379】
〔受信コマンド解析処理〕
図39には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
【0380】
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0381】
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターン又は普図の結果や変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0382】
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0383】
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0384】
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0385】
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
【0386】
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
【0387】
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
【0388】
次に、演出の出力態様の調整について説明する。本実施形態の遊技機では、遊技者が操作手段をなすタッチパネル29を操作することにより、音量や液晶の輝度、前面枠12、ガラス枠15、遊技盤30などに設けられたLEDの輝度などの演出の出力態様を調整可能となっている。また、演出の出力態様を調整可能であることを示す調整可能表示601や、調整された演出の出力態様の状態を示す状態表示602などを表示装置41に表示可能となっている。これらの制御は主にホール・遊技者設定モード処理(ステップC10)により行われる。
【0389】
まず、表示装置41における演出について説明する。
図40(a)に示すように表示装置41の表示領域の中央には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第1飾りゲームを表示する飾り特図変動表示ゲーム表示部85が設けられる。ここでは、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを表示する。表示領域の左上部には、飾り特図変動表示ゲームのうちの第2飾りゲームを表示する第2飾りゲーム表示部88が設けられている。この第2飾りゲーム表示部88に表示される第2飾りゲームは、飾り特図変動表示ゲーム表示部85に表示される第1飾りゲームと同様に、左領域、中領域、右領域の各領域で識別情報を変動表示した後に停止して結果を表示するようになっている。
【0390】
また、表示領域の中央下部には始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示を表示する記憶表示部83が設けられる。記憶表示部83には、第1始動記憶を表示する第1記憶表示部83aと、第2始動記憶を表示する第2記憶表示部83bとが設けられている。第1記憶表示部83aに表示される飾り特図始動記憶表示は、第1始動記憶と一対一に対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、ここでは1つの第1始動記憶があることを示している。左端の飾り特図始動記憶表示が最先に記憶された第1始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に左へ移行するようになっている。
【0391】
また、第2記憶表示部83bでは第1記憶表示部83aと同様に第2始動記憶と一対一に対応した飾り特図始動記憶表示を表示する。ここでは第2始動記憶が0であることを示している。さらに、第1記憶表示部83aと第2記憶表示部83bでは、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等の先読み結果をその表示態様により示唆することが可能である。
【0392】
第1記憶表示部83aの左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中記憶表示部84が設けられる。この実行中記憶表示部84には、特図変動表示ゲームの開始時に第1記憶表示部83a又は第2記憶表示部83bの左端にある飾り特図始動記憶表示が移行し、実行される特図変動表示ゲームの結果や変動パターン等をその表示態様により示唆するようになっている。表示領域の右上部には、始動記憶数を表示する始動記憶数表示部86が設けられる。この始動記憶数表示部86には、第1始動記憶の数を表示する第1始動記憶数表示部86aと、第2始動記憶の数を表示する第2始動記憶数表示部86bとが設けられている。
【0393】
なお、始動記憶数表示部86としては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームのうち、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームであるメイン変動に対応する始動記憶数表示部のみを表示するようにしても良い。この場合、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームではないイレギュラー変動となる特図変動表示ゲームについての始動記憶数表示部は表示されないので、当該イレギュラー変動となる特図変動表示ゲームの先読み演出は行わないようにしても良い。また、第2飾りゲーム表示部88や始動記憶数表示部86は設けないようにしても良い。特に本実施形態の遊技機では、サブ情報表示装置90でこれらの情報を表示可能であるので、第2飾りゲーム表示部88や始動記憶数表示部86を設けなくても不都合は生じない。
【0394】
図40(a)に示す状態から第1始動記憶が消化されて減少すると、
図40(b)に示すように第1記憶表示部83aの左端にある飾り特図始動記憶表示が実行中記憶表示部84へ流入する表示が行われる。また、始動記憶数表示部86では、第1始動記憶数表示部86aの数値が1つ減少する。そして、飾り特図変動表示ゲーム表示部85では第1始動記憶に基づく第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左、中、右の変動表示領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。また、第2飾りゲーム表示部88においても第1始動記憶に基づく第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが開始され、左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が開始される。
【0395】
その後、飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順で仮停止する。
図40(c)に示すように仮停止している状態では識別情報が揺れるように表示され、完全に停止していないことが示されている。また、第2飾りゲーム表示部88では左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が継続される。なお、左変動表示領域と右変動表示領域で同じ識別情報が停止すればリーチ状態となり、リーチ演出が開始される。
【0396】
そして、変動時間が終了して停止表示時間が開始すると
図40(d)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85の識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。第2飾りゲーム表示部88でも左領域、中領域、右領域の各々で識別情報の変動表示が終了して識別情報が停止した状態となり、結果態様を表示する状態となる。この後、停止表示時間の終了に伴い特図変動表示ゲーム及び飾り特図変動表示ゲームが終了する。ここでは始動記憶がないため、客待ち状態に移行する。なお、始動記憶があれば次の特図変動表示ゲームが開始される。また、結果が大当りであれば特別遊技状態となり、小当りであれば小当り遊技状態となる。
【0397】
客待ち状態では、まず
図40(d)に示すように飾り特図変動表示ゲームが終了した状態のままの表示が一定時間維持され、その後に
図40(e)に示すように演出の出力態様を調整可能な調整可能期間であることを示す調整可能表示601が表示される。なお、本実施形態の遊技機では、常時、演出の出力態様の調整が可能である。
【0398】
調整可能表示601には演出の出力態様の調整方法が示されており、この例ではタッチパネル29の右部分又は左部分に触れることで音量の増加又は減少を行うことができ、タッチパネル29の下部分に触れることで音量以外の出力態様の調整や履歴情報の確認などを行うオプション画面を表示させることができることが示されている。このような調整可能表示601を表示することで、演出の出力態様を調整する機能が遊技機に備わっていることを示すことができる。また、遊技者の好みに合わせた出力態様に調整することができるのでストレスのない遊技環境を提供可能となる。
【0399】
この例では演出の出力態様の状態の調整として音量を調整する操作が行われており、この操作に伴い
図40(f)に示すように、調整可能表示601が消去されるとともに調整後の演出の出力態様の状態を示す状態表示602が表示される。状態表示602は所定の状態表示時間にわたり対象となる演出の出力態様を調整する操作が行われなかった場合に消去され、再び調整可能表示601が表示される。
【0400】
客待ち状態の開始から所定時間が経過すると、
図40(g)に示すように飾り特図変動表示ゲームの結果が消去されてキャラクタなどを表示する客待ちデモ演出が開始される。この客待ちデモ演出の実行中も調整可能表示601が表示され、演出の出力態様を調整する操作が行われることで
図40(h)に示すように状態表示602が表示される。
【0401】
客待ち状態での調整可能表示601及び状態表示602は、
図40(e)、(f)に示すように飾り特図変動表示ゲーム表示部85、始動記憶数表示部86及び実行中記憶表示部84と重なるように表示される。このため、これらの視認が妨げられることとなるが、客待ち状態では始動記憶がなく特図変動表示ゲームも実行されていないので、問題が生じることはない。また、
図40(g)、(h)に示すように客待ちデモ演出と重なるように表示されるが、客待ち状態では特図変動表示ゲームは実行されておらず、客待ちデモ演出は特図変動表示ゲームの内容を示唆するものではないため、視認が妨げられても問題が生じることはない。
【0402】
なお、客待ち状態であっても特定の表示が行われる場合には調整可能表示601や状態表示602を表示しないようにしても良い。例えば、遊技機の機種名や製造会社名などを表示する名称表示が行われる期間では、調整可能表示601や状態表示602を表示しないようにしても良い。このようにすることで、遊技店に居る遊技者に対して効果的に機種名や製造会社名などを示すことができる。また、特別遊技状態の終了時など客待ち状態以外で名称表示を行う場合も同様に調整可能表示601や状態表示602を表示しないようにしても良い。
【0403】
図41には、客待ち状態以外で演出の出力態様を調整する操作が行われた場合の一例を示した。客待ち状態以外でも演出の出力態様の調整は可能であるが、客待ち状態以外では調整可能表示601は表示されない。そして、例えば識別情報が変動表示されている状態で演出の出力態様を調整する操作が行われると、
図41(a)に示すように状態表示602が表示される。この場合の状態表示602は、客待ち状態において表示される状態表示602よりも表示される面積が小さいものとなっている。また、状態表示602は飾り特図変動表示ゲーム表示部85や第2飾りゲーム表示部88の識別情報、始動記憶数表示部86及び実行中記憶表示部84と重ならないように表示され、これらの視認を妨げないようにしている。すなわち、遊技の状態に応じて大きさや表示位置、表示形式などの表示態様を異ならせている。この状態表示602は所定の状態表示時間にわたり対象となる演出の出力態様を調整する操作が行われなかった場合に終了する。
【0404】
図41(b)に示すようなリーチ状態、
図41(c)に示すようなSPリーチ演出が行われている状態、
図41(d)に示すような結果態様が仮停止されている状態において演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図41(a)と同様に状態表示602が表示される。
図41(c)に示すSPリーチ演出が行われている状態では、状態表示602とキャラクタなどの演出表示の一部が重なるように表示される。
図41(e)に示すような結果態様を表示する停止表示時間では、演出の出力態様の調整は可能であるが状態表示602は表示しないようにしている。これにより結果態様の視認が妨げられないようにしている。
【0405】
なお、
図41(d)に示すように結果態様が仮停止されている状態で状態表示602が表示されている状態で、最後に演出の出力態様を調整する操作が行われてから所定の状態表示時間が経過する前に停止表示時間が開始された場合には、当該停止表示時間の開始に伴い
図41(e)に示すように状態表示602は消去される。そして、停止表示時間が終了した場合に所定の状態表示時間が未だ経過していない場合は状態表示602が再開される。また、停止表示時間において演出の出力態様の調整が行われ、最後に演出の出力態様を調整する操作が行われてから所定の状態表示時間が経過する前に停止表示時間が終了した場合も状態表示602の表示が行われる。
【0406】
例えば、停止表示時間の終了に伴い次の特図変動表示ゲームが開始されれば
図41(a)に示すように状態表示602が表示される。また、停止表示時間の終了に伴い客待ち状態が開始された場合は
図40(f)に示すように状態表示602が表示される。もちろん、停止表示時間が終了した場合に所定の状態表示時間が未だ経過していない場合であっても状態表示602を再開しないようにしても良い。
【0407】
また、停止表示時間においても状態表示602を表示可能としても良い。状態表示602を表示する場合は停止結果の視認を妨げないように、識別情報と重ならないようにする。若しくは、識別情報と状態表示602が重なるとしても、識別情報の一部分にのみ重なることで識別情報を判別可能とするか、状態表示602を透過性の表示として識別情報を視認可能とするか、識別情報の奥側に状態表示602が重なるようにすることが好ましい。また、停止表示時間においては演出の出力態様の調整を不可能とし、調整可能表示601や状態表示602を表示しないようにしても良い。
【0408】
また、客待ち状態で始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始された場合において、客待ち状態の終了時に調整可能表示601が表示されていた場合は当該調整可能表示601の表示を終了する。また、客待ち状態で始動記憶が発生して特図変動表示ゲームが開始された場合において、客待ち状態の終了時に状態表示602が表示されていた場合は、
図41(a)に示すように客待ち状態以外での状態表示602に変更して表示を行う。もちろん客待ち状態の終了に伴い状態表示602の表示も終了するようにしても良い。
【0409】
図42には、特別遊技状態の最初に設定されるファンファーレ期間において演出の出力態様を調整する操作が行われた場合の一例を示した。ファンファーレ期間では、まず、
図42(a)に示すように特別結果を示す特別結果表示611を行うとともに、「大当り!!」の文字情報を表示する文字表示612を行うことで大当りであることを示す大当り報知演出が行われる。この大当り報知演出の実行中に演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も状態表示602が表示される。この場合の状態表示602も
図41(a)と同様の表示である。また、状態表示602は、特別結果表示611や文字表示612とは重ならないように表示される。
【0410】
ファンファーレ期間では、大当り報知演出の後に特別遊技状態の開始を報知する
図42(b)に示すようなファンファーレ演出が表示される。このファンファーレ演出は、文字情報を含まない第1演出表示621と、文字情報を含む第2演出表示625とを有している。第2演出表示625は第1演出表示621の前側に重なるように表示されている。
【0411】
図42(b)に示すように本実施形態の第1演出表示621は、キャラクタ部分622と、キャラクタ部分622以外の装飾である装飾部分623とを有している。また、本実施形態の第2演出表示は、文字部分626と文字部分626以外の装飾部分627とから構成される。なお、
図42(c)から(e)では状態表示602が表示された状態を示している。また、第2演出表示625は「BONUS」の文字部分626を有していることから、キャラクタ部分622と装飾部分623とからなる第1演出表示621よりも特別遊技状態の実行を遊技者が容易に認識できる表示となっている。すなわち、第1演出表示621よりも第2演出表示625の方が特別遊技状態の実行を報知する報知機能が高いと言える。
【0412】
図42(b)から(e)に示すように、第2演出表示625には複数の表示態様があり、これらは特別結果の種類に応じて選択されるようになっている。本実施形態では、文字部分626が各特別結果で共通である共通文字をなす「BONUS」と、特別結果の種類により異なる付加文字をなす「SUPER」、「PREMIUM」から構成されている。また、第1演出表示621は特別結果の種類にかかわらず共通して使用されるが、特別結果の種類に応じて異なる表示が使用されるようにしても良い。
【0413】
なお、第1演出表示621と第2演出表示625は上述したものに限られない。また、第1演出表示621はキャラクタ部分622と装飾部分623の一方のみとしても良い。また、第2演出表示625は文字部分626と装飾部分627の一方のみとしても良い。
【0414】
図42(c)に示すように、ファンファーレ演出が行われている状態で演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図42(a)と同様に状態表示602が表示される。状態表示602は、第1演出表示621の一部に重なるように表示される。ここではキャラクタ部分622の足と装飾部分623に重なるように表示されている。また、状態表示602は、第2演出表示625の一部に重なるように表示される。この際に、文字部分626が共通文字のみである場合は、状態表示602が文字部分626に重ならないように表示される。また、状態表示602が第2演出表示625に重なる領域よりも第1演出表示621に重なる領域の方が広くなるように表示される。これにより、文字部分626の視認を妨げないようにしている。
【0415】
また、
図42(d)に示すように、文字部分626が複数列で記載されている場合は、状態表示602が文字部分626の一部に重なる。ただし、一つの文字が全て覆われるようにはせず、各文字の少なくとも一部は視認可能な状態とすることで単語の把握が困難にならないようにしている。また、一の単語のうち一部の文字にのみ状態表示602が重なるようにし、全体が認識可能な文字が存在するようにしたことで単語の把握が困難になることを防止できる。さらに、単語の語頭の文字は全体が認識可能としたことで単語の把握が困難となることを防止でき、単語の語尾の文字のみに状態表示602が重なるようにしたことでも単語の把握が困難となることを防止できる。本実施形態ではこのように単語の把握が困難となることを防止する手法を複数組み合わせているが、このうちの少なくとも一つの手法のみを用いるようにすれば単語の把握が困難となることを防止できる。
【0416】
また、
図42(c)から(e)に示すように、第2演出表示625の種類により状態表示602と重なる領域の大きさが異なり、また、状態表示602と文字部分626とが重なる領域の大きさも異なるようになっている。より詳細には、
図42(c)に示すように付加文字がなく共通文字をなす「BONUS」のみが表示される場合は、状態表示602が文字部分626に重ならないように表示される。また、
図42(d)、(e)に示すように付加文字をなす「SUPER」又は「PREMIUM」が表示されている場合は、状態表示602が共通文字をなす「BONUS」に重なるように表示され、付加文字には重ならないように表示される。そして、付加文字の種類により状態表示602と文字部分626の重なり具合が異なるようにされている。付加文字が表示される場合は共通文字の視認性が低下してもファンファーレ演出として十分に機能するため、状態表示602が共通文字に重なっていても問題は生じない。
【0417】
図42(c)から(e)のいずれも状態表示602が第2演出表示625に重なる領域よりも第1演出表示621に重なる領域のほうが広くなるように表示されているが、状態表示602が第2演出表示625に重なる領域と第1演出表示621に重なる領域の割合は付加文字の種類により異なっている。また、状態表示602と第2演出表示625の装飾部分627が重なる領域の大きさは付加文字の種類により異なっている。
【0418】
なお、付加文字の種類によっては第2演出表示625に状態表示602が重なる領域の方が第1演出表示621に状態表示602が重なる領域よりも広くなるようにしても良い。また、第2演出表示625の種類にかかわらず文字部分626を避けるように状態表示602を表示するようにしても良い。また、状態表示602が共通文字には重ならず、付加文字にのみ重なるように表示するようにしても良い。
【0419】
ファンファーレ期間では、ファンファーレ演出に引き続き
図42(f)に示すような発射方向を指示する発射方向指示演出も行われる。この発射方向指示演出は右打ちを指示するものであり、文字情報を含まない第1演出表示631と、文字情報を含む第2演出表示635とを有する。第1演出表示631と第2演出表示635は重ならないように表示されている。また、第1演出表示631は、右斜め下向きの矢印が記された丸い表示となっている。この表示は遊技盤30のセンターケース40に設けられた右打ちを指示する右打ち指示表示器48を模した表示となっており、右打ち指示表示器48の点灯と併せて右打ちであること遊技者に明確に示すためのものである。また、第2演出表示635は、「右打ち」の文字部分636と、文字部分636以外の右向きの矢印からなる装飾部分637とから構成される。
【0420】
図42(g)に示すように発射方向指示演出が行われている状態で演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図42(a)と同様に状態表示602が表示される。状態表示602は、第1演出表示631及び第2演出表示635の一部に重なるように表示される。この際に第2演出表示635の文字部分636には重ならず、装飾部分637にのみ重なるように表示される。これにより、文字部分636の視認を妨げないようにしている。発射方向指示は遊技者が遊技を進行する上で重要な情報であり、この視認性を確保することで遊技者が不利益を被ることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0421】
なお、
図42(a)から(g)に示したファンファーレ演出は、特別結果を導出することとなる特図変動表示ゲームにおいて、特別結果が仮停止されるなどの特別遊技状態が発生することが明確になった時点や特別結果が停止表示された時点などから実行するようにしても良い。すなわち特別遊技状態の発生を報知可能な期間であれば上述のようなファンファーレ演出を実行可能であり、この発生を報知可能な期間としてはファンファーレ期間だけでなく、ファンファーレ期間の前の特図変動表示ゲームの実行中の一部を含んでも良く、このような期間中における状態表示602の表示態様として、
図42(a)から(g)に示したような他の表示との位置関係が実現されれば良い。
【0422】
また、第2特別変動入賞装置39が開放されるラウンド中には、
図42(h)に示すようなラウンド演出が行われる。このラウンド演出では、ラウンド数を示すラウンド数表示641、獲得した賞球数を示す獲得数表示642、特別結果を示す結果表示643が行われる。これらは文字情報により行われる。また、キャラクタなどによる演出表示644も行われる。
【0423】
ラウンド演出の実行中に演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図42(a)と同様に状態表示602が表示される。状態表示602は、ラウンド演出の一部に重なるように表示されるが、文字情報であるラウンド数表示641、獲得数表示642、結果表示643には重ならないように表示される。これにより、文字情報の視認を妨げないようにしている。文字情報は遊技者が遊技を進行する上で重要な情報であり、この視認性を確保することで遊技者が不利益を被ることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0424】
また、ラウンドとラウンドの間のインターバル期間では
図42(i)に示すようなインターバル演出が行われる。このインターバル演出では、次のラウンド数を文字情報で示す次ラウンド表示651や、キャラクタなどによる演出表示652が行われる。インターバル演出の実行中に演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図42(a)と同様に状態表示602が表示される。状態表示602は、インターバル演出の一部に重なるように表示されるが文字情報である次ラウンド表示651には重ならないように表示される。これにより、文字情報の視認を妨げないようにしている。文字情報は遊技者が遊技を進行する上で重要な情報であり、この視認性を確保することで遊技者が不利益を被ることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0425】
また、最終ラウンドの終了後のエンディング期間では
図42(j)に示すようなエンディング演出が行われる。このエンディング演出では、特別遊技状態で獲得した賞球数の総数を文字情報で示す総獲得数表示661や、キャラクタなどによる演出表示662が行われる。エンディング演出の実行中に演出の出力態様を調整する操作が行われた場合も
図42(a)と同様に状態表示602が表示される。状態表示602は、エンディング演出の一部に重なるように表示されるが文字情報である総獲得数表示661には重ならないように表示される。これにより、文字情報の視認を妨げないようにしている。文字情報は遊技者が遊技を進行する上で重要な情報であり、この視認性を確保することで遊技者が不利益を被ることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0426】
なお、状態表示の表示態様は上述したものに限られない。例えば
図43(a)に示すように、状態表示602が第2演出表示625と重ならず、第1演出表示621にのみ重なるようにしても良い。さらに、
図43(b)に示すように、状態表示602が第1演出表示621及び第2演出表示625と重ならないようにしても良い。このようにすることで、第2演出表示625、特に文字部分626の視認を妨げることを防止できる。また、
図43(c)に示すように、状態表示602と文字部分626が重なり、状態表示と第1演出表示621が重ならないようにしても良い。このようにすることで、第1演出表示621の視認を妨げることを防止できる。
図43(c)に示す例では、状態表示602と文字部分626とが重なる領域の方が状態表示602と第1演出表示621とが重なる領域よりも広くなっている。
【0427】
また、状態表示602が、第1演出表示621、第2演出表示625又は第2演出表示625の文字部分626のいずれか一つ又は複数と重なるが、状態表示602がこれらの表示の奥側に位置するようにしても良い。このようにすることで、第1演出表示621、第2演出表示625又は第2演出表示625の文字部分626の視認が妨げられることを防止できる。特に、
図43(d)に示すように、文字部分626よりも状態表示602が奥側に位置することで、文字情報の視認が妨げられることを防止できる。また、
図43(e)に示すように、状態表示602を透過性のある表示とし、状態表示602と重なった演出表示等を視認可能としても良い。
【0428】
また、調整可能期間のうち、演出の出力態様を調整した場合に状態表示602が表示されない期間を設けるようにしても良い。例えば特図変動表示ゲームの実行中には状態表示602を表示しないようにしても良いし、特別遊技状態中には状態表示602を表示しないようにしても良い。また、より詳細に期間を区切っても良く、例えば、変動時間中は状態表示602を表示可能とするが、特定のリーチ演出の実行中には状態表示602を表示しないようにして特定リーチの視認を妨げないようにしても良い。また、変動時間の終盤において変動表示の速度が一定の速度以下になった場合には状態表示602を表示しないようにして結果態様が導出される過程の視認を妨げないようにしても良い。
【0429】
また、付加文字は特別結果の種類に応じて付加されるものに限られず、他の事象の有無に応じて付加されるものであっても良い。例えば、特別遊技状態の実行中に存在する始動記憶に特別結果となるものが存在するいわゆる保留連大当りの存在により付加されるものであっても良い。また、特別遊技状態の終了後に特定の演出モードに移行するか否かにより付加されるものであっても良いし、特別結果が導出された際の演出モードが特定の演出モードであった場合に付加されるものであっても良い。また、付加されるものは文字に限らず画像であっても良い。
【0430】
例えば、特別遊技状態中に存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶が1つ存在することで1回の保留連大当りが発生する場合には「ダブル」の文字を付加する。また、特別遊技状態中に存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶が2つ存在することで2回の保留連大当りが発生する場合には「トリプル」の文字を付加する。また、特別遊技状態が16R大当りに基づくものである場合は「SUPER」の文字を付加する。また、特別遊技状態の終了後に特定の演出モードに突入するか、特定の演出モードでの特別結果の発生の場合には「超」の文字を付加する。
【0431】
これらの文字の付加は重複して実行することも可能である。例えば4R大当りに基づく特別遊技状態において存在する始動記憶に特別結果となる始動記憶が1つ存在することで1回の保留連大当りが発生する場合には、
図43(f)に示すように「ダブル」の文字を「BONUS」の文字に付加する。また、4R大当りに基づく特別遊技状態の終了後に特定の演出モードに移行する場合は、
図43(g)に示すように「超」の文字を「BONUS」の文字に付加する。また、特定の演出モードにおいて4R大当りに基づく特別遊技状態が発生し、さらに1回の保留連大当りが発生する場合は、
図43(h)に示すように「超」の文字と「ダブル」の文字を「BONUS」の文字に付加する。
【0432】
また、特定の演出モードにおいて16R大当りに基づく特別遊技状態が発生し、さらに1回の保留連大当りが発生する場合は、
図43(i)に示すように「超」の文字と「ダブル」の文字と「SUPER」の文字を「BONUS」の文字に付加する。また、図示を省略するが特定の演出モードにおいて16R大当りに基づく特別遊技状態が発生し、さらに2回の保留連大当りが発生する場合は、
図43(i)の「ダブル」の文字に替えて「トリプル」の文字を付加し、「超」の文字と「トリプル」の文字と「SUPER」の文字が「BONUS」の文字に付加される。
【0433】
上記のように付加される文字が多くなるにつれて、共通の文字である「BONUS」と状態表示602とが重なる領域が多くなるようにされる。また、付加される文字が多くなるにつれて、第1演出表示621と第2演出表示625とが重なる領域が多くなるようにされる。
【0434】
なお、
図43(f)から(i)では、付加文字の行数によって第2演出表示625の表示位置を変化させたが、これに限られるものではない。例えば、第1演出表示621については第2演出表示625の内容にかかわらず同じ位置及び大きさとし、第2演出表示625については共通文字である「BONUS」の表示位置を付加文字の内容にかかわらず同じ位置及び大きさとして共通文字の情報に対して付加文字が上方へ積み上がるように配置しても良い。このようにすることで、第1演出表示621と状態表示602との重なる領域や、第2演出表示625の共通文字と状態表示602との重なる領域は、付加文字の種類にかかわらず一定となり、状態表示602の視認性が付加文字の行数により変化することを防止できる。
【0435】
以上のように、特図変動表示ゲームが実行されていない期間のうち、客待ち状態では演出の出力態様の調整が可能であることを示す調整可能表示601を表示するようにしたが、特別遊技状態の期間では特図変動表示ゲームが実行されていないにもかかわらず調整可能表示601は表示しない。特別遊技状態の期間は遊技者が遊技を進行している状態であることが明らかであり、また、持球が増加する期間であるので遊技者にとっては有利な状態である。よって、調整可能表示601の表示により演出の視認が妨げられてしまい遊技の興趣が低下してしまうことを防止している。また、種々の文字情報が表示されるため、この文字情報の視認を妨げないようにもしている。さらに、状態表示602についても、
図42(a)に示すように識別情報と重ならないように表示し、また、
図42(c)から(e)、(g)から(i)に示すように文字情報の視認性を大きく損なわないように表示し、遊技の興趣が低下することがないようにしている。
【0436】
すなわち、調整可能表示601は、遊技の状態に応じて表示の可否を決定しており、より詳しくは特図変動表示ゲームの実行中である場合は表示しないようにし、特図変動表示ゲームの実行中でない場合は遊技の状態に応じて表示の可否を決定していることとなる。また、特図変動表示ゲームの実行中でない場合であって、文字情報が表示されていない場合には調整可能表示601を表示可能であり、文字情報が表示されている場合には調整可能表示601を表示不可能であることとなる。
【0437】
また、調整可能期間であって変動表示を行っていない場合には、遊技の状態として特定表示を表示しない第1期間と、特定表示を表示する第2期間とが含まれ、制御手段は、第1期間では調整可能表示601を表示可能とし、第2期間では調整可能表示601を表示しないと言える。この特定表示としては特別遊技状態の発生を報知可能なファンファーレ演出が挙げられ、例えば、客待ち状態の期間が第1期間をなし、ファンファーレ期間が第2期間をなすと言える。また、特定の表示を特別遊技状態の発生を報知可能な演出とすれば、ファンファーレ期間だけでなく、特別遊技状態の全期間が第2期間をなすと言える。さらに、特図変動表示ゲームの結果を表示する停止表示時間や、飾り特図変動表示ゲームにおいて停止表示時間の直前に結果態様を仮停止する期間では、結果が特別結果であった場合には特別遊技状態の発生を報知可能な期間となる。よって、特定の表示を特別遊技状態の発生を報知可能な演出とすれば、停止表示時間や仮停止の期間も第2期間に含まれることとなる。
【0438】
また、特定表示を文字情報が含まれる表示としても良く、例えば、文字情報を表示しない客待ち状態の期間が第1期間をなし、文字情報を表示するファンファーレ期間が第2期間をなすと言える。また、ファンファーレ期間以外の特別遊技状態の期間や停止表示時間、仮停止の期間において特別遊技状態発生を報知するために文字情報を表示するとすればこれらの期間も第2期間に含まれると言える。
【0439】
調整可能表示601の表示は他の表示の視認を妨げることとなってしまうが、調整可能表示601を全く表示しないものとすると演出の出力態様を調整する機能が遊技機に備わっていることを遊技者が知ることができず、遊技者の好みに合わない出力態様での遊技を行わせることとなって興趣の低下を招いてしまう。このため、客待ち状態では調整可能表示601を表示可能とし、遊技者の好みに合った出力態様での遊技を行うことができるようにしている。
【0440】
なお、客待ち状態において表示可能な調整可能表示601は、演出の出力態様を調整する操作が行われて状態表示602が表示されている期間では表示しないようにしたが、調整可能表示601と状態表示602を同時に表示可能としても良い。このようにすることで、調整可能期間であることをより明確に示すことができるとともに、操作方法も明確に示すことができる。
【0441】
また、調整可能期間であって調整可能表示601を表示しない期間において、演出の出力態様の調整が可能であることを示す報知を表示装置41以外で行うようにしても良い。例えば、演出の出力態様を調整するために操作するタッチパネル29を発光させることにより演出の出力態様の調整が可能であることを示すようにしても良い。また、表示装置41とは別のサブ表示装置を設け、当該サブ表示装置において演出の出力態様の調整が可能であることを示すようにしても良い。このように表示装置41以外で演出の出力態様の調整が可能であることを報知可能とすることで、表示装置41における各種の演出の視認性を妨げることなく報知が可能となる。また状態表示602についても表示装置41以外の表示装置で表示するようにしても良い。
【0442】
また、調整可能期間であって客待ち状態以外である場合においても調整可能表示601を表示するようにしても良い。この場合に、客待ち状態で表示する調整可能表示601とは異なる表示態様で表示するようにしても良い。例えば、客待ち状態で表示する調整可能表示601のうち、ボタンの画像部分のみを表示するなど一部のみを表示するようにしても良いし、客待ち状態で表示する調整可能表示601を縮小して表示するようにしても良い。すなわち、客待ち状態で表示する調整可能表示601よりも表示面積が小さくなるようにしても良い。また、調整可能表示601が後方の画像を透視可能な表示としても良い。このようにすることで、他の表示の視認を妨げることなく調整可能表示601を表示可能となる。
【0443】
また、調整可能な演出の出力態様として音量を挙げたが、これ以外の出力態様を調整可能としても良い。また、2以上の出力態様を同時に調整可能としても良い。例えば、タッチパネル29の右部分又は左部分に触れることで音量の増加又は減少を行うことを可能とし、タッチパネル29の上部分又は下部分に触れることで輝度の増加又は減少を行うことを可能として、音量と輝度を同時に調整可能としても良い。この場合、状態表示602は音量と輝度で一つの表示としても良いし、音量と輝度で別々の表示としても良い。別々の表示とした場合は、両方を同時に表示可能としても良いし、直近に調整操作が行われた一方のみを表示するようにしても良い。
【0444】
また、演出の出力態様の調整には出力をしない状態にすることも含んでも良く、例えば音を出力しない状態である音量を0にすることや、表示をしない状態である輝度を0にすることなどを含んでも良い。また、調整可能表示601や状態表示602は、操作手段の操作により調整された輝度に応じた画像で表示するようにしても良いし、操作手段の操作により調整された輝度に関係なく予め定められた画像で表示するようにしても良い。また、操作手段の操作により調整された輝度に応じた画像で表示するが、輝度が一定値以下に調整された場合には予め定められた画像で表示するようにしても良い。
【0445】
また、音量や輝度などの演出の出力態様の調整として、上述したように遊技者が実行可能な内容の他に、ホール側でのみ実行可能な内容を備えるようにしても良い。ホール側でのみ実行可能な演出の出力態様の調整は、例えば、前面枠12が開放された状態にて演出ボタン25を2回押下することのようにホール側でのみ実行可能な操作があったことを条件に起動されるホール設定モードにおいて実行可能とする。このホール側でのみ実行可能な演出の出力態様の調整としては、例えば遊技者が調整可能な音量や輝度の範囲を設定することや、客待ち状態となった場合に遊技者による調整結果を破棄して基準の音量や輝度を設定するようにした場合において、当該設定される音量や輝度の基準値が挙げられる。
【0446】
ホール側でのみ実行可能な演出の出力態様の調整は、特図変動表示ゲームの実行中であるか否か、停止表示時間であるか否か、現在の遊技状態などに関わらず常時実行可能としても良く、ホール設定モードが起動された場合には、特図変動表示ゲームの実行中であるか否か、停止表示時間であるか否か、現在の遊技状態などに関わらず調整可能表示601や状態表示602を表示するようにしても良い。すなわち、状況に応じて調整可能表示601や状態表示602を常時表示可能とするように切り替え可能としても良い。
【0447】
また、ホール設定モードにおける調整可能表示601や状態表示602は、遊技者が調整可能なことを示す調整可能表示601や状態表示602と同一であっても良いし、異なる表示であっても良い。異なる表示としては、全く異なる表示であっても良いし、基本的には同じとするがホール設定モードの場合の方がより詳細な説明が付加されているものでも良いし、メータの形状は同じとするが目盛数が異なるものであっても良い。
【0448】
また、遊技者が調整可能な音量や輝度の範囲の設定や、客待ち状態となった場合に遊技者による調整結果を破棄して基準の音量や輝度を設定するようにした場合において当該設定される音量や輝度の基準値を、遊技者による演出の出力態様の調整に対応して表示される状態表示602に表示するようにしても良い。このように状態表示602に対して遊技者が調整可能な音量や輝度の範囲や基準値を表示することは、状態表示602を行う場合には常に表示するようにしても良い。これにより、遊技者が基準値や範囲に対してどの程度の値に調整したかを把握できるようになる。
【0449】
また、遊技状態に応じて遊技者が調整可能な音量や輝度の範囲や基準値の表示の有無を選択するようにしても良く、調整可能表示601を表示可能な期間において表示される状態表示602であるか否かにより調整可能な範囲や基準値の表示を行うか否かを選択するようにしても良い。また、遊技状態に応じて調整可能な範囲と基準値のそれぞれについて表示するか否かを選択するようにしても良い。例えば、調整可能表示601を表示可能な期間では状態表示602に多数の情報を載せても遊技に影響することがないため、調整可能な範囲や基準値の表示を行うようにしても良い。また、調整可能表示601を表示しない期間では状態表示602に多数の情報を載せると特図変動表示ゲームや演出などの遊技内容以外に遊技者の意識が向いてしまうため、調整可能な範囲や基準値の表示を行わないようにしても良い。
【0450】
以上のことから、所定条件の成立に基づき識別情報を変動表示した後に結果を停止表示するゲームを実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段(演出制御装置300)と、遊技に関する情報を表示可能な表示装置41と、操作を受け付け可能な操作手段(演出ボタン25、タッチパネル29)と、を備え、制御手段は、調整可能期間において操作手段の操作に応じて演出の出力態様を調整可能であり、調整可能期間である場合には調整が可能であることを示す調整可能表示601を表示可能であり、調整可能期間であって変動表示を行っていない場合に、遊技の状態に応じて調整可能表示601を表示するか否かを選択可能であることとなる。したがって、遊技の状態に応じて調整可能表示601が他の表示の視認を妨げないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0451】
また、調整可能期間であって変動表示を行っていない場合には、遊技の状態として特定表示を表示しない第1期間と、特定表示を表示する第2期間とが含まれ、制御手段は、第1期間では調整可能表示601を表示可能とし、第2期間では調整可能表示601を表示しないこととなる。したがって、特定表示の視認を妨げないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。
【0452】
また、制御手段は、調整可能期間において操作手段の操作に応じて演出の出力態様の状態を示す状態表示602を表示可能であり、特別遊技状態の発生を報知可能な期間では、文字により情報を示す文字表示(第2演出表示625又は文字部分626)と、当該文字表示以外の演出表示(第1演出表示621)を表示可能であり、特別遊技状態の発生を報知可能な期間においては、調整可能期間とするが調整可能表示601を表示しないようにするとともに、状態表示602と文字表示とが重なる領域よりも状態表示602と演出表示とが重なる領域の方が広くなるように表示することとなる。したがって、文字表示の視認を妨げないようにすることができ、遊技の興趣の低下を防止できる。なお、特別遊技状態の発生を報知可能な期間としては、特別遊技状態の期間の他、特別結果を導出することとなる特図変動表示ゲームにおいて、特別結果が仮停止されるなどの特別遊技状態が発生することが明確になった時点又は特別結果が停止表示された時点から、当該特図変動表示ゲームの終了までの期間が含まれる。
【0453】
また、制御手段は、特別遊技状態の種類に応じた文字表示(第2演出表示625又は文字部分626)を表示可能であり、文字表示の種類に応じて、当該文字表示と状態表示602とが重なる領域の広さを異ならせることが可能であることとなる。したがって、状態表示602を文字表示の種類に応じた適切な位置に表示可能となり、文字表示と状態表示602の視認性を確保できて遊技の興趣の低下を防止できる。
【0454】
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。
【0455】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0456】
10 遊技機
36 始動入賞口
37 普通変動入賞装置
38 第1特別変動入賞装置(特別変動入賞装置)
39 第2特別変動入賞装置(特別変動入賞装置)
48 右打ち指示表示器(発射方向指示手段)
100 遊技制御装置(制御手段)
300 演出制御装置(発射方向指示手段)