(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】無線通信ネットワークにおける観測到着時間差(OTDOA)測位
(51)【国際特許分類】
H04W 64/00 20090101AFI20221206BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20221206BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221206BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20221206BHJP
【FI】
H04W64/00 140
H04W24/08
H04W24/10
H04W88/02 150
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021154778
(22)【出願日】2021-09-22
(62)【分割の表示】P 2020511806の分割
【原出願日】2018-08-07
【審査請求日】2021-10-15
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テニー、ネイサン エドワード
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】3GPP TS 36.355 14.3.0,2017年09月26日,45-70ページ,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.355/36355-e30.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Protocol impacts of positioning in NR[online],3GPP TSG RAN WG2 #99bis R2-1710538,2017年09月29日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_99bis/Docs/R2-1710538.zip>
【文献】Intel Corporation,Improvements to OTDOA assistance data signalling[online],3GPP TSG-RAN WG2#84 R2-134282,2013年11月01日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_84/Docs/R2-134282.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 -H04B 7/26
H04W 4/00 -H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
観測到着時間差(OTDOA)測位のための方法であって、
第1近隣セルを含む第2ネットワークの複数の近隣セルから受信された測位参照信号(PRS)の到着の時間差を測定するための支援データを第1ネットワークのサービングセルから受信する段階
であって、前記支援データは、前記
第1近隣セ
ルの前記サービングセルに対するシステムフレーム番号
(SFN)オフセット
を含む、受信する段階と、
前記
第1近隣セルの前記SFNオフセットに基づいて、前記
第1近隣セルのSFNタイミングを決定する段階と
を備え
、
前記第1ネットワーク及び前記第2ネットワークは異なるタイプのネットワークに属し、前記異なるタイプのネットワークは異なる通信プロトコルに対応する方法。
【請求項2】
前記支援データは
さらに、
前記複数の近隣セルの
PRS構成情報、
または、
前記複数の近隣セルのPRS構成情報
及び前記複数の近隣セルのセルアイデンティティ情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
第1近隣セルの前記SFNタイミング、および前記支援データに基づいて、前記複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会のタイミングを決定する段階と、
前記PRSを測定するための一組の測定ギャップについての測定要求を送信する段階であって、前記測定要求は、前記複数の近隣セルのうち前記1または複数についての前記PRS測位機会に一致する前記一組の測定ギャップのタイミングを含む、段階と
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記一組の測定ギャップ中に前記PRSを測定することによって取得される前記PRSの到着の前記時間差の測定結果を送信する段階をさらに備える、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1ネットワークは、新無線(NR)ネットワークであり、前記第2ネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークである、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記支援データは、ロケーションサーバによって提供される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ロケーションサーバは、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークの両方に関連付けられ、
前記ロケーションサーバは、進化型サービングモバイルロケーションセンター(E-SMLC)の機能を実行し、前記第2ネットワークにデプロイされる、または、
前記ロケーションサーバは、位置管理機能(LMF)、および、E-SMLCの機能を実行し、前記第1ネットワークにデプロイされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ユーザ機器(UE)であって、
前記UEのプロセッサによって実行されると前記UEに請求項1から7の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を備えるメモリストレージを備える、ユーザ機器。
【請求項9】
装置によって実行されると前記装置に請求項1から7の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を備えるプログラム。
【請求項10】
観測到着時間差(OTDOA)測位のための方法であって、
第1ネットワークのサービングセルによって、ユーザ機器(UE)に支援データを送信する段階であって、前記支援データは、第1近隣セルを含む第2ネットワークの複数の近隣セルから受信された測位参照信号(PRS)の到着の時間差を測定するように構成される、送信する段階を備え、
前記支援データは、前記第1近隣セルの前記サービングセルに対するシステムフレーム番号(SFN)オフセットを含み、
前記第1ネットワーク及び前記第2ネットワークは異なるタイプのネットワークに属し、前記異なるタイプのネットワークは異なる通信プロトコルに対応する、方法。
【請求項11】
前記支援データはさらに、
前記複数の近隣セルのPRS構成情報、または、
前記複数の近隣セルのPRS構成情報及び前記複数の近隣セルのセルアイデンティティ情報を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1ネットワークは、新無線(NR)ネットワークであり、前記第2ネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークである、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記支援データは、ロケーションサーバによって提供される、請求項10から12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロケーションサーバは、前記第1ネットワークと前記第2ネットワークの両方に関連付けられ、
前記ロケーションサーバは、進化型サービングモバイルロケーションセンター(E-SMLC)の機能を実行し、前記第2ネットワークにデプロイされる、または、
前記ロケーションサーバは、位置管理機能(LMF)、および、E-SMLCの機能を実行し、前記第1ネットワークにデプロイされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アクセスノードであって、
前記アクセスノードのプロセッサによって実行されると前記アクセスノードに請求項10から14の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を備えるメモリストレージを備える、アクセスノード。
【請求項16】
装置によって実行されると前記装置に請求項10から14の何れか一項に記載の方法を実行させる命令を備えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、2017年9月29日に出願された、「無線通信ネットワークにおける観測到着時間差(OTDOA)測位」と題する、参照によってその全体が複製されることと同様に本明細書に組み込まれる米国非仮特許出願第15/721,051号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
無線通信ネットワークは、ユーザ機器の位置を決定するための様々な測位技法を採用し得る。例えば、観測到着時間差(OTDOA)測位は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって策定されたロングタームエボリューション(LTE)規格において指定されたダウンリンク測位技法である。OTDOA測位は、ターゲットデバイスが近隣基地局から受信する測位参照信号(PRS)の到着の時間差をターゲットデバイスが測定することに依存する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、観測到着時間差(OTDOA)測位の第1の方法が提供される。第1の方法は、第2ネットワークの複数の近隣セルから受信され得る測位参照信号(PRS)の到着の時間差を測定するために、第1ネットワークの支援データのサービングセルから受信する段階を含み得る。第1の方法はさらに、複数の近隣セルの第1近隣セルのマスター情報ブロック(MIB)を復号するためのギャップパターン、または、第1近隣セルのシステムフレーム番号(SFN)オフセットをサービングセルから受信する段階と、第1近隣セルのMIBを復号するためのギャップパターン、または、第1近隣セルのSFNオフセットに基づいて、第1近隣セルのSFNタイミングを決定する段階とを含み得る。一例において、支援データは、複数の近隣セルのセルアイデンティティ情報、複数の近隣セルのPRS構成情報、および、近隣セルまたは複数の近隣セルの1つである参照セルの間のオフセットを各々が示す複数の近隣セルのSFNタイミング情報のうち少なくとも1つを含む。
【0004】
任意選択で、第1の方法の実施形態は、第1近隣セルのMIBを復号するための測定ギャップについての復号要求を送信する段階であって、復号要求は、測定ギャップのタイミングを指定することなく、第1近隣セルのアイデンティティを含む、段階をさらに備え得る。ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信に一致する測定ギャップを含み得る。任意選択で、および、代替的に、前述の態様のいずれかにおいて、ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信期間より長い時間長を有する測定ギャップを含み得る。
【0005】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、第1の方法は、第1近隣セルのSFNタイミングおよび支援データに基づいて、複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会のタイミングを決定する段階と、PRSを測定するための一組の測定ギャップについての測定要求を送信する段階であって、測定要求は、複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会に一致する一組の測定ギャップのタイミングを含む、段階とをさらに備え得る。第1の方法は、一組の測定ギャップ中にPRSを測定することによって取得されたPRSの到着の時間差の測定結果を送信する段階をさらに備え得る。
【0006】
開示の別の態様によれば、第1ネットワークのサービングセルによって、ユーザ機器(UE)へ、第2ネットワークの複数の近隣セルから受信されたPRSの到着の時間差をUEで測定するための支援データへ送信する段階と、第1近隣セルのSFNタイミングをUEで決定するべく、サービングセルによって、複数の近隣セルの第1近隣セルのMIBを復号するための第1ギャップパターン、または、第1近隣セルのSFNオフセットを送信する段階とを備え得る、OTDOA測位のための第2の方法が提供される。
【0007】
任意選択で、第2の方法の実施形態は、サービングセルによって、第1近隣セルのMIBを復号するための測定ギャップについての復号要求を受信する段階であって、復号要求は、測定ギャップのタイミングを指定することなく、第1近隣セルのアイデンティティを含む、段階をさらに含み得る。任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、第1ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信に一致する測定ギャップを含む。任意選択で、および、代替的に、前述の態様のいずれかにおいて、第1ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信期間より長い時間長を有する測定ギャップを含む。
【0008】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、第2の方法は、サービングセルによって、PRSを測定するための一組の測定ギャップについての測定要求を受信する段階であって、測定要求は、複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会に一致する一組の測定ギャップのタイミングを含む、段階と、サービングセルによって、一組の測定ギャップについての測定要求を受信したことに応答して、要求された一組の測定ギャップを含む第2ギャップパターンを送信する段階と、サービングセルによって、PRSの到着の時間差の測定結果をUEから受信する段階とをさらに備え得る。第1近隣セルのSFNオフセットは、剰余に従って定義され、例えば、第1近隣セルのSFNオフセットは、定義されたモジュロ1024であり得る。
【0009】
本開示のさらなる態様によれば、OTDOA測位のためのUEが提供される。UEは、命令を含むメモリストレージ、および、メモリと通信する1または複数のプロセッサとを含み得る。1または複数のプロセッサは、第2ネットワークの複数の近隣セルから受信されたPRSの到着の時間差を測定するために、第1ネットワークの支援データのサービングセルから受信することであって、サービングセルから、複数の近隣セルの第1近隣セルのMIBを復号するためのギャップパターン、または、第1近隣セルのSFNオフセットを受信し、第1近隣セルのMIBを復号するためのギャップパターン、または第1近隣セルのSFNオフセットに基づいて第1近隣セルのSFNタイミングを決定することを行うために、命令を実行し得る。
【0010】
任意選択で、UEの実施形態において、1または複数のプロセッサは、第1近隣セルのMIBを復号するために、測定ギャップについての復号要求を送信するための命令を実行し得て、復号要求は、測定ギャップのタイミングを指定することなく、第1近隣セルのアイデンティティを含む。ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信に一致する測定ギャップを含み得る。任意選択で、および、代替的に、前述の態様のいずれかにおいて、ギャップパターンは、第1近隣セルのMIB送信期間より長い時間長を有する測定ギャップを含み得る。
【0011】
任意選択で、前述の態様のいずれかにおいて、1または複数のプロセッサは、第1近隣セルのSFNタイミング、および支援データに基づいて、複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会のタイミングを決定すること、および、PRSを測定するための一組の測定ギャップについての測定要求を送信することであって、測定要求は、複数の近隣セルのうち1または複数についてのPRS測位機会に一致する一組の測定ギャップのタイミングを含む、ことを行うために、命令を実行し得る。前述の態様のいずれかにおいて、1または複数のプロセッサは、一組の測定ギャップ中にPRSを測定することによって取得されるPRSの到着の時間差の測定結果を送信するために、命令を実行し得る。第1ネットワークは、NRネットワークであり得て、第2ネットワークは、LTEネットワークであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
例として示される本開示の様々な実施形態について、以下の図面を参照して詳細に説明する。同様の参照番号は同様の構成要素を参照する。
【0013】
【
図1】ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークおよび新無線(NR)ネットワークを含む例示的な通信ネットワークを示す。
【0014】
【
図2】本開示の実施形態に係る例示的な測位参照信号(PRS)構成を示す。
【0015】
【
図3】本開示の実施形態に係る参照信号時間差(RSTD)測定プロセスの例を示す。
【0016】
【
図4】本開示の実施形態に係る例示的な観測到着時間差(OTDOA)測位プロセスのフローチャートを示す。
【0017】
【
図5】本開示の実施形態に係る別の例示的なOTDOA測位プロセスのフローチャートを示す。
【0018】
【
図6】本開示の実施形態に係るユーザ機器(UE)の例示的なブロック図を示す。
【0019】
【
図7】本開示の実施形態に係る基地局の例示的なブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の態様は、無線通信ネットワークにおける観測到着時間差(OTDOA)測位のためのシステムおよび方法を説明する。より具体的には、本開示は、ターゲットデバイスの位置を決定するために、OTDOA測位プロセス中に、近隣セルのシステムフレーム番号(SFN)を取得するための技法を説明する。近隣セルは、OTDOA測位をサポートするよう構成される第1無線ネットワークに関連付けられ得て、一方、ターゲットデバイスは、OTDOA測位をサポートしない第2無線ネットワークに関連付けられ得る。
【0021】
OTDOA測位プロセス中に、ロケーションサーバは、第2無線ネットワークを介してターゲットデバイスに測位支援データを提供し得る。測位支援データは、第1無線ネットワークに属しターゲットデバイスに隣接する1または複数の近隣セルの識別情報を含み得る。さらに、支援データは、それぞれの近隣セルのSFNタイミングに対して定義されている近隣セルの各々の測位参照信号(PRS)タイミングを含み得て、一方、各近隣セルのSFNタイミングは、列挙された近隣セルのメンバーである参照セルに対して指定され得る。本明細書において説明される技法に基づいて、列挙された近隣セルの1つのSFNタイミングが取得され得て、従って、PRSのタイミングが決定され得る。参照セルのSFNタイミングを決定することは、最初に参照セルとは異なる近隣セルのSFNタイミングを決定し、次に、近隣セルのSFNタイミングから、支援データに基づいて参照セルのSFNタイミングを推定することを含み得る。
【0022】
図1は、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク101および新無線(NR)ネットワーク102を含む例示的な通信ネットワーク100を示す。LTEネットワーク101およびNRネットワーク102は、通信ネットワーク100において共存する。一例において、LTEネットワーク101は、LTEコアネットワーク120、および、LTEコアネットワーク120に接続された、eNodeB基地局131-133などの複数のeNodeB基地局を含み得る。NRネットワーク102は、NRコアネットワーク150、および、gNB基地局160などの複数のgNB基地局を含み得る。加えて、通信ネットワーク100は、LTEコアネットワーク120およびNRコアネットワーク150に接続され得るロケーションサーバ110を含む。
【0023】
この例示的な実施形態によれば、LTEネットワーク101は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)LTE規格に従うネットワークであり得て、一方、NRネットワーク102は、3GPP NR規格に従うネットワークであり得る。LTEネットワーク101およびNRネットワーク102は、
図1において例として使用されるが、本開示はLTEネットワークおよびNRネットワークに限定されない。本明細書において説明される技法は、他の通信規格に従い得る他のタイプの無線通信ネットワークにも適用されて互いに共存し得る。
【0024】
ロケーションサーバ110は、LTEコアネットワーク120またはNRコアネットワーク150のいずれかの一部としてデプロイされ得る、または、LTEコアネットワーク120およびNRコアネットワーク150に従属し得る。しかしながら、ロケーションサーバ110は、LTEコアネットワーク120およびNRコアネットワーク150の両方に関連付けられ得る。一例として、ロケーションサーバ110は、LTE規格において定義されるような、進化型サービングモバイルロケーションセンター(E-SMLC)の機能を実行し、LTEコアネットワーク120にデプロイされる。別の例において、ロケーションサーバ110は、NR規格において定義されているような位置管理機能(LMF)、および、E-SMLCの機能を実行し、NRコアネットワーク150にデプロイされる。
【0025】
eNodeB基地局131-133は、3GPP LTE規格において指定されるeNodeBノードを実装する基地局であり得て、一方、gNB基地局160は、3GPP NR規格において指定されるgNBノードを実装する基地局であり得る。各基地局131-133または160は、セルと称される地理的エリアをカバーするために、特定の方向へ無線信号を送信し得る。セルには、無線通信ネットワーク100においてセルを識別し得るセルアイデンティティが割り当てられ得る。
図1において、セル141-143はそれぞれ、eNodeB基地局131-133によって形成され、一方、セル161はgNB基地局160によって形成される。基地局からの信号の送信または受信は、それぞれの基地局に関連するセルからの信号の送信または受信と呼ばれ得る。
【0026】
図1に示されるように、通信ネットワークはユーザ機器(UE)170を含み得る。UE170は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、車載デバイスおよび同様のものなど、通信ネットワーク100と無線通信可能な任意のデバイスであり得る。
図1の例において、UE170は、LTEネットワーク101およびNRネットワーク102上で動作できる。従って、UE170は、LTE規格およびNR規格に従って信号処理を実行するよう構成される回路を含む。一例において、NRネットワーク102およびLTEネットワーク101は、異なる周波数帯で動作するよう構成される。例えば、gNB基地局160は、ミリメートル波帯で動作し、一方、eNodeB基地局131-133は、より低い周波数の周波数帯で動作する。従って、UE170は、それぞれ異なる周波数で動作するよう構成される送受信機を含み得る。
【0027】
図1の例において、UE170は、gNB基地局160に無線接続される。例えば、UE170は、UE170とgNB基地局160との間で無線リソース制御(RRC)接続を維持する接続モードで動作し得る。代替的に、UE170は、アイドルモードで動作し得るが、gNB基地局160から送信される信号をモニタリングする。
図1に示されるように、UE170は、セル141-143および161のカバレッジ内である。UE170がgNB基地局160に接続され、gNB160によってサービスを提供される用意ができたとき、セル161はUE170のサービングセルと称され、一方、他のセル141-143は、UE170の近隣セルと称される。当然、UE170をカバーする複数の近隣セルが存在し得るが、
図1には示されていない。
【0028】
一例において、ダウンリンク測位方式であるOTDOA測位は、UE170を見つけるために使用される。OTDOA測位において、ターゲットデバイスは、サービングセルおよび/または近隣セルを含み得る複数のセルからPRSを測定し、参照セルと他のセルとの間のPRSの到着の時間差を決定する。例えば、サービングセルは、PRSの到着の時間差を決定するための時間基準を提供する参照セルとして使用され得る。このプロセスは、参照信号時間差(RSTD)測定プロセスと称される。一対のセルの間の差は、双曲線を決定し得て、少なくとも2つの双曲線の交差点は、ターゲットデバイスの位置を決定し得る。測定されたセルの基地局の位置は、決定のために使用され得る。
【0029】
図1の例において、LTEネットワーク101は、OTDOA測位をサポートするよう構成され、一方、NRネットワーク102は、OTDOA測位をサポートしない。RSTD測定を容易にするべく、LTEネットワーク101のeNodeB基地局131-133がPRSを定期的に送信するよう構成される。測位機会と称されるPRSの送信は、PRS構成に基づき得る。PRS構成は、それぞれのPRSを送信するそれぞれの基地局のSFNに対して、PRS測位機会がいつ発生するかを指定する。
【0030】
加えて、RSTD測定を容易にするべく、ロケーションサーバ110は、支援データをUE170へ提供し、RSTD測定結果をUE170から受信し、それに従ってUE170の位置を計算するよう構成され得る。具体的には、一例において、ロケーションサーバ110は、例えば、3GPP規格において指定されるLTE測位プロトコルA(LPPa)を使用して、eNodeB基地局131-133と通信し得る。ロケーションサーバ110は、LPPaメッセージを交換することによって、eNodeB基地局131-133から情報を収集し得る。例えば、収集された情報は、近隣セル141-143に対応する、PRS構成、SFNタイミング情報、フレームタイミング情報、セル識別情報、アンテナ座標を含み得る。ロケーションサーバ110はさらに、収集されたデータ(または、他のソースからの情報)に基づいて支援データを生成し、支援データをUE170に提供し得る。一例において、3GPP規格において指定されるLTE測位プロトコル(LPP)を使用して、支援データはUE170へ送信される。支援データは、PRS構成、SFNタイミング情報、フレームタイミング情報、および、近隣セル141-143のセルアイデンティティを含み得る。
【0031】
UE170はeNodeB基地局131に接続されると想定すると、UE170は典型的には、支援データに基づいて、近隣セル141-143のPRS測位機会のタイミングを決定し、従って、PRS測位機会中にPRS送信を捕捉してRSTD測定を実行し得る。例えば、支援データにおいて、サービングセル141は参照セルとして使用され得て、他の近隣セル142-143のSFNタイミングおよびフレームタイミングが、この参照セル141に対して指定され得る。フレームタイミングは、フレームが順次送信される時点の1つを指し得る。SFNタイミングは、特定のSFNを有するフレームが送信される時点の1つを指し得る。例として、参照セル141に対する近隣セルのフレームタイミングオフセットは、支援データにおいて提供され得て、対応するSFNタイミング情報は、参照セル141のSFNに対するSFNオフセットの形式で提供され得る。代替例において、サービングセル141と近隣セル142-14とのフレーム境界は同期され得る。このことは、フレームタイミングオフセットが0に等しいことを意味する。従って、支援データは、フレームタイミングオフセット情報を含まないことがあり得るが、SFNオフセット情報を含む。
【0032】
UE170は、eNodeB基地局131に接続されると想定されるので、UE170は、そのサービングセル141のSFNタイミング(サービングセル141のフレームタイミング、および、サービングセルから受信される各フレームのSFN)を認識する。従って、UE170は、支援データに基づいて、近隣セル142-143のフレームタイミングおよびSFNタイミングを決定することが可能であり得る。
【0033】
上記のように、
図1の例において、UE170は、OTDOA測位をサポートしないNRネットワーク102に接続され、したがって、UE170を見つけるために上記のOTDOA測位を容易に実行できない。具体的には、gNB基地局160は、構成に起因して、PRSを送信しないことがあり得る。加えて、ロケーションサーバ110は、UE170のサービングセル161についての情報を収集できず、その結果、OTDOA測定についての支援データにおいて列挙されるセルの1つとしてサービングセル161を含まない。しかしながら、例えばLPPメッセージを使用することによって、NRコアネットワーク150およびgNB基地局160を通じて、支援データはなおUE170に送信され得る。支援データの送信は、gNB基地局160に対して透過的であり得る。例えば、支援データは、非アクセス層(NAS)プロトコルのシグナリングとして送信され得る。近隣セル141-143の1つは、サービングセルの代わりに、支援データにおける参照セルとして使用され得る。
【0034】
本開示の態様によれば、測位支援データに含まれないサービングセルにUE170が接続される上の状況下において、UE170は、支援データに含まれる近隣セルの少なくとも1つのSFNタイミングを取得し得る。近隣セルの少なくとも1つは、支援データにおいて指定される参照セルであり得る、または、参照セル以外の近隣セルであり得る。一例において、UE170は、SFN情報を取得するために近隣セルのMIBを読み取り得る。例えば、UE170は、測定ギャップの要求をサービングセル161へ送信し得て、測定ギャップ中に、支援データにおいて列挙される近隣セルの1つのMIBを復号し得る。別の例において、gNB160は、支援データにおいて列挙される近隣セルのSFNオフセットおよびフレームタイミングオフセットを、UE170からの要求への応答として、UE170に提供し得る。その結果、OTDOA測位をサポートしないネットワークに接続されているUE170の位置が決定され得る。
【0035】
様々な例において、近隣セルのSFNタイミングは、近隣セルの、サービングセル161に対するフレームタイミングオフセット(または、換言すれば、近隣セルとサービングセル161との間のフレームタイミング差)およびSFNの組み合わせとして表され得る。従って、近隣セルのSFNタイミングの取得は、近隣セルのフレームタイミングオフセットおよびSFNの取得と等価である。
図1の例では、支援データにおいて、3つの近隣セル141-143が近隣セルとして列挙されているが、他の例では、支援データにおいて列挙される近隣セルの数は3より大きいことがあり得て、例えば、10、20、または、20より大きい数であり得る。
【0036】
図2は、本開示の実施形態に係る例示的なPRS構成200を示す。SFN=0であるフレームの第1サブフレームから開始する一連のサブフレーム201が
図2に示される。PRS測位機会210a-210cは、一連のサブフレーム201の間で定期的に発生する。時間領域におけるPRS構成200は、3つのパラメータによって定義され得る。第1パラメータ210は、PRSを保持する連続サブフレームの数を指すPRS測位機会である。例えば、PRS測位機会210a、210bまたは210cの各々は、1、2、4または6個のサブフレームを含み得る。第2パラメータ220はPRS送信期間220である。例えば、PRS送信期間は、160、320、640または1280サブフレームにわたって続き得る。第3パラメータは、SFN=0の第1フレームが開始してから、第1PRS測位機会210aまでのサブフレームの数を指すPRSサブフレームオフセットである。示されるように、一連のサブフレームのSFNタイミングが認識されるとき、PRS測位機会タイミングは、PRS構成に基づいて決定され得る。
【0037】
図3は、本開示の実施形態に係るRSTD測定プロセス300の例を示す。プロセス300中に、近隣セルのMIBを読み取ることによって近隣セルのSFNが取得される。
図3の例において、UE170は、NRサービングセル161に接続され、LTE近隣セル141は、ロケーションサーバ110によって提供される支援データにおける参照セルとして使用される。プロセス300は、近隣セル141のSFNおよび近隣セル141のフレームタイミングを取得するために実行され得る。
【0038】
LTE近隣セル141、NRサービングセル161、およびUE170に対応する3つのタイムライン310-330が、
図3においてそれぞれ示される。第1タイムライン310は、MIBを保持する一連のサブフレーム301-306を含む。サブフレーム301-306の各々は、近隣セル141から送信された一連の連続フレームの1つの第1サブフレームであり得る。したがって、MIBは、1フレームの送信期間を有する。各MIBは、SFN情報を保持し得て、MIBの復号により、MIBを保持するそれぞれのフレームのSFNが取得され得る。各サブフレーム301-306はまた、主同期信号(PSS)および副同期信号(SSS)などの、SFN情報の前に送信された1または複数の同期シーケンスを保持し得る。従って、UE170はそれらの同期シーケンスを読み取ることによって、近隣セル141のフレームタイミングを取得し得る。加えて、第1タイムライン310はまた、一連のPRS測位機会311-312を示す。PRS測位機会311-312のPRSは、PRS構成に従って、近隣セル141から送信される。
【0039】
第2タイムライン320は、複数の測定ギャップ321-323を含む。測定ギャップは、周波数間測定を実行するよう構成される期間を指す。例えば、UEは、第1キャリア周波数で動作するサービングセルに接続され、第2キャリア周波数で動作する近隣セルから受信された信号の測定(RSTD測定など)を実行する。UEは、サービングセルに接続されたRRCを通じて、1または複数の測定ギャップの要求を送信し得る。任意選択で、要求において、測定ギャップのタイミングおよび時間長が指定され得る。要求への応答として、サービングセルは、UEのために測定ギャップを構成して測定ギャップパターンを返し得る。例えば、測定ギャップパターンは、各々が開始時刻および時間長を有する1または複数の測定ギャップを含み得る。測定ギャップ中に、アップリンクまたはダウンリンクデータ送信はUEのためにスケジューリングされない。UEは、周波数間測定を実行するべくサービングセル周波数から近隣セル周波数に切り替わり、その後、サービングセルに再び切り替わり得る。測定ギャップの時間長は、異なるキャリア周波数間の切り替えの時間、および、測定を実行するための時間を含み得る。
【0040】
第1の例において、NRネットワーク102のサービングセル161は、LTEネットワーク101の近隣セル141のフレームタイミングを認識する。例えば、NRネットワーク102の構成の一部として、近隣セル141のフレームタイミングが、サービングセル161に対するフレームタイミングオフセットの形式でサービングセル161に提供される。従って、近隣セル141のMIBを読み取るために測定ギャップを要求するとき、UE170は、測定ギャップの目的(MIBの読み取り)を指定し得るが、測定ギャップの特定の時間は指定しない。サービングセル161は、近隣セル141のMIBタイミング(フレームタイミング)を認識し、従って、
図3の例におけるサブフレーム302など、MIBの送信に一致する測定ギャップ321をスケジューリングし得る。一例において、測定ギャップ321は、約2ms続く。代替例において、測定ギャップ321は、他の長さであり得る。
【0041】
第2の例において、サービングセル161は、近隣セル141のフレームタイミングを知らない。この場合、測定ギャップ321より長い測定ギャップ323が構成され得る。例えば、測定ギャップ323は、UE170がフレームタイミングを認識することなく近隣セル141のMIBを復号するために適切な時間長を有し得る。一例において、測定ギャップ323は、フレームより長い時間長を有する。例えば、タイムライン310のフレームは、10msの時間長を有し、測定ギャップ323は、約11ms、または、11msより長く構成される。そのような構成において、MIBを保持する少なくとも1つのサブフレームが、測定ギャップ323の範囲内で捕捉され得る。代替例において、1より多くの測定ギャップ321または323が構成され得る。例えば、近隣セルの信号品質が低いとき、MIBの復号は、1回より多く試行され得る。1より多くの測定ギャップのタイミングは、MIBの異なる送信インスタンスを組み合わせるなどの受信機の挙動を容易にし得て、例えば、受信機が劣悪な無線条件を克服することを可能にする。
【0042】
測定ギャップ322は、RSTD測定のために構成され得る。例えば、近隣セル141のSFNおよびフレームタイミングが取得された後に、UE170は、ロケーションサーバ110からの支援データに基づいて、近隣セル141-143のPRS測位機会のタイミングを決定し得る。従って、UE170は、第2ギャップ要求をサービングセル161へ送信し得て、近隣セル141-143のPRS測位機会に一致する1または複数の測定ギャップを含むギャップパターンを指定する。
【0043】
一例において、近隣セル141-143は、同一周波数で動作し、近隣セル141-143のフレームタイミングが同期される。加えて、近隣セル141-143のPRS測位機会が時間的に揃う(同一のサブフレーム中に送信される)ような方式で近隣セル141-143のPRS構成が構成される。この場合、3つの近隣セル141-143からのPRSに対してRSTD測定を実行するために、1つの測定ギャップ322が使用され得る。一例において、測定ギャップ322の時間長は、異なるキャリア周波数間の切り替えに使用される時間に加えて、測定対象のPRS測位機会の時間長に基づいて決定され得る。
【0044】
別の例において、近隣セル141-143のPRS測位機会は、例えば、PRS構成または近隣セル141-143間の非同期に起因して、異なる時間に発生し得る。または、近隣セル141-143は、RSTD測定が異なるキャリア周波数で別に実行されることを要求し得る異なるキャリア周波数で動作し得る。従って、複数の測定ギャップがRSTD測定に構成され得る。
【0045】
示されるように、プロセス300は、複数の段階341-344を含む。段階341において、UE170は、近隣セル141のMIBを復号するべく、第1測定ギャップのための第1ギャップ要求(復号要求とも称される)を送信する。第1ギャップ要求は、測定ギャップのタイミングを含まないことがあり得る。第1ギャップ要求への応答として、サービングセル161が近隣セル141のフレームタイミングを認識しているかどうかに応じて、測定ギャップ321または323はサービングセル161によって構成され得る。段階342において、UE170は、SFNを取得するために、測定ギャップ321中に、サブフレーム302に保持されるMIBを復号する、または、測定ギャップ323中にサブフレームに保持されるMIBを復号する。同時に、サブフレームに保持される同期シーケンスに基づいて、MIBの復号前に、近隣セル141のフレームタイミングが取得され得る。例えば、UE170は最初に、サブフレーム302のタイミングを取得するために、サブフレーム302における同期シーケンスを読み取り得て、その後、サブフレーム302のMIBを読み取り得る。
【0046】
段階343において、UE170は、RSTD測定のための第2測定ギャップについての第2ギャップ要求(測定要求とも称される)を送信する。従って、近隣セル141-143のPRS測位機会が時間的に揃っていて、同一のキャリア周波数上にあると想定すると、近隣セル141-143のPRS測位機会のタイミングと一致する測定ギャップ322がスケジューリングされ得る。段階344において、近隣セル141-143からのPRSが受信および測定され得る。それに従って、PRSの到着時間差が取得され得る。支援データが3つより多くの近隣セルを含む例において、RSTD測定は、列挙された近隣セル全てのうち、一部のみに対して実行され得る。例えば、UE170は、列挙された近隣セル全部のうち一部のPRS測位機会に一致する測定ギャップを含む第2ギャップ要求を送信し得る。
【0047】
図4は、本開示の実施形態に係る例示的なOTDOA測位プロセス400のフローチャートを示す。
図1を参照すると、そのようなプロセス400は、UE170を見つけるために、無線通信ネットワーク100において実行され得る。プロセス400の異なる段階に対応するメッセージが、UE170、gNB基地局160、eNodeB基地局131-133およびロケーションサーバ110の間で送信されることが示されている。特に、プロセス400中に、UE170は、サービングセル161に測定ギャップを要求し、近隣セル141のSFNを取得するために近隣セル141のMIBを読み取る。
【0048】
段階410において、支援データおよびRSTD測定結果の要求は、サービングセル161を通じて、ロケーションサーバ110からUE170へ送信され得る。一例において、LPPメッセージが、支援データの送信に使用される。支援データは、近隣セルのリスト、例えば、近隣セル141-143を含み得る。近隣セル141-143の1つは、参照セル、例えば、近隣セル141として使用される。支援データはまた、参照セル141に対する近隣セル142-143のSFNオフセットおよび/またはフレームタイミングオフセットを含み得る。支援データはさらに、各近隣セル141-143のPRS構成を含み得る。支援データは、RSTD測定に有用な他の情報を含み得る。
【0049】
段階412において、例えば、RRCメッセージを送信することによって、MIBを読み取るための測定ギャップの第1要求がUE170からgNB基地局160へ送信され得る。UE170は近隣セル141-143のフレームタイミングを知らないので、要求は、測定ギャップがいつ発生すると想定されるかを指定しないことがあり得る。しかしながら、要求は、MIBを読み取る目的を指定し、参照セル141のアイデンティティを含み得る。支援データにおいて列挙される近隣セルのいずれか1つのSFNを取得することは、各近隣セルのSFNタイミングおよびPRS測位機会タイミングを決定するのに十分であることに留意すべきである。従って、RSTD測定を実行するべく、要求は、参照セル141以外の近隣セル141-143のいずれか1つのアイデンティティを含み得る。
【0050】
段階414において、第1ギャップパターンは、例えばRRCメッセージを送信することによって、gNB基地局160からUE170へ送信され得る。第1ギャップパターンは測定ギャップの時間長および開始時刻などの測定ギャップの構成情報を含み得る。第1のシナリオにおいて、gNB基地局160は、参照セル141のフレームタイミングを知っていることがあり得る。従って、gNB基地局160は、MIBを読み取るための測定ギャップがいつスケジューリングされるかを決定し得る。MIBの送信に一致する測定ギャップが決定され得る。第2のシナリオにおいて、gNB基地局160は、参照セル141のフレームタイミングを認識しないことがあり得る。従って、MIB送信期間より大きい時間長を有する測定ギャップが構成され得る。結果として生じる測定ギャップは、UE170がMIBを復号するために十分な時間を提供する。
【0051】
段階416において、参照セル141のMIBは、第1ギャップパターンにおいて指定された測定ギャップ中にUE170によって読み取られ得る。UE170は、SFNを取得するためにMIBを復号する。同時に、MIBを保持するサブフレームに保持される同期シーケンスに従って、参照セル141のフレームタイミングが取得され得る。代替的に、gNB基地局160が参照セル141のフレームタイミングを認識しているとき、参照セル141のフレームタイミングが、gNB基地局160から参照セル141のフレームタイミングオフセットを受信することによって取得され得る。支援データ、ならびに、上で取得されたフレームタイミングおよびSFNに基づいて、UE170は、近隣セル141-143のPRS測位機会のタイミングを決定し得る。
【0052】
段階418において、例えば、RRCメッセージを送信することによって、RSTD測定についての測定ギャップの第2要求が、UE170からgNB基地局160へ送信され得る。要求は、段階416において取得されるPRS測位機会タイミングに一致する測定ギャップのタイミングを含み得る。近隣セル141-143のPRS測位機会が時間的に揃っているとき、RSTD測定のために1つの測定ギャップが要求され得る。代替的に、異なる時間において近隣セル141-143のPRS測位機会が生じるとき、または、近隣セル141-143が異なるキャリア周波数で動作するとき、1より多くの測定ギャップが要求され得る。加えて、いくつかの例において、測定ギャップの時間長は、それぞれのPRS測位機会の時間長に従って指定され得る。段階420において、要求された測定ギャップがスケジューリングされたことをUE170に通知するべく、第2ギャップパターンがgNB基地局160からUE170へ送信され得る。例えば、RRCメッセージは、第2ギャップパターンの送信に使用され得る。ギャップパターンは、第2ギャップ要求において保持される情報に基づいて決定され得る。
【0053】
段階422において、複数の近隣セル141-143からのPRSは、第2ギャップパターンの測定ギャップ中にUE170で受信および測定され得る。段階424において、RSTD測定結果は、近隣セル141-143からのPRSの測定された到着時間に基づいて計算され得る。例えば、参照セル141を時間基準として使用して、参照セル141と他の近隣セル142-143との間のPRSの到着の時間差が決定され得る。
【0054】
段階426において、例えば、LPPメッセージを送信することによって、RSTD測定結果は、UE170からロケーションサーバ110へ送信され得る。従って、ロケーションサーバ110は、RSTD測定結果に基づいて、UE170の位置を推定し得る。代替例において、RSTD測定結果は、ロケーションサーバ110に送信されないことがあり得る。代わりに、UE170自体は、支援データに含まれる基地局位置情報を用いて、UE170の位置を決定するために、RSTD測定結果を使用し得る。
【0055】
図5は、本開示の実施形態に係る別の例示的なOTDOA測位プロセス500のフローチャートを示す。
図1を参照すると、そのようなプロセス500は、UE170を見つけるために、無線通信ネットワーク100において実行され得る。同様に、プロセス500の異なる段階に対応するメッセージは、UE170、gNB基地局160、eNodeB基地局131-133、およびロケーションサーバ110の間で送信されることが示される。プロセス400と異なり、プロセス500中に、UE170は、支援データにおいて列挙される近隣セルのSFNタイミング情報をサービングセル161に要求し得る。
【0056】
プロセス500は、プロセス400のものと同様の段階を含む。例えば、段階510、518-526は、段階410、418-426と同様である。しかしながら、段階512-516は、段階412-416と異なる。段階510、518-526の説明は省略されるが、段階512-516は以下で説明される。
【0057】
段階512において、近隣セル141-143のSFNタイミング情報の要求は、例えば、RRCメッセージを送信することによって、UE170からサービングセル161へ送信され得る。例えば、段階510で受信される支援データは、近隣セルのリスト、例えば、測定される近隣セル141-143を含み得る。近隣セル141は、参照セルとして使用され得て、他の近隣セル141-143のフレームタイミングオフセットおよびSFNオフセットは、参照セル141に対して、支援データにおいて指定され得る。従って、要求は、参照セル141のアイデンティティを含み得る。
【0058】
段階514において、SFNタイミング情報は、段階512の要求への応答として、サービングセル161からUE170へ送信され得る。例えば、gNB基地局160は、NRネットワーク102の構成に起因して、近隣セル141-143のSFNタイミングを知り得る。一例において、SFNタイミング情報は、サービングセル161のフレームタイミングおよびSFNに対する、参照セル141のフレームタイミングオフセットおよびSFNオフセットを含む。一例において、SFNタイミング情報は、SFNタイミング情報の送信に固有のRRCメッセージにおいて保持される。別の例において、オンデマンドシステム情報として、近隣セルのリストがUE170へ送信され得る。近隣セル141-143のSFNタイミングは、近隣セルリストのエントリに含まれ得る。
【0059】
一例において、NRネットワーク102のSFNは、LTEネットワーク101のSFNより長い長さを有する。例えば、NR SFNは、12ビットの長さを有し得て、一方、LTE SFNは10ビットの長さを有し得る。従って、LTE SFNとNR SFNとの間のSFNオフセットは、(1024の剰余に対して)定義されたモジュロ1024であり得る。例えば、LTEネットワーク101とNRネットワーク102との間のSFNオフセットが、以下の式を使用して計算され得る。
SFNオフセット=(LTE SFN-NR SFN)mod1024
LTE SFNおよびNR SFNは、比較されたNR LTEフレームおよびLTEフレームのSFNに対応する。
【0060】
段階516において、RSTD測定に必要なギャップタイミングはUE170で決定される。例えば、支援データおよび参照セル141-143の受信されたSFNタイミング情報に基づいて、近隣セル141-143のPRS測位機会のタイミングが決定され得る。従って、測定ギャップのタイミングが決定され得る。近隣セル141-143のPRS測位機会が時間的に揃っているかどうか、または、近隣セル141-143が異なるキャリア周波数で動作するかどうかに応じて、1または複数の測定ギャップがスケジューリングされ得る。少なくとも1つのギャップのタイミングを含む測定ギャップの要求がその後送信され得る。
【0061】
図6は、本開示の実施形態に係るUE600の例示的なブロック図を示す。UE600は、本明細書に説明される様々な本開示の実施形態を実装するよう構成され得る。UE600は、
図6に示されるように共に結合されたプロセッサ610、メモリ620および無線周波数(RF)モジュール630を含み得る。異なる例において、UE600は、携帯電話、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、車載デバイスおよび同様のものであり得る。
【0062】
プロセッサ610は、
図1から
図5を参照して上述されたUE170の様々な機能を実行するよう構成され得る。例えば、プロセッサ610は、ロケーションサーバから支援データを受信し、それに従って、RSTD測定を実行してRSTD測定結果をロケーションサーバへ報告するよう構成され得る。特に、プロセッサ610は、UE600のサービングセルに測定ギャップを要求し、支援データにおける近隣セルのリストに含まれる参照セルのSFNを取得するためにMIB復号プロセスを実行するよう構成され得る。代替的に、プロセッサ610は、参照セルのSFNタイミング情報を要求するよう構成され得る。さらに、プロセッサ610はその後、近隣セルのPRS測位機会を決定し、それに従って、近隣セルからのPRSに対してRSTD測定を実行するために一組の測定ギャップを要求するよう構成され得る。
【0063】
UE600は、LTEネットワーク、5G NRネットワーク、および同様のものなど、異なるタイプの無線ネットワークで動作し得る。従って、プロセッサ610は、異なるタイプの無線ネットワークに対応する通信プロトコルに従って、受信された、または、送信されるデータを処理するための信号処理回路を含み得る。追加的に、プロセッサ610は、異なる通信プロトコルに関連する機能を実行するために、例えばメモリ620に記憶されるプログラム命令を実行し得る。プロセッサ610は、適切なハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装され得る。例えば、プロセッサ610は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および回路を含む同様のもので実装され得る。回路は、プロセッサ610の様々な機能を実行するよう構成され得る。
【0064】
一例において、メモリ620は、プロセッサ610によって実行されるとき、本明細書において説明される様々な機能をプロセッサ610に実行させるプログラム命令を格納し得る。例えば、メモリ620は、本開示において説明されるようなOTDOA測位プロセスを実行するためのプログラム命令621を格納し得る。加えて、メモリ620は、測位支援データ622、RSTD測定結果623、および同様のものなど、OTDOA測位プロセスに関連するデータを格納し得る。メモリ620は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、ハードディスクドライブおよび同様のものを含み得る。
【0065】
RFモジュール630は、デジタル信号をプロセッサ610から受信し、それに従って、アンテナ640を介して無線通信ネットワークにおいて信号を基地局へ送信するよう構成され得る。加えて、RFモジュール630は、無線信号を基地局から受信し、それに従って、プロセッサ610へ提供されるデジタル信号を生成するよう構成され得る。RFモジュール630は、デジタル‐アナログ/アナログ‐デジタルコンバータ(DAC/ADC)、周波数ダウン/アップコンバータ、フィルタ、ならびに受信および送信動作のための増幅器を含み得る。特に、RFモジュール630は、LTEネットワーク、5G NRネットワークおよび同様のものなどの異なるタイプの無線通信ネットワークでUE170が動作することをサポートするために、信号処理回路を含み得る。例えば、RFモジュール630は、異なるキャリア周波数で信号を処理するために、コンバータ回路、フィルタ回路、増幅回路および同様のものを含み得る。
【0066】
UE600は任意選択で、入出力デバイス、追加のCPU、または信号処理回路および同様のものなどの他のコンポーネントを含み得る。従って、UE600は、アプリケーションプログラムを実行する、および、代替的な通信プロトコルを処理するなど、他の追加の機能を実行することが可能であり得る。
【0067】
図7は、本開示の実施形態に係る基地局700の例示的なブロック図を示す。基地局700は、本明細書に説明されている本開示の様々な実施形態を実装するよう構成され得る。同様に、基地局700は、プロセッサ710、メモリ720および無線周波数(RF)モジュール730を含み得る。それらのコンポーネントは、
図7に示されるように、共に結合される。異なる例において、基地局は、LTEネットワークにおけるeNodeB、NRネットワークにおけるgNB、および同様のものなどを含み得る。
【0068】
プロセッサ710は、
図1から
図5を参照して説明されるgNB基地局160の様々な機能を実行するよう構成され得る。例えば、プロセッサ710は、OTDOA測位プロセス中に参照セルのMIBを復号して参照セルのSFNを取得するための測定ギャップをUEのためにスケジューリングするよう構成され得る。基地局700が参照セルのフレームタイミングで構成されるとき、測定ギャップが参照セルのMIB送信に一致するような方式で測定ギャップが構成され得る。基地局700が参照セルのフレームタイミングを認識していないとき、参照セルのMIB送信期間より長い時間長を有する測定ギャップが構成され得る。代替的には、プロセッサ710は、SFNオフセットおよびフレームタイミングオフセットを、UEからの要求への応答として、UEに提供するよう構成され得る。
【0069】
プロセッサ710は、3GPP LTEまたは5G NR規格において指定されるプロトコルなど、様々な通信プロトコルに従う信号処理のための信号処理回路を含み得る。プロセッサ710はまた、様々な通信プロトコルに従う様々な機能を実行するためのプログラム命令を実行するよう構成され得る。プロセッサ710は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせで実装され得る。例えば、プロセッサ710は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および回路を含む同様のもので実装され得る。回路は、プロセッサ710の様々な機能を実行するよう構成され得る。
【0070】
一例において、メモリ720は、プロセッサ710によって実行されるとき、本明細書において説明される様々な機能をプロセッサ710に実行させるプログラム命令を格納し得る。例えば、メモリ720は、本開示において説明されるような測定ギャップをスケジューリングするためのプログラム命令721を格納し得る。加えて、メモリ720は、基地局700の構成に応じて、近隣セルフレームタイミングオフセットおよび/またはSFNオフセット722など、OTDOA測位プロセスに関連するデータを格納し得る。同様に、メモリ720は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、ハードディスクドライブおよび同様のものを含み得る。
【0071】
RFモジュール730は、RFモジュール630と同様の機能および構造を有し得る。しかしながら、RFモジュール730は、基地局700の性能に対してより適切な機能および構造を有し得る。例えば、RFモジュール730は、大きいサービングエリアおよび複数のUEユーザのカバレッジのために、より高い送信電力を有し得る、または、より多くのダウンリンクもしくはアップリンクコンポーネントキャリアをサポートし得る。RFモジュール730は、アンテナ740を介して、無線信号を受信または送信し得る。
【0072】
特許請求の範囲において、「含む」という単語は、他の要素または段階を排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は、複数を排除するものではない。単一プロセッサまたは他のユニットは、特許請求の範囲に記載の複数の項目の機能を果たし得る。単に特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないということを示す、排除する、または示唆するものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、または、その一部として供給される光学記憶媒体または半導体媒体などの適切な媒体に記憶または配布され得るが、インターネットまたは他の有線もしくは無線遠隔通信システムを介するなど、他の形式でも配布され得る。
【0073】
本開示の態様は、例として示された本開示に係る特定の実施形態に関し説明されているが、当該例に対する代替、修正および変形がなされてよい。したがって、本明細書に記載される実施形態は、例示的なものであって、限定するものではないことが意図されている。以下で記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、変更が加えられ得る。