(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-05
(45)【発行日】2022-12-13
(54)【発明の名称】音声出力器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/26 20060101AFI20221206BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20221206BHJP
H04R 5/02 20060101ALI20221206BHJP
【FI】
H04R1/26
H04R1/02 101Z
H04R5/02 Z
(21)【出願番号】P 2018153420
(22)【出願日】2018-08-17
【審査請求日】2021-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柘植 和則
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-012984(JP,A)
【文献】実開昭53-043901(JP,U)
【文献】特開平11-055780(JP,A)
【文献】実開昭60-184391(JP,U)
【文献】特開2017-079377(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00- 1/08
H04R 1/12- 1/14
H04R 1/20- 1/40
H04R 1/42- 1/46
H04R 5/00- 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有するハウジングと、
電動工具用バッテリが装着されるバッテリ装着部と、
少なくとも一部が前記内部空間に配置される高音用スピーカと、
少なくとも一部が前記内部空間に配置される低音用スピーカと、
前記内部空間において前記高音用スピーカが配置される第1空間と前記低音用スピーカが配置される第2空間とを区画する区画部材と、を備え
、
前記高音用スピーカは、第1高音用スピーカと、第2高音用スピーカとを含み、
前記区画部材は、前記第1高音用スピーカの周囲に配置される第1区画部材と、前記第2高音用スピーカの周囲に配置される第2区画部材とを含み、
前記内部空間において、前記第1区画部材と前記第2区画部材とは接続される、
音声出力器。
【請求項2】
前記区画部材は、前記内部空間において前記高音用スピーカの周囲に配置される、
請求項1に記載の音声出力器。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記内部空間と前記ハウジングの外部空間とを結ぶ開口を有し、
前記区画部材の少なくとも一部は、前記開口に配置され、
前記高音用スピーカの少なくとも一部は、前記区画部材に接続される、
請求項2に記載の音声出力器。
【請求項4】
前記高音用スピーカは、振動板と、コイルと、前記振動板を支持するフランジ部及び前記コイルの周囲に配置される本体部を含むフレームとを有し、
前記区画部材は、前記開口に配置されるリム部と、前記第1空間を形成するボウル部とを有し、
前記リム部は、前記フランジ部を支持し、
前記ボウル部は、前記本体部の周囲に配置される、
請求項3に記載の音声出力器。
【請求項5】
前記第1区画部材は、前記ハウジングの左板に支持され
、
前記第2区画部材は、前記ハウジングの右板に支持される
、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音声出力器。
【請求項6】
前記低音用スピーカは、前記ハウジングの下板に配置される、
請求項
1から請求項5のいずれか一項に記載の音声出力器。
【請求項7】
前記第1高音用スピーカは、前記ハウジング
の左板に配置され、
前記第2高音用スピーカは、前記ハウジング
の右板に配置される、
請求項
1から請求項6のいずれか一項に記載の音声出力器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声出力器に関する。
【背景技術】
【0002】
内装工事現場のような作業現場において、音楽又はラジオ放送を楽しむために、特許文献1に開示されているような音声出力器が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
音声出力器の音質の改善のために、高音用スピーカ及び低音用スピーカのそれぞれから音声を出力させるマルチウェイスピーカ方式を採用することが考えられる。高音用スピーカ及び低音用スピーカが設けられる場合、高音用スピーカ及び低音用スピーカの一方のスピーカから出力された音声に起因する空気の振動が、他方のスピーカの動きを阻害する可能性がある。その結果、音質が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の態様は、音声出力器の音質の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、内部空間を有するハウジングと、電動工具用バッテリが装着されるバッテリ装着部と、少なくとも一部が前記内部空間に配置される高音用スピーカと、少なくとも一部が前記内部空間に配置される低音用スピーカと、前記内部空間において前記高音用スピーカが配置される第1空間と前記低音用スピーカが配置される第2空間とを区画する区画部材と、を備える音声出力器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、音声出力器の音質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る音声出力器の概要を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る音声出力器を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る音声出力器を示す正面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る音声出力器を示す側面図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る音声出力器を示す下面図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る音声出力器を示す断面図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る音声出力器を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るバッテリ収容室を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るバッテリ収容室を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るバッテリ収容室を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る音声出力器を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
また、以下の説明においては、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。上下方向と左右方向と前後方向とは直交する。
【0011】
[音声出力器の概要]
図1は、実施形態に係る音声出力器1の概要を示すブロック図である。音声出力器1は、ラジオ放送出力機能及び音楽再生機能を有する。音声出力器1は、ラジオ放送の電波を受信するアンテナ35と、高音用スピーカ8と、低音用スピーカ9と、操作パネル5と、制御装置70とを備える。
【0012】
音声出力器1は、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9のそれぞれから音声を出力させるマルチウェイスピーカ方式を採用する。高音用スピーカ8は、中高音用スピーカを含む概念である。高音用スピーカ8は、第1高音用スピーカ81と、第2高音用スピーカ82とを含む。
【0013】
制御装置70は、受信部70Aと、通信部70Bと、取得部70Cと、処理部70Dと、出力部70Eとを有する。
【0014】
受信部70Aは、アンテナ35を介して取得されたラジオ放送の電波を同調して音声データを生成するチューナとして機能する。
【0015】
通信部70Bは、音声出力器1とは異なる外部機器91から送信された音声データを取得する。通信部70Bは、外部機器91と無線通信する。通信部70Bは、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)のような近距離無線通信規格に基づいて、外部機器91から送信された音声データを取得する。
【0016】
取得部70Cは、音声出力器1とは異なる外部機器92から送信された音声データを取得する。取得部70Cは、外部機器92と有線通信する。取得部70Cは、ケーブルを介して外部機器92に接続される。取得部70Cは、ケーブルを介して、外部機器92から送信された音声データを取得する。
【0017】
処理部70Dは、受信部70Aで生成された音声データ、通信部70Bにより取得された音声データ、及び取得部70Cにより取得された音声データの少なくとも一つを処理する。処理部70Dは、例えば操作パネル5が操作されることにより生成された操作データに基づいて、音声データを処理する。音声データの処理は、音量の調整処理及び音質の調整処理を含む。音質の調整処理は、音声の周波数特性の調整を含む。
【0018】
出力部70Eは、処理部70Dで処理された音声データを増幅して、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9に出力する。高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9は、出力部70Eから出力された音声データに基づいて、音声を出力する。
【0019】
[音声出力器]
図2は、実施形態に係る音声出力器1を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係る音声出力器1を示す正面図である。
図4は、実施形態に係る音声出力器1を示す側面図である。
図5は、実施形態に係る音声出力器1を示す下面図である。
【0020】
図2、
図3、
図4、及び
図5に示すように、音声出力器1は、ハウジング2と、ハンドル3と、緩衝部材4と、操作パネル5と、ガード部材6と、脚部7と、高音用スピーカ8と、低音用スピーカ9と、バッテリ収容室10とを備える。
【0021】
ハウジング2の外形は、実質的に直方体状である。ハウジング2は、上板21と、下板22と、左板23と、右板24と、前板25と、後板26とを有する。
【0022】
ハウジング2は、本体部材2Aと、蓋部材2Bとを含む。バッテリ収容室10は、本体部材2Aと蓋部材2Bとの間に規定される。本体部材2Aは、上板21の前部、下板22、左板23の前部、右板24の前部、及び前板25を含む。蓋部材2Bは、上板21の後部、左板23の後部、右板24の後部、及び後板26を含む。
【0023】
図4に示すように、蓋部材2Bの下端部は、本体部材2Aに回動可能に連結される。蓋部材2Bに、本体部材2Aと着脱可能に連結されるロック機構27が設けられる。ロック機構27は、ラッチ機構を含む。蓋部材2Bの回動軸は、左右方向に延在する。蓋部材2Bが回動することにより、バッテリ収容室10が開放又は閉塞される。
【0024】
ハンドル3は、作業者に保持される。ハンドル3は、本体部材2Aに回動可能に連結される。作業者は、ハンドル3を保持した状態で、音声出力器1を運搬することができる。ハンドル3は、作業者に把持される把持部31と、把持部31と本体部材2Aとを連結するアーム部32とを有する。アーム部32は、上板21の左部に連結される第1のアーム部32と、上板21の右部に連結される第2のアーム部32とを含む。アーム部32は、本体部材2Aに回動可能に連結される。アーム部32の回動軸は、左右方向に延在する。把持部31は、第1のアーム部32と第2のアーム部32とを結ぶように左右方向に延在する。
図4に示すように、ハンドル3は、収納状態と起立状態との一方から他方に変化するように回動する。収納状態とは、
図4において実線で示すように、アーム部32が実質的に前後方向に延在し、上板21と接触する状態をいう。起立状態とは、
図4において点線で示すように、アーム部32が実質的に上下方向に延在し、上板21から離れる状態をいう。ハンドル3は、収納状態と起立状態との間において、約90[°]回動可能である。収納状態において、上板21と上面とハンドル3の上面とは実質的に同一面内に配置され、後板26の後面とハンドル3の後面とは実質的に同一面内に配置される。
【0025】
緩衝部材4は、衝撃を吸収してハウジング2を保護する。緩衝部材4は、ハウジング2の角部に設けられる。緩衝部材4は、例えばエラストマ製である。
【0026】
操作パネル5は、ハウジング2の前板25に設けられる。操作パネル5は、表示装置51と、表示装置51の上方に配置される複数のボタン52と、表示装置51の下方に配置される複数のボタン53と、ボタン53の下方に配置されるダイヤル54と、ダイヤル54の左方に配置されるイコライザボタン55と、ダイヤル54の右方に配置されるインフォボタン56と、ダイヤル54の周囲に配置される発光部57とを有する。
【0027】
表示装置51は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)のようなフラットパネルディスプレイを含む。表示装置51は、音声出力器1の作動状態を示す表示データを表示する。
【0028】
ボタン52は、音声出力器1の電源のオンとオフとを切り換えるために操作される電源ボタン、受信するラジオ放送をAM(Amplitude Modulation)放送とFM(Frequency Modulation)放送とで切り換えるために操作されるラジオ切換ボタン、及びアラームの出力時刻を設定するために操作されるアラーム設定ボタン等を含む。
【0029】
ボタン53は、ラジオ放送局を選択するために操作されるプリセットボタン、及び外部機器91と通信部70Bとを無線通信するために操作されるペアリングボタン等を含む。
【0030】
ダイヤル54は、ラジオ放送局の選択、及び高音用スピーカ8と低音用スピーカ9とから出力される音量の調整のために操作される。
【0031】
イコライザボタン55は、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9から出力される音声の周波数特性を示すモードを変更するために操作される。複数種類のモードが処理部70Dに予め登録されている。イコライザボタン55が操作される度に、モードが変更される。なお、作業者が操作パネル5を操作して任意のモードを処理部70Dに登録してもよい。作業者は、イコライザボタン55を操作して、再生される音楽の種類に適したモードに設定することができる。モードとして、標準的な周波数特性を示すフラットモード、ジャズ音楽に適したジャズモード、ロック音楽に適したロックモード、クラシック音楽に適したクラシックモード、ポピュラー音楽に適したポップモード、ラジオ放送に適したニュースモード、及び作業者により設定されたマイイコライザモードが例示される。
【0032】
インフォボタン56は、例えば操作パネル5が有する時計表示機能の時刻合わせのために操作される。
【0033】
発光部57は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような光源を含む。光源は、赤色光を射出可能な赤色発光ダイオードと、緑色光を射出可能な緑色発光ダイオードと、青色光を射出可能な青色発光ダイオードとを含む。すなわち、発光部57は、複数の色光を射出可能である。発光部57は、イコライザボタン55で設定されたモードに基づいて、特定の色光を射出する。一例として、フラットモードが設定された場合、発光部57は白色光を射出する。ジャズモードが設定された場合、発光部57は青色光を射出する。ロックモードが設定された場合、発光部57は赤色光を射出する。クラシックモードが設定された場合、発光部57は茶色光を射出する。ポップモードが設定された場合、発光部57は桃色光を射出する。ニュースモードが設定された場合、発光部57は黄色光を射出する。マイイコライザモードが設定された場合、発光部57は緑色光を射出する。設定されたモードに基づいて、発光部57から射出される色光が変更されることにより、作業者は、設定されているモードを直感的に認識することができる。
【0034】
ガード部材6は、操作パネル5を保護する保護部材である。ガード部材6は、前板25の左部及び右部のそれぞれから、操作パネル5よりも前方に突出する。ガード部材6の上部及び下部のそれぞれがハウジング2に連結される。ガード部材6の中間部はハウジング2から離れている。
【0035】
脚部7は、下板22の下面の4つの角部のそれぞれに設けられる。脚部7は、下板22の下面からから下方に突出する。床面のような設置面に音声出力器1を設置する場合、作業者は、脚部7と設置面とが接触するように音声出力器1を設置する。脚部7と設置面とが接触した状態で、下板22の下面は設置面から離れる。
【0036】
また、音声出力器1は、前板25の下部に配置された第1端子41、第2端子42、及び第3端子43を備える。第1端子41は、USB(Universal Serial Bus)端子である。第2端子42は、マイクジャックである。第2端子42にマイクが接続されると、マイクから入力された音声が増幅されて高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9のそれぞれから出力される。第3端子43は、AUX(Auxiliary)端子である。第1端子41は、カバー45で覆われる。第2端子42は、カバー46で覆われる。第3端子43は、カバー47で覆われる。
【0037】
また、音声出力器1は、左板23の下部に配置された電源端子61を備える。電源端子61は、AC(Alternating Current)アダプタを介して交流電源(商用電源)に接続される。ACアダプタは、交流電源から供給された交流電力を直流電力に変換して、電源端子61に出力する。電源端子61は、カバー60で覆われる。
【0038】
[高音用スピーカ及び低音用スピーカ]
図6は、実施形態に係る音声出力器1を示す断面図である。
図6は、
図3のA-A線矢視図を示す。
図7は、実施形態に係る音声出力器1を示す断面図である。
図7は、
図4のB-B線矢視図を示す。
【0039】
図6及び
図7に示すように、ハウジング2は、内部空間SPを有する。高音用スピーカ8の少なくとも一部は、内部空間SPに配置される。低音用スピーカ9の少なくとも一部は、内部空間SPに配置される。
【0040】
本実施形態において、音声出力器1は、内部空間SPにおいて高音用スピーカ8が配置される第1空間SP1と低音用スピーカ9が配置される第2空間SP2とを区画する区画部材100を備える。区画部材100は、内部空間SPにおいて高音用スピーカ8の周囲に配置される。区画部材100は、合成樹脂製でもよいし、金属製でもよい。
【0041】
本実施形態において、音声出力器1は、高音用スピーカ8を2つ有する。高音用スピーカ8は、ハウジング2の左板23に配置される第1高音用スピーカ81と、ハウジング2の右板24に配置される第2高音用スピーカ82とを含む。第1高音用スピーカ81の構造及び大きさと、第2高音用スピーカ82の構造及び大きさとは、同一である。上下方向及び前後方向のそれぞれにおいて、第1高音用スピーカ81の中心の位置と第2高音用スピーカ82の中心の位置とは一致する。第1高音用スピーカ81は、左板23よりも左方に向かって音声を出力する。第2高音用スピーカ82は、右板24よりも右方に向かって音声を出力する。
【0042】
低音用スピーカ9は、ハウジング2の下板22に配置される。左右方向において、低音用スピーカ9は、第1高音用スピーカ81と第2高音用スピーカ82との間に配置される。左右方向において、ハウジング2の中心の位置と低音用スピーカ9の中心の位置とは一致する。低音用スピーカ9は、下板22よりも下方に向かって音声を出力する。
【0043】
なお、上下方向及び前後方向の少なくとも一方において、第1高音用スピーカ81の中心の位置と第2高音用スピーカ82の中心の位置とは一致しなくてもよい。
【0044】
なお、左右方向において、ハウジング2の中心の位置と低音用スピーカ9の中心の位置とは一致しなくてもよい。
【0045】
なお、前後方向において、高音用スピーカ8の中心の位置と低音用スピーカ9の中心の位置とは一致してもよいし一致しなくてもよい。
【0046】
ハウジング2は、内部空間SPとハウジング2の外部空間とを結ぶ開口を有する。ハウジング2の開口は、下板22に設けられた開口22Mと、左板23に設けられた開口23Mと、右板24に設けられた開口24Mとを含む。低音用スピーカ9の少なくとも一部は、開口22Mの内側に配置される。第1高音用スピーカ81の少なくとも一部は、開口23Mの内側に配置される。第2高音用スピーカ82の少なくとも一部は、開口24Mの内側に配置される。
【0047】
また、区画部材100の少なくとも一部は、開口23Mに配置され、区画部材100の少なくとも一部は、開口24Mに配置される。区画部材100は、ハウジング2に支持される。高音用スピーカ8の少なくとも一部は、区画部材100に接続される。高音用スピーカ8は、区画部材100を介して、ハウジング2に支持される。
【0048】
区画部材100は、第1高音用スピーカ81の周囲に配置されハウジング2の左板23に支持される第1区画部材101と、第2高音用スピーカ82の周囲に配置されハウジング2の右板24に支持される第2区画部材102とを含む。内部空間SPにおいて、第1区画部材101と第2区画部材102とは接続される。
図6に示すように、第1区画部材101と第2区画部材102とは、ねじのような固定部材130により接続される。
【0049】
図8は、
図7の一部を拡大した図である。第1高音用スピーカ81と第2高音用スピーカ82とは同等の構造及び大きさであり、第1区画部材101と第2区画部材102とは同等の構造及び大きさである。以下の説明については、第1高音用スピーカ81及び第1区画部材101について主に説明し、第2高音用スピーカ82及び第2区画部材102についての説明は簡略又は省略する。
【0050】
第1高音用スピーカ81は、振動板83と、コイル84と、フレーム85とを有する。フレーム85は、振動板83を支持するフランジ部85F及びコイル84の周囲に配置される本体部85Bを含む。フレーム85の本体部85Bは、少なくともコイル84及び磁石を支持する。
【0051】
第1区画部材101は、開口23Mに配置されるリム部103と、内部空間SPに配置され第1空間SP1を形成するボウル部104と、台座部105とを有する。リム部103は、フランジ部85Fを支持する。リム部103の少なくとも一部は、フランジ部85Fの周囲に配置される。ボウル部104は、本体部85Bの周囲に配置される。第1空間SP1は、ボウル部104の内側の空間である。
【0052】
ボウル部104は、カップ状の部材である。リム部103は、ボウル部104の口縁を含む。リム部103は、左方に開口する。台座部105は、ボウル部104の右部に固定される。第1空間SP1に面するボウル部104の内面は、曲面を含む。第2空間SP2に面するボウル部104の外面は、曲面を含む。ボウル部104により形成される第1空間SP1は、実質的に密閉される。
【0053】
第1区画部材101は、更にプレート部106を有する。プレート部106は、リム部103の周囲に配置される。プレート部106は、リム部103に固定される。本実施形態において、プレート部106の少なくとも一部は、フランジ部85Fの周囲に配置される。プレート部106は、左板23の左面(外面)と対向するように配置される。すなわち、プレート部106は、左右方向において、ハウジング2の中心に対して左板23よりも左方(外方)に配置される。プレート部106と対向するようにメッシュプレート28が配置される。メッシュプレート28は、多数の小孔を有する金属製の板である。メッシュプレート28は、第1高音用スピーカ81を覆うように配置される。
【0054】
図2、
図3、及び
図5は、ハウジング2にメッシュプレート28が接続されている状態を示し、
図4は、ハウジング2からメッシュプレート28が外されている状態を示す。
【0055】
第1区画部材101と同様、第2区画部材102は、リム部103と、ボウル部104と、台座部105、プレート部106とを有する。第2区画部材102のリム部103は、右方に開口する。第2区画部材102の台座部105は、第2区画部材102のボウル部104の左部に固定される。第2区画部材102のプレート部106は、左右方向において、ハウジング2の中心に対して右板24よりも右方(外方)に配置される。第2区画部材102のプレート部106と対向するようにメッシュプレート28が配置される。メッシュプレート28は、第2高音用スピーカ82を覆うように配置される。
【0056】
第1区画部材101の台座部105と第2区画部材102の台座部105とが固定部材130により接続される。
【0057】
高音用スピーカ8と同様、低音用スピーカ9は、振動板83と、コイル84と、フレーム85とを有する。フレーム85は、振動板83を支持するフランジ部85F及びコイル84の周囲に配置される本体部85Bを含む。低音用スピーカ9のフランジ部85Fは、下板22の開口22Mに配置される。低音用スピーカ9は、ハウジング2の下板22に支持される。
【0058】
低音用スピーカ9は、下板22よりも下方に向かって音声を出力する。本実施形態において、低音用スピーカ9の周囲の一部に脚部7が設けられている。脚部7と設置面とが接触した状態で、下板22の下面及び低音用スピーカ9は、設置面から離れる。
【0059】
また、
図6に示すように、ハウジング2の内部空間SPに、制御装置70の少なくとも一部として機能する制御基板71が配置される。制御基板71には、制御基板71を冷却するためのヒートシンク72が接続される。
【0060】
図7に示すように、ハンドル3のアーム部32の内部には、ラジオ放送の電波を受信するアンテナ35が設けられる。ハンドル3が起立状態になることにより、アンテナ35も起立状態になる。例えば、アンテナ35がFM放送の電波を受信するFM用アンテナである場合、作業者は、ハンドル3を起立状態にしてFM放送を聞く。FM放送を聞かないとき、作業者は、ハンドル3を収納状態にする。収納状態において、上板21と上面とハンドル3の上面とは実質的に同一面内に配置され、後板26の後面とハンドル3の後面とは実質的に同一面内に配置される。このように、アーム部32にアンテナ35が内蔵されることにより、音声出力器1の意匠性が向上する。
【0061】
[バッテリ収容室]
次に、
図9、
図10、及び
図11を参照しながら、バッテリ収容室10について説明する。
図9、
図10、及び
図11のそれぞれは、本実施形態に係るバッテリ収容室10を示す斜視図であり、本体部材2Aから蓋部材2Bが外され、バッテリ収容室10が開放されている状態を示す。
【0062】
バッテリ収容室10は、本体部材2Aの後方に規定される。本体部材2Aは、バッテリ11が装着されるバッテリ装着部12を備える。バッテリ装着部12は、本体部材2Aの後部に設けられる。
【0063】
バッテリ11は、電工工具に電力を供給可能な電動工具用バッテリである。バッテリ11は、電動工具のバッテリ装着部に装着されることにより、電動工具に電力を供給する。また、バッテリ11は、充電式バッテリである。バッテリ11は、2次電池を含む。充電器で充電されることにより、バッテリ11は、電荷を保持する。音声出力器1のバッテリ装着部12は、電動工具のバッテリ装着部と同等の構造及び機能を有する。
【0064】
本実施形態において、音声出力器1に電力を供給可能なバッテリ11は、第1バッテリ11Aと、第2バッテリ11Bとを含む。第1バッテリ11Aの外形は、第2バッテリ11Bの外形よりも小さい。一例として、第1バッテリ11Aは、10.8[V]バッテリであり、第2バッテリ11Bは、18[V]バッテリである。
【0065】
バッテリ装着部12は、第1バッテリ11Aが装着される第1バッテリ装着部12Aと、第2バッテリ11Bが装着される第2バッテリ装着部12Bとを含む。第1バッテリ装着部12Aと第2バッテリ装着部12Bとは上下方向に配置される。
【0066】
本実施形態において、バッテリ11は、スライド式バッテリである。バッテリ装着部12は、左右方向に配置されバッテリ11を上下方向にガイドする一対のガイド部と、一対のガイド部の間に配置される電極部とを有する。バッテリ11は、ガイド部よりも上方からガイド部に挿入され、ガイド部にガイドされながら下方にスライドすることにより、電極部に接続される。なお、バッテリ11は、差込式バッテリでもよい。
【0067】
図9は、第1バッテリ装着部12Aに第1バッテリ11Aが装着されている状態を示す。
図10は、第2バッテリ装着部12Bに第2バッテリ11Bが装着されている状態を示す。
【0068】
本実施形態においては、2つのバッテリ11(11A,11B)が2つのバッテリ装着部12(12A,12B)のそれぞれに同時に装着されないように、バッテリ11の外形及び寸法に合わせて、バッテリ装着部12の構造及び2つのバッテリ装着部12の距離が定められている。
図11に示すように、例えば第2バッテリ装着部12Bに第2バッテリ11Bが装着されているとき、作業者が第1バッテリ装着部12Aに第1バッテリ11Aを装着しようとしても、第1バッテリ11Aと第2バッテリ11Bとの接触により、第1バッテリ11Aを第1バッテリ装着部12Aに装着することができない。また、第1バッテリ装着部12Aに第1バッテリ11Aが装着されているとき、作業者が第2バッテリ装着部12Bに第2バッテリ11Bを装着しようとしても、第1バッテリ11Aと第2バッテリ11Bとの接触により、第2バッテリ11Bを第2バッテリ装着部12Bに装着することができない。
【0069】
このように、本実施形態においては、第1バッテリ11Aが第1バッテリ装着部12Aに装着されているときに第2バッテリ11Bが第2バッテリ装着部12Bに装着されず、第2バッテリ11Bが第2バッテリ装着部12Bに装着されているときに第1バッテリ11Aが第1バッテリ装着部12Aに装着されないように、第1バッテリ11A及び第2バッテリ11Bのそれぞれの外形及び寸法に合わせて、第1バッテリ装着部12A及び第2バッテリ装着部12Bのそれぞれの構造及び第1バッテリ装着部12Aと第2バッテリ装着部12Bとの距離が定められている。
【0070】
2つのバッテリ11(11A,11B)が2つのバッテリ装着部12(12A,12B)のそれぞれに同時に装着されている状態において、制御基板71の少なくとも一部に異常が発生した場合、第2バッテリ11Bから第1バッテリ11Aに電流が流れてしまう現象が発生する可能性ある。本実施形態によれば、2つのバッテリ11(11A,11B)が2つのバッテリ装着部12(12A,12B)のそれぞれに同時に装着されないので、上述の現象の発生が抑制される。
【0071】
本実施形態においては、本体部材2Aと蓋部材2Bとの間にシール部材が設けられる。本体部材2Aと蓋部材2Bとが接続され、バッテリ収容室10が閉塞されている状態において、シール部材により、ハウジング2の外部空間からバッテリ収容室10に異物が侵入することが抑制される。蓋部材2Bは、異物からバッテリ装着部12を保護する。異物は、塵埃及び雨水のような液体を含む。
【0072】
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、電動工具用のバッテリ11が装着されるバッテリ装着部12を備える音声出力器1において、高音用スピーカ8と低音用スピーカ9とが設けられる。高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9のそれぞれから音声を出力させるマルチウェイスピーカ方式が採用されることにより、作業現場において、作業者は、高音質な音楽又はラジオ放送を楽しむことができる。また、交流電源の使用が困難な作業現場においても、作業者は、電動工具用のバッテリ11で作動する音声出力器1を用いて、音楽又はラジオ放送を楽しむことができる。
【0073】
また、本実施形態においては、高音用スピーカ8の少なくとも一部がハウジング2の内部空間SPに配置され、低音用スピーカ9の少なくとも一部がハウジング2の内部空間SPに配置される。ハウジング2は、ハウジング2の外部空間から内部空間SPに異物が侵入することを抑制する。異物は、塵埃及び雨水のような液体を含む。これにより、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9のそれぞれは、ハウジング2によって異物から保護される。
【0074】
高音用スピーカ8の少なくとも一部がハウジング2の内部空間SPに配置され、低音用スピーカ9の少なくとも一部がハウジング2の内部空間SPに配置される場合、高音用スピーカ8から出力された音声に起因する空気の振動が内部空間SPを介して低音用スピーカ9に伝播したり、低音用スピーカ9から出力された音声に起因する空気の振動が内部空間SPを介して高音用スピーカ8に伝播したりする可能性がある。内部空間SPを介して高音用スピーカ8から低音用スピーカ9に空気の振動が伝播すると、低音用スピーカ9の動きが阻害され、音声出力器1の音質が低下する可能性がある。また、内部空間SPを介して低音用スピーカ9から高音用スピーカ8に空気の振動が伝播すると、高音用スピーカ8の動きが阻害され、音声出力器1の音質が低下する可能性がある。高音用スピーカ8から出力される音声の周波数領域と、低音用スピーカ9から出力される音声の周波数領域とは異なる。そのため、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9の一方のスピーカから他方のスピーカに内部空間SPを介して空気の振動が伝播すると、音質が低下する可能性が高くなる。
【0075】
本実施形態によれば、ハウジング2の内部空間SPにおいて高音用スピーカ8が配置される第1空間SP1と低音用スピーカ9が配置される第2空間SP2とを区画する区画部材100が設けられる。区画部材100が設けられることにより、内部空間SPを介して高音用スピーカ8から低音用スピーカ9に空気の振動が伝播したり、内部空間SPを介して低音用スピーカ9から高音用スピーカ8に空気の振動が伝播したりすることが抑制される。これにより、音声出力器1の音質の低下が抑制される。
【0076】
本実施形態によれば、区画部材100は、ハウジング2の内部空間SPにおいて、高音用スピーカ8の周囲に配置される。高音用スピーカ8の外形は、低音用スピーカ9の外形よりも小さい。高音用スピーカ8の周囲に区画部材100を配置することにより、区画部材100を小型化することができる。
【0077】
本実施形態によれば、第1区画部材101の少なくとも一部は、左板23の開口23Mに配置される。第1高音用スピーカ81の少なくとも一部は、第1区画部材101に接続される。これにより、第1高音用スピーカ81は、第1区画部材101を介して左板23に支持される。第2区画部材102及び第2高音用スピーカ82についても同様である。
【0078】
本実施形態によれば、第1区画部材101は、左板23の開口23Mに配置されるリム部103を有する。リム部103は、第1高音用スピーカ81のフランジ部85Fの周囲に配置される。これにより、第1高音用スピーカ81のフランジ部85Fは、第1区画部材101のリム部103を介して左板23に支持される。また、第1高音用スピーカ81の振動板83は、開口23Mの内側に配置されるので、第1高音用スピーカ81から出力される音声は、ハウジング2の外部空間に円滑に出力される。また、本実施形態によれば、第1区画部材101は、第1空間SP1を形成するボウル部104を有する。ボウル部104は、第1高音用スピーカ81の本体部85Bの周囲に配置される。これにより、第1高音用スピーカ81の本体部85Bは、実質的に密閉された第1空間SP1に配置される。そのため、高音用スピーカ8及び低音用スピーカ9の一方のスピーカから他方のスピーカに空気の振動が伝播することが効果的に抑制される。また、第1空間SP1は、曲面を含むボウル部104によって形成される。これにより、第1区画部材101の強度が維持される。第2区画部材102及び第2高音用スピーカ82についても同様である。
【0079】
本実施形態によれば、高音用スピーカ8は、第1高音用スピーカ81と、第2高音用スピーカ82とを含む。第1高音用スピーカ81は、左板23に配置され、第2高音用スピーカ82は、右板24に配置される。第1高音用スピーカ81及び第2高音用スピーカ82のそれぞれから音声を出力させるステレオスピーカ方式が採用されることにより、作業現場において、作業者は、高音質な音楽又はラジオ放送を楽しむことができる。
【0080】
区画部材100は、第1高音用スピーカ81の周囲に配置されハウジング2の左板23に支持される第1区画部材101と、第2高音用スピーカ82の周囲に配置されハウジング2の右板24に支持される第2区画部材102とを含む。内部空間SPにおいて、第1区画部材101の台座部105と第2区画部材102の台座部105とが固定部材130により接続される。左板23と右板24とが区画部材100を介して連結されることにより、ハウジング2の剛性が向上する。ハウジング2の剛性が向上することにより、ハウジング2の不要な振動が抑制されるため、ブーミー音のような不要な音声が出力されることが抑制される。
【0081】
また、本実施形態においては、区画部材100が第1区画部材101と第2区画部材102とによって構成されるので、音声出力器1の製造及び組立において良好な作業性が得られる。
【0082】
本実施形態において、低音用スピーカ9は、ハウジング2の下板22に配置される。これにより、音声出力器1が設置面に設置された場合、低音用スピーカ9は、下方に向かって低音な音声を出力することができる。脚部7により低音用スピーカ9と設置面との間に隙間が形成されるので、低音用スピーカ9から出力された音声は、隙間を介して、音声出力器1の周囲に良好に伝達される。
【0083】
[他の実施形態]
上述の実施形態においては、区画部材100は、高音用スピーカ8を囲むボウル部104を有することとした。区画部材100は、低音用スピーカ9を囲むボウル部104を有してもよい。
【0084】
上述の実施形態においては、曲面を含むボウル部104によって第1空間SP1が形成されることとした。また、ボウル部104により第1空間SP1は実質的に密閉されることとした。ボウル部104の一部に設けられた開口を介して第1空間SP1と第2空間SP2とが結ばれてもよい。また、第1空間SP1を規定する区画部材100の内面が角部を有してもよい。
【0085】
上述の実施形態においては、低音用スピーカ9は、下板22に1つだけ配置されることとした。低音用スピーカ9は、下板22に2つ配置されてもよいし、3つ以上の任意の複数だけ配置されてもよい。また、左右方向において、低音用スピーカ9は、第1高音用スピーカ81と第2高音用スピーカ82との間に配置されていればよく、上板21に配置されてもよいし、前板25に配置されてもよいし、後板26に配置されてもよい。
【0086】
図12は、他の実施形態に係る音声出力器1を模式的に示す斜視図である。
図12に示すように、低音用スピーカ9は、ハウジング2の左板23及び右板24の両方に配置されてもよい。なお、低音用スピーカ9は、ハウジング2の左板23及び右板24の一方に配置されてもよい。第1高音用スピーカ81が左板23に設けられ、左方に向かって音声を出力する場合、低音用スピーカ9も左板23に設けられ、左方に向かって音声を出力してもよい。第2高音用スピーカ82が右板24に設けられ、右方に向かって音声を出力する場合、低音用スピーカ9も右板24に設けられ、右方に向かって音声を出力してもよい。
【0087】
上述の実施形態において、2台の音声出力器1が同期して音声を出力してもよい。例えば、完全ワイヤレスステレオ(TWS:True Wireless Stereo)技術に基づいて、2台の音声出力器1のそれぞれから同時に音声が出力されてもよい。
【0088】
上述の実施形態において、音声出力器1のバッテリ装着部12の構造は、電動工具のバッテリ装着部の構造と同等であり、他の音声出力器のバッテリ装着部の構造と同等である。一方、音声出力器1の電源端子61の構造は、電動工具に設けられている電源端子、及び他の音声出力器の電源端子の構造と異なる。すなわち、電動工具の電源端子又は他の音声出力器の電源端子に接続可能なACアダプタは、本実施形態に係る音声出力器1の電源端子61に接続不可能である。換言すれば、本実施形態に係る音声出力器1の電源端子61には、音声出力器1専用のACアダプタのみが接続可能である。例えば、電源端子61の長さを長くすることによって、電源端子61に電動工具の電源端子又は他の音声出力器の電源端子が接続されないようにしてもよい。ACアダプタは、交流電源(商用電源)から供給された交流電力を直流電力に変換して、電源端子61に出力する。本実施形態に係る音声出力器1のACアダプタの出力が大きく、電源端子61が受入可能な直流電力値が大きい場合、他のACアダプタが電源端子61に接続されてしまうと、他のACアダプタが加熱する現象が発生する可能性がある。本実施形態においては、電源端子61には、音声出力器1専用のACアダプタのみが接続可能であり、他のACアダプタは接続不可能なので、上述の現象の発生が抑制される。なお、音声出力器1専用のACアダプタが、電動工具の電源端子又は他の音声出力器の電源端子が接続されてもよい。
【0089】
上述の実施形態において、音声出力器1は、ラジオ放送出力機能及び音楽再生機能を有することとした。音声出力器1は、ラジオ放送出力機能を有さずに、外部機器(91,92)から送信された音声データを出力する音楽再生機能のみを有してもよい。また、音声出力器1は、音楽再生機能を有さずに、ラジオ放送出力機能のみを有してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…音声出力器、2…ハウジング、2A…本体部材、2B…蓋部材、3…ハンドル、4…緩衝部材、5…操作パネル、6…ガード部材、7…脚部、8…高音用スピーカ、9…低音用スピーカ、10…バッテリ収容室、11…バッテリ、11A…第1バッテリ、11B…第2バッテリ、12…バッテリ装着部、12A…第1バッテリ装着部、12B…第2バッテリ装着部、21…上板、22…下板、22M…開口、23…左板、23M…開口、24…右板、24M…開口、25…前板、26…後板、27…ロック機構、28…メッシュプレート、31…把持部、32…アーム部、35…アンテナ、41…第1端子、42…第2端子、43…第3端子、45…カバー、46…カバー、47…カバー、51…表示装置、52…ボタン、53…ボタン、54…ダイヤル、55…イコライザボタン、56…インフォボタン、57…発光部、60…カバー、61…電源端子、70…制御装置、70A…受信部、70B…通信部、70C…取得部、70D…処理部、70E…出力部、71…制御基板、72…ヒートシンク、81…第1高音用スピーカ、82…第2高音用スピーカ、83…振動板、84…コイル、85…フレーム、85B…本体部、85F…フランジ部、91…外部機器、92…外部機器、100…区画部材、101…第1区画部材、102…第2区画部材、103…リム部、104…ボウル部、105…台座部、106…プレート部、130…固定部材、SP…内部空間、SP1…第1空間、SP2…第2空間。