(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】試料容器
(51)【国際特許分類】
G01N 1/04 20060101AFI20221206BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G01N1/04 J
G01N1/04 H
G01N1/10 V
(21)【出願番号】P 2021512783
(86)(22)【出願日】2018-09-19
(86)【国際出願番号】 CN2018106460
(87)【国際公開番号】W WO2020047904
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】201811039537.3
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】320006357
【氏名又は名称】杭州優思達生物技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】尤 其敏
(72)【発明者】
【氏名】王 震
(72)【発明者】
【氏名】周 艶瓊
(72)【発明者】
【氏名】楊 帆
(72)【発明者】
【氏名】趙 芯
(72)【発明者】
【氏名】孫 剛
(72)【発明者】
【氏名】楊 翔宇
(72)【発明者】
【氏名】趙 雁林
(72)【発明者】
【氏名】趙 冰
(72)【発明者】
【氏名】欧 喜超
(72)【発明者】
【氏名】平 国華
(72)【発明者】
【氏名】呉 ▲ベイ▼▲ベイ▼
【審査官】奥野 尭也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-252362(JP,A)
【文献】特表2014-517315(JP,A)
【文献】特開平08-292189(JP,A)
【文献】特開2006-250860(JP,A)
【文献】国際公開第2017/060276(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101534949(CN,A)
【文献】台湾特許出願公開第201611892(TW,A)
【文献】特開2001-235478(JP,A)
【文献】特開2006-329728(JP,A)
【文献】国際公開第2006/132041(WO,A1)
【文献】特開2004-180551(JP,A)
【文献】特表2015-509703(JP,A)
【文献】国際公開第2006/109693(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0037903(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02260943(EP,A1)
【文献】特表2013-506846(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003104(WO,A1)
【文献】特表2009-510398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃縮された生体試料の沈殿物
が遠心分離機にて遠心分離されている試料容器であって、処理対象の生体試料を収容するための収容瓶を含み、前記収容瓶の上端には受け口が形成されており、下端には液体出口が形成されており、前記
試料容器は上蓋構成部材
、下蓋
及びフィルタをさらに含み、
前記上蓋構成部材は前記収容瓶に形成された前記受け口の上端に接続され前記受け口を密封し、前記下蓋は前記収容瓶に形成された前記液体出口の下端に接続され前記液体出口を密封し、
前記上蓋構成部材は上蓋、下密封部材、ピストン及び穿刺部材を含み、
前記上蓋には貫通孔が形成されており、前記下密封部材は前記上蓋に形成された貫通孔の下端に設けられることで、前記上蓋に生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞が形成されており、
前記穿刺部材は前記ピストンに接続され、
前記ピストンは前記上蓋に形成された貫通孔の内壁と緊密に係合し、かつ前記内壁に沿って摺動して前記下密封部材を突き破るように前記穿刺部材を駆動することができ、
前記上蓋の少なくとも一部は前記収容瓶に形成された空洞内に位置し、
前記収容瓶は上接続部、弾性変形が可能な瓶体及び下接続部を含み、
前記瓶体は前記上接続部と前記下接続部とを接続し、前記上接続部には前記受け口が形成されており、前記下接続部には前記液体出口が形成され、
前記上蓋と前記瓶体との間には隙間が形成され、
前記上蓋と前記瓶体との間に形成された隙間と、前記瓶体の内径との比の範囲は0.05以上、0.2以下であ
り、
前記フィルタは前記収容瓶に形成された空洞内に設置されて、前記収容瓶に形成された空洞が第1空洞と第2空洞とに分割される、ことを特徴とする
試料容器。
【請求項2】
濃縮された生体試料の沈殿物
が遠心分離機にて遠心分離されている試料容器であって、処理対象の生体試料を収容するための収容瓶を含み、前記収容瓶の上端には受け口が形成されており、下端には液体出口が形成されており、前記
試料容器は上蓋構成部材
、下蓋
及びフィルタをさらに含み、
前記上蓋構成部材は前記収容瓶に形成された前記受け口の上端に接続され前記受け口を密封し、前記下蓋は前記収容瓶に形成された前記液体出口の下端に接続され前記液体出口を密封し、
前記上蓋構成部材は上蓋、下密封部材、ピストン及び穿刺部材を含み、
前記上蓋には貫通孔が形成されており、前記下密封部材は前記上蓋に形成された貫通孔の下端に設けられることで、前記上蓋に生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞が形成されており、
前記穿刺部材は前記ピストンに接続され、
前記ピストンは前記上蓋に形成された貫通孔の内壁と緊密に係合し、かつ前記内壁に沿って摺動して前記下密封部材を突き破るように前記穿刺部材を駆動することができ、
前記上蓋の少なくとも一部は前記収容瓶に形成された空洞内に位置し、
前記収容瓶は上接続部、弾性変形が可能な瓶体及び下接続部を含み、
前記瓶体は前記上接続部と前記下接続部とを接続し、前記上接続部には前記受け口が形成されており、前記下接続部には前記液体出口が形成され、
前記上蓋と前記瓶体との間には隙間が形成され、
前記上蓋と前記瓶体との間に形成された隙間と、前記瓶体の内径との比の範囲は0.05以上、0.2以下であ
り、
前記下接続部は漏斗形であり、
前記液体出口は前記下接続部の先端に位置し、
前記下蓋には前記下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞が設けられており、
前記下接続部は第1漏斗部、外側に雄ねじ山が形成された円筒形のねじ接続部、及び第2漏斗部を含み、
前記第1漏斗部は前記瓶体の下端に接続され、
前記ねじ接続部の一端は前記第1漏斗部に接続され、かつ他端は前記第2漏斗部に接続されており、
前記液体出口は前記第2漏斗部の先端に位置し、
前記下蓋の前記下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞の内壁には、前記ねじ接続部の外側に形成された雄ねじと互いに係合する雌ねじが設けられており、
前記ねじ接続部の前記第1漏斗部に近い一端には半径方向に沿って延在する支持部が形成されており、
前記フィルタは前記下接続部内に位置して前記支持部に当接している、ことを特徴とする
試料容器。
【請求項3】
前記上接続部の外側には雄ねじ山が形成されており、
前記上蓋の上端には内壁に雌ねじ山が設けられたソケット部が一体形成されており、
前記ソケット部の内壁には前記上接続部の外側に形成された雄ねじ山と係合する雌ねじ山が設けられている、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の
試料容器。
【請求項4】
前記下蓋の下端は同一平面内に位置し、前記平面は前記収容瓶の中心軸と垂直である、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の
試料容器。
【請求項5】
前記上蓋構成部材は上密封部材をさらに含み、
前記上密封部材は前記上蓋に形成された貫通孔の上端に設けられ、かつ前記上蓋に囲まれた、生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞を、前記下密封部材と協働して密封する、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の
試料容器。
【請求項6】
前記第1漏斗部の傾斜度の範囲は30~60度であり、前記第2漏斗部の傾斜度の範囲は30~60度である、ことを特徴とする請求項
2に記載の
試料容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体試料処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体試料の採取及び前処理は臨床検査において重要な段階であり、その後の検査結果の正確性に直接影響する。現在の生体試料の採取方法は、試料(血液、尿、痰、便など)を相応しい容器に収集するというものである。検査員が容器を開けて中から試料を取り出すか、又は容器中に処理液を添加して、試料の前処理工程が完了する。この工程に存在する主な欠点の一つは、検査員が、容器を開ける際に、感染リスクのあるエアロゾルに直接曝露され、院内感染のリスクが高まることである。このため、エアロゾルの曝露を防止して検査員を保護し得る、より安全な試料採取容器が臨床において必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術の欠点を解決するため、本発明は上述の問題を解決する生体試料処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目標を実現するために、本発明は以下の技術案を採用する。
【0005】
生体試料処理装置であって、処理対象の生体試料を収容するための収容瓶を含み、収容瓶の上端には受け口が形成されており、下端には液体出口が形成されており、生体試料処理装置は上蓋構成部材及び下蓋をさらに含み、
上蓋構成部材は収容瓶に形成された受け口の上端に接続され、下蓋は収容瓶に形成された液体出口の下端に接続され、
上蓋構成部材は上蓋、下密封部材、ピストン及び穿刺部材を含み、
上蓋には貫通孔が形成されており、下密封部材は上蓋に形成された貫通孔の下端に設けられることで、上蓋に生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞が形成されており、
穿刺部材はピストンに接続され、ピストンは上蓋に形成された貫通孔の内壁と緊密に係合し、かつ内壁に沿って摺動して下密封部材を突き破るように穿刺部材を駆動することができ、
上蓋の少なくとも一部は収容瓶に形成された空洞内に位置している。
【0006】
さらに、生体試料処理装置はフィルタをさらに含み、
フィルタは収容瓶に形成された空洞内に設置されて、収容瓶に形成された空洞が第1空洞と第2空洞とに分割される。
【0007】
さらに、収容瓶は上接続部、弾性変形が可能な瓶体及び下接続部を含み、
瓶体は上接続部と下接続部とを接続し、上接続部には受け口が形成されており、下接続部には液体出口が形成されている。
【0008】
さらに、上接続部の外側には雄ねじ山が形成されており、上蓋の上端には内壁に雌ねじ山が設けられたソケット部が一体形成されており、ソケット部の内壁には上接続部の外側に形成された雄ねじ山と係合する雌ねじ山が設けられている。
【0009】
さらに、上蓋と瓶体との間には隙間が形成されている。
【0010】
さらに、下接続部は漏斗形であり、
液体出口は下接続部の先端に位置し、
下蓋には下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞が設けられている。
【0011】
さらに、下接続部は第1漏斗部、外側に雄ねじ山が形成された円筒形のねじ接続部、及び第2漏斗部を含み、
第1漏斗部は瓶体の下端に接続され、
ねじ接続部の一端は第1漏斗部に接続され、かつ他端は第2漏斗部に接続されており、
液体出口は第2漏斗部の先端に位置し、
下蓋の下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞の内壁には、ねじ接続部の外側に形成された雄ねじと互いに係合する雌ねじが設けられている。
【0012】
さらに、ねじ接続部の第1漏斗部に近い一端には半径方向に沿って延在する支持部が形成されており、
生体試料処理装置はフィルタをさらに含み、
フィルタは下接続部内に位置して支持部に当接している。
【0013】
さらに、下蓋の下端は同一平面内に位置し、その平面は収容瓶の中心軸線と垂直である。
【0014】
さらに、上蓋構成部材は上密封部材をさらに含み、
上密封部材は上蓋に形成された貫通孔の上端に設けられ、かつ上蓋に囲まれた、生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞を、下密封部材と協働して密封する。
【発明の効果】
【0015】
本発明が提供する生体試料処理装置は、生体試料への処理が上蓋を開けることなく実現できるという利点がある。
【0016】
本発明が提供する生体試料処理装置は、濃縮された生体試料の沈殿物を遠心分離することができ、病原性微生物の観察、培養又は検査に用い得るという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図3】
図1中の生体試料処理装置の別の作動状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図及び具体的な実施例に基づいて本発明を具体的に紹介する。
【0019】
図1~
図3に示すように、生体試料を処理するための生体試料処理装置100であって、生体試料は血液、尿、痰、便などでよい。生体試料処理装置100は、収容瓶10、上蓋構成部材20及び下蓋30を含む。ここで、収容瓶10は処理対象の生体試料を収容するために用いられ、収容瓶10の上端には受け口11が形成されており、下端には液体出口12が形成されており、液体出口12は円形孔であると好ましく、孔径の範囲は1~2mm、好ましくは1.5mmである。上蓋構成部材20は収容瓶10に形成された受け口11の上端に接続されて受け口11を密封し、下蓋30は収容瓶10に形成された液体出口12の下端に接続されて液体出口12を密封する。
【0020】
具体的には、上蓋構成部材20は上蓋21、下密封部材22、ピストン23及び穿刺部材24を含む。上蓋21には貫通孔が形成されており、下密封部材22は上蓋21に形成された貫通孔の下端に設けられ、これにより上蓋21に生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞が形成され、下密封部材22はフィルム又はその他の突き破りやすい材料で製造され、好ましくはポリプロピレン/アルミニウム箔複合フィルムであり、直径の範囲は25~30mmであり、好ましくは28mmであり、厚さの範囲は0.04~0.06mmであり、好ましくは0.05mmである。穿刺部材24はピストン23に接続され、ピストン23は上蓋21に形成された貫通孔の内壁と緊密に係合して貫通孔を密封し、かつピストン23は内壁に沿って摺動して穿刺部材24を駆動することができ、ピストン23はゴム製とすることができ、上蓋21に形成された貫通孔の内壁と接触するピストン23の表面には、ねじ山構造が形成されている。穿刺部材24が上蓋21の下端に向かって移動すると、下密封部材22を突き破ることができ、このとき、上蓋21中に保存されている生体試料と反応させる溶液が収容瓶10内に流入して、収容瓶10内に位置する生体試料と反応する。上蓋21の少なくとも一部は収容瓶10が形成する空洞内に位置している。そのうち、穿刺部材24は好ましくは十字形の穿刺構造であり、材料は好ましくはポリ塩化ビニル樹脂であり、穿刺角の範囲は30~60度であり、好ましくは45度である。
【0021】
好ましい実施形態として、生体試料処理装置100はフィルタ40をさらに含む。フィルタ40は収容瓶10に形成された空洞内に設置され、これにより収容瓶10に形成された空洞を第1空洞と第2空洞に分割する。
【0022】
具体的には、フィルタ40は大粒子の沈殿物を分離するのに用いることができ、フィルタ40は好ましくは円形であり、孔径の範囲は2~5mmであり、好ましくは3mmである。
【0023】
好ましい実施形態として、収容瓶10は上接続部13、瓶体14及び下接続部15を含み、瓶体14は上接続部13と下接続部15とを接続し、上接続部13には受け口11が形成されており、下接続部15には液体出口12が形成されている。
【0024】
具体的には、収容瓶10の材料は好ましくはポリプロピレン樹脂であり、そのうち、瓶体14は弾性変形が可能であり、瓶体14を押圧することにより収容瓶10内の液体を液体出口12から押し出すことができ、瓶体14が適度な弾性力を有することを保証するため、瓶体14の厚さの範囲は0.05~0.10mmであり、好ましくは0.07mmである。
【0025】
好ましい実施形態として、上接続部13の外側には雄ねじ山が形成されている。上蓋21の上端には内壁に雌ねじ山が設けられたソケット部211が一体形成されている。ソケット部211の内壁には上接続部13の外側に形成された雄ねじ山と係合する雌ねじ山が設けられている。上蓋21を取り付ける際には、ソケット部211を上接続部13に被せて上蓋21を回転させると、上蓋21が収容瓶10に取り付けられる。
【0026】
好ましい実施形態として、上蓋21と瓶体14との間には隙間が形成されている。上蓋21と瓶体14との間に形成された隙間と、瓶体14の内径との比の範囲は0.05以上、0.2以下であり、好ましくは0.07である。
【0027】
具体的には、瓶体14が押圧されて収容瓶10内の液体が放出されるとき、瓶体14は内側にへこむ。瓶体14が内側にへこむための十分な空間を確保するため、上蓋21と瓶体14との間に十分な大きさの隙間を形成する必要があるが、同時に、上蓋21と瓶体14との間の隙間は上蓋21内の生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞の体積に影響を与え、小さくし過ぎてもよくない。上蓋21と瓶体14との間に形成された隙間と、瓶体14の内径との比の範囲が0.05以上、0.2以下であれば、上蓋21内の空洞の体積を十分大きくすると同時に瓶体14に内側にへこむための十分な空間を確保できる。
【0028】
好ましい実施形態として、下接続部15は漏斗形である。液体出口12は下接続部15の先端に位置する。下蓋30には下接続部15と互いに係合する漏斗形内部空洞が設けられている。
【0029】
好ましい実施形態として、下接続部15は第1漏斗部151、外側に雄ねじ山が形成された円筒形のねじ接続部152、及び第2漏斗部153を含む。第1漏斗部151は瓶体14の下端に接続されている。ねじ接続部152の一端は第1漏斗部151に接続され、かつ他端は第2漏斗部153に接続されている。液体出口12は第2漏斗部153の先端に位置する。下蓋30の下接続部15と互いに係合する漏斗形内部空洞の内壁には、ねじ接続部152の外側に形成された雄ねじと互いに係合する雌ねじが設けられている。
【0030】
具体的には、第1漏斗部151の傾斜度の範囲は30~60度であり、好ましくは45度であり、第2漏斗部153の傾斜度の範囲は30~60度であり、好ましくは45度であり、これにより試料を収容瓶10の底部に完全に集めて溜めることができる。
【0031】
好ましい実施形態として、ねじ接続部152の第1漏斗部151に近い一端には半径方向に延在する支持部154が形成されている。生体試料処理装置100はフィルタ40をさらに含む。フィルタ40は下接続部15内に位置して支持部154に当接している。
【0032】
好ましい実施形態として、下蓋30の下端は同一平面内に位置し、その平面は収容瓶10の中心軸と垂直である。
【0033】
具体的には、下蓋30の下端は同一平面内に位置し、その平面は収容瓶10の中心軸と垂直であるので、生体試料処理装置100を下蓋30によって水平な台上に安定的に立たせることができる。
【0034】
好ましい実施形態として、上蓋構成部材20は上密封部材25をさらに含む。上蓋構成部材25は、上蓋21に形成された貫通孔の上端に設けられ、かつ上蓋21に囲まれた、生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞を下密封部材22と協働して密封する。
【0035】
具体的には、上密封部材25と下密封部材22は、上蓋21に囲まれた、生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞を完全に密封し、生体試料と反応させる溶液を外界と完全に隔離する。同時に、上密封部材25はピストン23が間違って押されることを防止できる。
【0036】
本生体試料処理装置100の使用工程は以下の通りである。
使用者が上蓋21を回して開け、収容瓶10内に生体試料を収集し、上蓋21を回して締める。上密封部材25を破り、ピストン23を押して、ピストン23の下部の十字形の穿刺部材24で下密封部材22を突き破り、生体試料と反応させる溶液を収容瓶10に入れ、その中の生体試料と混合して、室温で20~30分間静置する。生体試料処理装置100を遠心分離機に入れ、5000g、室温で15分間遠心分離する。下蓋30を回して開け、弾性瓶体14を押圧すると、沈殿物がフィルタ40で濾過され、上清液が液体出口12から流れ出る。
【0037】
以上、本発明の基本原理、主な特徴及び利点について示し、説明を行った。上述の実施例は本発明を何らかの形態に限定するものではなく、均等物による置換又は同等の効果が得られる変更を行った技術案はすべて本発明の保護範囲内に属することを当業者は理解すべきである。
【0038】
(付記)
(付記1)
生体試料処理装置であって、処理対象の生体試料を収容するための収容瓶を含み、前記収容瓶の上端には受け口が形成されており、下端には液体出口が形成されており、前記生体試料処理装置は上蓋構成部材及び下蓋をさらに含み、
前記上蓋構成部材は前記収容瓶に形成された前記受け口の上端に接続され、前記下蓋は前記収容瓶に形成された前記液体出口の下端に接続され、
前記上蓋構成部材は上蓋、下密封部材、ピストン及び穿刺部材を含み、
前記上蓋には貫通孔が形成されており、前記下密封部材は前記上蓋に形成された貫通孔の下端に設けられることで、前記上蓋に生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞が形成されており、
前記穿刺部材は前記ピストンに接続され、
前記ピストンは前記上蓋に形成された貫通孔の内壁と緊密に係合し、かつ前記内壁に沿って摺動して前記下密封部材を突き破るように前記穿刺部材を駆動することができ、
前記上蓋の少なくとも一部は前記収容瓶に形成された空洞内に位置している、ことを特徴とする生体試料処理装置。
【0039】
(付記2)
前記生体試料処理装置はフィルタをさらに含み、
前記フィルタは前記収容瓶に形成された空洞内に設置されて、前記収容瓶に形成された空洞が第1空洞と第2空洞とに分割される、ことを特徴とする付記1に記載の生体試料処理装置。
【0040】
(付記3)
前記収容瓶は上接続部、弾性変形が可能な瓶体及び下接続部を含み、
前記瓶体は前記上接続部と前記下接続部とを接続し、前記上接続部には前記受け口が形成されており、前記下接続部には前記液体出口が形成されている、ことを特徴とする付記1に記載の生体試料処理装置。
【0041】
(付記4)
前記上接続部の外側には雄ねじ山が形成されており、
前記上蓋の上端には内壁に雌ねじ山が設けられたソケット部が一体形成されており、
前記ソケット部の内壁には前記上接続部の外側に形成された雄ねじ山と係合する雌ねじ山が設けられている、ことを特徴とする付記3に記載の生体試料処理装置。
【0042】
(付記5)
前記上蓋と前記瓶体との間には隙間が形成されている、ことを特徴とする付記4に記載の生体試料処理装置。
【0043】
(付記6)
前記下接続部は漏斗形であり、
前記液体出口は前記下接続部の先端に位置し、
前記下蓋には前記下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞が設けられている、ことを特徴とする付記3に記載の生体試料処理装置。
【0044】
(付記7)
前記下接続部は第1漏斗部、外側に雄ねじ山が形成された円筒形のねじ接続部、及び第2漏斗部を含み、
前記第1漏斗部は前記瓶体の下端に接続され、
前記ねじ接続部の一端は前記第1漏斗部に接続され、かつ他端は前記第2漏斗部に接続されており、
前記液体出口は前記第2漏斗部の先端に位置し、
前記下蓋の前記下接続部と互いに係合する漏斗形内部空洞の内壁には、前記ねじ接続部の外側に形成された雄ねじと互いに係合する雌ねじが設けられている、ことを特徴とする付記6に記載の生体試料処理装置。
【0045】
(付記8)
前記ねじ接続部の前記第1漏斗部に近い一端には半径方向に沿って延在する支持部が形成されており、
前記生体試料処理装置はフィルタをさらに含み、
前記フィルタは前記下接続部内に位置して前記支持部に当接している、ことを特徴とする付記7に記載の生体試料処理装置。
【0046】
(付記9)
前記下蓋の下端は同一平面内に位置し、前記平面は前記収容瓶の中心軸と垂直である、ことを特徴とする付記1に記載の生体試料処理装置。
【0047】
(付記10)
前記上蓋構成部材は上密封部材をさらに含み、
前記上密封部材は前記上蓋に形成された貫通孔の上端に設けられ、かつ前記上蓋に囲まれた、生体試料と反応させる溶液を収容するための空洞を、前記下密封部材と協働して密封する、ことを特徴とする付記1に記載の生体試料処理装置。
【符号の説明】
【0048】
100 生体試料処理装置
10 収容瓶
11 受け口
12 液体出口
13 上接続部
14 瓶体
15 下接続部
151 第1漏斗部
152 ねじ接続部
153 第2漏斗部
154 支持部
20 上蓋構成部材
21 上蓋
211 ソケット部
22 下密封部材
23 ピストン
24 穿刺部材
25 上密封部材
30 下蓋
40 フィルタ