(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】動画配信装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/238 20110101AFI20221206BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20221206BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20221206BHJP
【FI】
H04N21/238
H04N21/235
G06Q30/02 398
(21)【出願番号】P 2018083144
(22)【出願日】2018-04-24
【審査請求日】2021-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】田口 孔大
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0247196(US,A1)
【文献】特開2015-198443(JP,A)
【文献】特開2005-341104(JP,A)
【文献】特開2010-272085(JP,A)
【文献】特開2006-067482(JP,A)
【文献】特開2003-022482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に基づいて当該画像に映り込んでいるレシートに関する予め定められた項目についての識別を行う識別手段と、
前記識別手段による識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された動画を情報端末に出力する出力手段と、
を具備し、
前記選択手段は、選択済みの動画の出力の終了後に前記識別手段による識別結果が変化したならば、複数の動画のうちの少なくとも1つを変化後の識別結果に応じて改めて選択し、
前記出力手段は、前記選択手段により動画が改めて選択されたならば、当該動画の前記情報端末への出力を開始する、
動画配信装置。
【請求項2】
前記画像に映り込んだレシートの状態の変化に応じて、前記出力手段が出力する前記動画の表示形態を変更する変更手段、
をさらに備えた請求項1に記載の動画配信装置。
【請求項3】
前記識別手段は、前記レシートの発行者を識別する、
請求項1又は請求項2に記載の動画配信装置。
【請求項4】
前記情報端末の使用者を認証する認証手段と、
前記認証手段により認証された使用者に対して、前記情報端末での動画の表示状況に応じて特典を付与するための予め定められた情報処理を行う処理手段と、
をさらに具備する請求項1-請求項3のいずれか一項に記載の動画配信装置。
【請求項5】
動画配信装置に備えられたコンピュータを、
画像に基づいて当該画像に映り込んでいるレシートに関する予め定められた項目についての識別を行う識別手段と、
前記識別手段による識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された動画を情報端末に出力するように出力デバイスを制御する制御手段と、
して機能させ、
前記選択手段には、選択済みの動画の出力の終了後に前記識別手段による識別結果が変化したならば、複数の動画のうちの少なくとも1つを変化後の識別結果に応じて改めて選択させ、
前記
制御手段には、前記選択手段により動画が改めて選択されたならば、当該動画の前記情報端末への出力を開始するように前記出力デバイスを制御させる、
ための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、動画配信装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
レシートの一部に広告画像を印刷することは、広く行われている。
しかしながら、広告を印刷することができる領域が限られている上に、静止画像であるために、効果的な広告とはならないことが少なくなかった。なお、レシート用紙の使用量を増やせば、表現できる情報の量を増やすことが可能であり、広告を効果的とすることができるかもしれないが、レシート用紙のコストが増大してしまう。
このような事情から、レシートに関連した情報提供をより効果的に行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、レシートに関連した情報提供をより効果的に行える動画配信装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の動画配信装置は、識別手段、選択手段及び出力手段を備える。識別手段は、画像に基づいて当該画像に映り込んでいるレシートに関する予め定められた項目についての識別を行う。選択手段は、識別手段による識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する。出力手段は、選択手段により選択された動画を情報端末に出力する。さらに選択手段は、選択済みの動画の出力の終了後に識別手段による識別結果が変化したならば、複数の動画のうちの少なくとも1つを変化後の識別結果に応じて改めて選択する。そして出力手段は、選択手段により動画が改めて選択されたならば、当該動画の情報端末への出力を開始する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態に係る広告サーバの要部回路構成と、当該広告サーバを含んだ広告提供システムの概略構成とを示す図。
【
図2】
図1中のロゴ管理データベースに含まれるデータレコードのデータ構造の一例を示す図。
【
図3】
図1中のプロセッサにより実行される情報処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、動画配信装置としての機能を備えた広告サーバを例に説明する。
図1は本実施形態に係る広告サーバ10の要部回路構成と、当該広告サーバ10を含んだ広告提供システム100の概略構成とを示す図である。
この広告提供システム100は、広告サーバ10を、情報端末20及び会員サーバ30と通信ネットワーク40を介して通信可能とすることで構成されている。なお、広告提供システム100には、典型的には複数の情報端末20が含まれるが、
図1においては1つのみを示している。
【0008】
広告サーバ10は、情報端末20に対して広告のための動画を配信するための情報処理を行う。なお本実施形態においては、広告サーバ10は、所持ポイントに応じた特典を与えるポイントサービスの会員を対象として動画を配信するものとする。
【0009】
情報端末20は、上記の会員が利用可能で、通信ネットワーク40を介して広告サーバ10にアクセスしてクライアントとして機能する任意の情報処理装置である。情報端末20は、有線通信及び無線通信のいずれにより通信ネットワーク40に接続されるものであってもよい。情報端末20は、動画を撮影するカメラを内蔵するか、又は外付けされる。情報端末20としては、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話装置、あるいはパーソナルコンピュータなどの既存の様々な装置が適用可能である。そこで、情報端末20の詳細についての説明は省略する。
【0010】
通信ネットワーク40は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN(local area network)、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク40は、典型的には、インターネット及び移動体通信網を組み合わせたものである。
【0011】
会員サーバ30は、ポイントサービスの会員を管理するための情報処理を行う。会員サーバ30は、内蔵又は外付けされた記憶デバイスに会員データベースDB1を保持している。会員データベースDB1は例えば、会員の個々を識別するための会員コードに関連付けて、認証用のパスワード、会員の氏名及び住所、会員が所持するポイント数などの会員データを記憶する。
【0012】
広告サーバ10は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13、通信インタフェース14及び伝送路15を備える。プロセッサ11と、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14とは、伝送路15によって接続される。プロセッサ11、メインメモリ12及び補助記憶デバイス13が伝送路15によって接続されることにより、広告サーバ10を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成している。
【0013】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラム等の情報処理プログラムに従った情報処理を実行することで、広告サーバ10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0014】
メインメモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域では上記の情報処理プログラムを記憶する。またメインメモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
【0015】
補助記憶デバイス13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶デバイス13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ11での処理によって生成されたデータとを保存する。補助記憶デバイス13は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。
【0016】
通信インタフェース14は、通信ネットワーク40を介したデータ通信を行う。通信インタフェース14としては、例えばインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。
伝送路15は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含み、接続されている各部の間で授受されるデータや制御信号を伝送する。
【0017】
広告サーバ10は例えば、ハードウェアとしてサーバ用の汎用のコンピュータ装置を用い、後述の情報処理について記述した情報処理プログラムをメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に書き込むことによって実現できる。なお、当該の情報処理プログラムは、広告サーバ10の譲渡の際にメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶されていてもよいし、上記の汎用のコンピュータ装置とは別に譲渡されてもよい。後者の場合、情報処理プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。
【0018】
さて、補助記憶デバイス13の記憶領域の一部は、ロゴ管理データベースDB2として利用される。また補助記憶デバイス13が記憶するデータには、複数のロゴ画像データDA1及び複数の動画ファイルDA2を含む。ロゴ画像データDA1は、物販店等で発行されるレシートに店舗ロゴとしてプリントされるロゴ画像を表す画像データである。動画ファイルDA2は、広告のために配信する動画を表した動画ファイルである。
【0019】
図2はロゴ管理データベースDB2に含まれるデータレコードDR1のデータ構造の一例を示す図である。
ロゴ管理データベースDB2は、当該データレコードDR1の集合である。データレコードDR1は、ロゴ画像データDA1が表すロゴに関連付けられる。データレコードDR1は、フィールドFI1,FI2,FI3を含む。
【0020】
フィールドFI1には、関連付けられたロゴを識別するために予め定められたロゴコードがセットされる。フィールドFI2には、関連付けられたロゴを表すロゴ画像データのファイル名がセットされる。フィールドFI3には、関連付けられたロゴがプリントされたレシートに関して配信する動画を選択する条件を表したデータがセットされる。
なお、フィールドFI1~FI3にそれぞれセットされるデータは、例えば広告サーバ10の管理担当者により決定されて、当該担当者の指示の下にプロセッサ11によって書き込まれる。
【0021】
次に以上のように構成された広告提供システム100の動作について説明する。
会員は、広告サーバ10により配信される広告を視聴したい場合は、当該会員が所持する情報端末20において、広告視聴のためのアプリケーションプログラムを起動する。そうすると情報端末20は、通信ネットワーク40を介して広告サーバ10にアクセスし、会員コード及びパスワードの通知を伴って認証を要求する。
【0022】
広告サーバ10においてプロセッサ11は、上記のような情報端末20からのアクセスを受けると、以下に説明するような情報処理をメインメモリ12又は補助記憶デバイス13に記憶された情報処理プログラムに従って実行する。
図3はプロセッサ11により実行される情報処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例である。一部の処理が置換、削除、追加あるいは順番変更されてもよい。
【0023】
Act1としてプロセッサ11は、情報端末20の利用者が広告提供サービスの会員であることの認証処理を行う。プロセッサ11は具体例としては、上記のように通知された会員コード及びパスワードで認証される会員の存否を会員サーバ30に問い合わせる。そしてプロセッサ11は、会員サーバ30からの回答を受けて、利用者が会員サーバ30にて会員として管理されていることが確認できた場合には、情報端末20の利用者を広告提供サービスの会員として認証する。つまりプロセッサ11は、ポイントサービスの会員を広告提供サービスの会員とする。なお、互いに異なる複数のポイントサービスのそれぞれに対応した複数の会員サーバ30が広告提供システム100に含まれてもよい。そしてプロセッサ11は、複数の会員サーバ30のそれぞれに会員の存否を問い合わせて、いずれかの会員サーバ30から存在する旨の回答があった場合に広告提供の会員として認証してもよい。あるいはプロセッサ11は、広告提供サービスの会員に関して補助記憶デバイス13に予め保存された会員データに基づいて、情報端末20の利用者の認証を行ってもよい。そしてプロセッサ11は、情報端末20の利用者が広告提供サービスの会員であることが認証できたならば、Act2へと進む。なおプロセッサ11は、広告提供サービスの会員であることの認証に失敗したならば、Act2へは進まない。この場合にプロセッサ11は、新たな会員コード及びパスワードを取得しての認証のやり直しを行うようにしてもよいし、エラーとして
図3に示す処理を終了してもよい。かくしてプロセッサ11は、情報端末20の使用者である会員を認証する。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは上記の認証を行う認証手段として機能する。
【0024】
さて、認証が完了したならば会員は、情報端末20の動画撮影機能を起動する。あるいは、情報端末20が、広告視聴のためのアプリケーションプログラムに基づく情報処理によって動画撮影機能を起動する。情報端末20は、動画撮影機能により撮影した動画(以下、撮影動画と称する)をリアルタイムで広告サーバ10へと送信する。そして会員は、自らが任意の物販店などにて受け取り済みのレシートを、動画撮影機能の視野内に位置させる。
【0025】
Act2としてプロセッサ11は、情報端末20にて撮影が開始されるのを待ち受ける。そして上記のように撮影が開始されて撮影動画が送られてくると、Act2にてYesと判定し、Act3へと進む。
【0026】
Act3としてプロセッサ11は、動画のストリーミング送信を開始する。なおプロセッサ11はこの時点においては、情報端末20から送られてきた撮影動画を、そのままストリーミング送信の対象とする。
【0027】
Act4としてプロセッサ11は、識別処理を開始する。識別処理は、情報端末20から送られてきている撮影動画に映り込んでいるロゴを識別するための処理である。このロゴ識別処理においてプロセッサ11は具体例としては、複数のロゴ画像データDA1がそれぞれ表すロゴ画像のいずれかと類似する画像が撮影動画の中に含まれるか否かを確認する。プロセッサ11は、該当する画像が撮影動画に含まれていた場合に、その画像に類似するロゴ画像を表しているロゴ画像データのファイル名がフィールドFI2にセットされているデータレコードDR1をロゴ管理データベースDB2から選択する。プロセッサ11は、選択したデータレコードDR1のフィールドFI1にセットされているロゴコードを、撮影動画に映り込んでいるロゴのコードとして判定する。プロセッサ11は、この識別処理を、
図3に示す情報処理と並行して実行する。かくしてプロセッサ11は、この識別処理において、レシートを撮影して得られた画像に基づいてレシートに関する予め定められた項目としてのロゴについての識別を行う。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、そのような識別を行う識別手段として機能する。
【0028】
Act5としてプロセッサ11は、識別処理によりロゴの識別に成功したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、識別処理によりロゴコードが判定できていないならばNoと判定し、Act6へと進む。
Act6としてプロセッサ11は、情報端末20における撮影が終了されたか否かを確認する。プロセッサ11は、撮影動画が引き続き送られてきているならばNoと判定し、Act5へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct5及びAct6としては、ロゴの識別に成功するか、撮影が終了されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ11は、識別処理によりロゴコードが判定されたならば、Act5にてYesと判定し、Act7へと進む。
【0029】
Act7としてプロセッサ11は、複数の広告動画のうちから配信の対象となる広告動画を選択する。プロセッサ11は具体例としては、識別処理により判定されたロゴコードがフィールドFI1にセットされているデータレコードDR1をロゴ管理データベースDB2から選択する。プロセッサ11は、選択したデータレコードDR1のフィールドFI3にセットされているデータが表す選択条件に基づいて複数の広告動画のうちから少なくとも1つを選択する。なお選択条件は一例としては、「ファイル名が×××である動画ファイルで表される広告動画を選択。」である。また選択条件は別例としては、「ランダムに1つの広告動画を選択。」である。選択条件を具体的にどのようなものとするかは任意であり、例えば広告配信サービスの管理者、ポイントサービスの管理者、あるいは広告主などによって定められてよい。かくしてプロセッサ11は、識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する。つまり、情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは上記の選択を行う選択手段として機能する。
【0030】
Act8としてプロセッサ11は、重畳処理を開始する。重畳処理は、上記のように選択した広告動画を、ストリーミング送信中の撮影動画へと重畳する処理である。プロセッサ11は具体例としては、選択した広告動画を、対応する動画ファイルDA2に基づいて再生する。そしてプロセッサ11は、情報端末20から送られてきている撮影動画に、上記のように再生した広告動画を重畳する。そしてプロセッサ11は、このように撮影動画に広告動画を重畳して得られた動画(以下、重畳動画と称する)をストリーミング送信する。なおプロセッサ11は、本実施形態においては、撮影動画においてロゴが映り込んでいる領域に広告動画を重畳する。
【0031】
図4は撮影動画の中のフレームFL1の一例を示す図である。
当該フレームFL1には、ロゴLO1がプリントされたレシートRE1が映り込んでいる。
【0032】
図5は重畳動画の中のフレームFL2の一例を示す図である。
当該フレームFL2は、
図4に示すフレームFL1をベースとし、広告動画VI1を重畳したものである。なお、
図5においては、広告動画VI1はその範囲のみを表し、画像の内容についての図示は省略している。
さらにプロセッサ11は、本実施形態においては、撮影動画に映り込んでいるレシートの傾きを計算し、重畳させる際の広告動画の傾きを変化させる。
【0033】
図6は重畳動画の中のフレームFL3の一例を示す図である。
当該フレームFL3は、撮影画像に映り込んだレシートRE1が傾いた状態であることに応じて、同様に傾けた状態で広告動画VI1を重畳したものである。
【0034】
なおプロセッサ11は、Act7にて複数の広告動画を選択した場合には、1つの広告動画を最後まで重畳し終えた後、別の広告動画の重畳を開始する。プロセッサ11は、以上の様な重畳処理を、
図3に示す情報処理と並行して実行する。
【0035】
以上のように重畳動画を送信することにより、Act7にて選択した広告動画が情報端末20へと出力されることとなる。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、上記の出力を行う出力手段として機能する。
また、取得された撮影動画における画像の変化に応じて、出力手段として出力する重畳動画の表示形態を変更していることとなる。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは、上記の変更を行う変更手段として機能する。
【0036】
Act9としてプロセッサ11は、情報端末20での撮影が終了したか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、撮影動画が引き続き送られてきているならばNoと判定し、Act10へと進む。
Act10としてプロセッサ11は、選択した全ての広告動画を重畳し終えたか否かを確認する。そしてプロセッサ11は、まだ重畳し終えてないならばNoと判定し、Act9へと戻る。
かくしてプロセッサ11はAct9及びAct10においては、撮影が終了するか、あるいは広告動画を重畳し終えるのを待ち受ける。
【0037】
そしてプロセッサ11は、広告動画の全てを重畳し終えているならばAct10にてYesと判定し、Act11へと進む。
Act11としてプロセッサ11は、重畳処理を終了する。
【0038】
Act12としてプロセッサ11は、ポイント付与のための処理を行う。プロセッサ11は具体例としては、広告動画を最後まで視聴したことへの報酬としての予め定められたポイントを、Act1にて認証した会員が所持するポイント数に加算するよう会員サーバ30に要求する。会員サーバ30は、この要求に応じてポイントを加算する。かくしてプロセッサ11は、認証された使用者としての会員に対して、情報端末20での動画の表示状況に応じて特典を付与するための予め定められた情報処理としてのポイント加算のための処理を行う。つまり情報処理プログラムに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは上記の処理を行う処理手段として機能する。
【0039】
プロセッサ11はこののち、Act5及びAct6の待受状態に戻る。ただしプロセッサ11は、このようにAct5及びAct6の待受状態に戻った場合にAct5では、前回にAct5にてYesと判定したときに識別処理により判定されていたロゴコードとは別のロゴコードが識別処理により判定された場合に新たにYesと判定する。
【0040】
さてプロセッサ11は、情報端末20が、会員の指示又は何らかの事情により撮影を終了し、撮影動画を送信しなくなると、Act6又はAct9にてYesと判定し、Act13へと進む。
Act13としてプロセッサ11は、情報端末20に対するストリーミング送信を終了する。そしてプロセッサ11は、これをもって
図3に示す情報処理を終了する。つまりこれらのときにプロセッサ11はAct12を実行せず、ポイントを付与しない。
【0041】
以上のように広告サーバ10は、会員が情報端末20に撮影させたレシートにプリントされているロゴを識別し、当該ロゴに関連付けられた広告動画を情報端末20へと送信する。従って、レシートに関連した動画を会員に視聴させることができ、レシートを用いたこれまでの広告に比べて、情報提供をより効果的に行える。
【0042】
ところでレシートにプリントされたロゴは、一般的にレシートの発行者を表す。つまり広告サーバ10は、ロゴを識別することによって、レシートの発行者を識別していることになる。そして広告サーバ10は、レシートの発行者に関連付けられた動画を送信していることになる。この結果、レシートの発行者毎に、異なった動画を提供することができる。つまり、例えばレシートの発行者が希望する動画を会員に提供できる。そして会員は、撮影させるレシートを変更することによって、様々な動画を視聴できる。
【0043】
また広告サーバ10は、撮影動画に広告動画を重畳した重畳動画を情報端末20に送信する。さらに広告サーバ10は、撮影動画でのレシートの傾きにあわせて重畳動画での広告動画の傾きを変更する。このため、会員が情報端末20に撮影させているレシートを傾ければ、これに応じて重畳動画における広告動画の傾きが変化することになる。つまり、仮想現実(virtual reality)のような形態での広告提供が行われる。このため、単なる動画再生に比べて、広告視聴に関する会員のモチベーションを高めることができる。
【0044】
また広告サーバ10は、提供するものとして選択した広告動画を最後まで情報端末20へと送ることができた場合には、会員に対してポイントを付加することにより特典を付与する。これによっても、広告視聴に関する会員のモチベーションを高めることができる。
【0045】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
配信する動画は、広告のためのものには限られない。また、レシートから識別する項目は、ロゴには限られない。例えば、レシートに買上商品として予め定められた商品が示されているか否かを識別し、その商品に関する使用法を説明する動画を送信するなどのように、変更することができる。
【0046】
重畳動画における撮影動画への広告動画の重畳の形態は、任意に変更が可能である。例えば、ディスプレイ装置の外観を表した画像をレシートに載せた状態で表した上で、当該ディスプレイ装置の画面に広告動画を嵌め込んだ状態の動画を重畳動画としてもよい。
【0047】
広告サーバ10は、重畳動画に代えて、広告動画のみを送信してもよい。
【0048】
情報端末20の利用者が会員登録のない者である場合にも、広告サーバ10から情報端末20への広告動画の送信を行ってもよい。あるいは、情報端末20の利用者が会員及び非会員のいずれであるかに拘わらずに、広告サーバ10から情報端末20への広告動画の送信を行ってもよい。
【0049】
広告動画の視聴に対して付与する特典は、ポイントの付加には限らず、クーポンの発行などの他のどのような特典であってもよい。また、特典を付与する条件は、例えば広告動画の80%を送信し終えた場合など、任意に定められてよい。また当該の特典の付与は、全く行わなくてもよい。
【0050】
情報処理によりプロセッサ11が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] レシートを撮影して得られた画像に基づいて前記レシートに関する予め定められた項目についての識別を行う識別手段と、
前記識別手段による識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記動画を情報端末に出力する出力手段と、
を具備した動画配信装置。
[付記2] 前記取得手段により取得される画像の変化に応じて、前記出力手段が出力する前記動画の表示形態を変更する変更手段、
をさらに備えた付記1に記載の動画配信装置。
[付記3] 前記識別手段は、前記レシートの発行者を識別する、
付記1又は付記2に記載の動画配信装置。
[付記4] 前記情報端末の使用者を認証する認証手段と、
前記認証手段により認証された使用者に対して、前記情報端末での前記動画の表示状況に応じて特典を付与するための予め定められた情報処理を行う処理手段と、
をさらに具備する付記1-付記3のいずれか一項に記載の動画配信装置。
[付記5] 動画配信装置に備えられたコンピュータを、
レシートを撮影して得られた画像に基づいて前記レシートに関する予め定められた項目についての識別を行う識別手段と、
前記識別手段による識別結果に応じて、複数の動画のうちの少なくとも1つを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記動画を情報端末に出力するように出力デバイスを制御する制御手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0052】
10…広告サーバ、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、15…伝送路、20…情報端末、30…会員サーバ、40…通信ネットワーク、100…広告提供システム。