(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】レーザーリフロー装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20221206BHJP
B23K 26/16 20060101ALI20221206BHJP
B23K 1/005 20060101ALI20221206BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L21/52 H
B23K26/16
B23K1/005 A
H05K3/34 507H
(21)【出願番号】P 2019206625
(22)【出願日】2019-11-15
(62)【分割の表示】P 2018562342の分割
【原出願日】2018-07-12
【審査請求日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】10-2017-0090589
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517416215
【氏名又は名称】レーザーセル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョンロク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナムソン
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-089696(JP,A)
【文献】特開2008-153366(JP,A)
【文献】特開2004-289084(JP,A)
【文献】特開2010-010196(JP,A)
【文献】特開平11-297764(JP,A)
【文献】特開2001-148403(JP,A)
【文献】特開2009-094094(JP,A)
【文献】特開2006-261343(JP,A)
【文献】特開2014-179531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
B23K 26/16
B23K 1/005
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディング対象物を支えるステージを含み、前記ボンディング対象物を移送するボンディング対象物移送部;
レーザーを面光源に変換させ、前記ボンディング対象物に照射するレーザー照射部;
前記レーザー照射部を、照射する位置または待機位置へ移動させるレーザー照射部移送部;
前記レーザー照射部と分離し、独立に設けられ、面光源のレーザービームを透過させる材質で実現され、前記ボンディング対象物に圧力を加えるビーム透過プレート;
前記ビーム透過プレートを作業位置または待機位置へ移動させるビーム透過プレート移送部;および
前記ビーム透過プレートの下部へのレーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)が、前記ビーム透過プレートの底面に付着することを防いでくれる保護フィルムを移送する保護フィルム移送部;
を含
み、
前記ビーム透過プレートの底面にレーザーボンディングを行う際に生じるガス(fumes)が外部へ排出される通路が設けられており、
前記ビーム透過プレートの底面には、所定の間隔で互いに離れて形成された複数の突出部であって、前記複数の突出部の間に前記通路が形成される複数の突出部が設けられていることを特徴とする、レーザーリフロー装置。
【請求項2】
前記ビーム透過プレート移送部は、前記ビーム透過プレートに圧力を加える少なくとも一つ以上のアクチュエーターと、前記アクチュエーターにより前記ビーム透過プレートに加わる圧力を感知する少なくとも一つ以上の圧力感知センサー;
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項3】
前記ビーム透過プレート移送部は、前記ビーム透過プレートの高さを検出する少なくとも一つ以上の高さ感知センサー:
をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項4】
前記ビーム透過プレートとプレートの母材は、クォーツ(Quarts)、サファイア(sapphire)、溶融石英ガラス(Fused Silica Glass)またはダイヤモンドのうち、いずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーリフロー装置。
【請求項5】
前記ビーム透過プレートの底面に薄膜コーティング層が設けられることを特徴とする、請求項4に記載のレーザーリフロー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザーリフロー装置に関する。より詳細には、一つのボンディング対象物に対するタクトタイム(tact time)の短縮と複数のボンディング対象物全体に対するボンディング作業の高速化および積層されたり、捩れ(Warpage)がひどくて、加圧が必要なボンディング対象物に対するボンディング作業の高速化を実現できるレーザーリフロー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の加圧方式のリフロー装置は、所定の温度で加熱されたヘッドにシリコンダイを接近させ、ダイに圧力と温度を加える方式で、薄いシリコンダイを基板上にボンディングする。これは、一つのヘッドが一つのシリコンダイに接触され、また加熱されたヘッドの熱伝導を用いてシリコンダイ下部のリフロー部分に熱を照射し、少なくとも数秒~数十秒の熱伝導時間を必要とする。
【0003】
一方、通常知られているレーザーリフロー装置は、ボンディング対象物を数秒間押さえながら、レーザーを照射してボンディングする装置である。半導体チップまたは集積回路(IC)は、とても小さいが、所定のサイズを有する。レーザーリフロー装置は、半導体チップまたは集積回路(IC)のサイズに対応する面光源のレーザーを照射してボンディングを行う。
【0004】
韓国特許第10-1245356号公報(以下、先行文献と称する)は、面光源のレーザーを用いたボンディング装置の加圧ヘッドを開示している。
図6を参照すると、半導体チップ(50)を真空により吸着しながら、面光源のレーザーが半導体チップ(50)へ照射されるようにする吸着モジュール(45)とそれを含む加圧ヘッド(40)の構造について記述している。
【0005】
先行文献によると、加圧ヘッドとレーザー照射部は、一つのモジュールとして製作され、駆動される。半導体ストリップのように複数の半導体チップをボンディングする場合、一つの半導体チップを加圧しながら面光源のレーザーを照射する動作を複数の半導体チップの個数分、繰り返して行うべきである。そのような機械的なメカニズムは、複数の半導体チップをボンディングするための全体の作業時間を限定する要因となっている。
【0006】
複数の半導体チップをボンディングするための全体の作業時間を削減するため、既存の一部のメーカーでは、実現された加熱ヘッドを4個、多い場合は8個まで用いて、同時に複数の半導体チップボンディングを処理するボンディング装置を使っている。このように多くの加熱ヘッドを使うと、ボンディング装置の全体価格または価格の上昇をもたらす。一般に、このような加熱ヘッドを用いた加圧方式のリフロー装置は、少なくとも8億ウォン乃至25億ウォンの高価の装備である。
【0007】
それで、既存の加熱ヘッド方式やレーザーと加圧部一体型のヘッド方式に比べ、装備の価格とダイ当りのタクトタイム(tact time)を大幅に減らせるレーザーリフロー装置が必要である。また、既存の前記方式は、一つのヘッドが常に一つのダイを押さえて、加圧および加熱し、リフロー作業を行うが、加圧部とレーザー照射部を分離して加圧した後、一度に複数個のダイを面光源のレーザーで照射して生産性を極大化できるレーザーリフロー装置が必要である。また、既存方式の場合、加熱部ヘッドの大きさに制限されて、レーザー或いは熱が伝達されるため、熱源であるレーザービームの大きさを多様に変化させ、使用できるレーザーリフロー装置が必要である。
【0008】
一方、本出願の発明者は、基板を加圧した状態でレーザーボンディングをする場合、はんだ材料が溶融・再凝固する過程で、ガス(fumes)が発生することを発見した。このようなガス(fumes)は、加圧物体の底面にくっ付いているため、レーザーが照射されると、燃焼(burning)を発生させる原因物質として作用するとみなされる。それで、ボンディング品質の向上と加圧物体の耐久性の向上のため、レーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)が加圧物体の底面に付着することを防いだり、削除したりできる技術が必要である。
【0009】
従来、レーザーリフロー装置は、加圧ヘッドとレーザー照射部が一体となっているため、加圧ヘッドが破損するとレーザー照射部も使用できない問題があった。また、破損した加圧ヘッドを取り替えるためには、加圧ヘッドとレーザービーム照射部全体を分解しなければならないため、取替え時間が所要される問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような問題を解決するために提案されたもので、積層されたり、捩れ(Warpage)がひどくて加圧が必要なボンディング対象物に対するタクトタイム(tact time)の短縮および複数のボンディング対象物に対するボンディング作業の高速化を実現できるレーザーリフロー装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、ボンディングに必要な面光源のレーザーの損失を抑え、ボンディング品質を向上させるレーザーリフロー装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、ボンディング対象物を押さえてくれる物の耐久性を向上させるレーザーリフロー装置を提供する。
【0013】
本発明の他の目的は、以下の実施例に係る説明を通してより安易に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記発明が解決しようとする課題を達成するためのレーザーリフロー装置は、ボンディング対象物を支持するステージを含み、前記ボンディング対象物を移送するボンディング対象物移送部と;レーザーを面光源に変換させ、前記ボンディング対象物に照射するレーザー照射部と前記レーザー照射部を照射位置または待機位置へ移動するレーザー照射部移送部;および前記レーザー照射部から分離し、独立に設置され、面光源のレーザービームを透過させる材質で実現され、前記ボンディング対象物に圧力を加えるビーム透過プレートと前記ビーム透過プレートを作業位置または待機位置に移動させるビーム透過プレート移送部を含む。
【0015】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、ビーム透過プレート下部に、レーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)が前記ビーム透過プレートの底面に付着することを防いでくれる保護フィルムを移送する保護フィルム移送部をさらに含む。
【0016】
本発明に係るレーザーリフロー装置のビーム透過プレート移送部は、ビーム透過プレートに圧力を加える少なくとも一つ以上のアクチュエーターと、前記アクチュエーターによりビーム透過プレートに加わる圧力を感知する少なくとも一つ以上の圧力感知センサーをさらに含む。ビーム透過プレート移送部は、ビーム透過プレートの高さを検出する少なくとも一つ以上の高さ感知センサーをさらに含む。
【0017】
ビーム透過プレートに圧力を加えるアクチュエーターは、一つ以上の加圧部として実現され、一つ以上の圧力感知センサーにより、リアルタイムでフィードバック制御およびモニターリング機能を行い、ビーム透過プレートに加わる圧力をコントロールできる。
【0018】
ビーム透過プレートに圧力を加えるアクチュエーターのは、高さセンサーが設置され、圧力が加えられる高さとボンディングされる瞬間のボンディング対象物の位置を確認することができ、ボンディング対象物との一定の高さの間隔を維持する機能を有する。
【0019】
ビーム透過プレートの母材は、クォーツ(Quarts)、サファイア(sapphire)、溶融石英ガラス(Fused Silica Glass)またはダイヤモンドのうち、いずれか一つで実現できる。
【0020】
ビーム透過プレートの底面に薄膜コーディング層が形成される。
【0021】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、ビーム透過プレートの底面にレーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)が外部へ排出される通路を形成することができる。
【発明の効果】
【0022】
前記のように構成された本発明の本発明に係るレーザーリフロー装置によると、次のような効果がある。
【0023】
第1に、ボンディング対象物を押さえてくれるビーム透過プレートとボンディング対象物に面光源のレーザーを照射するレーザー照射部をそれぞれ独立に、分離して形成することによって、ビーム透過プレートでボンディング対象物を押さえた状態でレーザー照射部をボンディング対象物の複数の照射位置に移動させた後、駆動することによって、一つのボンディング対象物に対するタクトタイム(tact time)の短縮と複数のボンディング対象物全体に対するボンディング作業の高速化を実現でき、積層されたり、捩れ(Warpage)がひどいボンディング対象物を加圧したり、一定の高さを維持して捩れ(Warpage)を防いだりすることができる。
【0024】
また、ビーム透過プレートとレーザー照射部をそれぞれ独立に分離して形成することによって、必要な場合、ビーム透過プレートだけを迅速に取り替えられ、ビーム透過プレートの取り替えによるボンディング作業の待機時間を抑え、生産性を高めることができる。
【0025】
第2に、ビーム透過プレートの下部を保護フィルムで保護することができ、レーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)がビーム透過プレートの底面に付着することを防ぎ、ボンディング品質の向上とビーム透過プレートの耐久性を向上させることができる。
【0026】
第3に、ビーム透過プレートの移送部は、ビーム透過プレートに加わる圧力を感知して、大面積加圧による一定の圧力をコントロールすることができ、一定の高さの間隔を維持できる高さのコントロールができるため、ボンディング対象物とビーム透過プレートとの平面度の調節が可能になり、ボンディングの不良率を抑えることができる。
【0027】
第4に、ビーム透過プレートの底面に通路が形成されることによって、上部のサクション(suction)装置を通してレーザーボンディングの際に発生し、ビーム透過プレートの破損の原因となるガス(fumes)を通路に沿って迅速に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するもので、後述する発明の詳細な説明と共に、本発明の技術思想をさらに理解させる役割をするもので、本発明は、そのような図面に記載された事項だけに限定して解釈されてはいけない。
【0029】
【
図1】本発明に係るレーザーリフロー装置を説明するための例示図である。
【
図2】本発明に係るレーザーリフロー装置を説明するための例示図である。
【0030】
【
図3】本発明に係るレーザーリフロー装置の全体構成を概略的に図示する。
【0031】
【
図4】本発明に係るレーザーリフロー装置に使用可能なビーム透過プレートを図示する。
【0032】
【
図5】本発明に係るレーザーリフロー装置に用いられるレーザー照射部を説明するための例示図である。
【0033】
【
図6】公開されたプリップチップボンダーの加圧ヘッドの構造を図示した断面図である。
【符号の説明】
【0034】
11:ボンディング対象物
111:ステージ
120:レーザー照射部
121:光ファイバー
122:ビームシェイパー
123:光学部
130:ビーム透過プレート
140:ビーム透過プレート移送部
150:支持部
210:保護フィルム移送部
211:保護フィルム
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書において、用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いられたもので、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に違う意味を有しない限り、複数に表現を含む。本明細書における‘含む’または‘有する’などの用語は、本明細書に記載された特徴、数字、段階、作動、構成要素、部分品または、それらを組み合わせたものが存在することを指定するためであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、作動、構成要素、部分品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0036】
別途の定義がない限り、技術的な用語、科学の用語を含み、ここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者によって一般に理解できるものと同じ意味を表す。一般に、使われる辞書に定義されているのと同じ用語は、関連技術の文脈の有する意味と一致する意味があるものと解釈されるべきであり、本明細書に明白に定義しない限り、理想的であったり、過度に形式的な意味として解釈されない。
【0037】
以下では、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0038】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、
図1に図示したように、下部に熱を加えられる構造を設けている多孔性物質あるいは真空孔が形成されたステージ(111)に支持されながら移送されるボンディング対象物(11)に面光源のレーザーを照射するレーザー照射部(120)と、レーザー照射部(120)と分離し、独立に設けられ、面光源のレーザーを透過させるビーム透過プレート(130)と、ビーム透過プレート(130)を作業位置または待機位置に移動させるビーム透過プレート移送部(140)と、ビーム透過プレート移送部(140)が移動できるように支持する支持部(150)を含んで実現される。
【0039】
レーザー照射部(120)は、レーザー発振機から発生され、光ファイバー(121)を通して伝達されるレーザーを面光源に変換させ、ボンディング対象物(11)に照射する。レーザー照射部(120)は、スポット(spot)のレーザーを面光源の形に変換するビームシェイパー(122)と、ビームシェイパー(122)の下部に配置され、ビームシェイパー(122)から照射される面光源がボンディング対象物(11)の照射領域に照射されるように、複数のレンズモジュールが鏡筒の内部にそれぞれ適当な間隔を置いて離隔し、装着される光学部(123)を含んで実現される。
【0040】
レーザー照射部(120)は、ボンディング対象物(11)との整列のために、ボンディング対象物(11)とビーム透過プレート(130)との平面度の調節および高さの調節のため、z軸に沿って上昇または下降したり、x軸に沿って左・右に移動したり、y軸に沿って移動できる。
【0041】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、ボンディング対象物(11)を押さえてくれるビーム透過プレート(130)とボンディング対象物(11)に面光源のレーザーを照射するレーザー照射部(120)をそれぞれ独立に分離して形成することで、ビーム透過プレート(130)でボンディング対象物(11)を押さえた状態で、レーザー照射部(120)をボンディング対象物(11)の複数の照射位置に移動させた後、駆動することによって、一つのボンディング対象物(11)に対するタクトタイム(tact time)の短縮および複数のボンディング対象物全体に対するボンディング作業の高速化を実現できる。
【0042】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、ビーム透過プレート(130)に圧力を加える一つ以上のアクチュエーターとビーム透過プレート(130)に加わる圧力を感知する少なくとも一つの圧力感知センサーとビーム透過プレートの高さを検出する一つ以上の高さ感知センサーを含んで実現できる。圧力感知センサーによって、ボンディング対象物に加わる圧力を調整して、大面積の場合、多数のアクチュエーターと多数の圧力感知センサーによって、均一の圧力がボンディング対象物に伝達できるようにコントロールできる。また、一つ以上、或いは多数の高さ感知センサーによりボンディング対象物がボンディングされる瞬間の高さの位置値を確認したり、より正確なボンディングの高さの数値を探せる技術的なデータを提供し、一定の高さの間隔を維持しなければならない工程を行う場合、正確な高さをコントロールできる機能を提供する。圧力感知センサーは、一例で、一つまたは数個のロードセールで実現できる。
【0043】
ビーム透過プレート(130)は、レーザー照射部(120)から出力されるレーザーを透過させる母材として実現できる。ビーム透過プレート(130)の母材は、すべてのビーム透過性材質として実現可能である。ビーム透過プレート(130)の母材は、例えば、クォーツ(Quarts)、サファイア(sapphire)、溶融石英ガラス(Fused Silica Glass)またはダイヤモンドのうち、いずれか一つで実現できる。しかし、クォーツ(Quarts)材質で実現されたビーム透過プレートの物理的特性は、サファイア(sapphire)で実現されたビーム透過プレートの物理的な特性と違う。例えば980nmのLaserを照射する場合、クォーツ(Quarts)材質で実現されたビーム透過プレートに透過率は、85%~99%であり、ボンディング対象物から測定された温度は100℃である。反面、サファイア(sapphire)で実現されたビーム透過プレートの透過率は80%~90%であり、ボンディング対象物から測定された温度は60℃である。
【0044】
例えば、光透過率とボンディングに必要な熱損失の側面から見ると、クォーツ(Quarts)は、サファイア(sapphire)より優秀な性能を表す。しかし、本出願の発明者はレーザーリフロー装置を開発しながらビーム透過プレート(130)を繰り返してテストしてみた結果、クォーツ(Quarts)材質で実現されるビーム透過プレート(130)は、レーザーボンディングの際にクラック(crack)が生じたり、底面から燃焼(burning)が発生し、ボンディング品質に不良が発生する問題が発見された。それは、レーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)がビーム透過プレート(130)の底面にくっ付き、ガス(fumes)がくっ付いた部分にレーザーの熱源が集中され、熱的ストレスを高めることと分析された。
【0045】
クォーツ(Quarts)材質で実現されるビーム透過プレート(130)の損傷を防ぎ、耐久性の向上のため、クォーツ(Quarts)材質で実現されるビーム透過プレート(130)の底面に薄膜コーディング層を形成することができる。ビーム透過プレート(130)の底面に形成される薄膜コーディング層は、通常の光学コーディングである誘導体コーディングまたはSiCコーディングまたは、金属物質コーティングで実現できる。
【0046】
ビーム透過プレート移送部(140)は、ビーム透過プレート(130)を作業位置または待機位置に移動する。一例で、ビーム透過プレート移送部(140)は、ビーム透過プレート(130)を下降または上昇させたり、左・右へ移動させた後、下降または上昇させることができる。
【0047】
ビーム透過プレート移送部(140)は、ビーム透過プレート(130)に加わる圧力を感知する少なくとも一つの圧力感知センサーとビーム透過プレートの高さを検出する高さ感知センサーを含んで実現できる。圧力感知センサーは、一例で、少なくとも一つのロードセルで実現できる。高さ感知センサーは、リニアエンコーダで実現できる。
【0048】
本発明に係るレーザーリフロー装置は、
図2に図示したように、ビーム透過プレート(130)の下部へ、レーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)がビーム透過プレート(130)の底面に付着することを防いでくれる保護フィルム(211)を移送する保護フィルム移送部(210)をさらに含んで実現できる。
【0049】
保護フィルム移送部(210)は、ロールの形で巻かれた保護フィルムを解きながら、一つの側に移送するリールツーリール(reel to reel)方式で実現できる。保護フィルム(211)は、一例で、最高使用温度が摂氏300℃以上で、連続最高の使用温度が260℃以上で、耐熱性が優秀な材質で実現されるのが望ましい。例えば、保護フィルム(211)は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(通常、テフロン(登録商標)樹脂とも称する;Polytetrafluoroethylene,PTFE)または、フッ素樹脂で実現することができる。フッ素樹脂(Per Fluoro Alkylvinyether copolymer;PFA)は、フッ素化エチレンプロピレン樹脂の耐熱性を改善する製品として、連続最高の使用温度がポリテトラフルオロエチレン樹脂と同じく、摂氏260℃と記録され、高機能性樹脂である。
【0050】
図3は、本発明のレーザーリフロー装置の全体構成を図示する。
図3を参照すると、本発明のレーザーリフロー装置は、ボンディング対象物移送部(110)と、レーザー照射部(120)と、ビーム透過プレート(130)と、ビーム透過プレート移送部(140)と、支持部(150)と、保護フィルム移送部(210)を含んで実現できる。
【0051】
ボンディング対象物移送部(110)は、ボンディング対象物を支持するステージ(111)を含み、ボンディング対象物を移送する。ステージ(111)は、下部に熱を加えることのできる構造を設けている多孔性物質あるいは、真空孔が形成される。ボンディング対象物を支持するステージ(111)は、所定の間隔で離隔される複数の駆動ローラーを含むコンベア方式であったり、精密な駆動要素と巨大な圧力に耐えられるガイドが付着された器具構造を設けた形で実現することができ、資材の種類によっては、X,Y,Thetaで精密に位置を合わせられる方式である。
【0052】
レーザー照射部(120)は、レーザー発振機から発生され、光ファイバー(121)を通して伝達されるスポット(spot)のレーザーを面光源に変換させ、ボンディング対象物に照射する。レーザー照射部(120)は、スポット(spot)のレーザーを面光源に変換するビームシェイパー(122)と、ビームシェイパー(122)の下部に配置され、ビームシェイパー(122)から照射される面光源がボンディング対象物の照射領域に照射されるように複数のレンズモジュールが鏡筒内部にそれぞれ離隔するように装着される光学部(123)を含んで実現できる。
【0053】
レーザー照射部(120)は、一例で、複数のレンズモジュールを個別に上昇または下降させ、面光源の照射領域の範囲と加熱温度を調節する鏡筒駆動部をさらに含んで実現できる。このような実施例によって、ボンディング対象物にレーザーを選択的に照射してボンディングすることができる。
【0054】
図3には図示していないが、本発明のレーザーリフロー装置は、圧力感知センサーと高さ感知センサーから入力されるデータを用いて、ビーム透過プレート移送部(140)の操作をコントロールする制御部を含む。圧力感知センサーと高さ感知センサーは、ビーム透過プレート(130)とビーム透過プレート移送部(140)と、ボンディング対象物を支持するステージ(111)に設けることができる。例えば、制御部は、圧力感知センサーからデータの入力を受け、圧力が目標値に到達するように、ビーム透過プレート移送部(140)をコントロールする。また、高さ感知センサーからデータの入力を受け、高さの目標値に到達するようにビーム透過プレート移送部(140)をコントロールできる。
【0055】
支持部(150)は、ビーム透過プレート移送部(140)が移動できるように支持する。一例で、支持部(150)は、ステージ(111)と横に並んで延長形成される一組のガントリータイプで実現できる。しかし、支持部(150)は、ビーム透過プレート移送部(140)をx軸、y軸、または、z軸に移動できるように支持する構成が含まれることと解釈されるべきである。
【0056】
図4は、本発明のレーザーリフロー装置に使用可能なビーム透過プレートを図示する。本発明のレーザーリフロー装置は、
図4を参照すると、ビーム透過プレート(410)の底面にレーザーボンディングの際に発生するガス(fumes)が外部に排出される通路(411)が形成される。ビーム透過プレート(410)の底面に所定の間隔で離隔して形成される複数の突出部(412)が形成される。複数の突出部(412)は、エンボスの形でもあり得る。
【0057】
図5は、本発明のレーザーリフロー装置に用いられるレーザー照射部を説明するための例示図である。
【0058】
本発明では、ガウスモードビームを均一化したエネルギー分布を有する面光源に変換させるため、ビームシェイパー(beam shaper)(550)を用いる。ビームシェイパー(beam shaper)(550)の実施例は、韓国特許第10-1017848号公報に開示されている。一例で、ビームシェイパー(beam shaper)(550)は、光ファイバー(551)と均一化された四角形レーザーを形成するための、四角光パイプ(Square Light Pipe)を含んで実現できる。
【0059】
図5を参照すると、光学部(560)は、凸レンズ(561)、第1円柱レンズ(562)、第2円柱レンズ(563)およびフォーカシングレンズ(564)を含むことができる。光学部(560)は、ビームシェイパー(beam shaper)(550)の出口側に位置し、レーザーの照射領域の大きさと形を調節することができる。凸レンズ(561)は、面照射されるレーザーを集光するように、レーザーを均一化するビームシェイパー(beam shaper)(550)の出口側に隣接して設けることができる。レーザーはビームシェイパー(beam shaper)(550)の出口側を通過する際に発散され、散ることもあり得る。従って、凸レンズ(561)は、均一化されたビームが発散されないように集光し、集光されたレーザーを第1円柱レンズ(562)へ伝達することができる。凸レンズ(561)通過したレーザーは、第1照射領域(A1)を設けられる。
【0060】
第1円柱レンズ(562)は、凸レンズ(561)を通過したレーザーの第1軸方向の長さを調節できる。第1円柱レンズ(562)は、円柱を立てた状態で、縦軸に切断した形で設けることができ、第1円柱レンズ(562)は、凸レンズ(561)の下部に設けられ、第1円柱レンズ(562)の凸面が上側に向けられるように、配置することができる。第1円柱レンズ(562)を透過するレーザーの照射領域は、第1軸方向の長さが縮小されるように設けられる。第1円柱レンズ(562)を透過したレーザーは照射領域の第1軸方向の長さが縮小され、第1照射領域(A1)から第2照射領域(A2)へと照射領域が変更されることもある。
【0061】
第2円柱レンズ(563)は、第1円柱レンズ(562)を通過したレーザーの第2軸方向の長さを調節できる。第2軸方向の長さは、第1軸方向の長さと互いに直交し、第2円柱レンズ(563)は、第1円柱レンズ(562)と同一の形で形成できる。第2円柱レンズ(563)は、第1円柱レンズ(562)の下部に設置され、凸面が上側に向けられるように配置し、第1円柱レンズ(562)と方向が直交するように配置することができる。第2円柱レンズ(563)を透過するレーザーの照射領域は、第2軸方向の長さが縮小するように実現できる。第2円柱レンズ(563)を透過したレーザーは、照射領域の第2軸方向の長さが縮小され、第2照射領域(A2)から第3照射領域(A3)へと照射領域が変更されることもある。
【0062】
第1円柱レンズ(562)および第2円柱レンズ(563)は、レーザーの照射領域の形を容易に調節することができる。第1円柱レンズ(562)および第2円柱レンズ(563)は、レーザーの照射領域の第1軸方向の長さおよび第2軸方向の長さを容易に調節できる構成であれば、全部含まれる。第1円柱レンズ(562)および第2円柱レンズ(563)は、凸面が下部に向くように配置することができ、上面に凹面レンズが第1円柱レンズ(562)および第2円柱レンズ(563)の位置に設けることも可能である。レーザーの照射領域は、第1軸方向の長さと第2軸方向の長さが伸びるように調節する事ができる。第1円柱レンズ(562)および第2円柱レンズ(563)は、レーザーの照射領域の第1軸方向の長さと第2軸方向の長さを調節し、照射領域の横および縦の長さの比率を調整することができれば、全て一実施例に含まれることができる。
【0063】
第1円柱レンズ(562)と第2円柱レンズ(563)は、それぞれ位置が変わることもあり得る。例えば、凸レンズ(561)を透過したレーザーが第1円柱レンズ(562)より、第2円柱レンズ(563)を先に透過するようにして、照射領域の第2軸方向の長さが調節された以後に第1軸方向の長さが調節されるようにすることも可能である。
【0064】
フォーカシングレンズ(564)は、第1円柱レンズ(562)と第2円柱レンズ(563)を通過したレーザーの照射領域がすでに設定された広さを有するように調節できる。フォーカシングレンズ(564)は、第2円柱レンズ(563)により形成された照射領域の形を維持するが、照射領域の広さを増加または減少させることができる。フォーカシングレンズ(564)は、第2円柱レンズ(563)により形成された、照射領域の第1軸方向の長さ対比第2軸方向の長さの比率を維持して、形を維持した状態で、照射領域の広さを増加または減少させる。第2円柱レンズ(563)を透過したレーザーの照射領域である第3照射領域(A3)をフォーカシングレンズ(564)を用いて拡大することで、第4照射領域(A4)の広さを有することができる。フォーカシングレンズ(564)が第3照射領域(A3)の広さを縮小できることはもちろんである。フォーカシングレンズ(564)は、取り替えの可能なように設けられる。
【0065】
以上で説明した本発明は、前述した実施例および添付された図面に限定されるものではなく、本発明の技術的な思想を損なわない範囲内で、様々な取替え、変形および変更が可能である。これは、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者において明白なものである。従って、本発明の本の技術的な保護範囲は添付された請求範囲によってのみ、決められるべきであろう。