(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20221206BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
G03G21/00 510
H04N1/00 567H
(21)【出願番号】P 2018133359
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】安井 計政
(72)【発明者】
【氏名】阪部 智一
(72)【発明者】
【氏名】栗田 栄三
(72)【発明者】
【氏名】寺田 享右
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-230240(JP,A)
【文献】特開2018-097111(JP,A)
【文献】特開2010-116227(JP,A)
【文献】特開2017-219764(JP,A)
【文献】特開2014-101166(JP,A)
【文献】特開2018-092114(JP,A)
【文献】米国特許第06456801(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
H04N 1/00
G03G 21/14
G03G 15/00
B41J 29/00-29/70
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を読取るスキャナと、
前記スキャナで読み取った画像を用紙にプリントするプリンタと、
前記プリンタを用いて第1の用紙に調整パターンを印刷し、前記調整パターンを印刷した前記第1の用紙を前記スキャナで読み取った画像に基づいて前記第1の用紙のセンタと印刷範囲のセンタとが一致するように調整した設定値と第1の用紙のサイズとを記憶するメモリと、
前記第1の用紙とは異なるサイズの第2の用紙を使用する場合、前記第1の用紙のサイズと第2の用紙のサイズとの差異に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正するプロセッサと、
を有し、
前記メモリは、前記第1の用紙のサイズを記憶する第1記憶領域と前記第2の用紙のサイズを記憶する第2記憶領域とを有し、
前記プロセッサは、前記第1の用紙のサイズと前記第2記憶領域に記憶する前記第2の用紙のサイズとの差異に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正した後、前記第1記憶領域が記憶する前記第1の用紙のサイズを前記第2記憶領域に記憶した前記第2の用紙のサイズに更新する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記スキャナによる前記第2の用紙の読取結果から前記第2の用紙のサイズを特定する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2の用紙のサイズを入力する操作パネルを有し、
前記プロセッサは、前記第1の用紙のサイズと前記操作パネルに入力された前記第2の用紙のサイズとの差異に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、当該画像形成装置の初期セットアップ処理において、前記第2記憶領域に記憶する前記第2の用紙のサイズに基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機などの画像形成装置は、所定の画像パターンを利用して画像位置調整を実行する。しかしながら、定型サイズの用紙であっても実際に使用する用紙の大きさが必ずしも一定ではないため、画像調整の再調整が必要となることがある。また、用紙の大きさは、同じ定型サイズであっても種類によって異なることがあるだけでなく、湿度などの影響を受けて変化することもある。このため、画像形成装置は、製造現場において実際に使用される用紙に合った画像調整を予め実施しておくことは難しい。また、画像形成装置が印刷に用いる一般的な用紙は定着処理などで与えられる熱でサイズが収縮する。このため、画像形成装置は、定着処理によるサイズ変化の影響を考慮して画像調整を実施することは難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した課題を解決するために、定着処理などによる用紙サイズの収縮の影響が少なく、使用する用紙に応じて適正な設定値を簡易に調整できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、画像形成装置は、スキャナとプリンタとメモリとプロセッサとを有する。スキャナは、画像を読み取る。プリンタは、スキャナで読み取った画像を用紙にプリントする。メモリは、プリンタを用いて第1の用紙に調整パターンを印刷し、調整パターンを印刷した第1の用紙をスキャナで読み取った画像に基づいて第1の用紙のセンタと印刷範囲のセンタとが一致するように調整した設定値と第1の用紙のサイズとを記憶する。プロセッサは、第1の用紙とは異なるサイズの第2の用紙を使用する場合、第1の用紙のサイズと第2の用紙のサイズとの差異に基づいてメモリが記憶する設定値を補正する。さらに、前記メモリは、前記第1の用紙のサイズを記憶する第1記憶領域と前記第2の用紙のサイズを記憶する第2記憶領域とを有し、前記プロセッサは、前記第1の用紙のサイズと前記第2記憶領域に記憶する前記第2の用紙のサイズとの差異に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正した後、前記第1記憶領域が記憶する前記第1の用紙のサイズを前記第2記憶領域に記憶した前記第2の用紙のサイズに更新する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機の構成例を外観図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機の構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機が使用可能となるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機が用紙に対して設定する印刷範囲を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機による画像調整に用いられる第1の調整パターンの例である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機による画像調整に用いられる第2の調整パターンの例である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機の定着処理による用紙の収縮を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機における市場での画像調整としての設定値の補正処理を説明するためのフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機が画像調整に用いる第1の用紙と設定値の補正に用いる第2の用紙との例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機における画像調整の設定値の再調整処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機(MFP,Multi-Functional Peripheral)1の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機1の外観構成例を示す斜視図である。また、
図2は、デジタル複合機1における制御系の構成例を概略的に示す断面図である。
【0008】
図1に示すように、デジタル複合機1は、スキャナ2、プリンタ3、操作パネル4を有する。
スキャナ2は、デジタル複合機の本体上部に設置する。スキャナ2は、原稿の画像を光学的に読み取る装置である。スキャナ2は、スキャンする原稿を載置する原稿台ガラス11を有する。スキャナ2は。原稿台ガラス11のガラスを介して原稿台ガラス11上の原稿をスキャンする画像読取機構を有する。
【0009】
スキャナ2は、キャリッジ12および光電変換部13などを有する。キャリッジ12および光電変換部13などは、原稿台ガラス11の下方に設置される。キャリッジ12は、照明62(
図3参照)およびミラーなどの光学系を搭載する。照明62は、発光する光が原稿台ガラス11における読取位置を照明するようにキャリッジ12に設置する。照明62が光を照射する原稿台ガラス11上の読取位置は、主走査方向における1ライン分(又は複数ライン分)の画像となる。キャリッジ12に搭載されたミラー等の光学系は、照明62が光を照射した読取位置からの光(反射光)を光電変換部13へ導く。
【0010】
また、キャリッジ12は、ステッピングモータなどを含む移動機構63(
図3参照)により原稿台ガラス11の下方を副走査方向に移動する。キャリッジ12は、イ
ニシャル動作において位置が確定され、確定した位置に基づいて副走査方向の移動が制御される。例えば、キャリッジ12は、副走査方向に移動することによって原稿台ガラス11上の原稿が載置される領域(原稿読取領域)における主走査方向のラインごとの画像を連続的に光電変換部13へ導く。
【0011】
光電変換部13は、レンズ、光電変換センサ、および、カバーなどを有する。レンズは、キャリッジ12の光学系によって導かれる光を集光し、光電変換センサへ導く。光電変換センサは、光電変換素子により構成する。光電変換センサは、たとえば、光電変換素子としてのCCD又はCISをライン状に並べたラインセンサである。光電変換センサとしてのラインセンサは、主走査方向の1ライン分の画像(原稿面の反射光)を、1ライン分の画素データに変換する。
【0012】
キャリッジ12は、露光ランプおよびミラーなどの光学系を搭載し、原稿台ガラス11の下方を副走査方向に移動する。キャリッジ12は、光電変換部13へ導く原稿台ガラス11上における読取位置を副走査方向に移動させる。つまり、スキャナ2は、キャリッジ12の移動を制御することにより副走査方向における画像の読取りが調整される。スキャナ2は、キャリッジ12を副走査方向に移動させながら光電変換部13で主走査方向の画像データを取得することにより原稿全体の画像を読み取る。
【0013】
スキャナ2は、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)14を有する。ADF14は、原稿台カバーとしても機能し、開閉自在に設置される。ADF14を閉じた状態において、ADF14は、原稿台ガラス11における原稿読取領域全体を覆う。また、ADF14は、給紙トレイおよび搬送系などを含む。ADF14の給紙トレイは、読取対象とする原稿を保持する。ADF14の搬送系は、給紙トレイにセットされた原稿を1枚ずつ取出し、取り出した原稿の読取面が所定の読取位置を通過するように原稿を搬送する。
【0014】
プリンタ3は、給紙カセット21A、21B、21Cを有する。これらの給紙カセット21A、21B、21Cは、画像をプリントする被画像形成媒体としての用紙を収納する。たとえば、各給紙カセット21A、21B、21Cは、デジタル複合機本体の下部に着脱可能である。各給紙カセット21A、21B、21Cは、それぞれ給紙ローラ22A,22B,22Cを有する。各給紙ローラ22A,22B,22Cは、各給紙カセット21A、21B、21Cから用紙を一枚ずつ取り出す。
【0015】
搬送系23は、プリンタ3内で用紙を搬送する。搬送系23は、複数の搬送ローラ23a~23dおよびレジストローラ24などを含む。搬送系23は、各給紙ローラ22A,22B,22Cが取り出した用紙をレジストローラ24へ用紙を搬送する。上記レジストローラ24は、画像を転写するタイミングで用紙を転写位置へ搬送する。
【0016】
複数の画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれ各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像を形成する。露光装置26は、各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)における各像担持体に各色で現像される画像としての静電潜像を形成する。露光装置26は、画像データに応じて発光する光で像担持体上を走査することにより像担持体に静電潜像を形成する。例えば、露光装置26は、発光部が発光する光を回転させるポリゴンミラーを介して像担持体としての感光体ドラムに照射することにより主走査方向に走査させる。また、露光装置26からの光の照射位置は、感光体ドラムが回転することにより副走査方向に移動する。すなわち、画像形成部25が形成する画像は、露光装置26を制御することにより位置および倍率が調整される。
【0017】
各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれ各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーで各像担持体上の静電潜像を現像する。中間転写ベルト27は、中間転写体である。各画像形成部25は、それぞれの像担持体において各色のトナーで現像した各色のトナー像を中間転写ベルト27上に転写する(1次転写する)。
【0018】
中間転写ベルト27は、転写されたトナー像を保持して2次転写位置へ送る。2次転写位置は、中間転写ベルト27上のトナー像を用紙に転写する位置である。2次転写位置は、支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bが対向する位置である。支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bは転写部28を構成する。レジストローラ24は、中間転写ベルト27上のトナー画像にタイミングを合わせて用紙を2次転写位置へ搬送する。転写部28は、中間転写ベルト27上に保持されているトナー画像を2次転写位置において用紙に転写する。
【0019】
例えば、カラー画像を形成する場合、各画像形成部25Y、25M、25Cおよび25Kは、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーで現像したトナー像を中間転写ベルト27上に重ねて転写する。中間転写ベルト27は、各色のトナー像が重なり合ったカラー画像を保持する。転写部28は、中間転写ベルト27上の複数色のトナーによるカラー画像を2次転写位置において用紙に転写する。レジストローラ24は、中間転写ベルト27上のトナー画像にタイミングを合わせて用紙を2次転写位置へ搬送する。これにより、用紙には、カラー画像が転写される。
【0020】
転写部28は、トナー像が転写された用紙を定着器29へ供給する。定着器29は、トナー像を用紙に定着する。定着器29は、加熱部29a、ヒートローラ29bおよび加圧ローラ29cを有する。加熱部29aは、ヒートローラ29bを加熱する。ヒートローラ29bおよび加圧ローラ29cは、転写部28によってトナー像を転写した用紙を加圧状態で加熱する定着処理を行う。定着器29におけるヒートローラ29bおよび加圧ローラ29cは、定着処理した用紙を搬送ローラ23dへ送る。搬送ローラ23dは、定着器29からの用紙を排紙部30へ搬送する。
【0021】
操作パネル4は、ユーザインターフェースである。操作パネル4は、案内を表示したり、操作ボタンあるいはアイコンの入力を受け付けたりする。たとえば、ユーザは、操作パネル4において設定情報を入力する。操作パネル4は、表示部(ディスプレイ)41、タッチパネル42、および、複数の操作ボタン43を有する。例えば、タッチパネル42は、表示部41の表示画面上に設ける。タッチパネル42は、表示部41の表示画面上においてユーザがタッチした部位を検知する。
なお、本実施形態において、ユーザとは、市場でデジタル複合機1を操作する者であるものとし、一般のユーザ、管理者およびサービスマンなどを含むものとする。
【0022】
次に、上記のように構成されるデジタル複合機における制御系の構成について説明する。
図3は、デジタル複合機1における制御系の構成例を説明するブロック図である。
デジタル複合機1は、装置全体を制御するシステム制御部5を有する。システム制御部5は、スキャナ2、プリンタ3、および、操作パネル4に接続する。
図3に示す構成例において、システム制御部5は、プロセッサ50、メモリ51、画像メモリ52、画像処理部53、記憶装置54、および、通信インターフェース(I/F)55などを有する。
【0023】
プロセッサ50は、インターフェースを介して、スキャナ2のプロセッサ60、プリンタ3のプロセッサ70、および操作パネル4のプロセッサ80に接続する。プロセッサ50は、メモリ51あるいは記憶装置54に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理機能を実現する。例えば、プロセッサ50は、メモリ51に記憶するプログラムを実行することによって、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を処理したりする。
【0024】
メモリ51は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、NVMなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。NVMは、書換え可能な不揮発性のメモリである。NVMは、設定データなどを記憶する。
【0025】
本実施形態において、メモリ51は、記憶領域(第1記憶領域)51aおよび記憶領域(第2記憶領域)51bを有する。記憶領域51aおよび記憶領域51bは、書換え可能な不揮発性のメモリであるものとする。記憶領域51aは、後述する保存している設定値を得た画像調整に用いられた用紙のサイズを示す情報を記憶する。記憶領域51bは、画像調整の設定値を補正するための用紙情報を記憶する。記憶領域51aおよび記憶領域51bが記憶する情報については後で詳細に説明する。
【0026】
画像メモリ52は、画像データを記憶する。例えば、画像メモリ52は、処理の対象とする画像データを展開するためのページメモリとして機能する。画像処理部53は、画像データを処理する。画像処理部53は、例えば、入力した画像データに対して、補正、圧縮あるいは伸張などの画像処理を施した画像データを出力する。
【0027】
記憶装置54は、制御データ、制御プログラム、および、設定情報などのデータを記憶する。記憶装置54は、書換え可能な不揮発性のメモリで構成する。例えば、記憶装置54は、HDD(ハードディスクドライブ)あるいはSSD(ソリッドステートドライブ)などの記憶装置で構成する。
通信I/F55は、外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。たとえば、通信I/F55は、用紙に印刷する画像をPCなどの外部装置から取得する画像取得部として機能する。また、通信I/F55は、後述するサーバと通信するためのインターフェースとしても機能する。
【0028】
次に、スキャナ2における制御系の構成例について説明する。
図3に示すように、スキャナ2は、プロセッサ60、メモリ61、ADF14、照明62、移動機構63、および、光電変換部13を有する。
プロセッサ60は、メモリ61が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。例えば、プロセッサ60は、プログラムを実行することによりスキャナ2内の各部の動作制御、および、各部の動作状況の監視などを行う。また、プロセッサ60は、インターフェースを介して、システム制御部5のプロセッサ50に接続される。プロセッサ60は、システム制御部5からの動作指示に応じて、スキャン処理を実行する。
【0029】
メモリ61は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、データメモリなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。データメモリは、書換え可能な不揮発性メモリである。
ADF14は、制御系の構成として、ピックアップローラおよび搬送系を有する。プロセッサ60は、ビックアップローラおよび搬送系を駆動させて原稿を1枚ずつ読取位置へ搬送する。
【0030】
照明62は、キャリッジ12に搭載され、原稿台ガラス11における読取位置に光を照射する。照明62は、プロセッサ60からの点灯指示に従って発光する光源を有する。光源は、特定の構成に限定されるものでは無い。照明62が照射する光は、原稿台ガラス11に載置された原稿からの反射光となってミラーおよびレンズなどの光学系を介して光電変換部へ入射する。
【0031】
移動機構63は、キャリッジ12を移動させる機構である。移動機構63は、駆動源としてのステッピングモータなどを有し、ステッピングモータの駆動によりキャリッジ12を移動させる。移動機構63は、プロセッサ60又はシステム制御部5のプロセッサ50からの動作指示に従ってキャリッジ12を移動させる。例えば、プロセッサ60は、原稿台ガラス11上の原稿をスキャンする場合、キャリッジ12を読取開始位置から副走査方向(FWD方向)へ移動させる。
【0032】
光電変換部13は、入射光を電気信号に変換する光電変換素子からなる光電変換センサにより構成する。光電変換部13は、例えば、主走査方向の読取ライン分の画素データを生成するラインセンサで構成する光電変換センサを有する。また、光電変換部13は、キャリッジ12に搭載された光学系によって導かれる光を光電変換センサへ入力するためのレンズなども有する。すなわち、光電変換部13の光電変換センサは、キャリッジ12が副走査方向に移動するのに応じて、主走査方向の読取ライン分の画素データを順次出力する。
【0033】
次に、プリンタ3における制御系の構成例について説明する。
図3に示すように、プリンタ3は、プロセッサ70、メモリ71、搬送系23、画像形成部25、露光装置26、転写部28、および、定着器29などを有する。
プロセッサ70は、メモリ71が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。例えば、プロセッサ70は、プログラムを実行することによりプリンタ3内の各部の動作制御、および、各部の動作状況の監視などを行う。また、プロセッサ70は、インターフェースを介して、システム制御部5のプロセッサ50に接続される。プロセッサ70は、システム制御部5からの動作指示に応じて、プリント処理などを実行する。
【0034】
メモリ71は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、データメモリなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。データメモリは、書換え可能な不揮発性メモリである。
搬送系23は、プロセッサ70の制御によってプリンタ3内において用紙を搬送させる。すなわち、搬送系23は、プロセッサ70からの動作指示に応じて各部の搬送ローラを駆動させることにより用紙を搬送させる。
【0035】
露光装置26は、プロセッサ70からの動作指示に応じて、画像形成部25の各感光体ドラムに静電潜像を形成するための光(レーザ光)を照射する。プロセッサ70は、露光装置26による感光体ドラムに対するレーザ光の照射位置を制御することで印字位置および倍率などを調整する。プロセッサ70は、後述する印字基準を起点として印刷範囲に応じて動作制御によって所望の印刷範囲となるように画像調整を実行する。
【0036】
画像形成部25は、プロセッサ70からの動作指示に応じて感光体ドラムに形成された静電潜像を各色のトナーで現像する。また、画像形成部25は、感光体ドラム上に形成したトナーを中間転写ベルトへ転写(1次転写)する。
【0037】
転写部28は、プロセッサ70からの動作指示に応じて中間転写ベルト27に転写されたトナー像を用紙に転写(2次転写)する。定着器29は、プロセッサ70からの動作指示に応じてヒートローラ29bおよび加圧ローラ29cを駆動させる。また、定着器29の加熱部29aは、プロセッサ70による制御に従ってヒートローラ29bの表面温度を所望の定着温度にする。定着器29は、定着温度に制御されている状態において、用紙に転写されているトナー像を用紙に定着させる。
【0038】
次に、操作パネル4における制御系の構成例について説明する。
図3に示すように、操作パネル4は、プロセッサ80、メモリ81、表示部(ディスプレイ)41、タッチパネル42および操作ボタン43などを有する。
プロセッサ80は、メモリ81が記憶するプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。例えば、プロセッサ80は、プログラムを実行することにより操作パネル4の各部の動作制御、および、各部の動作状況の監視などを行う。また、プロセッサ80は、インターフェースを介して、システム制御部5のプロセッサ50に接続される。例えば、プロセッサ80は、ユーザが入力した情報をシステム制御部5へ通知する。
【0039】
メモリ81は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリーメモリ)、データメモリなどのメモリを含む。RAMは、ワーキングメモリ或はバッファメモリとして機能する。ROMは、書換え不可な不揮発性メモリである。ROMは、プログラムメモリとして機能する。データメモリは、書換え可能な不揮発性メモリである。
【0040】
表示部41は、プロセッサ80からの動作指示に応じて表示内容が制御される。タッチパネル42は、表示部41の表示画面上に設けられ、表示画面上におけるタッチされた位置を検知する。例えば、プロセッサ80は、操作案内と共にタッチパネル42で選択可能なアイコンを表示部41の表示画面に表示する。プロセッサ80は、タッチパネル42が検知するタッチ位置に応じてユーザが入力する情報を判別する。操作ボタン43は、スタートキー、リセットキーなどのハードキーなどにより構成する。
【0041】
次に、デジタル複合機1が製造工場で画像調整された後に市場において使用可能な状態となるまでの流れについて概略的に説明する。
図4は、デジタル複合機1が市場において使用可能となるまでの流れを説明するためのフローチャートである。
デジタル複合機1は、製造工場において、
図1乃至
図3に示すハードウエア構成を有する画像形成装置として製造される。デジタル複合機1は、製造工場における作業工程(製造工程)において、各種の設定および調整が施される。以下、本実施形態においては、主として、デジタル複合機1に対する画像調整に関する処理および作業について説明するものとする。
【0042】
製造工程において、デジタル複合機1は、スキャナ2の調整を実行する(ACT11)。スキャナ2の調整としては、原稿台ガラス11上の読取画像データが基準(標準)状態となるように調整する。スキャナ2は、原稿台ガラス11にセットされた高精度に作成された基準チャートをスキャンすることにより自身を調整する。基準チャートは、スキャナ2が読取可能な副走査方向および主走査方向における基準位置を示すパターンが形成されたものであれば良い。例えば、基準チャートは、湿度および温度(生活環境での温度範囲)の変化で大きさが変化しない部材で構成された媒体に誤差を所定値未満として基準位置を示すパターンを形成したものである。
【0043】
スキャナ2のプロセッサ60は、初期設定値で駆動することにより原稿台ガラス11にセットされた基準チャートを読取る。プロセッサ60は、初期設定値での基準チャートの読取画像に基づいて副走査方向および主走査方向におけるずれ量を解析する。例えば、プロセッサ60は、基準チャートの読取画像から副走査方向におけるずれ量を検出する。プロセッサ60は、検出した副走査方向におけるずれ量に基づいて移動機構63を駆動制御するための設定値を調整する。これにより、プロセッサ60は、副走査方向において基準チャートを基準のドット数で読み取るように移動機構63による副走査方向への移動速度を調整する。また、スキャナ2のプロセッサ60は、主走査方向におけるずれ量に基づいて読取り画像としての出力データに対する設定値を調整する。プロセッサ60は、主走査方向において基準チャートを規定のドット数で読み取るように出力データを調整する。
【0044】
スキャナ2を調整した後、システム制御部5のプロセッサ50は、当該製造工場(製造工程)での画像調整に用いる用紙(第1の用紙)のサイズを読込む(ACT12)。例えば、プロセッサ50は、スキャナ2を用いて画像調整に用いる用紙(白紙)をスキャンすることにより第1の用紙のサイズを読込む。また、プロセッサ50は、オペレータが操作パネル4で入力するサイズを第1の用紙のサイズとして読込むようにしても良い。第1の用紙のサイズを読込むと、プロセッサ50は、読込んだ第1の用紙のサイズをメモリ51の記憶領域51aに記憶する(ACT13)。
【0045】
第1の用紙(製造工程での画像調整に用いる用紙)のサイズを記憶すると、システム制御部5のプロセッサ50は、第1の用紙を用いてスキャナ2による画像調整を実行する(ACT14)。画像形成装置における画像調整方法は、一般にはいくつかの種類がある。本実施形態に係るデジタル複合機1では、用紙のセンタと用紙に印刷する画像のセンタとが一致するように画像調整を行う。すなわち、デジタル複合機1は、用紙の中心に画像を印刷するように用紙の全周におけるボイドが均一となるような画像調整を実施する。
【0046】
ここで、本実施形態に係るデジタル複合機1における画像調整について具体的に説明する。
デジタル複合機1の画像調整において、プリンタ3は、画像調整用のパターン(調整パターン)を用紙に印刷する。スキャナ2は、調整パターンを印刷した用紙を読み取る。システム制御部5は、スキャナ2による調整パターンを印刷した用紙の読取画像に基づいて画像調整を実行する。システム制御部5のプロセッサ50は、スキャナ2による調整パターンの読取画像に基づいて、用紙に画像を印刷するための設定値(画像調整の設定値)を判定する。プロセッサ50は、スキャナ2の読取画像に基づいて特定した設定値(画像調整の設定値)をメモリ51に保存する。本実施形態において、製造工程における画像調整では、画像調整の設定値として第1の用紙に対する画像の印刷範囲を調整するための設定値を判定するものとする。
【0047】
図5は、デジタル複合機1が用紙に対して設定する印刷範囲PAを説明するための図である。
デジタル複合機1は、画像調整において、用紙の搬送タイミングおよび用紙の大きさなどに応じて印刷基準Rpを起点する印刷範囲PAを設定する。印刷範囲PAは、用紙Pにおいて当該用紙の端部から一定の距離Voの範囲が余白となるように設定する。印刷基準Rpは、用紙Pの搬送方向における印刷範囲PAの先端Topと左端Leftとにより設定される。システム制御部5は、用紙Pの搬送方向に対して、用紙Pの先端から距離Voの位置を印刷範囲PAの先端Topとし、用紙Pの左端から距離Voとなる位置を印刷範囲PAの左端Leftとする。露光装置26は、印刷画像の書込みを開始する位置が印刷基準Rpとなるように用紙Pの搬送タイミングに応じて画像形成部25の感光体ドラムに対する露光が制御される。
【0048】
また、印刷範囲PAは、印刷基準Rpを示す先端Topと左端Leftとに加え、搬送方向における右端Rightと後端Bottomとで設定される。印刷範囲PAの右端Rightは、印刷基準Rpからの主走査方向における倍率(搬送方向に対する垂直方向における倍率)で調整される。また、印刷範囲PAの後端Bottomは、印刷基準Rpからの副走査方向における倍率(用紙Pの搬送方向における倍率)で調整される。
【0049】
図6は、画像調整に用いられる第1の調整パターンの例である。また、
図7は、画像調整に用いられる第2の調整パターンの例である。
画像調整において、プリンタ3は、調整パターン(第1又は第2の調整パターン)を用紙(第1の用紙)に印刷する。スキャナ2は、調整パターンが印刷された用紙の画像を読取る。システム制御部5は、スキャナ2の読取画像にける調整パターンを解析することにより印刷範囲を示す特定のパターンの印刷位置を検出する。
【0050】
システム制御部5は、調整パターンの読取画像から検出する特定のパターンに基づき、用紙の全周において用紙の端部から印刷範囲までの距離(余白量)を判定する。
図5に示す例において、用紙Pにおける印刷範囲PAは、先端Top、左端Left、右端Right、後端Bottomの各位置で特定される。従って、プロセッサ50は、調整パターンの読取画像において、用紙Pの先端から印刷範囲PAの先端Topまでの距離、用紙Pの左端から印刷範囲PAの左端Leftまでの距離、用紙Pの右端から印刷範囲PAの右端Rightまでの距離、用紙Pの後端から印刷範囲PAの後端Bottomまでの距離をそれぞれ測定する。
【0051】
例えば、
図6に示す第1の調整パターンは、所定間隔で主走査方向と副走査方向(搬送方向)とに直線(ライン)を並べて構成した格子状のパターンからなる。第1の調整パターンは、各ラインの配置間隔が既知である。これにより、第1の調整パターンを印刷した用紙では、用紙の端部から所定の本数目のラインとの距離を測定すれば、用紙の端部から印刷範囲までの距離が特定できる。プロセッサ50は、スキャナ2の読取画像において用紙の端部から所定の本数目のラインまでの距離を測定する。
【0052】
例えば、プロセッサ50は、第1の調整パターンの読取画像において用紙の端部から用紙の端部に最も近いラインまでの距離を測定する。このような測定結果に基づいて、プロセッサ50は、用紙端部から印刷範囲までの距離を判定する。なお、デジタル複合機は、印刷画像の傾き等を検出するため、特定のラインを検出する機能が有するものがある。このようなデジタル複合機では、用紙の端部からの上記した特定のラインまでの距離を計測するようにすれば、処理の効率化を図ることもできる。
【0053】
また、
図7に示す第2の調整パターンは、印刷領域を示す矩形のラインと搬送方向を示すマーク(矢印)とを有するパターンである。第2の調整パターンを印刷した用紙では、用紙の端部から印刷範囲を示すラインまでの距離を測定すれば、用紙の端部から印刷範囲までの距離が容易に特定できる。
【0054】
本実施形態のデジタル複合機は、画像調整として、印刷範囲(画像が印刷される位置)が用紙の中央に位置するように調整を行う。つまり、デジタル複合機1は、画像調整において、用紙のセンタと用紙における画像(印刷範囲)のセンタとが一致するように設定する。用紙の各辺において用紙の端部から印刷範囲までの距離(余白)が均等であれば、用紙のセンタと印刷範囲のセンタとは一致する。
【0055】
プロセッサ50は、用紙の端部から印刷範囲までの距離(余白)が一定の距離となるように画像調整を行うことで、用紙のセンタと印刷範囲のセンタとを一致させる。例えば、
図5に示すような印刷範囲PAを設定する場合、プロセッサ50は、先端Top、左端Left、右端Right、後端Bottomの位置がそれぞれ用紙の端部から一定の距離Voとなるように設定する。
【0056】
一方、デジタル複合機1は、プリンタ3での印刷工程において、定着器29による定着処理によって用紙に熱を与える。定着器29で定着処理された用紙は、定着器29からの熱によって水分が蒸発することでサイズが収縮する。定着処理によって収縮した用紙は、時間経過とともに徐々に定着処理前のサイズに戻る。定着処理によって用紙が収縮する量は、用紙の材質などによって変わり、収縮したサイズが元に戻る時間も一意に決まるものではない。
【0057】
図8は、定着処理による用紙のサイズ変化の例を示す図である。
図8に示すように、定着処理によって用紙は、収縮してサイズが小さくなるため、定着処理の直後で最も収縮する。定着処理後、定着処理(印刷処理)によって収縮した用紙は、時間経過とともに徐々に定着処理前のサイズに戻るようにサイズが変化する。このため、画像調整では、調整パターンを用紙に印刷してからスキャナ2による画像の読取を実施するまでの時間経過に応じて用紙のサイズが変動する。つまり、画像調整に伴う作業のタイミングによって用紙の大きさが変動してしまうと考えられる。
【0058】
このような現象に対して、デジタル複合機1での画像調整では、用紙のセンタと印刷範囲のセンタとが一致するように調整することで用紙の収縮による影響を小さくできる。つまり、用紙のセンタと印刷範囲のセンタとを一致させると、用紙が収縮しても印刷範囲の変動は用紙自体のサイズ変動よりも小さくできる。
【0059】
ここで、
図7を参照して具体例について説明する。
A3と称する用紙が、搬送方向(副走査方向)のサイズが420mm、搬送方向の直角方向(主走査方向)のサイズが297mmであるものとする。また、用紙における印刷範囲を規定する余白(
図7に示すV0)が5mmであるものとする。この場合、上記したサイズ(297mm×420mm)であるA3の用紙においては、印刷範囲が287mm×410mmとなる。297mm×420mmの用紙が定着処理で一様に0.5%収縮するとすれば、定着処理前の上記A3の用紙と定着処理後の上記A3の用紙では、副走査方向に1.435mm、主走査方向に2.05mmの差分(ずれ)が生じる。
【0060】
すなわち、定着処理の直後の用紙の端部を基準に印刷範囲を設定すると、上記A3の用紙は、0.5%の収縮によって副走査方向に1.435mmずれ、主走査方向に2.05mmのずれが生じることとなる。これに対して、用紙の端部からの距離が均一になるように印刷範囲を調整する場合(用紙のセンタと印刷範囲のセンタとを一致させると)、上記A3の用紙は、定着処理で0.5%収縮しても副走査方向および主走査方向におけるずれがそれぞれ0.025mmとなる。つまり、用紙のセンタと印刷範囲のセンタとを一致させて、用紙の端部からの距離が均一になるように印刷範囲を調整すると、定着処理による用紙の収縮による画像のずれを小さくできる。本実施形態のデジタル複合機1では、用紙の端部からの距離を均一にする画像調整を行うことで、定着処理などによる収縮の影響を小さくでき、用紙に対する印字位置の調整精度を向上させることができる。
【0061】
スキャナ2による画像調整が完了すると、システム制御部5のプロセッサ50は、市場で使用される用紙(第2の用紙)に関する用紙情報をメモリ51の記憶領域51bに記憶する(ACT16)。本実施形態において、記憶領域51bは、市場での初期セットアップ処理において参照される用紙情報を格納するメモリ領域である。また、記憶領域51bに記憶する用紙情報は、市場で使用される用紙(第2の用紙)のサイズを示す情報を含むものとする。
【0062】
また、記憶領域51bに記憶する用紙情報は、製造工程での画像調整に用いた第1の用紙に対する第2の用紙の差分(ずれ量)を示す情報であっても良い。また、用紙情報は、自己診断コードに対応づけて記憶するようにしても良い。用紙情報は、デジタル複合機1の出荷ごとに出荷先の地域に応じて個別に設定しても良い。記憶領域51bには、複数の地域ごとの複数種類の用紙情報を記憶しておき、市場で指定される地域に応じた用紙情報を参照できるようにしても良い。
なお、第2の用紙に関する用紙情報は、当該デジタル複合機1が出荷後に市場で用紙情報による補正を実行する前にメモリ51の記憶領域51bに記憶されていれば良い。このため、ACT16の処理は、ACT17の前であればいつ実行しても良い。
【0063】
画像調整および市場での用紙情報の設定が完了すると、当該デジタル複合機1は、市場へ出荷するための梱包が施される。梱包が完了したデジタル複合機1は、市場における各出荷先(客先)へ搬送される。出荷先に到着すると、デジタル複合機1は、出荷先において開梱される。開梱されたデジタル複合機1は、ユーザが希望する場所に設置され、電源に接続される。
【0064】
出荷先に設置されたデジタル複合機1のシステム制御部5は、まず、初期セットアップ処理が実行される。例えば、システム制御部5のプロセッサ50は、初期セットアップ処理として、現像剤の調整、画像濃度の調整、各部のエラーチェックなどを含む一連の処理を実行する。本実施形態において、プロセッサ50は、初期セットアップ処理において、市場での画像調整として第2記憶領域に記憶した用紙情報による補正処理を実行する(ACT17)。なお、市場での画像調整(補正処理)については、後で詳細に説明するものとする。
【0065】
市場での画像調整は、市場で使用する用紙に応じて製造工程での画像調整で設定された設定値を補正(調整)する処理である。初期セットアップ処理において市場での画像調整を実施することで、デジタル複合機は、製造現場での調整結果をユーザが使用する直前に使用環境に合わせた設定に変更できる。例えば、製造現場の温湿度環境がユーザの使用環境と著しく異なる場合に生じる用紙サイズの変化に対する微調整を容易に実施することがきる。
【0066】
市場での画像調整を含む初期セットアップ処理が終了すると、プロセッサ50は、当該デジタル複合機1を使用可能な状態とする(ACT18)。これにより、デジタル複合機1は、市場で使用する用紙を想定して記憶領域51bに記憶した用紙情報に基づいて補正された設定値による印刷が可能となる。
【0067】
なお、市場での画像調整(用紙情報による補正処理)は、当該デジタル複合機1を出荷する直前に実施しても良い。この場合、出荷先で使用される用紙に関する情報を用紙情報として第2記憶領域51bに記憶し、出荷前に市場での画像調整(用紙情報による補正処理)を実行すれば良い。
【0068】
初期セットアップ処理が完了して使用可能な状態となった後、デジタル複合機1は、ユーザの指示に応じて画像調整の設定値に対する再調整を行う機能を有する。すなわち、プロセッサ50は、操作パネル4への操作によって再調整の要求を受付ける。例えば、ユーザは、操作パネル4において調整モードの一つとしての画像調整の設定値に対する再調整を指示する。
【0069】
操作パネル4において画像調整の設定値に対する再調整が指示されると(ACT19、YES)、プロセッサ50は、現在の設定値を補正(調整)する再調整処理を実行する(ACT20)。再調整処理では、市場においてオペレータ(ユーザ)が指定する再調整用の用紙のサイズを取得し、取得した用紙のサイズに基づいて設定値と補正する。市場におけるオペレータの操作に応じた再調整処理については、後で詳細に説明するものとする。
【0070】
次に、デジタル複合機1における市場での画像調整としての用紙情報による補正処理について説明する。
図9は、デジタル複合機1における市場での画像調整としての用紙情報による補正処理を説明するためのフローチャートである。
上述したように、デジタル複合機1は、初期セットアップ処理において、市場で使用される用紙(第2の用紙)に関する用紙情報によって画像調整の設定値を補正する補正処理を実施する。すなわち、デジタル複合機1は、製造工程での画像調整による設定値を市場で調整する必要がある場合、市場での画像調整(補正処理)のための用紙情報を第2記憶領域51bに記憶しておく。
【0071】
第2記憶領域51bに記憶する用紙情報は、市場での使用が想定される用紙(第2の用紙)に関する情報である。例えば、第2記憶領域51bに記憶する用紙情報は、市場で使用される用紙(第2の用紙)のサイズを示す情報を含む。また、第2記憶領域51bに記憶する用紙情報は、製造工程での画像調整に用いた用紙(第1の用紙)と第2の用紙との差分(ずれ量)を示す情報であっても良い。
【0072】
システム制御部5のプロセッサ50は、初期セットアップ処理において、第2記憶領域51bに記憶する用紙情報に基づく補正処理を実行するか否かを判断する(ACT31)。例えば、第1記憶領域51aに記憶する第1の用紙のサイズと第2記憶領域51bに記憶する用紙情報が示す用紙のサイズとが同一である場合、プロセッサ50は、現在の画像調整の設定値に対する補正(調整)が不要であると判断する(ACT31、NO)。
【0073】
補正処理を実行すると判断した場合(ACT31、YES)、プロセッサ50は、画像調整の設定値を補正するための用紙情報を第2記憶領域51bから読込む(ACT32)。第2記憶領域から用紙情報を読込むと、プロセッサ50は、現在の画像調整の設定値に対応する用紙サイズ(第1の用紙の用紙サイズ)を第1記憶領域51aから読込む(ACT33)。
【0074】
プロセッサ50は、現設定の用紙サイズと補正処理に用いる用紙情報から得られる用紙サイズとの差分(ずれ量)を取得する(ACT34)。たとえば、プロセッサ50は、現設定の用紙サイズと補正処理に用いる用紙情報から得られる用紙サイズとの差を算出することにより差分(ずれ量)を取得する。ただし、用紙情報としては、現設定の用紙(第1の用紙)のサイズと補正に用いる用紙(第2の用紙)のサイズとの差分(ずれ量)を示す情報であっても良い。この場合、プロセッサ50は、用紙情報からサイズの差分としてのずれ量を取得する。
【0075】
差分を取得すると、プロセッサ50は、サイズの差分に応じて現在の画像調整の設定値を補正する(ACT35)。用紙情報に基づく補正(市場での画像調整)は、現在の設定値をサイズの差分に応じて補正すれば良い。製造工程では、専門の作業員による正確な画像調整が期待できる。このため、製造工程での画像調整の設定値を用紙のサイズの差分に応じて補正すれば、補正後の設定値は、用紙のサイズに応じた正確な設定値であることが期待できる。
【0076】
図10は、製造工程での画像調整に用いる用紙(第1の用紙)P1と市場で使用される用紙(第2の用紙)P2との具体例を示す図である。
図10に示す例では、第1の用紙P1のサイズは、用紙の搬送方向に対して、長さ(A)が422mmで、幅(B)が298mmである。また、第2の用紙P2のサイズは、用紙の搬送方向に対して、長さ(E)が420mmで、幅(F)が297mmである。
【0077】
図5に示すような4つの位置の情報で印刷範囲が設定される場合、プロセッサ50は、市場での画像調整(微調整)において、以下のように画像調整の設定値を補正する。
まず、先端Topの位置は、用紙が先端を基準に搬送制御されるものであれば、用紙のサイズにかかわらず変更されないものとする。このため、先端Topの位置は、用紙のサイズが変わっても、市場での画像調整では補正不要となる。
【0078】
左端Leftの位置は、用紙の幅方向におけるサイズの差分に応じて調整する。これにより、露光装置26による画像の書き出し位置が調整される。
図10に示す例であれば、用紙の幅方向におけるサイズの差分は、298mm(B)-297mm(F)=1.0mmとなる。本デジタル複合機1では、用紙のセンタを基準として調整を行うため、左端Leftの位置は、サイズの差分に対して半分の距離分を移動させる。従って、
図10に示す例では、左端Leftの位置は、{298mm(B)-297mm(F)}/2=0.5mmだけずらすように補正する。
【0079】
右端Rightの位置は、用紙の幅方向におけるサイズの差分に応じて調整する。右端Rightの位置は、露光装置26が画像形成部25の感光体ドラム(像担持体)上に形成する画像の主走査方向の倍率で調整される。
図10に示す例では、用紙の幅方向における差分は1.0mmであるから、右端Rightの位置も、サイズの差分に対して半分の距離分を移動させる。従って、
図10に示す例では、右端Rightの位置は、0.5mmだけ小さくなるように主走査方向の倍率を補正する。
【0080】
後端Bottomの位置は、用紙の長さ方向におけるサイズの差分に応じて調整する。後端Bottomの位置は、露光装置26が画像形成部25の感光体ドラム(像担持体)上に形成する画像の副走査方向の倍率で調整される。
図10に示す例では、用紙の長さ方向におけるサイズの差分は、422mm(A)-420mm(E)=2.0mmとなる。上記のように先端Topの位置は変更されないため、後端Bottomの位置は、長さ方向におけるサイズの差分を移動させる。従って、
図10に示す例では、後端Bottomの位置は、{422mm(A)-420mm(E)}=2.0mmだけ小さくなるように副走査方向の倍率を補正する。
【0081】
第2記憶領域51bに記憶した用紙情報に基づいて画像調整の設定値を補正した後、プロセッサ50は、第1記憶領域51aに記憶する用紙のサイズを第2の用紙のサイズ(用紙情報に基づく用紙サイズ)に更新する(ACT36)。つまり、プロセッサ50は、画像調整の設定値を補正した場合、補正処理に用いた用紙のサイズを第1記憶領域51aに上書きする保存する。これにより、第1記憶領域51aには、現在の設定値に対応する用紙のサイズが記憶される。
【0082】
次に、デジタル複合機1における市場のオペレータによる画像調整の設定値に対する再調整処理について説明する。
図11は、デジタル複合機1における画像調整の設定値に対する再調整処理を説明するためのフローチャートである。
デジタル複合機1は、初期セットアップ処理において、出荷前に第2記憶領域51bに記憶されている用紙情報に基づいて画像調整の設定値が補正される。ただし、出荷前に第2記憶領域51bに記憶した用紙情報が実際に当該デジタル複合機1を使用する用紙にマッチしない場合も有りうる。このような場合、実施形態に係るデジタル複合機1では、市場におけるオペレータ(ユーザ)の操作によって画像調整の設定値を再度調整する機能を有する。
【0083】
再調整を実行したい場合、オペレータは、操作パネル4を用いて再調整処理を指示する。システム制御部5のプロセッサ50は、上述したように、操作パネル4におけるオペレータからの再調整の指示に応じて再調整処理を実行する。再調整処理が指示されると、プロセッサ50は、操作パネル4のディスプレイ41に再調整に用いる用紙(再調整用の用紙)のサイズを入力するための操作案内を表示する(ACT41)。ここでは、再調整用の用紙のサイズは、スキャナ2の読取画像から取得する方法とパネル4に直接入力する方法との何れかをオペレータが選択できるものとする。
【0084】
スキャナ2を用いたサイズ取得が選択された場合(ACT42、YES)、プロセッサ50は、再調整用の用紙をセットしてスキャン開始を指示する旨の案内をディスプレイ41に表示する(ACT43)。ここで、再調整用の用紙は、白紙の状態で原稿台ガラス11上にセットされるものとする。プロセッサ50は、案内を表示するとともに、スキャン開始の指示を受付ける。
【0085】
スキャン開始が指示されると(ACT44、YES)、プロセッサ50は、スキャナ2に対して原稿台ガラス11上における用紙のスキャンを指示する(ACT45)。スキャナ2は、プロセッサ50からの指示に応じて原稿台ガラス11上をスキャンする。この場合、原稿台ガラス11にセットされる白紙を検出しやすいスキャン設定で画像を読取るようにしても良い。スキャナ2は、スキャンした画像をシステム制御部5へ供給する。
【0086】
システム制御部5のプロセッサ50は、スキャナ2からスキャン画像を取得すると、取得したスキャン画像から再調整用の用紙のサイズを検出する処理を実行する(ACT46)。例えば、プロセッサ50は、スキャン画像において原稿台ガラス11にセットされた白紙(再調整用の用紙)の端部を検出することにより再調整用の用紙のサイズを検出する。
【0087】
用紙のサイズの検出処理が終了すると、プロセッサ50は、検出結果として得られたサイズが有効であるか否かを判断する(ACT47)。スキャン画像から用紙のサイズが検出できなかった場合(ACT47、NO)、プロセッサ50は、サイズの検知不可によるエラーを報知する。エラーを報知した後、プロセッサ50は、ACT43へ戻り、白紙のセット案内を行う。また、プロセッサ50は、エラーを報知した後、ACT41へ戻り、サイズの直接入力を受付けても良い。
【0088】
スキャン画像から用紙のサイズが検出できた場合(ACT47、YES)、プロセッサ50は、検出したサイズを示す情報を用紙情報として第2記憶領域に記憶する(ACT48)。プロセッサ50は、第2記憶領域にスキャン画像から検出したサイズを示す情報を上書きすることにより第2記憶領域に記憶する用紙情報を更新する。第2記憶領域に記憶する用紙情報を更新すると、プロセッサ50は、更新した用紙情報に基づいて現在の画像調整の設定値を補正する処理を行う。
【0089】
第2記憶領域に記憶する用紙情報を更新すると、プロセッサ50は、第1記憶領域に記憶する現設定の用紙サイズを読込む(ACT49)。第1記憶領域に記憶する現設定の用紙サイズを読込むと、プロセッサ50は、現設定の用紙サイズと更新した用紙情報から得られる用紙サイズとの差分(ずれ量)を算出する(ACT50)。
【0090】
用紙サイズの差分を判定すると、プロセッサ50は、用紙サイズの差分に応じて現在の画像調整の設定値を補正する(ACT51)。用紙情報に基づく補正(市場での画像調整)は、上述したACT35と同様な処理で実現して良い。画像調整の設定値を補正した後、プロセッサ50は、第1記憶領域51aに記憶する用紙のサイズを第2記憶領域に記憶した用紙のサイズ(再調整用の用紙のサイズ)に更新する(ACT52)。
【0091】
また、再調整用の用紙のサイズの直接入力が選択された場合(ACT42、NO)、プロセッサ50は、サイズを入力するための入力画面をディスプレイ41に表示する(ACT53)。入力画面を表示した状態において、プロセッサ50は、タッチパネル42または操作ボタン43を用いたサイズの入力を受付ける(ACT54)。
【0092】
サイズが直接入力されると(ACT55、YES)、プロセッサ50は、入力されたサイズが有効なデータであるかことを確認する(ACT56)。入力されたデータが用紙のサイズとして有効な値でない場合(ACT56、NO)、プロセッサ50は、サイズの入力エラーを報知する。エラーを報知した後、プロセッサ50は、ACT53へ戻り、サイズの入力画面を表示し、サイズの入力を再度受付ける。また、プロセッサ50は、エラーを報知した後、ACT41へ戻り、スキャナ2を用いたサイズの入力を受付けても良い。
【0093】
入力された用紙のサイズが有効なサイズであることを確認した場合(ACT56、YES)、プロセッサ50は、入力されたサイズを示す情報を用紙情報として第2記憶領域に記憶する(ACT48)。つまり、プロセッサ50は、第2記憶領域に記憶する用紙情報を入力された用紙のサイズを示す情報に更新する。第2記憶領域に記憶する用紙情報を更新すると、プロセッサ50は、上述したACT49へ進み、更新した用紙情報に基づいて現在の画像調整の設定値を補正する処理を行う。
【0094】
以上のように、本実施形態に係るデジタル複合機は、調整パターンを印刷した製造工程での画像調整に用いる第1の用紙をスキャナで読み取った画像に基づいて印刷範囲が用紙の端部から一定の距離となるように調整した設定値をメモリに記憶する。デジタル複合機は、画像調整デジタル複合機は、製造工程での画像調整に用いた第1の用紙とは異なるサイズの第2の用紙を使用する場合、第2の用紙に関する用紙情報に基づいて画像調整による設定値を補正する。
【0095】
これにより、デジタル複合機は、製造工程での画像調整において定着処理などによる用紙の収縮の影響が少ない設定値を設定でき、さらに市場においては使用される第2の用紙に応じて製造工程での画像調整で設定された設定値を適正化できる。この結果として、製造工程では印刷処理で与えられる熱による用紙の収縮の影響が少ない設定値を設定でき、さらに製造工程における環境と使用環境との相違によって生じる用紙の変化に応じて設定値を容易に補正することもできる。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
画像を読取るスキャナと、
前記スキャナで読み取った画像を用紙にプリントするプリンタと、
前記プリンタを用いて第1の用紙に調整パターンを印刷し、前記調整パターンを印刷した前記第1の用紙を前記スキャナで読み取った画像に基づいて印刷範囲が前記第1の用紙の端部から一定の距離となるように調整した設定値を記憶するメモリと、
前記第1の用紙とは異なるサイズの第2の用紙を使用する場合、前記第2の用紙に関する用紙情報に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正するプロセッサと、
を有する画像形成装置。
[2]
前記第2の用紙に関する用紙情報は、前記第2の用紙のサイズを示す情報である、
[1]に記載の画像形成装置。
[3]
前記第2の用紙に関する用紙情報は、前記第1の用紙と前記第2の用紙とのサイズのずれ量を示す情報である、
[1]に記載の画像形成装置。
[4]
前記メモリは、前記第1の用紙のサイズを記憶する第1記憶領域と前記第2の用紙に関する用紙情報を記憶する第2記憶領域とを有し、
前記プロセッサは、前記第2記憶領域に記憶する用紙情報に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正し、前記第1記憶領域が記憶するサイズを前記第2の用紙のサイズに更新する、
[1]乃至[3]の何れかに記載の画像形成装置。
[5]
前記プロセッサは、当該画像形成装置の初期セットアップ処理において、前記第2記憶領域に記憶する前記第2の用紙に関する用紙情報に基づいて前記メモリが記憶する前記設定値を補正する、
[4]に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0097】
2…スキャナ、3…プリンタ、4…操作パネル、5…システム制御部、50…プロセッサ、51…メモリ、51a…第1記憶領域、51b…第2記憶領域。