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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】遊技用装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20221206BHJP
【FI】
A63F5/04 683
A63F5/04 671
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021152454
(22)【出願日】2021-09-17
(62)【分割の表示】P 2017094112の分割
【原出願日】2017-05-10
(65)【公開番号】P2021192841
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩原 康平
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特許第6112527(JP,B1)
【文献】特開2004-089256(JP,A)
【文献】特開2018-175557(JP,A)
【文献】特開2002-248215(JP,A)
【文献】特開2012-045086(JP,A)
【文献】特開2012-070825(JP,A)
【文献】特開2007-268175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊技情報を出力可能な遊技情報出力手段と、有利区間における遊技回数が特定回数に到達した場合、前記有利区間を終了させることが可能な制御手段と、を備える遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技用装置において、
前記遊技情報出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記遊技機において有利区間が終了することに関する情報である特定情報を表示可能な表示手段を備え、
前記表示手段は、
前記特定情報と共に遊技者が獲得した遊技媒体数に関する情報である特別情報及び時刻を示す情報である時刻情報を表示可能である
ことを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記特定情報は、
前記遊技機においてエンディング遊技状態が発生することに関する情報であり、
前記時刻情報は、
前記エンディング遊技状態の発生に関する時刻である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記遊技用装置は、
呼出ランプである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
所定の遊技情報を出力可能な遊技情報出力手段と、有利区間における遊技回数が特定回数に到達した場合、前記有利区間を終了させることが可能な制御手段と、を備える遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技用装置のコンピュータを、
前記遊技情報出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記遊技機において有利区間が終了することに関する情報である特定情報を表示可能な表示手段として機能させ、
前記表示手段は、
前記特定情報と共に遊技者が獲得した遊技媒体数に関する情報である特別情報及び時刻を示す情報である時刻情報を表示可能である
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する遊技情報を収集可能な遊技用装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技用装置として、遊技場には、ホールコンピュータと称される情報処理装置が設置され、遊技の進行に応じた遊技情報を出力する遊技機から当該遊技情報を受信し、収集するように構成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-172192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技用装置は、所定の遊技情報を出力可能な遊技情報出力手段と、有利区間における遊技回数が特定回数に到達した場合、前記有利区間を終了させることが可能な制御手段と、を備える遊技機に関する遊技情報を表示可能な遊技用装置において、前記遊技情報出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記遊技機において有利区間が終了することに関する情報である特定情報を表示可能な表示手段を備え、前記表示手段は、前記特定情報と共に遊技者が獲得した遊技媒体数に関する情報である特別情報及び時刻を示す情報である時刻情報を表示可能な構成にしてある。
【0006】
また、本発明のプログラムは、所定の遊技情報を出力可能な遊技情報出力手段と、有利区間における遊技回数が特定回数に到達した場合、前記有利区間を終了させることが可能な制御手段と、を備える遊技機に関する遊技情報を報知可能な遊技用装置を構成するコンピュータを、前記遊技情報出力手段から出力される遊技情報に基づいて、前記遊技機において有利区間が終了することに関する情報である特定情報を報知可能な報知手段として機能させ、前記報知手段は、前記特定情報と共に遊技者が獲得した遊技媒体数に関する情報である特別情報を報知可能にしてある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施形態に係る遊技用装置を含む遊技用システムの全体構成図である。
図2】第1実施形態において、遊技用システムにおける遊技信号の流れを示す信号流れ図である。
図3】第1実施形態において、遊技用装置の構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態において、遊技用装置が収集する遊技情報の一例を示す図表である。
図5】第1実施形態において、遊技用装置が判定する異常の閾値を示す図表である。
図6】第1実施形態において、収集対象となる遊技機の遊技盤の構成を示す図である。
図7】第1実施形態において、収集対象となる遊技機の遊技性能を示す図表である。
図8】第1実施形態において、遊技機から出力される遊技信号の出力態様を示すタイムチャートである。
図9】第1実施形態において、大当りの種類を判定する方法を説明するためのタイムチャートであり、(a)は、大当り信号の出力期間に基づいて大当りの種類を判定する方法を説明するためのタイムチャート、(b)は、大当り信号出力中の出玉に基づいて大当りの種類を判定する方法を説明するためのタイムチャートである。
図10】第1実施形態において、大当り後の状態を判定する方法を説明するためのタイムチャートであり、(a)は、所定の判定条件が成立した場合、その成立した時点から小当りモードであると判定する方法を説明するためのタイムチャート、(b)は、所定の判定条件が成立した場合、大当り後に遡って小当りモードであると判定する方法を説明するためのタイムチャートである。
図11】第1実施形態において、大当りとしてみなす区間を拡張する方法を説明するためのタイムチャートであり、(a)は、大当りとその後に発生する小当りモードとを含めて大当り区間とみなす場合のタイムチャートであり、(b)は、大当りとその後に発生する小当りモードとこれに続く大当りとを含めて大当り区間とみなす場合のタイムチャートである。
図12】第1実施形態において、小当りの発生回数を判定する方法を説明するためのタイムチャートである。
図13】第1実施形態において、大当り中に出力される遊技情報に基づいて、大当りの種類を判定するとともに、大当りの種類に応じて大当り後の収集区間を設定する収集区間設定処理1を示すフローチャートである。
図14】第1実施形態において、大当り後に出力される遊技情報に基づいて、大当り後の遊技状態を判定するとともに、遊技状態の種類に応じて大当り後の収集区間を設定する収集区間設定処理2を示すフローチャートである。
図15】第1実施形態において、大当り後に出力される遊技情報に基づいて、大当り後の遊技状態を判定するとともに、遊技状態の種類に応じて大当り後の収集区間を設定する収集区間設定処理3を示すフローチャートである。
図16】本発明の第2実施形態に係る遊技用装置を含む遊技用システムの全体構成図である。
図17】第2実施形態において、遊技用システムにおける遊技信号の流れを示す信号流れ図である。
図18】第2実施形態において、遊技用装置の構成を示すブロック図である。
図19】エンディング信号を受信することに基づいて報知されるエンディングに関する情報を示す図である。
図20】エンディング信号及びエンディング区間における遊技情報の出力態様を示すタイムチャートである。
図21】エンディングに関する情報を含む特賞履歴を示す図である。
図22】(a)はエンディング最大出玉を説明するためのタイムチャートを用いた図、(b)はエンディング最大出玉の表示態様を示す図である。
図23】遊技場における遊技機の設置位置を示すレイアウトにおいて、エンディング遊技状態の遊技機の位置を示す図である。
図24】(a)はエンディング体験回数及びエンディング体験率を説明するためのタイムチャートを用いた図、(b)はエンディング体験回数及びエンディング体験率の表示態様を示す図である。
図25】(a)はエンディング体験勝ち回数、エンディング体験勝ち率、エンディング体験負け回数、エンディング体験負け率を説明するためのタイムチャートを用いた図、(b)はエンディング体験勝ち回数、エンディング体験勝ち率、エンディング体験負け回数、エンディング体験負け率の表示態様を示す図である。
図26】(a)は初回エンディング打ち込み数を説明するためのタイムチャートを用いた図、(b)は初回エンディング打ち込み数の表示態様を示す図である。
図27】(a)はエンディング後即遊技終了回数及びエンディング後即遊技終了確率を説明するためのタイムチャートを用いた図、(b)はエンディング後即遊技終了回数及びエンディング後即遊技終了確率の表示態様を示す図である。
図28】エンディングに関する情報を報知する処理を示すフローチャートである。
図29】複数のエンディングが発生する場合の遊技回数に基づいて行う異常判定を説明するための図である。
図30】複数のエンディングが発生する場合において、ボーナス回数に基づいて行う異常判定を説明するための図である。
図31】エンディングに関する第1の異常判定処理を示すフローチャートである。
図32】エンディングに関する第2の異常判定処理を示すフローチャートである。
図33】第2実施形態における第1の変形例を説明するための図である。
図34】第2実施形態における第2の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
本発明に係る遊技用装置、プログラム、及び遊技用装置を備える遊技用システムの第1実施形態について、図1図15を参照して説明する。
【0009】
本実施形態に係る遊技用システム1は、図1に示すように、パチンコ機などの遊技機10や複数の遊技用装置で構成されている。
【0010】
遊技用装置としては、例えば、現金の投入(紙幣)と引き換えに遊技球などの遊技媒体を貸し出す台間機20、対を成す遊技機10に関する遊技情報の表示や店員の呼出機能を備える呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、遊技機10ごとの遊技情報を収集するホールコンピュータ60などを備えている。
また、特に図示しないが、遊技機10としてスロットマシン、台間機20としてメダルを貸し出すタイプのもの、遊技媒体を計数可能な計数装置、遊技機10で獲得した遊技媒体と所定の景品との交換を行う景品交換装置などの遊技用装置も設置されている。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0011】
このような遊技用システム1は、遊技機10、台間機20などから出力される遊技情報(遊技信号ともいう)に基づいて遊技機10ごとの遊技情報を収集する遊技情報収集システムとして構成されている。
【0012】
具体的には、遊技機10、台間機20は、遊技に関する遊技情報を送信可能な送信手段を備え、この送信手段から、図2に示すような遊技信号が出力される。
例えば、遊技機10は、遊技媒体の投入数を示すアウト信号、遊技機10に備える払出手段からの遊技媒体の払出数を示すセーフ信号(払出遊技情報)、大当り・ボーナスなど遊技者に有利な特定遊技状態を示す大当り信号、確率変動状態や特別図柄などの図柄の変動時間の短縮状態を示す確変/時短信号、特別図柄やリールの1ゲームごとの変動回数を示すスタート信号などを出力する。
台間機20は、現金等の投入額を示す売上信号、併設された遊技機を特定可能な遊技機情報などを出力する。
【0013】
なお、遊技機10がパチンコ機の場合、アウト信号はパチンコ機に併設されるアウトタンクに備える遊技球検知センサなどの送信手段から出力されるが、便宜上、遊技機10から出力されるものとして説明する。また、遊技機10がパチンコ機の場合、アウト信号は、例えば、遊技球が10玉投入されるごとに出力され、セーフ信号は、例えば、遊技球が10玉払い出されるごとに出力されるものとして説明する。
また、遊技媒体の払出数を示す信号として、セーフ信号に代えて又はこれに加えて、「払出予定数信号」(払出遊技情報)が遊技機10から出力される。この「払出予定数信号」も10玉の払出予定数が生成されるごとに出力される。具体的には、遊技機10において累積的に記憶する「払出予定数カウンタ」の値が、入賞口への入賞に基づいて「10」になる度に1回出力される。
このような遊技信号は、ネットワークを介して台コンピュータ40、島コンピュータ50を中継してホールコンピュータ60に送信される。
遊技信号は、台コンピュータ40、島コンピュータ50、及びホールコンピュータ60のうち少なくともいずれかにおいて所定のデータ加工(例えば数値化処理)が行われ、ホールコンピュータ60に遊技機10ごとの遊技情報として順次蓄積される。
【0014】
ホールコンピュータ60は、遊技用装置の一例として動作し、例えば、図3に示すように、キーボード、マウスなどの入力手段からなる入力部61、台コンピュータ40、島コンピュータ50などとデータ通信を行う通信部62、液晶表示装置などの表示手段を有し、遊技機10ごとの遊技情報を表示する表示部63、ハードディスクなどの記憶手段からなる記憶部64、上記各部を制御する制御部65(コンピュータ)等を備え、主に遊技場の管理者や店員等により操作される情報処理装置として構成されている。
【0015】
制御部65は、収集手段として動作することにより、通信部62を介して島コンピュータ50などから受信する遊技機10ごとの遊技情報を記憶部64に逐次記憶する。
記憶部64に記憶される遊技情報には、スタート信号の入力数から求められるスタート回数、アウト信号の入力数から求められるアウト数、セーフ信号の入力数から求められるセーフ数、アウト数に占めるセーフ数の割合(例えば、百分率)を示すベース、アウト数とセーフ数の差分を示す差玉(出玉ともいう)、大当り信号の入力数から求められる大当り回数、スタート回数と大当り回数の比率を示す大当り確率、確変/時短信号の入力数から求められる確変/時短回数、売上信号の入力数から求められる売上金額などがあり、このような遊技情報が遊技機10ごと及び営業日(例えば1日単位)ごとに記憶されている。
【0016】
また、これらの遊技情報は、遊技機10の遊技状態別に区分けして記憶される。
遊技機10の遊技状態としては、遊技機10がパチンコ機の場合には、大当り状態(大当りともいう)、大当りの発生確率が高確率状態となる確率変動状態(確変ともいう)、特別図柄の変動時間が短縮状態となる時間短縮状態(時短ともいう)などの遊技者にとって有利な状態と、遊技者にとって不利な遊技状態となる通常遊技状態(通常遊技ともいう)とがある。なお、確率変動状態は時間短縮状態と重複することもあり、時間短縮状態は確率変動状態と重複しないこともある。また、時間短縮状態(時短中)では、確率変動状態(確変)と重複するか否かにかかわらず、ベースが100前後に維持されるものとする。
【0017】
制御部65は、遊技状態判定手段として動作することにより、遊技機10の送信手段から送信される遊技情報に基づいて、遊技機の遊技状態を判定する。
例えば、大当り信号の受信中を大当り発生中と判定し、大当り信号の受信がない確変/時短信号の受信中を確変/時短中と判定する。また、これら以外の遊技状態を通常遊技状態と判定する。
そして、制御部65は、収集区間設定手段として動作することにより、判定した遊技状態別に収集区間を設定し、設定した収集区間ごと遊技情報を収集する。
例えば、図4に示すように、スタート回数、ベース、出玉、確率(大当り確率)などの遊技情報を、通常遊技中、確変中、時短中などの収集区間ごと区分けして収集するとともに、収集結果を記憶部64に記憶する。
【0018】
また、ホールコンピュータ60は、収集した遊技情報に基づいて遊技機の異常を監視する。
例えば、図5に示すように、時短を伴う確変中に収集された遊技情報に基づいて、「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」の監視を行う。
「確変ベース異常」とは、時短を伴う確変中のベースが正常な値を示さずに異常な値を示すことをいい、「確変出過ぎ異常」とは、時短を伴う確変中の出玉(例えば10分あたり)が正常な値を示さずに異常な値を示すことをいう。
このような監視を行うのは、時短の発生に基づいて、通常遊技状態よりもベースがアップするが、このときベースが必要以上にアップしていないかどうかの監視を行うためである。そういう意味では、ベースのアップは時短に起因することから、「確変ベース異常」及び「確変出過ぎ異常」という称呼は、「時短ベース異常」及び「時短出過ぎ異常」に読み替えることができる。
制御部65は、判定値判定手段として動作することにより、時短を伴う確変中のベースと出玉がそれぞれ所定の判定値(閾値ともいう)に該当するかどうかの判定を行う。
【0019】
例えば、一般的な時短を伴う確変状態のベースは、図5の「一般確変」に示すように、50~130(第2判定値)の範囲内にあることから、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内に該当するかどうかを判定する。そして、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内に該当するときには、正常と判定し、この範囲内に該当しないときには、異常と判定する。
また、この判定を別の言い方で表現すると、一般的な時短を伴う確変状態のベースは、50~130(第2判定値)の範囲内にあることから、時短を伴う確変中のベースがこの範囲を外れる範囲、つまり、0~50未満の範囲内、又は130を超える範囲内にあるかどうかを判定する。そして、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内あるときには、異常と判定し、この範囲内にないときには、正常と判定する。
【0020】
同様に、例えば、一般的な時短を伴う確変中の出玉(差玉ともいう)は、図5の「一般確変」に示すように、10分あたり2000玉以内(第2判定値)にあることから、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲内に該当するかどうかを判定する。そして、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲内に該当するときには、正常と判定し、この範囲内に該当しないときには、異常と判定する。
また、この判定を別の言い方で表現すると、一般的な時短を伴う確変中の出玉は、10分あたり2000玉以内(第2判定値)にあることから、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲を外れる範囲、つまり、2000玉を超える範囲内にあるかどうかを判定する。そして、確変中の出玉がこの範囲内に該当するときには、異常と判定し、この範囲内に該当しないときには、正常と判定する。
なお、確変を伴わない時短中においても、通常、ベースが100前後に維持されることから、上記と同様な第2判定値を用いて、「確変ベース異常」及び「確変出過ぎ異常」と同義である「時短ベース異常」及び「時短出過ぎ異常」を判定することもできる。
【0021】
また、上記のような時短中のみならず、通常遊技状態、すなわち、非時短時のベース異常(「通常ベース異常」という)及び非時短時の出過ぎ異常(「通常出過ぎ異常」という)の閾値を設けることもできる。
非時短時(通常遊技状態)は、ベース及び出玉は時短状態よりも低い値となるため、「通常ベース異常」の閾値が「確変ベース異常」よりも低い数値範囲(例えば、10~50など)になることが好ましく、「通常出過ぎ異常」の閾値が「確変出過ぎ異常」よりも低い数値(例えば、500玉以内など)になることが好ましい。
また、「通常ベース異常」を監視するときと、「確変ベース異常」を監視するときとで、異常判定をした際の異常報知態様を異ならせてもよい。
また、非時短時及び時短時などの各遊技状態において異常を判定するときの閾値は、遊技場の管理者や店員等の操作者が、ホールコンピュータ60に備える入力部61を介して入力することにより、任意の値に設定できる。
【0022】
また、ホールコンピュータ60は、制御部65が表示部63を報知手段として動作させ、確変中のベースと出玉がそれぞれ所定の判定値に該当しないと判定されたことに基づいて、所定の報知を行わせる。具体的には、上記の異常を判定したときには、異常を示す旨の報知を行う。
異常を示す旨の報知は、表示部63の表示画面を通して行うことができ、例えば、「遊技機10の○○番台が「確変出過ぎ異常」です。」などのメッセージを表示する。これにより、遊技場の管理者は、○○番台の遊技機10が異常かどうかを確認することができる。
【0023】
また、このような「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」を監視するための判定値(閾値)は、遊技機の遊技性能によって変わる場合がある。
確変を伴うか否かにかかわらず、時短中は、現在の遊技者の持ち玉を減らさないように又は持ち玉を維持するように、ベースを100前後に設定することが一般的ではあるが、収集対象となる遊技機によっては、この時短中に出玉が増加する性能を有するものがある。
このような性能を有する遊技機の遊技情報を収集するときには、上記の判定値が当てはまわらないことから、異常でないにもかかわらず、「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」を判定することもあり、そうすると適正な監視を行うことができない。
例えば、確変を伴うか否かにかかわらず、時短中に出玉が増加する性能を有する遊技機として、以下のようなものがある。
【0024】
図6は、時短中に出玉が増加する性能を有する遊技機10(パチンコ機)に備える遊技盤11の一例である。
この遊技盤11には、2つの始動口110,111、2つの特別図柄表示装置112,113、2つの大入賞口114,115(可変入賞手段)、普通図柄作動ゲート116、普通図柄表示装置117、2つの普通入賞口120,121、アウト口122などが設けられている。また、始動口111は、普通電動役物(電動チューリップ)となっており、普通図柄表示装置117の当り表示により、入口が拡大可能に構成されている。また、表示器118は演出用の表示装置であり、2つの特別図柄表示装置112,113の表示結果に関連する表示を行う。例えば、表示器118には、関連する表示として、特別図柄表示装置112,113それぞれに対応する装飾図柄を設けられている。
【0025】
このような構成により、例えば、始動口110に入賞すると、特別図柄表示装置112の図柄(識別情報)が変動を開始し、所定時間経過後に変動を停止する。停止した図柄が大当り(遊技結果)を示すときには、大入賞口114が所定回数開放する大当り状態(特定遊技状態)となる。
また、入口が拡大しているときに始動口111に入賞すると、特別図柄表示装置113の図柄(識別情報)が変動を開始し、所定時間経過後に変動を停止する。停止した図柄が大当り(遊技結果)を示すときには、大入賞口114が所定回数開放する大当り状態(特定遊技状態)となる。
大入賞口114の開放回数は、いわゆる、ラウンド数と称され、大当り図柄の組合せに応じて変化する。
例えば、図7に示すように、特別図柄表示装置112,113が「3」,「5」,「7」でそれぞれ停止したときには、大入賞口114が16回開放する16ラウンド大当りとなる。また、特別図柄表示装置112,113が「1」,「2」,「4」,「6」,「8」,「9」,「0」でそれぞれ停止したときには、大入賞口114が6回開放する6ラウンド大当りとなる。
また、上記の「0」~「9」の図柄と、後述する「小当り」に対応する図柄(例えば、「F」)を除くその他の図柄(例えば、「E」、「L」、「-」など)は、ハズレを示す図柄であり、これらが停止しても、大入賞口114が開放することはない。
なお、大入賞口114が2回開放する2ラウンド大当りとなる大当り図柄を別途設けることもできる。
【0026】
また、各入賞口、表示装置等の仕様は、例えば、以下の通りとすることができる。
[賞球数]
・始動口110:4個賞球
・始動口111:1個賞球
・大入賞口114:15個賞球
・大入賞口115:10個賞球
・普通入賞口120,121:5個賞球
[特別図柄・保留消化]
・2つの特別図柄表示装置112,113はそれぞれ4つの保留装置を有し、同時変動可能とする。一方の特別図柄表示装置で大当り又は小当り図柄で停止した場合、他方の特別図柄表示装置はハズレになるか、当該大当り又は小当りが終了するまで変動が中断される。
[大当り]
・1ラウンド中における大入賞口の最大開放時間:28秒
・1ラウンド中における大入賞口の入賞数の上限:10個
・大当り開始から大入賞口開放までのインターバル時間:1秒
・各ラウンド間のインターバル時間:1秒
・大当り終了時のインターバル時間:1秒
・1ラウンドにおける平均消化時間(平均開放時間):8秒
【0027】
なお、上記各用語は、例えば、以下のように定義することができる。
・賞球:各種入賞口への遊技球の入賞により、遊技機から払い出される玉数のこと。
・1ラウンド中における大入賞口の最大開放時間:大入賞口の1ラウンドあたりの最大開放可能時間。この時間が経過すると、入賞数に関わらず大入賞口が閉塞状態に移行する。
・1ラウンド中における大入賞口の入賞数の上限:大入賞口が入賞を許容する球数。当該球数分大入賞口に入賞すると、大入賞口における1ラウンドあたりの最大開放時間が経過する前でも、大入賞口が閉塞状態に移行する。
・各ラウンド間のインターバル時間:1ラウンドが終了してから次の1ラウンドが開始するまでの時間(ラウンド間の大入賞口が閉塞状態となる時間)。
・大当り終了時のインターバル時間:大当りの最終ラウンドが終了してから大当り終了までの時間。
【0028】
また、この遊技機10は、確率変動機能を有している。例えば、低確率状態では、特別図柄表示装置112,113が大当り図柄で停止する大当り確率は1/319であるが、図7に示すように、特別図柄表示装置112,113が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の奇数図柄で大当りとなったときには、その大当り後、次回大当りまで、特別図柄表示装置112,113が大当り図柄で停止する大当り確率が1/75に変動する高確率状態(確変中)となる。なお、本実施形態の場合、大当り図柄10図柄のうち、5図柄で確変となることから、確変割合は1/2となっているが、確変割合はこれに限定されない。
また、上記の2ラウンド大当りを設ける場合において、大当り後に確変となる大当り(突確)と、大当り後に確変にならない大当り(突通)とのうち、少なくとも一方を設けることもできる。
また、この確変中は、時短中でもあり、普通図柄表示装置117が当り表示となる確率が通常遊技状態よりも高くなるとともに、始動口111の開放時間が長くなる。このとき、普通図柄表示装置117の図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短くなることが好ましい。その結果、始動口111への遊技球の入賞頻度が増加する。そして、この始動口111への入賞頻度の増加に基づいて始動口入賞に係るベースが約100に維持されるようになっている。
また、この時短中は、特別図柄表示装置112,113の変動時間が短縮される。
【0029】
一方、特別図柄表示装置112,113が「2」,「4」,「6」,「8」,「0」の偶数図柄で大当りとなったときには、その大当り後、特別図柄表示装置112,113が合わせて60回変動するまで(60回特別図柄が停止するまで)、確率変動は伴わないものの時短中となる。
また、この時短中は、普通図柄表示装置117が当り表示となる確率が通常遊技状態よりも高くなるとともに、始動口111の開放時間が長くなる。このとき、普通図柄表示装置117の図柄の変動時間が通常遊技状態よりも短くなることが好ましい。その結果、始動口111への遊技球の入賞頻度が増加する。そして、この始動口111への入賞頻度の増加に基づいて始動口入賞に係るベースが約100に維持されるようになっている。
このように、本実施形態の遊技機10は、奇数図柄での大当り後は、確変を伴う時短となり、偶数図柄での大当り後は、確変を伴わない時短となる。
また、この時短中は、ベースを100前後に維持するように、通常遊技状態よりも始動口111の入口が拡大し易くなり、始動口111への遊技球の入賞頻度が増加することになるが、この始動口111への遊技球の入賞頻度を増加させる方法は、例示した上記の方法のみならず、普通図柄表示装置117が当り表示となる確率を通常遊技状態よりも高くすること、始動口111の開放時間を通常遊技状態よりも長くすること、普通図柄表示装置117の図柄の変動時間(停止時間を含めることもできる)を通常遊技状態よりも短くすることのうち、一又は二以上を任意に組合せた方法のいずれかでもよい。
なお、本実施形態では、16ラウンド大当りを第1特定遊技状態の一例とし、大当り後高確率状態となる6ラウンド大当りを第2特定遊技状態の一例とする。
【0030】
ここまで説明した遊技機10の遊技性能は、一般的な確率変動タイプのパチンコ機と同様であるが、さらに、遊技機10は、時短中に出玉が増加する性能を有している。
例えば、特別図柄表示装置113の当りの種類の中に「小当り」があり、この小当りが時短中に頻出(例えば、1/1.01の当選確率)する小当り頻出状態となる。
【0031】
「小当り」とは、特殊遊技状態の一例であり、始動口111への入賞に基づいて実行される抽選により小当り当選すると、特別図柄表示装置113が例えば「F」などの小当り図柄で停止し、大入賞口115が所定時間(例えば、1.8秒)開放する当り状態をいう。この場合、大入賞口115は、開放時間の合計が所定時間(例えば、1.8秒)内であれば、2回以上開放してもよい。また、開放時間が所定時間以内でも、予め定められた所定数(例えば、10玉)の入賞によって大入賞口115が閉塞される。
この「小当り」は、遊技機10の制御手段(例えば、主基板)により、時短中に頻出するように制御され、つまり、時間短縮状態は特別遊技状態の一例となっている。
これは、確変を伴うか否かにかかわらず、時短中は、始動口111の入口が拡大し易くなり、その結果、特別図柄表示装置113が作動し易くなるからである。
ところが、この「小当り」は、時短中であっても16ラウンドの大当り後の時短中だけその恩恵を享受可能に構成されている。
【0032】
この構成は、遊技機10に備える制御手段によって、16ラウンドの大当り後の時短中の方が、6ラウンドの大当り後の時短中よりも、大入賞口115への遊技球の入賞が容易となるように制御されることにより実現される。
【0033】
確変を伴うか否かにかかわらず、すべての時短中に「小当り」を頻出させるものの、16ラウンドの大当り後の時短中だけ「小当り」の恩恵を享受させる方法としては、例えば、遊技盤11において、図6(a)に示す形態と、図6(b)に示す形態とにそれぞれ変位する可動片119を設けることもよって実現することができる。
具体的には、遊技機10の制御手段により、16ラウンドの大当り後の時短中に限らず、すべての時短中に「小当り」を頻出させるものの、6ラウンドの大当り後の時短中において、図6(a)に示すように、大入賞口115が開放しているときに、当該大入賞口115への遊技球の入賞を妨げる形態に可動片119を変位させる。
一方、16ラウンドの大当り後の時短中において、図6(b)に示すように、大入賞口115が開放しているときに、当該大入賞口115への遊技球の入賞を妨げない形態に可動片119を変位させる。
このような可動片119の変位により、すべての時短中に「小当り」が頻出する小当り頻出状態となるものの、16ラウンド大当り後の時短中だけ「小当り」による恩恵を享受することができる状態、すなわち、実質的に16ラウンド大当り後の時短中のみ、大入賞口115への遊技球の入賞が容易となる「小当りモード」(第1特別遊技状態)を発生させることができる。
つまり、16ラウンド大当り後の時短中が第1特別遊技状態(「小当りモード」)となり、確変を伴うか否かにかかわらず、6ラウンド大当り後の時短中は、小当り頻出状態ではあるものの、その恩恵を享受困難な第2特別遊技状態となり、16ラウンドの大当り後の時短中の方が、6ラウンドの大当り後の時短中よりも、大入賞口115への遊技球の入賞が容易となるように制御されることになる。言い換えると、16ラウンド大当り後の時短中が実質的な「小当りモード」になる。
また、通常遊技状態では、遊技機10に備える制御手段によって、「小当り」が発生し難く設定されており(始動口111の入口が時短中よりも拡大し難いため)、これにより、時間短縮状態、つまり、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも「小当り」に移行し易くなっている。
なお、第1特別遊技状態(16ラウンド大当り後の時短中)の方が、第2特別遊技状態(6ラウンド大当り後の時短中)よりも、大入賞口115への遊技球の入賞が容易となるように制御する方法は、例示した可動片119の制御に限定されず、任意な方法により実現することができる。例えば、第2特別遊技状態では、「小当り図柄が停止しない」、「小当りして極めて短い時間しか大入賞口115が開放しない」などでもよい。
また、第2特別遊技状態であっても、大入賞口115に入賞する場合があってもよい。この場合、第1特別遊技状態よりも大入賞口115に入賞し難いことが好ましい。
また、可動片119は、16ラウンド大当り後の時短中のみ、図6(b)に示す大入賞口115への遊技球の入賞を妨げない形態に変位するものとし、通常遊技状態を含むその他の遊技状態では、図6(a)に示す形態に変位していることが好ましい。
【0034】
このような16ラウンド大当り後のみに発生するように制御される「小当りモード」は、時短中と重複することから、時短中のベースは、始動口111の入賞によるベースアップに加え、小当り発生によるベースアップも加わる高ベース状態となる。その結果、このような遊技性能を有する遊技機10の遊技情報を収集するときには、前述の時短を伴う確変中の判定値(第2判定値)が当てはまわらないことから、異常でないにもかかわらず、「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」とを判定することもあり、適正な監視を行うことができない。
そこで、16ラウンド大当り後の時短中のみ判定値を変更することが好ましい。
【0035】
例えば、「確変ベース異常」では、小当りモードと重複するような特殊な時短を伴う確変中のベースは、図5の「特殊確変」に示すように、200~300(第1判定値)の範囲内にあるものと設定し、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内に該当するかどうかを判定する。そして、制御部65の判定値判定手段としての動作により、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内に該当するときには、正常と判定し、この範囲内に該当しないときには、異常と判定する。
また、この判定を別の言い方で表現すると、小当りモードと重複するような特殊な時短を伴う確変中のベースは、200~300(第1判定値)の範囲内にあるものと設定し、時短を伴う確変中のベースがこの範囲を外れる範囲、つまり、0~200未満の範囲内、又は300を超える範囲内にあるかどうかを判定する。そして、時短を伴う確変中のベースがこの範囲内あるときには、異常と判定し、この範囲内にないときには、正常と判定する。
【0036】
また、「確変出過ぎ異常」では、小当りモードと重複するような特殊な時短を伴う確変中の出玉(差玉ともいう)は、図5の「特殊確変」に示すように、10分あたり3000玉以内(第1判定値)にあるものと設定し、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲内に該当するかどうかを判定する。そして、制御部65の判定値判定手段としての動作により、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲内に該当するときには、正常と判定し、この範囲内に該当しないときには、異常と判定する。
また、この判定を別の言い方で表現すると、小当りモードと重複するような特殊な時短を伴う確変中の出玉は、10分あたり3000玉以内(第1判定値)にあるものと設定し、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲を外れる範囲、つまり、3000玉を超える範囲内にあるかどうかを判定する。そして、時短を伴う確変中の出玉がこの範囲内に該当するときには、異常と判定し、この範囲内に該当しないときには、異常と判定する。
なお、小当りモードと重複しない一般的な時短を伴う確変状態のベースと、小当りモードと重複しない一般的な時短を伴う確変中の出玉はそれぞれ図5の「一般確変」に示す閾値(第2判定値)に基づいて「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」を判定することは言うまでもない。
【0037】
また、ホールコンピュータ60は、制御部65が表示部63を報知手段として動作させ、小当りモード中のベースと出玉がそれぞれ所定の判定値に該当しないと判定されたことに基づいて、所定の報知を行わせる。具体的には、上記の異常を判定したときには、異常を示す旨の報知を行う。
異常を示す旨の報知は、表示部63の表示画面を通して行うことができ、例えば、「遊技機10の○○番台が「確変ベース異常」です。」などのメッセージを表示する。これにより、遊技場の管理者は、○○番台の遊技機10が異常かどうかを確認することができる。
また、この異常を示す旨の報知は、一般確変か特殊確変かを識別できるように一般確変と特殊確変とで報知態様を変えることが好ましい。
【0038】
このような判定値を変更するにあたり、遊技機10の遊技状態が判定値を変更すべき遊技状態かどうかを判定する必要がある。
遊技機10から遊技状態を示す遊技信号として、「小当りモード」を特定可能な遊技信号が出力されているときには、その出力期間に亘って、判定値を変更することにより、適正な監視を行うことができる。
しかしながら、「小当りモード」を特定可能な遊技信号が出力されていない場合もあることから、このような場合には、他の遊技信号から、「小当りモード」中か「非小当りモード」中かを判定する必要がある。
以下の説明においては、遊技機10から「小当りモード」を特定可能な遊技信号が出力されず、他の遊技信号から「小当りモード」中か「非小当りモード」中かを判定する場合について説明する。
【0039】
遊技機10からは、前述したように、アウト信号、セーフ信号、大当り信号、確変/時短信号、スタート信号の少なくとも5つの遊技信号が出力されているものとする。
各遊技信号の出力態様を図8に示す。
図8に示すように、「大当り信号」は、大当り中(b,d区間)に亘って出力され、大当りの終了により、出力が停止する。このような「大当り信号」の出力期間から大当り中を特定することができる。
「確変/時短信号」は、大当り中(b,d区間)、確変中(c区間)、及び時短中(e区間)に亘って出力される。従って、このような「確変/時短信号」の出力期間から遊技者にとって有利な遊技状態を特定することができる。また、「確変/時短信号」が出力されていない期間(a,f区間)は、遊技者にとって不利な通常遊技状態とみなすことができる。さらに、大当り中を除く、確変中又は時短中のみを抽出したいときには、「確変/時短信号」の出力期間から「大当り信号」の出力期間を減算することにより抽出できる。
「スタート信号」は、特別図柄表示装置112,113が1回作動して停止するごとに出力される。このため、大当り中(b,d区間)は、特別図柄表示装置112,113の作動が常に停止していることから、大当り中は出力されない。
「セーフ信号」は、遊技機10から遊技球が10玉払い出されるごとに出力される。大当り中(b,d区間)、確変中(c区間)、及び時短中(e区間)は、払い出しの頻度が増加することから、「セーフ信号」の出力が集中する。
アウト信号は、遊技機10に遊技球が10玉投入されるごとに出力される。遊技者が継続的に遊技球を投入している場合には、コンスタント(例えば、1分間に約10回)に出力される。
ホールコンピュータ60は、このような出力特性を有する遊技信号をそれぞれ受信することにより、「小当りモード」を特定する。
なお、以下の説明において遊技機10からの遊技信号の「出力」をホールコンピュータ60による遊技信号の「受信」と読み替えることができるものとする。
【0040】
「小当りモード」を特定する方法としては、「小当りモード」に移行することになる「大当りの種類」を判定する間接判定方法と、「大当り後の状態」を直接判定する直接判定方法の二つの方法を挙げることができる。以下それぞれの方法について説明する。
【0041】
間接判定方法では、「大当りの種類」を判定する。
前述したように、「小当りモード」に移行する大当りは、ラウンド数が16ラウンドであり、「小当りモード」に移行しない大当りは、ラウンド数が6ラウンドであるという違いがある。
ホールコンピュータ60は、このような違いから、制御部65が特定遊技状態判定手段として動作して、「大当りの種類」を判定することにより、その大当り後の状態を、「小当りモード」かどうかを特定する。
【0042】
例えば、「大当り信号」の出力期間の長短により、ラウンド数が16ラウンドの大当りかそれ以外の大当り(6ラウンド大当り)かを判定する。
例えば、制御部65が、図9(a)に示すように、通信部62を介して受信する大当り信号の立ち上りから立下りまでの時間Tを計測する。
そして、時間TがT1のときには、ラウンド数が16ラウンドの大当りと判定し、時間TがT2(<T1)のときには、ラウンド数が6ラウンドの大当りと判定する。
これにより、ラウンド数が16ラウンドの大当りと判定したときに、その大当り後に移行する遊技状態を「小当りモード」として特定する。この「小当りモード」は、時短中と重複することから、図9(a)に示すように、16ラウンド大当りと判定された大当り後から、次の大当り発生(2回目)までの「a区間」を「小当りモード」と特定し、この「a区間」において、制御部65が「小当りモード信号」を生成することもできる。
なお、T1,T2は、T1>大当り時間閾値>T2の関係を有している。ここで、大当り時間閾値は、例えば、6ラウンドの平均大当り時間よりも長く、16ラウンドの平均大当り時間よりも短い時間に設定することができる(例えば、10ラウンドの平均消化時間など)。
例えば、16ラウンド大当りの平均消化時間を137秒(大当り開始インターバル1秒+大当り終了インターバル1秒+ラウンド間インターバル15秒+16ラウンド平均消化時間128秒(16ラウンド×8秒))とした場合、この時間から37秒引いた91秒を、大当り時間閾値となる上記「10ラウンドの平均消化時間」とすることができる。
そして、「大当り信号」の出力期間がこの大当り時間閾値(91秒)以上出力されていれば、16ラウンド大当りであると判定し、「大当り信号」の出力期間が大当り時間閾値(91秒)未満であれば、6ラウンド大当りであると判定してもよい。
【0043】
また、「大当り信号」の出力期間の長短に代えて、又はこれに加えて、「大当り信号」出力中の「セーフ信号」(払出遊技情報、ただし、「払出予定数信号」でもよい)の出力数の多少から、ラウンド数が16ラウンドの大当りかそれ以外の大当り(6ラウンド大当り)かを判定するができる。
例えば、制御部65が、図9(b)に示すように、大当り信号の受信中において、「セーフ信号」の出力(受信)数Yを計測する。
そして、出力数がY1のときには、ラウンド数が16ラウンドの大当りと判定し、出力数がY2(<Y1)のときには、ラウンド数が6ラウンドの大当りと判定する。
これにより、ラウンド数が16ラウンドの大当りと判定したときに、大当り後に移行する遊技状態を「小当りモード」として特定する。この「小当りモード」は、時短中と重複することから、図9(b)に示すように、16ラウンド大当りと判定された大当り後から、次の大当り発生までの「a区間」を「小当りモード」と特定し、制御部65が「小当りモード信号」を生成することもできる。
なお、Y1,Y2は、Y1>セーフ数閾値>Y2の関係を有している。ここで、セーフ数閾値は、例えば、6ラウンド大当りにおける「セーフ信号」の平均出力数よりも多く、16ラウンド大当りにおける「セーフ信号」の平均出力数も少ない値に設定することができる(例えば、10ラウンド消化時における「セーフ信号」の平均出力数など)。
例えば、10ラウンド大当りの獲得賞球数は、15賞球×10カウント×10ラウンド(1500玉)であるため、この値を、1セーフ信号数に対応する10玉で割った値である「150」を、セーフ数閾値となる10ラウンド消化時における「セーフ信号」の平均出力数とすることができる。
そして、「セーフ信号」の出力数がセーフ数閾値(150)以上出力されていれば、16ラウンド大当りであると判定し、「セーフ信号」の出力数がセーフ数閾値(150)未満であれば、6ラウンド大当りであると判定してもよい。
このように、ホールコンピュータ60は、制御部65が特定遊技状態判定手段として動作して、「大当りの種類」を判定することにより、その大当り後の状態を、「小当りモード」かどうかを特定することができる。
【0044】
次に、直接判定方法では、「大当り後の状態」を直接判定する。
前述したように、「小当りモード」中は、時短中と重複することから、始動口111(電動チューリップ)の入賞によるベースアップに加え、小当り発生によるベースアップも加わる高ベース状態となる。
一方、「小当りモード」を伴わない時短中は、始動口111(電動チューリップ)の入賞によるベースアップだけであることから、「小当りモード」を伴う時短中と、「小当りモード」を伴わない時短中とでは「セーフ信号」の出力数に違いがある。
ホールコンピュータ60は、このような違いから、制御部65が特別遊技状態判定手段として動作して、「大当り後の状態の種類」、すなわち「特別遊技状態の種類」を判定することにより、その状態が「小当りモード」かどうかを特定する。
【0045】
例えば、制御部65は、「スタート信号」(停止遊技情報)が所定回数(例えば、5回)出力される間の、「セーフ信号」(払出遊技情報、ただし、「払出予定数信号」でもよい)の出力数を監視し、「セーフ信号」の出力数が特定値(例えば、3回)を超えるときには、「小当りモード」(第1特別遊技状態)と判定することもできる。
具体的には、制御部65は、例えば、図10に示すように、「スタート信号」が5回出力される間の、「セーフ信号」の出力数を監視する。この例では、6回目のスタート信号が出力された時点(P2)での「セーフ信号」の出力数を遡って計測する。また、これに代えて、5回目のスタート信号の立ち上がり又は立ち下がり時点での「セーフ信号」の出力数を遡って計測してもよい。この場合の「セーフ信号」の出力数は5回であり、少なくとも3回の出力数を超えることから、「小当りモード」と判定する。
「セーフ信号」の出力数が3回とは、30玉以上の遊技球が遊技機10から払い出されたことと同義であり、これは、「小当りモード」を伴わない時短中よりも多くの遊技球が払い出されたことを示すものである。
なお、「スタート信号」が所定回数(例えば、5回)出力される間の、「セーフ信号」の出力数が特定値(例えば、3回)を以下のときには、「小当りモード」を伴わない時短中(第2特別遊技状態)と判定することもできる。この場合の「小当りモード」を伴わない時短中は確変・非確変は問わない。
【0046】
このような「小当りモード」の判定により、図10(a)に示すように、判定条件の成立した時点P2から、制御部65が「小当りモード信号」を立ち上げるとともに、次の大当りまで継続して出力させることもできる(b区間)。
この場合、大当り信号の出力が停止したタイミングP1において、「小当りモード」を伴わない時短中(第2収集区間)とみなす設定を一旦行い、その後、「小当りモード」と判定されたタイミングP2から、「小当りモード」中に変更する設定を行うこともできる。
また、図10(b)に示すように、判定条件の成立した時点P2から、「小当りモード信号」を立ち上げながらも、判定条件の成立した時点P2から前回の大当りが終了した時点P1まで遡って「小当りモード」中であったものとみなす設定を行うこともできる(a+b区間)。
このように、ホールコンピュータ60は、制御部65が特別遊技状態判定手段として動作して、「大当り後の状態の種類」、すなわち「特別遊技状態の種類」を判定することにより、「小当りモード」かどうかを特定することができる。
【0047】
なお、「特別遊技状態の種類」を判定するにあたり、「スタート信号」が所定回数出力される間における、「セーフ信号」の特定回数出力の監視に代えて、ベースを監視することもできる。
例えば、「小当りモード」を伴わない時短中のベースは、130以下であることから、所定(例えば、20)のマージン(安全率)をとって、ベースが150以上になったときに、「小当りモード」と判定してもよい。
【0048】
このように、間接判定方法又は直接判定方法のいずれかにより「小当りモード」が判定されることにより、この間に監視する「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」の閾値を適正な値に変更することができる。
具体的には、確変を伴うか否かにかかわらず、「小当りモード」を伴わない時短中と判定されたときには、その間の閾値を図5の「一般確変」に対応する閾値(第2判定値)に設定して、「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」の監視を行う。一方、「小当りモード」を伴う時短中と判定されたときには、その間の閾値を図5の「特殊確変」に対応する閾値(第1判定値)に設定して、「確変ベース異常」と「確変出過ぎ異常」の監視を行う。
このように、大当り後の遊技状態を正確に判定することにより、遊技状態に適した閾値を設定することができ、最適な監視を行うことができる。
【0049】
また、このような「小当りモード」の判定により、異常の監視のみならず、遊技状態別に遊技情報を収集することができる。
例えば、図4に示すように、時短中において、「スタート回数」、「ベース」などの遊技情報を収集しているが、「小当りモード」中かどうかをさらに区別して、それぞれの状態中の遊技情報を収集することもできる。
つまり、制御部65の収集区間設定手段としての動作により、「小当りモード」を伴う時短中(第1特別遊技状態)を第1収集区間として設定し、「小当りモード」を伴わない時短中(第2特別遊技状態)を第2収集区間として設定し、それぞれの収集区間において遊技情報を収集することもできる。
また、直接判定方法では、制御部65の収集区間設定手段としての動作により、大当り後の収集区間を一旦第2収集区間として設定し、「小当りモード」を伴う時短中と判定された時点から、第2収集区間として設定した大当り後の収集区間を第1収集区間に変更して設定することができる。また、この場合、収集区間を第1収集区間に変更するときには、大当り後まで遡ることが好ましい。
【0050】
さらに、「小当りモード」中は、大当り並みの出玉の期待できる遊技状態となることから、この「小当りモード」中を大当り中とみなす処理を行うこともできる。
例えば、図11に示すように、大当り信号が3つ出力された場合では、本来、大当りが3回発生したものとして処理するが、例えば、2回目の大当りが16ラウンドの大当りのときには、「小当りモード」中に対応する「a区間」も大当りとみなす処理を行うこともできる。
具体的には、制御部65の収集区間設定手段としての動作により、図11(a)に示すように、16ラウンド大当りと判定された2回目の大当り信号の出力区間と、「小当りモード」中に対応する「a区間」とを合わせた「区間2」を1つの大当り区間(特定収集区間)とみなすこともできる。
そして、制御部65の収集手段としての動作により、この「区間2」において収集された遊技情報を一大当り中の遊技情報(特定遊技情報)として処理するものとする。
例えば、この「区間2」において収集されたセーフ信号の出力数(又は出玉、差玉)を表示部63において表示させることもできる。
【0051】
また、さらに、「小当りモード」中に対応する「a区間」に続く、3回目の大当り信号の出力区間も含めて、1つの大当り区間とみなすこともできる。
「小当りモード」中は、次回大当りの発生が保証されている確変中と重複していることから、16ラウンド大当りと「小当りモード」と次回大当りとを1つの大当りとしてみなす方が好ましい場合がある。
そこで、制御部65の収集区間設定手段としての動作により、図11(b)に示すように、16ラウンド大当りと判定された2回目の大当り信号の出力区間と、「小当りモード」中に対応する「a区間」と、3回目の大当り信号の出力区間(区間3)とを合わせた「区間2」を1つの大当り区間(特定収集区間)とみなすこともできる。
そして、制御部65の収集手段としての動作により、この「区間2」において収集された遊技情報を一大当り中の遊技情報(特定遊技情報)として処理するものとする。
例えば、この「区間2」において収集されたセーフ信号の出力数(又は出玉、差玉)を表示部63において表示させることもできる。
【0052】
また、「小当りモード」に対応する遊技状態の特定に伴い、「小当りモード」中に発生する「小当り」の回数を収集することもできる。
小当りは、特別図柄表示装置113の作動に伴い発生する当り状態であることから、スタート信号の出力後に発生する。また、小当り中は、大入賞口115が開放することから、その開放により遊技球が入賞したときには、所定回数の「セーフ信号」が出力されることになる。
このような「小当り」の特徴から、制御部65が特殊遊技状態移行判定手段として動作することにより、スタート信号の出力後であって、所定回数の「セーフ信号」が出力されたときを、小当りの発生タイミングとみなすことができる。
例えば、遊技機10の仕様として、大入賞口115への入賞により、10個の遊技球が払い出されるものとし、「小当り」では、約1.8秒の大入賞口115の開放により平均2個の遊技球が大入賞口115に入賞するものと仮定したときには、1回の小当りの発生により、約20玉の遊技球が払い出されることになる。そうすると、「小当り」の発生により、スタート信号の出力後、「セーフ信号」が2回は出力される可能性がある。
このような小当り発生時における遊技信号の特徴的な出力形態を利用することにより、小当りの発生を特定し、制御部65が特殊遊技状態移行回数収集手段として動作することにより、「小当りモード」中における「小当り」の発生回数を収集することができる。
【0053】
具体的には、制御部65が特殊遊技状態移行判定手段として動作することにより、「スタート信号」(停止遊技情報)が出力される度に、前回の「スタート信号」の出力から今回の「スタート信号」の出力までの間に出力された「セーフ信号」(払出遊技情報、ただし、「払出予定数信号」でもよい)の出力数を計数する。
そして、この「セーフ信号」の出力数が所定数(例えば、2以上)のときには、前回の「スタート信号」の出力から今回の「スタート信号」の出力までの間を「小当り」発生中と判定する。
【0054】
例えば、図12に示すように、「スタート信号」の出力タイミング3では、前回の「スタート信号」の出力タイミング2から今回の「スタート信号」の出力タイミング3までの間に出力された「セーフ信号」の出力数が「1」なので、「小当り」の発生と判定しない。
一方、「スタート信号」の出力タイミング5では、前回の「スタート信号」の出力タイミング4から今回の「スタート信号」出力タイミング5までの間に出力された「セーフ信号」の出力数が「2」なので、「小当り」の発生と判定する。
また、同様に、「スタート信号」の出力タイミング9,11では、前回の「スタート信号」の出力タイミング8,10から今回の「スタート信号」出力タイミング9,11までの間に出力された「セーフ信号」の出力数がそれぞれ「2」なので、「小当り」の発生と判定する。
また、それ以外の「スタート信号」の出力タイミングでは、前回の「スタート信号」の出力から今回の「スタート信号」出力までの間に出力された「セーフ信号」の出力数が「1」以下なので、「小当り」の発生と判定しない。
このような判定の結果に基づき、制御部65が特殊遊技状態移行回数収集手段として動作し、図12に示す例では、「小当りモード」中において、「小当り」が3回発生したものと収集される。
このように、「スタート信号」が出力される度に、前回の「スタート信号」の出力と今回の「スタート信号」の出力という、2つの「スタート信号」の出力の間に出力された「セーフ信号」の出力数を計数することにより、「小当り」発生の有無を判定することができ、これにより、「小当りモード」中に移行した「小当り」回数を収集することができる。
【0055】
以上説明したような「小当りモード」に対応する収集区間の設定に係る特徴的な動作(機能)は、記憶部64に備えるハードディスクなどの記憶手段に記憶されたプログラム(及びデータ)をコンピュータとして構成された制御部65(又はこれに備えるCPU)が実行することにより実現される。
図13~15は、このプログラムのフローチャートを示しており、これらを参照しながら、上述した特徴的な動作(機能)について説明する。
【0056】
図13は、「大当りの種類」の判定に基づく収集区間の設定処理を示す収集区間設定処理1のフローチャートである。
この処理では、まず、大当り信号を受信したかどうかの判定を行う(S1)。大当り信号を受信していないときには(S1-No)、処理を終了し、大当り信号を受信したときには(S1-Yes)、大当り種類判定処理を実行する(S2)。
【0057】
大当り種類判定処理では、例えば、前述したように、大当り信号の長短、これに代えて又はこれに加えて、大当り信号受信中の「セーフ信号」(又は「払出予定数信号」、以下図14、15も同様)の受信数の多少に基づいて「大当り種類」、すなわち、「特定遊技状態の種類」の判定処理を行う。
その判定処理の結果、「大当りの種類」が第1特定遊技状態(16ラウンド大当り)かどうかの判定を行う(S3)。
第1特定遊技状態(16ラウンド大当り)と判定したときには(S3-Yes)、当該大当り(特定遊技状態)終了後の収集区間を、「小当りモード」に対応する第1収集区間に設定し(S4)、処理を終了する。
一方、第1特定遊技状態(16ラウンド大当り)ではないと判定したとき(S3-No)、つまり、第2特定遊技状態(6ラウンド大当り)と判定したときには、当該大当り(特定遊技状態)終了後の収集区間を、「小当りモード」に対応しない第2収集区間に設定し(S5)、処理を終了する。
なお、第2収集区間は、「小当りモード」を伴わない時短中(確変又は非確変)を示すものであり、予め定められたスタート回数(例えば、60回)の受信後であって次回大当り信号が受信される前に、確変/時短信号が立ち下がったときには、この区間を事後的に確変を伴わない「時短中」と判定することができ、次回大当り信号が受信されても、確変/時短信号が立ち上がったままのときには、この区間を事後的に「確変中」と判定することもできる。
この場合、確変を伴わない「時短中」と判定した場合には、終了した時短状態における区間を確変中とは異なる区間として設定し、他の区間と区別して遊技情報を収集してもよい。例えば、第1区間=小当りモード(確変時短)、第2区間=非小当りモード(確変時短)、第3区間=非小当りモード(非確変時短)、第4区間=通常モード(非確変非時短=通常遊技状態)などに区分し、それぞれの区間ごとに遊技情報を収集することもできる(図14、15においても同様)。
【0058】
図14は、「大当り後の遊技状態の種類」の判定に基づく収集区間の設定処理を示す収集区間設定処理2のフローチャートである。
この処理では、まず、大当り信号の受信が停止したかどうかの判定を行う(S11)。大当り信号の受信が停止していないときには(S11-No)、処理を終了し、大当り信号の受信が停止したときには(S11-Yes)、以下の処理を実行する。
【0059】
最初に、受信停止に係る大当り信号に対応する大当り(特定遊技状態)終了後の収集区間を、「小当りモード」に対応しない第2収集区間に設定する(S12)。
続いて、遊技信号の受信待ち状態となり(S13-No)、遊技信号を受信すると(S13-Yes)、大当り後状態判定処理を実行する(S14)。
大当り後状態判定処理では、受信した遊技信号に基づいて、「大当り後の遊技状態の種類」、すなわち、「特別遊技状態の種類」の判定処理を行う。
例えば、前述したように、「スタート信号」が所定回数(例えば、5回)受信される間の、「セーフ信号」の受信数を監視し、「セーフ信号」の受信数が特定値(例えば、3回)を超えるときには、大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定する。
このような判定処理の結果、大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)かどうかの判定を行う(S15)。
【0060】
大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定したときには(S15-Yes)、S12において、「小当りモード」に対応しない第2収集区間に一旦設定した収集区間を、「小当りモード」に対応する第1収集区間に変更して設定する(S16)。
この設定は、図10(a)に示すように、第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定した時点P2から、第2収集区間から第1収集区間に変更して設定することもできるし、図10(b)に示すように、大当り信号の受信が停止した時点P1まで遡って、第2収集区間から第1収集区間に変更して設定することもできる。
一方、大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)でないと判定したとき(S15-No)、すなわち、第2特別遊技状態(通常の確変/時短中)と判定したときには、処理を終了する。つまり、受信停止に係る大当り信号に対応する大当り(特定遊技状態)終了後の収集区間を、「小当りモード」に対応しない第2収集区間に設定したまま、処理を終了する。
【0061】
図15は、「大当り後の遊技状態の種類」の判定に基づく収集区間の設定処理を示す収集区間設定処理3のフローチャートである。
この処理では、まず、大当り信号の受信が停止したかどうかの判定を行う(S21)。大当り信号の受信が停止していないときには(S21-No)、処理を終了し、大当り信号の受信が停止したときには(S21-Yes)、以下の処理を実行する。
【0062】
最初に、遊技信号の受信待ち状態となり(S22-No)、遊技信号を受信すると(S22-Yes)、大当り後状態判定処理を実行する(S23)。
大当り後状態判定処理では、受信した遊技信号に基づいて、「大当り後の遊技状態の種類」、すなわち、「特別遊技状態の種類」の判定処理を行う。
例えば、前述したように、「スタート信号」が所定回数(例えば、5回)受信される間の、「セーフ信号」の受信数を監視し、「セーフ信号」の受信数が特定値(例えば、3回)を超えるときには、第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定する。
このような判定処理の結果、大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)かどうかの判定を行う(S24)。
【0063】
大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定したときには(S24-Yes)、当該大当り(特定遊技状態)後の遊技状態を、「小当りモード」に対応する第1収集区間に設定する(S25)。
この設定は、図10(a)に示すように、第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定した時点P2から、第2収集区間から第1収集区間に変更して設定することもできるし、図10(b)に示すように、大当り信号の受信が停止した時点P1まで遡って、第2収集区間から第1収集区間に変更して設定することもできる。
一方、大当り(特定遊技状態)後の遊技状態が第1特別遊技状態(「小当りモード」)でないと判定したとき(S24-No)、すなわち、第2特別遊技状態(通常の確変/時短中)と判定したときには、当該大当り(特定遊技状態)後の遊技状態を、「小当りモード」に対応しない第2収集区間に設定する(S26)。
そして、このように、図13~15に示した制御部65の特徴的な動作により設定された第1収集区間及び第2収集区間において、それぞれの収集区間ごとに送信される遊技機10及び台間機20からの遊技情報が、それぞれの収集区間ごとに区分けされて収集されることになる。
【0064】
以上説明したように、本発明の遊技用装置として動作するホールコンピュータ60によれば、「小当りモード」中を特定可能な遊技信号の出力されない遊技機であっても、既存の遊技信号に基づいて「小当りモード」を特定することができるので、「小当りモード」中と、「小当りモード」中ではない遊技状態とに収集区間を区分することができる。
これにより、収集区間ごとに遊技情報を収集することができるとともに、収集区間に応じて最適な閾値を設定することにより、異常等の判定を適正に行うことができる。
【0065】
一方、特許文献1に記載の遊技用装置では、遊技機が確変状態のような遊技者に有利な特別状態である場合には特別区間に設定し、遊技機が非確変状態のような遊技者に有利な通常状態である場合には通常区間に設定し、設定した収集区間ごとに遊技情報を収集することができるものの、収集区間として特別区間及び通常区間しか設定することができず、特別状態が複数種類存在する遊技機については、特別状態ごと特別区間を設定できていなかったため、適切な収集区間を設定できていなかった。
本実施形態の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0066】
以上、本発明の遊技用装置及びプログラムの好ましい実施形態(第1実施形態)について説明したが、本発明に係る遊技用装置及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0067】
収集対象となる遊技機10は、以下の変形実施形態の遊技機10でもよい。
例えば、大当り確率について、低確率時と高確率時の数値は本実施形態に限定されない。
また、本実施形態では、特別図柄表示装置112では小当りに当選しないようにしたが、当選するようにしてもよい。また、特別図柄表示装置112で小当りに当選する場合には、特別図柄表示装置113よりも小当りの当選確率を高くしてもよいし、低くしてもよいし、同じでもよい。
確率変動状態(確変状態)は、次回大当りに当選するまで継続するようにしたが、規定回数の特別図柄の変動が行われることに基づいて確変状態が終了するいわゆる「STタイプ」のパチンコ機でもよい。なお、STタイプの場合における、上記規定回数は何回でもよい。
また、確変状態が転落抽選に当選するまで継続するいわゆる「転落抽選タイプ」のパチンコ機でもよい。なお、この場合の転落抽選確率はどの様な値でもよい。
また、確変状態は、停止表示された特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて移行するものとしたが、大当り中に開放されるアタッカー(大入賞口)内に存在する特定領域(Vゾーン)を通過することにより移行するものとし、特定領域を通過しなければ移行しないいわゆる「V確変機」により制御されるものでもよい。
また、確変状態に移行可能な(大当り図柄)の種類及び割合は本実施形態に限定されない。
また、2つの大入賞口(アタッカー)を設け、一方を小当り専用の大入賞口、他方を大当り専用の大入賞口としたが、大入賞口を一つのみとし、小当り及び大当りそれぞれに対して兼用させてもよい。
また、特別図柄表示装置112,113を作動させることとなる保留の消化順を始動口への入賞順としたり、特別図柄表示装置112又は特別図柄表示装置113の一方を優先したりすることもできる。
また、小当りモードに移行する大当りは、16ラウンドの大当りのみとしたが、それ以外の大当りでも小当りモードに移行するようにしてもよい。
また、確変を伴うか否かにかかわらず、時間短縮状態(時短)に移行したときのみ小当り頻出状態に移行するようにしたが、確変状態であって始動口111(電動チューリップ)の入口拡大が頻出してベース約100を維持可能な時短中のとき、又は、確変を伴わない時短中のみに移行するようにしてもよい。
また、時短中に限らず、大当り後はすべて小当り頻出状態に移行するものとし、その中で特定の条件成立に基づいて小当りモードに移行してもよい。
また、ある特定の特別図柄での大当り後のみ小当りモードに移行してもよい。
小当りモード中には、小当りモード中であることを示す遊技信号を出力し、小当りモード中でなければ出力しないようにしてもよい。これにより、ホールコンピュータ60がこの遊技信号を受信することにより小当りモードか否かを判定することができる。
【0068】
大当り中に送信される遊技情報に基づく小当りモード(特定遊技状態の種類)の判定は、以下の変形実施形態でもよい。
例えば、小当りモードに移行する大当りが複数存在する場合には、当該複数の大当りに該当すると判定できる遊技情報を受信した場合に、小当りモードに移行するものとして判定するようにしてもよい(例えば、16ラウンドと15ラウンドが小当りモード移行である場合には、その大当りであると判定できる遊技情報を受信した場合、小当りモードに移行するものとして判定するなど)。
また、大当り後の遊技情報に基づいて小当りモードを判定する機能を併用してもよい。これによれば、大当り中の遊技情報に基づいて、誤って小当りモードであると判定した場合でも、途中で修正することができる。すなわち、大当り信号の出力期間により小当りモードを判定する場合、大当り中に遊技球を大入賞口に全く入賞させない場合、6ラウンドの大当りには、通常通り遊技球を大入賞口に入賞させた場合の16ラウンドと同等の大当り信号出力期間が生じてしまう場合があり、そうすると、小当りモードでもないのに小当りモードと判定してしまうおそれがある。ところが、両機能を併用すれば、誤って小当りモードと判定しても、事後的に非小当りモードに修正することができる。
なお、事後的に修正する場合には、大当り終了後の収集区間全てを後から非小当りモードに変更することが好ましい。
また、16ラウンドが著しく早く終わった場合には、逆のこと(小当りモードなのに、非小当りモードと判定してしまう)が考えられるが、両機能を併用すれば、これにも適切に対処できる。
また、大当り中の遊技情報として、セーフ信号、アウト信号、差数(出玉)、大当り信号出力期間等様々なものを用いることが考えられるが、複合して用いたり、大当りの回数や種類、大当りに移行する前の遊技状態によって用いる遊技情報を変えるようにしてもよい。
また、所定回数(例えば、5回)以上、小当りモードに連続で移行したと判定した場合には(当該所定回数の大当り発生後の全てで、小当りモードに移行した場合)、所定の報知を行うことで、判定機能に誤りがある可能性を示してもよい。
また、収集区間として「小当りモード」と「非小当りモード」(第2収集区間)とを設けたが、「非小当りモード」の中でも、「確変非小当りモード」と「非確変非小当りモード」とが存在するため、大当り終了後、確変/時短信号を受信しなくなるまでのスタート信号の送信回数に応じて、何れかに設定してもよい(本実施形態の場合では、大当り後スタート60回で、確変/時短信号を受信しなくなった場合、「非確変非小当りモード」に設定する等)。
【0069】
大当り後に送信される遊技情報に基づく小当りモード(特別遊技状態の種類)の判定は、以下の変形実施形態でもよい。
例えば、大当り後、「非小当りモード」(第2収集区間)として収集区間を設定する例では、大当り後の所定期間(例えば、10回のスタート信号を受信するまで)は、何も収集区間を設定しないものとし、所定期間経過までに「小当りモード」中であると判定した場合には、「小当りモード」の収集区間(第1収集区間)を設定し、所定期間経過までに「小当りモード」中であると判定しない場合には、「非小当りモード」(第2収集区間)として収集区間を設定してもよい。
なお、「非小当りモード」に設定した場合でも、その後「小当りモード」中であると判定した場合には、大当り後の収集区間を「小当りモード」として扱うようにしてもよいし、「小当りモード」として収集区間を設定した後に、「小当りモード」中であると判定できる結果が特定期間(例えば、20回のスタート信号を受信するまで)得られない場合には、大当り後の収集区間を「非小当りモード」として扱うようにしてもよい。
【0070】
また、表示部63において以下のような表示を行うこともできる。
例えば、16ラウンドの大当り開始から小当りモードが終了するまでのセーフ数(又は差玉)を累積的に記憶するとともに表示部63において表示することで、16ラウンドの大当り開始から小当りモードが終了するまでを1回の大当りとして扱うようにしたが、16ラウンドの大当りの開始から16ラウンド以外の大当りが終了するまでのセーフ数(又は差玉)を累積的に記憶するとともに表示部63において表示することで、小当りモードを開始させる契機となった大当りの開始から、小当りモードが終了させる契機となった大当りが終了するまでを1回の大当りとして扱うこともできる。
また、小当りモードの開始から次の大当りの終了までのセーフ数(又は差玉)を累積的に記憶するとともに表示部63において表示することで、小当りモードの開始から次の大当りの終了までを1回の大当りとして扱うこともできる。
また、1回の小当りモード開始から終了までのセーフ数(又は差玉)を記憶するとともに表示部63において表示することで、1回の小当りモードを、1回の大当りとして扱うこともできる。
【0071】
また、小当りモード中と、非小当りモード中とで表示部63の表示画面(演出)を異ならせてもよい。
また、小当りモード中の画面を、小当りモード中のセーフ数で異なるようにしてもよい(画面A=セーフ数0~500、画面B=セーフ数501~1000、画面C=1000以上など)。
また、小当りモード中の画面を、16ラウンド大当り+小当りモード中のセーフ数で異なるようにしてもよい。
また、小当りモード中の画面を、小当りモードの連チャン回数に応じて異ならせてもよい(画面D=連荘1回~2回、画面E=連荘3回~5回、画面F=連荘6回以上など)。
また、前後の大当りと、小当りモードとを1回の大当りとして扱う場合、大当りの種類によって、当該1回の大当りとして扱う画面を、異ならせるようにしてもよい(画面G=16ラウンド+小当りモード、画面H=小当りモード+6ラウンドなど)。
また、上記表示(演出)は、特に呼出ランプ30で行われることが好ましい。
【0072】
また、遊技機10から大入賞口115への入賞を示す信号を出力することもできる。この場、ホールコンピュータ60が特別遊技状態判定手段として動作し、当該信号に基づいて特別遊技状態の種類を判定することもできる。例えば、時短中において、当該信号を所定回数(例えば10回)以上受信ときに第1特別遊技状態(「小当りモード」)と判定することもできる。
また、第1特別遊技状態(「小当りモード」)であることを特定可能な信号として小当り信号を遊技機から出力することもできる。この場合、ホールコンピュータ60が特別遊技状態判定手段として動作し、小当り信号の受信に基づいて第1特別遊技状態を特定することもできる。例えば、小当り信号の受信期間を第1特別遊技状態と判定する。
【0073】
また、本実施形態では、本発明をホールコンピュータ60に適用したが、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、計数装置、景品交換装置、及び遊技情報表示装置などのその他の遊技用装置に適用することもできる。
【0074】
なお、本実施形態の説明において用いた「玉」、「球」、及び「個」は、遊技球を計数する際の単位であり、いずれも同義である。
【0075】
[第2実施形態]
次に、本発明の遊技用装置、プログラム、及び遊技用装置を備える遊技用システムの第2実施形態について、図16図34を参照して説明する。
【0076】
本実施形態に係る遊技用システム1は、図16に示すように、スロットマシンなどの遊技機10や複数の遊技用装置で構成されている。
【0077】
遊技用装置としては、例えば、現金(紙幣)の投入やカードの挿入と引き換えに遊技媒体を貸し出す台間機20、対をなす遊技機10に関する遊技情報の表示や店員の呼出機能を備える呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、遊技機10ごとの遊技情報を収集するホールコンピュータ60などを備えている。
また、特に図示しないが、遊技機10としてパチンコ機、台間機20として遊技球を貸し出すタイプのもの、遊技媒体を計数可能な計数装置、遊技機10で獲得した遊技媒体と所定の景品との交換を行う景品交換装置などの遊技用装置も設置されている。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0078】
このような遊技用システム1は、遊技機10、台間機20などから出力される遊技情報に基づいて遊技機10ごとの遊技情報を収集する遊技情報収集システムとして構成されている。
【0079】
遊技機10は、遊技者が遊技媒体であるメダルの投入やベットボタン操作によってメダルの掛け数(例えば、1枚のメダルを掛ける1枚掛けや、3枚のメダルを掛ける3枚掛け)を設定することにより遊技開始可能な状態となり、この状態でスタートレバーが操作(始動操作)されると、所定の図柄を表示した複数(通常は3個)のリールが回転を開始するとともに、それぞれのリールに対応した複数の停止ボタンが押下操作されると、スタートレバーの操作タイミングで行われる抽選処理の抽選結果に応じた図柄の組合せで停止するように各リールが停止制御され、停止したリールの図柄の組合せに基づいて入賞の有無が判定され、判定結果に応じて所定数の遊技媒体が払い出されるという、通常のスロットマシン遊技を実現可能な構成を備えている。
【0080】
このようなスロットマシン遊技を実現可能な遊技機10においては、種々の遊技状態で遊技が行われる。
遊技状態には、通常の遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態以外の遊技状態とがある。
通常遊技以外の遊技状態には、遊技者にとって有利な遊技状態として、特別遊技状態と、特別遊技状態とは異なる内容で実行される特定遊技状態などがある。
【0081】
特別遊技状態は、いわゆる「ボーナス遊技状態」と呼ばれ、遊技機10の内部で行われる抽選の結果、所定の内容に当選すると、その遊技又は次回以降の遊技で所定条件が成立(入賞)することで開始し、少量の払出のある小役や大量の払出のある所定の図柄配列が連続して揃うように抽選及びリールの制御が行われ、ある条件が成立することで終了する遊技性を有している。
ボーナス遊技状態は、所定枚数のメダルが払出されるまで遊技が継続するので、遊技者にとって有利な遊技状態である。
このようなボーナス遊技状態には、レギュラーボーナス遊技状態(RB)やビッグボーナス遊技状態(BB)などがある。
【0082】
RBに入賞すると、所定回数(例えば12回とする)の遊技、又は、所定回数(例えば8回とする)の入賞が成立した場合に終了するように制御されるため、通常遊技状態よりも多くの遊技媒体の獲得が望める。本実施形態の遊技機10では、RBにおいて、毎遊技必ず小役が入賞するため、8回の遊技(例えば、3枚掛け10枚払出しを8回)で終わるようになっている。
BBに入賞すると、所定枚数(例えば140枚)を超える払出しにより終了するように制御されるため、RBよりも多くの遊技媒体の獲得が望める。なお、本実施形態の遊技機10では、BBにおいて、毎遊技必ず小役が入賞するため、10回の遊技(例えば、1枚掛け15枚払出しを10回)で終わるようになっている。
また、ボーナスは、6段階の確率設定機能において、6段階の設定ごとに当選率に違いのあるボーナス(設定差有りボーナスともいう)、各段階の当選確率が同じであり当選率に違いのないボーナス(設定差無しボーナスともいう)などの種別を有する。
【0083】
一方、特定遊技状態には、アシストリプレイタイム(ART)遊技状態などがある。
ART遊技状態は、メダルを投入することなく行うことが可能な次回の遊技(再遊技(リプレイ))に当選する確率が、通常遊技状態におけるリプレイの確率に比べて高い遊技状態であり、所定の入賞役(例えば、小役)に入賞するように停止ボタンの押し順の報知や目押しの指標となる図柄の報知のある遊技状態である。
すなわち、ART遊技状態は、メダルを消費することなく、後記アシスト機能によって小役に入賞し易く、ART遊技全体として、1遊技あたり、1枚のメダルの増加が望める。
このように、ART遊技状態は、獲得メダルの増加が見込めるため、遊技者とって有利な遊技状態である。
【0084】
具体的に、ART遊技状態は、通常遊技状態において、所定の確率で所定の特別入賞役に当選後、所定の演出手段において実行される抽選処理において当選するとART遊技状態に突入し、所定の終了条件を満たしたとき(例えば、アシスト回数,遊技回数,遊技媒体獲得数などの設定値に達したとき、RB・BBの当選時、入賞時など)に終了する。
【0085】
なお、遊技者に対して小役等の入賞を促すために、目押しの指標となる図柄を液晶表示部に表示させたり、停止ボタンの操作順序を液晶表示部に表示させたりする機能をアシスト機能といい、この機能が実行されている状態をアシストタイム(AT)遊技状態という。
また、単にリプレイの当選確率を通常遊技状態におけるリプレイの当選確率よりも高くして、リプレイに当選及び入賞しやすくした状態をリプレイタイム(RT)遊技状態という。
ART遊技状態は、AT遊技状態とRT遊技状態とを組み合わせた遊技状態を含むものであるが、特定遊技状態は、ART遊技状態に限るものではなく、AT遊技状態のみ、又は、RT遊技状態のみであってもよい。
また、ART遊技状態には、後述するエンディング遊技状態(エンディングともいう)を伴うものがある。
つまり、エンディング遊技状態は、ART遊技状態であり、獲得メダルの増加が見込めるため、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0086】
スロットマシン遊技は、遊技状態によって、通常区間と有利区間に区分される。
「通常区間」は、通常遊技状態において遊技可能な区間である。通常遊技状態は、基本的にリプレイ低確率遊技状態であり、獲得メダルの増加が見込めないため、遊技者とっては、不利な遊技状態である。
「有利区間」は、基本的には、通常区間以外の遊技区間であり、遊技者にとって有利な遊技状態において遊技可能な区間である。
例えば、通常遊技状態ではない、特定遊技状態(ART遊技状態)や特別遊技状態(ボーナス遊技状態)において遊技可能な区間は「有利区間」に該当する。
【0087】
また、通常遊技状態であっても、ARTの当選確率が低確率状態よりも高く設定されている高確率状態において遊技可能な区間や、ARTの抽選に当選し、ART遊技状態への移行を待機している遊技状態(ART待機状態)において遊技可能な区間は、「有利区間」に該当する。
なお、RBやBBに当選したものの、所定の条件が成立(入賞)していないために、ボーナス遊技が開始されていない状態(ボーナス待機状態という)については、「有利区間」中に移行した場合に限り、「有利区間」として扱う。
ただし、「通常区間」中に当選した「設定差有りボーナス」のボーナス遊技状態中は、「通常区間」に該当する。
また、エンディング遊技状態は、ART遊技状態であるため、エンディング遊技状態において遊技可能な区間(エンディング区間という)も「有利区間」に該当する。
【0088】
このようなエンディング遊技状態について説明する。
エンディング遊技状態は、有利区間において連続して実行される遊技の回数をカウント(計数)し、有利区間における遊技の上限回数(以下、リミッタともいう)に到達すると、通常区間に移行する。本実施形態では、遊技の上限回数は、120回に設定されているが、これに限定されず、他の回数が設定されていてもよい。
すなわち、遊技機10は、特定遊技状態がリミッタに相当する所定期間継続したことに基づいて、特定遊技状態を終了させる終了制御(エンディング制御という)を実行するようにしている。そして、このエンディング制御が実行される前からエンディング制御が実行されるまでのエンディング区間における遊技状態がエンディング遊技状態(終了遊技状態ともいう)に相当する。
本実施形態では、「エンディング制御が実行される前」として定められるエンディング遊技状態の開始タイミングは、リミッタより40回少ない80回に到達するタイミングに設定しており、この場合、特定遊技状態における遊技回数が80回に到達したときから120回に到達するまでの期間である、遊技回数40回に相当する期間が「エンディング区間」に相当し、このエンディング区間における遊技状態を「エンディング遊技状態」ということもできる。
【0089】
エンディング遊技状態への移行及びエンディング制御の具体例を例示する。
例えば、通常遊技状態からART遊技状態に移行した場合は、ART遊技状態に移行したときから遊技が80回継続されることでエンディング遊技状態に移行し、その後、遊技が40回継続された時点でエンディング制御によりART遊技状態が終了する。
また、通常遊技状態からART待機状態を経てART遊技状態に移行した場合は、ART待機状態に移行したときから遊技が80回継続されることでエンディング遊技状態に移行し、その後、遊技が40回継続された時点でエンディング制御によりART遊技状態が終了する。このため、ART待機状態に移行したときからリミッタである120回の遊技が実行されるまでの間にARTに当選せずART遊技状態に移行しない場合は、そのままエンディング制御が行われて通常遊技状態に戻ることになる。
なお、ART待機状態に移行したときからリミッタである120回の遊技が実行されるまでの間にボーナスに当選せずボーナス遊技状態に移行しない場合は、そのままエンディング制御が行われて通常遊技状態に戻ることになる。
また、ボーナス遊技状態中にリミッタである120回の遊技に到達しても、ボーナス遊技状態がエンディング制御によって終了することはない。
【0090】
このように、エンディング遊技状態への移行は、基本的には、特定遊技状態が所定期間継続したことに基づいて実行されるが、これ以外の方法によっても移行される。
例えば、通常遊技状態、ART待機状態、ART遊技状態における遊技において、エンディングに当選した場合に移行する。
また、ART遊技状態の遊技においてボーナスに当選してボーナス遊技状態に移行した場合に、エンディング遊技状態に移行する。
【0091】
遊技機10は、遊技情報出力手段として複数種類の遊技情報を出力可能な外部端子板を設けている。
遊技情報出力手段から出力される遊技情報には、遊技進行に応じて出力される様々な遊技情報(特定遊技情報又は第2遊技情報ともいう)がある。
例えば、図17に示すように、少なくとも5つの出力端子が設けられており、「1」の端子(1番端子という)からは遊技媒体となるメダルの投入数を示すアウト信号(投入信号又は投入遊技情報ともいう)が出力され、「2」の端子(2番端子という)からは入賞メダルの払出数を示すセーフ信号(払出信号又は払出遊技情報ともいう)が出力されるようになっている。
また、遊技情報出力手段からは、現在の遊技状態が特別遊技状態であることを示す特別遊技情報が出力されるようになっている。
具体的には、現在の遊技状態がレギュラーボーナス遊技状態であることを示すRB信号が「3」の端子(3番端子という)から出力され、現在の遊技状態がビッグボーナス遊技状態であることを示すBB信号が「4」の端子(4番端子という)から出力される。
【0092】
また、遊技情報出力手段から出力される遊技情報には、遊技機10がエンディング遊技状態であることを示す終了遊技情報(第1遊技情報ともいう)があり、エンディング信号として「5」の端子(5番端子という)から出力されるようになっている。
エンディング信号は、特定遊技状態が終了制御されることに基づいて出力される遊技情報であり、具体的には、特定遊技状態が終了制御される前の所定のタイミングで出力が開始され、特定遊技状態が終了制御されることに応じて出力が終了される。
例えば、リミッタが120回の場合、特定遊技状態における遊技回数が80回に到達したときをエンディング信号の出力開始タイミングとし、特定遊技状態における遊技回数が120回に到達したときをエンディング信号の出力終了タイミングとすることができる。すなわち、特定遊技状態における遊技回数が80回から120回までの間は、エンディング信号が継続して出力される。
なお、台間機20からも、現金の投入やカードの挿入などの取引を示す情報、現金等の投入額を示す売上信号、併設された遊技機10を特定可能な遊技機情報などを含む取引情報が出力される。
【0093】
このような遊技情報は、ネットワークを介して台コンピュータ40、島コンピュータ50を中継してホールコンピュータ60に出力される。
遊技情報は、台コンピュータ40、島コンピュータ50、及びホールコンピュータ60のうち少なくともいずれかにおいて所定のデータ加工(例えば数値化処理)が行われ、ホールコンピュータ60に遊技機10ごとの遊技情報として順次受信され、蓄積される。
【0094】
ホールコンピュータ60は、遊技用装置の一例として動作し、図18に示すように、キーボード、マウスなどの入力手段からなる入力部61、台コンピュータ40、島コンピュータ50などとデータ通信を行う通信部62、液晶表示装置などの表示手段を有し、遊技機10ごとの遊技情報を表示する表示部63、ハードディスクなどの記憶手段からなる記憶部64、上記各部を制御する制御部65(コンピュータ)等を備え、主に遊技場の管理者や店員等により操作される情報処理装置として構成されている。
このような構成のホールコンピュータ60による特徴的な動作として、エンディングに関する遊技情報の収集・報知、及び、エンディングに関する異常判定について、以下に説明する。
【0095】
[エンディングに関する遊技情報の収集・報知]
制御部65は、収集手段として動作することにより、通信部62を介して島コンピュータ50などから受信した遊技機10ごとの遊技情報を収集する。
収集手段により収集される遊技情報には、アウト信号の受信回数から求められるアウト数、セーフ信号の受信回数から求められるセーフ数、アウト数とセーフ数の差分を示す差枚数(出玉ともいう)、RB信号・BB信号(以下、適宜、ボーナス信号と総称する)の受信回数から求められるボーナス回数などがある。
このうち、アウト信号は、遊技機10への投入メダル数に対応する数のパルス列からなり、スロットマシンに備えるスタートレバーの操作タイミングで出力が開始され、所定時間内ですべて出力が終了するようになっている。
すなわち、アウト信号は、スロットマシン遊技が1回実行されるごとに出力されることから、このパルス列を一塊の投入遊技情報として捉えることにより、この投入遊技情報に基づいて遊技回数を算出することができる。
【0096】
収集された遊技情報は、遊技機10ごと及び営業日(例えば1日単位)ごとに記憶部64に記憶される。
また、遊技情報は、遊技機10の台番号や機種名、エンディング信号の受信を開始した時刻(開始時間)、エンディング信号を受信しなくなることで受信を終了した時刻(終了時間)と対応付けて記憶することができる。
【0097】
制御部65は、報知手段として動作することにより、遊技情報出力手段から出力された終了遊技情報を受信することに基づいて、特定遊技情報が終了することに関する情報を報知する。
すなわち、エンディング信号を受信(例えば、エンディング信号のOFF→ONを検出)することに基づいて、エンディングに関する様々な情報を報知することができる。
例えば、図19(a)に示すポップアップ画面を表示部63に表示することができる。
これにより、従業員は、エンディング遊技状態を開始した遊技機10があることのほか、エンディング遊技状態を開始した遊技機10の台番号、機種名、エンディング遊技状態の開始時間など、エンディングに関する様々な情報を把握することができる。
また、図19(b)に示すように、エンディング信号を受信しなくなること(エンディング信号の受信を終了したこと)に基づいて、エンディング遊技状態が終了したことを示す表示に切り替えることもできる。
これにより、従業員は、上記遊技機10においてエンディング遊技状態が終了したことや、エンディング遊技状態の終了時間などを把握することができる。
【0098】
なお、前述したように、遊技機10の出力端子において、3番端子からはRB信号が出力され、4番端子からはBB信号が出力され、5番端子からはエンディング信号が出力されるが、ホールコンピュータ60においては、これらの遊技情報に優先順位を設けることなく、それぞれ様々な情報の集計に用いることができる。
このため、エンディング信号の出力タイミングと、RB信号・BB信号の出力タイミングが重複したとしても、一方を有効に取り扱い、他方を無効にする、といった処理は行わず、どちらも有効に取り扱うようにしている。
また、仮に、上記優先順位を設け、例えば、エンディング信号の優先順位を、RB信号やBB信号より低く設定した場合には、重複区間においてエンディング信号が実質途切れることになるが、このような場合であっても以下の方法によって1回(一連)のエンディング信号を正確に受信することができる。
例えば、エンディング信号を受信した場合には、その受信中にRB信号やBB信号を受信した場合でも、エンディング信号を1回受信したものとみなすようにする。
これにより、エンディング信号の受信中にRBやBBが開始され、さらにRBやBBが終了することでエンディング信号を再度受信することになった場合でも、エンディング信号を誤って2回受信したものと集計されず、エンディング信号を1回受信したものとして正確に集計することができる。
また、この場合、エンディング信号の再度の受信は、RB信号やBB信号の受信が終わった直後に行われることから、RB信号やBB信号の受信後にエンディング信号の受信までに所定時間以上の空き時間がある場合には、新たなエンディング信号とみなし、空き時間が所定時間未満の場合には、1回のエンディング信号の受信とみなすようにすることができる。
これによっても、優先順位が低いエンディング信号に係る集計処理を正確に行うことができる。
【0099】
また、エンディング遊技状態中に出力された遊技情報に関する様々な情報を報知することもできる。
このため、制御部65は、収集区間設定手段として動作することにより、終了遊技情報を受信することに基づいて、遊技情報を収集する収集区間を設定する。
具体的には、終了遊技情報を受信することに基づいて、遊技情報の収集区間として、特定遊技状態が終了制御手段により終了制御される前から終了制御されるまでの区間であるエンディング区間を設定する。
エンディング区間は、遊技機10がエンディング遊技状態中の区間であり、この区間に亘りエンディング信号は連続して出力されることから、図20に示すように、エンディング信号の受信開始(OFF→ON)から受信終了(ON→OFF)までの区間を特定することによって収集区間であるエンディング区間を設定することができる。
【0100】
制御部65は、特定遊技情報収集手段として動作することにより、収集区間設定手段により設定された収集区間において、遊技情報出力手段から出力された特定遊技情報を収集する。
特定遊技情報としては、アウト信号やセーフ信号を例示することができ、例えば、図20に示すように、エンディング区間中におけるアウト数を「エンディング中投入数」として収集したり、エンディング区間中におけるセーフ数を「エンディング中払出数」として収集したりすることができる。
また、エンディング区間中におけるアウト数とセーフ数との差分を、エンディング区間において遊技者が獲得した遊技媒体数を示す「エンディング中差枚数(又はエンディング中出玉)」として収集したり、エンディング区間中に受信したアウト信号から算出されるエンディング区間中の遊技回数を「エンディング中遊技回数」として収集したりすることもできる。
さらに、エンディング信号の受信回数を「エンディング回数」として収集したり、エンディング回数を遊技回数で割った値を「エンディング確率」として収集したりすることもできる。
【0101】
制御部65は、報知手段として動作することにより、特定遊技情報収集手段により収集された特定遊技情報に関する情報を報知することができる。
具体的には、前記「エンディング中投入数」、「エンディング中払出数」、「エンディング中差枚数」、「エンディング中遊技回数」、「エンディング回数」、「エンディング確率」を、表示部63に表示することで、これらの情報を従業員に報知することができる。
また、図21の特賞履歴に示すように、BB、RBに関する履歴情報とともに、エンディングに関する情報(「エンディング中投入数」、「エンディング中払出数」、「エンディング中差枚数」、「エンディング中遊技回数」、「エンディング回数」、「エンディング確率」)を時系列に表示することができる。
【0102】
また、遊技機10ごとに、一日に発生したエンディング遊技状態中の最大出玉数を報知することもできる。
このため、制御部65は、図22(a)に示すように、まず、初回のエンディングに係るエンディング区間(1回目)において収集した「エンディング中出玉」を「エンディング最大出玉」として記憶部64に記憶しつつ表示部63に表示する。
そして、次回以降のエンディング区間において、記憶した「エンディング最大出玉」を超える「エンディング中出玉」が収集された場合は、当該「エンディング中出玉」を「エンディング最大出玉」として記憶して更新する。
なお、次回以降のエンディング区間において、記憶した「エンディング最大出玉」以下の「エンディング中出玉」が収集された場合、更新は行わない。
【0103】
図22(a)の例において、エンディング区間(1回目)における「エンディング中出玉」は200枚なのでこの時点での「エンディング最大出玉」は200枚であり、エンディング区間(2回目)における「エンディング中出玉」は100枚(200枚以下)なので「エンディング最大出玉」は更新されず、エンディング区間(3回目)における「エンディング中出玉」は300枚(200枚超)なので「エンディング最大出玉」は300枚に更新される。
制御部65は、「エンディング最大出玉」を表示部63に表示することで、報知することができる。
例えば、遊技場における遊技機10の位置を表示したレイアウト画面(図23参照)において、任意の遊技機10を選択したときに、図22(b)に示すような画面をポップアップさせて表示することができる。
これにより、遊技機10ごとに、一日に発生したエンディング遊技状態中の最大出玉数を従業員が容易に把握することができる。
【0104】
また、エンディング遊技状態にある遊技機10の位置を報知することもできる。
このため、記憶部64には、予め、遊技場における遊技機10の設置領域(位置・大きさ・範囲など)を特定可能な情報(位置情報)を記憶させることで、図23に示すように、遊技機10の設置領域を含む遊技場のレイアウトを表示部63に表示できるようにしておく。
また、上記位置情報と遊技機10の台番号とを対応付けて記憶させておく(図23参照)。
これにより、制御部65は、終了遊技状態特定手段として動作することにより、終了遊技情報を受信することに基づいて、遊技状態が終了遊技状態である遊技機10を特定し、報知手段として動作することにより、記憶部64に記憶されている位置情報に基づき、終了遊技状態特定手段により終了遊技状態であることが特定された遊技機10の遊技場における位置に関する情報を報知することができる。
【0105】
具体的には、101番台の遊技機10からエンディング信号を受信すると、エンディング遊技状態にある遊技機10が101番台であることを特定し、記憶部64において101番台に対応付けて記憶されている遊技機10の位置情報に基づいて上記レイアウトにおけるエンディング遊技状態中の遊技機10の設置領域を示すことができる。
例えば、図23に示すように、該当する遊技機10の設置領域を所定の色や模様等を施したり、該当する遊技機10の設置領域を、例えばマウス操作等により選択するとエンディング遊技状態中であることの吹き出しコメントが表示されるなどして、エンディング遊技状態にある遊技機10の位置を特定可能に報知することができる。
【0106】
また、1回の遊技期間において、どの程度エンディングを体験できているかを把握可能な情報を報知することもできる。
このため、制御部65は、遊技期間特定手段として動作することにより、遊技機10における一遊技者の遊技期間を特定する。
例えば、遊技機10から出力されるアウト信号を継続して受信した後に一定時間以上受信しないときは、遊技者の入替わりと判定することができるため、当該判定に基づいて、各遊技機10における一遊技者による1回の遊技期間を特定することができる。
また、台間機20から出力される紙幣投入、カード挿入などの取引情報に基づいても、遊技者の入れ替わりを判定することができるため、当該判定に基づいて、各遊技機10における一遊技者による1回の遊技期間を特定することができる。
例えば、図24(a),図25(a),図26(a),図27(a)において、「遊技中」で示される期間は一遊技者による1回の遊技期間である。
【0107】
制御部65は、終了遊技情報収集手段として動作することにより、遊技期間特定手段により特定された一遊技者の遊技期間中に受信した終了遊技情報に関する情報を収集する。
具体的には、図24(a)に示すように、一遊技期間中にエンディング信号を受信(例えば、OFF→ON)した場合に、1回の遊技期間においてエンディングを体験したものとし、その体験回数を「エンディング体験回数」として収集する。
また、「エンディング体験回数」を総遊技回数で割ることによって、1回の遊技期間におけるエンディング体験回数である「エンディング体験率」を求めることができる。
図24(a)の例においては、遊技期間(1回目)中にエンディングを体験しているため「エンディング体験回数」を「1」加算し、遊技期間(2回目)中はエンディングを体験していないため加算せず、遊技期間(3回目)中はエンディングを体験しているため「エンディング体験回数」を「1」加算する。
このため、当日の「エンディング体験回数」は2回となり、エンディング体験率は66%(=2/3)となる。
制御部65は、報知手段として動作することにより、終了遊技情報収集手段による収集結果に関するこれらの情報を表示部63に表示することで報知を行うことができる。
例えば、遊技場における遊技機10の位置を表示したレイアウト画面(図23参照)において、任意の遊技機10を選択すると、図24(b)に示すような画面をポップアップさせて表示することができる。
これにより、従業員は、遊技期間ごとにどれくらいの割合でエンディングを体験できているかを把握することができる。
例えば、機種ごとに集計することによって、機種ごとの満足度や不満足度を把握することができる。
【0108】
また、エンディングの体験と、遊技の勝ち負けとを関連付けた情報を報知することもできる。
このため、制御部65は、勝敗判定手段として動作することにより、遊技期間特定手段により特定された一遊技機10の遊技期間中に終了遊技情報を受信したことに基づいて、当該遊技期間における当該一遊技者による遊技の勝敗を判定する。
具体的には、図25(a)に示すように、遊技期間においてエンディング信号を受信した遊技期間をエンディング体験した遊技期間として特定し、特定した遊技期間における遊技において勝ったか負けたかを判定する。
遊技の勝ち負けは、例えば、遊技期間中におけるセーフ数からアウト数を差し引いた出玉を求め、出玉が正の場合は、その遊技期間における遊技において遊技者が勝った(勝ち)と判定し、出玉が負の場合は遊技者が、その遊技期間における遊技において遊技者が負けた(負け)と判定する。
そして、判定の結果である「勝ち」の回数を計数することで、エンディングを体験し、かつ、勝った遊技回数である「エンディング体験勝ち回数」を収集することができる。
また、「エンディング体験勝ち回数」を総遊技回数で割ることによって、「エンディング体験勝ち率」を求めることができる。
一方、判定の結果である「負け」の回数を計数することで、エンディングを体験したにもかかわらず負けた遊技回数である「エンディング負け回数」を収集することができる。
また、「エンディング体験負け回数」を総遊技回数で割ることによって、「エンディング体験負け率」を求めることができる。
なお、「エンディング体験勝ち率」や「エンディング体験負け率」は、上記のとおり、「エンディング体験勝ち回数」や「エンディング体験負け回数」を総遊技回数で割ることで求めるようにしているが、「総遊技回数」にはエンディングを体験していない遊技回数分を除外して求めることもできる。
【0109】
図25(a)の例においては、遊技期間(1回目)中にエンディングを体験しており、かつ、「負け」であるため、「エンディング体験負け回数」を「1」加算し、遊技期間(2回目)中はエンディングを体験していないため加算せず、遊技期間(3回目)中はエンディングを体験しており、かつ、「勝ち」であるため、「エンディング体験勝ち回数」を「1」加算する。
この場合、当日のエンディング体験勝ち回数は1回となり、エンディング体験勝ち率は33%(=1/3)となる。
また、当日のエンディング体験負け回数は1回となり、エンディング体験負け率は33%(=1/3)となる。
【0110】
制御部65は、報知手段として動作することにより、勝敗判定手段による判定結果に関するこれらの情報を表示部63に表示することで報知することができる。
例えば、遊技場における遊技機10の位置を表示するレイアウト(図23参照)において、任意の遊技機10を選択すると、図25(b)に示すような画面をポップアップさせて表示することができる。
これにより、エンディングの体験と勝ち負けとの関連性を遊技機10ごとに分析できるため、例えば、遊技台の入替えの判断等に役立てることができる。
【0111】
また、1回の遊技において最初にエンディングに移行するまでの打ち込み数を報知することもできる。
例えば、各遊技期間において、遊技の開始からエンディング信号を受信するまでのアウト数(打ち込み数)を「初回エンディング打ち込み数」として収集し、これを表示部63に表示することができる。
図26(a)の例においては、遊技期間(1回目)の遊技開始時からエンディング信号を受信するまでの間の打ち込み数が270であるため遊技期間(1回目)の「初回エンディング打ち込み数」は270枚となり、遊技期間(2回目)中にエンディング信号を受信しないため「初回エンディング打ち込み数」は収集されず、遊技期間(3回目)の遊技開始からエンディング信号を受信するまでの間の打ち込み数が300(=1100-800)であるため、遊技期間(3回目)の「初回エンディング打ち込み数」は300枚となる。
このため、図26(b)に示すように、遊技期間ごとに、最初にエンディング遊技状態に移行するまでの打ち込み数を報知することができる。
これにより、エンディング遊技状態に移行するまでにどれほどメダルを投入しているかを把握することができる。
また、「初回エンディング打ち込み数」に所定値(例えば、換金率20)を乗算した値を表示することによって、エンディング遊技状態に移行するまでにどれほどの投資をしているかを把握することができる。
なお、台間機20から出力される売上信号に基づいて遊技機10への投資金額を算出することができることから、遊技開始からエンディング遊技状態に移行するまでの間の売上信号に基づいて、同様の投資情報を収集し、報知することができる。
【0112】
また、エンディング制御後にすぐに遊技を終了したケースがどの程度あるのかを把握可能な情報を報知することもできる。
このため、図27(a)に示すように、各遊技期間において、エンディング制御が実行された後から遊技が終了するまでの遊技回数を計数し、当該遊技回数が予め定めた判定基準に該当する場合を「エンディング後即終了」としてその回数「エンディング後即終了回数」を収集する。
【0113】
図27(a)の例において、遊技期間(1回目)の遊技において、エンディング遊技状態が終了(ON→OFF)してから遊技期間(1回目)の遊技が終了するまでに実行した遊技回数(エンディング後遊技回数)が30回(=530-500)であり、当該遊技回数が判定基準(50以下)に該当するため、「エンディング後即終了回数」を「1」加算する。
また、遊技期間(2回目)において、エンディング遊技状態が終了(ON→OFF)してから遊技期間(2回目)の遊技が終了するまでに実行した遊技回数(エンディング後遊技回数)が200回(=1000-800)であり、当該遊技回数が判定基準(50以下)に該当しないため、「エンディング後即終了回数」を加算しない。
また、「エンディング後即遊技終了回数」を「エンディング体験回数」で割った値を「エンディング後即遊技終了確率」として求めることができる。
このため、業務終了時において、「エンディング後即遊技終了回数」は1回となり、「エンディング後即遊技終了確率」は50%(=1/2)となる。
【0114】
制御部65は、報知手段として動作することにより、これらの情報を表示部63に表示することで報知を行うことができる。
例えば、遊技場における遊技機10の位置を表示するレイアウト(図23参照)において、任意の遊技機10を選択すると、図27(b)に示すような画面をポップアップさせて表示することができる。
これにより、例えば、機種ごとに、エンディング制御後にすぐ遊技を終了している割合を把握することができるため、遊技台の入替えの判断等に役立てることができる。
なお、遊技回数ではなく、アウト数に基づいて「エンディング後即遊技終了回数」を求めることもできる。
【0115】
以上説明したようなエンディングに関する様々な情報の収集・報知に係る動作は、記憶部64に備えるハードディスクなどの記憶手段に記憶されたプログラムをコンピュータとして構成された制御部65が実行することにより実現される。
図28は、このプログラムのフローチャートを示しており、これを参照しながら、上述した動作について説明する。
なお、遊技機10の遊技状態は、特定遊技状態であり、エンディング遊技状態に移行していないものとする。
【0116】
この処理では、まず、エンディング信号を受信したかどうかの判定を行う(S31)。エンディング信号を受信していないときには(S31-No)、処理を終了し、エンディング信号を受信したときには(S31-Yes)、エンディングに関する所定の情報を報知する(S32)。
例えば、エンディング遊技状態を開始した遊技機10に関する様々な情報(図19図23等参照)を報知することもできる。
【0117】
次に、エンディング信号の受信が終了したかどうかの判定を行う(S33)。この判定は、エンディング信号の受信が終了するまで行う(S33-No)。
エンディング信号の受信が終了したときは(S33-Yes)、エンディング区間を特定する(S34)。
具体的には、エンディング信号の受信開始から受信終了までの期間をエンディング区間として特定する。
【0118】
続いて、エンディング区間における遊技情報その他エンディングに関する情報の収集・報知を行う(S35)。
具体的には、上記「エンディング中投入数」、「エンディング中払出数」、「エンディング中差枚数(又はエンディング中出玉)」、「エンディング中遊技回数」、「エンディング回数」、「エンディング確率」を報知することができる(図21等参照)。
また、「エンディング最大出玉数」(図22参照)、「エンディング体験回数」、「エンディング体験率」(図24参照)、「エンディング体験勝ち回数」、「エンディング体験負け回数」、「エンディング体験勝ち率」、「エンディング体験負け率」(図25参照)、「初回エンディング打ち込み数」(図26参照)、「エンディング後即遊技終了回数」、「エンディング後即遊技終了確率」(図27参照)を報知することができる。
【0119】
以上説明したように、本発明の遊技用装置として動作するホールコンピュータ60によれば、遊技機10から出力されたエンディング信号を受信することに基づいて、特定遊技状態がエンディング制御によって終了することに関する様々な情報を収集し、報知することができる。
【0120】
一方、特許文献1に記載の遊技用装置では、遊技機10から出力される一般的な遊技情報を受信し、収集することはできるものの、特定遊技状態がエンディング制御によって終了することに関する情報を収集したり、報知することはできなかった。
本実施形態の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0121】
[エンディングに関する異常判定]
次に、エンディングに関する異常判定について説明する。
なお、ここでは、遊技機10から出力される遊技情報のうち、特定遊技状態が終了制御されることに基づいて出力される終了遊技情報(エンディング信号)を第1遊技情報とし、遊技の進行に応じて出力される遊技情報を第2遊技情報として説明する。
【0122】
制御部65は、第2遊技情報収集手段として動作することにより、遊技機10の遊技情報出力手段から出力される第2遊技情報を収集する。
例えば、第2遊技情報として、遊技機10への投入遊技情報としてのアウト信号や、ボーナス信号などの遊技情報を挙げることができる。
制御部65は、判定値判定手段として動作することにより、第1遊技情報を受信することに基づいて、第2遊技情報収集手段による収集結果に基づく値が、所定の判定値に該当するかどうかを判定し、状態判定手段として動作することにより、判定値判定手段により所定の判定値に該当すると判定されたことに基づいて、遊技機10が所定の状態であると判定する。
具体的には、遊技回数(アウト信号の収集結果に基づく値)やボーナス信号の受信回数であるボーナス回数が多い所定数以上(所定の判定値)になって、はじめてエンディング信号を受信した場合には、遊技機10が異常であると判定する。
【0123】
例えば、設定によって、エンディングの当選確率が高い遊技機10に対し上記の状態判定処理を適用することができる。
これは、エンディング遊技状態に移行し易いにもかかわらず、多くの遊技回数やボーナス回数を経た後に、はじめてエンディング遊技状態に移行した場合は、何らかの不正や故障が生じているおそれがあるからである。
【0124】
また、状態判定処理において、遊技回数やボーナス回数の累計値が所定数以下のときに、エンディング信号(第1遊技情報)を受信した場合に、遊技機10が異常であると判定することができる。
これは、エンディング遊技状態は、その移行条件から、移行前に相当数の遊技やボーナス遊技を行うことが考えられることから、遊技回数やボーナス回数が所定数以下であるにもかかわらずエンディング遊技状態に移行している場合には、何らかの不正や故障のおそれがあるからである。
また、遊技回数やボーナス回数が少ない期間にエンディング遊技状態に移行している場合には、例えば、営業開始後すぐにエンディング遊技状態に移行させる不正が行われたおそれがあるため、このような不正に伴う遊技機10の異常についても判定することができる。
なお、状態判定の判定結果を表示部63に表示して報知することができる。
また、判定値を変えることによって、遊技機10が正常の状態であるかどうかを判定することもできる。
【0125】
また、エンディングが連続的に複数回発生している場合における遊技回数に基づいて異常判定を行うこともできる。
このため、制御部65は、収集区間設定手段として動作することにより、所定条件の成立に基づいて、第2遊技情報収集手段が第2遊技情報を収集する収集区間を設定する。
具体的には、図29に示すように、収集区間として「エンディング連続回数=3回」を定め、また、収集区間の起点を定めるため、エンディング回数(累計値)と遊技回数(累計値)を「記憶消去」する(0にする)ことを「所定条件の成立」とする。
すなわち、「記憶消去」に基づいて、当該「記憶消去」した後のエンディング回数が「エンディング連続回数」に到達するまでの期間を、遊技回数(第2遊技情報)を収集する収集区間として設定する。
【0126】
また、制御部65は、判定値判定手段として動作することにより、収集区間設定手段により設定された収集区間において、第1遊技情報を複数回受信したことに基づいて、当該収集区間において第2遊技情報収集手段により収集された収集結果に基づく値が、所定の判定値に該当するかどうかを判定し、状態判定手段として動作することにより、判定値判定手段により所定の判定値に該当すると判定されたことに基づいて、遊技機10が所定の状態であると判定する。
具体的には、図29に示すように、予め、判定値として「エンディング連続警報遊技回数」を定めておき、エンディング回数が「エンディング連続回数」に達したときの遊技回数が「エンディング連続警報遊技回数」にあたるかどうかを判定する。
【0127】
図29の例では、エンディング回数が3回に達したときの遊技回数(800回)が1000回以下であるため、「判定値」に該当することから、遊技機10は異常であると判定する。
これは、前述したように、エンディング遊技状態の移行前には相当回数の遊技を行うことが一般的であるところ、1回のエンディングだけを対象として異常判定を行うと、仮に適正なエンディングが偶発的に発生した場合に、誤って遊技機10が異常と判定するおそれがあるからである。
このため、ここでは、複数回のエンディングにそぐわない遊技回数の場合に、遊技機10が異常であると判定するようにしている。
なお、上記異常判定の対象は、遊技回数に限らず、アウト数、セーフ数、差枚数、ボーナス回数でもよい。
【0128】
次に、エンディングが複数回発生している場合におけるボーナス回数に基づく異常判定について説明する。
具体的には、「エンディング終了」や「エンディング開始」を「所定条件の成立」として、「エンディング終了」時から次の「エンディング開始」時に至る期間を、ボーナス回数(第2遊技情報)を収集する収集区間として設定する。
また、予め、判定値として「エンディング不正検知ボーナス回数」を定めておく。
そして、設定された収集区間において収集されたボーナス回数が、「エンディング不正検知ボーナス回数」にあたるかどうかを判定する。
【0129】
図30の例では、2回目のエンディングと3回目のエンディングの間のボーナス回数が2回(=19-17)であり、3回以下であるため、判定値に該当することから、遊技機10は異常と判定する。このような異常判定は、以下の理由に基づく。
例えば、図29の例では、エンディング3回に対し遊技回数1000回の割合いを基準に異常かどうかの判定を行っていることから、この基準にならってエンディング回数とボーナス回数の割合いを求めると、1回のエンディング回数あたりの遊技回数は333回(=1000÷3)となる。
このため、仮に、この遊技機10のボーナス当選確率が3/333より高い場合、計算上、1回のエンディングに対し、ボーナスが3回を超えるペースで遊技が進行すべきである。
ところが、図30の例では、1回のエンディングに対し、ボーナス回数が2回(3回以下)であることから、この遊技機10において、何らかの不正や故障が発生しているおそれがあることを検知することができる。
なお、ボーナス回数に限らず、遊技回数、アウト数、セーフ数、差枚数を用いることもできる。
また、ボーナス回数と遊技回数とを複合して用いることもできる。例えば、エンディング回数が「エンディング連続回数」に達したときの遊技回数と、そのときの、先のエンディング終了時から当該エンディング開始時までの区間におけるボーナス回数がいずれも判定値に該当する場合に異常の判定を行うことができる。
【0130】
以上説明したようなエンディングに関する第1の異常判定に係る動作は、記憶部64に備えるハードディスクなどの記憶手段に記憶されたプログラムをコンピュータとして構成された制御部65が実行することにより実現される。
図31は、このプログラムのフローチャートを示しており、これらを参照しながら、上述した動作について説明する。
なお、遊技機10の遊技状態は、特定遊技状態であり、エンディング遊技状態に移行していないものとする。
【0131】
この処理では、まず、エンディング信号を受信したかどうかの判定を行う(S41)。エンディング信号を受信していないときには(S41-No)、処理を終了し、エンディング信号を受信したときには(S41-Yes)、遊技情報の収集結果に基づく値が所定の判定値に該当するかどうかの判定を行う(S42)。
具体的には、アウト信号から算出される遊技回数やRB信号・RB信号から算出されるボーナス回数が所定の判定値に該当するかどうかを判定する。
遊技情報の収集結果に基づく値が所定の判定値に該当すると判定されなかったときは(S42-No)、処理を終了し、遊技情報の収集結果に基づく値が所定の判定値に該当すると判定されたときは(S42-Yes)、異常判定を行う(S43)。
【0132】
次に、所定期間におけるエンディング回数に基づいて異常判定を行う処理について説明する。
このため、制御部65は、第1遊技情報収集手段として動作することにより、遊技情報出力手段から出力される第1遊技情報を収集し、判定値判定手段として動作することにより、第1遊技情報収集手段による収集結果に基づく値が、所定の判定値に該当するかどうかを判定し、状態判定手段として動作することにより、判定値判定手段により所定の判定値に該当すると判定されたことに基づいて、遊技機10が所定の状態であると判定する。
例えば、エンディング回数の集計期間(例えば、1営業日)を設けることを前提に、判定値を、「エンディング回数=5回」とすることができる。
この場合、例えば、エンディング信号(第1遊技情報)を5回受信することでエンディング回数が5回に達するため、この場合は判定値に該当することから、遊技機10は異常と判定することができる。
これにより、例えば、設定によって、エンディングの当選確率が低い遊技機10であるにもかかわらず、故障や不正によってエンディング遊技状態への移行が頻繁に行われていることによる遊技機10の異常を判定することができる。
【0133】
以上説明したようなエンディングに関する第2の異常判定に係る動作は、記憶部64に備えるハードディスクなどの記憶手段に記憶されたプログラムをコンピュータとして構成された制御部65が実行することにより実現される。
図32は、このプログラムのフローチャートを示しており、これらを参照しながら、上述した動作について説明する。
なお、遊技機10の遊技状態は、特定遊技状態であり、エンディング遊技状態に移行していないものとする。
【0134】
この処理では、まず、エンディング信号を受信したかどうかの判定を行う(S41)。エンディング信号を受信したときには(S51-Yes)、エンディング回数を収集する(S52)。具体的には、エンディング回数を「1」加算する。なお、この判定は、エンディング信号を受信するまで繰り返し行う(S51-No)。
つぎに、エンディング回数が所定の判定値に該当するかどうかの判定を行う(S53)。エンディング回数が所定の判定値に該当しないと判定されたときは(S53-No)、S51に戻り、エンディング回数が所定の判定値に該当すると判定されたときは(S53-Yes)、異常判定を行う(S54)。
【0135】
以上説明したように、本発明の遊技用装置として動作するホールコンピュータ60によれば、遊技機10から出力されたエンディング信号を受信することに基づいて、遊技回数、ボーナス回数、エンディング回数等が所定の判定値に該当するかどうかを判定し、当該判定結果に基づいて遊技機10の状態を判定するようにしている。
【0136】
一方、特許文献1に記載の遊技用装置では、遊技機10から出力される遊技情報を受信したり、収集することはできるものの、エンディング信号を受信することに基づいて、遊技回数、ボーナス回数、エンディング回数等が所定の判定値に該当するかどうかや、このような判定に基づいて遊技機10の状態を判定することはできなかった。
本実施形態の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0137】
(変形例について)
次に、本発明の第二実施形態における変形例について説明する。
第1の変形例として、図33に示すように、エンディング遊技状態が終了することに基づいて遊技機10の打ち止めを実行することができる。
例えば、エンディング信号を受信しなくなると、遊技機10において電源を落とすなど遊技の進行を止める動作を行うようにする。
これにより、例えば、遊技場の運営において、エンディング終了時に持玉の交換を求める場合に、エンディング遊技状態を終了した遊技機10においては、それ以上の遊技を行うことができなくなるため、遊技者に対し持玉の交換を円滑に促すことができる。
第2の変形例として、例えば、ホールコンピュータ60において、投入数の累計値(アウト数の累計値)や払出数の累計値(セーフ数の累計値)を集計している場合において、エンディング遊技状態が終了するたびにこれらをリセット(出玉リセット)することを挙げることができる。
例えば、図34の下段に示す表において、「交換投入」は、エンディング遊技状態の終了のたびに「累計投入」(投入数の累計値)をリセットした場合の投入数の累計値であり、「交換払出」は、エンディング遊技状態の終了のたびに「累計払出」(払出数の累計値)をリセットした場合の払出数の累計値である。
そして、「交換玉」は、「交換払出」から「交換投入」を差し引くことで算出される、各エンディング区間(エンディング遊技状態)において遊技者が獲得した遊技媒体数である。
このようにすると、1回目のエンディング遊技状態の終了時においては、最初(「記憶消去」)からそのエンディング遊技状態の終了時までの累計が450(=800-750)となることから、これを1回目の「交換玉」として確定することができる。
2回目のエンディング遊技状態の終了時においては、1回目のエンディング遊技状態の終了時から2回目のエンディング遊技状態が終了するまでの累計が650(=1850-1200)となることから、これを「交換玉」として確定することができる。
これにより、例えば、遊技場の運営において、エンディング遊技状態の終了時に持玉の交換を求める場合において、遊技者が交換すべき持玉数をホールコンピュータ60側で把握することができる。
なお、上記「持玉」には、遊技者が遊技により獲得したメダル数や遊技球数を含む。
【0138】
以上、本発明の遊技用装置及びプログラムの好ましい実施形態(第2実施形態)について説明したが、本発明に係る遊技用装置及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、本発明をホールコンピュータ60に適用したが、台間機20、呼出ランプ30、台コンピュータ40、島コンピュータ50、計数装置、景品交換装置、及び遊技情報表示装置などのその他の遊技用装置に適用することもできる。
また、遊技機10としてスロットマシンを例示したが、パチンコ機など、エンディング信号を出力可能な遊技機10であればよい。
また、エンディング信号は、エンディング遊技状態中、連続して出力される出力態様の遊技機10を例に挙げて説明したが、例えば、エンディング遊技状態の開始時と終了時に出力時間の短いパルス信号を出力する出力態様の遊技機10にも対応することができる。
この場合、遊技用装置は、エンディング遊技状態の開始時のエンディング信号とエンディング遊技状態の終了時のエンディング信号の両方又はいずれか一方を受信することに基づいて、「エンディング信号の受信」として「エンディング回数」等を収集することができる。
また、エンディング遊技状態の開始時のエンディング信号を受信することに基づいてエンディング区間の開始時を特定し、次のエンディング信号を受信することに基づいてエンディング区間の終了時を特定し、これによりエンディング区間を特定することができる。
【符号の説明】
【0139】
1 遊技用システム
10 遊技機
20 台間機
30 呼出ランプ
40 台コンピュータ
50 島コンピュータ
60 ホールコンピュータ(遊技用装置)
63 表示部
64 記憶部
65 制御部
図1
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