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特許7188915半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】半導体装置、及び、半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20221206BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H01L21/60 321E
H01L23/48 F
H01L23/48 S
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018119100
(22)【出願日】2018-06-22
(65)【公開番号】P2019220653
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 久人
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149516(JP,A)
【文献】特開2016-197706(JP,A)
【文献】特開2008-041851(JP,A)
【文献】特開2013-232566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/52
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止部材と、
前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、
第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、
前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、
前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、
前記封止部材で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備え、
前記接続子の前記第1接合部と前記第2接合部との間の下面の中間領域には、前記第2の導電性接合材が、前記第1接合部と前記半導体チップの前記上部電極との間から前記中間領域に漏れ広がるのを抑制する前記金属の酸化膜が形成されており、
前記接続子は、
一端が前記第1接合部に接続され且つ前記第1接合部から上方に傾斜した第1傾斜部と、
一端が前記第1傾斜部の他端に接続された中間部と、
一端が前記中間部の他端に接続され、他端が前記第2接合部に接合され、前記中間部から前記第2接合部に向けて下方に傾斜した第2傾斜部と、を含み、
前記接続子の前記下面の前記中間領域は、
前記第1傾斜部の下面、前記中間部の下面、及び、前記第2傾斜部の下面を含み、
前記酸化膜は、前記接続子を構成する前記金属へのレーザ照射により形成されており、
前記酸化膜は、前記第1傾斜部の下面の全体に亘って、形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記接続子を構成する前記金属は、銅であり、
前記酸化膜は、酸化銅膜であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の導電性接合材、前記第2の導電性接合材、及び、前記第3の導電性接合材は、はんだ材である
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記酸化膜は、
前記接続子の下面の前記中間領域の、前記第1の方向に直交する第2の方向の両端に亘って連続して形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記酸化膜は、少なくとも、前記接続子の下面の前記中間領域の前記第1接合部に近接する部分に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記酸化膜は、
前記第1傾斜部及び前記中間部の下面の全体に亘って、形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記酸化膜は、
前記第1傾斜部の下面の前記第2の方向の両端に亘って複数連続して、形成されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記封止部材内において、前記第1のフレームの前記一端部の上面の高さは、前記第2のフレームの前記一端部の上面の高さと同じである
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記接続子の上下方向の厚さは、前記第1及び第2のフレームの上下方向の厚さよりも、薄い
ことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1のフレームの前記一端部に近接した領域には、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの前記搭載領域との接合時に、前記第1の導電性接合材が前記第1のフレームの前記他端部側に流れるのを防止する溝が形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
封止部材と、前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、前記封止部材で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、前記封止部材内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記接続子の前記第1接合部と前記第2接合部との間の下面の中間領域に、前記第2の導電性接合材が、前記第1接合部と前記半導体チップの前記上部電極との間から前記中間領域に漏れ広がるのを抑制する前記金属の酸化膜を、前記接続子を構成する前記金属へのレーザ照射により形成するものであり、
前記接続子は、一端が前記第1接合部に接続され且つ前記第1接合部から上方に傾斜した第1傾斜部と、一端が前記第1傾斜部の他端に接続された中間部と、一端が前記中間部の他端に接続され、他端が前記第2接合部に接合され、前記中間部から前記第2接合部に向けて下方に傾斜した第2傾斜部と、を含み、前記接続子の前記下面の前記中間領域は、前記第1傾斜部の下面、前記中間部の下面、及び、前記第2傾斜部の下面を含むものであり、
前記酸化膜は、前記第1傾斜部の下面の全体に亘って、形成されている
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、及び、半導体装置の製造方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、封止部材により封止され、フレームに接続子を介して電気的に接続された電極を有する半導体チップを備えた半導体装置が知られている。
【0003】
そして、例えば、図5A図5Bに示すように、接続子Sと電極を接続する場合に半導体チップX上のはんだ材Zが炉内で溶融すると、接続子Sの接合部の下面にはんだ材Zが濡れ拡がり、そのままの状態で冷え固まることが考えられる。
【0004】
このはんだ材Zが漏れ広がる量・形状によっては、半導体チップXとはんだ材とのの沿面距離が短くなり、信頼性が低下する懸念がある。
【0005】
ここで、例えば、特許文献1に記載の従来技術として、端子および配線は金からなる表面層を備えており、該表面層は、配線の端子との接続部が配線の幅方向に渡ってはんだ材と濡れにくいクロム,白金,チタン,アルミニウムのいずれか1つの金属と金との合金からなる配線基板が開示されている。
【0006】
この配線基板では、はんだ材と濡れにくい合金によって端子から配線へのはんだ材の濡れ拡がりが防止される。
【0007】
しかし、この従来技術は、半導体チップに接続される接続子において、はんだ材が漏れ広がらないようにして、半導体チップの信頼性を向上するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2013-175508
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施形態に従った半導体装置は、
封止部材と、
前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、
第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、
前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第2のフレームと、
前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、
前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、
前記封止部材Mで、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備え、
前記接続子の前記第1接合部と前記第2接合部との間の下面の中間領域には、前記第2の導電性接合材が、前記第1接合部と前記半導体チップの前記上部電極との間から前記中間領域に漏れ広がるのを抑制する前記金属の酸化膜が形成されており、
前記酸化膜は、前記接続子を構成する前記金属へのレーザ照射により形成されている
ことを特徴とする。
【0011】
前記半導体装置において、
前記接続子を構成する前記金属は、銅であり、
前記酸化膜は、酸化銅膜であることを特徴とする。
【0012】
前記半導体装置において、
前記第1の導電性接合材、前記第2の導電性接合材、及び、前記第3の導電性接合材は、はんだ材である
ことを特徴とする。
【0013】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
前記接続子の下面の前記中間領域の、前記第1の方向に直交する第2の方向の両端に亘って連続して形成されている
ことを特徴とする。
【0014】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、少なくとも、前記接続子の下面の前記中間領域の前記第1接合部に近接する部分に形成されている
ことを特徴とする。
【0015】
前記半導体装置において、
前記接続子は、
一端が前記第1接合部に接続され且つ前記第1接合部から上方に傾斜した第1傾斜部と、
一端が前記第1傾斜部の他端に接続された中間部と、
一端が前記中間部の他端に接続され、他端が前記第2接合部に接合され、前記中間部から前記第2接合部に向けて下方に傾斜した第2傾斜部と、を含み、
前記接続子の前記下面の前記中間領域は、
前記第1傾斜部の下面、前記中間部の下面、及び、前記第2傾斜部の下面を含む
ことを特徴とする。
【0016】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
前記第1傾斜部の下面の全体に亘って、形成されていることを特徴とする。
【0017】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
前記第1傾斜部及び前記中間部の下面の全体に亘って、形成されていることを特徴とする。
【0018】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
前記第1傾斜部の下面の前記第2の方向の両端に亘って複数連続して、形成されていることを特徴とする。
【0019】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
成形プレスで前記接続子の外形が打ち抜かれる前の金属板のうち前記接続子の前記中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成されている
ことを特徴とする。
【0020】
前記半導体装置において、
前記酸化膜は、
成形プレスで前記接続子の外形が打ち抜かれた後の金属板のうち前記接続子の前記中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成されている
ことを特徴とする。
【0021】
前記半導体装置において、
前記封止部材内において、前記第1のフレームの前記一端部の上面の高さは、前記第2のフレームの前記一端部の上面の高さと同じである
ことを特徴とする。
【0022】
前記半導体装置において、
前記接続子の上下方向の厚さは、前記第1及び第2のフレームの上下方向の厚さよりも、薄い
ことを特徴とする。
【0023】
前記半導体装置において、
前記第1のフレームの前記一端部に近接した領域には、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの前記搭載領域との接合時に、前記第1の導電性接合材が前記第1のフレームの前記他端部側に流れるのを防止する溝が形成されている
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係る実施形態に従った半導体装置の製造方法は、
封止部材と、前記封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が前記封止部材により封止され、前記一端部の上面に、前記半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が前記封止部材から露出した第1のフレームと、前記封止部材Mで、前記半導体チップの前記下部電極と前記第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、前記第1の方向に延在するように配置されており、前記封止部材Mにより封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が前記封止部材Mから露出した第2のフレームと、前記封止部材内で前記半導体チップの上方に配置され且つ前記半導体チップの前記上部電極に電気的に接続された第1接合部と、前記第2のフレームの一端部の上面の前記接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、前記封止部材内で、前記半導体チップの前記上部電極と前記接続子の前記第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、前記封止部材M内で、前記接続子の前記第2接合部と前記第2のフレームの上面の前記接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備えた半導体装置の製造方法であって、
前記接続子の前記第1接合部と前記第2接合部との間の下面の中間領域に、前記第2の導電性接合材が、前記第1接合部と前記半導体チップの前記上部電極との間から前記中間領域に漏れ広がるのを抑制する前記金属の酸化膜を、前記接続子を構成する前記金属へのレーザ照射により形成する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係る半導体装置は、封止部材と、封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が封止部材により封止され、一端部の上面に、半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が封止部材から露出した第1のフレームと、封止部材内で、半導体チップの下部電極と第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、第1の方向に延在するように配置されており、封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が封止部材から露出した第2のフレームと、封止部材内で半導体チップの上方に配置され且つ半導体チップの上部電極に電気的に接続された第1接合部と、第2のフレームの一端部の上面の接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、封止部材内で、半導体チップの上部電極と接続子の第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、封止部材内で、接続子の第2接合部と第2のフレームの上面の接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備える。
【0026】
そして、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材が、第1接合部と半導体チップの上部電極との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜が形成されており、酸化膜は、接続子を構成する金属へのレーザ照射により形成されている。
【0027】
このように、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域へのレーザ照射により、接続子を焼損、すなわち、接続子の当該中間領域に酸化膜を形成することより、当該中間領域の酸化膜により、はんだ材が濡れ広がらなくなる。
【0028】
これにより、本発明の半導体装置によれば、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A図1Aは、実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す上面図である。
図1B図1Bは、実施例1に係る図1Aに示す半導体装置100の構成の一例を示す側面図である。
図2A図2Aは、実施例1に係る半導体装置100の製造方法における、当該半導体装置100の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図2C図2Cは、図2Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。
図2D図2Dは、図2B図2Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
図3A図3Aは、実施例2に係る半導体装置100の製造方法における、当該半導体装置100の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図3B図3Bは、図3Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図3C図3Cは、図3Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。
図3D図3Dは、図3B図3Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
図4A図4Aは、実施例3に係る半導体装置100の製造方法における、当該半導体装置100の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。
図4C図4Cは、図4Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。
図4D図4Dは、図4B図4Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
図5A図5Aは、従来の半導体装置の接続子の近傍の領域に注目した構成の一例を示す側面図である。
図5B図5Bは、図5Aに示す従来の半導体装置の接続子の近傍の領域に注目した構成の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明に係る実施形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0031】
図1Aは、実施例1に係る半導体装置100の構成の一例を示す上面図である。また、図1Bは、実施例1に係る図1Aに示す半導体装置100の構成の一例を示す側面図である。
【0032】
なお、図1A図1Bにおいて、封止部材Mは、透視されるように表記されている。
【0033】
実施例1に係る半導体装置100は、例えば、図1A図1Bに示すように、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える。
そして、封止部材Mは、例えば、エポキシ樹脂等の封止樹脂である。
【0034】
この封止部材Mは、例えば、図1A図1Bに示すように、半導体チップX、第1のフレームF1の一端部F1a、第2のフレームF2の一端部F2a、第1の導電性接合材Z1、第2の導電性接合材Z2、第3の導電性接合材Z3、及び、接続子Sを、封止するようになっている。
【0035】
また、半導体チップXは、例えば、図1A図1Bに示すように、封止部材Mにより封止され、上面に設けられた上部電極X2と、下面に設けられた下部電極X1とを有する。
【0036】
この半導体チップXは、例えば、ダイオードである。この場合、例えば、当該ダイオードのアノードが上部電極X2に対応し、当該ダイオードのカソードが下部電極X1に対応するが、逆の関係であってもよい。
【0037】
また、この半導体チップXは、上述のダイオード以外の半導体素子に適用するようにしてもよい。
【0038】
また、第1のフレームF1は、例えば、図1A図1Bに示すように、第1の方向D1に延在するように配置されている。
【0039】
そして、この第1のフレームF1は、その一端部F1aが封止部材Mにより封止され、当該一端部F1aの上面に、半導体チップXが配置される搭載領域を有する。
【0040】
この第1のフレームF1は、その他端部F1bが封止部材Mから露出(突出)している。
【0041】
また、第1の導電性接合材Z1は、封止部材M内で、半導体チップXの下部電極X1と第1のフレームF1の上面の搭載領域との間を接合するようになっている。
【0042】
この第1の導電性接合材Z1は、導電性を有する。この第1の導電性接合材Z1は、例えば、はんだ材である。
【0043】
ここで、例えば、図1Aに示すように、第1のフレームF1の一端部F1aに近接した領域には、半導体チップXの下部電極X1と第1のフレームF1の搭載領域との接合時に、第1の導電性接合材Z1が第1のフレームF1の他端部F1b側に流れるのを防止する溝F1kが形成されている。
【0044】
また、第2のフレームF2は、第1の方向D1に延在するように配置されており、封止部材Mにより封止された一端部F2aの上面に接続領域を有し、他端部が封止部材Mから露出している。
【0045】
また、接続子Sは、例えば、図1A図1Bに示すように、封止部材M内で半導体チップXの上方に配置されている。
【0046】
この接続子Sは、例えば、図1A図1Bに示すように、第1接合部Saと、第1傾斜部Sbと、中間部Scと、第2傾斜部Sdと、第2接合部Seと、を含む。
【0047】
そして、第1接合部Saは、半導体チップXの上部電極X2に第2の導電性接合材Z2により電気的に接続されている。
【0048】
また、第2接合部Seは、第2のフレームF2の一端部F2aの上面の接続領域と第3の導電性接合材Z3により電気的に接続されている。
【0049】
また、第1傾斜部Sbは、一端が第1接合部Saに接続され且つ第1接合部Saから上方に傾斜している。
【0050】
また、中間部Scは、一端が第1傾斜部Sbの他端に接続されている。
【0051】
また、第2傾斜部Sdは、一端が中間部Scの他端に接続され、他端が第2接合部Seに接合されている。この第2傾斜部Sdは、中間部Scから第2接合部Seに向けて下方に傾斜している。
【0052】
なお、接続子Sの下面の既述の中間領域は、第1傾斜部Sbの下面、中間部Scの下面、及び、第2傾斜部Sdの下面を含んでいる。
【0053】
ここで、例えば、図1Bに示すように、接続子Sの第1接合部Saと第2接合部Seとの間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材Z2が、第1接合部Saと半導体チップの上部電極X2との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜L1が形成されている。そして、この酸化膜L1は、接続子Sを構成する当該金属へのレーザ照射により形成されている。
【0054】
なお、この接続子Sを構成する金属は、例えば、銅である。この場合、酸化膜L1は、酸化銅膜である。
【0055】
そして、酸化膜L1は、例えば、接続子Sの下面の中間領域の、第1の方向D1に直交する第2の方向D2(幅方向)の両端に亘って連続して形成されている。
【0056】
また、酸化膜L1は、例えば、図1Bに示すように、少なくとも、接続子Sの下面の中間領域の第1接合部Saに近接する部分に形成されている。
【0057】
そして、酸化膜L1は、例えば、図1Bに示すように、第1傾斜部Sbの下面の全体に亘って、形成されている。
【0058】
特に、酸化膜L1は、例えば、図1Bに示すように、第1傾斜部Sb及び中間部Scの下面の全体に亘って、形成されている。
【0059】
なお、酸化膜L1は、例えば、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれる前の金属板のうち接続子Sの中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成されているようにしてもよい。
【0060】
また、酸化膜L1は、例えば、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板のうち接続子Sの中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成されているようにしてもよい。
【0061】
また、第2の導電性接合材Z2は、封止部材M内で、半導体チップXの上部電極X2と接続子Sの第1接合部Saとの間を接合するようになっている。
【0062】
この第2の導電性接合材Z2は、導電性を有する。この第2の導電性接合材Z2は、例えば、はんだ材である。
【0063】
また、第3の導電性接合材Z3は、封止部材M内で、接続子Sの第2接合部Seと第2のフレームF2の上面の接続領域との間を接合するようになっている。
【0064】
この第3の導電性接合材Z3は、導電性を有する。この第3の導電性接合材Z3は、例えば、はんだ材である。
【0065】
ここで、接続子Sは、例えば、金属からなる。より具体的には、この接続子Sは、銅で構成されている。
【0066】
なお、この接続子Sの上下方向の厚さは、例えば、第1及び第2のフレームF1、F2の上下方向の厚さよりも、薄くなるように設定されている。
【0067】
なお、第1の方向D1に直交する第2の方向D2における接続子Sの第1接合部Saの幅は、例えば、図1A図1Bに示すように、当該第2の方向D2における半導体チップXの上部電極X2の幅よりも、小さくなるように設定されている。
【0068】
さらに、第2の方向D2における接続子Sの第1接合部Saの幅は、例えば、図1A図1Bに示すように、第2の方向D2における半導体チップXの上面の幅よりも、小さくなるように設定されている。
【0069】
なお、例えば、接続子Sの第1接合部Saには、接続子Sの第1接合部Saの中央を下方に打ち出すことで形成された下方に突出する突出部(図示せず)が設けられていてもよい。この場合、この突出部(図示せず)が封止部材M内で半導体チップXの上部電極X2の上面に第2の導電性接合材Z2を介して電気的に接続されている。
さらに、接続子Sの第1接合部Saの面積は、例えば、半導体チップXの上部電極X2の上面の面積より大きくなるように設定されていてもよい。
【0070】
なお、第2の方向D2における接続子Sの第1接合部Saの幅は、例えば、第2の方向D2における第1のフレームF1の一端部F1aの搭載領域の幅よりも、大きくなるように設定されていてもよい。
なお、封止部材M内において、例えば、図1A図1Bに示すように、第1のフレームF1の一端部F1aの上面の高さは、第2のフレームF2の一端部F2aの上面の高さと同じになるように設定されている。
【0071】
ここで、以上のような構成を有する半導体装置の製造方法の一例について、接続子Sの構成に注目して、簡単に説明する。
【0072】
図2Aは、実施例1に係る半導体装置の製造方法における、当該半導体装置の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図2Bは、図2Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図2Cは、図2Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。また、図2Dは、図2B図2Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
【0073】
既述のように、半導体装置100は、封止部材Mと、半導体チップXと、第1のフレームF1と、第2のフレームF2と、第1の導電性接合材Z1と、第2の導電性接合材Z2と、第3の導電性接合材Z3と、接続子Sと、を備える(図1A図1B)。
そして、実施例1に係る半導体装置100の製造方法では、例えば、図2Aないし図2Dに示すように、接続子Sの第1接合部Saと第2接合部Seとの間の下面の中間領域に、第2の導電性接合材Z2が、第1接合部Saと半導体チップXの上部電極X2との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜L1を、接続子Sを構成する金属へのレーザ照射により形成する。
【0074】
なお、酸化膜L1を、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれる前の金属板Pのうち接続子Sの中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成するようにしてもよい(図2A)。
【0075】
また、酸化膜L1を、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pのうち接続子Sの中間領域に対応する領域の表面へのレーザ照射により形成するようにしてもよい。
【0076】
以上のように、本実施例1に係る半導体装置は、封止部材Mと、封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップXと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が封止部材により封止され、一端部の上面に、半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が封止部材から露出した第1のフレームF1と、封止部材内で、半導体チップの下部電極と第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、第1の方向に延在するように配置されており、封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が封止部材から露出した第2のフレームF2と、封止部材内で半導体チップの上方に配置され且つ半導体チップの上部電極に電気的に接続された第1接合部Saと、第2のフレームの一端部の上面の接続領域と電気的に接続された第2接合部Seと、を有し、金属からなる接続子Sと、封止部材内で、半導体チップの上部電極と接続子の第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、封止部材内で、接続子の第2接合部と第2のフレームの上面の接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備える。
【0077】
そして、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材が、第1接合部と半導体チップの上部電極との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜L1が形成されており、酸化膜L1は、接続子を構成する金属へのレーザ照射により形成されている。
【0078】
このように、接続子Sの第1接合部Saと第2接合部Seとの間の下面の中間領域へのレーザ照射により、接続子を焼損、すなわち、接続子の当該中間領域に酸化膜L1を形成することより、当該中間領域の酸化膜L1により、はんだ材が濡れ広がらなくなる。
【0079】
すなわち、本実施例の半導体装置によれば、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることができる。
【実施例2】
【0080】
既述の実施例1では、半導体装置100の接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制する構成、製造方法の一例について説明した。本実施例2では、半導体装置の接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制する製造方法の他の例について説明する。
【0081】
図3Aは、実施例2に係る半導体装置の製造方法における、当該半導体装置の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図3Bは、図3Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図3Cは、図3Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。また、図3Dは、図3B図3Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
【0082】
本実施例2では、実施例1の酸化膜L1に代えて、図3Aないし図3Dに示すように、接続子Sの第1接合部Saと第2接合部Seとの間の下面の中間領域に、第2の導電性接合材Z2が、第1接合部Saと半導体チップXの上部電極X2との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜L2を、接続子Sを構成する金属へのレーザ照射により形成する。
【0083】
ここで、例えば、図3Aないし図3Dに示すように、酸化膜L2は、接続子Sの第1傾斜部Sb及び中間部Scの下面の全体に亘って、形成されている。
【0084】
なお、本実施例2に係る半導体装置のその他の構成は、実施例1と同様である。
【0085】
すなわち、本実施例2に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材が、第1接合部と半導体チップの上部電極との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜が形成されており、酸化膜は、接続子を構成する金属へのレーザ照射により形成されている。
【0086】
これにより、本実施例2に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域へのレーザ照射により、接続子を焼損、すなわち、接続子の当該中間領域に酸化膜を形成することより、当該中間領域の酸化膜により、はんだ材が濡れ広がらなくなる。
【0087】
すなわち、本実施例2の半導体装置によれば、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることができる。
【実施例3】
【0088】
既述の実施例2では、半導体装置の接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制する製造方法の他の例について説明した。本実施例3では、半導体装置の接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制する製造方法のさらに他の例について説明する。
【0089】
図4Aは、実施例3に係る半導体装置の製造方法における、当該半導体装置の接続子Sに加工する前のレーザ照射後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図4Bは、図4Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す上面図である。また、図4Cは、図4Aに示す工程の後における、成形プレスで接続子Sの外形が打ち抜かれた後の金属板Pの外観の一例を示す側面図である。 また、図4Dは、図4B図4Cに示す工程の後における、金属版Pから切り離された接続子Sの外観の一例を示す側面図である。
【0090】
本実施例3では、実施例1の酸化膜L1に代えて、図4Aないし図4Dに示すように、接続子Sの第1接合部Saと第2接合部Seとの間の下面の中間領域に、第2の導電性接合材Z2が、第1接合部Saと半導体チップXの上部電極X2との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜L3a、L3bを、接続子Sを構成する金属へのレーザ照射により形成する。
【0091】
ここで、例えば、図4A図4Bに示すように、酸化膜L3a、L3bは、第1傾斜部Sbの下面の第2の方向D2の両端に亘って複数(図 の例では、2本)連続して、形成されているようにしてもよい。
【0092】
なお、本実施例3に係る半導体装置のその他の構成は、実施例1と同様である。
【0093】
すなわち、本実施例3に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材が、第1接合部と半導体チップの上部電極との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜が形成されており、酸化膜は、接続子を構成する金属へのレーザ照射により形成されている。
【0094】
これにより、本実施例3に係る半導体装置は、実施例1と同様に、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域へのレーザ照射により、接続子を焼損、すなわち、接続子の当該中間領域に酸化膜を形成することより、当該中間領域の酸化膜により、はんだ材が濡れ広がらなくなる。
【0095】
すなわち、本実施例3の半導体装置によれば、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることができる。
【0096】
以上のように、本発明の一態様に係る半導体装置は、封止部材と、封止部材により封止され、上面に設けられた上部電極と、下面に設けられた下部電極とを有する半導体チップと、第1の方向に延在するように配置されており、一端部が封止部材により封止され、一端部の上面に、半導体チップが配置される搭載領域を有し、他端部が封止部材から露出した第1のフレームと、封止部材内で、半導体チップの下部電極と第1のフレームの上面の搭載領域との間を接合し且つ導電性を有する第1の導電性接合材と、第1の方向に延在するように配置されており、封止部材により封止された一端部の上面に接続領域を有し、他端部が封止部材から露出した第2のフレームと、封止部材内で半導体チップの上方に配置され且つ半導体チップの上部電極に電気的に接続された第1接合部と、第2のフレームの一端部の上面の接続領域と電気的に接続された第2接合部と、を有し、金属からなる接続子と、封止部材内で、半導体チップの上部電極と接続子の第1接合部との間を接合し且つ導電性を有する第2の導電性接合材と、封止部材内で、接続子の第2接合部と第2のフレームの上面の接続領域との間を接合し且つ導電性を有する第3の導電性接合材と、を備える。
【0097】
そして、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域には、第2の導電性接合材が、第1接合部と半導体チップの上部電極との間から中間領域に漏れ広がるのを抑制する金属の酸化膜が形成されており、酸化膜は、接続子を構成する金属へのレーザ照射により形成されている。
【0098】
このように、接続子の第1接合部と第2接合部との間の下面の中間領域へのレーザ照射により、接続子を焼損、すなわち、接続子の当該中間領域に酸化膜を形成することより、当該中間領域の酸化膜により、はんだ材が濡れ広がらなくなる。
【0099】
これにより、本発明の半導体装置によれば、接合時のはんだ材の接続子への漏れ広がりを抑制して、半導体チップの信頼性を向上させることができる。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0101】
100 半導体装置
M 封止部材
X 半導体チップ
F1 第1のフレーム
F2 第2のフレーム
Z1 第1の導電性接合材
Z2 第2の導電性接合材
Z3 第3の導電性接合材
S 接続子
Sa 第1接合部
Sb 第1傾斜部
Sc 中間部
Sd 第2傾斜部
Se 第2接合部
F1k 溝
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B