IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラリオン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-駐車支援装置 図1
  • 特許-駐車支援装置 図2
  • 特許-駐車支援装置 図3
  • 特許-駐車支援装置 図4
  • 特許-駐車支援装置 図5
  • 特許-駐車支援装置 図6
  • 特許-駐車支援装置 図7
  • 特許-駐車支援装置 図8
  • 特許-駐車支援装置 図9
  • 特許-駐車支援装置 図10
  • 特許-駐車支援装置 図11
  • 特許-駐車支援装置 図12
  • 特許-駐車支援装置 図13
  • 特許-駐車支援装置 図14
  • 特許-駐車支援装置 図15
  • 特許-駐車支援装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】駐車支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20221206BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20221206BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
B60R99/00 330
B60R99/00 351
G01C21/26 A
G06T1/00 330Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018120666
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020001479
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 公児
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-143410(JP,A)
【文献】特開2018-030580(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068698(WO,A1)
【文献】特開2009-101984(JP,A)
【文献】特開2015-227139(JP,A)
【文献】特開2016-060238(JP,A)
【文献】国際公開第2017/072956(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 99/00
G01C 21/26
G08G 1/16
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の状況を周期的に検出する検出部の検出結果に基づいて、前記車両が駐車可能な駐車可能領域を周期的に検出する駐車領域検出部と、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域から、前記車両の駐車候補となる駐車候補領域を選定する選定処理を実行する候補領域選定部と、
前記候補領域選定部が選定した前記駐車候補領域に駐車位置を示す駐車位置画像が重畳された前記車両の周囲の画像を表示部に表示させる駐車位置表示を実行する表示制御部と、を備え、
前記選定処理は、推奨選定処理と、前記推奨選定処理の前に実行される前記推選定処理と異なる他の選定処理とを含み、
前記候補領域選定部は、前記推奨選定処理において、
前記駐車位置表示を開始してから所定期間が経過しているか否かを判別し、
前記所定期間が経過したと判別した場合、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域から前記駐車候補領域を選定し、
前記所定期間が経過していないと判別した場合、前記他の選定処理で前記駐車候補領域として選定した前記駐車可能領域と、前回の前記選定処理において選定した前記駐車候補領域とが同じ領域であるか否かを判別し、
同じ領域であると判別した場合、予め定められた距離を引いた、前記他の選定処理で前記駐車候補領域として選定した前記駐車可能領域と前記車両との離間距離を算出し、予め定められた数以下で、且つ、前記車両の現在位置からの離間距離が短い順に、前記駐車候補領域を選定する、
ことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記他の選定処理は、重なり選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記重なり選定処理において、
少なくとも一部が重なり合う複数の前記駐車可能領域を前記駐車領域検出部が検出した場合、予め定められた優先順位に基づいて、1の前記駐車可能領域を前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記車両の現在位置から前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域までの走行経路を算出する経路算出部を備え、
前記他の選定処理は、経路選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記経路選定処理において、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記経路算出部が前記走行経路を算出できた前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記車両の周囲に存在する障害物を検出し、
前記他の選定処理は、障害物選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記障害物選定処理において、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記検出部が領域内に前記障害物を検出していない前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記他の選定処理は、表示範囲選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記表示範囲選定処理において、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記表示部の表示領域に少なくとも一部が含まれる前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記他の選定処理は、傾き選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記傾き選定処理において、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記車両の前後方向に対する傾きが所定範囲内である前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記他の選定処理は、車両重なり選定処理であり、
前記候補領域選定部は、前記車両重なり選定処理において、
前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記車両と重ならない前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
前記候補領域選定部は、
選定した前記駐車候補領域が複数ある場合、前記車両の駐車が推奨される第1の駐車候補領域と、前記第1の駐車候補領域と異なる第2の駐車候補領域とを選定する、
ことを特徴とする請求項1から7に記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記第1の駐車候補領域に重畳する前記駐車位置画像と、前記第2の駐車候補領域に重畳する前記駐車位置画像との表示態様を異ならせる、
ことを特徴とする請求項8に記載の駐車支援装置。
【請求項10】
前記駐車位置画像は、駐車枠を示す駐車枠画像である、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が駐車可能な駐車位置を表示して、車両の駐車を支援する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1は、撮像画像から車両の周辺に存在する障害物を検出し、障害物の検出結果に基づいて空きスペースを検出し、検出した空きスペースのうち車両が駐車可能な駐車スペースを駐車位置として表示する駐車支援装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-215691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、撮像画像に基づいて駐車位置を決定しているため、車両の変位や車両周囲の状況変化による画像変化や、撮像画像の誤認識等に起因して、表示している駐車位置が安定せず、ユーザーに違和感や不快感等を与える虞がある。
そこで、本発明は、車両が駐車可能な駐車位置を安定して表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の駐車支援装置は、車両の周囲の状況を周期的に検出する検出部の検出結果に基づいて、前記車両が駐車可能な駐車可能領域を周期的に検出する駐車領域検出部と、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域から、前記車両の駐車候補となる駐車候補領域を選定する選定処理を実行する候補領域選定部と、前記候補領域選定部が選定した前記駐車候補領域に駐車位置を示す駐車位置画像が重畳された前記車両の周囲の画像を表示部に表示させる駐車位置表示を実行する表示制御部と、を備え、前記選定処理は、推奨選定処理と、前記推奨選定処理の前に実行される前記推選定処理と異なる他の選定処理とを含み、前記候補領域選定部は、前記推奨選定処理において、前記駐車位置表示を開始してから所定期間が経過しているか否かを判別し、前記所定期間が経過したと判別した場合、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域から前記駐車候補領域を選定し、前記所定期間が経過していないと判別した場合、前記他の選定処理で前記駐車候補領域として選定した前記駐車可能領域と、前回の前記選定処理において選定した前記駐車候補領域とが同じ領域であるか否かを判別し、同じ領域であると判別した場合、予め定められた距離を引いた、前記他の選定処理で前記駐車候補領域として選定した前記駐車可能領域と前記車両との離間距離を算出し、予め定められた数以下で、且つ、前記車両の現在位置からの離間距離が短い順に、前記駐車候補領域を選定する、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記他の選定処理は、重なり選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記重なり選定処理において、少なくとも一部が重なり合う複数の前記駐車可能領域を前記駐車領域検出部が検出した場合、予め定められた優先順位に基づいて、1の前記駐車可能領域を前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0007】
また、本発明は、前記車両の現在位置から前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域までの走行経路を算出する経路算出部を備え、前記他の選定処理は、経路選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記経路選定処理において、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記経路算出部が前記走行経路を算出できた前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0008】
また、本発明は、前記検出部は、前記車両の周囲に存在する障害物を検出し、前記他の選定処理は、障害物選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記障害物選定処理において、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記検出部が領域内に前記障害物を検出していない前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0009】
また、本発明は、前記他の選定処理は、表示範囲選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記表示範囲選定処理において、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記表示部の表示領域に少なくとも一部が含まれる前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0010】
また、本発明は、前記他の選定処理は、傾き選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記傾き選定処理において、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記車両の前後方向に対する傾きが所定範囲内である前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0011】
また、本発明は、前記他の選定処理は、車両重なり選定処理であり、前記候補領域選定部は、前記車両重なり選定処理において、前記駐車領域検出部が検出した前記駐車可能領域のうち、前記車両と重ならない前記駐車可能領域を、前記駐車候補領域として選定する、構成としてもよい。
【0013】
また、本発明は、前記候補領域選定部は、選定した前記駐車候補領域が複数ある場合、前記車両の駐車が推奨される第1の駐車候補領域と、前記第1の駐車候補領域と異なる第2の駐車候補領域とを選定する、構成としてもよい。
【0014】
また、本発明は、前記表示制御部は、前記第1の駐車候補領域に重畳する前記駐車位置画像と、前記第2の駐車候補領域に重畳する前記駐車位置画像との表示態様を異ならせる、構成としてもよい。
【0015】
また、本発明は、前記駐車位置画像は、駐車枠を示す駐車枠画像である、構成としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、車両が駐車可能な駐車位置を安定して表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】駐車支援装置を搭載する自車両の構成を示す図である。
図2】車外撮影カメラ、及びソナーを説明するための図である。
図3】周囲画像の一例を示す図である。
図4】駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図5】選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図6】重なり選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図7】重なり選定処理を説明するための図である。
図8】経路選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図9】障害物選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図10】表示範囲選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図11】表示範囲選定処理を説明するための図である。
図12】傾き選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図13】傾き選定処理を説明するための図である。
図14】車両重なり選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
図15】車両重なり選定処理を説明するための図である。
図16】推奨選定処理における駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、駐車支援装置2を搭載する自車両1(車両)の構成を示す図である。
自車両1は、駐車支援装置2を搭載する車両である。以下の説明では、自車両1と異なる他の車両を「他車両」といい、符号300を付す。
【0019】
自車両1は、運転者を含む乗員が搭乗し、運転者が運転可能な車両である。自車両1は、運転者が運転に関する操作を行うことで走行する手動運転が可能な車両でもよいし、運転者が運転に関する操作を行うことなく自動的に走行する自動運転が可能な車両でもよい。また、自車両1は、例えばエンジン駆動の四輪車両や、モーター駆動式の電動車両、モーター及びエンジンを搭載したハイブリット車両等の車両である。なお、自車両1は、四輪車両以外の車両でもよい。
【0020】
駐車支援装置2は、自車両1を手動運転或いは自動運転による駐車に際し、自車両1の運転者を含むユーザーを支援する装置である。駐車支援装置2は、専用装置であってもよく、ナビゲーション機能を有するナビゲーション装置の機能の一部として構成されてもよく、また、自動運転を制御する制御装置の機能の一部として構成されてもよい。
駐車支援装置2は、制御部20と、記憶部21とを備える。
【0021】
制御部20は、ハードウェアとしてCPU、ROM、RAM及びその他の周辺回路(いずれも不図示)を備え、駐車支援装置2の各部を制御する。CPUは、演算処理を実行するプロセッサーであり、ROMや記憶部21が記憶する制御プログラム21Aに従って演算処理を実行する。ROMは、不揮発性のメモリーであり、例えば、制御プログラム21Aや演算データを記憶する。RAMは、プロセッサーが実行する制御プログラム21Aや演算データを一時記憶するワークエリアとして使用される。
【0022】
制御部20は、機能ブロックとして、駐車領域検出部201、候補領域選定部202、経路算出部203、表示制御部204、及び、現在位置特定部205を備える。制御部20の各機能ブロックは、CPUが制御プログラム21Aに従って演算処理を実行することで実現される機能をブロックとして便宜的に示したものであり、特定のアプリケーションソフトウェアやハードウェアを示すものではない。各機能ブロックについては、後述する。
【0023】
記憶部21は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。記憶部21は、RAM等の揮発性メモリーを含んでもよい。記憶部21は、上記制御プログラム21Aを記憶する。
【0024】
駐車支援装置2には、GPS受信部3、相対方位検出部4、車速センサー5、記憶装置6、タッチパネル7(表示部)、カメラインターフェース8(以下、「カメラI/F8」と表記する)、及び、ソナーインターフェース9(以下、「ソナーI/F9」と表記する)が接続する。
【0025】
GPS受信部3は、GPSアンテナ3Aを介してGPS衛星から送信されるGPS信号を周期的に受信する。そして、GPS受信部3は、受信したGPS信号に基づいて、自車両1とGPS衛星間の距離及び距離の変化率を所定数以上の衛星に対して測定することにより、自車両1の絶対位置(緯度、経度)を算出する。GPS受信部3は、自車両1の絶対位置を示す絶対位置情報を駐車支援装置2に出力する。また、GPS受信部3は、自車両1の進行方向の方角(以下、「方位」という。)を算出し、自車両1の方位を示す方位情報を駐車支援装置2に出力する。
【0026】
相対方位検出部4は、加速度センサー41とジャイロセンサー42とを備える。加速度センサー41は、自車両1に作用する加速度(例えば、進行方向に対する自車両1の傾き)を検出する。ジャイロセンサー42は、例えば振動ジャイロにより構成され、自車両1の相対的な方位(例えば、ヨー軸方向の旋回量)を検出する。相対方位検出部4は、検出した相対方位を示す相対方位情報を駐車支援装置2に出力する。
【0027】
車速センサー5は、車軸の単位時間当たりの回転数を検出し、検出した回転数に基づいて自車両1の車速を周期的に取得する。車速センサー5は、検出した自車両1の車速を示す車速情報を駐車支援装置2に出力する。
【0028】
記憶装置6は、ハードディスクや、EEPROM、SSD等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。記憶装置6は、地図データ6Aを記憶する。
【0029】
地図データ6Aは、道路地図情報や、各種施設等の施設情報、マップマッチング用のデータ等を格納するデータである。道路地図情報は、地図上の道路を線で表現した道路ネットワークからなり、交差点や分岐点等をノードとして複数の部分に分割し、各ノード間の部分をリンクとして規定したリンク情報を含む。リンク情報は、リンク固有のリンクID、リンク長、リンクの始点及び終点の位置(経度、緯度)、リンクの方角、リンクに対応する道路の種別等の情報を含む。
【0030】
タッチパネル7は、表示パネル71と、タッチセンサー72を備える。表示パネル71は、液晶ディスプレイやEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等により構成され、駐車支援装置2の制御の下、各種情報を表示する。タッチセンサー72は、表示パネル71に重ねて、或いは一体に設けられ、ユーザーのタッチ操作を検出し、検出結果を駐車支援装置2に出力する。駐車支援装置2は、タッチセンサー72の検出結果に対応する処理を実行する。
【0031】
カメラI/F8は、駐車支援装置2の制御で、車外を撮影する車外撮影カメラ80(検出部)と通信する。
自車両1には、前方カメラ81、右側方カメラ82、左側方カメラ83、及び後方カメラ84の4台の車外撮影カメラ80が設けられる。
【0032】
図2は、車外撮影カメラ80、及び、ソナー90(検出部)を説明するための図である。ソナー90については、後述する。
【0033】
前方カメラ81は、自車両1の前方を撮影する車外撮影カメラ80である。前方カメラ81は、例えば自車両1において前方の位置に設けられる。なお、自車両1の前方とは、自車両1においてヘッドライトやフロントガラス等が設けられる方向である。
右側方カメラ82は、自車両1の右側方を撮影する車外撮影カメラ80である。右側方カメラ82は、例えば自車両1において右側方の位置に設けられる。なお、自車両1の右側方とは、自車両1の前方を向いた際の右側の方向である。
左側方カメラ83は、自車両1の左側方を撮影する車外撮影カメラ80である。左側方カメラ83は、例えば自車両1において左側方の位置に設けられる。なお、自車両1の左側方とは、自車両1の前方を向いた際の左側の方向である。
後方カメラ84は、自車両1の後方を撮影する車外撮影カメラ80である。後方カメラ84は、例えば自車両1において後方の位置に設けられる。なお、自車両1の後方とは、自車両1においてリアガラス等が設けられる方向である。
4台の車外撮影カメラ80のそれぞれは、4台の車外撮影カメラ80で自車両1を中心に360°の範囲を撮影可能に画角が調整されている。
【0034】
なお、図2は、車外撮影カメラ80が自車両1のどの位置に設けられるかを便宜的に示した図であり、実際に車外撮影カメラ80が車体外部に設けられていることを示す図ではない。
【0035】
車外撮影カメラ80のそれぞれは、所定の周期で撮影を実行し、撮影結果に基づいて撮影画像データを生成し、生成した撮影画像データを、カメラインターフェース8を介して、駐車支援装置2に出力する。なお、車外撮影カメラ80により車外を撮影することは、「車外撮影カメラ80により自車両1の周囲の状況を検出する」ことに相当する。
【0036】
なお、自車両1に設けられる車外撮影カメラ80の態様は、図2の態様に限定されない。すなわち、自車両1を中心に360°の範囲を撮影可能であれば、自車両1に設けられる車外撮影カメラ80の台数は、更に多くてもよく、少なくてもよい。例えば、自車両1には、前方、右前方、右側方、右後方、後方、左後方、左側方、及び左前方を撮影する8台の車外撮影カメラ80が設けられていてもよい。
【0037】
図1を参照して、ソナーI/F9は、駐車支援装置2の制御で、自車両1の周囲に存在する物体を検出するソナー90と通信する。自車両1には、前方ソナー91、右前側方ソナー92、右後側方ソナー93、左前側方ソナー94、左後側方ソナー95、及び後方ソナー96の6台のソナー90が設けられる。
【0038】
図2を参照して、前方ソナー91は、自車両1において前方の位置に設けられ、自車両1の前方に存在する物体を検出するソナー90である。
右前側方ソナー92は、自車両1において右側方の前方側の位置に設けられ、自車両1の右側方のうち右前方に存在する物体を検出するソナー90である。
右後側方ソナー93は、自車両1において右側方の後方側の位置に設けられ、自車両1の右側方のうち右後方に存在する物体を検出するソナー90である。
左前側方ソナー94は、自車両1において左側方の前方側の位置に設けられ、自車両1の左側方のうち左前方に存在する物体を検出するソナー90である。
左後側方ソナー95は、自車両1において左側方の後方側の位置に設けられ、自車両1の左側方のうち左後方に存在する物体を検出するソナー90である。
後方ソナー96は、自車両1において後方の位置に設けられ、自車両1の後方に存在する物体を検出するソナー90である。
【0039】
なお、図2では、車外撮影カメラ80と同様、実際にソナー90が車体外部に設けられていることを示す図ではない。
【0040】
ソナー90のそれぞれは、所定の周期で、超音波を用いて自車両1の周囲に存在する物体を検出し、検出結果をソナーI/F9を介して駐車支援装置2に出力する。
なお、自車両1に設けられるソナー90の態様は、図2の態様に限定されない。自車両1に設けられるソナー90の台数は、更に多くてもよく、少なくてもよい。
【0041】
以上の構成の下、駐車支援装置2は、図3に示すような、自車両1の周囲の画像である周囲画像SIGをタッチパネル7に表示させ、自車両1の駐車に際してユーザーを支援する。
【0042】
図3は、周囲画像SIGの一例を示す図である。
図3は、タッチパネル7の表示パネル71の表示領域71Aに表示される周囲画像SIGを例示している。
【0043】
図3に示すように、周囲画像SIGは、自車両1を俯瞰した俯瞰画像である。なお、自車両1を俯瞰した俯瞰画像とは、自車両1の全体、及び自車両1の周辺を上から見た様子の画像である。
【0044】
図3に示す周囲画像SIGは、自車両1が、例えば駐車場等の駐車スペース110が複数設けられた場所に位置する場合の画像を示している。図3に示す周囲画像SIGは、自車両1の左側方に、駐車枠線100で区分けされた駐車スペース110を4つ含んでいる。
【0045】
駐車スペース111は、他車両300や、自車両1の駐車に際して障害となる物体(以下、「障害物」という)が存在しない駐車スペース110であって、自車両1が駐車可能な駐車スペース110でもある。以下の説明において、自車両1が駐車可能な駐車スペース110を、「駐車可能スペース」(駐車可能領域)といい、符号210を付す。
駐車スペース112は、駐車可能スペース210である。
駐車スペース113は、他車両300が存在する駐車スペース110であり、自車両1が駐車不可能な駐車スペース110である。
駐車スペース114は、他車両300が存在しない駐車スペース110である。しかし、図3に示す周囲画像SIGではタッチパネル7の表示領域71Aにおいて一部しか表示されないため、駐車スペース114は、駐車可能スペース210の対象とならない駐車スペース110である。
【0046】
図3に示すように、タッチパネル7は、駐車可能スペース210である駐車スペース111、112に、駐車位置を示す駐車位置画像CGを重畳して周囲画像SIGを表示している。駐車位置画像CGは、駐車枠を示す駐車枠画像CWGである。
【0047】
駐車枠画像CWGは、駐車支援装置2が最も自車両1の駐車を推奨する駐車位置を明示するための推奨駐車枠画像CWG1と、推奨駐車枠画像CWG1が明示する駐車位置以外の駐車位置について自車両1の駐車候補となる駐車位置を明示するための候補駐車枠画像CWG2とを、含む。推奨駐車枠画像CWG1と候補駐車枠画像CWG2とは、例えば色を異なる等の表示態様が異ならされて周囲画像SIGに重畳される。
図3では、駐車スペース112に推奨駐車枠画像CWG1が重畳されており、駐車スペース112に候補駐車枠画像CWG2が重畳されている。つまり、図3に示す周囲画像SIGは、駐車可能スペース210のうち、駐車スペース112が最も推奨される駐車位置であることを示し、駐車スペース111が自車両1の駐車候補となる駐車位置であることを示している。
【0048】
図3のような周囲画像SIGをタッチパネル7に表示させることで、駐車支援装置2は、自車両1の周囲に駐車可能スペース210が存在するのか否かをユーザーに認識させることができる。また、駐車支援装置2は、自車両1の周囲に存在する駐車可能スペース210のうち、最も推奨される駐車可能スぺース210がどの駐車可能スペース210であるかもユーザーに認識させることができる。したがって、駐車支援装置2は、自車両1の駐車に際してユーザーを支援できる。
【0049】
本実施形態の駐車支援装置2は、さらに以下の動作を実行することで、タッチパネル7を視認するユーザーに違和感を与えることなく、自車両1の駐車に際して十分な支援を行う。
【0050】
図4は、駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
図4では、駐車支援装置2に電源が投入されており、駐車支援装置2のシステムが起動していることを前提とする。
【0051】
以下、制御部20の機能ブロックである駐車領域検出部201、候補領域選定部202、経路算出部203、表示制御部204、及び現在位置特定部205の説明を通して、駐車支援装置2の動作について説明する。
【0052】
駐車支援装置2の制御部20の表示制御部204は、タッチパネル7に駐車位置表示を実行させるか否かを判別する(ステップSA1)。駐車位置表示とは、図3に示すような駐車枠画像CWGを重畳した周囲画像SIGを表示する動作である。例えば、表示制御部204は、タッチパネル7が駐車位置表示の実行指示を示すユーザーの操作を受け付けた場合、タッチパネル7に駐車位置表示を実行させると判別する(ステップSA1:YES)。また、例えば、表示制御部204は、現在位置特定部205が特定した自車両1の現在位置が、駐車場等の駐車スペース110を1又は複数有する場所内における位置を示す場合、タッチパネル7に駐車位置表示を実行させると判別する(ステップSA1:YES)。
【0053】
なお、現在位置特定部205は、以下のようにして自車両1の現在位置を特定する。
現在位置特定部205は、GPS受信部3から入力された絶対位置情報と方位情報、相対方位検出部4から入力された自車両1の相対方位情報、記憶装置6に記憶された地図データ6Aに含まれる各種情報、及び、車速センサー5から入力された車速情報に基づいて、自車両1の現在位置を特定する。例えば、現在位置特定部205は、相対方位検出部4等の各種センサーから入力される情報、及び、地図データ6Aに含まれる各種情報に基づいて、随時、自車両1の速度や、走行方向等を推定し、GPS受信部3からの入力に基づいて算出される自車両1の位置を、推定した走行速度や走行方向等に基づいて補正して自車両1の現在位置を特定する。なお、現在位置特定部205は、さらに種々の情報を加味して自車両1の現在位置を特定してもよい。また、現在位置特定部205は、GPS信号と併せて、GLONASS、Galileo、Beidou、QZSS(みちびき)などの測位衛星システムの信号を利用して、自車両1の現在位置を特定する構成であってもよい。また、現在位置特定部205は、GPS受信部3の受信状況に応じて、相対方位検出部4の検出結果や、車速センサー5が検出した自車両1の速度等に基づいて自立航法により自車両1の現在位置を算出して、自車両1の現在位置を特定してもよい。
【0054】
駐車支援装置2は、ステップSA1の処理を実行すると、ステップSA2以降の処理を実行する。駐車支援装置2は、ステップSA2以降の処理を、ステップSA6の処理で肯定判別するまで複数回実行する。駐車支援装置2は、複数回実行するステップSA2以降の処理について、本フローを開始してから初回の処理と2回目以降の処置とで異なる処理を実行する。以下では、初回の処理と、2回目以降の処理とで分けて、駐車支援装置2の動作を説明する。
【0055】
[初回の処理]
まず、本フローを開始してから初めてステップSA2以降の処理を実行する場合の駐車支援装置2の動作について説明する。
【0056】
表示制御部204がタッチパネル7に駐車位置表示を実行させると判別した場合(ステップSA1:YES)、制御部20の駐車領域検出部201は、車外撮影カメラ80が撮影した撮影画像、及びソナー90の検出結果に基づいて、駐車可能スペース210を検出する(ステップSA2)。駐車領域検出部201は、ステップSA2を実行する際、ステップSA2の実行するタイミングで入力された車外撮影カメラ80が撮影した撮影画像データ、及びソナー90の検出結果に基づいて、駐車可能スペース210を検出する。
【0057】
ステップSA2について、詳述する。
ステップS2では、まず、駐車領域検出部201は、自車両1を俯瞰した俯瞰画像を示す俯瞰画像データFGD(図7等参照)を生成する。なお、ここで、生成する俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像は、タッチパネル7が表示する周囲画像SIGに対応する画像領域の画像でも、対応しない画像領域の画像でもどちらでもよい。駐車領域検出部201は、前方カメラ81、右側方カメラ82、左側方カメラ83、及び後方カメラ84のそれぞれから入力される撮影画像データに基づいて、俯瞰画像データFGDを生成する。複数の車外撮影カメラ80から入力される撮影画像データに基づいて俯瞰画像データFGDを生成する処理は、既存の技術により適切に行われる。各車外撮影カメラ80は、同期して撮影を実行し、同期して撮影結果に基づく撮影画像データを駐車支援装置2に出力する。
【0058】
次いで、駐車領域検出部201は、生成した俯瞰画像データFGDを、所定の座標系が定義された所定の記憶領域に展開して、駐車可能スペース210を検出する。駐車領域検出部201は、パターンマッチング等の既存の技術を用いて、俯瞰画像データFGDから駐車枠線100や、他車両300を含む障害物等を予め定められた検出対象を検出する。また、駐車領域検出部201は、ソナー90の検出結果に基づいて、自車両1から他車両300を含む障害物までの離間距離や、障害物同士の離間距離等を検出する。駐車領域検出部201は、検出した駐車枠線100や、他車両300の離間距離等に基づいて1又は複数の駐車スペース110を検出する。そして、駐車領域検出部201は、自車両1より広い面積を有する駐車スペース110を駐車可能スペース210として特定する。
【0059】
図4のフローチャートの説明に戻り、駐車領域検出部201は、駐車可能スペース210を検出したか否かを判別する(ステップSA3)。駐車領域検出部201は、駐車可能スペース210を検出できないと判別した場合(ステップSA3:NO)、再度、駐車可能スペース210の検出を行う。
【0060】
一方で、駐車領域検出部201が駐車可能スペース210を検出したと判別した場合(ステップSA3:YES)、候補領域選定部202は、選定処理を実行する(ステップSA4)。
【0061】
図5は、選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
選定処理は、ステップSA2で検出した駐車可能スペース210から、自車両1が駐車の候補となる駐車候補スペース(駐車候補領域)を選定する処理である。
【0062】
候補領域選定部202は、重なり選定処理を実行する(ステップSB1)。
【0063】
図6は、重なり選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0064】
候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSC1)。候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSC1:「2回目以降」)、ステップSC8の処理を実行する。ステップSC8の処理については、後述する。
【0065】
一方で、候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSC1:「初回」)、ステップSA2で駐車領域検出部201が検出した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSC2)。
【0066】
次いで、候補領域選定部202は、特定した駐車可能スペース210に対して少なくとも一部が重なる駐車可能スペース210があるか否かを判別する(ステップSC3)。候補領域選定部202は、ステップSC2で特定した駐車可能スペース210に対して少なくとも一部が重なる駐車可能スペース210がないと判別した場合(ステップSC3:NO)、ステップSC2で特定した駐車可能スペース210を、駐車候補スペースとして選定する(ステップSC4)。
【0067】
一方で、候補領域選定部202は、特定した駐車可能スペース210に対して少なくとも一部が重なる駐車可能スペース210があると判別した場合(ステップSC3:YES)、予め定められた優先順位に基づいて、1の駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する(ステップSC5)。
【0068】
ここで、ステップSC5について詳述する。
図7は、重なり選定処理を説明するための図である。
【0069】
候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、重なり選定処理を実行する。
【0070】
図7の俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像は、自車両1と、自車両1の左側方に位置する駐車スペース115、116、117を含む。駐車スペース115、117は、他車両300が領域内に存在している。他方、駐車スペース116には、他車両300が領域内に存在していない。
【0071】
駐車領域検出部201は、ステップSA2において、複数の方法により駐車スペース116に対応する駐車可能スぺース210を検出する。すなわち、駐車領域検出部201は、車外撮影カメラ80の撮影結果から駐車枠線100のみに基づいて駐車可能スペース210を検出する。以下では、この検出方法を、第1の検出方法という。また、駐車領域検出部201は、ソナー90の検出結果のみに基づいて駐車可能スペース210を検出する。以下では、この検出方法を、第2の検出方法という。また、駐車領域検出部201は、車外撮影カメラ80の撮影結果、及びソナー90の検出結果に基づいて、駐車可能スペース210を検出する。以下では、この検出方法を、第3の検出方法という。図7において、実線で示す駐車可能スペース210Aは、第1の検出方法で検出した駐車可能スペース210を示している。また、図7において、点線で示す駐車可能スペース210Bは、第2の検出方法で検出した駐車可能スペース210を示す。また、図7において、一点鎖線で示す駐車可能スペース210Cは、第3の検出方法で検出した駐車可能スペース210を示す。
【0072】
候補領域選定部202は、例えばステップSC2において駐車可能スペース210Aを特定した場合、少なくとも一部が重なり合う駐車可能スペース210B、210Cを更に特定する。なお、候補領域選定部202は、俯瞰画像データFGDが展開された座標系の座標に基づくことで、重なりの有無を容易に判断できる。次いで、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210A、210B、210Cの検出方法に基づいて、選定の優先順位が最も高い検出方法で検出された駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。優先順位は、実際の駐車スペース110に対する一致精度の良さの観点に基づいて予め定められ、情報として記憶部21等に記憶されている。予め定められている優先順位が、第1の検出方法、第2の検出方法、第3の検出方法の順である場合、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210Aを駐車候補スペースとして選定する。
【0073】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が少なくとも一部が重なり合う駐車可能スペース210を検出した場合、予め定められた優先順位に基づいて駐車候補スペースを選定する。これにより、候補領域選定部202は、実際の駐車スペース110に即した駐車候補スペースを精度よく選定できる。
【0074】
図6を参照して、候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSC6)。候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSC6:「2回目以降」)、処理をステップSC12に移行させる。
【0075】
一方で、候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSC6:「初回」)、全ての駐車可能スペース210をステップSC2で特定したか否かを判別する(ステップSC7)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSC2で特定していないと判別した場合(ステップSC7:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSC2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSC2で特定したと判別した場合(ステップSC7:YES)、重なり選定処理を終了する。
【0076】
図5を参照して、候補領域選定部202は、重なり選定処理を実行すると、経路選定処理を実行する(ステップSB2)。
【0077】
図8は、経路選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0078】
候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSD1)。候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSD1:「2回目以降」)、ステップSD9の処理を実行する。ステップSD9の処理については、後述する。
【0079】
一方で、候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSD1:「初回」)、重なり選定処理において駐車候補スペースとして選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSD2)。
【0080】
次いで、候補領域選定部202は、経路算出部203に、自車両1の現在位置からステップSD2で特定した駐車可能スペース210までの走行経路を算出させる(ステップSD3)。経路算出部203は、現在位置特定部205が特定した自車両1の現在位置と、車外撮影カメラ80及びソナー90が検出した他車両300を含む障害物の位置、及び、ステップSD2で特定した駐車可能スペース210の位置に基づいて、走行経路を算出する。なお、障害物とは、自車両1の駐車に際して障害となる物体を意味する。算出方法は、既存の技術を採用できる。
【0081】
次いで、候補領域選定部202は、経路算出部203が走行経路を算出できたか否かを判別する(ステップSD4)。候補領域選定部202は、経路算出部203が走行経路を算出できないと判別した場合(ステップSD4:NO)、ステップSD2で特定した駐車可能スペース210を、駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSD5)。一方で、候補領域選定部202は、経路算出部203が走行経路を算出できたと判別した場合(ステップSD4:YES)、ステップSD2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSD6)。
【0082】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、走行経路が算出できた駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。これにより、候補領域選定部202は、自車両1が駐車に際して走行可能な駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、候補領域選定部202は、重なり選定処理から更に駐車候補スペースとして選定する駐車可能スペース210を絞り込むため、さらに精度よく駐車候補スペースを選定できる。
【0083】
次いで、候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSD7)。候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSD7:「2回目以降」)、処理をステップSD13に移行させる。
【0084】
一方で、候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSD7:「初回」)、全ての駐車可能スペース210をステップSD2で特定したか否かを判別する(ステップSD8)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSD2で特定していないと判別した場合(ステップSD8:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSD2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSD2で特定したと判別した場合(ステップSD8:YES)、経路選定処理を終了する。
【0085】
図5を参照して、候補領域選定部202は、経路選定処理を実行すると、障害物選定処理を実行する(ステップSB3)。
【0086】
図9は、障害物選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0087】
候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSE1)。候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSE1:「2回目以降」)、ステップSE8の処理を実行する。ステップSE8の処理については、後述する。
【0088】
一方で、候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSE1:「初回」)、経路選定処理において駐車候補スペースと選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSE2)。
【0089】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSE1で特定した駐車可能スペース210に他車両300を含む障害物が存在しているか否かを判別する(ステップSE3)。候補領域選定部202は、ソナー90の検出結果や、生成した俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像に基づいて、障害物が存在しているか否かを判別する。候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、障害物の位置を特定することで、容易にステップSE3の判別できる。
【0090】
候補領域選定部202は、ステップSE2で特定した駐車可能スペース210に他車両300を含む障害物が存在していると判別した場合(ステップSE3:YES)、ステップSE2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSE4)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSE2で特定した駐車可能スペース210に他車両300を含む障害物が存在していないと判別した場合(ステップSE3:NO)、ステップSE2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSE5)。
【0091】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、他車両300を含む障害物が領域内で検出されない、すなわち障害物が存在しない駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。これにより、候補領域選定部202は、他車両300を含む障害物が存在しない駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、候補領域選定部202は、経路選定処理から更に駐車候補スペースとして選定する駐車可能スペース210を絞り込むため、さらに精度よく駐車候補スペースを選定できる。
【0092】
次いで、候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSE6)。候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSE6:「2回目以降」)、処理をステップSE12に移行させる。
【0093】
一方で、候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSE6:「初回」)全ての駐車可能スペース210をステップSE2で特定したか否かを判別する(ステップSE7)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSE2で特定していないと判別した場合(ステップSE7:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSE2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSE2で特定したと判別した場合(ステップSE7:YES)、障害物選定処理を終了する。
【0094】
図5を参照して、候補領域選定部202は、障害物選定処理を実行すると、表示範囲選定処理を実行する(ステップSB4)。
【0095】
図10は、表示範囲選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0096】
候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSF1)。候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSF1:「2回目以降」)、ステップSF8の処理を実行する。ステップSF8の処理については、後述する。
【0097】
一方で、候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSF1:「初回」)、障害物選定処理において駐車候補スペースと選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSF2)。
【0098】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSF2で特定した駐車可能スペース210の少なくとも一部がタッチパネル7の表示領域71Aに含まれているか否かを判別する(ステップSF3)。
【0099】
ここで、ステップSF3について詳述する。
図11は、表示範囲選定処理を説明するための図である。
【0100】
候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、表示範囲選定処理を実行する。
【0101】
図11の俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像は、自車両1と、自車両1の左側方に位置する駐車スペース118、119、120を含む。駐車スペース118、119、120は、他車両300が領域内に存在していない。
【0102】
図11では、障害物選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210D、210E、210Fを図示している。駐車可能スペース210D、210Fの一部は、表示範囲HAに含まれている。他方、駐車可能スペース210Eは、表示範囲HAより-X方向に位置し、一部も表示範囲HAに含まれていない。なお、表示範囲HAは、表示領域71Aに対応した所定の座標系における領域であり、事前のテストやシミュレーション等によって予め定められている。
【0103】
候補領域選定部202は、例えばステップSF2において駐車可能スペース210D、または駐車可能スペース210Fを特定した場合、表示範囲HAに少なくとも一部が含まれると判別する(ステップSF3:YES)。また、候補領域選定部202は、例えばステップSF2において駐車可能スペース210Eを特定した場合、表示範囲HAに一部も含まれないと判別する(ステップSF3:NO)。なお、表示範囲HAに含まれているか否かの判別は、タッチパネル7の表示領域71Aに含まれているか否かの判別である。
【0104】
図10を参照して、候補領域選定部202は、ステップSF2で特定した駐車可能スペース210がタッチパネル7の表示領域71Aに含まれていないと判別した場合(ステップSF3:NO)、ステップSF2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSF4)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSF2で特定した駐車可能スペース210の少なくとも一部がタッチパネル7の表示領域71Aに含まれていると判別した場合(ステップSF3:YES)、ステップSF2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSF5)。
【0105】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、タッチパネル7の表示領域71Aに少なくとも一部が含まれる駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。これにより、候補領域選定部202は、タッチパネル7に表示できる駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、候補領域選定部202は、障害物選定処理から更に駐車候補スペースとして選定する駐車可能スペース210を絞り込むため、さらに精度よく駐車候補スペースを選定できる。
【0106】
次いで、候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSF6)。候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSF6:「2回目以降」)、処理をステップSF12に移行させる。
【0107】
一方で、候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSF6:「初回」)、全ての駐車可能スペース210をステップSF2で特定したか否かを判別する(ステップSF7)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSF2で特定していないと判別した場合(ステップSF7:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSF2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSF2で特定したと判別した場合(ステップSF7:YES)、表示範囲選定処理を終了する。
【0108】
図5を参照して、候補領域選定部202は、表示範囲選定処理を実行すると、傾き選定処理を実行する(ステップSB5)。
【0109】
図12は、傾き選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0110】
候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSG1)。候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSG1:「2回目以降」)、ステップSG8の処理を実行する。ステップSG8の処理については、後述する。
【0111】
一方で、候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSG1:「初回」)、表示範囲選定処理において駐車候補スペースと選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSG2)。
【0112】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が、第1の範囲(所定範囲)内であるか否かを判別する(ステップSG3)。なお、第1の範囲は、後述する第2の範囲より狭い範囲であって、範囲外となる駐車可能スペース210が誤検出された駐車可能スペース210と判定できるように、事前のテストやシミュレーション等によって予め定められている。
【0113】
ここで、ステップSG3について詳述する。
図13は、傾き選定処理を説明するための図である。
【0114】
候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、傾き選定処理を実行する。
【0115】
図13の俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像は、自車両1と、自車両1の左側方に位置する駐車スペース121、122、123を含む。駐車スペース121、122、123は、他車両300が領域内に存在していない。
【0116】
図13では、表示範囲選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210G、210H、210Iを図示している。図13では、駐車領域検出部201の誤検出により、駐車可能スペース210Gが駐車可能スペース210H、210Iと比べて傾いている。
【0117】
候補領域選定部202は、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210の領域を形成する線分のうち、最も-Y方向に位置する線分を特定する。そして、自車両1の前後方向ZHに対する特定した線分の角度が、候補領域選定部202は、第1の範囲内であるか否かを判別する。図中、角度θ1は第1の範囲外で、角度θ2、θ3は第1の範囲内であるとする。この場合、候補領域選定部202は、ステップSG2において駐車可能スペース210Gに対しては否定判別し、駐車可能スペース210H、210Iに対しては肯定判別する。
【0118】
図12を参照して、候補領域選定部202は、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が、第1の範囲内でないと判別した場合(ステップSG3:NO)、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSG4)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が第1の範囲内であると判別した場合(ステップSG3:YES)、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSG5)。
【0119】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、自車両1の前後方向ZHに対する傾きが第1の範囲内である駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。これにより、候補領域選定部202は、誤検出した駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定することがなく、駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、候補領域選定部202は、表示範囲選定処理から更に駐車候補スペースとして選定する駐車可能スペース210を絞り込むため、さらに精度よく駐車候補スペースを選定できる。
【0120】
次いで、候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSG6)。候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSG6:「2回目以降」)、処理をステップSG14に移行させる。
【0121】
一方で、候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSG6:「初回」)全ての駐車可能スペース210をステップSG2で特定したか否かを判別する(ステップSG7)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSG2で特定していないと判別した場合(ステップSG7:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSG2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSG2で特定したと判別した場合(ステップSG7:YES)、傾き選定処理を終了する。
【0122】
図5を参照して、候補領域選定部202は、傾き選定処理を実行すると、車両重なり選定処理を実行する(ステップSB6)。
【0123】
図14は、車両重なり選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0124】
候補領域選定部202は、今回の車両重なり選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSH1)。候補領域選定部202は、今回の車両重なり選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSH1:「2回目以降」)、ステップSH8の処理を実行する。ステップSH8の処理については、後述する。
【0125】
一方で、候補領域選定部202は、今回の車両重なり選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSH1:「初回」)、傾き選定処理において駐車候補スペースと選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSH2)。
【0126】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSH2で特定した駐車可能スペース210と自車両1とが重なるか否かを判別する(ステップSH3)。
【0127】
ここで、ステップSH3について詳述する。
図15は、車両重なり選定処理を説明するための図である。
【0128】
候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、車両重なり選定処理を実行する。
【0129】
図15の俯瞰画像データFGDが示す俯瞰画像は、自車両1と、自車両1の左側方に位置する駐車スペース124、125、126を含む。駐車スペース124、125、126は、他車両300が領域内に存在していない。
【0130】
図15では、傾き選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210J、210K、210Lを図示している。図13では、駐車領域検出部201の誤検出により、駐車可能スペース210Kが駐車可能スペース210H、210Iと比べて+X方向にずれて自車両1と重なっている。
【0131】
候補領域選定部202は、例えばステップSH2において駐車可能スペース210Kを特定した場合、ステップSH3において肯定判別し、駐車可能スペース210J、210Lを特定した場合、ステップSH3において否定判別する。
【0132】
候補領域選定部202は、ステップSH2で特定した駐車可能スペース210が自車両1と重なると判別した場合(ステップSH3:YES)、ステップSH2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSH4)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSH2で特定した駐車可能スペース210が自車両1と重なると判別した場合(ステップSH3:NO)、ステップSH2で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSH5)。
【0133】
このように、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、自車両1と重ならない駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。これにより、候補領域選定部202は、誤検出した駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定することがなく、駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、候補領域選定部202は、傾き選定処理から更に駐車候補スペースとして選定する駐車可能スペース210を絞り込むため、さらに精度よく駐車候補スペースを選定できる。
【0134】
次いで、候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるか判別する(ステップSH6)。候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSH6:「2回目以降」)、処理をステップSH12に移行させる。
【0135】
一方で、候補領域選定部202は、今回の車両重なり選定処理が初回の処理であると判別した場合(ステップSH6:「初回」)、全ての駐車可能スペース210をステップSH2で特定したか否かを判別する(ステップSH7)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSH2で特定していないと判別した場合(ステップSH7:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSH2以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSH2で特定したと判別した場合(ステップSH7:YES)、車両重なり選定処理を終了する。
【0136】
図5を参照して、候補領域選定部202は、車両重なり選定処理を実行すると、推奨選定処理を実行する(ステップSB7)。
【0137】
図16は、推奨選定処理における駐車支援装置2の動作を示すフローチャートである。
【0138】
候補領域選定部202は、今回の推奨選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であるかを判別する(ステップSI1)。候補領域選定部202は、今回の推奨選定処理が2回目以降の処理であると判別した場合(ステップSI1:「2回目以降」)、ステップSI9の処理を実行する。ステップSI9の処理については、後述する。
【0139】
一方で、候補領域選定部202は、今回の推奨選定処理が、初回の処理であると判別した場合(ステップSI1:「初回」)、車両重なり選定処理において駐車候補スペースと選定した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSI2)。
【0140】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSI2で特定した駐車可能スペース210と自車両1との離間距離を算出する(ステップSI3)。候補領域選定部202は、所定の座標系に展開された俯瞰画像データFGDに基づいて、離間距離を算出する。例えば、候補領域選定部202は、自車両1のある一点と、ステップSI2で特定した駐車可能スペース210のある一点との離間距離を座標から算出する。駐車可能スペース210のある一点としては、矩形の領域である場合、重心が例として挙げられる。
【0141】
次いで、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI2で特定したか否かを判別する(ステップSI4)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI2で特定していないと判別した場合(ステップSI4:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定して自車両1との離間距離を算出する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI2で特定したと判別した場合(ステップSI4:YES)、離間距離が短い順に、予め定めれた数の範囲で駐車候補スペースを選定する(ステップSI5)。
【0142】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSI5で選定した駐車候補スペースの数が、0か、1か、2以上であるか否かを判別する(ステップSI6)。
【0143】
候補領域選定部202は、ステップSI5で選定した駐車候補スペースの数が0であると判別した場合(ステップSI6:「0」)、図4に示すステップSA6に移行する。また、候補領域選定部202は、ステップSI5で選定した駐車候補スペースの数が1であると判別した場合(ステップSI6:「1」)、ステップSI5で選定した駐車候補スペースを、最も自車両1の駐車を推奨する駐車候補スペース(以下、「推奨駐車候補スペース」という)(第1の駐車候補領域)として選定する(ステップSI7)。また、候補領域選定部202は、ステップSI5で選定した駐車候補スペースの数が2以上であると判別した場合(ステップSI6:「2以上」)、最も自車両1との離間距離が短い駐車候補スペースを推奨駐車候補スペースとして選定し、それ以外の駐車可能スペース210を、仮推奨駐車候補スペース(第2の駐車候補領域)として選定する(ステップSI8)。仮推奨駐車候補スペースとは、推奨駐車候補スペースと異なる駐車候補スペースであって、推奨駐車候補スペース以外の駐車候補スペースである。
【0144】
図5を参照して、候補領域選定部202は、推奨選定処理を実行すると、選定処理を終了する。
【0145】
図4を参照して、表示制御部202は、選定処理において推奨駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210に、推奨駐車枠画像CWG1を重畳して周囲画像SIGをタッチパネル7に表示させる(ステップSA5)。また、表示制御部202は、推奨駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210に推奨駐車枠画像CWG1を重畳し、且つ、仮駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210に候補駐車枠画像CWG2を重畳して、周囲画像SIGをタッチパネル7に表示させる(ステップSA5)。
【0146】
次いで、表示制御部202は、駐車位置表示を終了するか否かを判別する(ステップSA6)。例えば、表示制御部202は、タッチパネル7が表示する周囲画像SIGが含む駐車可能スペース210が選択された場合、駐車位置表示を終了すると判別する(ステップSA6:YES)。
【0147】
表示制御部202が駐車位置表示を終了すると判別した場合(ステップSA6:YES)、駐車支援装置2の制御部20は、本処理を終了する。一方で、表示制御部202が駐車位置表示を終了しないと判別した場合(ステップSA6:NO)、制御部20は、再度、ステップSA2以降の処理を実行する。
【0148】
[2回目以降の処理]
次に、2回目以降、ステップSA2以降の処理を実行する場合の駐車支援装置2の動作について説明する。
【0149】
図4を参照して、駐車領域検出部201は、車外撮影カメラ80が撮影した撮影画像、及びソナー90の検出結果に基づいて、駐車可能スペース210を検出する(ステップSA2)。候補領域選定部202は、選定処理を実行する(ステップSA3)。
【0150】
図5を参照して、候補領域選定部202は、重なり選定処理を実行する(ステップSB1)。
【0151】
図6を参照して、候補領域選定部202は、今回の重なり選定処理が2回目以降の処理であると判別すると(ステップSC1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSC8)。所定期間は、ユーザーに後述するような違和感や不快感等を与えないことを観点とし、事前のテストやシミュレーション等によって適切に定められている。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSC8:YES)、処理をステップSC2に移行させる。
【0152】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSC8:NO)、ステップSB2で駐車領域検出部201が検出した1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSC9)。
【0153】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSC9で選定した駐車可能スペース210に対応する駐車スペース110と、前回の選定処理で駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210に対応する駐車スペース110と、が同じ駐車スペース110であるか否かを判別する(ステップSC10)。例えば、候補領域選定部202は、ステップSC9で選定した駐車可能スペース210と、前回の選定処理で駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210とが重なる領域の面積が所定値以上である場合に、ステップSC10において肯定判別する。所定値は、事前のテストやシミュレーション等によって適切に定められている。
【0154】
候補領域選定部202は、ステップSC10において否定判別すると、処理をステップSC3に移行させる。一方で、候補領域選定部202は、ステップSC10において肯定判別すると、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210を再度、駐車候補スペースとして選定する(ステップSC11)。
【0155】
例えば、図7に示す駐車可能スペース210Aが前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定され、今回の選定処理では、駐車領域検出部201が駐車可能スペース210Aを検出しなかったとする。この場合、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210Bを駐車候補スペースとして選定してしまい、今回の選定処理を踏まえた駐車位置表示では駐車可能スペース210Bに駐車枠画像CWGを重畳してしまう。これにより、駐車枠画像CWGの表示位置が移動してしまい、駐車支援装置2は、安定しない駐車位置をユーザーに提示することになる。そこで、候補領域選定部202は、所定期間内においては、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210を、再度、駐車候補スペースとして選定する。これにより、駐車支援装置2は、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されることに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0156】
図6を参照して、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSC9で特定したか否かを判別する(ステップSC12)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSC9で特定していないと判別した場合(ステップSC12:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSC9以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSC9で特定したと判別した場合(ステップSC12:YES)、重なり選定処理を終了する。
【0157】
図5を参照して、候補領域選定部202は、重なり選定処理を実行すると、経路選定処理を実行する(ステップSB2)。
【0158】
図8を参照して、候補領域選定部202は、今回の経路選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSD1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSD9)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSD9:YES)、処理をステップSD2に移行させる。
【0159】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSD9:NO)、重なり選定処理で駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSD10)。
【0160】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSD9で特定した駐車可能スペース210について、ステップSC10、SC11、SC12と同様のステップSD11、SD12、SD13の処理を実行する。
【0161】
これにより、駐車支援装置2は、例えば誤検出や、一時的な障害物の存在によって走行経路が一時的に算出できない場合でも、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されたことに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0162】
図5を参照して、候補領域選定部202は、経路選定処理を実行すると、障害物選定処理を実行する(ステップSB3)。
【0163】
図9を参照して、候補領域選定部202は、今回の障害物選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSE1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSE8)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSE8:YES)、処理をステップSE2に移行させる。
【0164】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSE8:NO)、障害物選定処理で駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSE9)。
【0165】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSE9で選定した駐車可能スペース210について、ステップSC10、SC11、SC12と同様のステップSE10、SE11、SE12の処理を実行する。
【0166】
これにより、駐車支援装置2は、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210を、再度、駐車候補スペースとして選定するため、例えば一時的に駐車可能スペース210内に障害物が存在した場合でも、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されることに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0167】
図5を参照して、候補領域選定部202は、障害物選定処理を実行すると、表示範囲選定処理を実行する(ステップSB4)。
【0168】
図10を参照して、候補領域選定部202は、今回の表示範囲選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSF1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSF8)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSF8:YES)、処理をステップSF2に移行させる。
【0169】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSF8:NO)、障害物選定処理で駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSF9)。
【0170】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSE9で特定した駐車可能スペース210について、ステップSC10、SC11、SC12と同様のステップSF10、SF11、SF12の処理を実行する。
【0171】
例えば、図11に示す駐車可能スペース210Dが前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定され、今回の選定処理では、誤検出等により一時的に、駐車可能スペース210Eのように表示範囲HAに一部も含まれなかったとする。この場合、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210Dを駐車候補スペースとして選定せず、今回の選定処理を踏まえた駐車位置表示では駐車可能スペース210Dに駐車枠画像CWGを重畳しないことになる。これにより、駐車枠画像CWGが突如表示されなくなり、駐車支援装置2は、安定して駐車位置をユーザーに提示できない。そこで、候補領域選定部202は、所定期間内においては、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210を、再度、駐車候補スペースとして選定する。これにより、駐車支援装置2は、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されたことに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0172】
図5を参照して、候補領域選定部202は、表示範囲選定処理を実行すると、傾き選定処理を実行する(ステップSB5)。
【0173】
図12を参照して、候補領域選定部202は、今回の傾き選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSG1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSG8)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSG8:YES)、処理をステップSG2に移行させる。
【0174】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSG8:NO)、表示範囲選定処理で駐車候補スペースとして選定された1又は複数の駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSG9)。
【0175】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSG9で特定した駐車可能スペース210に対応する駐車スペース110と、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210に対応する駐車スペース110と、が同じ駐車スペース110であるか否かを判別する(ステップSG10)。
【0176】
候補領域選定部202は、ステップSG10において否定判別すると、処理をステップSG3に移行させる。一方で、候補領域選定部202は、ステップSG10において肯定判別すると、ステップSG9で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が、第2の範囲(所定の範囲)内であるか否かを判別する(ステップSG11)。なお、第2の範囲は、初回の処理で用いた第1の範囲より広い範囲であり、事前のテストやシミュレーション等によって予め定められている。
【0177】
候補領域選定部202は、ステップSG2で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が、第2の範囲内でないと判別した場合(ステップSG11:NO)、ステップSG9で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定しない(ステップSG12)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSG9で特定した駐車可能スペース210の自車両1の前後方向ZHに対する傾斜角度が第2の範囲内であると判別した場合(ステップSG11:YES)、ステップSG9で特定した駐車可能スペース210を駐車候補スぺースとして選定する(ステップSG13)。
【0178】
例えば、図13に示す駐車可能スペース210Hが前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定され、今回の選定処理では、駐車可能スペース210Hが誤検出等により駐車可能スペース210Gのように傾いて検出されたとする。また、このときの傾斜角度が、第1の範囲外の角度であるとする。この場合、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210Hを駐車候補スペースとして選定せず、今回の選定処理を踏まえた駐車位置表示では駐車可能スペース210Hに駐車枠画像CWGを重畳しないこととなる。そこで、候補領域選定部202は、所定期間内においては、第1の範囲より広い第2の範囲を用いて、駐車候補スペースとして選定する。これにより、駐車支援装置2は、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210が、誤検出等により傾いて検出された場合でも、駐車候補スペースとして選定でき、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。また、一意に駐車候補スペースとして選定せず第2の範囲内の傾斜角度である場合に駐車候補スペースとして選定するため、候補領域選定部202は、選定精度が劣化することを抑制できる。
【0179】
図12を参照して、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSG9で特定したか否かを判別する(ステップSG14)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSG9で特定していないと判別した場合(ステップSG14:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSG9以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSG9で特定したと判別した場合(ステップSG14:YES)、傾き選定処理を終了する。
【0180】
図5を参照して、候補領域選定部202は、傾き選定処理を実行すると、車両重なり選定処理を実行する(ステップSB6)。
【0181】
図14を参照して、候補領域選定部202は、今回の車両重なり選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSH1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSH8)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSH8:YES)、処理をステップSH2に移行させる。
【0182】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSH8:NO)、傾き選定処理で駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSH9)。
【0183】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSH9で特定した駐車可能スペース210について、ステップSC10、SC11、SC12と同様のステップSH10、SH11、SH12の処理を実行する。
【0184】
例えば、図15に示す駐車可能スペース210Jが前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定され、今回の選定処理では、駐車可能スペース210Jが誤検出等により駐車可能スペース210Kのように自車両1に重なっているとする。この場合、候補領域選定部202は、駐車可能スペース210Jを駐車候補スペースとして選定せず、今回の選定処理を踏まえた駐車位置表示では駐車可能スペース210Jに駐車枠画像CWGを重畳しないことになる。これにより、駐車枠画像CWGが突如表示されなくなり、駐車支援装置2は、安定して駐車位置をユーザーに提示できない。そこで、候補領域選定部202は、所定期間内においては、前回の選定処理において駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210を、再度、駐車候補スペースとして選定する。これにより、駐車支援装置2は、誤検出等により一時的に自車両1に重なった場合でも、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されたことに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0185】
図5を参照して、候補領域選定部202は、車両重なり選定処理を実行すると、推奨選定処理を実行する(ステップSB7)。
【0186】
図16を参照して、候補領域選定部202は、今回の推奨選定処理が、初回の処理であるか2回目以降の処理であると判別すると(ステップSI1:「2回目以降」)、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したか否かを判別する(ステップSI9)。候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過したと判別した場合(ステップSI9:YES)、処理をステップSI2に移行させる。
【0187】
一方で、候補領域選定部202は、駐車位置表示を開始してから所定期間が経過していないと判別した場合(ステップSI9:NO)、車両重なり選定処理で駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210のうち1の駐車可能スペース210を特定する(ステップSI10)。
【0188】
次いで、候補領域選定部202は、ステップSI10で特定した駐車可能スペース210に対応する駐車スぺース110が、前回の選定処理において推奨駐車候補スペース又は仮推奨駐車候補スペースとして選定された駐車可能スペース210に対応する駐車スペース110と同じ駐車スペース110であるか否かを判別する(ステップSI11)。
【0189】
候補領域選定部202は、ステップSI11で否定判別すると、ステップSI10で特定した駐車可能スペース210と自車両1との離間距離を算出する(ステップSI12)。一方で、候補領域選定部202は、ステップSI11で肯定判別すると、予め定められて距離を引いた、ステップSI10で特定した駐車可能スペース210と自車両1との離間距離を算出する(ステップSI13)。
【0190】
次いで、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI9で特定したか否かを判別する(ステップSI14)。候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI9で特定していないと判別した場合(ステップSI14:NO)、未だ特定していない駐車可能スペース210を特定してステップSI10以降の処理を実行する。一方で、候補領域選定部202は、全ての駐車可能スペース210をステップSI9で特定したと判別した場合(ステップSI14:YES)、ステップSI5以降の処理を実行する。
【0191】
このように、前回の選定処理において、推奨駐車候補スペース又は仮推奨駐車候補スペースとして推定された駐車可能スペース210については、予め定められた距離を引いて、実際の自車両1との離間距離より小さくなるように離間距離を算出する。これにより、誤検出等によって推奨駐車候補スペースと自車両1との離間距離が一時的に大きくなり、前回の選定処理で推奨駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210を、今回の選定処理において推奨駐車候補スペースとして選定できないといったことを防止できる。これにより、駐車支援装置2は、誤検出等により推奨駐車枠画像CWG1から候補駐車枠画像CWG2に切り替わることがなく、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。したがって、ユーザーは、自車両1の駐車位置が不安定に表示されたことに起因した違和感や不快感等を抱くことがない。
【0192】
以上のように、駐車支援装置2は、前回の選定処理で駐車候補スペースとして選定した駐車可能スペース210を、所定期間、駐車候補スペースとして選定し続ける。そのため、周期的に検出される自車両1の周囲の状況が変化した場合や、駐車領域検出部201が誤検出した場合でも、駐車支援装置2は、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。そのため、駐車支援装置2は、ユーザーに対して、自車両1の駐車の支援を十分に行える。
【0193】
以上、説明したように、駐車支援装置2は、自車両1(車両)の周囲の状況を周期的に検出する車外撮影カメラ80(検出部)及びソナー90(検出部)の検出結果に基づいて、自車両1が駐車可能な駐車可能スペース210(駐車可能領域)を周期的に検出する駐車領域検出部201と、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210から、自車両1の駐車候補となる駐車候補スペース(駐車候補領域)を選定する候補領域選定部202と、候補領域選定部202が選定した駐車候補スペースに駐車位置を示す駐車位置画像CGが重畳された周囲画像SIGを、タッチパネル7(表示部)に表示させる表示制御部204と、を備える。候補領域選定部202は、選定した駐車候補スペースに対応する駐車可能スペース210を、所定期間、駐車候補スペースとして選定し続ける。
【0194】
この構成によれば、所定期間、同じ駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定し続けるため、駐車領域検出部201が誤検出した場合や、自車両1の周囲の状況が一時的に変化した場合でも、駐車位置画像CGの表示位置が移動することがない。そのため、駐車支援装置2は、自車両1の駐車位置を安定して表示できる。また、駐車支援装置2は、自車両1の駐車位置を安定して表示できるため、ユーザーに自車両1の駐車位置が安定しないことに起因した違和感や不快感等を与えることがない。したがって、駐車支援装置2は、自車両1の駐車に際して十分にユーザーを支援できる。
【0195】
また、候補領域選定部202は、少なくとも一部が重なり合う複数の駐車可能スペース210を駐車領域検出部201が検出した場合、予め定められた優先順位に基づいて、1の駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。
【0196】
この構成によれば、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が少なくとも一部が重なり合う複数の駐車可能スペース210を検出した場合でも、実際の駐車スペース110に即した駐車候補スペースを精度よく選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースを選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0197】
また、駐車支援装置2は、自車両1の現在位置から駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210までの走行経路を算出する経路算出部203を備える。候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、経路算出部203が走行経路を算出できた駐車可能スペース210を、駐車候補領域として選定する。
【0198】
この構成によれば、候補領域選定部202は、自車両1が駐車に際して走行可能な駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースとして選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0199】
また、車外撮影カメラ80及びソナー90は、自車両1の周囲に存在する障害物を検出する。候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、車外撮影カメラ80及びソナー90が領域内に障害物を検出していない駐車可能スペース210を、駐車候補スペースとして選定する。
【0200】
この構成によれば、候補領域選定部202は、障害物が存在しない駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースとして選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0201】
また、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、タッチパネル7の表示領域71Aに少なくとも一部が含まれる駐車可能スペース210を、駐車候補スペースとして選定する。
【0202】
この構成によれば、候補領域選定部202は、タッチパネル7に表示できる駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースとして選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0203】
また、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210のうち、自車両1の前後方向ZHに対する傾きが所定範囲内である駐車可能スペース210を、駐車候補スペースとして選定する。
【0204】
この構成によれば、候補領域選定部202は、誤検出した駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定することがなく、駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースとして選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0205】
また、候補領域選定部202は、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペースのうち、自車両と重ならない駐車可能スペース210を、駐車候補スペースとして選定する。
【0206】
この構成によれば、候補領域選定部202は、誤検出した駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定することがなく、駐車候補スペースを精度良く選定できる。また、駐車支援装置2は、精度良く駐車候補スペースとして選定できるため、精度よく、且つ、安定して自車両1の駐車位置を表示できる。
【0207】
候補領域選定部202は、予め定められた数以下で、且つ、自車両1の現在位置からの離間距離が短い順に、駐車領域検出部201が検出した駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定する。
【0208】
この構成によれば、候補領域選定部202は、予め定められた数以下で選定するため、膨大な数の駐車候補スペースを選定することがない。また、候補領域選定部202は、自車両1の現在位置から離間距離が短い順に選定するため、自車両1から近い駐車可能スペース210を駐車候補スペースとして選定できる。したがって、候補領域選定部202は、自車両1から近く、且つ、表示に不適切な数とならないように、駐車候補スペースを選定できる。したがって、駐車支援装置2は、自車両1から近く、且つ適した数で、自車両の駐車位置を安定して表示できる。
【0209】
また、候補領域選定部202は、選定した駐車候補スペースが複数ある場合、自車両1の駐車が推奨される推奨駐車候補スペース(第1の駐車候補領域)と、推奨駐車候補スペースと異なる仮推奨駐車候補スペース(第2の駐車候補領域)とを選定する。
【0210】
この構成によれば、駐車支援装置2は、ユーザーが自車両1の周囲に駐車可能スペース210が複数ある場合、ユーザーが推奨駐車候補スペースと仮推奨駐車候補スペースとを認識できるようになる。
【0211】
また、表示制御部202は、推奨駐車候補スペースに重畳する駐車位置画像CGと、仮駐車候補スペースに重畳する駐車位置画像CGとの表示態様を異ならせる。
【0212】
この構成によれば、ユーザーが、最も推奨される駐車可能スぺース210がどの駐車可能スペース210であるかを容易に認識できるようになる。
【0213】
また、駐車位置画像CGは、駐車枠を示す駐車枠画像CWGである。
【0214】
この構成によれば、ユーザーは、直感的に自車両の駐車位置を認識できる。
【0215】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び、応用が可能である。
【0216】
例えば、上述した実施形態では、選定処理において、7つの選定処理を実行する構成を説明した。しかしながら、選定処理は、7つ全ての選定処理を実行しなくてもよく、いずれか1つの選定処理のみよいし、7つのうち任意の複数の選定処理のみでもよい。また、7つの選定処理の順序は、図5に示す順序に限定されない。
【0217】
また、例えば、本実施形態は、制御部20が一つのプロセッサー(CPU)を備え、このプロセッサーが制御プログラムに従った処理を実行することで制御部20の機能を実現するが、複数のプロセッサー又は半導体チップにより制御部20の機能を実現してもよい。例えば、制御部20が、SoC(System-on-a-Chip)やMCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の副処理装置(co-processor)をさらに備える構成であってもよい。また、制御部20は、CPU及び副処理装置の双方を協働させるか、あるいは双方のうちの一方を選択的に用いて各種の制御を行ってもよい。
【0218】
また、例えば、図1は、本願発明を理解容易にするために、駐車支援装置2、及び自車両1の構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、駐車支援装置2、及び自車両1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0219】
また、例えば、図4図5図6図8図9図10図12図14、及び図16のフローチャートの処理単位は、駐車支援装置2の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置2の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
【0220】
また、例えば、上述した実施形態では、駐車支援装置2を、自車両1に搭載される車載装置として例示したが、駐車支援装置2の形態は任意であり、例えば歩行者が携帯するポータブル型の装置でも良い。
【符号の説明】
【0221】
1 自車両(車両)
2 駐車支援装置
7 タッチパネル(表示部)
80 車外撮影カメラ(検出部)
81 前方カメラ(検出部)
82 右側方カメラ(検出部)
83 左側方カメラ(検出部)
84 後方カメラ(検出部)
90 ソナー(検出部)
91 前方ソナー(検出部)
92 右前側方ソナー(検出部)
93 右後側方ソナー(検出部)
94 左前側方ソナー(検出部)
95 左後側方ソナー(検出部)
96 後方ソナー(検出部)
201 駐車領域検出部
202 候補領域選定部
203 経路算出部
204 表示制御部
210 駐車可能スぺース(駐車可能領域)
210A~210L 駐車可能スペース(駐車可能領域)
CG 駐車位置画像
CWG 駐車枠画像
SIG 周囲画像(車両の周囲の画像)
ZH 前後方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16