(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】注文管理装置、注文管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20221206BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021131512
(22)【出願日】2021-08-12
【審査請求日】2021-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】杉本 啓介
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-31611(JP,A)
【文献】国際公開第2020/075623(WO,A1)
【文献】特開2009-294838(JP,A)
【文献】特開2000-90158(JP,A)
【文献】特開2015-191576(JP,A)
【文献】特開2005-56050(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113095789(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の注文を管理する注文管理装置であって、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付部と、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整部と、
を備える、注文管理装置。
【請求項2】
前記調整部は、
厨房に配置された表示装置を、料理の調理順に該料理の注文データを並べて表示するよう制御する、
請求項1に記載の注文管理装置。
【請求項3】
前記調整部は、
前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように調整された料理の注文データを、前記ファーストオーダーの注文データが表示されている表示エリア内に割り込ませて表示するよう、前記表示装置を制御する、
請求項2に記載の注文管理装置。
【請求項4】
前記調整部は、
注文データを割り込ませて表示させた場合、割り込ませた注文データの色を、その他の注文データとは異ならせるよう、前記表示装置を制御する、
請求項3に記載の注文管理装置。
【請求項5】
前記調整部は、
注文データを割り込ませて表示させた場合、所定の音を発生するよう、前記表示装置を制御する、
請求項3に記載の注文管理装置。
【請求項6】
飲食店の注文を管理する注文管理装置による注文管理方法であって、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付ステップと、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整ステップと、
を含む、注文管理方法。
【請求項7】
飲食店の注文を管理するコンピュータに、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付手順と、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注文管理装置、注文管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店において従業員が注文を受け付ける場合には、同じテーブルに複数の利用客がいたとしても、注文を同時に受け付けることができる。そのため、飲食店では、注文を受け付けた料理の調理や提供を同じタイミングで行うことが容易であった。
【0003】
ところが、最近、飲食業界では、人口減少により従業員の数が不足し、さらに、コロナ禍の影響で、従業員と利用客との接触を避ける傾向がある。
そのため、飲食店では、従業員と利用客との接触を減らし、注文業務も利用客自身に行わせる動きが増えている。そのため、例えば、利用客が、自身のスマートフォン等の端末やテーブルに配備された注文端末から注文を行う態様の飲食店も増えている。
【0004】
しかし、利用客が自ら注文を行う運用では、各利用客の注文タイミングが互いに異なるため、料理を調理するタイミングがずれ、それにより、料理を提供するタイミングが異なってしまうことがある。
【0005】
そのため、同じテーブルにいる複数の利用客が互いに異なるタイミングで注文を行ったとしても、同じタイミングで料理を提供することが重要である。
特に、同じテーブルにいる複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理は、同じタイミングで提供できないと、複数の利用客が同じタイミングで料理を食べ始めることができなくなる。その結果、利用客の満足度低下、会計までの利用客の滞在時間が長くなる、従業員が料理の提供のために何度も配膳しなければならない、といった問題が発生する。
【0006】
そのため、最近は、上記問題を解決するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、同じテーブルにいる利用客に対して同時に配膳するための最短時刻を算出し、この時刻を配膳予定時刻とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の技術は、従業員が携帯するハンディターミナルで注文を受け付けている。そのため、同じテーブルに複数の利用客がいた場合には、注文を同時に受け付けており、同じテーブルにいる複数の利用客が互いに異なるタイミングで注文を行うケースは想定していないと考えられる。
また、特許文献1に記載の技術は、複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理を提供するタイミングを合わせるものではない。
【0009】
そこで本開示の目的は、上述した課題を解決し、同じテーブルにいる複数の利用客が互いに異なるタイミングで注文を行う場合においても、複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理を提供するタイミングを合わせることができる注文管理装置、注文管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様による注文管理装置は、
飲食店の注文を管理する注文管理装置であって、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付部と、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整部と、
を備える。
【0011】
一態様による注文管理方法は、
飲食店の注文を管理する注文管理装置による注文管理方法であって、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付ステップと、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整ステップと、
を含む。
【0012】
一態様によるプログラムは、
飲食店の注文を管理するコンピュータに、
テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付手順と、
同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルで前記ファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、前記ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整手順と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
上述の態様によれば、同じテーブルにいる複数の利用客が互いに異なるタイミングで注文を行う場合においても、複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理を提供するタイミングを合わせることができる注文管理装置、注文管理方法、及びプログラムを提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る注文管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る注文管理装置の概略的な動作の流れの例を示すフロー図である。
【
図3】関連技術により厨房ディスプレイに表示される注文データの例を示す図である。
【
図4】実施の形態1により厨房ディスプレイに表示される注文データの例を示す図である。
【
図5】実施の形態2に係る注文管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0016】
<実施の形態1>
まず、
図1を参照して、本実施の形態1に係る注文管理システムの構成例について説明する。なお、本実施の形態1は、飲食店Xの注文を管理するものとして説明する。
【0017】
図1に示されるように、本実施の形態1に係る注文管理システムは、端末10A~10C、注文管理装置20、及び厨房ディスプレイ30を備えている。端末10A~10Cと注文管理装置20とは無線ネットワークを介して接続され、注文管理装置20と厨房ディスプレイ30とは有線ネットワーク又は無線ネットワークを介して接続されているものとする。以下では、どの端末10A~10Cであるかを特定しない場合は、単に「端末10」と適宜称する。
【0018】
端末10は、飲食店Xの利用客が所有し、利用客が料理を注文するために使用する端末である。端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機等で実現される。ここでは、端末10A~10Cは、利用客A~Cがそれぞれ料理を注文するために使用する端末であるとする。
【0019】
端末10は、例えば、注文入力画面を表示し、注文入力画面上で利用客に料理を注文させる。注文入力画面を表示する仕組みとしては、例えば、以下が考えられる。すなわち、飲食店Xの各テーブルには、URL(Uniform Resource Locator)及びテーブル番号等を含むQR(Quick Response)コード(登録商標)が記述された媒体を設置しておく。端末10は、QRコードを読み取ることで、上述したURL及びテーブル番号等を取得し、そのURLにアクセスする。すると、後述する受付部21は、端末10に注文入力画面を送信し、端末10は、その注文入力画面を表示する。
【0020】
利用客は、端末10に表示された注文入力画面上で、テーブル番号及び料理情報(料理名、個数等)を対応付けて入力する。なお、テーブル番号については、QRコードから取得可能であるため、利用客の入力によらず、自動で入力されても良い。利用客は、テーブル番号及び料理情報の入力が完了すると、注文入力画面上の送信ボタンを押下する。すると、入力されたテーブル番号及び料理情報が端末10から受付部21へ送信される。
そのため、本実施の形態1では、飲食店Xの各利用客は、同じテーブルであるか否かにかかわらず、互いに異なるタイミングで料理の注文を行うことを想定する。
【0021】
なお、
図1では、利用客が、自身が所有する端末10を使用して、料理を注文していたが、これには限定されない。利用客は、飲食店Xの各テーブルに配備された注文端末を使用して、料理を注文しても良い。
【0022】
注文管理装置20は、受付部21及び調整部22を備えている。注文管理装置20は、飲食店XのPOS(Point Of Sales)端末であっても良いし、POS端末とは別に設けられたパーソナルコンピュータ等のコンピュータであっても良い。
厨房ディスプレイ30は、飲食店Xの厨房に配置され、料理の注文データを表示する。厨房ディスプレイ30は、表示装置の一例である。
【0023】
受付部21は、上述したように、注文入力画面を端末10に送信し、注文入力画面上で利用客から料理の注文を受け付ける。このとき、受付部21は、上述したように、テーブル番号及び料理情報を取得する。
【0024】
調整部22は、受付部21に受け付けられた注文の注文データであって、テーブル番号、料理情報、及び注文時刻を含む注文データを保持する。
そして、調整部22は、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルで最初に受け付けられた注文(ファーストオーダー)であるか否かを判断し、ファーストオーダーでない場合は、さらに、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文であるか否かを判断する。
【0025】
もし、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルのファーストオーダーでないが、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文である場合、その注文は、同じテーブルにいる、ファーストオーダーをした利用客とは別の利用客が最初に注文した料理である可能性が高いと考えられる。そのため、これらの料理を同じタイミングで配膳できれば、同じテーブルにいる複数の利用客が同じタイミングで料理を食べ始めることができるようになる。
【0026】
そこで、調整部22は、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルのファーストオーダーでないが、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文である場合には、その注文の料理が、ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する。なお、ファーストオーダーの料理と同じタイミングでの配膳とは、厳密に同じタイミングでなくても良く、実質的に同じタイミングであれば良い。例えば、ファーストオーダーの料理を配膳してから、所定の時間範囲内に行われた配膳は、実質的に同じタイミングと定義される。
【0027】
一方、調整部22は、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルのファーストオーダーである場合や、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文でもない場合には、上述のような、料理の調理順の調整を行わない。これらの場合には、調整部22は、料理の調理順を、注文順に応じた調理順に決定する。
【0028】
また、調整部22は、料理の調理順に、その料理の注文データを並べて表示するよう、厨房ディスプレイ30を制御する。ここで、注文データは、上述のように、テーブル番号、料理情報、及び注文時刻を含む。しかし、調整部22は、注文データに含まれる全ての要素を厨房ディスプレイ30に表示させる必要はなく、少なくともテーブル番号及び料理情報を表示させれば良い。
【0029】
また、調整部22は、同じテーブルのファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように調整された料理の注文データについては、ファーストオーダーの注文データが表示されている表示エリア内に割り込ませて表示するよう、厨房ディスプレイ30を制御する。このとき、調整部22は、厨房にいる調理人が、注文データの割り込み表示が行われたことを判断できるようにすることが好ましい。そこで、調整部22は、割り込み表示を行った注文データの色を、その他の注文データとは異ならせたり、所定の音を発生させたりするよう、厨房ディスプレイ30を制御する。
【0030】
また、調整部22は、厨房ディスプレイ30に表示させた注文データは、その注文データの調理又は提供が完了したタイミングで、表示を消去するよう、厨房ディスプレイ30を制御する。
【0031】
そのため、調整部22は、厨房ディスプレイ30にファーストオーダーの注文データの表示が残っていた場合にのみ、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の調理順を調整する。ただし、ファーストオーダー以降の所定の時間が、ファーストオーダーの料理の調理時間未満になるように設定されていれば、ファーストオーダー以降の所定の時間が経過した時点では、ファーストオーダーの注文データの表示が確実に残っていることになる。そのため、ファーストオーダー以降の所定の時間の設定によっては、調整部22は、厨房ディスプレイ30にファーストオーダーの注文データの表示が残っているか否かを判断することが不要になる。
【0032】
続いて、
図2を参照して、本実施の形態1に係る注文管理装置20の概略的な動作の流れの例について説明する。なお、ここでは、ファーストオーダー以降の所定の時間が、ファーストオーダーの料理の調理時間未満になるように設定されているものとして説明する。
【0033】
図2に示されるように、まず、受付部21は、端末10上で利用客から料理の注文を受け付ける(ステップS11)。このとき、受付部21は、テーブル番号と対応付けて、料理の注文を受け付ける。
【0034】
次に、調整部22は、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルのファーストオーダーであるか否かを判断し(ステップS12)、ファーストオーダーでない場合は(ステップS12のNo)、さらに、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文であるか否かを判断する(ステップS13)。
【0035】
ステップS13において、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文である場合は(ステップS13のYes)、調整部22は、その注文の料理が、ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する。そして、調整部22は、その注文の注文データについては、ファーストオーダーの注文データが表示されている表示エリア内に割り込ませて表示するよう、厨房ディスプレイ30を制御する(ステップS14)。
【0036】
一方、ステップS12において、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルのファーストオーダーである場合(ステップS12のYes)や、ステップS13において、受付部21に受け付けられた注文が、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文でない場合は(ステップS13のNo)、調整部22は、その注文の料理の調理順を、注文順に応じた調理順に決定する。そして、調整部22は、その注文の注文データについては、決定された調理順に表示するよう、厨房ディスプレイ30を制御する(ステップS15)。
【0037】
続いて、本実施の形態1に係る注文管理装置20の概略的な動作について、具体例を挙げて説明する。
まず、飲食店Xに、利用客A及び利用客Bの2名で来店し、テーブル#1に着席したとする。また、別組で利用客Cが来店し、テーブル#2に着席したとする。
【0038】
次に、受付部21は、テーブル#1の利用客Aにより端末10A上で行われた日替わりランチaの注文を受け付け、次に、テーブル#1とは別のテーブル#2の利用客Cにより端末10C上で行われた日替わりランチcの注文を受け付け、次に、テーブル#1の利用客Bにより端末10B上で行われた日替わりランチbの注文を受け付けたとする。また、テーブル#1に関して、受付部21は、利用客Bの注文を、利用客Aの注文以降の所定の時間内に受け付けたとする。
【0039】
この場合、関連技術では、料理の調理順は、注文順に応じて決定されるため、厨房ディスプレイ30には、注文データが注文順に表示される。そのため、厨房ディスプレイ30には、
図3に示されるように、日替わりランチa、日替わりランチc、日替わりランチbの順に注文データが表示され、その順番通りに調理が行われる。
【0040】
各料理の調理時間が仮に5分とすると、5分後に利用客Aに日替わりランチaが提供され、さらに5分後に利用客Cに日替わりランチcが提供され、さらに5分後に利用客Bに日替わりランチbが提供される。そのため、利用客Aに日替わりランチaが提供されてから10分後に、利用客Bは、日替わりランチbが提供されることになる。
【0041】
各利用客の食事時間が仮に10分とすると、利用客Bに日替わりランチbが提供されたタイミングは、利用客Aにとっては、日替わりランチaを食べ終わるタイミングになり、利用客Bが食べ終わるのを10分待たなければならない。
【0042】
これに対して、本実施の形態1では、調整部22は、テーブル#1の利用客Aの注文を、テーブル#1のファーストオーダーと判断する。また、調整部22は、同じテーブル#1でファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた利用客Bの注文による日替わりランチbが、ファーストオーダーによる日替わりランチaと同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する。そして、調整部22は、厨房ディスプレイ30には、
図4に示されるように、利用客Bの注文(日替わりランチb)の注文データについては、利用客Aのファーストオーダー(日替わりランチa)の注文データが表示されている表示エリア内に割り込ませて表示させる。
これにより、日替わりランチa及び日替わりランチbは、略同じタイミングで調理が行われるため、利用客A及び利用客Bに対して料理を提供するタイミングを、ほぼ同じタイミングに揃えることができる。
【0043】
上述したように本実施の形態1によれば、受付部21は、飲食店Xにおいて、テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける。調整部22は、飲食店Xの同じテーブルで複数の客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する。
【0044】
ここで、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文は、同じテーブルにいる、ファーストオーダーをした利用客とは別の利用客が最初に注文した料理である可能性が高いと考えられる。そのため、本実施の形態1によれば、これらの料理が同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整することで、同じテーブルにいる複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理を提供するタイミングを合わせることができる。
【0045】
また、同じテーブルにいる複数の利用客が同じタイミングで料理を食べ始めることができるようになるため、利用客の満足度の向上を図れる。また、会計までの利用客の滞在時間が短縮化されるため、飲食店Xの回転率の向上を図れる。また、従業員が料理の提供のための配膳の回数が低減されるため、料理の提供の効率化が図れる。
【0046】
<実施の形態2>
次に、
図5を参照して、本実施の形態2に係る注文管理装置20Aのハードウェア構成例について説明する。
図5に示されるように、本実施の形態2に係る注文管理装置20Aは、プロセッサ23及びメモリ24を備えている。
【0047】
プロセッサ23は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であっても良い。プロセッサ23は、複数のプロセッサを含んでも良い。
【0048】
メモリ24は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ24は、プロセッサ23から離れて配置されたストレージを含んでも良い。この場合、プロセッサ23は、図示されていないI(Input)/O(Output)インタフェースを介してメモリ24にアクセスしても良い。
【0049】
上述した実施の形態1に係る注文管理装置20は、
図5に示されるハードウェア構成を有することができる。メモリ24には、プログラムが記憶される。このプログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、上述した実施の形態1で説明された注文管理装置20の1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。上述した注文管理装置20に設けられた構成要素は、プロセッサ23がメモリ24に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されても良い。また、上述した注文管理装置20に設けられた構成要素が各種の情報又はデータを保持する機能は、メモリ24により実現されても良い。
【0050】
また、上述したプログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されても良い。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されても良い。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0051】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0052】
10A~10C 端末
20,20A 注文管理装置
21 受付部
22 調整部
23 プロセッサ
24 メモリ
30 厨房ディスプレイ
A~C 利用客
【要約】
【課題】同じテーブルにいる複数の利用客が互いに異なるタイミングで注文を行う場合においても、複数の利用客がそれぞれ最初に注文した料理を提供するタイミングを合わせること。
【解決手段】本開示は、飲食店の注文を管理する注文管理装置(20)に関する。注文管理装置(20)は、テーブル番号に対応付けて、料理の注文を受け付ける受付部(21)と、同じテーブルで複数の利用客が互いに異なるタイミングで料理の注文を行った場合において、同じテーブルで最初に受け付けられた注文をファーストオーダーとし、同じテーブルでファーストオーダー以降の所定の時間内に受け付けられた注文の料理が、ファーストオーダーの料理と同じタイミングで配膳されるように、料理の調理順を調整する調整部(22)と、を備える。
【選択図】
図1