(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】受け台構造及びこれを備えたキャリーカート
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
B62B3/02 F
(21)【出願番号】P 2019233647
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】500123407
【氏名又は名称】株式会社カクタスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】桑山 大介
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207416897(CN,U)
【文献】登録実用新案第3011647(JP,U)
【文献】実開昭51-50761(JP,U)
【文献】実公昭43-24977(JP,Y1)
【文献】特開2001-112556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/02
A47B 31/00,31/04,37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリーカートのフレーム本体又は収容本体に着脱自在に装着される受け台構造であって、
前記フレーム本体又は前記収容本体の片側に着脱自在に装着される一対の第1取付部材と、前記フレーム本体又は前記収容本体の他側に着脱自在に装着される一対の第2取付部材と、前記一対の第1取付部材間に装着される第1支持部材と、前記一対の第2取付部材間に装着される第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に装着される受け体とを備え、前記受け体の下面の片側には、前記第1支持部材に対応して第1受け部材が設けられ、前記受け体の下面の他側には、前記第2支持部材に対応して第2受け部材が設けられ、前記受け体の前記第1受け部材が前記第1支持部材に着脱自在に装着され、前記受け体の前記第2受け部材が前記第2支持部材に着脱自在に装着されることを特徴とする受け台構造。
【請求項2】
前記一対の第1取付部材は、前記収容本体に取り付けられる第1挟持部と、前記第1支持部材が取り付けられる第1挿通取付部とを有し、前記一対の第1取付部材の前記第1挟持部は、前記収容本体の片側に間隔をおいて挟持保持され、前記第1支持部材は、前記一対の第1取付部材の前記第1挿通取付部間に挿通保持され、また前記一対の第2取付部材は、前記収容本体に取り付けられる第2挟持部と、前記第2支持部材が取り付けられる第2挿通取付部とを有し、前記一対の第2取付部材の前記第2挟持部は、前記収容本体の他側に間隔をおいて挟持保持され、前記第2支持部材は、前記一対の第2取付部材の前記第2挿通取付部間に挿通保持されることを特徴とする請求項1に記載の受け台構造。
【請求項3】
前記第1支持部材は、中空の第1パイプ本体と、前記第1パイプ本体の両端部に装着された第1閉塞部材とを備え、前記第1閉塞部材の外周面に第1突状部が設けられ、前記第1閉塞部材の前記第1突状部に対応して、前記一対の第1取付部材の前記第1挿通取付部の内周面に第1凹状部が設けられ、また前記第2支持部材は、中空の第2パイプ本体と、前記第2パイプ本体の両端部に装着された第2閉塞部材とを備え、前記第2閉塞部材の外周面に第2突状部が設けられ、前記第2閉塞部材の前記第2突状部に対応して、前記一対の第2取付部材の前記第2挿通取付部の内周面に第2凹状部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の受け台構造。
【請求項4】
前記第1支持部材の前記第1パイプ本体は、着脱自在に連結される複数本の第1パイプ部材から構成され、前記第1閉塞部材には第1取付部が設けられ、連結された前記複数本の第1パイプ部材の両端側に装着された前記第1閉塞部材の第1取付部間に紐状弾性部材が張設され、また前記第2支持部材の前記第2パイプ本体は、着脱自在に連結される複数本の第2パイプ部材から構成され、前記第2閉塞部材には第2取付部が設けられ、連結された前記複数本の第2パイプ部材の両端側に装着された前記第2閉塞部材の第2取付部間に紐状弾性部材が張設されることを特徴とする請求項3に記載の受け台構造。
【請求項5】
前記受け体側の前記第1受け部材は、前記第1支持部材を受け入れる第1受け部を有し、前記第1受け部材が前記受け体の下面の片側に前記第2支持部材に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着され、前記受け体側の前記第2受け部材は、前記第2支持部材を受け入れる第2受け部を有し、前記第2受け部材が前記受け体の下面に前記第1支持部材に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着されていることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の受け台構造。
【請求項6】
前記受け体は、前記第1及び第2支持部材の軸方向に配設される複数の受け台から構成され、前記複数の受け台の下面の片側に前記第1受け部材が前記第2支持部材に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着され、また前記複数の受け台の下面の他側に前記第2受け部材が前記第1支持部材に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着されていることを特徴とする請求項5に記載の受け台構造。
【請求項7】
前記複数の受け台は、前記第1及び第2支持部材に対して垂直な方向に延びる複数の受け台部材から構成され、前記複数の受け台部材を通して弾性連結部材が挿通され、隣接する受け台部材間にスペーサ部材が介在されていることを特徴とする請求項6に記載の受け台構造。
【請求項8】
フレーム本体と、前記フレーム本体の内側に装着される収容本体と、前記フレーム本体の前側底部に取り付けられた前輪手段と、前記フレーム本体の後側底部に取り付けられた後輪手段と、請求項1~7のいずれかに記載の受け台構造とを備え、前記受け台構造が前記フレーム本体又は前記収容本体に取り付けられることを特徴とするキャリーカート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジャー用などに使用されるキャリーカートに取り付けられる受け台構造及びこれを備えたキャリーカートに関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプ、魚釣りなどに用いるレジャー用のキャリーカートとして、フレーム本体と、このフレーム本体に取り付けられた収容本体と、フレーム本体に取り付けられた取っ手とを備えられたものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。このキャリーカートでは、フレーム本体は、この収容本体を取り囲むようにして取り付けられ、このフレーム本体の底部に前輪及び後輪が取り付けられている。
このキャリーカートでは、フレーム体及び収容本体が折り畳み可能に構成されているものが多く、これらを広げることにより収容本体が開状態となり、開放された収容本体に荷物を入れて運搬することができ、またフレーム本体及び収容本体を折り畳むことにより収容本体が閉状態となって全体がコンパクトになり、持運び、収納保管などが容易となる。
【0003】
このようなキャリーカートでは、フレーム本体及び収容本体を折り畳み、種々のレジャー用品、例えばテント、釣り道具、炊事用具、食材などの荷物とともに、自家用車などに搭載して目的地の駐車場に運んだ後、キャリーカートの収容本体に荷物を収納して、駐車場からテント設営場所や釣り場などまで移動する。そして、キャリーカートの収容本体から必要なレジャー用具を取り出し、目的のレジャー活動に使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】意匠登録第1633178号
【文献】意匠登録第1566537号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来のキャリーカートでは、フレーム本体及び収容本体を折り畳んで車両に搭載することができ、またレジャー活動に必要な用具類を収容して運搬することができるが、テント設営場所や釣り場まで運搬した後はこのキャリーカートは不要となり、現状ではその場所に放置している状態になっている。レジャー活動においては、荷物(例えば、クーラーボックス、クーラーバッグ、料理用鍋類、ウォータージャグなど)の置き場所、または炊事や食事の際の食材、食器や炊事道具の置き場所、食材の調理場所などとしてテーブルが用いられているが、運搬後に不要となっているキャリーカートをこのようなテーブルとして用いることができないかとの要望があった。
【0006】
本発明の目的は、キャリーカートに着脱自在に取り付けてテーブルなどとして用いることができる受け台構造を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、運搬機能に加えてテーブル機能をも持たせることができるキャリーカートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の受け台構造は、キャリーカートのフレーム本体又は収容本体に着脱自在に装着される受け台構造であって、
前記フレーム本体又は前記収容本体の片側に着脱自在に装着される一対の第1取付部材と、前記フレーム本体又は前記収容本体の他側に着脱自在に装着される一対の第2取付部材と、前記一対の第1取付部材間に装着される第1支持部材と、前記一対の第2取付部材間に装着される第2支持部材と、前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に装着される受け体とを備え、前記受け体の下面の片側には、前記第1支持部材に対応して第1受け部材が設けられ、前記受け体の下面の他側には、前記第2支持部材に対応して第2受け部材が設けられ、前記受け体の前記第1受け部材が前記第1支持部材に着脱自在に装着され、前記受け体の前記第2受け部材が前記第2支持部材に着脱自在に装着されることを特徴とする。
【0009】
このような受け台構造では、一対の第1取付部材が第1挟持部及び第1挿通取付部を有し、一対の第1取付部材の第1挟持部が収容本体の片側に間隔をおいて挟持保持され、第1支持部材が一対の第1取付部材の第1挿通取付部間に挿通保持され、また一対の第2取付部材が第2挟持部及び第2挿通取付部を有し、一対の第2取付部材の第2挟持部が収容本体の他側に間隔をおいて挟持保持され、第2支持部材が一対の第2取付部材の第2挿通取付部間に挿通保持されるのが好ましく、このような構成により、受け体を装着するための第1及び第2支持部材を収容本体に簡単に着脱自在に取り付けることができる。
【0010】
また、第1支持部材(第2支持部材)は、中空の第1パイプ本体(第2パイプ本体)、第1パイプ本体(第2パイプ本体)の両端部に装着された第1閉塞部材(第2閉塞部材)とを備え、第1閉塞部材(第2閉塞部材)に第1突状部(第2突条部)を設け、一対の第1取付部材(第2取付部材)の第1挿通取付部(第2挿通取付部)に第1凹状部(第2凹条部)を設けるのが好ましい。このような構成により、第1閉塞部材(第2閉塞部材)の第1突条部(第2突条部)と第1挿通取付部(第2挿通取付部)の第1凹状部(第2凹条部)とを整合させることにより、第1突条部(第2突条部)を第1凹条部(第2凹条部)を通して移動させることができ、この整合状態を解除することにより、第1突条部(第2突条部)の第1挿通取付部(第2挿通取付部)の第1凹状部(第2凹条部)を通しての移動を防止することができる。
【0011】
また、第1支持部材(第2支持部材)の第1パイプ本体(第2パイプ本体)は、着脱自在に連結される複数本の第1パイプ部材(第2パイプ部材)から構成され、第1閉塞部材(第2閉塞部材)に第1取付部(第2取付部)を設け、連結された複数本の第1パイプ部材(第2パイプ部材)の両端側の第1閉塞部材(第2閉塞部材)の第1取付部(第2取付部)間に紐状弾性部材を張設するのが好ましく、このような構成により、複数本の第1パイプ部材(第2パイプ部材)を連結した状態では、紐状弾性部材の作用により連結状態を維持することができ、またこの紐状弾性部材の作用に抗して連結状態を外すことにより、第1パイプ本体(第2パイプ本体)をコンパクトに収納することができる。
【0012】
また、受け体側の第1受け部材(第2受け部材)は、第1支持部材(第2支持部材)を受け入れる第1受け部(第2受け部)を有し、この第1受け部材(第2受け部材)を受け体の下面に第2支持部材(第1支持部材)に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着するのが好ましく、このような構成により、第1及び第2支持部材の間隔が異なっても(換言すると、収容本体の幅が異なっても)、第1受け部材(第2受け部材)の位置調整することにより、受け体を第1及び第2支持部材間に装着することができる。
【0013】
また、受け体は、第1及び第2支持部材の軸方向に配設される複数の受け台から構成され、これら複数の受け台に第1受け部材(第2受け部材)を第2支持部材(第1支持部材)に近接及び離隔する方向に位置調整自在に装着するのが好ましく、このような構成により、第1及び第2支持部材間に装着する受け台の数を変えることができる。
【0014】
更に、複数の受け台を第1及び第2支持部材に対して垂直な方向に延びる複数の受け台部材から構成し、複数の受け台部材を通して弾性連結部材を挿通し、隣接する受け台部材間にスペーサ部材を介在させるのが好ましく、このような構成により、弾性連結部材の収縮作用により複数の受け台部材を平面状態に保つことができるとともに、この弾性連結部材を伸張さて複数の受け台部材間を曲げることが可能となる。
【0015】
更にまた、本発明のキャリーカートは、フレーム本体と、前記フレーム本体の内側に装着される収容本体と、前記フレーム本体の前側底部に取り付けられた前輪手段と、前記フレーム本体の後側底部に取り付けられた後輪手段と、請求項1~7のいずれかに記載の受け台構造とを備え、前記受け台構造が前記フレーム本体又は前記収容本体に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の受け台構造によれば、フレーム本体(又は収容本体)の片側に着脱自在に一対の第1取付部材が着脱自在に装着され、その他側に一対の第2取付部材が着脱自在に装着される。そして、一対の第1取付部材間に第1支持部材が装着され、一対の第2取付部材間に第2支持部材が装着され、これら第1支持部材と第2支持部材との間に受け体が装着されるので、キャリーカートに受け体を取り付けることができる。また、受け体の下面の片側に第1受け部材が設けられ、その下面の他側に第2受け部材が設けられているので、第1受け部材を第1支持部材に着脱自在に装着し、第2受け部材を第2支持部材に着脱自在に装着することにより、この受け体を第1及び第2支持部材間に確実に取り付けることができる。
【0017】
また、本発明のキャリーカートによれば、請求項1~7のいずれかに記載の受け台構造がフレーム本体又は収容本体に取り付けられるので、受け台構造を備えたキャリーカートを提供することができる。この受け台構造は、製造段階で取り付けるようにしてもよく、或いは市販されたものに後付けで取り付けるようにすることもできる
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に従うキャリーカートの一実施形態を受け体を取り外した状態で示す側面図。
【
図2】
図1のキャリーカートを受け体を取り外した状態で示す平面図。
【
図3】
図1のキャリーカートに装備された受け台構造における受け台及びそれに関連する構成を示す平面図。
【
図4】
図3の受け台及びそれに関連する構成を示す底面図。
【
図7】
図1のキャリーカートに装備された受け台構造における第1支持部材(第2支持部材)を示す断面図。
【
図8】
図6におけるVIII-VIII線による断面図。
【
図9】図の受け体に装着された第1受け部材(第2受け部材)を表面側から見た斜視図。
【
図10】
図9の第1受け部材(第2受け部材)を底面側から見た斜視図。
【
図11】
図4の受け台構造における第1取付部材(第2取付部材)を示す正面図。
【
図12】
図11の第1取付部材(第2取付部材)を示す斜視図。
【
図13】第1取付部材(第2取付部材)の変形形態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うキャリーカート及びこれに用いる受け台構造の一実施形態について説明する。
【0020】
図1及び
図2において、図示のキャリーカート2は、フレーム本体4と、このフレーム本体4に取り付けられた収容本体6とを備え、この収容本体6内に種々の荷物、例えばテント、釣り道具、炊事用具、食材などのレジャー用品などが収容される。このフレーム本体4の前側底部には前輪手段7が設けられ、この前輪手段7は、幅方向(
図1において紙面に垂直な方向、
図2において上下方向)に間隔をおいて配設されて一対の前輪8から構成されている。また、このフレーム本体4の後側底部には後輪手段9が設けられ、この後輪手段9は、上記幅方向に間隔をおいて配設されて一対の後輪10から構成されている。フレーム本体4の前面側には取っ手11が取り付けられ、この取っ手11は、
図1に示す収納位置(フレーム本体4の保持部材13に保持された位置)とこの収納位置から下方に旋回した牽引位置(図示せず)との間を旋回自在に取り付けられている。このフレーム本体4に取り付けられる収容本体6の上面には矩形状の開口12が設けられ、この開口12を規定する開口縁部14に受け台構造3が着脱自在に装着される。
【0021】
このキャリーカート2のフレーム本体4は、四隅部に配置された4本の支柱18と、これら4本の支柱18を連結するヒンジ構造24とを備え、このヒンジ構造24は、クロス状に連結された複数本の連結バー20から構成されている。このヒンジ構造24では、これら連結バー20の端部と4本の支柱18とが連結ピン22を介して旋回自在に連結され、また複数本の連結バー20の両端部及び中間部が連結ピン23を介して旋回自在に連結されている。フレーム本体4をこのようにヒンジ構造24とすることにより、フレーム本体4及び収容本体6を前後方向(
図1及び
図2において左右方向)に折り畳むことができ、このように折り畳むことにより運搬などの取扱いなどが容易となる。尚、4本の支柱18及び複数本の連結バー20は、アルミニウム等の金属材料や樹脂材料から形成された中空パイプから構成することにより、フレーム本体4の軽量化を図ることができる。
【0022】
また、収納本体6は、上面に矩形状の開口12を有する略六面体形状の布製の袋状部材から構成される。尚、布製に代えて、また樹脂製のもの(樹脂製シート)から構成することもできる。
【0023】
この実施形態では、収容本体6の四隅部にフランジ状縁部16が設けられ、このフランジ状縁部16に対応して、各支柱18の上端部に支持フランジ部25が設けられている。この収容本体6は、各フランジ状縁部16を対応する支柱18の支持フランジ部25に載置し、この載置状態にて固定ピン26を支柱18の頂部に固定することにより、支柱18の支持フランジ部25と固定ピン26との間に挟持され、このように固定することにより、収容本体6がフレーム本体4の内側に強固に且つ安定的に取り付けられる。収容本体6の素材としては、例えば、帆布やキャンバス等の布地や、補強繊維を複合化した繊維補強樹脂シートなど用いることができる。
【0024】
次に、
図1及び
図2とともに、
図3~
図12を参照して、このキャリーカートに装備された受け台構造3について説明する。図示の受け台構造3は、収容本体6の開口12を覆うように配設される受け体29と、この受け体29を支持するための一対の支持部材、即ち第1及び第2支持部材32,33とを備え、この実施形態では、受け体29は、二つの受け台、即ち第1及び第2受け台30,31から構成されている。尚、この受け体29は、一つの受け台から構成するようにしてもよく、或いは3つ以上の受け台から構成するようにしてもよい。
【0025】
まず、受け体29について説明すると、図示の受け体29は、一対の受け台30,31から構成され、これら受け台30,31は、実質上同一の構成であり、次に一方の受け台30(31)について説明する。第1受け台30(第2受け台31)は、複数枚(この例では、6枚)の受け台部材38から構成され、この受け台30(31)は、適宜の枚数の受け台部材を例えば次のように接続することにより構成される。各受け台部材38は細長い中空長方形状の板状部材から構成され、その両端部の開口を塞ぐように端部材45が装着されている。各受け台部材38の下面には細長い下面開口39が設けられ、この下面開口39の両側部に、内側に突出する内フランジ部41が設けられている。
【0026】
複数枚の受け台部材38の両端部には、その幅方向(
図3及び
図4において左右方向)に貫通する貫通孔(図示せず)が設けられ、これら貫通孔を通して弾性連結部材40(例えば、ゴム状部材)が装着され、かかる弾性連結部材40の両端部を結束するにより、複数の受け台部材38が幅方向に連結されている。この形態では、隣接する受け台部材38の間に、例えば合成樹脂製のスペーサ部材46が介在され、かかるスペーサ部材46を通して弾性連結部材40が伸びており、このようにスペーサ部材46を設けることにより、受け台部材38が直接的に接触するのを防止することができる。尚、受け台部材38は、例えば、アルミニウムや鉄などの金属薄板を所要の通りに折り曲げて形成される。
【0027】
この受け台30(31)の下面の片側には、第1受け部材34が装着され、その下面の他側に第2受け部材35が装着されている。第1受け部材34は、受け台30(31)の片側に間隔をおいて配設され、この形態では、受け台30(31)の両外側の受け台部材38に装着され、第2受け部材35は、第1受け部材34と同様に、受け台30(31)の両外側の受け台部材38に装着されている。
【0028】
第1及び第2受け部材34,35は、受け台部材38の一対の内フランジ部41間に係止されるように装着され、これら内フランジ部41に沿って受け台部材38の長手方向に位置調整自在に取り付けられている。この実施形態では、第1及び第2受け部材34,35は、受け台30(31)の両外側の受け台部材38に装着されているが、両外側の受け台部材38の内側の受け台部材38に装着するようにしてもよく、或いは例えば第1受け部材34を両外側の受け台部材38に取り付け、第2受け部材35を両外側より一つ内側の受け台部材38に取り付けるようにしてもよい。また、この実施形態では、受け台30(31)の片側に一対の第1受け部材34を設け、その他側に一対の第2受け部材35を設けているが、この受け台30(31)の片側に3つ以上の第1受け部材34を設け、その他側にも3つ以上の第2受け部材35を設けるようにしてもよい。
【0029】
図4及び
図6に示すように、受け台部材38には、受け台本体43と一対の内フランジ部41との間に装着空間47が規定され、この装着空間47に第1及び第2受け部材34,35が嵌め込まれ(
図8参照)、第1及び第2受け部材34,35が嵌め込まれた後に、その両端部に端部材45が装着される。第1及び第2受け部材34,35は、実質上同一の構成であり、以下、第1受け部材34(第2受け部材35)について説明する。
【0030】
主として
図8~
図10を参照して、図示の第1受け部材34(第2受け部材35)は、矩形状の中空本体部60を備え、この中空本体部60の片面部に第1受け部62(第2受け部63)が一体的に設けられ、この第1受け部62(第2受け部63)が略半円状の受け凹部を規定する。また、中空本体部60の他面部の4隅部に対応して、4個の舌状ばね部64が設けられ、これら舌状ばね部64の先端部に外側に突出する突起部66が設けられている。
【0031】
このように構成されているので、受け台部材38の装着空間47に第1受け部材34(第2受け部材35)を装着した状態では、
図8に示すように、第1受け部62(第2受け部63)は、受け台部材38の下面開口39を通して下方に突出し、第1受け部材34(第2受け部材35)を受け台部材38の長手方向に移動させると、その第1受け部62(第2受け部63)は受け台部材38の下面開口39内を移動する。また、この装着状態では、各舌状ばね部64の突起部66が受け台本体43の内面に作用し、これによって、第1受け部材34(第2受け部材35)の中空本体部60が受け台部材38の一対の内フランジ部41の内面に弾性的に押し付けられ、これによって、第1受け部材34(第2受け部材35)が受け台部材38の所定位置に保持される。
【0032】
次に、受け体29を支持する第1及び第2支持部材32,33及びこれに関連する構成について説明する。
図1、
図2、
図4、及び
図11~
図12を参照して、この実施形態では、第1支持部材32を取り付けるために、収容本体6の片側に一対の第1取付部材36が着脱自在に装着され、また第2支持部材33を取り付けるために、収容本体6の他側に一対の第2取付部材37が装着される。第1取付部材36及び第2取付部材37は、実質上同一の構成であり、以下、第1取付部材36(第2取付部材37)について説明する。 図示の第1取付部材36(第2取付部材37)は、収容本体6の一部に装着される第1挟持部72(第2挟持部73)と、第1支持部材32(第2支持部材33)を支持するための第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)とを有し、第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)が第1挟持部72(第2挟持部73)の上側先端部に設けられている。第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)及び第1挟持部72(第2挟持部73)は、例えば合成樹脂の一体成形により形成される。第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)には、円弧状の舌状ばね部74が設けられ、この舌状ばね部74の内面には、内側に突出する突出部76が設けられ、これにより、第1導通取付部70(第2挿通取付部71)の内径が局部的に幾分小さくなっている。
【0033】
この第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挟持部72(第2挟持部73)の対向する双方の内面には、複数の鋸歯状突部78が設けられ、この実施形態では、第1挟持部72(第2挟持部73)の複数の鋸歯状突部78間に収容本体6のフランジ状縁部16が挿入挟持され、このようにして第1取付部材36(第2取付部材37)が収容本体6の片側(他側)に取り付けられる。この挟持保持状態においては、複数の鋸歯状突部78が収容本体6のフランジ状縁部16に食い込むように作用し、従って、このフランジ状縁部16の挟持状態が保持される。
【0034】
尚、この鋸歯状突部78は、第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挟持部72(第2挟持部73)の対向する内面の双方に設ける必要はなく、対向する内面のいずれかの一方に設けるようにしてもよく、第1挟持部72(第2挟持部73)により収容本体6のフランジ状縁部16を確実に挟持できるときには、かかる鋸歯状突部78を省略するようにしてもよい。
【0035】
この実施形態では、
図1及び
図2に示すように、収容本体6の片側の一対のフランジ縁部16に第1取付部材36の第1挟持部72が着脱自在に取り付けられ、かかる一対の第1取付部材36の第1挿通取付部70間に第1支持部材32が着脱自在に装着され、また収容本体の他側の一対のフランジ縁部16に第2取付部材37の第2挟持部73が着脱自在に取り付けられ、かかる一対の第2取付部材37の第2挿通取付部71間に第2支持部材33が着脱自在に取り付けられる。第1支持部材32及び第2支持部材33は、実質上同一の構成であり、以下第1支持部材32(第2支持部材33)の構成について説明する。
【0036】
図1及び
図2とともに、
図7を参照して、第1支持部材32(第2支持部材33)は、中空の第1パイプ本体50(第2パイプ本体51)を備え、この第1パイプ本体50(第2パイプ本体51)は、複数本(この実施形態では、2本)の第1パイプ部材52(第2パイプ部材53)から構成されている。一方(
図7において左側)の第1パイプ部材52(第2パイプ部材53)には、短尺の接続パイプ54が嵌入されてリベット55で接合されている。この接続パイプ54は、一方の第1パイプ部材52(第2パイプ部材53)から軸方向に突出し、他方の第1パイプ部材52(第2パイプ部材53)は、この接続パイプ54を被嵌するように着脱自在に連結される。
【0037】
第1パイプ本体50(第2パイプ本体51)の両端部、即ち接続パイプ54を介して連結された第1パイプ部材52(接続パイプ54を介して連結された第2パイプ部材53)の両端部には、第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)が、例えば圧入などにより取り付けられる。この第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)には、内側に突出する第1取付部58(第2取付部59)が設けられ、第1パイプ本体52(第2パイプ本体53)の両端側の一対の第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)の第1取付部58(第2取付部59)間に紐状弾性部材44(例えば、ゴム紐)が取り付けられている。この紐状弾性部材44は、第1パイプ本体52(第2パイプ本体53)内を軸方向に延び、一対の第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)を内側に弾性的に偏倚するように作用し、これにより、第1パイプ部材52(第2パイプ部材53)が接続パイプ54を介して接続された状態に保たれる。
【0038】
尚、第1パイプ本体52(第2パイプ本体53)は、接続連結される3本以上のパイプ部材から構成するようにしてもよく、このような構成に代えて、一本のパイプ部材から構成するようにしてもよく、一本のパイプ部材から構成する場合、紐状弾性部材44は省略することができる。
【0039】
この実施形態では、更に、第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)の外周面に、一対の第1突条部84(第2突条部85)が設けられ、かかる第1突条部84(第2突条部85)が第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)の軸方向に延びている。この第1突条部84(第2突条部85)については、
図7において一方の第1閉塞部材84(第2閉塞部材57)に設けられた一つのみを示している。
【0040】
第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)側の一対の第1突条部84(第2突条部85)に対応して、第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)の内周面に一対の第1凹条部86(第2凹条部87)が設けられ、第1凹条部86(第2凹条部87)は、この第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)の一端から他端まで延びている(
図11及び
図12参照)。
【0041】
このように構成されているので、第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)側の一対の第1突条部84(第2突条部85)と第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)側の一対の第1凹条部86(第2凹条部87)を整合さることにより、第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)及び第1パイプ本体52(第2パイプ本体53)を第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)を通して挿入することができ、このように挿入することによって、収容本体6に装着された一対の第1取付部材36(第2取付部材37)間に第1支持部材32(第2支持部材33)を着脱自在に取り付けることができる。
【0042】
このように装着した後、第1取付部材36(第2取付部材37)に対して第1パイプ本体52(第2パイプ本体53)を相対的に回動させることにより、第1閉塞部材56(第2閉塞部材57)側の一対の第1突条部84(第2突条部85)と第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)側の一対の第1凹条部86(第2凹条部87)との整合状態が解除され、この整合解除状態においては、一対の第1突条部84(第2突条部85)が第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)に当接するようになり、従って、第1取付部材36(第2取付部材37)がこの第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)を通して外れることがない。
【0043】
この受け台構造3は、例えば、次の通りにしてキャリーカート2の収容本体6に着脱自在に取り付けられ、市販されたキャリーカート2の収容本体に後付けでもって取り付けることができる。
図1~
図4を参照して、この受け台構造3を取り付けるには、まず、収容本体6の片側の一対のフランジ状縁部16に第1取付部材36を装着し、その他側の一対のフランジ状縁部16に第2取付部材37を装着する。第1取付部材36(第2取付部材37)の取付けは、第1取付部材36(第2取付部材37)の第1挟持部72(第2挟持部73)に容器本体6のフランジ状縁部16を挿入するように行い、このように取り付けた状態では、第1取付部材72(第2取付部材73)は、対応する支柱18の支持フランジ部25により支持される。
【0044】
次いで、収容本体6の片側の一対の第1取付部材36間に第1支持部材32を取り付けるとともに、その他側の一対の第2取付部材37間に第2支持部材33を取り付ける。第1支持部材32(第2支持部材33)の取付けは、第1支持部材32(第2支持部材33)側の一対の第1突状部84(第2突条部85)と一対の第1取付部材36(第2取付部材37)側の一対の第1凹条部86(第2凹条部87)とを整合させた状態で、第1支持部材32(第2支持部材33)の一端側から一対の第1取付部材32(第2取付部材33)の第1挿通取付部70(第2挿通取付部71)を通して挿通するようにして行い、このように挿通した装着状態では、第1支持部材32(第2支持部材33)の第1パイプ本体50(第2パイプ本体51)が一対の第1取付部材36,37(第2取付部材37)間に支持される。
【0045】
この装着状態においては、
図2に示すように、第1支持部材32は、収容本体6の片側の開口縁部14の内側にて収容本体6の前後方向(この具体例では、長手方向)にその全長にわたって延び、第2支持部材33は、収容本体6の他側の開口縁部14の内側にて収容本体6の前後方向にその全長にわたって延びる。
【0046】
その後、受け体29(この実施形態では、第1及び第2受け台30,31)を第1及び第2支持部材32,33に装着する。第1受け台30(第2受け台31)の取付けは、受け台30(31)側の一対の第1受け部材34の第1受け部62を第1支持部材32に対応するように位置調整し、また受け台30(31)側の一対の第2受け部材35の第2受け部63を第2支持部材33に対応するように位置調整し、このように位置調整した状態にて、受け台30(31)を上から押さえ、受け台30(31)側の第1受け部材34の第1受け部62に第1支持部材32を嵌め込み、また第2受け部材35の第2受け部63に第2支持部材33を嵌め込むようにして行う。
【0047】
このように装着した状態では、
図1~
図4から理解される如く、受け体29は収容本体6の全体上方を覆い、収容本体6内にレジャー用品などの荷物を収容した状態においてこのキャリーカート2をテーブル、物置台などとして利用することができる。尚、この実施形態では、受け体29が二つの受け台30,31から構成されているので、例えば、一方の受け台30(又は31)を収容本体6の前部(又は後部)に装着するようにすることもでき、この場合、受け台30(又は31)は、例えば収容本体6の前側上方(又は後側上方)を覆い、この収容本体6の前部(又は後部)をテーブルなどとして使用し、開放された後部開口(又は前部開口)を通して収容本体6内に収容された荷物を取り出したり、収容したりすることができる。
【0048】
以上、本発明に従う受け台構造及びこれを備えたキャリーカートの一実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0049】
例えば、上述した実施形態では、受け台構造3を備えたキャリーカート2としてその全体を説明したが、このような適用例に限定されず、市販の種々のキャリーカートに後付けでもってこの受け台構造3を適用することができる。
【0050】
また、例えば、上述した実施形態では、受け台構造3の第1取付部材36を収容本体6の片側に装着し、その第2取付部材37を収容本体6の他側に装着しているが、この収容本体6に代えて、この第1取付部材36をフレーム本体4の片側(例えば、片側の支持フランジ部25)に装着し、この第2取付部材37をフレーム本体4の他側(例えば、他側の支持フランジ部25)に装着するようにしてもよい。この場合、図示していないが、第1及び第2取付部材36,37は、例えば、第1及び第2挟持部72,72A(73,73A)及びフレーム本体4の支持フランジ部25を貫通して取付ボルトを取り付け、この取付ボルトのねじ部に固定ナットを螺着することにより、このフレーム本体4に取り付けることができる。
【0051】
また、第1取付部材(第2取付部材)として、
図13に示す形態のものを用いることもできる。第1取付部材(第2取付部材)の変形形態を示す
図13において、この形態の第1取付部材36A(第2取付部材37A)においては、第1挿通取付部70A(第2挿通取付部71Aは、第1挟持部70A(第2挟持部71A)の上側接続基部に設けられており、その他の構成は、上述した第1取付部材70(第2取付部材71)と実質上同一であり、第1挿通取付部70A(第2挿通取付部71A)に舌状ばね部74が設けられ、第1挟持部72A(第2挟持部73A)に複数の鋸歯状突部78が設けられる。
【0052】
第1取付部材36A(第2取付部材37A)は、上述したものに代えて用いることができ、この第1取付部材36A(第2取付部材37A)を用いた場合、
図13と
図11とを対比することにより容易に理解される如く、収容本体6に取り付けた状態にて第1取付部材36A(第2取付部材37A)の第1挿通取付部70A(第2挿通取付部71A)が上述した実施形態よりも外側に位置し、これによって、収容本体6の上面開口における、第1支持部材32(第2支持部材33)によって塞がれる領域がより小さくなり、その結果、荷物の取出し、収納が容易となる。
【符号の説明】
【0053】
2 キャリーカート
3 受け台構造
4 フレーム本体
6 収容本体
29 受け体
30,31 受け台
32,33 支持部材
34,35 受け部材
36,36A,37,37A 取付部材
38 受け台部材
50,51 パイプ本体
62,63 受け部
70,70A,71,71A 挟持取付部
72,72A,73,73A 挟持部
84,85 突条部
86,87 凹条部