(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】調整可能なパンチヘッド組立体
(51)【国際特許分類】
B21D 28/34 20060101AFI20221206BHJP
B23D 35/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B21D28/34 L
B21D28/34 J
B21D28/34 H
B23D35/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018071389
(22)【出願日】2018-04-03
【審査請求日】2021-02-10
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507092056
【氏名又は名称】アマダ・ツール・アメリカ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・エー・ドリーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・タウシャー
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-141922(JP,A)
【文献】米国特許第06276247(US,B1)
【文献】特開2001-105053(JP,A)
【文献】特開2000-176568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 28/34
B23D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側にある第1及び第2端部と前記第1及び第2端部間に延在する長手方向の内孔とを有する主本体を有し、前記主本体が、前記内孔からほぼ径方向外側に延在する少なくとも1つの第1経路と、前記第1経路をほぼ横断する少なくとも1つの第2経路と、を有する、パンチヘッドと、
前記第1経路内で受容可能なボールベアリングと、
前記ボールベアリングと係合するために前記第2経路内で受容可能なピン部材であって、先端部と基端部とを有し、前記第2経路の長手方向軸に対して第1及び第2位置間で回転移動可能である、ピン部材と、
前記パンチヘッドに連結された駆動体であって、前記パンチヘッドの前記第2端部を通って前記内孔内へ延在する柱部を有し、前記柱部のうち少なくとも一部分が、外側ボール係合面を有し、前記パンチヘッドが、当該駆動体の前記柱部に対して軸方向に移動可能である、駆動体と、
を備え、
前記ピン部材が前記第2経路内で軸方向に移動することにより、前記駆動体に対する前記パンチヘッドの軸方向位置を調整するために、前記ボールベアリングを前記駆動体の前記外側ボール係合面と係合するように及び前記外側ボール係合面から係合解除するように移動させ、
前記ピン部材が、設置チャネルを有し、前記設置チャネルが、前記先端部において開口し、当該ピン部材が前記第2経路内で前記第1位置にあるときに前記ボールベアリングの少なくとも一部分をスライド可能に受けるように寸法付けられていることを特徴とするパンチヘッド組立体。
【請求項2】
前記内孔の少なくとも一部分が、内ネジ山を有し、
前記柱部の少なくとも一部分が、前記パンチヘッドの前記内孔の前記内ネジ山に係合するための外ネジ山を有することを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項3】
前記ピン部材が、前記設置チャネルから離間した動作チャネルを有し、
前記動作チャネルの一端部が、ボール固定部分を有し、
前記ボール固定部分が、前記ボールベアリングを受け、それにより、前記ボールベアリングを前記駆動体の前記外側ボール係合面と係合させるように固定し、前記パンチヘッドの軸方向位置をロックすることを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項4】
前記動作チャネルが、ボール受容部分と、前記ボールベアリングを前記ボール固定部分内へ案内するために前記ボール受容部分と前記ボール固定部分との間にある段状部分と、を有することを特徴とする請求項3に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項5】
前記ピン部材が、前記設置チャネルと前記動作チャネルとを接続する結合チャネルを有し、
前記ボールベアリングが、前記ピン部材を前記第1及び第2位置間で移動させると、前記結合チャネルを通して移動することを特徴とする請求項3に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項6】
前記第2経路内で受けられたバネをさらに備え、
前記バネが、前記ピン部材の前記先端部に当接し、これにより前記第2経路から外れるように前記ピン部材を付勢することを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項7】
前記第1及び第2経路が、前記パンチヘッドの前記主本体の前記第2端部にまたは前記第2端部近傍に位置していることを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項8】
前記主本体の前記第2端部が、前記第2経路内で受けられている前記ピン部材へのアクセスを提供するアクセス切欠部を有することを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項9】
前記駆動体の前記外側ボール係合面が、前記柱部に長手方向に配設された1以上のスロットを有することを特徴とする請求項1に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項10】
前記駆動体が、基部を有し、
前記柱部が、前記基部から延在し、
前記ピン部材の軸方向移動により、前記パンチヘッドと前記駆動体の前記基部との間の軸方向距離を調整することを可能とすることを特徴とする請求項9に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項11】
前記基部が、パンチ本体に連結されるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載のパンチヘッド組立体。
【請求項12】
駆動体に連結されたパンチヘッドを有するパンチヘッド組立体を調整する方法であって、
前記パンチヘッドが、第1経路内で受けられたボールベアリングと、第2経路内で受けられたピン部材と、を有し、
当該方法が、
前記ボールベアリングを前記ピン部材の動作チャネルから離間した前記ピン部材の設置チャネル内で受ける第1位置から前記ボールベアリングを前記動作チャネル内で受ける第2位置まで前記ピン部材を前記第2経路の長手方向軸回りに回転させるステップと、
前記ピン部材を前記第2経路内へ押し、前記ボールベアリングを前記ピン部材の前記動作チャネルのボール固定部分から前記動作チャネルのボール受容部分まで移動させるステップと、
前記駆動体に対して前記パンチヘッドを軸方向で調整し、前記パンチヘッドの軸方向位置を設定するステップと、
前記ピン部材を解放し、前記ボールベアリングを前記動作チャネルの前記ボール受容部分内へ押し込み、これにより、前記パンチヘッドの軸方向位置をロックするステップと、を備えることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記ピン部材が、前記第2経路内で受けられているバネに抗して押されていることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ボール固定部分及び前記ボール受容部分が、前記動作チャネルにおける異なる深さを有していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記パンチヘッドが、前記駆動体の柱部に螺合連結されており、前記柱部に対する軸方向位置を調整することを可能とすることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ボールベアリングを前記第1経路内へ挿入するステップと、
前記ボールベアリングを前記第1経路内へ挿入した後に、バネを前記第2経路内に挿入するステップと、
前記バネを前記第2経路内へ挿入した後に、前記ピン部材を前記第2経路内へ挿入するステップであって、前記ピン部材の前記設置チャネルが前記ボールベアリングを向いている、ステップと、
によって、前記パンチヘッドを予め組み立てるステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ピン部材が、前記第1及び第2位置間で約90度から約180度の間だけ回転されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項18】
両側にある第1及び第2端部と前記第1及び第2端部間に延在する長手方向の内孔とを有する主本体を有し、前記主本体が、前記内孔からほぼ径方向外側に延在する少なくとも1つの第1経路と、前記第1経路をほぼ横断する少なくとも1つの第2経路と、を有する、パンチヘッドと、
前記第1経路内で受容可能なボールベアリングと、
前記ボールベアリングと係合するために前記第2経路内で受容可能なピン部材であって、前記第2経路の長手方向軸に対して第1及び第2位置間で回転移動可能である、ピン部材と、
前記パンチヘッドに連結された駆動体であって、前記パンチヘッドの前記第2端部を通って前記内孔内へ延在する柱部を有し、前記柱部のうち少なくとも一部分が、外側ボール係合面を有し、前記パンチヘッドが、当該駆動体の前記柱部に対して軸方向に移動可能である、駆動体と、
を備え、
前記ピン部材が前記第2経路内で軸方向に移動することにより、前記駆動体に対する前記パンチヘッドの軸方向位置を調整するために、前記ボールベアリングを前記駆動体の前記外側ボール係合面と係合するように及び前記外側ボール係合面から係合解除するように移動させ、
前記第1及び第2経路が、前記パンチヘッドの前記主本体の前記第2端部にまたは前記第2端部近傍に位置していることを特徴とするパンチヘッド組立体。
【請求項19】
両側にある第1及び第2端部と前記第1及び第2端部間に延在する長手方向の内孔とを有する主本体を有し、前記主本体が、前記内孔からほぼ径方向外側に延在する少なくとも1つの第1経路と、前記第1経路をほぼ横断する少なくとも1つの第2経路と、を有する、パンチヘッドと、
前記第1経路内で受容可能なボールベアリングと、
前記ボールベアリングと係合するために前記第2経路内で受容可能なピン部材であって、前記第2経路の長手方向軸に対して第1及び第2位置間で回転移動可能である、ピン部材と、
前記パンチヘッドに連結された駆動体であって、前記パンチヘッドの前記第2端部を通って前記内孔内へ延在する柱部を有し、前記柱部のうち少なくとも一部分が、外側ボール係合面を有し、前記パンチヘッドが、当該駆動体の前記柱部に対して軸方向に移動可能である、駆動体と、
を備え、
前記ピン部材が前記第2経路内で軸方向に移動することにより、前記駆動体に対する前記パンチヘッドの軸方向位置を調整するために、前記ボールベアリングを前記駆動体の前記外側ボール係合面と係合するように及び前記外側ボール係合面から係合解除するように移動させ、
前記主本体の前記第2端部が、前記第2経路内で受けられている前記ピン部材へのアクセスを提供するアクセス切欠部を有することを特徴とするパンチヘッド組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打抜工具のためのパンチヘッド組立体に関する。より具体的には、本発明は、調整可能であり、これにより打抜工具の長さの調整を可能としたパンチヘッド組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
打抜工具は、主として、シート状金属のようなワークピースに様々なサイズ及び形状の窪みや切欠を形成するために使用される。打抜工具は、しばしば、使用により磨減されるが、このため、再加工または工具の交換を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
調整可能であり、打抜工具の長さを現場で容易に調整することを可能とし、これにより再加工や工具の交換を回避するパンチヘッド組立体に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、パンチヘッド組立体を提供し得、このパンチヘッド組立体は、両側にある第1及び第2端部と第1及び第2端部間に延在する長手方向の内孔とを有する主本体を有するパンチヘッドを備えている。主本体は、内孔からほぼ径方向に延在する少なくとも1つの第1経路と、第1経路をほぼ横断する少なくとも1つの第2経路と、を有する。ボールベアリングは、第1経路内で受容可能である。ピン部材は、ボールベアリングに係合するために第2経路内で受容可能である。ピン部材は、第2経路の長手方向軸に対して第1及び第2位置間で回転移動可能である。駆動体は、パンチヘッドに連結されている。駆動体は、パンチヘッドの第2端部を通って内孔内へ延在する柱部を有する。柱部の少なくとも一部分は、外側ボール係合面を有する。パンチヘッドは、駆動体の柱部に対して軸方向に移動可能である。第2経路内でピン部材が軸方向に移動することによって、ボールベアリングは、駆動体に対してパンチヘッドの軸方向位置を調整するために、駆動体の外側ボール係合面と係合するように及び外側ボール係合面から係合解除するように移動される。
【0005】
本発明は、同様に、パンチヘッド組立体を提供し得、このパンチヘッド組立体は、両側にある第1及び第2端部と第1及び第2端部間で延在する長手方向の内孔とを有する主本体を有する主本体を有する。駆動体は、パンチヘッドに連結されている。駆動体は、基部と、基部から延在する柱部と、を有する。柱部は、パンチヘッドの内孔内へ延在する。パンチヘッドは、駆動体に対して軸方向に移動可能である。駆動体の柱部に対するパンチヘッドの軸方向位置を調整するための手段が設けられている。
【0006】
本発明は、駆動体に連結されたパンチヘッドを有するパンチヘッド組立体を調整する方法を依然としてさらに提供し得、パンチヘッドは、第1経路内で受けられたボールベアリングと、第2経路内で受けられたピン部材と、を有し、この方法は、ピン部材を第2経路内へ押し、ボールベアリングをピン部材の動作チャネルのボール固定部分から動作チャネルのボール受容部分まで移動させるステップと、駆動体に対してパンチヘッドを軸方向で調整し、パンチヘッドの軸方向位置を設定するステップと、ピン部材を解放し、ボールベアリングを動作チャネルのボール受容部分内へ押し込み、これにより、パンチヘッドの軸方向位置をロックするステップと、を備える。
【0007】
本発明及び本発明に付随する様々な利点の完全な理解は、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を参照することによってより理解するにしたがって、迅速に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の例示的な実施形態にかかるパンチヘッド組立体を示す分解斜視図であって、パンチヘッド組立体を打抜工具の構成部材と共に示す、分解斜視図である。
【
図2】
図1に示すパンチヘッド組立体を示す側面図であって、パンチヘッド組立体が打抜工具の構成部材に連結されている、側面図である。
【
図4A】
図1に示すパンチヘッド組立体のピン部材を示す図である。
【
図4B】
図1に示すパンチヘッド組立体のピン部材を示す図である。
【
図4C】
図1に示すパンチヘッド組立体のピン部材を示す図である。
【
図4D】
図1に示すパンチヘッド組立体のピン部材を示す図である。
【
図5】
図1に示すパンチヘッド組立体を示す部分破断上面図であって、ピン部材及び関連するボールベアリングが係合解除位置にある、上面図である。
【
図6】
図5と同様の部分破断上面図であって、ピン部材及びボールベアリングが係合位置にある、上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から
図6を参照すると、本発明は、打抜工具10のためのパンチヘッド組立体100に関し、このパンチヘッド組立体は、工具が磨減するにしたがって打抜工具10の長さを現場で容易に調整することを可能とするように設計されている。本発明の例示的な実施形態にかかるパンチヘッド組立体100は、全体として、駆動体104に連結されたパンチヘッド102と、パンチヘッド102の軸方向位置を調整するための調整機構と、を有しており、このパンチヘッドの軸方向位置は、パンチヘッド102と駆動体104との間の距離である。このようにパンチヘッド102の軸方向位置を調整することにより、打抜工具10の長さの調整が提供される。
【0010】
図1から
図3に示すように、パンチヘッド組立体100は、打抜工具10のパンチ本体12に連結され得る。パンチ本体12は、切削機能を提供し、任意で、このパンチ本体内にバネ負荷式排出部材14を有し得、このバネ負荷式排出部材は、従来公知であるように、パンチ本体12の一部を形成してパンチ本体を排出するように機能する。
【0011】
パンチヘッド102は、全体として、主本体110を有しており、この主本体は、両側の第1及び第2端部112及び114と、第1及び第2端部112及び114間で延在する長手方向内孔116と、を有する。内孔116は、好ましくは、駆動体104の一部分を受けるように寸法付けされかつ構成されている。第1端部112の端面118は、好ましくは、刻まれた目盛のような表示を有しており、このメモリは、どの程度工具10を調整したかに関する測定を操作者に提供する。
【0012】
主本体110は、内孔116からほぼ径方向外側に延在するボールベアリング経路120を有する。経路120は、
図5及び
図6において最もよく示すように、その外端部122において開口しており、ボールベアリング124の挿入を可能としており、また、その内端部125において開口しており、ボールベアリング124を駆動体104と係合させることを可能とする。内端部125は、好ましくは、ボールベアリング124を捕捉するように寸法付けられており、それにより、ボールベアリング124が経路120から落下することを防止する。主本体110は、同様に、ボールベアリング経路120をほぼ横断してボールベアリング経路を分割するピン経路130を有している。ピン経路130は、
図5及び
図6において最もよく示すように、バネ134によってバネ付勢されたピン部材132をスライド可能に受けるように寸法付けられかつ構成されている。切欠部分136は、第2端部114において主本体110に設けられ得、この切欠部分は、ピン部材132によってピン経路130にアクセスすることを可能とするように寸法付けられている。
【0013】
駆動体104は、基部140と、基部140から延在する柱部142と、を有する。柱部142は、パンチヘッドの第2端部114を通してパンチヘッド102の内孔116内に挿入可能である。パンチヘッド102は、駆動体104の柱部142に対して軸方向に移動可能である。好ましい実施形態において、柱部142及び内孔116は、螺合されている。すなわち、パンチヘッド102の内孔116は、柱部142の一部分にある外ネジ山144に係合する内ネジ山138を有し得る。この螺合は、パンチヘッド102が駆動体の柱部142に対して回転して軸方向に移動することを可能とし、パンチヘッド102の軸方向位置を調整する。柱部142は、同様に、好ましくは外ネジ山144に隣接する外側ボール係合面146を有し得、この外側ボール係合面は、ボールベアリング124と協働して駆動体104に対するパンチヘッド102の選択した軸方向位置をロックする。外側ボール係合面146は、例えば、
図5に示すように、ボールベアリング124の一部分を受けるように寸法付けされた1以上のスロット148を有し得る。スロット148は、好ましくは、柱部142の外面に長手方向に配設されており、柱部の外面の周りに延在する。
【0014】
駆動体104の基部140は、打抜工具10のパンチ本体12に連結している。基部140は、
図3において最もよく示すように、パンチ本体12の端部16を受けるように寸法付けされた内側凹所領域150を有し得る。好ましい実施形態において、パンチ本体12の端部16は、駆動体の内側凹所領域150の対応するネジ山に係合するネジ山を有する。
図2に示すように、ネジのような固定具152は、同様に、駆動体の基部140をパンチ本体12に取り付けるために使用され得、駆動体104とパンチ本体12との間の相対移動を防止し得る。
【0015】
ピン部材132は、ピン部材132をピン経路130内で移動させると駆動体104の柱部142にあるスロット148のうちの1つと係合させる及びスロットのうちの1つから係合解除させるようにボールベアリング124を移動させるように形付けられているかつ構成されている。
図4Aから
図4Dに示すように、ピン部材132は、全体として、基端部160、先端部162、設置チャネル164、設置チャネル164から間隔をあけた動作チャネル166、及び、設置チャネル164と動作チャネル166とを結合する結合チャネル168を有する。先端部162は、パンチヘッド102のピン経路130内に挿入されており、基端部160は、操作者によるピン部材132の操縦を可能とする把持セクション161を形成する。設置チャネル164及び動作チャネル166は、
図4Dに示すように、好ましくは、一定の角度α、好ましくは約90度から約180度、より好ましくは約135度だけ互いに間隔をあけている。
【0016】
設置チャネル164は、先端部162において開口しており、ピン部材132のほぼ中間まで延在し得る。設置チャネル164は、ボールベアリング124を少なくとも部分的に受けるように寸法付けられており、これにより、ピン部材132がボールベアリング124を越えてまたはボールベアリングと平行にピン経路130内へスライドすることを可能とする。動作チャネル166は、ボールベアリング124を受けてボールベアリングを駆動体104の柱部142と係合させるように移動させるように形付けられている。動作チャネル166は、基端部160及び先端部162のいずれにおいても開口していない。動作チャネル166は、
図4Cにおいて最もよく示されるように、ボール受容部分170と、ボール固定部分172と、これらボール受容部分及びボール固定部分間にある段状部分174と、を有する。ボール受容部分170は、ピン部材132を回転させてボールベアリング124を設置チャネル164から外へ移動させかつ動作チャネル166内へ移動させると、結合チャネル168からボールベアリング124を受ける。段状部分174は、ボールベアリング124をボール固定部分172内へ案内する。ボール固定部分172は、ボールベアリング124を駆動体の柱部142にあるスロット148と係合させるように固定する。
【0017】
パンチヘッド組立体100は、最初に、ボールベアリング124、バネ134及びピン部材132をパンチヘッド102と共に組み立てることによって組み立てられる。まず、ボールベアリング124は、パンチヘッド102にあるボールベアリング経路120内にそして経路120の内端部125に挿入し、それにより、ボールベアリング124は、内端部125に載置され、次に、バネ134をピン経路130内に挿入され得、その後、ピン部材132をその設置チャネル164がボールベアリング124の方向で内側を向いた状態で、バネ134の付勢力に抗してピン経路130内に挿入し得、これにより、ピン部材132は、
図5において最もよく示されるように、ボールベアリング124を越えてまたはボールベアリングに平行に、軸方向にスライドすることを可能とする。
【0018】
いったんピン部材132を経路130内に挿入すると、ボールベアリング124が動作チャネル166に到達するまで、ピン部材132は、ピン経路130の長手方向軸回りに、一定の角度、例えば135度回転され得る。より具体的には、ピン部材132を回転させることによって、ボールベアリング124を結合チャネル168内へ押し込み、この結合チャネルは、ボールベアリング124を動作チャネル166のボール受容部分170まで延ばす。ピン部材132を解放すると、バネ134は、経路130から外れる方向でピン部材132を押し、それにより、段状部分174は、ボールベアリング124を動作チャネル166のボール固定部分172内へ案内しており、ボールベアリング124の一部分は、経路120の内端部125においてパンチヘッドの内孔116内へ延びる。ピン部材132がピン経路130から外へ出てくることをボールベアリング124が防止するので、ピン部材132は、パンチヘッド102内で保持される。
【0019】
いったんボールベアリング124、バネ134及びピン部材132をパンチヘッド102と共に組み立てると、予め組み立てられたパンチヘッド102を駆動体104と連結し得る。そのために、ピン部材132は、バネ134に抗して押され、ボールベアリング124を動作チャネル166のボール受容部分170へ移動させ、これにより、駆動体104の柱部142をパンチヘッド102の内孔116内へ邪魔なく挿入することを可能とする。いったん柱部142をパンチヘッド102内に挿入すると、内孔116の内面の少なくとも一部分138と柱部142の外面の少なくとも一部分144とは、好ましくは、螺合される。そして、ピン部材132は、解放され、ボールベアリング124を動作チャネル166のボール固定部分172内へ戻るように移動させ、それにより、ボールベアリング124は、好ましくはスロット148のうちの1つに係合することによって、柱部142の外側ボール係合面146に係合する。
【0020】
ボールベアリング124とスロット148のうちの1つとの間の係合は、駆動体の柱部142に対するパンチヘッド102の回転及び軸方向移動を停止させ、パンチヘッド102を選択した軸方向位置にロックする。バネ134は、ピン部材132の先端部162に押し付け、ピン部材132をピン経路130から押し出す。これにより、
図6に示すように、操作者による操作のために、ピン部材132の把持セクション161を露出させる。
【0021】
駆動体104に対してパンチヘッド102の軸方向位置を調整するため、ボールベアリング124が動作チャネル166のボール受容部分170内に配設されるまで、ピン部材132をピン経路130内へ押し得る。ボール受容部分170がチャネル166においてボール固定部分172よりも深いので、ピン部材132をボール固定部分172に向けて押すことにより、ボールベアリング124を柱部142との係合から解放し、ボールベアリング124がボール固定部分172から外へ移動してボール受容部分170に置かれることを可能とする。そして、パンチヘッド102は、ネジ山を介してパンチヘッド102を回転させることなどによって、駆動体104に対して軸方向で移動され、例えば、その軸方向位置を調整する。いったんパンチヘッド102の新たな位置を選択すると、上述と同じ態様でピン部材132を解放することによってパンチヘッドを所定位置でロックし得、ボールベアリング124がスロット148内に落ち込むことを可能とする。
【0022】
特有の実施形態を選択して本発明を例示したが、当業者が理解することは、添付の特許請求の範囲で規定された発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び改変を実施形態においてなし得ること、である。
【符号の説明】
【0023】
12 パンチ本体、100 パンチヘッド組立体、102 パンチヘッド、104 駆動体、110 主本体、112 第1端部、114 第2端部、116 長手方向内孔、120 ボールベアリング経路(第1経路)、124 ボールベアリング、130 ピン経路(第2経路)、132 ピン部材、134 バネ、136 切欠部分、138 内ネジ山、140 基部、142 柱部、144 外ネジ山、146 外側ボール係合面、148 スロット、160 基端部、162 先端部、164 設置チャネル、166 動作チャネル、168 結合チャネル、170 ボール受容部分、172 ボール固定部分、174 段状部分