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特許7188913情報提示装置、情報提示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】情報提示装置、情報提示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221206BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018099840
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019204352
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】キン シン
(72)【発明者】
【氏名】刀祢 太輔
(72)【発明者】
【氏名】久保 敦司
(72)【発明者】
【氏名】花井 三晴
【審査官】後藤 昂彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-053132(JP,A)
【文献】特開2013-105457(JP,A)
【文献】特開2015-099017(JP,A)
【文献】特開2009-042083(JP,A)
【文献】特開2014-052288(JP,A)
【文献】特開2011-107936(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0122764(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの移動先として推定された目的地に対応付けられている広告情報を受信する通信部と、
前記ユーザの前記目的地への移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記ユーザが前記目的地への移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限し、
前記ユーザの出発地が前記ユーザの拠点であると判定されず、かつ、前記目的地が前記ユーザの自宅であると推定された場合、前記広告情報の提示を停止し又は前記広告情報の提示量を増やす、情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示装置であって、
前記制御部は、前記ユーザが前記目的地への移動中である場合、前記広告情報を提示しない、情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報提示装置であって、
前記制御部は、情報提示装置の起動後から移動開始前の間で前記広告情報を前記ユーザに提示する、情報提示装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記制御部は、複数の異なる種別の広告情報を同時に提示する、情報提示装置。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報提示装置であって、
前記広告情報に対するユーザ入力を受け付ける入力部をさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザ入力に基づき前記広告情報に対応付けられた前記目的地までの経路案内処理を実行する、情報提示装置。
【請求項6】
ユーザの目的地を推定するステップと、
前記目的地に対応付けられている広告情報を受信するステップと、
前記ユーザの前記目的地への移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示するステップと、
を含み、
前記ユーザが前記目的地への移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限し、
前記ユーザの出発地が前記ユーザの拠点であると判定されず、かつ、前記目的地が前記ユーザの自宅であると推定された場合、前記広告情報の提示を停止し又は前記広告情報の提示量を増やす、情報提示方法。
【請求項7】
情報提示装置に、
ユーザの移動先として推定された目的地に対応付けられている広告情報を受信するステップと、
前記ユーザの前記目的地への移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示するステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記ユーザが前記目的地への移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限し、
前記ユーザの出発地が前記ユーザの拠点であると判定されず、かつ、前記目的地が前記ユーザの自宅であると推定された場合、前記広告情報の提示を停止し又は前記広告情報の提示量を増やす、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広告情報を提示する情報提示装置、情報提示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のナビゲーション装置等で実行される経路探索サービスにおいて、走行経路上の広告情報を提示する技術がある。例えば特許文献1には、ナビゲーション装置により経路案内を行っていない場合であっても、走行経路を推測し、推測した走行経路上の広告情報を提示することのできる広告提示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-069318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
走行経路上の施設等、目的地に対応付けられている広告情報は、例えばユーザが移動前であるか移動中かどうかにより、提示する必要性及び内容等が異なり得る。このように目的地に対応付けられた広告情報の提示に係る技術には、改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、ユーザの目的地に対応付けられている広告情報を提示する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報提示装置は、
ユーザの移動先として推定された目的地に対応付けられている広告情報を受信する通信部と、
前記ユーザの移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ユーザが移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限する。
【0007】
また本開示の一実施形態に係る情報提示方法は、
ユーザの目的地を推定するステップと、
前記目的地に対応付けられている広告情報を受信するステップと、
前記ユーザの移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示するステップと、
を含み、
前記ユーザが移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限する。
【0008】
また本開示の一実施形態に係るプログラムは、
情報提示装置に、
ユーザの移動先として推定された目的地に対応付けられている広告情報を受信するステップと、
前記ユーザの移動開始前に前記広告情報を前記ユーザに提示するステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記ユーザが移動中である場合、前記広告情報の提示を移動開始前よりも制限する。
【発明の効果】
【0009】
本開示における情報提示装置等によれば、ユーザの目的地に対応付けられている広告情報を提示する技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報提示システムの概略構成を示す図である。
図2】広告情報を含む表示画面の一例を示す。
図3】広告データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る情報提示システムの動作を示すシーケンス図である。
図5】広告情報を含む表示画面の他の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、一例として情報提示装置10が車両内にて用いられる場合について説明する。
【0012】
(情報提示システムの構成)
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る情報提示システム1の概要について説明する。情報提示システム1は、情報提示装置10と、車両20と、サーバ30と、広告データサーバ40とを備える。情報提示装置10、サーバ30、及び広告データサーバ40は、ネットワーク50に接続される。ネットワーク50は、例えば移動体通信網及びインターネットを含むが、これらに限られず、任意の通信網を含んでもよい。
【0013】
情報提示装置10は、例えば車載機、スマートフォン又はタブレット端末等の汎用の情報提示装置であるが、これらに限られず、例えば情報提示システム1に専用の装置等、任意の端末であってもよい。本実施形態では、情報提示装置10は、車両20に搭載される車載機であるとして説明する。車両20は、例えば自動車であるが、これに限られず、人間が搭乗可能な任意の車両であってもよい。サーバ30は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含む。本実施形態では、説明の簡便のため、サーバ30が1つのサーバ装置である場合について説明する。広告データサーバ40は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置を含む。本実施形態では、説明の簡便のため、広告データサーバ40が1つのサーバ装置であるものとして説明する。
【0014】
本実施形態に係る情報提示システム1において、情報提示装置10、サーバ30、及び広告データサーバ40が協働してユーザに対して広告情報の提示を行う。概要として情報提示システム1は、ユーザの目的地を推定し、推定した目的地に対応付けられている広告情報を、ユーザの移動開始前に当該ユーザに提示する。サーバ30は、情報提示装置10から位置情報を受信し、当該位置情報等に基づきユーザの目的地を推定する。またサーバ30は、推定した目的地に対応付けられている広告情報を広告データサーバ40から受信する。サーバ30は情報提示装置10に広告情報を送信し、情報提示装置10は、移動開始前に当該広告情報をユーザに提示する。ここで情報提示装置10は、ユーザが移動中には、広告情報の提示を制限する。具体的には例えば情報提示装置10は、ユーザが移動中に広告情報の提示を停止する。
【0015】
本実施形態に係る情報提示システム1によれば、情報提示装置10が、推定した目的地に対応付けられた広告情報を移動開始前にユーザに提示し、移動中には広告情報の提示を制限する。これにより、広告情報をユーザが移動する前に提示してユーザの移動を支援し、かつ目的地に向けて移動中において広告情報の提示を制限して、ユーザが不快に感じることを防止できる。
【0016】
次に、情報提示システム1の各構成について、詳細に説明する。
【0017】
(情報提示装置の構成)
図1に示すように、情報提示装置10は、通信部11と、記憶部12と、位置情報取得部13と、出力部14と、入力部15と、制御部16と、を備える。
【0018】
通信部11は、ネットワーク50に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。通信部11は、DCM(Data Communication Module)等の通信機であってもよい。本実施形態において、情報提示装置10は、通信部11を介してネットワーク50に接続される。
【0019】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。本実施形態において「メモリ」は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報提示装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、情報提示装置10の識別情報、及びユーザの識別情報等を記憶してもよい。アプリケーションプログラムは、例えば経路案内用のプログラムを含む。またアプリケーションプログラムは、本システムに係る専用のアプリケーションを含んでもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0020】
位置情報取得部13は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、位置情報取得部13は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。位置情報取得部13は、情報提示装置10の位置情報を取得する。
【0021】
出力部14は、ユーザに対して情報を出力する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部14に含まれる出力インタフェースは、情報を映像で出力するパネルディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ又は情報を音声で出力するスピーカ等であるが、これらに限られず、任意の出力インタフェースであってもよい。本実施形態において「映像」は、テキスト、静止画像、及び動画像を含んでもよい。
【0022】
入力部15は、ユーザ入力を検出する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部15に含まれる入力インタフェースは、物理キー、静電容量キー、出力部14のパネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限られず、任意の入力インタフェースであってもよい。
【0023】
制御部16は、1つ以上のプロセッサを含む。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部16は、情報提示装置10全体の動作を制御する。
【0024】
例えば、制御部16は、通信部11を介して、位置情報取得部13により取得された情報提示装置10の位置情報をサーバ30に通知する。サーバ30に対する位置情報の通知は、情報提示装置10の起動時、すなわちアクセサリー電源のオン時(ACC-ON時)に行う。サーバ30に対する位置情報の通知は、起動時の他、任意のタイミングで行われてもよい。例えば、制御部16は、所定の時間間隔で又は情報提示装置10が特定の状態になる毎に、サーバ30に対する通知を行ってもよい。
【0025】
また制御部16は、通信部11を介してサーバ30にプローブデータ及びユーザ情報を送信する。プローブデータは、車両20の移動日時及び位置による移動履歴に係るデータ、並びに前後加速度、左右加速度による挙動履歴のデータを含む。ユーザ情報は、情報提示装置10に対するユーザ入力の操作履歴、ユーザの個人情報、ユーザアクションの履歴を含んでよい。
【0026】
また制御部16は、サーバ30により推定された目的地に対応付けられている広告情報を、通信部11を介してサーバ30から受信する。広告情報は、商品又はサービスに関する情報を含む。「目的地に対応付けられている広告情報」は、目的地である施設の広告情報、目的地近辺の施設の広告情報、及び目的地までの経路における施設の広告情報を含む。移動経路上の施設等、目的地に対応付けられている広告情報をユーザに提示することで、有用な広告をユーザに提示する可能性を高めることができる。
【0027】
また制御部16は、ユーザが移動開始前であるか否かを判定する。当該判定は、車両20のセンサ情報に基づき行う。制御部16は、目的地への移動開始前である場合、出力部14により広告情報をユーザに提示する。広告情報の提示は、映像及び音声の少なくともいずれか一方で行う。
【0028】
例えば制御部16は、広告情報の提示の一態様として、画面上にテキスト等を表示してもよい。図2に、出力部14により提示される広告情報を含む表示画面の一例を示す。ここでは、出力部14が入力部15と一体的に設けられたタッチスクリーンである場合について説明する。出力部14は、例えば表示画面140を表示する。表示画面140は、地図情報を含む経路案内情報141と、広告情報142とを含む。図2に示す例では、広告情報142は、イベント情報に係るテキストを含む。イベント情報は、例えば「ポイント5倍DAY」、「半額セール」等である。
【0029】
ここで情報提示装置10は、広告情報142に対するユーザアクションを検知してもよい。ユーザアクションはユーザ入力を含んでもよい。ユーザ入力を受け付けるために広告情報142は、広告情報142に係る施設に立ち寄るかどうかを選択するための入力ボタン143、144を含んでもよい。ユーザ入力を受け付けると、制御部16は、ユーザ入力に基づく処理を実行する。例えば制御部16は、ユーザ入力に基づき広告情報に対応付けられている目的地までの経路案内処理を実行する。このようにすることで本システムの利便性を向上させることができる。また制御部16は、ユーザ入力に基づき、当該ユーザ入力のログをサーバ30に送信してもよい。サーバ30は当該ユーザ入力のログに基づき、後述する広告データベース321を更新してもよい。このようにすることで、よりユーザに適合した広告情報を提示することができる。
【0030】
また制御部16は、ユーザが移動開始後である場合、つまりユーザが移動中である場合に、出力部14による広告情報の提示を移動開始前よりも制限する。具体的には例えば制御部16は、ユーザが移動中である場合には、出力部14による広告情報の提示を停止する。換言すると制御部16は、情報提示装置10の起動後から移動開始前の間で広告情報をユーザに提示する。他方で制御部16は、ユーザが移動中である場合には、出力部14により広告情報を提示しない。
【0031】
(サーバの構成)
図1に示すように、サーバ30は、サーバ通信部31と、サーバ記憶部32と、サーバ制御部33と、を備える。
【0032】
サーバ通信部31は、ネットワーク50に接続する通信モジュールを含む。例えば、サーバ通信部31は、所定の有線規格又は無線規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。本実施形態において、サーバ30は、サーバ通信部31を介してネットワーク50に接続される。
【0033】
サーバ記憶部32は、1つ以上のメモリを含む。サーバ記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。サーバ記憶部32は、サーバ30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、情報提示装置10等から収集した情報を記憶する。また例えばサーバ記憶部32は、後述する広告データベース321を記憶する。また例えばサーバ記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、管理データベース等を記憶してもよい。サーバ記憶部32に記憶された情報は、例えばサーバ通信部31を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0034】
サーバ制御部33は、1つ以上のプロセッサを含む。サーバ制御部33は、サーバ30全体の動作を制御する。
【0035】
例えばサーバ制御部33は、サーバ通信部31を介して情報提示装置10から、情報提示装置10の起動時のユーザの位置情報を受信する。サーバ制御部33は、受信した位置情報に基づき、HOME/AWAY判定を行う。HOME/AWAY判定では、サーバ制御部33は、情報提示装置10の起動時のユーザの位置情報が、ユーザの拠点(HOME)であるか否(AWAY)かを判定する。換言すると、HOME/AWAY判定では、サーバ制御部33は、ユーザの出発地の位置が、ユーザの拠点であるか否かを判定する。ここで拠点は、例えばユーザの生活圏内である。
【0036】
また例えばサーバ制御部33は、サーバ通信部31を介して情報提示装置10からプローブデータ及びユーザ情報を受信する。サーバ制御部33は、プローブデータ及びユーザ情報をサーバ記憶部32に蓄積する。サーバ制御部33は、プローブデータ及びユーザ情報に基づき、当該ユーザの行動パターンに係るデータ(以下、行動パターンデータという)を生成する。行動パターンデータは、例えば「平日は、毎日午前中にスーパーマーケットで買い物をする」、「平日は、昼食時に友人と外食をすることがある」、「休日は、家族でアミューズメント施設を訪れることがある」等である。ユーザ情報は、広告情報に対するユーザアクションに基づく、ユーザ入力等のログを含む。サーバ制御部33は、当該ログに基づき、行動パターンデータ及び後述する広告データベース321を更新する。
【0037】
また例えばサーバ制御部33は、出発地の判定結果、日時、及び行動パターンデータに基づき、ユーザの移動先である目的地を推定する。具体的には例えば出発地がユーザの拠点であり、平日午前中である場合、サーバ制御部33は目的地がスーパーマーケットであると判定する。また例えば出発地がユーザの拠点であり、休日である場合、サーバ制御部33は、目的地がアミューズメント施設であると判定する。
【0038】
また例えばサーバ制御部33は、推定された目的地が、よく行く施設であるか否かを判定する。また例えばサーバ制御部33は、現在日時が、ユーザの平日であるか休日であるかの判定(平日・休日判定)を行う。よく行く施設であるか否かの判定、及び平日・休日判定は、それぞれ現在日時及びユーザの行動パターンデータに基づき行う。
【0039】
また例えばサーバ制御部33は、サーバ通信部31を介して広告データサーバ40に広告情報を要求し、当該広告情報を受信する。ここでサーバ制御部33は、広告情報の要求を、HOME/AWAY判定の結果、目的地推定の結果、よく行く施設判定の結果、及び平日・休日判定の結果に基づき行う。サーバ制御部33は、広告データサーバ40から、これらの判定結果及び推定結果に適合する広告情報を受信する。これにより、ユーザの出発地、ユーザの目的地、ユーザが頻繁に訪れる施設、ユーザの平日又は休日を考慮した広告情報を取得することができる。
【0040】
また例えばサーバ制御部33は、広告データサーバ40から受信した広告情報を、広告データベース321により管理する。図3に、広告データベース321のデータ構造322を示す。広告データベース321は、施設毎の広告情報を管理する。広告データベース321は、施設IDと、種別と、頻度と、詳細情報と対応付けて管理する。施設IDは、広告情報に対応する施設を一意に特定するための識別情報である。種別は施設の種類を表し、例えば「スーパーマーケット」、「飲食店」、又は「アミューズメント施設」等である。頻度は、当該施設にユーザが訪れる頻度を示しており、例えば「頻度高」、「頻度中」、又は「頻度低」等の3段階で表される。なお頻度の段階はこれに限られず、任意の段階により表されてもよい。詳細情報は、イベント情報、クーポン情報、駐車場有無、待ち時間、及び営業時間に係る情報を含む。イベント情報は、施設IDに係る施設における、イベント、又はキャンペーンに係る情報を含む。クーポン情報は、施設IDに係る施設で提供される商品又はサービスにおいて使用可能なクーポン又はチラシに係る情報を含む。駐車場有無は、施設IDに係る施設に駐車場が備えられているか否かを示す情報を含む。待ち時間は、施設IDに係る施設での入店までの待ち時間、待ち組み数、又は予約状況に係る情報を含む。営業時間に係る情報は、施設IDに係る施設の営業日、営業時間、定休日、及び臨時休業日に係る情報を含む。広告データベース321の情報は、ユーザの行動パターンデータ及び広告データサーバ40から受信した広告情報に基づき生成される。
【0041】
サーバ制御部33は、広告データベース321の中から、ユーザに配信すべき広告情報を抽出し、サーバ通信部31を介して、当該広告情報を情報提示装置10に送信する。当該広告情報は、広告データベース321の詳細情報を含む。広告に係る商品又はサービスの詳細情報も情報提示装置10に送信して提示させることにより、広告情報に基づき店舗等にユーザが移動した際に所望の商品又はサービスの提供をスムーズに受けることができるかを判断できる。
【0042】
(広告データサーバの構成)
図1に示すように、広告データサーバ40は、サーバ通信部41と、サーバ記憶部42と、サーバ制御部43と、を備える。
【0043】
サーバ通信部41は、ネットワーク50に接続する通信モジュールを含む。例えば、サーバ通信部41は、所定の有線規格又は無線規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。本実施形態において、広告データサーバ40は、サーバ通信部41を介してネットワーク50に接続される。
【0044】
サーバ記憶部42は、1つ以上のメモリを含む。サーバ記憶部42に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。サーバ記憶部42は、広告データサーバ40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えばサーバ記憶部42は、各施設の広告情報を記憶する。また例えばサーバ記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、管理データベース等を記憶してもよい。サーバ記憶部42に記憶された情報は、例えばサーバ通信部41を介してネットワーク50から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0045】
サーバ制御部43は、1つ以上のプロセッサを含む。サーバ制御部43は、サーバ30全体の動作を制御する。
【0046】
例えばサーバ制御部43は、サーバ通信部41を介して、サーバ30から広告情報の要求を受ける。広告情報の要求を受けた場合、サーバ制御部43は当該要求に対応する広告情報をサーバ30に送信する。
【0047】
(情報提示システムの動作)
次に、図4のシーケンス図を参照して、情報提示システム1の動作について説明する。
【0048】
ステップS10:情報提示装置10は、起動時に、通信部11を介して位置情報をサーバ30に送信する。
【0049】
ステップS20:サーバ30は、情報提示装置10から受信した位置情報に基づきHOME/AWAY判定を行う。
【0050】
ステップS30:サーバ30は、HOME/AWAY判定の結果、日時、及び行動パターンデータに基づき、ユーザの移動先である目的地を推定する。
【0051】
ステップS40:サーバ30は、推定された目的地が、ユーザのよく行く施設であるか否かを判定する。
【0052】
ステップS50:サーバ30は、平日・休日判定を行う。すなわち現在日時が、ユーザの平日であるか休日であるかを判定する。
【0053】
ステップS60:サーバ30は、サーバ通信部31を介して、広告データサーバ40に広告情報を要求する。サーバ30は、広告情報の要求を、HOME/AWAY判定の結果、目的地推定の結果、よく行く施設判定の結果、及び平日・休日判定の結果に基づき行う。
【0054】
ステップS70:広告データサーバ40は、広告情報の要求に基づき、サーバ通信部41を介して広告情報をサーバ30に送信する。
【0055】
ステップS80:サーバ30は、広告データサーバ40から受信した広告情報を、広告データベース321に蓄積する。
【0056】
ステップS90:サーバ30は、サーバ通信部31を介して、広告データベース321に蓄積された広告情報を、情報提示装置10に送信する。
【0057】
ステップS100:情報提示装置10は、ユーザが移動開始前であるか否かを判定する。移動開始前である場合、プロセスはステップS110に進む。他方で移動開始後である場合、以下のステップS110からステップS130は行わず、プロセスは終了する。換言すると、情報提示装置10はユーザが移動中である場合、広告情報を提示しない。
【0058】
ステップS110:情報提示装置10は、サーバ30から受信した広告情報を提示する。
【0059】
ステップS120:情報提示装置10は、広告情報に対するユーザアクションとして、ユーザ入力を受け付ける。
【0060】
ステップS130:情報提示装置10は、ユーザ入力を受け付けると、制御部16にて、ユーザ入力に基づく処理を実行する。例えば情報提示装置10は、ユーザ入力に基づき広告情報に対応付けられた目的地までの経路案内を実行する。また例えば情報提示装置10は、ユーザ入力に基づき、当該ユーザ入力のログをサーバ30に送信してもよい。
【0061】
以上述べたように、本実施形態に係る情報提示システム1によれば、サーバ30がユーザの目的地を推定し、目的地に対応付けられる広告情報を情報提示装置10に送信する。そして情報提示装置10が移動開始前に広告情報をユーザに提示し、ユーザが目的地への移動中である場合、広告情報の提示を移動開始前よりも制限する。例えば、情報提示装置10は、ユーザが目的地へ移動を開始する前に広告情報を提示し、目的地への移動を開始して移動中である場合、広告情報を提示しないようにする。これにより、ナビ等で経路案内を受けながら移動しているユーザ等が、広告情報により経路案内が阻害されて不快に感じる恐れを防止することができる。換言すると、ユーザが移動中において、広告情報の提示と経路案内等に係る出力とを調停することで、ドライバーディストラクションの発生を防止することができる。
【0062】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0063】
例えば、上述した実施形態において、情報提示装置10の構成及び機能の一部を任意の他の装置が有してもよい。例えば、情報提示装置10の構成及び機能の一部を、車両20に搭載された他の車載装置が有してもよい。あるいは、情報提示装置10の構成及び機能の一部を、外部のサーバ装置が有してもよい。かかる場合、車両20は、車両20に搭載されたDCM等の車載通信機を介してサーバ装置と通信してもよい。
【0064】
また本実施の形態では、情報提示装置10の制御部16は、ユーザが移動中である場合、出力部14による広告情報の提示を停止することで広告情報の提示を制限したがこれに限られない。例えば制御部16は、ユーザが移動中である場合に、移動開始前に出力していた広告情報のうち、広告情報に含まれる詳細情報の一部又は全部を出力しないようにしてもよい。また例えば制御部16は、移動開始前に音声及び映像により広告情報を出力していた場合、ユーザが移動中には音声での出力を停止し、映像のみで広告情報を出力するようにしてもよい。このようにすることで、例えば移動中における経路案内の音声ガイドが阻害されることを防止できる。また例えば制御部16は、移動開始前に広告情報をテキスト及びアイコンにより表示していた場合、ユーザが移動中にはテキストによる表示を停止し、アイコンのみを表示するようにしてもよい。あるいは制御部16は、広告情報を要約、短文化、記号化して表示するようにしてもよい。
【0065】
また本実施の形態では、サーバ30のサーバ制御部33が、出発地の判定結果、日時及び行動パターンデータに基づきユーザの目的地を推定したが、ユーザの目的地の推定方法はこれに限られず、任意の方法を採用することができる。
【0066】
また本実施の形態では、サーバ制御部33は、広告情報の要求を、HOME/AWAY判定の結果、目的地推定の結果、よく行く施設判定の結果、及び平日・休日判定の結果に基づき行うとした。例えばこれらの判定結果に基づき、サーバ制御部33が広告情報の要求、又は情報提示装置10への広告情報の送信をしないようにしてもよい。例えば、出発地がユーザの拠点と判定されず、かつ、目的地がユーザの自宅であると推定された場合、サーバ制御部33は、目的地に対応付けられる広告情報を要求しなくてもよい。サーバ制御部33は、当該要求を行わず、又は当該広告情報を情報提示装置10に送信しないことにより、情報提示装置10による広告情報の提示を停止する。このようにすることで、自宅への帰り道等において不要な広告情報が出力されることを防止してもよい。
【0067】
また一方で、例えばユーザの出発地がユーザの拠点と判定されず、かつ、目的地がユーザの自宅であると推定された場合、広告情報の提示量を増やすようにしてもよい。このようにすることで、帰宅時において、ユーザが時間を有効活用できるようにしてもよい。すなわち、ユーザの出発地がユーザの拠点であると判定されたか否かに応じて、情報提示装置10による広告情報の提示量を変更することで、利便性を向上させることができる。
【0068】
なお本実施の形態では、目的地に対応付けられた広告情報として1つの施設の広告情報を出力する例を示しているがこれに限られない。情報提示装置10は、目的地に対応付けられた複数の施設の広告情報を出力してもよい。あるいは情報提示装置10は、複数の目的地にそれぞれ対応付けられた施設の広告情報を出力してもよい。換言すると情報提示装置10は、複数の異なる種別の広告情報を同時に提示するようにしてもよい。このように複数の広告を同時に提示することで、利便性を向上させることができる。情報提示装置10に出力させる広告情報は、ユーザが訪れる頻度等に応じて優先度を対応付け、優先度の上位複数の広告情報を表示するようにしてもよい。
【0069】
また本実施の形態では、情報提示装置10が車載機である例を示したがこれに限られない。例えば情報提示装置10は、スマートフォンであってもよい。情報提示装置10がスマートフォンである場合、情報提示装置10にインストールされた経路案内用のプログラムを起動した場合に、通信部11を介して位置情報をサーバ30に送信する。換言すると情報提示装置10がスマートフォンである場合、位置情報の送信タイミングは、ACC-ON時の代わりに、プログラムを起動時となる。図5に、情報提示装置がスマートフォンである場合において出力部14により提示される広告情報の表示画面の一例を示す。出力部14は、例えば表示画面140bを表示する。表示画面140bは、地図情報を含む経路案内情報141bと、広告情報142bとを含む。図5に示す例では、広告情報142bは、イベント情報に係るテキストを含む。また図2と同様に、広告情報142bは、ユーザ入力を受け付ける入力ボタン143b、144bを含む。
【0070】
ここで、本実施形態では、一例として情報提示装置10が車載機又はスマートフォンであって、車両内にて用いられる場合について説明したがこれに限られない。例えば情報提示装置10は、車両外にて用いられてもよく、移動手段も車両に限らない。一例として、情報提示装置10がスマートフォンであり、かつ、移動手段が歩行又は電車での移動等であってもよい。また、情報提示装置10は、車載機一台で構成される例を示したがこれに限られず、複数台で構成してもよい。例えば情報提示装置10として、車載機とスマートフォンの両方を用いてもよく、車載機とスマートフォンが、それぞれ広告情報をユーザに提示してもよい。
【0071】
また、上述した実施形態において、情報提示装置10が、プローブデータ及びユーザ情報をサーバ30に送信し、サーバ30がこれらに基づき行動パターンデータを生成する例について説明したがこれに限られない。例えば情報提示装置10が行動パターンデータを生成し、生成した行動パターンデータを、通信部11を介してサーバ30に送信してもよい。
【0072】
また、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はモバイルコンピュータ等の汎用の電子機器を、上述した実施形態に係るサーバ30、又は広告データサーバ40として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係るサーバ30、又は広告データサーバ40の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本実施形態に係る発明は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0073】
さらに、本実施形態におけるネットワーク50には、上述した例以外にも、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)、光ネットワークもしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれる。無線ネットワークの構成要素には、たとえば、アクセスポイント(たとえば、Wi-Fiアクセスポイント)、フェムトセル等が含まれる。さらに、無線通信器機は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、セルラー通信技術又はその他の無線技術及び技術標準を用いた無線ネットワークに接続することができる。
【0074】
このように、本開示内容の種々の側面は、多くの異なる態様で実施することができ、それらの態様はすべて本実施形態の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 情報提示システム
10 情報提示装置
11 通信部
12 記憶部
13 位置情報取得部
14 出力部
15 入力部
16 制御部
20 車両
30 サーバ
31 サーバ通信部
32 サーバ記憶部
321 広告データベース
322 データ構造
33 サーバ制御部
40 広告データサーバ
41 サーバ通信部
42 サーバ記憶部
43 サーバ制御部
50 ネットワーク
140、140b 表示画面
141、141b 経路案内情報
142、142b 広告情報
143、143b、144、144b 入力ボタン
図1
図2
図3
図4
図5