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特許7188778生体組織のアブレーションまたは電気穿孔を実施するための電気手術器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】生体組織のアブレーションまたは電気穿孔を実施するための電気手術器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20221206BHJP
   A61N 1/30 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
A61B18/18 100
A61N1/30
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019561164
(86)(22)【出願日】2018-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 EP2018064467
(87)【国際公開番号】W WO2018224404
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】1709134.9
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512008495
【氏名又は名称】クレオ・メディカル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CREO MEDICAL LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンコック,クリストファー・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ,ジョン
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0066913(US,A1)
【文献】特表2002-541884(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0015570(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00-18/18
A61N 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療部位の生体組織に電磁エネルギーを供給する電気手術器具であって、
内部導体、外部導体及び前記外部導体から前記内部導体を分離する誘電材料を含む、同軸伝送線であって、前記同軸伝送線が、マイクロ波電磁(EM)エネルギーを伝達するように構成されている、前記同軸伝送線と、
放射先端部の周囲の場として、前記同軸伝送線から前記マイクロ波EMエネルギーを受けて、前記マイクロ波EMエネルギーを発するために、前記同軸伝送線の遠位端に取り付けられた前記放射先端部と、
前記放射先端部の方へ前記同軸伝送線に沿って延在する、補助伝送線であって、電気穿孔波形を有する電磁エネルギーを伝送するように構成されている、前記補助伝送線と、
前記放射先端部に取り付けられて、前記補助伝送線に電気的に接続される、微小電極アレイと
を備え
前記微小電極アレイが、前記補助伝送線から、電気穿孔波形を有する前記電磁エネルギーを受けて、前記放射先端部で、生体組織の電気穿孔のための電界を生成するように構成される、前記電気手術器具。
【請求項2】
前記放射先端部が、前記同軸伝送線の前記遠位端に取り付けた誘電体キャップを含み、
前記微小電極アレイが、前記誘電体キャップの外側表面に取り付けられる、請求項1に記載の電気手術器具。
【請求項3】
前記同軸伝送線の前記内部導体が、放射アンテナ構造を形成するために、導電性フィンガーとして前記外部導体の遠位端を越えて延在する、請求項1または2に記載の電気手術器具。
【請求項4】
電気穿孔波形を有する前記電磁エネルギーが、高周波または低周波電磁(EM)信号である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項5】
前記補助伝送線がツイストペア線を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項6】
前記同軸伝送線の前記内部導体が、長手方向に延在する通路を画定する、中空であり、
前記補助伝送線が、前記長手方向に延在する通路を通過する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項7】
前記補助伝送線が、第1極の導電素子及び第2極の導電素子を備え、
前記微小電極アレイが、前記第1極の導電素子もしくは前記第2極の導電素子のうちのいずれかと電気接触する、複数の電極素子を備える、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項8】
前記複数の電極素子が、1つ以上の電極素子の対に配置され、前記電極素子の対の1つの電極素子は第1極の導電素子に接続され、前記電極素子の対の他の1つの電極素子は第2極の導電素子に接続される、請求項7に記載の電気手術器具。
【請求項9】
それぞれの電極素子対の前記電極素子が、0.1~0.5mmの距離で互いに離間配置される、請求項8に記載の電気手術器具。
【請求項10】
前記複数の電極素子のそれぞれが、前記放射先端部の表面から突出している、請求項7から9のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項11】
前記複数の電極素子のそれぞれが、ナノスケールの導電構造である、請求項7~10のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項12】
前記微小電極アレイが、前記放射先端部の周囲を巻く、1つ以上のシートに装着される、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項13】
前記放射先端部と前記同軸伝送線の間に取り付けられる、インピーダンス変成器を含む、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項14】
前記同軸伝送線及び前記補助伝送線が、前記放射先端部から近位方向に延在する可撓軸に沿って、または前記可撓軸の内部に延在する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の電気手術器具。
【請求項15】
治療部位の生体組織に電磁エネルギーを供給するための電気手術装置であって、
マイクロ波電磁(EM)エネルギーを含む第1信号、及び電気穿孔波形を有する電磁エネルギーを含む第2信号を出力するように構成される、電気手術用ジェネレーターと、
前記電気手術用ジェネレーターに接続される、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の電気手術器具と
を備え、
前記同軸伝送線が、前記第1信号を伝達するように構成され、
前記補助伝送線が、前記第2信号を伝達するように構成される、前記電気手術装置。
【請求項16】
前記電気手術用ジェネレーターが、前記第2信号を生成するパルス生成器回路を含む、請求項15に記載の電気手術装置。
【請求項17】
前記パルス生成器回路が、所望の周波数で電源電圧のON/OFFを切り替えることができる、1つ以上の高速スイッチング素子を備える、請求項16に記載の電気手術装置。
【請求項18】
前記高速スイッチング素子が、プッシュプル構成の一対のパワーMOSFETを備える、請求項17に記載の電気手術装置。
【請求項19】
前記パルス生成器回路が、前記補助伝送線に沿って前記微小電極アレイへ供給するための、電気穿孔波形を出力するように構成されており、前記電気穿孔波形が、
1ナノ秒~10ミリ秒の範囲のパルス幅、
10V~10kVの範囲のパルス振幅、及び
50%以下のデューティサイクル、のうちのいずれか1つ以上を有する、請求項16~18のいずれか一項に記載の電気手術装置。
【請求項20】
外科用スコープ装置を更に備え、
前記放射先端部及び前記可撓軸が、前記外科用スコープ装置の器具チャネル内に挿入可能であるように、必要な大きさにされる、請求項15~19のいずれか一項に記載の電気手術装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体組織を治療するために、マイクロ波電磁(EM)エネルギーを供給する、電気手術器具に関する。特に、本発明は、最小限に侵襲的な方法で腫瘍を治療するために、外科用スコープ装置の器具チャネル(例えば、内視鏡または気管支鏡)を通して導入することができる、電気手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
気管支樹が小さな寸法であるため、肺腫瘍に接近すること、特に小結節が発生しそうな末梢領域の方に接近することは、本質的に難しい。これにより、化学療法(標的医療、抗癌剤(化学療法剤))、放射線療法(電離放射線の提供)、手術(侵襲的、及び最小限に侵襲的)及びRF/マイクロ波アブレーションなどの、使用されている、多くの治療の選択肢が得られてきた。外科的処置は、肺切除(1つの肺の除去)、肺葉切除(肺葉の除去)、管状肺葉切除(胚葉と、それに付着する気管支の一部の切除)、楔状切除(肺の楔形部分の除去)、及び区域切除/部位切除(肺の特定部位の切除)を含む。
【0003】
肺及び他の体組織の種々の症状を治療するために、マイクロ波を発するプローブを使用することは知られている。例えば、肺で、マイクロ波放射は、喘息を治療し、腫瘍または病変を切除するために使用できる。
【0004】
別の種類の腫瘍の治療は、電気穿孔(または、電気透過化処理)として知られている効果を利用する。この技術で、電気パルスが生体組織に印加されて、標的部位の細胞膜にナノスケール孔を開かせる。孔は、通常、細胞膜を通過できない抗癌剤または他の物質が、細胞に入るのを可能にする。次に、孔は、細胞内に物質を取り込むために再封止できて、それにより、治療効果(例えば、細胞を死滅させる)を生じさせることができる。
【0005】
細胞膜に永続的なナノスケール孔を作成するために、電気穿孔を使用することも知られている。これらの孔は再封止せず、そうして細胞恒常性を破壊して、最終的に細胞死をもたらす。この技術は、不可逆的な電気穿孔、または非熱不可逆的な電気穿孔として知られている。
【0006】
例えば、マイクロ波エネルギーを使用する、熱アブレーションとは異なり、不可逆的な電気穿孔は、細胞外マトリックスを維持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最も概括的には、本発明は、最小限に侵襲的な方法で、熱アブレーション(例えば、マイクロ波電磁エネルギーを使用して)及び電気穿孔(例えば、非熱不可逆的な電気穿孔)の両方を実行できる、電気手術器具を提供する。電気手術器具は、外科用スコープ装置(例えば、内視鏡、胃内視鏡、気管支鏡など)の器具チャネルを通って運搬されて、器具が、非経皮的な方法で治療部位へ輸送されるのを可能にすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様で、治療部位の生体組織に電磁エネルギーを供給するための電気手術器具が提供されており、電気手術器具は、内部導体、外部導体及び外部導体から内部導体を分離する誘電材料を含む、同軸伝送線であって、同軸伝送線が、マイクロ波電磁(EM)エネルギーを伝達するように構成されている、前記同軸伝送線と、放射先端部周囲の場として、同軸伝送線からマイクロ波EMエネルギーを受けて、マイクロ波EMエネルギーを発するために、同軸伝送線の遠位端に取り付けられた放射先端部と、放射先端部の方へ同軸伝送線に沿って延在する、補助伝送線であって、電気穿孔波形を有する電磁エネルギーを伝送するように構成されている、補助伝送線と、放射先端部に取り付けられて、補助伝送線に電気的に接続される、微小電極アレイと、を備え、微小電極アレイは、補助伝送線から、電気穿孔波形を有する電磁エネルギーを受けて、それにより、放射先端部で、生体組織の電気穿孔のための電界を生成するように構成される。
【0009】
上記構造で、器具は、マイクロ波エネルギーによるアブレーション、または微小電極アレイにより発される電界による電気穿孔を、選択的に実行するために使用できる。
【0010】
放射先端部は、マイクロ波EMエネルギーを発するためのアンテナを含んでもよい。例えば、放射先端部は、同軸伝送線の遠位端に取り付けた誘電体キャップを含んでもよい。微小電極アレイは、誘電体キャップの外側表面に取り付けられることができる。同軸伝送線の内部導体は、外部導体の遠位端を越えて延在して(例えば、導電性フィンガーとして)、放射単極を形成できる。誘電体キャップは、適切な低損失材料(例えば、セラミック)から作成されてもよい。誘電体キャップは、同軸伝送線を装填して、外科用スコープ装置の器具チャネル内への挿入に適した方法で、アンテナが必要な寸法にされるのを可能にすることができる。
【0011】
補助伝送線は、高周波または低周波電磁(EM)信号を伝達するように構成されることができる。すなわち、電気穿孔波形を有する電磁エネルギーは、高周波または低周波電磁(EM)信号でもよい。一例で、補助伝送線はツイストペア線を含むことができる。
【0012】
同軸伝送線は、その内部に(例えば、その内部に形成される長手方向路に)補助伝送線を収容できる。例えば、同軸伝送線の内部導体は、長手方向に延在する通路を画定する、中空でもよい。補助伝送線は、長手方向に延在する通路に沿って延在できる。
【0013】
補助伝送線は、第1極の導電素子及び第2極の導電素子を備えてよい。電気穿孔の電界は、これらの極の間の電位差により画定されることができる。微小電極アレイは、第1極の導電素子もしくは第2極の導電素子のうちのいずれかと電気接触する、複数の電極素子を備えることができる。例えば、複数の電極素子は、反対の位置に分極した、1つ以上の電極素子の対に配置されることができる。対は、放射先端部の表面上に配置されることができる。各対は、その電極素子の間に電界を作成して、その一対に隣接する組織に電気穿孔を生じさせることができる。それぞれ反対の位置に分極した電極素子対の電極素子は、0.1~0.5mmの距離で互いに離間配置されてもよい。
【0014】
複数の電極素子のそれぞれは、放射先端部の表面から突出してもよい。突出部の程度は、非常に小さくてもよく、例えばナノスケール(すなわち、100nm以下)でもよくて、好ましくは10nm以下でもよい。一例にて、複数の電極素子のそれぞれは、ナノスケールの導電構造(例えば、カーボンナノチューブなど)を含んでもよい。
【0015】
微小電極アレイは、放射先端部の周囲を巻く、1つ以上のシートに作製されることができる。例えば、1つ以上のシートは、誘電体キャップの外側表面に適合するために伸張する、一対の弾性薄膜を備えることができる。各シートは、その上に作製される、または固定される、複数の電極素子を有することができる。各シート上の電極素子は、電気的に相互接続できる。それぞれ反対の位置に分極された電極素子対の電極素子は、異なるシート上にあってもよい。
【0016】
同軸伝送線のインピーダンスを放射先端部のインピーダンスに適合させるのを補助するために、放射先端部と同軸伝送線の間に取り付けられる、インピーダンス変成器があってもよい。
【0017】
同軸伝送線及び補助伝送線は、例えば、治療部位に器具を動かすのを補助するために、可撓軸に沿って、または可撓軸の内部に延在できる。一例にて、放射先端部及び可撓軸は、外科用スコープ装置(例えば、内視鏡、胃内視鏡、気管支鏡など)の器具チャネル内に挿入可能であるように、必要な大きさにされることができる。
【0018】
別の態様で、本開示は、治療部位の生体組織に電磁エネルギーを供給するための電気手術装置を提供し、装置は、マイクロ波電磁(EM)エネルギーを含む、第1信号、及び電気穿孔波形を有する電磁エネルギーを含む、第2信号を出力するように構成される、電気手術用ジェネレーターと、電気手術用ジェネレーターに上述のように接続される、電気手術器具とを備え、同軸伝送線は、第1信号を伝達するように構成されており、補助伝送線は、第2信号を伝達するように構成されている。
【0019】
電気手術用ジェネレーターは、第2信号を生成するためのパルス生成器回路を含むことができる。一例にて、パルス生成器回路は、所望の周波数で電源電圧のON/OFFを切り替えることができる、1つ以上の高速スイッチング素子(例えば、パワーMOSFET)を備えてもよい。
【0020】
パルス生成器回路は、補助伝送線に沿って微小電極アレイへ供給するための、電気穿孔波形を出力するように構成される。電気穿孔波形は、可逆的または不可逆的な電気穿孔が、治療部位で実行されるのを可能にするように構成されることができる。パルス生成器回路は、制御可能で(例えば、ユーザによって調整可能で)、異なる電気穿孔効果を得ることができる。例えば、パルス生成器回路は、1ナノ秒~10ミリ秒の範囲のパルス幅、10V~10kVの範囲のパルス振幅、及び50%以下のデューティサイクルのうちのいずれか1つ以上を有する、電気穿孔波形を提供するために調節可能であり得る。
【0021】
本明細書で「マイクロ波」は概して、400MHz~100GHzの周波数範囲、だが好ましくは400MHz~60GHzの範囲を示すために使用してよい。考慮される特定の周波数は、433MHz、915MHz、2.45GHz、3.3GHz、5.8GHz、10GHz、14.5GHz及び24GHzである。装置は、これらのマイクロ波周波数のうちの2つ以上でエネルギーを供給できる。「高周波」または「RF」という用語は、300kHzと400MHzの間の周波数を示すために用いることができる。「低周波」または「LF」という用語は、30kHz~300kHzの範囲の周波数を指すことができる。
【0022】
本明細書で、「内側」という用語は、器具チャネルの中心(例えば、軸)に半径方向に近いことを意味する。「外側」という用語は、器具チャネルの中心(軸)から半径方向に遠いことを意味する。
【0023】
「導電性」という用語は、文脈で明らかにそうではなことを記載する場合を除いて、電気伝導性を意味するために本明細書で使用される。
【0024】
本明細書で「近位」及び「遠位」という用語は、それぞれ治療部位から離れた、及びそれに近いエネルギー伝送構造の末端を指す。したがって、使用中、近位端はマイクロ波エネルギーを提供する発生器に近いが、遠位端は治療部位(すなわち、患者)に近い。
【0025】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態である、電磁ナビゲーション気管支鏡装置と共に使用する、肺切除システムを示す、概略図である。
図2】本発明と共に使用できる、気管支鏡器具コードの器具コードによる、概略断面図である。
図3】本発明の実施形態である、電気手術器具の遠位端による、概略部分断面側面図である。
図4】本発明の実施形態である、電気手術器具の遠位先端領域の概略図である。
図5A図4の器具と共に使用するのに適した、第1電極アレイ薄膜の概略図である。
図5B図4の器具と共に使用するのに適した、第2電極アレイ薄膜の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、侵襲的な電気手術器具の遠位端にマイクロ波エネルギーを供給することが可能な、完全な電気手術システム100の概略図である。システム100は、マイクロ波エネルギー、及び本発明の実施形態で電気穿孔のためのエネルギーを制御可能に供給するための、ジェネレーター102を含む。電気穿孔のエネルギーは、高周波(RF)または低周波(LF)帯域の、パルス状または正弦波状(例えば、連続波電磁波)を含むことができる。本明細書で、RFとは、300kHz~300MHzの範囲の周波数を意味し得る。LFとは、30kHz~300kHzの範囲の周波数を指すことができる。
【0028】
この目的のための適切なジェネレーターは0.、国際特許出願第WO2012/076844号に記載されており、それは参照により本明細書に組み込まれる。伝達される適切な出力レベルを判定するために、ジェネレーターは、器具から返されて、受信した反射信号を監視するように構成され得る。例えばジェネレーターは、適切な出力送達レベルを判定するために、器具の遠位端で見られるインピーダンスを算出するように構成され得る。ジェネレーターは、後述するように、一連のパルスで出力を供給するように構成されることができる。
【0029】
ジェネレーター102は、インターフェイスケーブル104によってインターフェイスジョイント106に接続される。必要であれば、インターフェイスジョイント106は、トリガー110を摺動させることによって操作可能である器具制御機構を収容して、例えば1つ以上の制御ワイヤまたはプッシュロッド(図示せず)の長手方向の動き(前後)を制御できる。複数の制御ワイヤがある場合、完全な制御を提供するためにインターフェイスジョイント上に複数の摺動トリガーがあってもよい。インターフェイスジョイント106の機能は、ジェネレーター102及び器具制御機構からの入力を、インターフェイスジョイント106の遠位端から延在する単一の可撓軸112内に結合することである。
【0030】
可撓軸112は、外科用スコープ装置114(例えば、内視鏡、胃内視鏡、腹腔鏡など)の器具(作業)チャネルの全長を通して挿入可能である。
【0031】
外科用スコープ装置114は、そこから器具コード120が延在する、多くの入力ポート及び出力ポートを有する本体116を備える。器具コード120は、複数の管腔を取り囲む外側ジャケットを備える。複数の管腔は、本体116から器具コード120の遠位端まで様々なものを運搬する。複数の管腔のうちの1つは、器具チャネルである。他の管腔は、例えば遠位端に照明を提供するまたは遠位端から画像を収集するために、光放射を伝送するチャネルを含んでもよい。本体116は、遠位端を見るための接眼部122を含んでよい。遠位端に照明を提供するために、光源124(例えば、LEDなど)は照明入力ポート126によって本体116と接続できる。
【0032】
可撓軸112は、外科用スコープ装置114の器具チャネルを通って、その遠位端で(例えば、患者内部に)突出するように成形した、遠位アセンブリ118(図1で縮尺どおりには示されていない)を有する。遠位端アセンブリは、本明細書で示すように、生体組織内にマイクロ波エネルギーを送達するための作動先端部を含む。
【0033】
後述する遠位アセンブリ118の構造は、2.0mm以下、例えば1.9mm未満(好ましくは1.5mm未満)の最大外径を有するように設計されることができ、可撓軸の長さは1.2m以上であることができる。
【0034】
本体116は可撓軸に接続するための電力入力ポート128を含み、それは、ジェネレーター102からのマイクロ波エネルギーを遠位アセンブリ118へ伝送することが可能な同軸ケーブル(例えば、従来の同軸ケーブル)と、それと併せて、電気穿孔のためのエネルギーを伝送するためのエネルギー伝送手段(例えば、ツイストペア線など)と、を備える。外科用スコープ装置の器具チャネルに沿って物理的に適合可能な同軸ケーブルは、以下の外径、1.19mm(0.047インチ)、1.35mm(0.053インチ)、1.40mm(0.055インチ)、1.60mm(0.063インチ)、1.78mm(0.070インチ)で利用可能である。カスタムメイドサイズの同軸ケーブル(すなわち、オーダーメイド)も使用してよい。
【0035】
上述のように、少なくとも器具コード120の遠位端の位置を制御し得ることが望ましい。本体116は、器具コード120を通って延在する1つ以上の制御ワイヤ(図示せず)によって器具コード120の遠位端に機械的に連結する、制御アクチュエータ130を含んでもよい。制御ワイヤは、器具チャネル内またはそれ自身の専用チャネル内を移動し得る。制御アクチュエータ130は、レバーもしくは回転ノブ、または他の任意の周知のカテーテル操作装置でもよい。器具コード120の操作は、例えばコンピュータ断層撮影(CT)画像から組み立てたバーチャル3次元マップを使用する、ソフトウェア支援によってもよい。
【0036】
図2は、器具コード120の軸の断面図である。この実施形態で、器具コード120内に4つの管腔が存在している。最も大きい管腔は、器具チャネル132である。他の管腔には、カメラチャネル134と、一対の照明チャネル136とが含まれているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、他の管腔(例えば、制御ワイヤのため、または流体の送達もしくは吸引のための)が存在する場合がある。
【0037】
本発明は、器具チャネルの遠位端で電気穿孔を実施できる、器具を提供することを試みる。
【0038】
以下の記載は、記載の遠位アセンブリ118での使用に適切である、複数のエネルギー送達構成を提供する。複数のエネルギー送達プロファイルも、開示される。エネルギー送達プロファイルのいずれかが、アンテナ構造のいずれかで使用され得ることと、すべての可能な組み合わせが、開示されているものとして理解されることと、を理解されたい。
【0039】
以下の説明で、特に記載しない限り、構成要素の長さは、同軸ケーブル/器具コードの長手方向軸に平行な方向における、その寸法を指す。
【0040】
図3は、本発明の実施形態である、電気手術器具200の遠位端の、概略部分断面側面図である。電気手術器具は、長手方向に延在する、エネルギー伝送構造を備え、この例で、それは、そこで電気穿孔のためのエネルギーを伝送する、補助伝送線を輸送する、中空の内部導体を有する可撓性同軸伝送線である。他の例で、同軸伝送線及び補助伝送線は、互いに並んで延在できる(例えば、共通のスリーブまたはシース内で)。
【0041】
同軸伝送線は、長手方向に延在する内部導体202、内部導体202に対して同心に配置されている外部導体206、及び内部導体202を外部導体206から分離している誘電体層204を有する。内部導体202は、長手方向に延在する管路208を画定する、導電性材料の管を含む。内部導体202は、最も内側の誘電導管(図示せず)の導電層(例えば、金属被覆した外側表面)でもよい。この構造により、同軸伝送線の製作を容易にして、補助伝送線と同軸伝送線の間に電気的絶縁を提供できる。
【0042】
補助伝送線は、この例で、ツイストペア線216(すなわち、管路208の長さに沿って互いの周囲に巻きつけられる一組の絶縁導線(例えば、銅線)218、220)である。
【0043】
同軸伝送線の遠位端で、器具から出て、同軸伝送線を通って、周囲環境(例えば、治療部位の生体組織)内で受信される、マイクロ波エネルギーを供給するための放射先端部がある。この例では、放射先端部は、誘電体キャップ210(例えば、セラミック、またはマイクロ波エネルギーの周波数で低損失を示す、他の材料から作成される)を有する。誘電体キャップ210は、例えば、ドーム形状の丸い先端でもよい。治療部位の性質に応じて、他の形状を使用できる。導電性フィンガー212は、同軸伝送線の外部導体206の遠位端を越えて延在する。導電性フィンガー212は、内部導体202に電気的に接続して、効果的に内部導体の拡張部を形成する。導電性フィンガー212は、その内部に1つ以上の開孔を有して、ツイストペアが通過するのを可能にする、放射導電リンク214によって内部導体202に接続できる。
【0044】
導電性フィンガー212は、誘電体キャップ210によって包囲されて、マイクロ波エネルギーを供給するための放射構造(例えば、単極アンテナ)を形成する。一方、微小電極アレイ222は、誘電体キャップ210の外側表面で形成されて、電気穿孔のためのエネルギーを供給する。微小電極アレイ222は、補助伝送線の異なる極に代わりに接続している、複数の別個の電極素子(すなわち、ツイストペアの異なる導体)を含む。したがって、微小電極アレイ222は、反対の位置に分極された、複数の電極素子対を提供する。電気穿孔エネルギーが供給されるとき、電界は、反対の位置に分極された電極素子対のそれぞれの間に作成される。この配置は、治療部位の生体組織への電界の適用を容易にして(すなわち、誘電体キャップに並んで)、それによって電気穿孔を実行できる。
【0045】
電極素子のそれぞれは、誘電体キャップ210の表面から突出してもよい。これにより、処置される生体組織の細胞上に電界を送達するのを補助できる。
【0046】
一例にて、各電極要素は、針状構造を備えてもよい。電極素子は、0.1mm以下(例えば、10nm)の直径でもよい。電極素子は、カーボンナノチューブ、または他の導電性ナノスケール構造でもよい。各対の反対の位置に分極された電極素子は、0.05mm~0.4mmの間の間隔であり得る。
【0047】
他の例で、誘電体キャップは、針の外側表面に作成された電極素子を備える、針として構成されることができる。
【0048】
図3に示されていないが、器具は、マイクロ波エネルギーが補助伝送線内に漏出するのを防ぐために、同軸伝送線の遠位端に取り付けたスタブフィルター(例えば、1つ以上のスタブ)を含んでもよい。同様に、電気穿孔エネルギー(例えば、RFまたはLF信号)が同軸伝送線に沿って移動するのを防ぐために、抵抗器の配置(例えば、2つに分離する誘電体を備える、セラミック、マイクロストリップまたは導波管セクション)があってもよい。これらのフィルター配置は、近位端の手持ち部でもよい。
【0049】
図4は、図3に関連して記載されている電気手術器具で使用できる、遠位先端部225の一例の概略図である。図4で、同じ参照番号は、上述の構造ですでに使用されている。
【0050】
この例では、マイクロ波エネルギーが放射先端部から効率的に供給されるのを確実にするために、導電性フィンガー212と内部導体202の間に載置される、インピーダンス変成器226がある。図3のように、導電性フィンガー212は、同軸伝送線の軸に位置合わせされて(例えば、その上にあって)、それにより、それは誘電体キャップ210に入れられている。一方、微小電極アレイ222は、誘電体キャップ210の外側表面に載置される、複数の電極素子230、232を備える。電極素子230の第1セットは、補助伝送線216の第1分極(導体)218に電気的に接続されており、一方で、電極素子232の第2セットは、補助伝送線216の第2分極(導体)220に電気的に接続される。第1及び第2のセットの電極素子230、232は、誘電体キャップ上に交互構成で載置される。この例で、円周方向の列に交互に載置されるが、他の配置も可能である。この構成で、第1セットのすべての電極素子は、第1の共通電位(第1分極218に対応する)であるが、第2セットのすべての電極素子は第2の共通電位(第2分極220に対応する)である。したがって、電気穿孔のための電界は、誘電体キャップの全体表面上に準一様に作製されることができる。
【0051】
他の例で、マイクロ波電極アレイは、誘電体キャップのサブ領域に限定されてもよく、その結果、電気穿孔が生じる位置は、器具の操作(例えば、操縦及び回転)によって制御されることができる。
【0052】
図5A及び図5Bは、図4に示される、放射先端部を製作するために使用できる、2つの下位構成要素の概略図である。図5A及び図5Bのそれぞれは、電極「薄膜」を示し、それは、誘電体キャップ210の表面に適合して、それに一致することができる可撓性シートである。図5A及び図5Bは、誘電体キャップと同じ形状を有する、その薄膜を示すが、実際には、それらは任意の適切な形状を有してよい。例えば、それらは、弾性材料の円筒状シートでもよい。
【0053】
図5Aは、その上に作製された(例えば、堆積した、または載置した、もしくは付着した)電極素子230の第1セットを有する、第1薄膜234を示す。電極素子230は、適切な導電リンク236(例えば、金属被覆片など)によって、相互に接続できる。電極素子は、図5Aに示すように、または相互接続のネットワークによって、直列に接続されることができる。
【0054】
図5Bは、その上に作製された電極素子232の第2セットを有する、第2薄膜238を示す。電極素子232は、導電リンク238によって相互に接続する。
【0055】
第1薄膜234上の電極素子230の第1セットは、補助伝送線の第1分極218に電気的に接続している。第2薄膚238上の電極素子232の第2セットは、補助伝送線の第2分極220に電気的に接続している。第1及び第2薄膜234、238は、電気穿孔のためのエネルギーを供給するための手段によって、放射先端部を形成する誘電体キャップ上の一方に残りの一方を載置してもよい。
【0056】
電気穿孔のためのエネルギーは、本質的に、細胞膜の孔を開くように構成される、RFもしくは低周波(LF)高電圧のパルス、または正弦波エネルギーのバーストである。本発明の器具は、現在の治療薬が治療部位で、それにより細胞膜の孔を開かせ、治療薬が細胞に入ることを促進する、またはそれを可能にする、シナリオで使用されてもよい。言い換えると、器具は、従来の電気穿孔治療で使用されてもよい。
【0057】
あるいは、または更に、電気穿孔のためのエネルギーは、永久に孔を開いて、それにより、細胞の死滅を生じさせる、細胞膜への不可逆的な破壊を引き起こすように構成されることができる。つまり、器具は、不可逆的な電気穿孔(IRE)のために使用できる。
【0058】
エネルギーを電気穿孔に提供するために、ジェネレーターは、電気信号を変化させる、パルス化または振幅を発生させるための、パルス生成器回路を含むことができる。一例にて、パルス生成器回路は、1つ以上の別々のバーストの持続波(例えば、正弦波信号)を出力できる。別の例で、パルス生成器回路は、電気穿孔エネルギーのための所望の周波数で、ドレイン電源電圧のON/OFFを切り替えることができる、1つ以上の高速スイッチング素子(例えば、MOSFETトランジスタ)を備えてもよい。例えば、パルス生成器回路は、プッシュプル配置の高電圧(VDSmax>1kV)パワーMOSFETに基づいてもよい。十分に速いゲート電源静電容量及びゲートドレイン静電容量を充電するために、パルス生成器回路は、十分に高い電流を供給して、入力キャパシタンスを充電できる、ゲートドライバを含むことができる。
【0059】
一例にて、パルス生成器回路は、約900V/50ナノ秒の速いターンオン/ターンオフ速度を得るために、地電位(0V)から作動して、プッシュプル配置の2つの1.7kVのMOSFETを使用して、正パルスを生成する。
【0060】
パルス生成器回路は、補助伝送線に沿って微小電極アレイへ供給するための、電気穿孔波形を出力してもよい。
【0061】
電気穿孔波形は、1ナノ秒~10ミリ秒の範囲のパルス幅を有することができるが、本発明はこの範囲に限定される必要はない。より短い幅のパルス(例えば、10ナノ秒以下)が、可逆的な電気穿孔で好ましい場合がある。好ましくは、各パルスの立ち上がり時間はパルス幅の90%以下、より好ましくはパルス幅の50%以下、最も好ましくはパルス幅の10%以下である。より短いパルスにおいて、立ち上がり時間は100ピコ秒オーダーでもよい。
【0062】
電気穿孔波形は、10V~10kVの範囲のパルス振幅を有することができるが、本発明はこの範囲に限定される必要はない。この構成で、器具は、反対の位置に分極された電極素子対の間に最高2kV/cm(20kV/mm)の電界振幅を提供することが可能であり得る。
【0063】
電気穿孔波形は、1つのパルスまたは複数のパルス(例えば、パルスの期間列)でもよい。波形は、50%以下(例えば、0.5%~50%の範囲)のデューティサイクルがあってもよい。
【0064】
上述のように、波形は、正弦波、または別のもの(例えば、方形波など)であり得る。パルスは、地電位からの正パルス、または地電位からの一連の交互の正パルス及び負パルスでもよい。
【0065】
電気穿孔エネルギーは、所望の効果に応じて選択される、治療期間中に供給されることができる。例えば、治療期間は、短くてもよく、例えば、1秒未満、または数秒、または約1分でもよい。あるいは、治療期間は、長くてもよい(例えば、最大1時間)。
【0066】
不可逆的な電気穿孔において、長い幅のパルス、またはより多くのパルスが、可逆的な電気穿孔に関連して使用できる。例えば、一連の10~100パルスで送達される、200ミリ秒オーダーのパルス幅が、不可逆的な電気穿孔のために使用できる。一例にて、電気穿孔波形は、送達の間が約1分で、3回送達した、振幅1.5kV/cm(150V/mm)の10×300マイクロ秒のパルスを含むことができる。この波形は、肝細胞癌の細胞アポトーシスまたは細胞死を生じさせることができる。
【0067】
パルス生成器回路は、所望の治療に適合するために、電気穿孔波形を適応させる、または変化させるために制御可能でもよい。したがって、デューティサイクル、パルス幅及びパルス振幅のいずれかは、調節可能に可変であり得る。
【0068】
本明細書で開示する器具は、様々な異なる治療部位に、マイクロ波エネルギー及び電気穿孔のためのエネルギーの組み合わせを供給するのに適していてもよい。例えば、器具は、肺、胃腸管、脳、膵臓などの腫瘍を治療するために使用できる。電気穿孔エネルギーは、神経膠芽腫及び髄芽腫の細胞中和に適している場合がある。
【0069】
不可逆的な電気穿孔を実施する能力は、遠位先端部に集中される組織治療モダリティを器具に提供できる。これにより今度は、マイクロ波アブレーションモダリティが、遠位先端部周囲でより大きな量を処置するために使用されるのを可能にできる。組み合わせで、器具は、エネルギーが供給される、組織の量を選択するために制御されることができる。
【0070】
一例にて、マイクロ波エネルギーは、マイクロ波の範囲の下端(例えば、433MHzなど)の周波数を有することができる。この周波数でエネルギーを使用する利点は、同軸伝送線に沿った損失が低減され得るということであり、それは、治療部位から離れた器具チャネル周囲で、組織の不必要な加熱を回避する。
【0071】
他の例で、微小電極アレイは、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)で使用される、既存の針を使用する器具内に組み込まれることができる。この例で、微小電極アレイは、不可逆的な電気穿孔が癌細胞を死滅させるための手段として使用されるのを可能にするために、針内に組み込まれる、単一の電極対または非常に小さい直径の電極アレイを含むことができる。
【0072】
この装置は、マイクロ波エネルギーを供給するのに適している場合もある。例えば、同軸伝送線は、既存の針を使用する器具の周囲に形成されることができる(例えば、それを導電材料(例えば、Ag)でコーティングして、導電材料上の誘電体層を覆い包んで、それからその上の導電(例えば、Ag)テープ層を覆い包むことによって)。生体適合スリーブ(例えば、熱収縮層)は、構造を固定するために、最後に使用されることができる。したがって、この構成で、既存の針を使用する器具は、不可逆的な電気穿孔機能及びマイクロ波アブレーション機能のどちらかまたは両方を提供するのに適していることができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B