(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/06 20060101AFI20221206BHJP
D06F 17/12 20060101ALI20221206BHJP
D06F 39/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
D06F39/06
D06F17/12
D06F39/02 Z
(21)【出願番号】P 2017059160
(22)【出願日】2017-03-24
【審査請求日】2020-02-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】堀田 浩平
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
(72)【発明者】
【氏名】松下 克則
(72)【発明者】
【氏名】臼井 良典
(72)【発明者】
【氏名】長井 智
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】関口 哲生
【審判官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-32001(JP,A)
【文献】特開2006-626(JP,A)
【文献】国際公開第2016/101994(WO,A1)
【文献】特開2006-43103(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0352821(US,A1)
【文献】特開2016-7308(JP,A)
【文献】特開2001-347191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F39/02
D06F39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽と、
外部の水源に接続される給水弁と、
前記給水弁により供給される水を前記水槽に注ぐ注水ケースと、
前記給水弁と前記注水ケースとの間に設けられる給水経路部と、
微細気泡を含む微細気泡水を生成する微細気泡発生器と、を備え、
前記給水弁は
、前記給水経路部に接続され、
前記注水ケースは、衣類用の洗剤を収容可能であり、
前記給水経路部は、
前記微細気泡発生器が接続されておらず、前記微細気泡を含まない通常水が流れる通常水用経路と、
前記微細気泡発生器が接続されており、前記微細気泡発生器が生成する前記微細気泡水が流れる微細気泡水用経路と、を有し、
前記通常水用経路は、前記注水ケースに前記通常水を供給する通常水用供給口を有し、
前記微細気泡水用経路は、前記注水ケースに前記微細気泡水を供給する微細気泡水用供給口を有する洗濯機。
【請求項2】
前記給水経路部において、前記通常水用経路および前記微細気泡水用経路が隣接している請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記注水ケース内に設けられ、液体洗剤を収容する液体洗剤収容部と、液体洗剤以外の洗濯処理剤が収容される非液体洗剤収容部と、を有する洗濯処理剤ケースをさらに備え、
前記微細気泡水用経路の前記微細気泡水用供給口は、前記通常水用経路の前記通常水用供給口よりも前記液体洗剤収容部の内部のうち側壁に近い位置に設けられている請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記注水ケース内に設けられ、液体洗剤を収容する液体洗剤収容部と、液体洗剤以外の洗濯処理剤が収容される非液体洗剤収容部と、を有する洗濯処理剤ケースをさらに備え、
前記微細気泡水用経路は、前記微細気泡水用供給口として、
前記液体洗剤収容部に前記微細気泡水を供給する液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口と、
前記非液体洗剤収容部に前記微細気泡水を供給する非液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口と、
を有する請求項1または2に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記微細気泡水用経路は、前記注水ケース内のうち前記洗濯処理剤ケースよりも外側の部分に前記微細気泡水を供給する補助水路をさらに備える請求項3または4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記注水ケースの底部の後部に、当該注水ケース内に流入した水を前記水槽内へ注水する注水口を備え、
前記補助水路は、前記注水ケース内に前記洗濯処理剤ケースが収容されている状態において、当該洗濯処理剤ケースの後方上部となる部分に位置している請求項5に記載の洗濯機。
【請求項7】
前記通常水用経路は、前記注水ケース内に前記洗濯処理剤ケースが収容されている状態において、前記液体洗剤収容部の上方を経由して前記非液体洗剤収容部の上方に至るように構成され、前記非液体洗剤収容部の上方に至る前の部分において前記微細気泡水用経路と立体交差している請求項3から6の何れか1項に記載の洗濯機。
【請求項8】
前記非液体洗剤収容部の底部の後部に非液体洗剤の出口部を備え、
前記非液体洗剤収容部の底部は、前記非液体洗剤の出口部に向けて下降傾斜しており、
前記通常水用経路は、前記通常水用供給口として、
前記非液体洗剤収容部に前記通常水を供給する非液体洗剤収容部用の通常水用供給口を有し、
前記非液体洗剤収容部用の通常水用供給口は、前記非液体洗剤収容部の前部に対応して設けられている請求項3から7の何れか1項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロバブルやナノバブルと称される直径が数十nm~数μmサイズの微細気泡が注目されてきており、多数の微細気泡を含んだ微細気泡水を洗濯機に用いることが考えられている。微細気泡水に洗剤を溶解させて洗濯物を洗うことにより洗浄性能の向上を図ることができる。そのため、微細気泡水に洗剤を効率良く溶解させて槽内に供給するための給水構成の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、微細気泡水に洗剤を効率良く溶解させて槽内に供給することができる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る洗濯機は、水槽、給水弁、注水ケース、給水経路部、微細気泡発生器を備える。給水弁は、外部の水源に接続される。注水ケースは、前記給水弁により供給される水を前記水槽に注ぐ。給水経路部は、前記給水弁と前記注水ケースとの間に設けられる。微細気泡発生器は、微細気泡を含む微細気泡水を生成する。そして、前記給水弁は、前記給水経路部に接続されている。前記注水ケースは、衣類用の洗剤を収容可能である。前記給水経路部は、前記微細気泡発生器が接続されておらず、前記微細気泡を含まない通常水が流れる通常水用経路と、前記微細気泡発生器が接続されており、前記微細気泡発生器が生成する前記微細気泡水が流れる微細気泡水用経路と、を有する。そして、前記通常水用経路は、前記注水ケースに前記通常水を供給する通常水用供給口を有し、前記微細気泡水用経路は、前記注水ケースに前記微細気泡水を供給する微細気泡水用供給口を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図2】給水機構部の構成例を概略的に示す分解斜視図
【
図4】洗濯処理剤ケースの構成例を概略的に示す平面図
【
図5】洗濯処理剤ケースの上方における通常水用供給口および微細気泡水用供給口の位置関係の一例を示す平面図
【
図6】微細気泡発生器の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図7】
図6のF7-F7線に沿う微細気泡発生器の構成例を概略的に示す縦断側面図
【
図8】第2実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す縦断正面図
【
図11】給水弁ユニットおよびその周辺部分の構成例を拡大して概略的に示す平面図
【
図12】
図11のF12-F12線に沿う給水弁ユニットおよびその周辺部分の構成例を拡大して概略的に示す断面図
【
図13】第3実施形態に係る給水機構部の構成例を概略的に示す図(その1)
【
図14】第3実施形態に係る給水機構部の構成例を概略的に示す図(その2)
【
図15】第3実施形態に係る給水機構部の構成例を概略的に示す図(その3)
【
図16】第3実施形態に係る給水機構部の構成例を概略的に示す図(その4)
【
図17】第3実施形態に係る給水機構部の構成例を概略的に示す図(その5)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、洗濯機に係る複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、各実施形態において、洗濯機の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機の上側とする。また、洗濯機を正面側から見て、左側を洗濯機の左側、右側を洗濯機の右側とする。
【0008】
(第1実施形態)
図1に例示する洗濯機100は、回転槽の回転軸が水平または後方へ向かって下降傾斜する横軸型の、いわゆるドラム式の洗濯機であり、その外郭を構成する外箱101の内部に、水槽102、ドラム103、モータ104、給水機構部105を備えている。外箱101は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。水槽102およびドラム103は、洗濯物を収容する洗濯槽および脱水槽として機能する。水槽102は、外箱101内において、図示しないサスペンションにより弾性支持されている。水槽102およびドラム103は、前面が開口した有底円筒状の容器状に構成されている。ドラム103は、回転槽の一例であり、その周壁部に複数の小孔103aを有しており、この小孔103aを通して、ドラム103と水槽102との間で水が行き来する。また、ドラム103の内周面には、図示しない複数のバッフルが設けられている。
【0009】
水槽102の上部には、図示しない給水口が形成されている。この給水口には、給水機構部105が接続されている。この給水機構部105の構成例については後述する。また、水槽102の底部には、図示しない排水口が形成されている。この排水口には、図示しない排水機構部が接続されている。詳しい図示は省略するが、排水機構部は、排水口から機外に延びる排水経路の途中に排水弁を備えており、水槽102内の水を機外に排出する排水行程において、排水弁の駆動を制御することにより、水槽102内の水を機外に排出する。
【0010】
モータ104は、水槽102の背面に設けられており、回転軸104aを介してドラム103の背面に接続されている。モータ104は、洗濯機100の動作全般を制御する図示しない制御装置により駆動され、ドラム103を回転させる。給水機構部105は、外箱101内において水槽102の上方に位置して設けられている。この給水機構部105は、例えば、ドラム103内に収容されている洗濯物を洗う洗い行程および洗濯物をすすぐすすぎ行程において、機外の給水源から供給される水を水槽102内に供給する。
【0011】
次に、この給水機構部105の構成例について、
図2~
図5を参照しながら説明する。
図2および
図3に例示するように、給水機構部105は、注水ケース110、洗濯処理剤ケース111、給水弁ユニット112、微細気泡発生器113、給水経路部114を備えている。注水ケース110は、前面および上面が開放した長尺な容器状をなしており、水槽102の上方に配置されている。注水ケース110の前面の開放口110aは、外箱101の前面に設けられている図示しない開放口に接続されており、外箱101の前面において前方に開放している。注水ケース110の前面の開放口110aは、当該注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容されることにより塞がれる。
【0012】
この場合、注水ケース110は、洗濯機100の正面側から見て、水槽102の上方において左方に若干ずれた位置に配置されている。そして、注水ケース110の底部は、洗濯機100の正面側から見て、右側の部分が水槽102の上面の円弧形状に沿って右側から左側に向けて緩やかに下降傾斜した形状となっている。また、注水ケース110の底部は、洗濯機100の側面側から見て、前側から後側に向けて緩やかに下降傾斜した形状となっている。そして、注水ケース110の底部の後部には、注水口110bが設けられている。この注水口110bは、図示しない給水ホースを介して、水槽102の上部に設けられている図示しない注水口に接続されている。
【0013】
注水ケース110内に流入した水は、詳しくは後述する洗濯処理剤ケース111内を通って注水ケース110の底部に流れ落ちる。そして、底部に流れ落ちた水は、その底部の傾斜面に沿って注水口110bに導かれた後、その注水口110bを通って水槽102内へ注水される。
【0014】
洗濯処理剤ケース111は、上面および後面が開放した長尺な容器状をなしており、注水ケース110の前面の開放口110aを介して、当該注水ケース110内に出し入れ可能となっている。この場合、注水ケース110および洗濯処理剤ケース111は、洗濯機100の前後方向に沿って延びている。洗濯処理剤ケース111の底部は、洗濯機100の正面側から見て、右側の部分が注水ケース110の底部の傾斜形状に沿って右側から左側に向けて緩やかに下降傾斜した形状となっている。また、洗濯処理剤ケース111の底部は、洗濯機100の側面側から見て、注水ケース110の底部の傾斜形状に沿って前側から後側に向けて緩やかに下降傾斜した形状となっている。そして、洗濯処理剤ケース111の底部の後部には、開放口111aが設けられている。この開放口111aの底部は、洗濯処理剤ケース111が注水ケース110内に収容された状態において、注水ケース110の注水口110bに対向するようになっている。
【0015】
洗濯処理剤ケース111は、例えば、洗剤、柔軟剤などの各種の洗濯用の処理剤を収容するケースである。即ち、
図4に例示するように、洗濯処理剤ケース111内には、この場合、液体洗剤が収容される液体洗剤収容部120、粉末洗剤が収容される粉末洗剤収容部121、柔軟剤が収容される柔軟剤収容部122が設けられている。粉末洗剤収容部121および柔軟剤収容部122は、何れも、液体洗剤以外の洗濯処理剤が収容される非液体洗剤収容部の一例である。
【0016】
液体洗剤収容部120および柔軟剤収容部122は、洗濯処理剤ケース111の前部において左右に並べて配置されている。この場合、洗濯機100の正面側から見て、液体洗剤収容部120は右側つまり水槽102側、柔軟剤収容部122は左側つまり外箱101の左側面側に設けられている。液体洗剤収容部120の底部の後部には、洗剤出口120aが設けられている。そして、液体洗剤収容部120の底部は、洗剤出口120aに向かって緩やかに下降傾斜する傾斜部121cを有している。これにより、液体洗剤収容部120内に供給される液体洗剤および水は、洗剤出口120a側に向かって流れやすくなっている。
【0017】
柔軟剤収容部122には、柔軟剤投入口122aが設けられている。柔軟剤収容部122の底部の後部には、図示しない柔軟剤出口が設けられている。そして、柔軟剤収容部122の底部は、柔軟剤出口に向かって緩やかに下降傾斜する傾斜部を有している。
【0018】
粉末洗剤収容部121は、液体洗剤収容部120および柔軟剤収容部122の後部に設けられている。粉末洗剤収容部121の後壁を構成する仕切壁121aの下部には、流出口121bが設けられている。この場合、流出口121bは、洗濯機100の正面側から見て左側つまり外箱101の左側面側寄りに設けられている。また、流出口121bは、この場合、上下方向に延びる複数のスリットにより構成されている。粉末洗剤収容部121の底部は、流出口121bに向かって下降傾斜する傾斜部121cを有している。これにより、粉末洗剤収容部121内に供給される粉末洗剤および水は、流出口121b側に向かって流れやすくなっている。
【0019】
給水弁ユニット112は、洗濯機100の側面側から見て、注水ケース110の後側に設けられている。給水弁ユニット112は、本体部112aに、通常水用給水弁112bおよび微細気泡水用給水弁112cを備えている。本体部112aの上部には、図示しない機外の水源、例えば水道の蛇口に接続される給水口112dが設けられている。給水口112dは、それぞれ通常水用給水弁112bおよび微細気泡水用給水弁112cに接続されている。通常水用給水弁112bは、微細気泡発生器113を介することなく給水経路部114に接続される。一方、微細気泡水用給水弁112cは、微細気泡発生器113を介して給水経路部114に接続される。
【0020】
微細気泡発生器113は、内部を通過する水に微細気泡を含ませるためのものである。
図6および
図7に示すように、微細気泡発生器113は、例えば合成樹脂製であって、全体として円筒形状に形成されている。微細気泡発生器113は、例えば絞り部113a、ストレート部113b、および、突出部113cを有している。絞り部113aとストレート部113bとは、連続した1本の流路を形成している。この場合、絞り部113a側が入力側となり、ストレート部113b側が出力側となる。
【0021】
絞り部113aは、微細気泡発生器113の入力側から出力側へ向かって内径が縮小する形状、即ち、流路の断面積つまり内径が連続的に徐々に減少するような、いわゆる円錐形のテーパ管状に形成されている。ストレート部113bは、流路の断面積つまり内径が変化しない円筒形、いわゆるストレート管状に形成されている。
【0022】
突出部113cは、ストレート部113bの長手方向の途中部分に設けられている。突出部113cは、ストレート部113bにおいて水の通過可能な断面積を局所的に縮小することでストレート部113bを通過する液体中に微細気泡を発生させるためのものである。この場合、ストレート部113bには、複数本、この場合、4本の突出部113cが設けられている。突出部113cは、それぞれ、先端が尖った棒状の部材で構成され、ストレート部113bの内周面からこのストレート部113bの断面における中心方向へ向かって突出している。突出部113cは、それぞれ、ストレート部113bの断面の周方向に向かって相互に等間隔に離間した状態で配置されている。
【0023】
微細気泡発生器113に対して絞り部113a側から水が流入すると、絞り部113aからストレート部113bにかけて流路断面積が絞られることによって、流体力学のいわゆるベンチュリ効果により流速が高められる。そして、その高速流が突出部113cに衝突することで圧力が急激に低下される。これにより、水中に溶存している空気を微細な気泡として多量に析出させることができる。
【0024】
この場合、微細気泡発生器113は、内部に水などの液体を通すことで、その液体中に、直径が50nm~1μm程度のナノバブルや、直径が1μm~数百μm程度のマイクロバブルを含んだ微細気泡を多量に発生させることができる。以下の説明では、微細気泡発生器113を通って微細気泡を含んだ水を「微細気泡水」と称する。また、微細気泡発生器113を通らずに微細気泡を含んでいない水を、単に「通常水」と称する。なお、微細気泡発生器113は、上記したいわゆるベンチュリ式のものに限られない。
【0025】
給水経路部114は、薄い長尺な板状をなしており、注水ケース110の上部に設けられている。この給水経路部114は、給水弁ユニット112から注水ケース110に至る給水経路において、これら給水弁ユニット112と注水ケース110との間の部分の給水経路を構成する要素である。
【0026】
注水ケース110の上面は、この場合、水平となっており、給水経路部114は、この注水ケース110の上面の開放口を塞ぐようにして取り付けられる。よって、給水経路部114は、注水ケース110の上部において水平な状態となっている。
【0027】
給水経路部114は、本体部114a、カバー部114bを備えている。本体部114aには、詳しくは後述する複数種類の給水経路が設けられている。カバー部114bは、本体部114aの上面を覆う。これにより、内部に複数種類の給水経路を有する薄板状の給水経路部114が構成される。次に、給水経路部114内に設けられる複数種類の給水経路の構成例について説明する。
【0028】
即ち、
図3に例示するように、給水経路部114内には、少なくとも、通常水用経路130および微細気泡水用経路160が設けられている。給水経路部114内において、通常水用経路130および微細気泡水用経路160は、その全体において、各部が左右方向あるいは前後方向に隣接するようにして設けられている。また、給水経路部114内において、通常水用経路130および微細気泡水用経路160は、相互に完全に分断された別個独立の経路として設けられている。
【0029】
通常水用経路130は、その上流部が給水弁ユニット112の通常水用給水弁112bに接続されており、通常水用給水弁112bから供給される通常水が流れるようになっている。通常水用経路130は、上流側から順に、第1経路部131、第2経路部132、第3経路部133、第4経路部134、第5経路部135、第6経路部136、第7経路部137を備えている。
【0030】
第1経路部131は、図示しない接続管路を介して通常水用給水弁112bが接続される上流部から、注水ケース110の長手方向である前後方向に沿って前方に延びている。第2経路部132は、第1経路部131の下流側の端部から、注水ケース110の短手方向である左右方向に沿って右方に延びている。
【0031】
第3経路部133は、第2経路部132の下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。また、第3経路部133の途中部には、サブ経路部138が設けられている。サブ経路部138は、第1サブ経路部138a、第2サブ経路部138b、第3サブ経路部138cを備えている。第1サブ経路部138aは、第3経路部133の途中部から、注水ケース110の左右方向に沿って左方に延びている。第2サブ経路部138bは、第1サブ経路部138aの下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。第3サブ経路部138cは、第2サブ経路部138bの下流側の端部から、注水ケース110の左右方向に沿って右方に延び、第3経路部133の途中部のうち第1サブ経路部138aとの接続部分よりも下流側の部分に接続されている。サブ経路部138は、左右方向に延びる2本のサブ経路部138a,138cが、その一端側においてサブ経路部138bにより接続された構成となっている。
【0032】
第4経路部134は、第3経路部133の下流側の端部から、注水ケース110の左右方向に沿って左方に延びている。第5経路部135は、第4経路部134の下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。第6経路部136は、第5経路部135の下流側の端部から、注水ケース110の左右方向に沿って右方に延びている。
【0033】
第7経路部137は、第6経路部136の下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。この場合、第6経路部136は、その下流側の端部に、第7経路部137の上流側の端部よりも右方に突出する突出部136aを有している。第7経路部137の下流側の端部には、第1分岐部137aおよび第2分岐部137bが設けられている。第1分岐部137aは、第7経路部137の下流側の端部から左方に分岐している。一方、第2分岐部137bは、第7経路部137の下流側の端部から右方に分岐し、さらに後方に向かって屈曲している。そして、第2分岐部137bの先端部は、微細気泡水用経路160の下流側の端部つまり先端部に前方から対面している。
【0034】
通常水用経路130は、上述した第3経路部133により、粉末洗剤収容部121に通常水を供給するための第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141を構成している。また、通常水用経路130は、上述した第4経路部134、第5経路部135、第6経路部136により、粉末洗剤収容部121に通常水を供給するための第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142を構成している。また、通常水用経路130は、上述した第7経路部137により、液体洗剤収容部120に通常水を供給するための液体洗剤収容部用の通常水供給水路143を構成している。第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141および第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142は、非液体洗剤収容部用の通常水供給水路の一例である。
【0035】
第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向に沿って延びている。この場合、第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141は、洗濯機100の正面側から見て、粉末洗剤収容部121の右側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向に沿うようにして延びている。洗濯機100の正面側から見て粉末洗剤収容部121の右側の縁部となる部分は、流出口121bを有しない縁部の一例として定義することができる。
【0036】
第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142は、第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141と液体洗剤収容部用の通常水供給水路143との間に位置している。また、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向と直交する方向に沿って延びている。この場合、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142は、粉末洗剤収容部121の前側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向と直交する方向に沿うようにして延びている。粉末洗剤収容部121の前側の縁部は、流出口121bを有しない縁部の一例として定義することができる。
【0037】
液体洗剤収容部用の通常水供給水路143は、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142の下流側に位置している。また、液体洗剤収容部用の通常水供給水路143は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、液体洗剤収容部120の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向に沿って延びている。この場合、液体洗剤収容部用の通常水供給水路143は、洗濯機100の正面側から見て、液体洗剤収容部120の左側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向に沿うようにして延びている。
【0038】
通常水用経路130は、注水ケース110内に通常水を供給するための複数の通常水用供給口150を有している。この場合、通常水用供給口150は、何れも、円形に開口する小孔として形成されている。
【0039】
通常水用経路130は、通常水用供給口150として、液体洗剤収容部120に通常水を供給するための液体洗剤収容部用の通常水用供給口150aと、粉末洗剤収容部121に通常水を供給するための粉末洗剤収容部用の通常水用供給口150bと、を有している。粉末洗剤収容部用の通常水用供給口150bは、非液体洗剤収容部用の通常水用供給口の一例である。
【0040】
粉末洗剤収容部用の通常水用供給口150bは、第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141および第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142に分かれて配置されている。また、液体洗剤収容部用の通常水用供給口150aは、液体洗剤収容部用の通常水供給水路143に配置されている。
【0041】
一方、微細気泡水用経路160は、その上流部が給水弁ユニット112の微細気泡水用給水弁112cに接続されており、微細気泡発生器113が生成する微細気泡水が流れるようになっている。微細気泡水用経路160は、上流側から順に、第1経路部161、第2経路部162、第3経路部163、第4経路部164、第5経路部165を備えている。
【0042】
第1経路部161は、図示しない接続管路を介して微細気泡水用給水弁112cが接続される上流部から、注水ケース110の長手方向である前後方向に沿って前方に延びている。第2経路部162は、第1経路部161の下流側の端部から、注水ケース110の短手方向である左右方向に沿って右方に延びている。第3経路部163は、第2経路部162の下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。第4経路部164は、第3経路部163の途中部、この場合、前後方向の中央部よりも下流側つまり前側の部分から、注水ケース110の左右方向に沿って左方に延びている。
【0043】
第5経路部165は、第3経路部163の下流側の端部から、注水ケース110の前後方向に沿って前方に延びている。第5経路部165は、第3経路部163に対し、左方つまり注水ケース110の左右方向の内側に若干ずれた位置から前方に延びている。そして、第5経路部165の先端部、換言すれば、微細気泡水用経路160の先端部は、第2分岐部137bの先端部、換言すれば、通常水用経路130の先端部に、後方から対面している。
【0044】
微細気泡水用経路160は、上述した第3経路部163により、粉末洗剤収容部121に微細気泡水を供給するための第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171を構成している。また、微細気泡水用経路160は、上述した第4経路部164により、粉末洗剤収容部121に微細気泡水を供給するための第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172を構成している。また、微細気泡水用経路160は、上述した第5経路部165により、液体洗剤収容部120に微細気泡水を供給するための液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173を構成している。第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171および第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、非液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路の一例である。
【0045】
第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向に沿って延びている。この場合、第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171は、洗濯機100の正面側から見て、粉末洗剤収容部121の右側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向に沿うようにして延びている。洗濯機100の正面側から見て粉末洗剤収容部121の右側の縁部となる部分は、流出口121bを有しない縁部の一例として定義することができる。なお、第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171は、第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141よりも外側つまり注水ケース110の左右方向の右側に設けられている。
【0046】
第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171と液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173との間に位置している。また、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向と直交する方向に沿って延びている。この場合、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、粉末洗剤収容部121の前側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向と直交する方向に沿うようにして延びている。粉末洗剤収容部121の前側の縁部は、流出口121bを有しない縁部の一例として定義することができる。
【0047】
この場合、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、注水ケース110の長手方向と直交する方向に延びる1本の水路つまり第4経路部164により構成されている。そして、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142を構成する2本の水路つまり第4経路部134および第6経路部136の間に挟まれた構成となっている。換言すれば、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142に右方から嵌り込んだ構成となっている。
【0048】
液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173は、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172の下流側に位置している。また、液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173は、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、液体洗剤収容部120の上方に位置し、且つ、注水ケース110の長手方向に沿って延びている。この場合、液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173は、洗濯機100の正面側から見て、液体洗剤収容部120の右側の縁部の上方において、注水ケース110の長手方向に沿うようにして延びている。そして、液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173の先端部は、通常水用経路130の第2分岐部137bの先端部、換言すれば、通常水用経路130の先端部に後方から対面している。
【0049】
また、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172と液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173との接続部分は、通常水用経路130の突出部136aを迂回するように延びる形状となっている。また、第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172は、第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142よりも外側つまり注水ケース110の左右方向の右側に設けられている。
【0050】
そして、微細気泡水用経路160は、注水ケース110内に微細気泡水を供給するための複数の微細気泡水用供給口180を有している。この場合、微細気泡水用供給口180は、円形に開口する小孔として形成されている。
【0051】
微細気泡水用経路160は、微細気泡水用供給口180として、液体洗剤収容部120に微細気泡水を供給するための液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aと、粉末洗剤収容部121に微細気泡水を供給するための粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bと、を有している。粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bは、非液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口の一例である。
【0052】
粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bは、第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171および第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172に分かれて配置されている。また、液体洗剤収容部用の通常水用供給口180aは、液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173に配置されている。
【0053】
例えば上記のように構成される給水経路部114によれば、外部の水源から供給される水を、微細気泡を含まない通常水として注水ケース110を介して水槽102内に供給する場合には、給水弁ユニット112の通常水用給水弁112bを駆動して、通常水を通常水用経路130に供給する。通常水用経路130に供給される通常水は、当該通常水用経路130を上流側から下流側に向かって流れ、その過程において、複数の通常水用供給口150から洗濯処理剤ケース111内に滴下される。そして、洗濯処理剤ケース111内に滴下された通常水は、洗濯処理剤ケース111内に収容されている洗濯処理剤を溶解して、注水ケース110内に流出し、さらに、注水ケース110から水槽102内に注がれる。
【0054】
このとき、複数の通常水用供給口150のうち粉末洗剤収容部用の通常水用供給口150bから滴下する通常水は、これら粉末洗剤収容部用の通常水用供給口150bが、粉末洗剤収容部121の縁部に沿う第1の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路141および第2の粉末洗剤収容部用の通常水供給水路142に設けられていることから、粉末洗剤収容部121の縁部つまり粉末洗剤が残りやすい部分の上方から滴下することとなり、これにより、粉末洗剤の溶け残りを回避することができる。
【0055】
また、複数の通常水用供給口150のうち液体洗剤収容部用の通常水用供給口150aから滴下する通常水は、これら液体洗剤収容部用の通常水用供給口150aが、液体洗剤収容部120の縁部に沿う液体洗剤収容部用の通常水供給水路143に設けられていることから、液体洗剤収容部120の縁部つまり液体洗剤が残りやすい部分の上方から滴下することとなり、これにより、液体洗剤の溶け残りを回避することができる。
【0056】
また、例えば上記のように構成される給水経路部114によれば、外部の水源から供給される水を、微細気泡を含む微細気泡水として注水ケース110を介して水槽102内に供給する場合には、給水弁ユニット112の微細気泡水用給水弁112cを駆動して、微細気泡水を微細気泡水用経路160に供給する。微細気泡水用経路160に供給される微細気泡水は、当該微細気泡水用経路160を上流側から下流側に向かって流れ、その過程において、複数の微細気泡水用供給口180から洗濯処理剤ケース111内に滴下される。そして、洗濯処理剤ケース111内に滴下された微細気泡水は、洗濯処理剤ケース111内に収容されている洗濯処理剤を溶解して、注水ケース110内に流出し、さらに、注水ケース110から水槽102内に注がれる。
【0057】
このとき、複数の微細気泡水用供給口180のうち粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bから滴下する微細気泡水は、これら粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bが、粉末洗剤収容部121の縁部に沿う第1の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171および第2の粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路172に設けられていることから、粉末洗剤収容部121の縁部つまり粉末洗剤が残りやすい部分の上方から滴下することとなり、これにより、粉末洗剤の溶け残りを回避することができる。
【0058】
また、複数の微細気泡水用供給口180のうち液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aから滴下する微細気泡水は、これら液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aが、液体洗剤収容部120の縁部に沿う液体洗剤収容部用の通常水供給水路143に設けられていることから、液体洗剤収容部120の縁部つまり液体洗剤が残りやすい部分の上方から滴下することとなり、これにより、液体洗剤の溶け残りを回避することができる。
【0059】
また、
図5に例示するように、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、液体洗剤収容部120の上方に位置する微細気泡水用経路160の微細気泡水用供給口180は、同じく液体洗剤収容部120の上方に位置する通常水用経路130の通常水用供給口150よりも、液体洗剤収容部120の側壁つまり縁部に近い位置となるように設けられている。また、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置する微細気泡水用経路160の微細気泡水用供給口180は、同じく粉末洗剤収容部121の上方に位置する通常水用経路130の通常水用供給口150よりも、粉末洗剤収容部121の側壁つまり縁部に近い位置となるように設けられている。
【0060】
本実施形態に係る洗濯機100によれば、給水経路部114は、微細気泡を含まない通常水が流れる通常水用経路130と、微細気泡発生器113が生成する微細気泡水が流れる微細気泡水用経路160と、を有している。そして、通常水用経路130は、注水ケース110に通常水を供給する通常水用供給口150を有し、微細気泡水用経路160は、注水ケース110に微細気泡水を供給する微細気泡水用供給口180を有している。
【0061】
即ち、洗濯機100によれば、注水ケース110に微細気泡水を供給するための専用の微細気泡水用経路160を、通常水用経路130とは別個に独立して設け、さらに、その微細気泡水用経路160に、注水ケース110に微細気泡水を供給するための微細気泡水用供給口180を、通常水用供給口150とは別個に独立して設けている。この構成によれば、微細気泡水供給用の専用の経路および供給口を介して、注水ケース110内の洗濯処理剤ケース111に微細気泡水を効率良く供給することができ、微細気泡水に洗剤類を効率良く溶解させて水槽102内に供給することができる。
【0062】
また、給水経路部114内において、通常水用経路130および微細気泡水用経路160は、相互に隣接して配置されている。この構成によれば、注水ケース110内に収容される洗濯処理剤ケース111の上方において、通常水用経路130および微細気泡水用経路160をほぼ同じ形状により設けることができ、通常水用経路130から滴下する通常水および微細気泡水用経路160から滴下する微細気泡水の滴下量や滴下位置を、ほぼ同じとなるように設計することができる。よって、注水ケース110内に通常水を供給する場合においても微細気泡水を供給する場合においても、洗濯処理剤ケース111内の洗濯処理剤を良好に溶解させて水槽102内に供給することができる。
【0063】
また、注水ケース110内に洗濯処理剤ケース111が収容された状態において、粉末洗剤収容部121の上方に位置する微細気泡水用経路160の微細気泡水用供給口180は、同じく液体洗剤収容部120の上方に位置する通常水用経路130の通常水用供給口150よりも、粉末洗剤収容部121の側壁つまり縁部に近い位置となるように設けられている。
【0064】
ここで、微細気泡水用経路160に供給される微細気泡水は、微細気泡発生器113を通過する際に流路抵抗を受けることから、通常水用経路130から供給される通常水に比べ、その流速、単位時間あたりの供給量、洗濯処理剤ケース111への滴下量が小さくなる傾向がある。そのため、微細気泡水用経路160から供給される微細気泡水では、通常水用経路130から供給される通常水に比べ、洗濯処理剤の溶け残りが発生しやすいという懸念がある。
【0065】
そこで、本実施形態では、液体洗剤収容部120の上方において、微細気泡水用経路160の微細気泡水用供給口180を、通常水用経路130の通常水用供給口150よりも、より液体洗剤収容部120の側壁つまり縁部に近い位置に配置した。また、粉末洗剤収容部121の上方において、微細気泡水用経路160の微細気泡水用供給口180を、通常水用経路130の通常水用供給口150よりも、より液体洗剤収容部120の側壁つまり縁部に近い位置に配置した。これにより、微細気泡水用経路160から供給される微細気泡水を、より洗濯処理剤の溶け残りが発生しやすい洗濯処理剤収容部の縁部に滴下させることができ、仮に、微細気泡水の水勢が弱かったり、滴下量が少なかったりしたとしても、洗濯処理剤を十分に溶解させることができる。
【0066】
また、微細気泡水用経路160は、微細気泡水用供給口180として、液体洗剤収容部120に微細気泡水を供給するための液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aと、粉末洗剤収容部121に微細気泡水を供給するための粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bと、を有している。この構成によれば、液体洗剤収容部120および粉末洗剤収容部121の何れにも、微細気泡水供給用の専用の供給口を介して、微細気泡水を効率良く滴下させることができる。
【0067】
また、微細気泡水用経路160は、注水ケース110の長手方向に沿って液体洗剤収容部120の上方に延びる液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173と、注水ケース110の長手方向と直交する方向に沿って粉末洗剤収容部121の上方に延びる粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171,172と、を有している。この構成によれば、液体洗剤収容部120および粉末洗剤収容部121の何れにも、微細気泡水供給用の専用の経路を介して、微細気泡水を効率良く滴下させることができる。
【0068】
また、粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171は、粉末洗剤収容部121の傾斜部121cに沿って延びている。この構成によれば、粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171から滴下する微細気泡水が、粉末洗剤収容部121の傾斜部121cに沿って流出口121bに流れやすくなり、仮に、微細気泡水の水勢が弱かったり、滴下量が少なかったりしたとしても、粉末洗剤収容部121内の粉末洗剤を微細気泡水に効率良く溶解させて水槽102内に供給することができる。
【0069】
また、液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路173に設ける液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aの孔数を、粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路171,172に設ける粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bの孔数よりも少なくするとよい。即ち、粉末洗剤は、液体洗剤に比べ溶け残りが生じやすい。そのため、液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180aの孔数を粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口180bの孔数よりも少なくすることにより、より多くの微細気泡水が粉末洗剤収容部121に供給されるようになり、粉末洗剤の溶け残りを回避することができる。
【0070】
また、微細気泡水用経路160に設ける微細気泡水用供給口180の孔数を、通常水用経路130に設ける通常水用供給口150の孔数と同じ、または、少なくするとよい。即ち、上述した通り、微細気泡水は、通常水に比べ、その水勢が弱まったり、滴下量が少なくなったりするおそれがある。そのため、微細気泡水用供給口180の孔数を通常水用供給口150の孔数と同じ、または、少なくすることにより、仮に、微細気泡水の水勢が弱かったり、滴下量が少なかったりしたとしても、1つの微細気泡水用供給口180から滴下する微細気泡水の水勢や滴下量を、1つの通常水用供給口150から滴下する通常水の水勢や滴下量と同等レベルに維持することができ、微細気泡水を良好に供給することができる。
【0071】
また、微細気泡水用経路160に設ける微細気泡水用供給口180の孔の大きさを、通常水用経路130に設ける通常水用供給口150の孔の大きさと同じ、または、小さくするとよい。この構成によっても、1つの微細気泡水用供給口180から滴下する微細気泡水の水勢や滴下量を、1つの通常水用供給口150から滴下する通常水の水勢や滴下量と同等レベルに維持することができ、微細気泡水を良好に供給することができる。
【0072】
また、回転槽の回転軸が水平または後方へ向かって下降傾斜する、いわゆるドラム式の洗濯機100においては、円筒状の水槽102が横軸状に設けられることから、その水槽102の上部の左右に前後方向に延びるスペースを確保しやすい。本実施形態に係る洗濯機100によれば、外箱101内において水槽102の上部の左右に形成される前後方向のスペース内に、通常水用経路130および微細気泡水用経路160を備える給水経路部114が設けられている。そのため、外箱101内に形成される限られたスペースを有効に活用して、2種類の経路130,160を有する給水経路部140を配置することができる。
【0073】
また、洗濯機100によれば、外箱101内において水槽102の上部の左右に形成される前後方向のスペース内に、注水ケース110、給水弁ユニット112、微細気泡発生器113、給水経路部114が前後方向に沿って配列されている。即ち、給水機構部105を構成する複数の構成要素が、外箱101内に形成される前後方向のスペースを有効に活用して配列されているので、給水機構部105をコンパクトに構成することができ、ひいては、洗濯機100の大型化を回避することができる。
【0074】
(第2実施形態)
図8に例示する洗濯機200は、回転槽の回転軸が鉛直方向を向いた、いわゆる縦軸型の洗濯機であり、外箱201、トップカバー202、水槽203、回転槽204、パルセータ205、モータ206、給水機構部207を備えている。
【0075】
外箱201は、洗濯機200の外郭を構成するものであり、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー202は、例えば合成樹脂製であって、外箱201の上部に設けられている。水槽203および回転槽204は、洗濯対象となる衣類を収容する洗濯槽および脱水槽として機能する。水槽203は、外箱201内に設けられている。水槽203および回転槽204は、上面が開口した有底円筒状の容器状に構成されている。回転槽204は、複数の小孔204aを有しており、この小孔204aを通して、回転槽204と水槽203との間で水が行き来する。また、水槽203の底部には、図示しない排水口が形成されている。
【0076】
モータ206は、図示しないクラッチ機構を介して回転槽204およびパルセータ205に接続されている。クラッチ機構は、モータ206の回転を回転槽204およびパルセータ205に選択的に伝達する。モータ206およびクラッチ機構は、洗い行程時およびすすぎ行程時には、回転槽204の回転を停止させた状態でモータ206の駆動力をパルセータ205に伝達して、パルセータ205を低速で直接的に正転方向および逆転方向に回転させる。また、モータ206およびクラッチ機構は、脱水行程時などには、モータ206の駆動力を回転槽204に伝達して、回転槽204およびパルセータ205を一方向に高速で回転駆動させる。
【0077】
給水機構部207は、外箱201の上部にあってトップカバー202の内部に設けられている。
図9に例示するように、給水機構部207は、注水ケース210、洗濯処理剤ケース211、給水弁ユニット212、微細気泡発生器213、風呂水ポンプ214、給水経路部215を備えている。注水ケース210は、前面および上面が開放した矩形の容器状をなしており、水槽203の上方に配置されている。注水ケース210の前面の開放口210aは、水槽203の上方に設けられている図示しない洗濯物出入口の後壁に接続されており、洗濯物出入口の後壁において前方に開放している。注水ケース210の前面の開放口210aは、当該注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されることにより塞がれる。
【0078】
注水ケース210の底部には、注水口210bが設けられている。注水口210bは、注水ケース210の内部空間と外部とを連通している。注水ケース210の底部は、例えば注水口210b側へ向かって緩やかに下降傾斜した斜面に形成されている。この場合、注水口210bは、注水ケース210の底部の後部に設けられている。
【0079】
注水ケース210内に流入した水は、詳しくは後述する洗濯処理剤ケース211を通って注水ケース210の底部に流れ落ちる。そして、底部に流れ落ちた水は、その底部の斜面に沿って注水口210bに導かれた後、その注水口210bを通って水槽203内へ注水される。
【0080】
注水口210bは、水槽203および回転槽204の上部にあって、ユーザが洗濯機200を使用する際にそのユーザから視認可能な位置に設けられている。なお、注水口210bは、注水ケース210と別体に構成されていてもよい。また、注水ケース210と注水口210bとの間に、ホースなどの配管部材を介在させてもよい。
【0081】
洗濯処理剤ケース211は、上面が開放した矩形の容器状をなしており、注水ケース210の前面の開放口210aを介して、当該注水ケース210内に出し入れ可能となっている。この場合、注水ケース210および洗濯処理剤ケース211は、洗濯機200の左右方向に沿って延びている。洗濯処理剤ケース111の底部は、洗濯機200の側面側から見て、注水ケース210の底部の傾斜形状に沿って前側から後側に向けて緩やかに下降傾斜した形状となっている。
【0082】
図10に例示するように、洗濯処理剤ケース211内には、この場合、液体洗剤が収容される液体洗剤収容部221、粉末洗剤が収容される粉末洗剤収容部222、柔軟剤が収容される柔軟剤収容部223が設けられている。粉末洗剤収容部222および柔軟剤収容部223は、何れも、液体洗剤以外の洗濯処理剤が収容される非液体洗剤収容部の一例である。
【0083】
液体洗剤収容部221、粉末洗剤収容部222、柔軟剤収容部223は、洗濯処理剤ケース211内において左右に並べて配置されている。この場合、洗濯機200の正面側から見て、液体洗剤収容部221は、洗濯処理剤ケース211の中央に設けられ、粉末洗剤収容部222は、液体洗剤収容部221の左側に設けられ、柔軟剤収容部223は、液体洗剤収容部221の右側に設けられている。
【0084】
粉末洗剤収容部222は、洗濯処理剤ケース211の内部空間のうちの一部の空間であって、粉末洗剤を収容可能に構成されている。即ち、粉末洗剤収容部222は、洗濯処理剤ケース211が注水ケース210から引き出された状態で粉末洗剤を投入可能に構成されている。これにより、ユーザは、洗濯機200を使用する際、必要に応じて洗濯処理剤ケース211を引き出して、粉末洗剤収容部222内に粉末洗剤を投入することができる。
【0085】
粉末洗剤収容部222は、図示しない粉末洗剤出口部を備えている。この粉末洗剤出口部は、粉末洗剤収容部222の内部と外部とを連通するように構成されている。この場合、粉末洗剤出口部は、粉末洗剤収容部222内の空間と、洗濯処理剤ケース211の外面と注水ケース210の内面との間に形成された空間と、を連通させている。粉末洗剤出口部は、粉末洗剤収容部222の底面を貫いた開口によって構成されている。また、粉末洗剤収容部222の底部は、粉末洗剤出口部に向けて緩やかに下降傾斜した傾斜部を有している。この場合、粉末洗剤出口部は、粉末洗剤収容部222の底部の後部に設けられている。
【0086】
粉末洗剤収容部222内に水が供給されると、粉末洗剤収容部222内に供給された水は、粉末洗剤出口部から粉末洗剤収容部222外へ流出する。このとき、粉末洗剤収容部222内に粉末洗剤が収容されている場合には、粉末洗剤を溶解した水が粉末洗剤出口部から粉末洗剤収容部222外へ流出する。
【0087】
液体洗剤収容部221は、洗濯処理剤ケース211の内部空間のうち粉末洗剤収容部222および柔軟剤収容部223を除いた空間であって、液体洗剤を収容可能に構成されている。即ち、液体洗剤収容部221は、洗濯処理剤ケース211が注水ケース210から引き出された状態で液体洗剤を投入可能に構成されている。これにより、ユーザは、洗濯機200を使用する際、必要に応じて洗濯処理剤ケース211を引き出して、液体洗剤収容部221内に液体洗剤を投入することができる。
【0088】
液体洗剤収容部221は、図示しない液体洗剤出口部を備えている。この液体洗剤出口部は、液体洗剤収容部221の内部と外部とを連通するように構成されている。この場合、液体洗剤出口部は、液体洗剤収容部221内の空間と、洗濯処理剤ケース211の外面と注水ケース210の内面との間に形成された空間と、を連通させている。液体洗剤出口部は、例えばサイフォン構造により構成されている。また、液体洗剤収容部221の底部は、液体洗剤出口部に向けて緩やかに下降傾斜した傾斜部を有している。この場合、液体洗剤出口部は、液体洗剤収容部221の底部の後部に設けられている。
【0089】
液体洗剤収容部221内が所定水位まで満たされると、液体洗剤収容部221内に供給された水は、サイフォンの原理によって液体洗剤出口部から液体洗剤収容部221外へ流出する。このとき、液体洗剤収容部221内に液体洗剤が収容されている場合には、液体洗剤を溶解した水が液体洗剤出口部から液体洗剤収容部221外へ流出する。
【0090】
柔軟剤収容部223は、洗濯処理剤ケース211の内部空間のうち液体洗剤収容部221および粉末洗剤収容部222を除いた空間であって、柔軟剤を収容可能に構成されている。即ち、柔軟剤収容部223は、洗濯処理剤ケース211が注水ケース210から引き出された状態で柔軟剤を投入可能に構成されている。これにより、ユーザは、洗濯機200を使用する際、必要に応じて洗濯処理剤ケース211を引き出して、柔軟剤収容部223内に柔軟剤を投入することができる。
【0091】
柔軟剤収容部223は、図示しない柔軟剤出口部を備えている。この柔軟剤出口部は、柔軟剤収容部223の内部と外部とを連通するように構成されている。この場合、柔軟剤出口部は、柔軟剤収容部223内の空間と、洗濯処理剤ケース211の外面と注水ケース210の内面との間に形成された空間と、を連通させている。柔軟剤出口部は、例えばサイフォン構造により構成されている。また、柔軟剤収容部223の底部は、柔軟剤出口部に向けて緩やかに下降傾斜した傾斜部を有している。この場合、柔軟剤出口部は、柔軟剤収容部223の底部の後部に設けられている。
【0092】
柔軟剤収容部223内が所定水位まで満たされると、柔軟剤収容部223内に供給された水は、サイフォンの原理によって柔軟剤出口部から柔軟剤収容部223外へ流出する。このとき、柔軟剤収容部223内に柔軟剤が収容されている場合には、柔軟剤を溶解した水が柔軟剤出口部から柔軟剤収容部223外へ流出する。
【0093】
給水弁ユニット212は、洗濯機200の正面側から見て、注水ケース210の右側に設けられている。給水弁ユニット212は、本体部212aに、通常水用給水弁212bおよび微細気泡水用給水弁212cを備えている。本体部212aの上部には、図示しない機外の水源、例えば水道の蛇口に接続される給水口212dが設けられている。給水口212dは、それぞれ通常水用給水弁212bおよび微細気泡水用給水弁212cに接続されている。通常水用給水弁212bは、微細気泡発生器213を介することなく給水経路部215に接続される。一方、微細気泡水用給水弁212cは、微細気泡発生器213を介して給水経路部215に接続される。
【0094】
微細気泡発生器213は、上述した微細気泡発生器113と同じ構成のものであり、内部を通過する水に微細気泡を含ませる機能を有する。風呂水ポンプ214は、洗濯機200の正面側から見て、注水ケース210の左側に設けられている。
【0095】
注水ケース210の上面は、この場合、後方から前方に向かって下降傾斜する形状となっており、給水経路部215は、この注水ケース210の上面の開放口を塞ぐようにして取り付けられる。よって、給水経路部215は、注水ケース210の上部において後方から前方に向かって下降傾斜する状態となっている。
【0096】
給水経路部215は、本体部215a、および、図示しないカバー部を備えている。本体部215aには、詳しくは後述する複数種類の給水経路が設けられている。カバー部は、本体部215aの上面を覆う。これにより、内部に複数種類の給水経路を有する薄板状の給水経路部215が構成される。次に、給水経路部215内に設けられる複数種類の給水経路の構成例について説明する。
【0097】
即ち、
図10に例示するように、給水経路部215内には、少なくとも、通常水用経路230および微細気泡水用経路260が設けられている。給水経路部215内において、通常水用経路230および微細気泡水用経路260は、その一部において、各部が左右方向あるいは前後方向に隣接するようにして設けられている。また、給水経路部215内において、通常水用経路230および微細気泡水用経路260は、相互に完全に分断された別個独立の経路として設けられている。
【0098】
通常水用経路230は、その上流部が給水弁ユニット212の通常水用給水弁212bに接続されており、通常水用給水弁212bから供給される通常水が流れるようになっている。一方、微細気泡水用経路260は、その上流部が給水弁ユニット212の微細気泡水用給水弁212cに接続されており、微細気泡発生器213が生成する微細気泡水が流れるようになっている。
【0099】
図12に例示するように、給水弁ユニット212において、通常水用給水弁212bと通常水用経路230とを接続する通常水用管路212A、および、微細気泡水用給水弁212cと微細気泡水用経路260とを接続する微細気泡水用管路212Bは、何れも、給水経路部215よりも低い位置に設けられている。そして、給水経路部215よりも低い位置において、微細気泡水用管路212Bは、通常水用管路212Aよりもさらに低い位置に設けられている。微細気泡水用管路212Bは、上流側に水平方向に延びる水平部212Baを有し、下流側に垂直方向に延びる垂直部212Bbを有している。微細気泡発生器213は、微細気泡水用管路212Bのうち水平部212Ba内に設けられている。
【0100】
図10に例示するように、通常水用経路230は、上流側から順に、第1経路部231、第2経路部232、第3経路部233、第4経路部234、第5経路部235、第6経路部236、第7経路部237、第8経路部238を備えている。第1経路部231は、図示しない接続管路を介して通常水用給水弁212bが接続される上流部から、注水ケース210の長手方向である左右方向に沿って左方に延びている。
【0101】
第2経路部232は、第1経路部231の下流側の端部から、注水ケース210の短手方向である前後方向に沿って前方に延びている。第2経路部232の上流側の端部は、第1経路部231の下流側の端部よりも上方に突出している。この突出した部分は、風呂水ポンプ214にいわゆる呼び水を供給する供給口214aとして機能する。また、第2経路部232の下流側の端部は、詳しくは後述する微細気泡水用経路260の第6経路部266の下をくぐって第3経路部233に接続されている。即ち、通常水用経路230の第2経路部232と微細気泡水用経路260の第6経路部266とは、いわゆる立体交差した構成となっている。
【0102】
なお、この立体交差部分は、通常水用経路230の第2経路部232が微細気泡水用経路260の第6経路部266の上を跨ぐ構成としてもよいし、微細気泡水用経路260の第6経路部266を通常水用経路230の第2経路部232の下にくぐらせる構成としてもよいし、微細気泡水用経路260の第6経路部266が通常水用経路230の第2経路部232の上を跨ぐ構成としてもよい。
【0103】
第3経路部233は、第2経路部232の下流側の端部から、注水ケース210の左右方向に沿って左方に延びている。また、第3経路部233の上流側の端部には、接続経路部233aを介して予備スペース233bが接続されている。この場合、予備スペース233bは、所定の大きさを有する矩形状のスペースとなっている。
【0104】
第4経路部234は、第3経路部233の下流側の端部から、注水ケース210の前後方向に沿って上方に延びている。第5経路部235は、第4経路部234の下流側の端部から、注水ケース210の左右方向に沿って右方に延びている。第6経路部236は、第5経路部235の下流側の端部から、注水ケース210の前後方向に沿って後方に延びている。第7経路部237は、第6経路部236の上流部から、注水ケース210の左右方向に沿って左方に延びている。
【0105】
第8経路部238は、第7経路部237の下流側の端部から、注水ケース210の前後方向に沿って後方に延びている。また、第8経路部238の下流側の端部には、補助スペース238aが接続されている。この場合、補助スペース238aは、所定の大きさを有する矩形状のスペースとなっている。
【0106】
通常水用経路230は、上述した第3経路部233、第4経路部234、第5経路部235、第6経路部236、第7経路部237、第8経路部238により、粉末洗剤収容部222に通常水を供給するための粉末洗剤収容部用の通常水供給水路241を構成している。なお、通常水用経路230は、液体洗剤収容部221に通常水を供給するための液体洗剤収容部用の通常水供給水路を備えていない。
【0107】
また、通常水用経路230の上流側を構成する第1経路部231、第2経路部232、および、予備スペース233bは、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、液体洗剤収容部221の上方に位置している。また、通常水用経路230の下流側を構成する第3経路部233、第4経路部234、第5経路部235、第6経路部236、第7経路部237、第8経路部238、および、補助スペース238aの一部は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、粉末洗剤収容部222の上方に位置している。即ち、通常水用経路230は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、通常水用給水弁212bが接続される上流部から、まずは液体洗剤収容部221の上方を経由して、その後、粉末洗剤収容部222の上方に至る経路となっている。
【0108】
通常水用経路230は、注水ケース210内に通常水を供給するための複数の通常水用供給口250を有している。この場合、通常水用供給口250は、何れも、円形に開口する小孔として形成されている。
【0109】
通常水用経路230は、通常水用供給口250として、粉末洗剤収容部222に通常水を供給するための粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bを有している。粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bは、非液体洗剤収容部用の通常水用供給口の一例である。この場合、通常水用経路230は、全ての通常水用供給口250を粉末洗剤収容部用の通常水供給水路241内に配置しており、これにより、全ての通常水用供給口250を粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bとして機能させる構成となっている。従って、通常水用経路230は、液体洗剤収容部221に通常水を供給するための液体洗剤収容部用の通常水用供給口を備えていない。
【0110】
また、粉末洗剤収容部用の通常水供給水路241のうち特に第4経路部234は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、粉末洗剤収容部222の前部の上方に位置している。従って、この第4経路部234に設け設けられている粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bも、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、粉末洗剤収容部222の前部の上方に位置することになる。
【0111】
また、通常水用経路230は、注水ケース210のうち洗濯処理剤ケース211以外の部分に通常水を供給するための複数の補助通常水用供給口250hを有している。この場合、補助通常水用供給口250hは、何れも、円形に開口する小孔として形成されている。また、この場合、補助通常水用供給口250hは、何れも、補助スペース238aの後部に配置されている。これら補助通常水用供給口250hから供給される通常水は、注水ケース210内に収容された洗濯処理剤ケース211の後方、この場合、粉末洗剤収容部222の後方に滴下するようになっている。
【0112】
一方、微細気泡水用経路260は、上流側から順に、第1経路部261、第2経路部262、第3経路部263、第4経路部264、第5経路部265、第6経路部266、第7経路部267を備えている。第1経路部261は、図示しない接続管路を介して微細気泡水用給水弁212cが接続される上流部から、注水ケース210の短手方向である前後方向に沿って前方に延びている。
【0113】
第2経路部262は、第1経路部261の下流側の端部から、注水ケース210の長手方向である左右方向に沿って左方に延びている。第3経路部263は、第2経路部262の下流側の端部から、注水ケース210の左右方向に沿って左方に延びている。この場合、第3経路部263は、第2経路部262に対し、前方に若干ずれた位置から左方に延びている。第4経路部264は、第3経路部263の下流側の端部から、注水ケース210の前後方向に沿って下方に延びている。
【0114】
第5経路部265および第6経路部266は、第4経路部264の下流側の端部から、それぞれ左右に分岐して設けられている。第5経路部265は、第4経路部264の下流側の端部から注水ケース210の左右方向に沿って左方に延びている。一方、第6経路部266は、第4経路部264の下流側の端部から注水ケース210の左右方向に沿って右方に延びている。第7経路部267は、第6経路部266の途中部、この場合、左右方向の中央部から、注水ケース210の前後方向に沿って後方に延びている。
【0115】
また、微細気泡水用経路260は、補助水路部268を備えている。補助水路部268は、第1補助水路部268a、第2補助水路部268b、第3補助水路部268cを有する。第1補助水路部268aは、第2経路部262と第3経路部263との接続部分から、注水ケース210の前後方向に沿って後方に延びている。第2補助水路部268bは、第1補助水路部268aの下流側の端部から、注水ケース210の左右方向に沿って左方に延びている。第3補助水路部268cは、第1補助水路部268aの下流側の端部から、注水ケース210の左右方向に沿って右方に延びている。
【0116】
微細気泡水用経路260は、上述した第5経路部265により、粉末洗剤収容部222に微細気泡水を供給するための粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路271を構成している。また、微細気泡水用経路260は、上述した第4経路部264、第6経路部266、第7経路部267により、液体洗剤収容部221に微細気泡水を供給するための液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路272を構成している。
【0117】
また、微細気泡水用経路260の上流側を構成する第2経路部262の一部、第3経路部263、第4経路部264、および、下流側の一部を構成する第6経路部266、第7経路部267は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、液体洗剤収容部221の上方に位置している。また、微細気泡水用経路260の下流側の一部を構成する第5経路部265は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、粉末洗剤収容部222の上方に位置している。
【0118】
即ち、微細気泡水用経路260は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、微細気泡水用給水弁212cが接続される上流部から、まずは液体洗剤収容部221の上方を経由して、その後、液体洗剤収容部221の上方および粉末洗剤収容部222の上方に分岐する経路となっている。
【0119】
微細気泡水用経路260は、注水ケース210内に微細気泡水を供給するための複数の微細気泡水用供給口280を有している。この場合、微細気泡水用供給口280は、何れも、円形に開口する小孔として形成されている。
【0120】
微細気泡水用経路260は、微細気泡水用供給口280として、液体洗剤収容部221に微細気泡水を供給するための液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口280aと、粉末洗剤収容部222に微細気泡水を供給するための粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口280bと、を有している。粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口280bは、非液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口の一例である。この場合、微細気泡水用経路260は、液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口280aが液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路272内に配置され、粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口280bが粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路271内に配置された構成となっている。
【0121】
また、微細気泡水用経路260は、注水ケース210のうち洗濯処理剤ケース211以外の部分に微細気泡水を供給するための複数の補助微細気泡水用供給口280hを有している。この場合、補助微細気泡水用供給口280hは、何れも、円形に開口する小孔として形成されている。また、この場合、補助微細気泡水用供給口280hは、第2補助水路部268b、第3補助水路部268cにそれぞれ配置されている。
【0122】
このうち、第2補助水路部268bは、その下流側の端部に1つの補助微細気泡水用供給口280hを有している。一方、第3補助水路部268cは、複数、この場合、3つの補助微細気泡水用供給口280hを所定の間隔を有して配置した構成となっている。これら補助微細気泡水用供給口280hから供給される微細気泡水は、注水ケース210内に収容された洗濯処理剤ケース211の後方に滴下するようになっている。
【0123】
この場合、第2補助水路部268bの補助微細気泡水用供給口280hは、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、当該洗濯処理剤ケース211の後方、特に、粉末洗剤収容部222の後方の上部に位置している。よって、第2補助水路部268bの補助微細気泡水用供給口280hから供給される微細気泡水は、粉末洗剤収容部222の後方に滴下するようになっている。
【0124】
一方、第3補助水路部268cの補助微細気泡水用供給口280hは、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、当該洗濯処理剤ケース211の後方、特に、液体洗剤収容部221の右部の後方および柔軟剤収容部223の左部の後方の上部に位置している。よって、第3補助水路部268cの補助微細気泡水用供給口280hから供給される微細気泡水は、液体洗剤収容部221の右部の後方および柔軟剤収容部223の左部の後方に滴下するようになっている。
【0125】
本実施形態に係る洗濯機200によれば、給水経路部215は、微細気泡を含まない通常水が流れる通常水用経路230と、微細気泡発生器213が生成する微細気泡水が流れる微細気泡水用経路260と、を有している。そして、通常水用経路230は、注水ケース210に通常水を供給する通常水用供給口250を有し、微細気泡水用経路260は、注水ケース210に微細気泡水を供給する微細気泡水用供給口280を有している。
【0126】
即ち、洗濯機200によれば、注水ケース210に微細気泡水を供給するための専用の微細気泡水用経路260を、通常水用経路230とは別個に独立して設け、さらに、その微細気泡水用経路260に、注水ケース210に微細気泡水を供給するための微細気泡水用供給口280を、通常水用供給口250とは別個に独立して設けている。この構成によれば、微細気泡水供給用の専用の経路および供給口を介して、注水ケース210内の洗濯処理剤ケース211に微細気泡水を効率良く供給することができ、微細気泡水に洗剤類を効率良く溶解させて水槽203内に供給することができる。
【0127】
また、微細気泡水用経路260は、注水ケース210内のうち洗濯処理剤ケース211以外の部分に微細気泡水を供給するための補助水路部268を備えている。洗濯処理剤ケース211内の洗剤類を溶解して当該洗濯処理剤ケース211から流出した水は、その一部が注水ケース210の内部、例えば、側部や後部のコーナー部などに残留してしまうおそれがある。そのため、注水ケース210内のうち洗濯処理剤ケース211以外の部分にも微細気泡水を供給することにより、洗濯処理剤ケース211から流出したものの注水ケース210内で残留する洗剤類を水槽203内に流すことができ、注水ケース210内に洗剤類が残留してしまうことを回避することができる。
【0128】
さらに、その補助水路部268は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、当該洗濯処理剤ケース211の後方上部となる部分に位置している。この構成によれば、注水ケース210内において洗濯処理剤ケース211の後方に残留する洗剤類を効率良く水槽203内に流すことができ、特に注水ケース210の底部の後部に注水口210bを設ける構成に好適である。
【0129】
また、通常水用経路230は、注水ケース210内に洗濯処理剤ケース211が収容されている状態において、まずは液体洗剤収容部221の上方を経由して、その後、粉末洗剤収容部222の上方に至る経路となっている。この構成によれば、通常水用経路230において粉末洗剤収容部222の上方に至る前の部分において、例えば、微細気泡水用経路260と立体交差させる部分を設けることができ、スペースが限られる洗濯機200の外箱201の内部において、通常水用経路230および微細気泡水用経路260の双方を備える給水経路部215、ひいては、給水機構部207をコンパクトに設けることができる。
【0130】
また、通常水用経路230は、通常水用供給口250として、粉末洗剤収容部222に通常水を供給するための粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bを有し、その粉末洗剤収容部用の通常水用供給口250bは、粉末洗剤収容部222の前部の上部に対応して設けられている。この構成によれば、粉末洗剤収容部222の前部の上部から通常水を滴下させることができ、その滴下した通常水は、粉末洗剤収容部222の底部を前部から後部に向かって流れるため、粉末洗剤収容部222の全体にわたって通常水を流すことができ、粉末洗剤の溶け残りを一層回避することができる。
【0131】
また、2つの経路230,260が立体交差する構成によれば、その立体交差部分において流路抵抗や流速損失などが発生しやすく、従って、特に立体交差部分よりも下流側では、水の流れが弱くなりやすい。本実施形態に係る洗濯機200によれば、微細気泡水用経路260は、通常水用経路230と立体交差する部分よりも上流側に、微細気泡水用供給口280を確保している。これにより、立体交差部分よりも上流側において、水流が弱まる前に、微細気泡水を洗濯処理剤ケース211内に供給することができる。微細気泡水は、微細気泡発生器213を経由する分、通常水に比べ、水流が弱まりやすいことから、特に微細気泡水用経路260において、立体交差部分よりも上流側に供給口280を設けると効果的である。なお、通常水用経路230において、立体交差部分よりも上流側に供給口280を設ける構成としてもよい。
【0132】
また、通常水用経路230は、液体洗剤収容部用の通常水供給水路および液体洗剤収容部用の通常水用供給口を備えていない。ここで、水槽203内に水を供給する給水行程において、例えば、最初に水勢のある通常水により粉末洗剤を溶解して槽内に供給し、その後、水勢の弱い微細気泡水により液体洗剤を溶解して槽内に供給する制御を行う場合を想定すると、仮に通常水用経路230に液体洗剤収容部に通常水を供給するための経路や供給口を設けた構成では、最初の通常水の供給時に、その通常水の一部が液体洗剤収容部にも供給されることになり、液体洗剤が微細気泡水に接触する前に水槽203内に供給されてしまう。
【0133】
液体洗剤は、粉末洗剤に比べ、洗濯物に浸透しやすい。そのため、微細気泡水により液体洗剤を活性化させるためには、液体洗剤が洗濯物に接触する前に液体洗剤を微細気泡水と混合させる必要があり、従って、最初の通常水の給水時に液体洗剤が水槽203内に供給される構成では、液体洗剤を、洗濯物との接触前に微細気泡水と混合させることができず、微細気泡水の効果を十分に発揮させることができない。
【0134】
本実施形態に係る洗濯機200によれば、通常水用経路230は、液体洗剤収容部用の通常水供給水路および液体洗剤収容部用の通常水用供給口を備えていない。そのため、仮に、最初に通常水を給水し、その後、微細気泡水を給水する制御を行う場合であっても、最初の通常水の給水時に液体洗剤が水槽203内に流されてしまうことを回避することができ、その後の微細気泡水の給水時において液体洗剤に微細気泡水を十分に混合させてから水槽203内の洗濯物に接触させることができる。
【0135】
また、洗濯機200によれば、風呂水ポンプ214に呼び水を供給する供給口214aは、液体洗剤収容部に通常水を供給するための経路や供給口を有しない通常水用経路230に設けられている。この構成によれば、風呂水ポンプ214への呼び水の供給時においても、その呼び水の一部が液体洗剤収容部221に供給されてしまうことを回避することができ、その後の微細気泡水の給水時において液体洗剤に微細気泡水を十分に混合させてから水槽203内の洗濯物に接触させることができる。
【0136】
また、洗濯機200によれば、微細気泡発生器213を、注水ケース210の一部、この場合、右部の後部に設けられているスペースに配置している。そのため、給水機構部207の大型化を回避することができ、ひいては、洗濯機200の大型化を回避することができる。
【0137】
また、洗濯機200によれば、微細気泡発生器213は、給水経路部215よりも低い位置に設けられており、この微細気泡発生器213を通過した水つまり微細気泡水を、微細気泡水用管路212Bの垂直部212Bbを通して下から上に押し上げるようにして給水経路部215に供給する構成となっている。この構成によれば、微細気泡水用管路212B内における残水の発生を抑えることができ、その残水の凍結による微細気泡水用管路212Bの破損を回避することができる。
【0138】
また、微細気泡水用管路212Bを、給水機構部207の外部から視認しやすい位置に設け、さらに、少なくとも微細気泡水用管路212Bにおいて微細気泡発生器213が取り付けられる部分、本実施形態では水平部212Baを、半透明または透明な部材で設けることにより、微細気泡発生器213が取り付けられていることを外部から確認することができ、製造性の向上を図ることができる。
【0139】
また、給水経路部215は、水平ではなく傾斜した状態となっているので、給水経路部215内における残水の発生を抑えることができ、その残水の凍結による給水経路部215の破損を回避することができる。
【0140】
さらに、給水経路部215は、その下部の内部、この場合、通常水用経路230の第3経路部233内に通常水の出口となる通常水用供給口250を有し、また、微細気泡水用経路260の第5経路部265内および第6経路部266内に微細気泡水の出口となる微細気泡水用供給口280を有している。そのため、非給水時において、給水経路部215内に残った水が排出されやすく、残水の発生を一層抑えることができる。
【0141】
また、微細気泡水用経路260の流路の断面積を小さくすることにより、流量の少ない微細気泡水であっても、その流速を十分に確保することができる。
また、また、2つの経路230,260について、少なくとも1箇所の立体交差部分を設けることにより、一方の経路が他方経路を水平方向に沿って回り込む必要がないため、給水経路部215、ひいては給水機構部207の大型化を回避することができる。
【0142】
また、微細気泡水に比べて流量が多い通常水用経路230の一部に、風呂水ポンプ214に呼び水を供給するための供給口214aが設けられているため、風呂水ポンプ214に供給する呼び水の流量を十分に確保することができる。
【0143】
(第3実施形態)
図13に例示する給水機構部305は、注水ケース310、洗濯処理剤ケース311、給水弁ユニット312、給水経路部315を備えている。洗濯処理剤ケース311は、注水ケース310に収容されるものであり、液体洗剤収容部320、粉末洗剤収容部321、柔軟剤収容部322を備えている。給水弁ユニット312は、その本体部の内部に、図示しない通常水用給水弁および微細気泡水用給水弁を備えている。
【0144】
給水経路部315は、通常水用経路330および微細気泡水用経路360を備えている。通常水用経路330の上流側の端部は、給水弁ユニット312の通常水用給水弁に接続されている。また、通常水用経路330の下流側の端部は、液体洗剤収容部用の供給口330aおよび粉末洗剤収容部用の供給口330bに分岐している。そして、液体洗剤収容部用の供給口330aは、液体洗剤収容部320に接続され、粉末洗剤収容部用の供給口330bは、粉末洗剤収容部321に接続されている。
【0145】
また、微細気泡水用経路360の下流側の端部は、液体洗剤収容部用の供給口360aおよび粉末洗剤収容部用の供給口360bに分岐している。そして、液体洗剤収容部用の供給口360aは、液体洗剤収容部320に接続され、粉末洗剤収容部用の供給口360bは、粉末洗剤収容部321に接続されている。
【0146】
本実施形態に係る給水機構部305によれば、注水ケース310内の洗濯処理剤ケース311に微細気泡水を供給するための専用の微細気泡水用経路360を、通常水用経路330とは別個に独立して設け、さらに、その微細気泡水用経路360に、微細気泡水を供給するための供給口360a,360bを、通常水を供給するための供給口330a,330bとは別個に独立して設けている。この構成によれば、微細気泡水供給用の専用の経路および供給口を介して、注水ケース310内の洗濯処理剤ケース311に微細気泡水を効率良く供給することができ、微細気泡水に洗剤類を効率良く溶解させて水槽内に供給することができる。
【0147】
なお、
図14に例示するように、微細気泡水用経路360の下流側の端部は、分岐させずに供給口360aのみとし、この供給口360aを液体洗剤収容部320のみに接続し、粉末洗剤収容部321には接続しない構成としてもよい。即ち、液体洗剤は、槽内の洗濯物に接触する前に微細気泡水と混合する必要があるため、液体洗剤収容部320に集中的に微細気泡水を供給することにより、微細気泡水の効果を一層発揮させることができる。
【0148】
また、
図15に例示するように、さらに、通常水用経路330の下流側の端部も、分岐させずに供給口330aのみとし、この供給口330aを粉末洗剤収容部321のみに接続し、液体洗剤収容部320には接続しない構成としてもよい。即ち、溶けにくい粉末洗剤は、水勢のある通常水を供給した方が効率良く溶解できるため、粉末洗剤の溶け残りを回避することができる。また、粉末洗剤は、仮に、微細気泡水に接触する前に槽内に供給されたとしても、液体洗剤に比べ洗濯物に直ぐには浸透しない。そのため、粉末洗剤については、槽内に供給されてから微細気泡水を作用させても十分に効果を発揮できる。そのため、粉末洗剤については、溶け残りの回避を優先して水勢のある通常水で槽内に供給し、その後、槽内に微細気泡水を供給して混合させたとしても、十分に洗浄効果の向上を図ることができる。
【0149】
また、
図16および
図17に例示するように、通常水用経路330の下流側の端部を1つの供給口360aのみとし、また、微細気泡水用経路360の下流側の端部を1つの供給口360aのみとし、これら供給口330a,360aを、液体洗剤収容部320および粉末洗剤収容部321を仕切る仕切り壁311aの上部に対向させて配置させてもよい。この構成によれば、通常水および微細気泡水を、液体洗剤収容部320および粉末洗剤収容部321の何れにも同時に供給することができ、効率の良い給水動作を行うことができる。
【0150】
なお、
図17に例示するように、注水ケース310は、上方が開放した容器状をなしており、洗濯処理剤ケース311は、この注水ケース310に対し上方から着脱可能に取り付けられる構成となっている。注水ケース310の上部には、開放口を開閉する蓋310aが回動可能に設けられている。但し、注水ケース310は、前方が開放した容器状をなす構成であってもよく、洗濯処理剤ケース311は、この注水ケース310に対し前方から出し入れ可能に構成してもよい。
【0151】
(その他の実施形態)
本実施形態は、上述した複数の実施形態に限られるものではなく、例えば、次のように拡張または変更してもよい。例えば、上述した複数の実施形態の内容を適宜組み合わせて実施してもよい。
【0152】
また、通常水用経路、微細気泡水用経路の形状、長さ、流路面積、設置位置などは適宜変更して実施することができる。また、通常水用供給口、微細気泡水用供給口の大きさ、形状、数、設置位置、間隔などは適宜変更して実施することができる。また、補助水路の形状、長さ、流路面積、設置位置などは適宜変更して実施することができる。また、この補助水路に設ける補助供給口の大きさ、形状、数、設置位置、間隔などは適宜変更して実施することができる。
【0153】
本実施形態に係る洗濯機によれば、前記給水経路部は、前記微細気泡を含まない通常水が流れる通常水用経路と、前記微細気泡発生器が生成する前記微細気泡水が流れる微細気泡水用経路と、を有し、前記通常水用経路は、前記注水ケースに前記通常水を供給する通常水用供給口を有し、前記微細気泡水用経路は、前記注水ケースに前記微細気泡水を供給する微細気泡水用供給口を有する。この構成によれば、微細気泡水供給用の専用の経路および供給口を介して、注水ケース内の洗濯処理剤ケースに微細気泡水を効率良く供給することができ、微細気泡水に洗剤類を効率良く溶解させて槽内に供給することができる。
【0154】
なお、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
図面中、100,200は洗濯機、102,203は水槽、110,210,310は注水ケース、111,211,311は洗濯処理剤ケース、112,212,312は給水弁ユニット(給水弁)、113,213は微細気泡発生器、114,215,315は給水経路部、120,221,320は液体洗剤収容部、121,222,321は粉末洗剤収容部(非液体洗剤収容部)、121bは流出口、121cは傾斜部、130,230,330は通常水用経路、150,250,330a,330bは通常水用供給口、150b,250bは粉末洗剤収容部用の通常水用供給口(非液体洗剤収容部用の通常水用供給口)、160,260,360は微細気泡水用経路、180,280,360a,360bは微細気泡水用供給口、180a,280aは液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口、180b,280bは粉末洗剤収容部用の微細気泡水用供給口(非液体洗剤収容部用の微細気泡水用供給口)、171,172,271は粉末洗剤収容部用の微細気泡水供給水路(非液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路)、173,272は液体洗剤収容部用の微細気泡水供給水路、268は補助水路、を示す。